特許第5788605号(P5788605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5788605ユーザインタフェース装置、検索方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788605
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ユーザインタフェース装置、検索方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150917BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150917BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20150917BHJP
【FI】
   G06F17/30 320A
   G06F17/30 210A
   G06F3/048 620
   G06F3/048 654B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-535451(P2014-535451)
(86)(22)【出願日】2013年8月7日
(86)【国際出願番号】JP2013071378
(87)【国際公開番号】WO2014041931
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2014年10月21日
(31)【優先権主張番号】特願2012-201320(P2012-201320)
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智
(72)【発明者】
【氏名】宮本 文恵
【審査官】 山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−163443(JP,A)
【文献】 特開2011−203769(JP,A)
【文献】 特開2011−164949(JP,A)
【文献】 特開2012−174100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 3/0482
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された操作に応じたクエリを生成する生成部とを備え、
前記生成部は、
複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が前記検出部により検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成する
ことを特徴とするユーザインタフェース装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記検出部により、第1の画像を選択する操作が検出された後、決められた時間内に第2の画像を選択する操作が検出されると、当該第1の画像に対応する検索対象と当該第2の画像に対応する検索対象とを組み合わせたクエリを生成する
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記決められた時間内に前記操作が検出されなかった場合に、それまでに前記操作が検出された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する
請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記画像を選択する第1の操作の後に、前記第1の操作と異なる所定の第2の操作が前記検出部により検出されると、当該第2の操作が検出されるまでに選択された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項5】
前記生成部は、
決められた時間内に複数の画像を選択する操作が前記検出部により検出されると、当該複数の画像に対応する複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成する
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記検出部により、前記操作が複数の前記画像について検出された後、当該操作が検出されなくなったら、それまでに前記操作が検出された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項7】
表示部に前記画像を表示させる表示制御部であって、前記決められた方法の前記操作を案内するように前記表示部を制御する表示制御部を備える
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項8】
前記生成部は、
前記検出部により前記操作が検出された順番に応じて前記複数の検索対象の重みを異ならせたクエリを生成する
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項9】
表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出するステップと、
前記検出された操作に応じたクエリを生成するステップであって、複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成するステップと
を有する検索方法。
【請求項10】
コンピュータに、
表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出するステップと、
前記検出された操作に応じたクエリを生成するステップであって、複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UI(User Interface)に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの電子機器のUIには使いやすさが求められており、例えば、高齢者などの操作に不慣れな者であっても容易に操作できる機種や、通常のモードに加えて操作が容易なモードを備えた機種に一定の需要がある。特許文献1には、ユーザの顔の特徴に基づいて当該ユーザの年齢や性別といった属性を判定し、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−059194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般に、UIの操作を簡略化すると、複雑な入力が行いにくくなるという課題がある。例えば、特定の操作を容易にするUIを設計すると、それ以外の操作がかえってわかりにくくなったりすることがある。
本発明の目的は、検索対象を複数組み合わせた検索を簡単に実行可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一の態様において、表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出する検出部と、前記検出部により検出された操作に応じたクエリを生成する生成部とを備え、前記生成部は、複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が前記検出部により検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成するユーザインタフェース装置を提供する。
【0006】
また、前記生成部は、前記検出部により、第1の画像を選択する操作が検出された後、決められた時間内に第2の画像を選択する操作が検出されると、当該第1の画像に対応する検索対象と当該第2の画像に対応する検索対象とを組み合わせたクエリを生成してもよい。
また、前記生成部は、前記決められた時間内に前記操作が検出されなかった場合に、それまでに前記操作が検出された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成してもよい。
また、前記生成部は、前記画像を選択する第1の操作の後に、前記第1の操作と異なる所定の第2の操作が前記検出部により検出されると、当該第2の操作が検出されるまでに選択された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成してもよい。
また、前記生成部は、決められた時間内に複数の画像を選択する操作が前記検出部により検出されると、当該複数の画像に対応する複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成してもよい。
また、前記生成部は、前記検出部により、前記操作が複数の前記画像について検出された後、当該操作が検出されなくなったら、それまでに前記操作が検出された画像に対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成してもよい。
また、表示部に前記画像を表示させる表示制御部であって、前記決められた方法の前記操作を案内するように前記表示部を制御する表示制御部を備えてもよい。
また、前記生成部は、前記検出部により前記操作が検出された順番に応じて前記複数の検索対象の重みを異ならせたクエリを生成してもよい。
【0007】
また、本発明は、他の観点において、表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出するステップと、前記検出された操作に応じたクエリを生成するステップであって、複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成するステップとを有する検索方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、さらに他の観点において、コンピュータに、表示された、検索対象に対応する画像を選択する操作を検出するステップと、前記検出された操作に応じたクエリを生成するステップであって、複数の検索対象に対応する複数の画像を決められた方法で選択する操作が検出されると、一の画像に対応する一の検索対象が、当該一の画像を選択するための操作を検出した時間の長さに応じて重み付けられるように、当該複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検索対象を複数組み合わせた検索を簡単に実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報検索システムの全体構成を示すブロック図
図2】通信端末のハードウェア構成を示すブロック図
図3】通信端末の機能的構成を示すブロック図
図4】検索画面の一例を示す図
図5】検索処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0011】
10…情報検索システム、100…通信端末、110…制御部、111…検出部、112…生成部、113…取得部、114…表示制御部、120…記憶部、130…通信部、140…タッチスクリーン部、141…表示部、142…センサ部、200…検索サーバ、300…ネットワーク
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例]
図1は、本発明の一実施例である情報検索システム10の全体構成を示すブロック図である。情報検索システム10は、通信端末100と、検索サーバ200とを備え、これらを移動通信網やインターネットなどのネットワーク300によって相互に接続した構成である。
【0013】
通信端末100は、ユーザが情報の検索などに用いる電子機器である。通信端末100は、ここでは、スマートフォンやタブレット端末などの移動通信端末であるとし、後述するようにタッチスクリーンでの操作が可能なように構成されている。また、検索サーバ200は、通信端末100からの要求(クエリ)に応じてコンテンツの検索を実行し、その検索結果を返すサーバ装置である。本実施例において、コンテンツとは、Webページであるとする。つまり、検索サーバ200は、検索条件に合致するWebページのURL(Uniform Resource Locator)のリストを検索結果とし、これを通信端末100に提供する。
【0014】
図2は、通信端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、タッチスクリーン部140とを備える。なお、通信端末100は、ここには図示されないが、タッチスクリーン部140以外の操作手段(いわゆる操作ボタンなど)、マイクロホン、スピーカなどを備えていてもよい。
【0015】
制御部110は、通信端末100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置やメモリを備え、所定のプログラムを実行することによって制御を行う。また、制御部110は、タッチスクリーン部140によって受け付けられたユーザからの操作に応じて、本発明に係るユーザインタフェース装置を実現する。
【0016】
記憶部120は、データを記憶する手段である。記憶部120は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体を備え、制御部110が制御に用いるデータを記憶している。例えば、記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、タッチスクリーン部140に画像を表示させるための画像データなどを記憶することができる。
通信部130は、ネットワーク300を介してデータを送受信する手段である。通信部130は、アンテナや、ネットワーク300の通信方式に対応したモデムなどを備え、データの変調・復調といったデータ通信に必要な処理を実行する。
【0017】
タッチスクリーン部140は、画像を表示するとともにユーザの操作を受け付ける手段である。タッチスクリーン部140は、より詳細には、表示部141とセンサ部142とを備える。表示部141は、液晶素子や有機EL(electroluminescence)素子により構成された表示領域とこれを駆動する駆動回路とを備え、画像データに応じた画像を表示する。センサ部142は、表示部141の表示領域に重ねて設けられたセンサを備え、ユーザの操作に応じた座標情報を制御部110に供給する。本実施例において、ユーザの操作とは、表示領域の任意の位置に指などによって接触することを指す。また、座標情報は、表示領域の所定の位置を原点とした2次元直交座標系の座標によって記述される。
【0018】
図3は、通信端末100の検索機能に関する機能的構成を示すブロック図である。通信端末100の制御部110は、所定のプログラムを実行することにより、検出部111、生成部112、取得部113及び表示制御部114に相当する機能を実現する。この機能は、本発明に係るユーザインタフェース装置の機能に相当する。
【0019】
検出部111は、ユーザの操作を検出する手段である。検出部111は、センサ部142から供給された座標情報と、そのとき表示領域に表示されている画像とに基づき、ユーザの操作がどのような操作であるかを検出する。検出部111は、表示領域の1点に瞬間的に触れる「タップ」、タップ操作を素早く2回繰り返す「ダブルタップ」、表示領域の1点に触れた後、そのまま離さずに接触位置を移動させる「ドラッグ」などの操作を検出することができる。
【0020】
生成部112は、検出部111により検出された操作に応じた処理を実行する手段である。本実施例において、生成部112の主要な機能は、クエリを生成する機能である。ここにおいて、クエリとは、検索条件を指定し、当該検索条件による検索を検索サーバ200に要求するための情報(文字列)をいい、検索対象を表す検索語を少なくとも含んでいる。生成部112は、検出部111により検出された操作に応じて、検索対象が単一のクエリと複数の検索対象を組み合わせたクエリとを生成することができる。また、生成部112により生成されたクエリは、通信部130を介して検索サーバ200に送信される。
【0021】
取得部113は、データを取得する手段である。例えば、取得部113は、通信端末100からクエリが送信された場合に、検索サーバ200から検索結果を表す一覧データを通信部130を介して取得する。なお、取得部113は、一覧データに限らず、情報の検索や表示に必要な他のデータを取得することも可能である。
【0022】
表示制御部114は、表示部141による表示を制御する手段である。表示制御部114は、取得部113により取得されたデータに応じた文字や画像を表示部141に表示させる。例えば、表示制御部114は、後述する検索パネルを表示させたり、一覧データに基づく検索結果の一覧を表示させたりすることができる。
【0023】
情報検索システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、通信端末100のユーザは、通信端末100を用いて、必要に応じてコンテンツの検索を実行することが可能である。本実施例の検索は、ユーザが文字(テキスト)を入力することなく、表示部141の表示領域に表示された画像を選択することで実行可能である点に特徴を有する。
【0024】
図4は、本実施例の検索画面の一例を示す図である。同図に示す検索画面は、複数の検索パネルP1〜P8を表示するものである。検索パネルP1〜P8は、各々が所定の検索対象に対応するアイコン(画像)である。例えば、検索パネルP1は、「カフェ」という検索対象に対応している。ユーザは、カフェを検索しようとする場合には、検索パネルP1を選択すればよい。検索パネルを選択する操作は、例えば、検索パネルに触れる操作である。
【0025】
また、ユーザは、あらかじめ決められた方法で操作することによって、検索対象を複数指定することも可能である。例えば、ユーザは、カフェのクーポン(あるいは、クーポンが提供されているカフェ)を検索する場合であれば、「カフェ」と表記された検索パネルP1と「クーポン」と表記された検索パネルP8とを選択する操作を行えばよい。この場合の検索は、いわゆるアンド検索(2つの検索対象の論理積)に限らず、オア検索(2つの検索対象の論理和)であってもよい。
【0026】
なお、検索パネルの数やその検索対象は、あくまでも一例であって、図示されたものに限定されない。また、検索対象は、ユーザ毎に異なっていてもよい。例えば、検索対象は、ユーザの性別や年齢、ユーザがいる場所などによって異なるものが用意されていてもよい。さらに、通信端末100は、ユーザの操作に応じて、表示させる検索パネルやその配置をカスタマイズできるように構成されていてもよい。
【0027】
また、検索パネルに表示される文字と実際の検索語とは必ずしも一致していなくてもよい。例えば、「クーポン」と表記された検索パネルP8を選択した場合のクエリには、「クーポン」ではなく「割引券」が含まれていてもよいし、これらの双方をオア検索の検索語として含んでいてもよい。あるいは、検索パネルに文字ではなく画像を表示することも可能である。
【0028】
また、本実施例の検索は、インターネット全体のコンテンツを検索するものであってもよいし、特定のWebサイト内のコンテンツのみを検索するものであってもよい。あるいは、本実施例の検索は、GPS(Global Positioning System)などの測位手段を利用して自端末の位置の周辺に関連するコンテンツを検索する、いわゆるローカル検索であってもよい。例えば、飲食店、娯楽施設、宿泊施設などを検索することが目的の場合には、ローカル検索が求められる場合もある。
【0029】
図5は、本実施例の検索処理を示すフローチャートである。この検索処理において、通信端末100の制御部110は、検索パネルのいずれかを選択する操作を検出すると(ステップS1)、次いで、あらかじめ決められた方法で複数の検索パネルが選択されたか否かを判断する(ステップS2)。ここで、制御部110は、検索パネルが複数選択されていれば、選択された複数の検索パネルに対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する(ステップS3)。一方、制御部110は、検索パネルが複数選択されていなければ、ステップS1において選択された検索パネルに対応する検索対象のクエリを生成する(ステップS4)。
【0030】
このようにしてクエリを生成したら、制御部110は、通信部130を介してこれを検索サーバ200に送信する(ステップS5)。検索サーバ200は、クエリを受信すると、受信したクエリに応じた一覧データを生成し、通信端末100に送信する。制御部110は、通信部130を介して一覧データを受信し(ステップS6)、一覧データに応じた検索結果を表示部141に表示させる(ステップS7)。
【0031】
ここで、複数の検索パネルを選択する方法は、複数考えられる。第1の方法は、選択可能な検索パネルの数をあらかじめ決めておく方法である。この方法の場合、あらかじめ決められた数の検索パネルが選択されたら、通信端末100がクエリを生成する。例えば、操作に不慣れなユーザ向けのUIの場合、このようなユーザが検索対象を3以上組み合わせることは稀であるため、選択可能な検索パネルの数を2つまでとしてもよい。このようにすれば、ユーザに特別な操作を強いることなく、検索対象を複数組み合わせた検索を実行することが可能になる。なお、通信端末100は、検索パネルの選択に制限時間を設け、制限時間内に所定数の検索パネルが選択されなかった場合には、そのとき選択されている検索パネルに応じたクエリを生成すればよい。
【0032】
第2の方法は、ユーザが必要な検索パネルに全て触れるまで指を離さないようにする方法である。つまり、この方法の場合、ユーザは、検索パネルに対してタップ操作を行うのではなく、必要な数の検索パネルを選択し終わるまで、検索パネルに指を接触させたままでいる。その後、ユーザは、必要な数の検索パネルを選択すると、指を同時(又はほぼ同時)にタッチスクリーン部140から離す。この場合、制御部110は、いずれかの検索パネルを選択する操作が検出された後、指が離れたこと、すなわち検索パネルを選択する操作が検出されなくなったことを契機にしてクエリの生成を開始する。この方法によれば、第1の方法に比べ、選択可能な検索パネルの数を可変にできるという利点がある。
【0033】
第3の方法は、検索パネルの選択に制限時間を設定する方法である。通信端末100は、決められた時間内に複数の検索パネルが選択されると、当該複数の検索パネルに対応する複数の検索対象を組み合わせたクエリを生成する。ここにおいて、制限時間は、例えばユーザが最初に検索パネルを選択してから3〜5秒程度であるが、使用が想定されるユーザに応じて決められてもよいし、あるいはユーザ自身が設定できるようにしてもよい。このようにすれば、一定の時間の経過後に検索を確実に開始することが可能である。
【0034】
第4の方法は、検索パネルを選択するための操作(第1の操作)の後に、クエリを生成して検索を開始するための所定の操作(第2の操作)を行う方法である。ここにおいて、第2の操作は、第1の操作と異なり、第1の操作と区別可能な操作であれば、どのようなものであってもよい。例えば、ユーザは、第1の操作として検索パネルに対してタップ操作を行い、その後、第2の操作として、表示領域の検索パネル以外の部分に対してタップ操作を行ってもよく、また、操作ボタンの押下などのタッチスクリーン部140以外の操作手段に対する操作であってもよい。あるいは、ユーザは、検索対象に含める最後の検索パネルを選択するときに、第2の操作としてそれまでとは異なる操作を行うようにしてもよい。例えば、第1の操作を検索パネルに対するタップ操作とし、第2の操作を検索パネルに対するダブルタップ操作としてもよい。この場合、第2の操作は、検索パネルの選択が終了したことを意味する。このようにすれば、選択する検索パネルの数や選択に要する時間の制約を受けることがない。
【0035】
第5の方法は、ある検索パネルを選択した後に、次の検索パネルを選択するための所定の制限時間を設定する方法である。この場合、通信端末100は、第1の検索パネルを選択する操作を検出した後、決められた時間内に第1の検索パネルと異なる第2の検索パネルを選択する操作を検出した場合には、これらを検索対象に含んだクエリを生成する。その後、通信端末100は、第2の検索パネルを選択する操作を検出した後、決められた時間内に第1の検索パネルと第2の検索パネルのいずれとも異なる第3の検索パネルを選択する操作を検出した場合には、第1の検索パネル、第2の検索パネル及び第3の検索パネルのそれぞれに対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する。このように、ユーザは、決められた時間内に操作を続けて行うようにすれば、複数の検索パネルを次々に選択することが可能になる。
【0036】
なお、第5の方法において、通信端末100は、いずれかの検索パネルの選択を検出した後、決められた時間内に別の検索パネルを選択する操作が検出されなかった場合に、それまでに選択された検索パネルに対応する検索対象を組み合わせたクエリを生成する。つまり、ユーザは、検索パネルを最後に選択してから、一定の時間、別の検索パネルを追加的に選択しないでいると、当該一定の時間後に検索を開始することができる。
【0037】
また、検索パネルを選択する場合において、通信端末100は、操作の方法を案内するように表示領域の表示を制御してもよい。例えば、通信端末100は、ユーザに選択された検索パネルとそうでない検索パネルとが区別できるように、これらの表示態様(色、輪郭など)を異ならせてもよい。また、通信端末100は、ユーザの操作に制限時間が設定されている場合に、その制限時間をカウントダウン表示するなどして、時間の経過を知らせるようにしてもよい。あるいは、通信端末100は、いわゆるヘルプ機能のように、具体的な操作の方法を文字や画像によってユーザに示してもよい。
【0038】
以上のとおり、本実施例によれば、タッチスクリーン部140に対して所定の方法で操作を行うことによって、単一の検索対象を指定した検索と複数の検索対象を組み合わせた検索とを同一の画面で実行することができる。これにより、ユーザは、文字を入力したり、複雑な検索条件や検索式を入力したりすることなく、検索対象を指定することが可能となる。
【0039】
[変形例]
本発明は、上述した実施例の態様に限らず、他の態様でも実施することができる。以下に示すのは、本発明の他の態様の一例である。なお、これらの変形例は、必要に応じて、各々を適宜組み合わせることも可能である。
【0040】
(1)本発明の検索は、いわゆる重み付け検索であってもよい。ここにおいて、重み付け検索とは、検索対象である検索語がクエリに複数ある場合に、ある検索語と別の検索語の重み(重要度、重視する度合い)を異ならせて行う検索をいう。本発明においては、検索パネルを選択する操作が検出された順番に応じて重み付けを行うことが可能である。この場合において、最初に選択された検索パネルに対応する検索対象の重みを大きくしてもよいし、最後に選択された検索パネルに対応する検索対象の重みを大きくしてもよい。あるいは、通信端末100は、検索パネルを選択する操作が行われていた時間、すなわち、ユーザが検索パネルに触れていた時間を検出し、この時間の長さに応じて検索対象の重みを異ならせてもよい。
【0041】
(2)本発明の検索は、サーバ装置を介するものに限定されない。本発明の検索は、いわゆるデスクトップ検索のような、ローカルファイル(自装置に記憶されているファイル)の検索にも適用可能である。すなわち、本発明は、クエリを生成し、これを外部に出力するものに限定されず、生成したクエリに応じた検索を自装置で実行するものも含まれ得る。
【0042】
(3)本発明のコンテンツは、Webページに限定されない。本発明のコンテンツは、Webページ以外の文書であってもよいし、音楽、動画、ゲームなどのデジタルコンテンツ(又はそのリンク)を埋め込んだWebページであってもよい。あるいは、本発明のコンテンツは、このようなデジタルコンテンツのレビューや評判(いわゆる口コミ情報)が記述されたWebページであってもよい。つまり、本発明は、このようなデジタルコンテンツを検索するためのものであってもよい。
【0043】
(4)本発明の操作手段は、タッチスクリーンに限定されない。例えば、本発明の操作手段は、検索対象に対応する画像(検索パネル)を机上や壁面に投影し、赤外線などによって指の位置を検出するものであってもよい。また、本発明の操作は、必ずしも指で行われる必要はなく、スタイラス(スタイラスペン、タッチペンともいう。)を用いて行われてもよい。ここでは、指とこれに代替する指示用の器具とを総称して「指示体」という。
【0044】
また、本発明の操作は、指示体を表示領域に接触させるものに限定されない。例えば、静電容量式のタッチスクリーンは、指が接触したことだけでなく、指が(接触せずに)近接した状態をも検知可能である。本発明の操作手段は、このような指が近接した状態に基づいて操作を検出するものであってもよい。
【0045】
(5)本発明のユーザインタフェース装置は、スマートフォンやタブレット端末以外のさまざまな電子機器にも適用可能である。例えば、本発明は、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータなどのユーザインタフェース装置としても適用可能である。
【0046】
また、本発明は、ユーザインタフェース装置としてだけではなく、これを備えた電子機器、かかる電子機器とサーバ装置とを備える情報検索システム、情報の検索方法、コンピュータを本発明のユーザインタフェース装置として機能させるためのプログラムとして把握されてもよい。また、本発明に係るプログラムは、光ディスクなどの記録媒体に記録した形態や、インターネットなどのネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にする形態などでも提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5