【文献】
永島良昭,外,ガイド波を用いた配管減肉検査技術,配管技術,2008年 5月19日,第50巻,第7号,P.19−24
【文献】
『SSC』Smart Sonic Communication,[online],Singapore SDI PTE LTD,2012年 6月13日,[平成24年12月12日検索],インターネット,URL,http://sdi.sc/download/SSC_NewsRelease.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記要求手段が、前記端末側残高が所定金額以上残るように設定されるアップロード金額を含む前記アップロード要求を送信する、ことを特徴とする請求項2記載の電子マネーシステム。
前記音声出力手段が、決済対象の価格が登録される毎に、当該時点までの暫定決済金額が属する一定金額幅の価格帯に対応付けられた周波数の価格帯判別用超音波をさらに出力し、
前記携帯端末が、
前記出力される価格帯判別用超音波に基づいて価格帯を判別する判別手段と、
前記判別手段により判別される価格帯が前記ICモジュールに記憶される端末側残高が属する価格帯と同一の又は所定段階だけ下位の価格帯に該当すると判定された場合に、前記端末側残高が決済金額に対して不足する可能性がある旨をユーザに報知する報知手段と、
をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子マネーシステム。
電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を具備するICモジュールにアクセス可能であり、前記端末側残高を変更させる、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段を具備し、かつ、前記ICモジュールとサーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を具備しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段を具備する携帯端末が、
前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定処理と、
前記接近パターンに該当すると判定された場合に、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求処理と、を実行し、
前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段を具備するサーバ装置が、
前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部を減額するサーバ側残高更新処理と、
前記ICモジュールに記憶される端末側残高を当該サーバ側残高の減額分だけ増額させる残高変更情報を生成する生成処理と、
前記生成された残高変更情報を前記携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する端末側残高変更処理と、を実行する、
ことを特徴とする電子バリュー移転方法。
電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する携帯端末であって、
前記端末側残高を変更させる、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段と、
前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求手段と、
を具備することを特徴とする携帯端末。
電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する携帯端末であって、
前記端末側残高を変更させる、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段を具備する携帯端末が、
前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求ステップと、
を実行することを特徴とする携帯端末の制御方法。
電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する、コンピュータである携帯端末であって、
前記端末側残高を変更させる、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段を具備する携帯端末に対して、
前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求機能と、を実現させるプログラム。
電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する、コンピュータである携帯端末であって、
前記端末側残高を変更させる、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段を具備する携帯端末に対して、
前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求機能と、を実現させるプログラムが記録された記録媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現実の店舗では、上述したようにストアードバリュー型の電子マネーシステムで用いる決済端末(非同期型決済端末)と、サーバ型電子マネーのシステムで用いる決済端末(同期型決済端末)とが混在しているのが実情である。そのため、サーバ側に記憶されるバリュー残高による決済サービスでは、決済端末がサーバ側バリューによる決済を受け付ける機能、すなわち同期する機能を具備していないと、決済を行うことができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、サーバ側で管理される電子バリューを端末側に自動的に移し、端末側バリュー残高による決済機能のみを具備する決済端末に対して決済を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を具備するICモジュールにアクセス可能な携帯端末と、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を前記携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、を具備するサーバ装置と、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段を具備し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われる前記サーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を具備しない非同期型の決済端末と、を含む電子マネーシステムであって、前記非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源をさらに含み、前記携帯端末が、前記超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段と、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求手段と、を具備する、ことを特徴とする電子マネーシステムを提供する。
請求項2に記載の発明では、前記記憶手段が、前記音声入力手段が前記超音波発信源から離反する際に表れる音量のパターンを示す離反パターンをさらに記憶し、前記要求手段が、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記離反パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに記憶される端末側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高が当該端末側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのアップロード要求を前記サーバ装置に送信する、ことを特徴とする請求項1記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項3に記載の発明では、前記要求手段が、前記端末側残高が所定金額以上残るように設定されるアップロード金額を含む前記アップロード要求を送信する、ことを特徴とする請求項2記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項4に記載の発明では、前記非同期型の決済端末が、前記超音波発信源に相当する音声出力手段をさらに具備し、前記非同期型の決済端末が具備する前記音声出力手段が、前記サーバ側残高による決済が不可能である旨を示す前記超音波を出力し、前記要求手段が、前記音声入力手段により入力される超音波に基づいて前記サーバ側残高による決済が可能でないと判定された場合に限り、前記ダウンロード要求を送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項5に記載の発明では、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われる前記サーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段と、前記超音波発信源に相当する音声出力手段と、を具備するハイブリッド型の決済端末をさらに含み、前記ハイブリッド型の決済端末が具備する前記音声出力手段が、前記サーバ側残高による決済が一時的に不可能である場合にその旨を示す前記超音波を出力し、前記要求手段が、前記音声入力手段により入力される超音波に基づいて前記サーバ側残高による決済が可能でないと判定された場合に限り、前記ダウンロード要求を送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項6に記載の発明では、前記音声出力手段が、近傍に設置される他の決済端末と区別されるよう、所定の周期で音量が変化する音声パターンの超音波を出力する、ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項7に記載の発明では、前記音声出力手段が、近傍に設置される他の決済端末と区別されるよう、所定の周期で周波数が変化する音声パターンの超音波を出力する、ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項8に記載の発明では、前記音声出力手段が、決済対象の価格が登録される毎に、当該時点までの暫定決済金額が属する一定金額幅の価格帯に対応付けられた周波数の価格帯判別用超音波をさらに出力し、前記携帯端末が、前記出力される価格帯判別用超音波に基づいて価格帯を判別する判別手段と、前記判別手段により判別される価格帯が前記ICモジュールに記憶される端末側残高が属する価格帯と同一の又は所定段階だけ下位の価格帯に該当すると判定された場合に、前記端末側残高が決済金額に対して不足する可能性がある旨をユーザに報知する報知手段と、をさらに具備する、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項9に記載の発明では、前記音声出力手段が、決済対象の価格が登録される毎に、当該時点までの暫定決済金額を前記超音波に載せて出力し、前記携帯端末が、前記超音波に載せて出力される暫定決済金額を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される暫定決済金額と前記ICモジュールに記憶される端末側残高との差異が所定の閾値より小さいと判定された場合に、前記端末側残高が決済金額に対して不足する可能性がある旨をユーザに報知する報知手段と、をさらに具備する、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子マネーシステムを提供する。
請求項10に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を具備するICモジュールにアクセス可能であり、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段を具備し、かつ、前記ICモジュールとサーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を具備しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段を具備する携帯端末が、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定処理と、前記接近パターンに該当すると判定された場合に、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求処理と、を実行し、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段を具備するサーバ装置が、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部を減額するサーバ側残高更新処理と、前記ICモジュールに記憶される端末側残高を当該サーバ側残高の減額分だけ増額させる残高変更情報を生成する生成処理と、前記生成された残高変更情報を前記携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する端末側残高変更処理と、を実行する、ことを特徴とする電子バリュー移転方法を提供する。
請求項11に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する携帯端末であって、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶手段と、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求手段と、を具備することを特徴とする携帯端末を提供する。
請求項12に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する携帯端末であって、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する
記憶手段を具備する携帯端末が、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶
手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求ステップと、を
実行することを特徴とする携帯端末の制御方法を提供する。
請求項13に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する、コンピュータである携帯端末
であって、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶
手段を具備する携帯端末に対して、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶
手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定機能と、前記判定機能により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求機能と、を実現させるプログラムを提供する。
請求項14に記載の発明では、電子バリューの端末側残高を記憶する手段と、残高変更情報を用いて前記端末側残高を変更する手段と、を有するICモジュールと、前記端末側残高を変更させる残高変更情報を生成する手段と、前記生成した残高変更情報を携帯端末を介して前記ICモジュールに送信する手段と、を有するサーバ装置と、の間の通信を仲介する、コンピュータである携帯端末
であって、前記端末側残高を変更させる
、決済に関する残高変更情報を前記ICモジュールに送信する手段と、を有し、かつ、前記ICモジュールと前記サーバ装置との間で行われるサーバ側残高による決済処理をリアルタイムで仲介する手段を有しない非同期型の決済端末の近傍において超音波を発信する超音波発信源から発信される超音波を入力する音声入力手段が当該超音波発信源に接近する際に表れる音量のパターンを示す接近パターンを記憶する記憶
手段を具備する携帯端末に対して、前記音声入力手段により入力される超音波の音量が前記記憶
手段に記憶される前記接近パターンに該当するか否かを判定する判定機能と、前記判定機能により前記接近パターンに該当すると判定された場合に、前記ICモジュールに対応付けて電子バリューの決済に利用可能なサーバ側残高を記憶する手段と、前記サーバ側残高を更新する手段と、をさらに有する前記サーバ装置に対して、前記ICモジュールに対応付けて記憶される前記サーバ側残高の少なくとも一部が減額され、かつ、当該ICモジュールに記憶される端末側残高が当該サーバ側残高の減額分だけ増額されるよう、電子バリューのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する要求機能と、を実現させるプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サーバ側バリューが自動的に携帯端末側に移り、端末側バリュー残高による決済機能のみを具備する決済端末に対して決済が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本実施形態では、携帯端末5に内蔵又は装着されるICモジュール30と、電子マネーサーバ2に内蔵され又は接続する記憶部35とに、それぞれ電子バリューの残高が記憶されている電子マネーシステムを前提とする。これらの残高は互いに独立しており(つまり、同期しておらず)、それぞれ対応する決済端末等による決済に利用可能である。以下の説明では、携帯端末5側に記憶される電子バリューの残高を「端末側バリュー残高」(端末側残高)といい、電子マネーサーバ2側に記憶される電子バリューの残高を「サーバ側バリュー残高」(サーバ側残高)という。
電子マネーサーバ2とICモジュール30との間で行われる決済処理をリアルタイムで仲介する機能を有する決済端末(例えば、同期型の決済端末6)は、サーバ側バリュー残高による直接の決済に対応する。一方、同機能を有しない決済端末(例えば、非同期決済端末7)は、サーバ型バリュー残高による直接の決済に対応しない。そこで本実施形態では、決済端末の近傍に設置された超音波発信源からサーバ側残高による決済処理に対応し得ないことを示す超音波を発信するようにする。
【0012】
発信された超音波が携帯端末5のマイクロフォン20により検出されると、当該携帯端末5は、まず、当該超音波の発信源に関連付けられた決済端末(ここでは、発信源たるスピーカ145を具備する非同期決済端末7)においてサーバ側バリュー残高による決済が可能でないと判定する。
サーバ側バリュー残高による決済が可能でないと判定された場合、さらに、検出される超音波の音量が、超音波の発信源に接近する際に典型的に表れる受信超音波パターン(接近パターン)に該当するか否かを判定する。近接パターンに該当すると判定された場合、携帯端末5は、電子マネーサーバ2にバリューをシフトする要求(ダウンロード要求)を送信する。
このダウンロード要求を受けて、電子マネーサーバ2は、サーバ側バリュー残高を端末側へシフトする(移す)ため、サーバ側バリュー残高から所定額を減額した後、当該所定額だけ端末側バリュー残高を増額させる金額変更情報を携帯端末5へ送信する。この金額変更情報を受信したICモジュール30は、当該金額変更情報に基づき、端末側バリュー残高を更新(増額)する。そして、携帯端末5をリーダライタ部139にかざすことで、この端末側バリュー残高を用いて、非同期決済端末7で決済を行うことができる。
【0013】
その後、携帯端末5では、検出される超音波の音量が、超音波の発信源から離反する際に典型的に表れる受信超音波パターン(離反パターン)に該当するか否かを判定する。離反パターンに該当すると判定された場合、携帯端末5は、電子マネーサーバ2にバリューをシフトする要求(アップロード要求)を送信する。
このアップロード要求を受けて、電子マネーサーバ2は、端末側バリュー残高をサーバ側へシフトする(移す)ため、所定額だけ端末側バリュー残高を減額させる金額変更情報を携帯端末5へ送信する。この金額変更情報を受信したICモジュール30は、当該金額変更情報に基づき、端末側バリュー残高を更新(減額)する。その後、当該所定額だけサーバ側バリュー残高を増額する。
【0014】
(2)実施形態の詳細
図1は、第1の実施形態に係る電子マネーシステム1のネットワーク構成を説明するための図である。
電子マネーシステム1は、電子マネーサーバ2、インターネット3、携帯端末5、同期型決済端末6、非同期決済端末7、通信回線8などを用いて構成されている。
この電子マネーシステム1では、サーバ側バリュー残高によるサーバ管理型システムと端末側バリュー残高によるストアードバリュー型システムが混在している。
【0015】
電子マネーサーバ2は、バリューによる貨幣価値の移動を管理するサーバ装置である。ここで、バリューとは、貨幣価値に対応させた電子情報であり、電子マネーシステム1は、バリューの残高(以下、バリュー残高)を増減することにより貨幣価値を移動させる。
そして、電子マネーシステム1の事業体は、バリューの移動に対応させて実際の貨幣を移動させることによりバリューと実際の貨幣の移動を対応させる。
【0016】
電子マネーサーバ2は、サーバ側で残高の管理を行う「サーバ側バリュー残高」を記憶している。
一方、携帯端末5は、携帯端末5に内蔵又は装着されたICモジュール30に「端末側バリュー残高」を記憶している。
電子マネーサーバ2は、管理のため、必ずしも必須ではないが、携帯端末5に対応付けて端末側バリュー残高の管理値を記憶している。「端末側バリュー残高」と「端末側バリュー残高の管理値」とは、常に同期を取って、同一の値であることが望ましい。しかし、現実には電子マネーサーバ2とリアルタイムで接続できない、非同期決済端末7も多数存在する。そのため、生成したログデータを後にバッチ処理で電子マネーサーバ2に送り、事後的に同期を取るようにしている。
【0017】
携帯端末5は、例えば、スマートフォン、携帯電話、ゲーム機、タブレット型コンピュータなどで構成された携帯端末であって、インターネット3に接続する機能と、同期型決済端末6や非同期決済端末7と近距離無線通信により接続する機能とを備えている。
携帯端末5は、ICモジュール30を内蔵又は装着しており、これに電子マネー番号と端末側バリュー残高を記憶している。
【0018】
同期型決済端末6は、携帯端末5と近距離無線通信を行うと共に通信回線8を介して電子マネーサーバ2とも通信し、電子マネーサーバ2に決済金額などの情報を送信したり、電子マネーサーバ2と携帯端末5の通信を中継したりする。同期型決済端末6は、携帯端末5を用いた決済時にリアルタイムで電子マネーサーバ2とオンライン通信する同期決済端末である。同期型決済端末6は、端末側バリュー残高による決済と、サーバ側バリュー残高による決済と、の少なくともいずれかに対応している。
同期型決済端末6は、コンビニエンスストアなどのリアル店舗(不動産店舗などで物理的に営業している実店舗)の会計カウンタや自動販売機などに設置されている。
通信回線8は、電子マネーサーバ2と同期型決済端末6又は非同期決済端末7を接続する回線である。通信回線8として専用回線を用いることもできるし、インターネット3などの汎用の回線を用いてもよい。
【0019】
非同期決済端末7は、例えば、ネットワーク設備の不便な店舗や自動販売機などに設置されており、携帯端末5と近距離無線通信を行う機能を備えている。
非同期決済端末7は、携帯端末5と近距離無線通信を行って、端末側バリュー残高により決済を行う。非同期決済端末7は、通常は電子マネーサーバ2と接続しておらず(そのため、サーバ型電子マネーの決済ができない)、携帯端末5との決済内容を一時的にログデータとして記憶しておく。
そして、非同期決済端末7は、例えば1日に一回程度、通信回線8を用いて電子マネーサーバ2に接続し、電子マネーサーバ2にログデータを送信する。ネットワーク通信設備がない環境では、ログデータを記録した記録媒体を担当者が手動で収集する場合もある。
電子マネーサーバ2は、端末側バリュー残高に関しては、同期型決済端末6を介してICモジュール30にリアルタイムでアクセスした履歴と、非同期決済端末7から送信されるログデータと、によって資金移動を管理する。
非同期決済端末7は、スピーカ145を備えており、必要に応じて超音波を発信させることができる。携帯端末5は、この超音波をマイクロフォン20で受信できるようになっている。
【0020】
図2は、携帯端末5のハードウェア的な構成を示した図である。ここでは、一例として携帯端末5をスマートフォンであるとするが、携帯電話も同様である。
ゲーム機、タブレット型コンピュータは、通常携帯電話網の基地局アンテナと無線通信する機能を備えてなく、無線LANのアクセスポイントと無線通信する機能のみを備えている場合が多い。なお、スマートフォンも無線LANのアクセスポイントと無線通信する機能を備えている機種がある。
携帯端末5は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入力部14、出力部15、通信制御部16、近距離通信制御部17、記憶部18、マイクロフォン20、加速度センサ21、スピーカ22、GPS受信機23、ICモジュール30などがバスライン19によって接続している。
【0021】
CPU11は、ROM12や記憶部18に記録したプログラムを実行して各種の情報処理や携帯端末5全体の制御を行う。本実施形態では、例えば、後述の電子マネーアプリケーションプログラムの提供する機能により電子マネーサーバ2と協働してバリュー残高による決済処理を支援する。
ROM12は、読み取り専用のメモリであって、携帯端末5が動作するための基本的なプログラム、パラメータ、データなどが記録されている。
RAM13は、読み書きが可能なメモリであって、CPU11が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する。
【0022】
出力部15は、ユーザに対して情報を出力する機能部であって、例えば、画面表示用の液晶ディスプレイ、音声を出力するスピーカなどを備えている。液晶ディスプレイには、例えば、電子マネーアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンなどが表示される。
入力部14は、外部からの情報を入力する機能部であって、例えば、液晶ディスプレイ上に設置されたタッチパネルなどを備えている。ユーザは、液晶ディスプレイ上の表示に対応してタッチパネルにタッチすることにより情報を入力することができる。
【0023】
記憶部18は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やハードディスクなどの記録媒体を用いて構成されており、携帯端末5を制御する基本的なプログラムであるOS(Operating System)やバリューによる決済を支援する電子マネーアプリケーションプログラム、後述する受信超音波パターン、その他のプログラムやデータを記録している。
通信制御部16は、携帯電話網の基地局アンテナと無線通信するためのアンテナを備えており、携帯端末5をインターネット3や電話回線に接続する。携帯端末5は、通信制御部16を介してインターネット3経由で電子マネーサーバ2と通信することができる。
また、スマートフォンも無線LANのアクセスポイントと無線通信するための機能を備えている。
近距離通信制御部17は、同期型決済端末6や非同期決済端末7のリーダライタと近距離無線通信するためのアンテナを備えており、ICモジュール30を同期型決済端末6や非同期決済端末7に接続する。ICモジュール30は、近距離通信制御部17を介して同期型決済端末6や非同期決済端末7と通信する他、携帯端末5の通信制御部16を経由して電子マネーサーバ2と通信することができる。
スピーカ22は、音声を発生させて、ユーザに伝える働きをする。本実施形態では、後述するように、バリュー残高が少ないとき、警告する音声を出力する。
【0024】
ICモジュール30は、汎用のアプリケーションを記憶したICモジュールであり、携帯端末5に内蔵又は装着されている。ICモジュール30には、ユーザがダウンロードしたアプリケーションを記憶させることができる。
ICモジュール30は、CPU、RAM、ROMなどによって構成され、各種プログラムに従って情報処理を行う情報処理部26と不揮発性のメモリで構成された記憶部27を備えている。
記憶部27には、電子マネー番号と端末側バリュー残高、図示しないが、情報処理部26によってバリュー残高を操作するためのバリュー操作プログラム、及び電子マネーサーバ2がICモジュール30を認証する認証データなどが記憶されている。また、決済及びチャージのログデータも記憶されている。
電子マネー番号は、電子マネーサーバ2が、当該携帯端末5(ICモジュール30)が、何れのユーザのものであるかを識別するための番号である。
【0025】
ICモジュール30における端末側バリュー残高に関する減額処理、及び増額処理は外部からの命令によりICモジュール30内の情報処理部26に形成されたバリュー操作プログラムが行う。これは、バリュー残高の処理をICモジュール30内に限定することによりセキュリティを高めるためである。
【0026】
なお、端末側バリュー残高の処理に関しては、ICモジュール30に入力される情報は暗号化されており、ICモジュール30の内部で復号され、ICモジュール30から出力される情報は、これらモジュール内で暗号化してから出力される。
マイクロフォン20は、外部からの音声を受けて電気信号に変換する。本実施形態では、非同期決済端末7のスピーカ145から出力される超音波を検出する。
超音波は、非可聴域の音波であり、減衰率が高いため、このマイクロフォン20は、精度が高い物が望ましい。場合よっては、超音波センサを用いるようにしてもよい。また、このマイクロフォン20で受信した超音波をアンプなどで増幅するようにしてもよい。
加速度センサ21は、加速度の測定を目的とした慣性センサである。加速度を測定し、信号処理を行うことによって、携帯端末5の傾きや動き、振動や衝撃といったさまざまな情報を得ることができる。
GPS受信機23は、複数のGPS衛星からの電波を受信してそれぞれとの距離を割り出すことにより、当該携帯端末5の現在位置を測定することができる。
【0027】
図3は、携帯端末5の機能を説明するための図である。
電子マネーアプリケーションプログラムを実行すると携帯端末5に電子マネーアプリケーション29が形成される。
同期型決済端末6を備えたリアル店舗での決済の場合は、近距離通信制御部17は、同期型決済端末6と通信すると共に同期型決済端末6を介して電子マネーサーバ2と通信する。サーバ側バリューで決済を行う場合、リアルタイムでサーバ側バリューを減額することで決済を行う。
非同期決済端末7を備えたリアル店舗での決済の場合は、近距離通信制御部17は、非同期決済端末7と通信する。
また、電子マネーアプリケーション29は、ICモジュール30にアクセスすることができる。
【0028】
リアル店舗での決済の場合、近距離通信制御部17は、ICモジュール30でバリュー操作プログラムを動作させて、端末側バリュー残高を増減させたり、電子マネー番号を読み出したりすることができる。
そして、決済処理を行う際、ICモジュール30は、近距離通信制御部17を介して、非同期決済端末7からバリュー残高を更新(減額)するようにとの要求を受けて、端末側バリュー残高を更新(減額)する。
ここで行う端末側バリュー残高更新処理には、次のような方式が考えられる。
【0029】
(方式1)端末側バリュー残高更新要求として上書き命令を送信する場合。
この場合、電子マネーサーバ2は、携帯端末5のICモジュール30のCPUから受信した端末側バリュー残高に対して決済金額による減算を行い、減算後の残高を算出する。そして、非同期決済端末7は、端末側バリュー残高更新要求として、当該算出後の残高に上書きする上書き命令を送信する。携帯端末5のICモジュール30のCPUは、当該上書き命令に従って端末側バリュー残高を上書きして更新する。
(方式2)端末側バリュー残高更新要求として減算命令を送信する場合。
この場合、非同期決済端末7は、決済金額分だけバリュー残高を減算する減算命令を端末側バリュー残高更新要求として携帯端末5のICモジュール30のCPUに送信する。携帯端末5のICモジュール30のCPUは、当該命令に従って端末側バリュー残高から決済金額を減算して端末側バリュー残高を更新する。
その後、ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新した旨を非同期決済端末7に通知する。
【0030】
次に、リアル店舗でのチャージを説明する。
このチャージを行うのは、前提として、チャージを行うバリューに相当する貨幣を非同期決済端末7を操作する店員が受け取っていることである。そして、チャージ処理を行う際、ICモジュール30は、近距離通信制御部17を介して非同期決済端末7から端末側バリュー残高を更新(増額)するようにとの要求を受けて、端末側バリュー残高を更新(増額)する。
その後、ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新した旨を非同期決済端末7に通知する。
【0031】
このチャージでは、非同期決済端末7を介さずに、直接電子マネーサーバ2からチャージを行うこともできる。この場合、携帯端末5の通信制御部16を介して電子マネーサーバ2にアクセスし、ユーザの認証処理、クレジット会社サーバ300などの認証機関サーバの許可などの手順を経る。そして、電子マネーサーバ2から、金額変更(増額)情報を携帯端末5が受信し、ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新(増額)する。
【0032】
図4は、非同期決済端末7のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
非同期決済端末7は、CPU131、ROM133、RAM134、通信制御部135、記憶部136、入力部137、出力部138、リーダライタ部139、表示部140、スピーカ145などがバスラインで接続されて構成されており、決済処理装置としての機能を有している。
CPU131は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、非同期決済端末7全体の制御などを行う。本実施の形態では、CPU131は、金額変更情報を携帯端末5のICモジュール30に送信して、金額変更処理を行わせる。
ROM133は、非同期決済端末7を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM134は、CPU131のワーキングメモリを提供したり、記憶部136に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
通信制御部135は、ネットワークを介して非同期決済端末7を電子マネーサーバ2に接続する接続装置である。
【0033】
入力部137は、非同期決済端末7が店舗に設置されたものである場合、例えば、キーボード、バーコードリーダなどの入力装置を備えており、操作担当者が商品コードや決済金額やチャージ金額などを入力できるようになっている。
また、非同期決済端末7が、通過ゲートに設置されたものである場合、入力部137は、例えば、通過ゲートの制御装置に接続されており、通過ゲートの制御装置から決済金額の入力を受け付けるようになっている。
【0034】
出力部138は、非同期決済端末7が店舗に設置されたものである場合、例えば、液晶表示装置等の表示部140、プリンタ、音声出力するスピーカ145などに接続されており、顧客や加盟店の操作担当者に情報を提示するようになっている。
また、非同期決済端末7が、通過ゲートに設置されたものである場合、例えば、出力部138はゲート扉を駆動する駆動装置や、通過ゲートに設置された警告灯や音声出力装置などに接続されており、ゲート扉を開閉したり、ゲート扉の開閉に同期して警告灯を点滅させたり警告音を発生させたりする。
リーダライタ部139は、アンテナを内蔵しており、携帯端末5に内蔵又は装着されたICモジュール30と無線通信を行う。
非同期決済端末7が、店舗に設置されるものである場合、リーダライタ部139は、図示しないキャッシュレジスタ(上位端末)近辺に設置され、ユーザが商品の決済時に、携帯端末5又は電子マネーカード100をリーダライタ部139に近接させることができるようになっている。
また、非同期決済端末7が、通過ゲートに設置されるものである場合、リーダライタ部139は、通過ゲート上面の、ゲート扉よりも手前側に設置され、ユーザが通過ゲートを通過する際に、携帯端末5又は電子マネーカード100をリーダライタ部139に近接させることができるようになっている。
【0035】
記憶部136は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部142、データを格納したデータ格納部144などから構成されている。
プログラム格納部142には、
非同期決済端末
7を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネーカード100に金額変更処理を行わせたり、不足金額を電子マネーサーバ2にチャージさせるためのプログラムなどが記憶されている。
データ格納部144には、非同期決済端末7のID情報である端末IDや、ICモジュール30との取引履歴である利用ログデータなどを記憶している。この利用ログデータは、CPU131が行うバッチ処理にて、定期的に又は不定期に電子マネーサーバ2に送信される。
【0036】
表示部140は、決済金額、決済前残高、決済後残高、決済不能の場合の不足額等を例えば液晶表示装置に表示する。また、この実施形態では、決済処理を行う際の個々の商品の価格を入力する毎に、その累積した価格を表示するようにしている。
スピーカ145は、出力部138から出力された決済音、決済不能音、音声ガイダンス等をユーザに伝える。ここで音声ガイダンスとは、「残高不足で決済できませんでした。」、「この電子マネーカードは使用することができません。」といったユーザへの案内である。
また、スピーカ145は、超音波を出力する。
ここで、超音波とは、振動数(周波数)が毎秒2万ヘルツ以上で定常音として耳に感じない音波とされており、ユーザや店員には知覚されない。従って、来客や店員が不快感を感じることはない。
スピーカ145は、超音波を継続して出力し続ける。出力される超音波は、一定又は可変のタイムスロットでオン・オフを繰り返すようにしてもよい。同様に、一定又は可変のタイムスロットでその周波数の変更を繰り返すようにしてもよい。
また、この超音波に載せて、例えば、非同期決済端末7を識別するIDを出力したり、上位端末により取得された情報(個々の商品の価格、累積の決済価格(暫定決済金額)等)を出力したりする。
【0037】
図5は、電子マネーサーバ2の構成を説明するための図である。
電子マネーサーバ2は、CPU31、ROM32、RAM33、通信制御部34、記憶部35などがバスライン36によって接続している。
CPU31は、ROM32や記憶部35に記録したプログラムを実行して各種の情報処理や電子マネーサーバ2全体の制御を行う。例えば、携帯端末5からチャージの要求を受けてチャージの実行をする。
非同期決済端末7での決済では、電子マネーサーバ2は、非同期決済端末7がバリュー残高を更新したログデータを後ほど非同期決済端末7から受信して処理する。
なお、電子マネーサーバ2とオンラインで接続できる同期型決済端末6の場合、通信しながらサーバ側バリュー残高をリアルタイムで更新することによりバリューによる決済処理を行うことができる。
【0038】
ROM32は、読み取り専用のメモリであって、電子マネーサーバ2が動作するための基本的なプログラム、パラメータ、データなどが記録されている。
RAM33は、読み書きが可能なメモリであって、CPU31が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する。
通信制御部34は、電子マネーサーバ2が通信回線8を介して同期型決済端末6、非同期決済端末7、携帯端末5と通信したり、インターネット3を介して携帯端末5と通信する。
記憶部35は、例えば、大容量のハードディスクで構成されており、CPU31がバリューによる決済処理を行ったり、チャージを行うための電子マネー管理プログラムやその他のプログラム、ユーザのサーバ側バリュー残高を管理したり、チャージの履歴を管理するユーザDB(データベース)、加盟店のバリュー決済を管理する加盟店DB、各決済処理を記録したログデータを格納するログデータDBなどを記録している。
なお、この
図5の例では、単一の電子マネーサーバ2を説明したが、この電子マネーサーバ2が、機能を分散することにより複数のサーバ装置から構成されるようにしてもよい。
【0039】
次に、
図6の各図を用いて電子マネーサーバ2の有するデータベースについて説明する。
図6(a)は、ユーザDBの論理的な構成を説明するための図である。
本実施形態では、ユーザIDに対応して、サーバ側電子マネー番号と端末側電子マネー番号とが各々記憶されている。図示しないがICモジュール30の認証データなどの項目も記憶されている。なお、サーバ側電子マネー番号と端末側電子マネー番号とを同一の電子マネー番号として管理するようにしてもよい。
項目「ユーザID」は、ユーザの識別情報である。
項目「サーバ側電子マネー番号」は、サーバ側バリュー残高を他のユーザのサーバ側バリュー残高から識別するための口座番号である。
項目「サーバ側バリュー残高」は、項目「サーバ側電子マネー番号」で特定される口座のサーバ側バリュー残高である。
項目「端末側電子マネー番号」は、端末側バリュー残高を他のユーザの端末側バリュー残高から識別するための番号である。
項目「端末側バリュー残高」は、項目「端末側電子マネー番号」で特定される端末側バリュー残高の管理値である。このバリュー残高は、ログデータをバッチ処理で受信して更新する。この、端末側バリューが非同期決済端末7で使用された場合、非同期決済端末7と常時接続されていないため、端末側バリュー残高はリアルタイムで更新されない。一方、端末側バリュー残高が同期型決済端末6で使用された場合、端末側バリュー残高はリアルタイムで更新される。
【0040】
図6(b)は、加盟店DBの論理的な構成を説明するための図である。
加盟店DBは、「加盟店ID」、「同期型決済端末ID」、「非同期決済端末ID」、その他の項目から構成されている。
項目「加盟店ID」は、電子マネーシステム1の電子マネーによる決済サービスを受ける事業者を特定する情報である。
項目「
同期型決済端末ID」は、当該加盟店の同期型決済端末6を特定する情報である。
項目「非同期決済端末ID」は、当該加盟店の非同期決済端末7を特定する情報である。
なお、加盟店が仮想店舗の場合は、同期型決済端末6や非同期決済端末7を有しないためこれら端末IDの代わりに、例えば、仮想店舗サーバのIPアドレスなど、仮想店舗サーバを特定する情報が用いられる。
同期型決済端末6、非同期決済端末7は、接続する際に自己の同期型決済端末ID又は非同期決済端末IDを電子マネーサーバ2に通知する。これによって、電子マネーサーバ2は、資金移動に係る加盟店の加盟店IDを特定することができる。
【0041】
なお、事業者が1の店舗内に複数の決済端末を設置する場合が一般的であるため、1つの加盟店IDに対して複数の同期型決済端末IDや非同期決済端末IDが対応するのが一般的である。
また、加盟店で行われた商取引の決済金額は加盟店IDと対応づけてログデータに記録されるため、加盟店IDが加盟店にとっての口座番号として機能している。
【0042】
次に、本実施形態の処理手順を
図7から
図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、
図7において、携帯端末5の電子マネーアプリケーション29は、決済を行う可能性のある店舗に近づくと、当該店舗でサーバ側バリューで決済可能か否かを判断する(ステップ100)。具体的には、マイクロフォン20が非同期決済端末7から発信された、サーバ側バリュー残高による決済が不可能であることを示す超音波を受信していると、サーバ側バリューで決済することができないと判断する(ステップ100;N)。
そして、受信している超音波の音量が示すパターンが、所定の受信超音波パターン(接近パターン)と一致するか否かを判断する(ステップ105)。この所定の受信超音波パターンは、携帯端末5の記憶部18に予め記憶されている。この受信超音波パターンの一例を
図11の(A)に示してある。このように、携帯端末5(すなわちユーザ)が、徐々に超音波の音源(非同期決済端末7)に接近しているか否かを、受信している音量の増減で判断するようになっている。
【0043】
その結果、受信している超音波が示すパターンが、所定の受信超音波パターンと一致すると判断された場合(ステップ105;Y)、当該携帯端末5が、非同期決済端末7に接近しているため、電子マネーアプリケーション29は、携帯端末5の通信機能を用いて電子マネーサーバ2にサーバ側バリューのシフト(ダウンロード)を要求する(ステップ110)。
なお、(ステップ100;Y)、(ステップ105;N)の場合は、バリューシフト(ダウンロード)の要求を行わない。
このとき、電子マネーサーバ2は、まず、シフトさせるバリュー分をサーバ側バリュー残高から減額する(ステップ120)。このとき、サーバ側バリュー残高の全額をシフトさせてもよいし、設定により所定の金額分、例えば5,000円分、10,000円分をシフトさせるようにしてもよい。また、規定による端末側の限度、例えば20,000円、5
0,000円までシフトさせるようにしてもよい。その他、シフトさせるバリューの金額分だけサーバ側バリュー残高をロックして、使用できないようにしてもよい。いずれにしても、シフトさせるバリューが端末側とサーバ側双方で使用可能となることを防止する。
【0044】
次に、電子マネーサーバ2は、サーバ側バリュー残高において使用不可能とされた金額分だけ端末側残高を増額させるための金額変更情報を生成し、携帯端末5を介してICモジュール30に送信する(ステップ130)。ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新(増額)した後、電子マネーサーバ2に、端末側バリュー残高の更新が完了した旨の通知を送信する(ステップ135)。これを受けて、電子マネーサーバ2は、バリューシフトが完了した旨を電子マネーアプリケーション29に通知を送信して、一連のバリューシフトの処理を完了する。
【0045】
次に、
図8において、シフトされたバリューを用いて、非同期決済端末7での決済の処理を説明する。
ユーザが加盟店において、商品を購入する際、非同期決済端末7と一体化した上位端末(例えば、キャッシュレジスタ,POSレジ)は、店員又はバーコードからの入力により、決済金額を取得する(ステップ145)。このとき、複数の商品を購入する場合、一品ずつ価格を入力し、かつそれまでの合計価格(暫定決済金額)が都度、
図12に示すように非同期決済端末7の表示部140に表示されるようになっている。ユーザはこの暫定決済金額を見ながら、決済にいくら必要かを認識できるようになっている。
この実施形態では、上位端末が、この暫定決済金額を順次、スピーカ145から超音波に載せて発信する。この超音波を携帯端末5は、マイクロフォン20で受信する。
【0046】
電子マネーアプリケーション29は、受信した暫定決済金額と端末側バリュー残高を比較する。そして、暫定決済金額が端末側バリュー残高を超えていないか、又は所定の値(例えば残り1,000円、500円)を超えていないかを判断する。
その結果、端末側バリュー残高を超えている、又は所定の値を超えていた場合、ユーザへの報知が必要と判断し(ステップ150;Y)、報知を行うデータを送出する(ステップ155)。
この報知の方法としては、音声で「決済金額がバリュー残高を超えてしまいました。」、「バリュー残高が残り少なくなりました。」と携帯端末5のスピーカ22から伝えるようにする。また、他の方法として、携帯端末5の出力部15に「バリュー残高不足」、「バリュー残高残り僅か」といった警告を表示するようする。
図12には、携帯端末5に「バリュー残高の残りが1,000円を切りました」表示した例を示してある。
さらに、LEDを点滅させたり、携帯端末5自体を振動させて、ユーザに報知するようにしてもよい。
報知を受けたユーザは、その段階で決済の中断を店員に申し出てもよいし、現金での決済を依頼してもよい。
【0047】
上位端末は、順次商品の価格を取得し、すべての商品の価格を取得したら決済処理が可能となり(ステップ160;Y)、合計の決済金額を非同期決済端末7に出力する(ステップ165)。同時に、表示部140に合計の決済金額を表示する。
ここで、ユーザが電子マネーによる決済を行うために、携帯端末5をリーダライタ部139にかざす。
まず、リーダライタ部139は、ICモジュール30に電子マネー番号を要求する(ステップ170)。これに対して、ICモジュール30は、リーダライタ部139に電子マネー番号を送信する(ステップ175)。
次に、リーダライタ部139は、ICモジュール
30に端末側バリュー残高を要求する(ステップ180)。これに対して、ICモジュール30は、リーダライタ部139に端末側バリュー残高(電子マネーサーバからバリューがシフトされていれば、そのシフト処理反映の端末側バリュー残高)を送信する(ステップ185)。
【0048】
図9では、非同期決済端末7は、出力された決済金額と送信された端末側バリュー残高を比較し、端末側バリュー残高が決済金額以上か否かを判断する(ステップ190)。端末側バリュー残高が決済金額以上であれば(ステップ190;Y)、決済可能なので、決済処理を行う。そして、決済金額に該当する金額変更情報をICモジュール30に送信する(ステップ195)。これを受けて、ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新(減額)し(ステップ200)、端末側バリュー残高を更新した旨の通知を非同期決済端末7に送信する(ステップ205)。
【0049】
これを受けて、非同期決済端末7は、ログデータを生成し(ステップ210)、生成したログデータをICモジュール30に送信する(ステップ215)。ICモジュール30は、受信したログデータを記憶部27に記録する(ステップ220)。その後、ログデータを受信し、記録が完了した旨の通知を非同期決済端末7に送信する(ステップ225)。
【0050】
その後、非同期決済端末7は、一連の決済処理が無事完了したことをユーザに通知するための決済完了を示す効果音を鳴らして処理を終了する(ステップ230)。
一方、ステップ190の判断で、端末側バリュー残高が決済金額未満であれば(ステップ190;N)、端末側バリュー残高が不足で決済不能なので、決済不能を示す効果音を鳴らしてユーザに通知し(ステップ235)、処理を終了する。
【0051】
次に、
図10を参照して、ダウンロードされたバリューを電子マネーサーバ2へアップロードする処理を説明する。
図7に示す処理で、一旦携帯端末5にシフトされたバリューが決済に使用される場合もあれば、使用されない場合もある。この
図10の処理では、ダウンロードされたバリューが使用されたか否かにかかわらず、ユーザが非同期決済端末7が設置された店舗を離れる際に、一旦携帯端末5側にダウンロードされたバリューを電子マネーサーバ2へアップロードする処理を説明する。
【0052】
まず、
図10において、携帯端末5の電子マネーアプリケーション29は、店舗から離れると、当該店舗でサーバ側バリューで決済可能か否かを判断する(ステップ300)。具体的には、マイクロフォン20が非同期決済端末7から発信された、サーバ側バリュー残高による決済が不可能であることを示す超音波を受信していると、サーバ側バリューで決済することができないと判断する(ステップ100;N)。
そして、受信している超音波の音量が示すパターンが、所定の受信超音波パターン(離反パターン)と一致するか否かを判断する(ステップ305)。この所定の受信超音波パターンは、携帯端末5の記憶部18に予め記憶されている。この受信超音波パターンの一例を
図11の(B)に示してある。このように、携帯端末5(すなわちユーザ)が、徐々に超音波の音源(非同期決済端末7)から離反しているか否かを、受信している音量の増減で判断するようになっている。
【0053】
その結果、受信している超音波が示すパターンが、所定の受信超音波パターンと一致すると判断された場合(ステップ305;Y)、当該携帯端末5が、非同期決済端末7から離反しているため、電子マネーアプリケーション29は、携帯端末5の通信機能を用いて電子マネーサーバ2にサーバ側バリューのシフト(アップロード)を要求する(ステップ310)。
なお、(ステップ300;Y)、(ステップ305;N)の場合は、バリューシフト(アップロード)の要求を行わない。
【0054】
このとき、電子マネーサーバ2は、まず、シフトさせるバリュー分だけ端末側残高を減額させるための金額変更情報を生成し、携帯端末5を介してICモジュール30に送信する(ステップ315)。
このとき、
図7のフローによりシフト(ダウンロード)されたバリューのうち、決済に使用された分を除いたバリューをアップロードするようにしてもよいし、端末側バリュー残高がゼロにならないように、一定の閾値を設け、それを超えた分をアップロードするようにしてもよい。例えば、20,000円分バリューシフトされ、5,000円分使用したとする。このとき、3,000円の閾値が設けられているとすると、15,000−3,000円で12,000円分をアップロードすることとなる。
【0055】
ICモジュール30は、端末側バリュー残高を更新(減額)した後(ステップ320)、電子マネーサーバ2に、端末側バリュー残高の更新が完了した旨の通知を送信する(ステップ325)。
その後、電子マネーサーバ2は、端末側バリュー残高から減額された金額分だけサーバ側バリュー残高を更新(増額)する(ステップ330)。サーバ側バリュー残高をロックしていた場合は、端末側バリュー残高から減額された金額分だけロックを解除する。
その後、電子マネーサーバ2は、バリューシフト(アップロード)が完了した旨の通知を電子マネーアプリケーション29に送信して(ステップ330)、処理を完了する。
このように、電子マネーサーバ2からICモジュールにダウンロードされたバリューをICモジュール30から電子マネーサーバ2にアップロードすることにより、ICモジュール30を内蔵又は装着する携帯端末5の紛失、盗難等の事態におけるユーザのリスクを低減することができる。
【0056】
次に、携帯端末5のマイクロフォン20のオン・オフについて説明する。
この実施形態では、超音波を取得するのにマイクロフォン20を使用したが、このマイクロフォン20を常にオン状態にしておくのは、バッテリの消耗の関係上好ましくない。よって、可能な限り、必要なときにオンにし、それ以外のときはオフにするのが好ましい。
まず、携帯端末5にGPS受信機23を用いる方法である。
本実施形態に係る携帯端末5は、GPS受信機23を備えている。そのため、電子マネーアプリケーション29は、衛星から電波を受信することで、現在位置を把握することができる。
【0057】
一方、携帯端末5の記憶部18に非同期決済端末7が設置されている加盟店の位置情報を予め記録しておき、取得した位置情報と加盟店の位置情報を照合することで、非同期決済端末7が設置されている加盟店の付近にいることを検知できる。例えば、その加盟店の10メートル以内に到達したと判断したら、マイクロフォン20をオンにする制御を行うようする。
また、過去に非同期決済端末7で決済を行った加盟店を記録しておき、その加盟店付近に到達した場合にも、マイクロフォン20をオンにする制御を行うにようにしてもよい。
なお、同様の手法により、非同期決済端末7が設置されている加盟店から一定の距離範囲(例えば、10メートル以内)に到達したと判断したら、バリューのシフト(ダウンロード)を要求するようにすることも可能である。
【0058】
他の方法として、携帯端末5の加速度センサ21を用いる方法がある。
加速度センサ21が、一定時間内に何センチメートル動いたということを検知できるので、その値、例えば1メートルを規定しておき、それ以上一定時間内に動いた場合、マイクロフォン20をオンとするようにしてもよい。
携帯端末5を自宅や職場に置いている場合は、決済を行う可能性がなく、マイクロフォン20をオンにする必要がないからである。
【0059】
次に、上述した端末側バリュー残高を超えていないか、又は所定の値を超えていた場合、ユーザへの報知する例の変形例を説明する。
上記した例では、電子マネーアプリケーション29は、暫定決済金額が端末側バリュー残高を超えていないか、又は所定の値(例えば残り1,000円、500円)を超えていると判断した場合、その旨の報知を行うデータを送出するようにした。
この変形例では、非同期決済端末7が、暫定決済金額が属する価格帯、例えば、500円、1,000円毎に対応する周波数の超音波を出力する機能を備えている。
そして、携帯端末5は、マイクロフォン20でこの超音波を受信し、超音波の周波数に対応する価格帯を特定する。そして、特定された価格帯と端末側バリュー残高との対照結果に基づいて、残高不足の可能性をユーザに報知するか否かを決定する。報知の方法は上記例と同様である。こうすることにより、端末側バリュー残高の不足による決済不能となりそうである旨の注意を喚起することができる。
【0060】
次に、同一店舗に複数の非同期決済端末7が設置されている場合、通常、互いに近接した位置に設置されることとなる。
そのため、一つの携帯端末5が互いに近接した複数台の非同期決済端末7からの超音波を受信してしまい、処理が混乱する恐れがある。
そこで、各非同期決済端末7が互いに異なるパターンの超音波を出力することで、携帯端末5側で聴別できるようにする。
具体的には、発信する超音波を、一定周波数の超音波のオン/オフを周期的に繰り返すようにし、タイムスロットの長さが非同期決済端末7ごとに異なるようにする。また、周期ごと(例えば、超音波のオン信号の冒頭)に、各非同期決済端末7を示すIDを付するようしてもよい。
また、発信する超音波を、異なる複数の周波数(例えば、2つの一定周波数)の超音波の切換えを周期的に繰り返すようにし、タイムスロットの長さが非同期決済端末7ごとに異なるようにする。また、周期ごと(例えば、いずれかの周波数の超音波の冒頭)に、各非同期決済端末7を示すIDを付するようしてもよい。
【0061】
次に、他の実施形態を説明する。
各加盟店に設置される決済端末には、端末側バリュー残高による支払いを受け付けるものと、サーバ側バリュー残高による支払いを受け付けるものとが存在する。具体的には、サーバ側バリュー残高による支払いを受け付けるのはオンラインの同期型決済端末6であり、端末側バリュー残高による支払いを受け付けるのはオフラインの非同期決済端末7(ICモジュール30に記憶されるデータを更新するためのコマンドを生成する機能を備えるもの)やオンラインの非同期決済端末(ICモジュール30に記憶されるデータを更新するためのコマンドを生成するサーバ装置(電子マネーサーバ2でない)からコマンドを取得しこれをICモジュールに送信する機能を備えるもの)である。また、双方のバリュー残高による支払いを受付可能なハイブリッド型の決済端末も存在する。
そこで、各決済端末のスピーカから受付可能な又は/及び受付不可能なバリューに対応する周波数の超音波を出し続けるようにする。例えば、ハイブリッド型の決済端末においてサーバ側バリュー残高による支払いが一時的に不可能である場合に、その旨が携帯端末5において判別され得る。
【0062】
この場合、ユーザが加盟店に接近又は入店した際、携帯端末5は、マイクロフォン20で当該超音波を受信して、いずれのバリューによる支払いが可能であるかを判断する。特に、サーバ側バリュー残高による支払いが不可能であるか否か、端末側バリュー残高による支払いが可能であるか否か、を判断するとよい。
その結果、サーバ側バリュー残高による支払いが可能であると判断された場合、携帯端末5により、サーバ側バリュー残高を用いて決済を行う。この場合、バリューのシフト(ダウンロード)は行わない。
一方、サーバ側バリュー残高による支払いは不可能であるが、端末側バリュー残高による支払いが可能であると判断された場合、上記した実施形態に示したように、サーバ側バリュー残高を電子マネーサーバ2から端末側にシフト(ダウンロード)させて、端末側バリュー残高により決済を行うようにする。
こうすることで、いずれの決済端末が設置されていても、ユーザは何らの不便もなく、決済を行うことができる。
【0063】
この実施形態によれば、既存の非同期決済端末7、既存の携帯端末5、ICモジュール30、電子マネーサーバ2を用いて、電子マネーサーバ2に記憶されたサーバ側バリューが決済の直前に自動的に携帯端末5側に移り、端末側バリュー残高による決済機能のみを具備する非同期型の決済端末に対して決済が可能になる。