(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
運転を制御する制御手段が、運転開始指令が指令されてから運転状態切換タイミングを判別するまでは、前記多量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御し、かつ、前記運転状態切換タイミングを判別すると、前記少量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御するように構成されている請求項1記載の浴用ミスト噴出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に発明構成として開示された浴用ミスト噴出装置は、少量噴出状態においては、給湯器からの湯水をミスト噴出手段に供給することを停止して、湯水加熱手段用の給水路からの湯水を、湯水加熱手段を経由してミスト噴出手段に供給することにより、給湯器の湯水加熱用熱交換器が早期に劣化する等の不都合の発生を回避できるものではあるが、湯水加熱手段用の給水路を配設する必要があり、装置全体としての配管構成が複雑となる虞があった。
【0012】
ちなみに、特許文献1に開示されている浴用ミスト噴出装置は、湯水加熱手段が室外機として構成されているため、湯水加熱手段用の給水路を配設することが、比較的行い易いものであるが、浴室内をミスト浴用空間として用いる場合には、一般に、湯水加熱手段を、浴室の天井裏等、浴室の外周部に配設することが多いものであり、このような場合には、湯水加熱手段用の給水路を設けるための配管作業は、面倒で手間の掛かる作業となるものである。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、給湯器の湯水加熱用熱交換器が早期に劣化する等の不都合が発生することを回避しながらも、配管構成の簡素化を図ることができる浴用ミスト噴出装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の浴用ミスト噴出装置は、ミスト浴用空間に対してミストを噴出するミスト噴出手段と、
給水路からの湯水をバーナにて加熱される湯水加熱用熱交換器にて加熱して前記ミスト噴出手段に供給し、且つ、湯水の通水量が燃焼用設定量以上のときには前記バーナを燃焼させかつ湯水の通水量が前記燃焼用設定量未満のときには前記バーナの燃焼を停止させる燃焼式の給湯器と、
前記給湯器から前記ミスト噴出手段に供給される湯水を加熱する湯水加熱手段と、
前記給湯器の通水量が前記燃焼用設定量以上になる多量噴出状態と前記給湯器の通水量が前記燃焼用設定量未満になる少量噴出状態とに切換えるように、前記ミスト噴出手段からのミスト噴出量を変更するミスト噴出量変更手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記給湯器が、
前記湯水加熱用熱交換器をバイパスして前記給水路からの湯水を流動させるバイパス路を前記給湯器内に備えて、湯水の通水量が前記燃焼用設定量以上のときには、前記給水路からの湯水を、前記湯水加熱用熱交換器
及び前記バイパス路の両者を通して流動させて加熱したのち前記ミスト噴出手段に供給し、且つ、湯水の通水量が前記燃焼用設定量未満のときには、前記給水路からの湯水を、前記湯水加熱用熱交換器を通過させない状態で
前記バイパス路のみを通して流動させて前記ミスト噴出手段に供給するように構成されている点を特徴とする。
【0015】
すなわち、ミスト噴出量変更手段を多量噴出状態に切換えると、給湯器が、湯水の通水量が燃焼用設定量以上であるため、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器を通して流動させて加熱したのちミスト噴出手段に供給することになり、そして、ミスト噴出量変更手段を少量噴出状態に切換えると、給湯器が、湯水の通水量が燃焼用設定量未満であるため、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器を通過させない状態で流動させてミスト噴出手段に供給することになる。
【0016】
このように、多量噴出状態及び少量噴出状態のいずれにおいても、給湯器からの湯水をミスト噴出手段に供給するものであるから、従来例において設けた湯水加熱手段用の給水路を設ける必要がないため、装置全体の配管構成を簡素にできる。
【0017】
また、給湯器は、湯水の通水量が燃焼用設定量未満であるときには、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器を通過させない状態で流動させてミスト噴出手段に供給するものであるから、少量噴出状態においても、給湯器からの湯水をミスト噴出手段に供給するものでありながらも、給湯器の湯水加熱用熱交換器に、ドレンが発生することを抑制できるため、給湯器の湯水加熱用熱交換器がドレン発生のために早期に劣化する等の不都合が生じることを回避できる。
【0018】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、給湯器の湯水加熱用熱交換器が早期に劣化する等の不都合が発生することを回避しながらも、配管構成の簡素化を図ることができる浴用ミスト噴出装置を提供できる。
【0020】
加えて、ミスト噴出量変更手段を多量噴出状態に切換えると、給湯器が、湯水の通水量が燃焼用設定量以上であるため、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器及びその湯水加熱用熱交換器をバイパスして給水路からの湯水を流動させるバイパス路の両者を通して流動させることになり、そして、ミスト噴出量変更手段を少量噴出状態に切換えると、給湯器が、湯水の通水量が燃焼用設定量未満であるため、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器をバイパスして流動させるバイパス路のみを通して流動させることになる。
【0021】
つまり、少量噴出状態においては、給水路からの湯水を、バイパス路のみを通して流動させることにより、湯水加熱用熱交換器を通過させない状態で流動させてミスト噴出手段に供給するようにし、そして、多量噴出状態においては、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器及びバイパス路の両者を通して流動させて、湯水加熱用熱交換器にて高温に加熱された湯水とバイパス路を流動する低温の湯水を混合させて、その混合した湯水をミスト噴出手段に供給することになる。
【0022】
そして、多量噴出状態においては、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器及びバイパス路の両者を通して流動させるものであるから、給水路からの湯水の全量を、湯水加熱用熱交換器を通して流動させるようにする場合に較べて、湯水加熱用熱交換器を小型に構成できるものなり、給湯器の小型化を図ることができる。
【0023】
要するに、本発明の第
1特徴構成によれば
、給湯器の小型化を図ることができる浴用ミスト噴出装置を提供できる。
【0024】
本発明の第
2特徴構成は、上記第
1特徴構成に加えて、
運転を制御する制御手段が、運転開始指令が指令されてから運転状態切換タイミングを判別するまでは、前記多量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御し、かつ、前記運転状態切換タイミングを判別すると、前記少量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0025】
すなわち、運転開始指令が指令されると、制御手段が、多量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御することになり、そして、制御手段は、運転状態切換タイミングを判別すると、少量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御することになる。
【0026】
このように、運転開始指令を指令してから運転状態切換タイミングを判別するまでは、多量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御し、かつ、運転状態切換タイミングを判別すると、少量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御することが自動的に行われるから、運転を開始して、ミスト浴用空間を、ミスト浴を行うに適した状態となるように迅速に昇温させることや、ミスト浴を行うに適した状態にミスト浴用空間を昇温させたのちにおいて、入浴者に快適感を与えながら、ミスト浴を行わせることを、特別な操作を行うことなく、適切に行えるものとなる。
【0027】
ちなみに、運転状態切換タイミングを判別する構成としては、運転開始からの経過時間が、ミスト浴を行うに適した状態となるようにミスト浴用空間を昇温させるのに必要な時間を見込んで設定した設定時間に達すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成や、ミスト浴用空間の温度を検出する温度検出センサの検出温度が、運転状態切換用の設定温度に上昇すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成が考えられる。
【0028】
その他、ミスト浴用空間内に人体が存在するか否かを検出する人体検知センサが、人体非存在状態から人体存在状態を検出すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成も考えられるものであり、そして、ミスト浴用空間内に人体が存在するか否かを検出する構成としては、ミスト浴用空間の温度を検出する温度検出センサの検出温度が、入浴者がミスト浴用空間の入口の扉を開閉してミスト浴用空間に入ることにより、一旦低下したのち再び上昇することに鑑みて、その温度変化を検出すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成を採用することもできる。
【0029】
要するに、本発明の第
2特徴構成によれば、上記した第
1特徴構成による作用効果に加えて、運転を開始して、ミスト浴用空間を、ミスト浴を行うに適した状態となるように迅速に昇温させることや、ミスト浴を行うに適した状態にミスト浴用空間を昇温させたのちにおいて、入浴者に快適感を与えながら、ミスト浴を行わせることを、特別な操作を行うことなく、適切に行える浴用ミスト噴出装置を提供できる。
【0030】
本発明の第
3特徴構成は、上記第
2特徴構成に加えて、
前記給湯器が、前記ミスト噴出手段に加えて、一般給湯栓に給湯するように構成され、
前記給湯器から前記湯水加熱手段に流動する湯水の温度を検出する加熱前温度検出手段と、前記湯水加熱手段にて加熱されたのちに前記ミスト噴出手段に流動する湯水の温度を検出する加熱後湯水温度検出手段とが設けられ、
前記制御手段が、
加熱後湯水温度検出手段の検出情報に基づいて、湯水の温度が設定目標温度になるように前記湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードバック式の加熱量制御を実行し、且つ、
前記少量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御した状態において、前記加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯器が燃焼状態から非燃焼状態に変化したことを検出したときには、前記フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、前記湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0031】
すなわち、制御手段が、ミスト噴出量変更手段にて多量噴出状態及び少量噴出状態に切換えたいずれの状態においても、湯水加熱手段にて加熱されたのちにミスト噴出手段に流動する湯水の温度を検出する加熱後湯水温度検出手段の検出情報に基づいて、湯水の温度が設定目標温度になるように湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードバック式の加熱量制御を実行することになるため、多量噴出状態及び少量噴出状態のいずれにおいても、設定目標温度のミストが、ミスト噴出手段から噴出されることになる。
【0032】
また、制御手段が、少量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御した状態において、給湯器から湯水加熱手段に流動する湯水の温度を検出する加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて、給湯器が燃焼状態から非燃焼状態に変化したことを検出したときには、フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行することになるため、少量噴出状態おいて、一般給湯栓から湯水が消費されることにより燃焼状態となっていた給湯器が一般給湯栓の湯水の消費が終了して、非燃焼状態になったときに、ミストの温度が大きく低下することを抑制できることになる。
【0033】
つまり、フィードフォワード式の加熱量制御を備えさせない場合においても、少量噴出状態おいて、一般給湯栓から湯水が消費されることにより燃焼状態となっていた給湯器が一般給湯栓の湯水の消費が終了して、非燃焼状態になると、加熱後湯水温度検出手段の検出温度が設定目標温度よりも低下することになるため、フィードバック式の加熱量制御により、湯水の温度が設定目標温度になるように湯水加熱手段の加熱量が変更調整されることになるが、この場合、フィードバック式の加熱量制御は、加熱後湯水温度検出手段の温度の低下を検出してから、湯水温度加熱手段の加熱量を変更調整するものであるため、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、一時的に大きく低下する虞がある。
【0034】
そこで、少量噴出状態おいて、一般給湯栓から湯水が消費されることにより燃焼状態となっていた給湯器が一般給湯栓の湯水の消費が終了して、非燃焼状態になったことを、加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて検出したときには、フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行させることにより、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、大きく低下することを抑制するのである。
【0035】
ちなみに、非燃焼用の初期加熱量とは、少量噴出状態おいて、給湯器が非燃焼状態であるときに、湯水加熱手段にて加熱された湯水の温度を設定目標温度にするのに好適な加熱量として定められることになるが、この非燃焼用の初期加熱量は、予め実験により定めることができ、また、少量噴出状態おいて、給湯器が非燃焼状態であるときに、湯水加熱手段にて加熱された湯水の温度を設定目標温度なるように、フィードバック式の加熱量制御より調整した湯水加熱手段の加熱量を、非燃焼用の初期加熱量として記憶させるようにしてもよい。
【0036】
要するに、本発明の第
3特徴構成によれば、上記した第
2特徴構成による作用効果に加えて、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、大きく低下することを抑制できる浴用ミスト噴出装置を提供できる。
【0037】
本発明の第
4特徴構成は、上記第
3特徴構成に加えて、
前記制御手段が、
前記少量噴出状態となるように前記ミスト噴出量変更手段を制御した状態において、前記加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯器が非燃焼状態から燃焼状態に変化したことを検出したときには、前記フィードフォワード式の加熱量制御として、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、前記湯水加熱手段の加熱量を変更調整する制御を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、制御手段が、少量噴出状態となるようにミスト噴出量変更手段を制御した状態において、加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて、給湯器が非燃焼状態から燃焼状態に変化したことを検出したときには、フィードフォワード式の加熱量制御として、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、湯水加熱手段の加熱量を変更調整する制御を実行するため、少量噴出状態おいて、一般給湯栓からの湯水の消費が開始されて、給湯器が非燃焼状態から燃焼状態となったときに、ミストの温度が大きく上昇することを抑制できることになる。
【0039】
つまり、フィードフォワード式の加熱量制御を備えさせない場合においても、少量噴出状態おいて、一般給湯栓から湯水が消費されることにより、給湯器が燃焼状態となると、加熱後湯水温度検出手段の検出温度が設定目標温度よりも上昇することになるため、フィードバック式の加熱量制御により、湯水の温度が設定目標温度になるように湯水加熱手段の加熱量が変更調整されることになるが、この場合、フィードバック式の加熱量制御は、加熱後湯水温度検出手段の温度の上昇を検出してから、湯水温度加熱手段の加熱量を変更調整するものであるため、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、一時的に大きく上昇する虞がある。
【0040】
そこで、少量噴出状態おいて、一般給湯栓から湯水が消費されることが開始されて、給湯器が非燃焼状態から燃焼状態になったことを、加熱前温度検出手段の検出情報に基づいて検出したときには、フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行させることにより、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、大きく上昇することを抑制するのである。
【0041】
ちなみに、燃焼用の初期加熱量とは、少量噴出状態おいて、給湯器が燃焼状態であるときに、湯水加熱手段にて加熱された湯水の温度を設定目標温度にするのに好適な加熱量として定められることになるが、この燃焼用の初期加熱量は、予め実験により定めることができ、また、少量噴出状態おいて、給湯器が燃焼状態であるときに、湯水加熱手段にて加熱された湯水の温度を設定目標温度なるように、フィードバック式の加熱量制御より調整した湯水加熱手段の加熱量を、燃焼用の初期加熱量として記憶させるようにしてもよい。
【0042】
要するに、本発明の第
4特徴構成によれば、上記した第
3特徴構成による作用効果に加えて、湯水加熱手段にて加熱されてミスト噴出手段に供給される湯水の温度が、大きく上昇することを抑制できる浴用ミスト噴出装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に係る浴用ミスト噴出装置を装備した浴室暖房乾燥機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、浴室暖房乾燥機は、装置本体1と、熱媒を循環供給する熱源機2と、湯水を加熱して給湯する給湯器Dと、装置本体1の運転を制御する制御手段としての運転制御部3と、浴室4内に備えられて運転制御部3に各種制御指令を指令する浴室リモコンR1と、浴室4に隣接する脱衣室に備えられて運転制御部3に各種制御指令を指令する脱衣室リモコンR2とを備えて構成されている。
ちなみに、熱源機2と給湯器Dとは、
図2に示すように、一つのケーシング内に収納されて、給湯熱源機Fとして構成されて、屋外等、浴室4の外部に設置される。
【0045】
図2に示すように、装置本体1は、浴室4の天井裏に、天井スラブ等に対して吊り金具5にて吊り下げ支持した状態で配置され、その下面が浴室4の天井板6の開口に臨ませる状態となっている。
そして、
図1に示すように、装置本体1には、浴室4内の空気を循環通風するための循環ファン7、その循環ファン7にて通風される空気を加熱する空調用熱交換器8、浴室4を換気するための換気ファン9等が備えられ、それらの機器類が本体ケーシング12内に装備されている。
【0046】
また、本体ケーシング12の下方には、グリル板13が浴室4の天井の表面側に位置するように設置され、このグリル板13には、ミスト噴出手段Bとしての3個のミストノズル11が備えられている。
これら3個のミストノズル11には、給湯器Dからの湯水が給湯路10を通して供給され、3個のミストノズル11が、ミスト浴用空間としての浴室内空間Kに対して、湯水をミスト状に噴出するように構成されている。
【0047】
グリル板13には、吸気口14と吹出口15とが並設され、本体ケーシング12の内部には、吸気口14を通して浴室4内の空気を吸引して吹出口15を通して吹出すための循環通風路16が形成されている。
この循環通風路16内に、循環ファン7が、吸気口14から吸引した浴室内の空気を吹出口15から浴室4内に吹出すように通風作用する状態で設けられている。
【0048】
空調用熱交換器8が、循環通風路16内における循環ファン7よりも通風方向上流側に設けられて、熱源機2から循環供給される熱媒との熱交換により、循環通風路16内を通風する空気を加熱するよう構成されている。
したがって、循環ファン7の通風作用により、吸気口14を通して吸引される浴室4内の空気が、空調用熱交換器8にて加熱されたのち、吹出口15を通して浴室内に吹出されるように構成されており、これにより、浴室4内が暖房されるようになっている。
ちなみに、空調用熱交換器8は、上下一対の熱交換器部分をL字状に配設する形態に構成されている。
【0049】
熱源機2には、熱媒(具体的には加熱された温水)を循環流動させる熱媒循環路17が接続され、この熱媒循環路17の往路18が、2つの第1熱媒分岐路19及び第2熱媒分岐路20に分岐されている。
第1熱媒分岐路19及び第2熱媒分岐路20のうち、第1熱媒分岐路19が後述する液々熱交換器29に接続され、第2熱媒分岐路20が空調用熱交換器8に接続されている。
【0050】
第2熱媒分岐路20における空調用熱交換器8の下流側が、熱媒循環路17の復路21に接続され、さらに、その第2熱媒分岐路20には、その第2熱媒分岐路20を開閉することにより空調用熱交換器8への熱媒の供給を断続自在な熱動弁22が設けられている。
【0051】
つまり、熱源機2にて加熱された熱媒(例えば、80℃)が熱媒循環路17を通して空調用熱交換器8に循環供給されるように構成され、また、熱動弁22の開閉により、空調用熱交換器8に対する熱媒の供給を断続できるように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、循環ファン7、空調用熱交換器8、熱媒循環路17、熱動弁22等により浴室4を暖房する浴室暖房手段Aが構成されることになる。
【0052】
循環通風路16内における空調用熱交換器8よりも上流側の箇所には、通流する空気の温度を浴室4内の温度として検出する浴室温度検出手段として、サーミスタを用いて構成される浴室温検出センサ23が設けられている。
吹出口15には、電動モータ(図示せず)により揺動駆動される可動ルーバ24が設けられ、その可動ルーバ24により、吹出口15から吹出される空気の吹出し方向を変更することができるように構成されている。
【0053】
グリル板13に、換気用吸気口9Aが形成され、換気ファン9が、換気用吸気口9Aから浴室4内の空気を吸引して、排気ダクト25を通して外部に排気するように設けられており、換気ファン9の通風作用により、浴室4内の空気が排気ダクト25を通して外部に排出されて、浴室4が換気されるように構成されている。
【0054】
3個のミストノズル11が、グリル板13における換気用吸気口9Aと吹出口15との間に相当する箇所に、温水の噴出方向、つまり、ミストの噴出方向を下向きにする状態で装備され、そして、それら3個のミストノズル11に対してミスト用の温水を供給する温水供給ユニット26が、本体ケーシング12の上部に設けられている。
【0055】
温水供給ユニット26は、本体ケーシング12の上部に載置されるミスト用ケーシング27を備えて、そのミスト用ケーシング27内にミスト噴出のための機器類を装備する状態に構成されている。
ミスト用ケーシング27内に装備される機器類は、具体的には、給湯器Dから延出される給湯路10を開閉する給湯弁28、給湯路10を通流する湯水を熱源機2から循環供給される熱媒(具体的には温水)との熱交換により加熱する湯水加熱手段としての液々交換器29、その液々熱交換器29にて加熱された湯水が通流する下手側通流路30、その下手側通流路30から分岐された湯水排出用の排出路31、その排出路31を開閉する排水弁32、サーミスタを用いて構成されて、下手側通流路30を通流する湯水の温度を検出する加熱後湯水温度検出手段としての加熱後湯水温度センサ33A、及び、サーミスタを用いて構成されて、給湯路10における液々熱交換29の上手側に位置する部分を通流する湯水の温度を検出する加熱前湯水温度検出手段としての加熱前湯水温度センサ33B等である。
ちなみに、液々熱交換器29は、プレート式熱交換器を用いて構成されている。
【0056】
液々熱交換器29にて加熱された湯水が通流する下手側通流路30には、ミスト供給路34が、排出路31とは分岐する状態で接続され、このミスト供給路34が、本体ケーシング12内にまで延出され、本体ケーシング12内に延出されたミスト供給路34が、2つの第1分岐路35及び第2分岐路36に分岐されている。
それら第1及び第2分岐路35、36のうちの、第1分岐路35には、3つのミストノズル11のうちの1つが接続され、第2分岐路36には、3つのミストノズル11のうちの2つが接続されている。
【0057】
また、第1及び第2分岐路35、36の夫々には、ミストノズル11への湯水の供給を断続自在な第1及び第2ミスト開閉弁37、38が設けられている。
これら第1及び第2ミスト開閉弁37、38を開いたときには、ミスト噴出手段としての3つのミストノズル11から多量のミストが噴出される多量噴出状態(例えば、4L/分)となり、これら第1及び第2ミスト開閉弁37、38のうちの、第1ミスト開閉弁37を閉じて第2ミスト開閉弁38を開いたときには、ミスト噴出手段としての3つのミストノズル11のうちの1つから少量のミストが噴出される少量噴出状態(例えば、1L/分)となる。
【0058】
したがって、本実施形態においては、第1ミスト開閉弁37が、多量噴出状態と少量噴出状態とに切換えるように、ミストノズル11からのミスト噴出量を変更するミスト噴出量変更手段として機能することになる。
また、本実施形態においては、給湯路10、下手側通流路30、ミスト供給路34、及び、第1及び第2分岐路35、36により、給湯器Dからの湯水をミスト噴出手段としてのミストノズル11に供給する湯水供給用流路Yが構成され、上述の如く、液々熱交換器29が、ミストノズル11に供給される湯水を加熱する湯水加熱手段として機能することになる。
【0059】
熱媒循環路17の往路18から分岐する第1熱媒分岐路19が、上述の如く、液々熱交換器29に接続され、その第1熱媒分岐路19の液々熱交換器29の下流側が熱媒循環路17の復路21に接続されている。
したがって、熱源機2にて加熱された熱媒(例えば、80℃)が熱媒循環路17を通して液々熱交換器29に循環供給されるように構成されている。
【0060】
第1熱媒分岐路19には、その第1熱媒分岐路19を開閉自在で且つ液々熱交換器29への熱媒の通流量を変更調整自在な熱媒流量調整弁39が、液々熱交換器29の加熱量を調整する加熱量調整手段として設けられている。
又、熱媒循環路17の往路18には、通流する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出手段として、サーミスタを用いて構成された熱媒温度検出センサ40が設けられている。
【0061】
液々熱交換器29の下手側に接続される下手側通流路30から分岐する排水路31は、前回にミスト運転を実行してから長時間にわたりミスト運転が行われていない場合に、給湯路10の内部や液々熱交換器29の内部配管等に滞留する湯水を外部に排出させて新鮮な湯水をミストノズル11に供給する湯水入れ替え処理を実行するためのものであり、湯水入れ替え処理は、第1及び第2ミスト開閉弁37、38を閉弁状態に維持したまま、給湯弁28及び排水弁32を開弁状態に切り換えることによって行われることになる。
【0062】
したがって、本実施形態においては、排出路31及び排水弁32により、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水をミストノズル11に供給せずに外部に排出する排水手段Hが構成されることになる。
【0063】
図4に示すように、給湯器Dは、供給される水を加熱して給湯する給湯部D1、この給湯部D1の作動を制御する制御手段D2、及び、この制御手段D2に対して種々の情報を指令するリモコン操作部D3などを備えて構成されている。
【0064】
給湯部D1は、燃焼室1を備え、その燃焼室1内には、水加熱用の湯水加熱用熱交換器45、この湯水加熱用熱交換器45を加熱するガス燃焼式のバーナ46、及び、このバーナ46に燃焼用空気を通風するファン47などが備えられている。
湯水加熱用熱交換器45の入口側には、例えば家庭用の水道などから水が供給される給水路48が接続され、湯水加熱用熱交換器45の出口側には、加熱後の湯を出湯する出湯路49がそれぞれ接続されている。
【0065】
給水路48には、その通水量Qoを検出する通水量検出手段としての通水量センサ50、及び、入水温度Tcを検出する入水温検出手段としての入水温サーミスタ51が備えられ、また、出湯路49には、湯水加熱用熱交換器45から出湯される湯の出湯温度Tdoを検出する出湯温検出手段としての出湯温サーミスタ52が備えられている。
【0066】
給水路48と出湯路49とが、湯水加熱用熱交換器45を迂回するバイパス路53にて接続され、出湯路49におけるバイパス回路53の接続部よりも下流側箇所には、上述した温水供給ユニット26に湯水を供給する給湯路10が接続され、その給湯路10には、一般給湯栓54に湯水を供給する一般給湯路10Aが分岐されている。
したがって、湯水加熱用熱交換器45から出湯される湯とバイパス路53から供給される水とが混合され、その混合された湯水が、ミスト用浴用空間Kに対してミストを噴出するミストノズル11や、一般給湯栓54に給湯されるように構成されている。
【0067】
バイパス路53と出湯路49との合流箇所に、湯水加熱用熱交換器45から出湯される湯と、バイパス路53から供給される水との混合比を変更調整するミキシング手段としてのミキシングバルブ55が設けられている。
給湯路10における出湯路49との接続部には、通水量が給湯器Dの加熱能力を超える場合に、通水量を絞るための水比例バルブ56と、ミキシングバルブ55によって混合された後の湯水の給湯温度Tmを検出する給湯温検出手段としての給湯温サーミスタ57とが備えられている。
【0068】
ミキシングバルブ55は、ステッピングモータ(図示せず)を用いて、出湯路49から出湯される湯とバイパス路53から供給される水との混合比を変更調整できるように構成されるものであって、制御手段D2が、ステッピングモータを作動させることによって、混合比を調整するように構成されている。
【0069】
バーナ46に対する燃料供給路58には、燃料ガスの供給を断続する電磁操作式の断続弁59、及び、燃料供給量(バーナ46の燃焼量)を変更調節自在な電磁操作式のガス量調節弁60が備えられ、バーナ46の近くには、バーナ46に対する点火動作を実行するイグナイタ61と、バーナ46に着火されたか否かを検出するフレームロッド62とがそれぞれ備えられている。
そして、制御手段D2が、断続弁59、ガス量調節弁60、及び、イグナイタ61の作動を制御して、バーナ46の着火や消火を行う点消火制御、及び、バーナ46の燃焼量を調整する燃焼量調整制御を行い、また、フレームロッド62の検出情報に基づいて、バーナ46の着火を確認するように構成されている。
【0070】
リモコン操作部D3は、給湯部D1の運転の開始や停止を指令する機能や目標給湯温度Tsの変更設定を行う機能などを備えるものである。
【0071】
制御手段D2は、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量以上のときにはバーナ46を燃焼させて、給湯路10の給湯温度Tmが目標給湯温度Tsになるように、バーナ46の燃焼量及びミキシングバルブ55の混合比を調整する給湯制御を実行し、かつ、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量未満のときにはバーナ46の燃焼を停止させるように構成されている。
【0072】
そして、ミストノズル11からのミスト噴出量を、多量噴出状態に切換えた場合には、通水量Qoが燃焼用設定量以上となり、少量噴出状態に切換えた場合には、通水量Qoが燃焼用設定量未満となるように構成されている。
ちなみに、少量噴出状態においても、一般給湯栓54にて湯水が消費されるときには、通水量Qoが燃焼用設定量以上となることはもちろんである。
【0073】
また、制御手段D2は、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量以上のときには、給水路48からの湯水を、湯水加熱用熱交換器45及びバイパス路53の両者を通して流動させ、且つ、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量未満のときには、給水路48からの湯水を、バイパス路53のみを通して流動させるように、ミキシングバルブ55を制御するように構成されている。
【0074】
つまり、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量未満のときには、給水路48からの湯水を、バイパス路53のみを通して流動させるべく、ミキシングバルブ55が湯水加熱用熱交換器45への通水を停止して、バイパス路53のみに通水する状態に切換えられ、そして、通水量センサ50にて検出される通水量Qoが燃焼用設定量以上のときには、上述した給湯制御のために、給水路48からの湯水を、湯水加熱用熱交換器45及びバイパス路53の両者を通して流動させる状態に、ミキシングバルブ55が切換えられることになる。
【0075】
制御手段D2が実行する給湯制御の形態は、種々の形態が存在するが、本実施形態においては、出湯路49における湯水の出湯温度Tdoが目標出湯温度Tds(例えば、60℃)になるように、バーナ46の燃焼量を制御し、そして、給湯路10の給湯温度Tmが目標給湯温度Tsになるように、ミキシングバルブ55の混合比を制御する形態を採用している。
【0076】
バーナ46の燃焼量の制御は、フィードフォワード制御と、フィードバック制御とによって行われる。
具体的に説明すると、給水路48からの通水量Qoを、湯水加熱用熱交換器45側にはα×Qoを分岐し、バイパス路53側にはβ×Qoの割合で分岐するとして(ただし、α+β=1)、制御手段D2が、フィードフォワード制御によるバーナ46の燃焼量として、入水温Tcでα×Qoの量の水を湯水加熱用熱交換器45で加熱することによって、出湯路49からの出湯温度Tdoが目標出湯温度Tds(例えば60℃)になるようにするための燃焼量を求めることになる。
【0077】
また、制御手段D2が、フィードバック制御によるバーナ46の燃焼量として、出湯温サーミスタ52の検出温度Tdoと目標出湯温度Tdsとの偏差に基づいて、出湯温サーミスタ52の検出温度Tdoが目標出湯温度Tdsになるようにするための燃焼量を求めることになる。
そして、制御手段D2が、フィードフォワード制御による燃焼量と、フィードバック制御による燃焼量とを加えた目標燃焼量Ipを求めて、その目標燃焼量となるようにガス量調整弁60の開度を調整することになる。
【0078】
ミキシングバルブ55の混合比の制御は、制御手段D2が、給湯路10からの給湯温度Tmが、温度設定スイッチ17により設定された目標給湯温度Tsに近づくように、湯水加熱用熱交換器45からの湯とバイパス路53からの水との混合比α対βを調整することになる。
【0079】
この混合比の制御において、上記したαとβは、基本的には、下記式〔数1〕に基づいて求められることになる。
Qo×Ts=α×Qo×Tds+β×Qo×Tc--------〔数1〕
ちなみに、α+β=1であるから、上記式〔数1〕より、
α=(Ts−Tc)/(Tds−Tc)--------〔数2〕
β=(Ts−Tds)/(Tc−Tds)--------〔数3〕
が成り立ち、αの値あるいはβの値を求めることができる。
【0080】
さらに、上記したαとβは、給湯路10からの給湯温度Tmと温度設定スイッチ17により設定された目標給湯温度Tsとの偏差に基づいて、補正されることになる。
つまり、上記したαとβは、数2及び数3にて求めた値を、給湯温度Tmと目標給湯温度Tsとの偏差に基づいて補正した目標値として求められて、制御手段D2が、混合比が求めた目標値となるように、ミキシングバルブ55の混合比を調整することになる。
【0081】
このように、本実施形態においては、バーナ46の燃焼量とミキシングバルブ55による混合比が調整されて、給湯路10からの給湯温度Tmが、温度設定スイッチ17で設定された目標給湯温度Tsになるように制御されるように構成されている。
尚、バーナ46の目標燃焼量が、調整可能な最大値を超えるときには、制御手段D2が、上述した水比例バルブ56を絞り側に調整することになる。
【0082】
脱衣室リモコンR2は、
図3に示すように、種々の情報を表示するための表示部63、ミストサウナ運転を指令するミスト運転指令手段としてのミストスイッチ64、運転時間を変更設定するためのタイマー設定スイッチ65、可動ルーバ24の吹き出し方向の変更 を指令する風向スイッチ66、乾燥運転を指令する乾燥スイッチ67、浴室暖房手段Aを作動させて浴室の暖房を行う暖房運転を指令する暖房スイッチ68、換気ファン9を作動させる換気運転を指令する換気スイッチ69、循環ファン7を作動させる涼風運転を指令する涼風スイッチ70、運転を停止させる停止スイッチ71等が設けられている。
尚、浴室リモコンR1は、図示は省略するが、脱衣室リモコンR2と同様な構成となっている。
【0083】
そして、運転制御部3は、マイクロコンピュータを備えて構成されて、次のような種々の制御を実行するように構成されている。
すなわち、ミストスイッチ64にてミスト運転が指令されると、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水を液々交換器29にて加熱してミストノズル11に供給するミスト運転を実行し、併せて、空調用熱交換器8に熱媒を循環供給し且つ循環ファン7を作動させて浴室4内を暖房する暖房運転を実行するように構成されている。
【0084】
乾燥スイッチ45が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を循環供給し、且つ、循環ファン7及び換気ファン9を作動させて、浴室4内を加熱しながら湿気を含んだ空気を外部に排気させる乾燥運転を実行するように構成されている。
暖房スイッチ46が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を循環供給し且つ循環ファン7を作動させて浴室4内を暖房する暖房運転を実行するように構成されている。
換気スイッチ47が操作されると、換気ファン9を作動させて、浴室4内を換気する換気運転を実行するように構成されている。
涼風スイッチ48が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を供給させない状態で循環ファン7を作動さて、浴室4内の空気を循環流動させる涼風運転を実行するように構成されている。
【0085】
ミスト運転について説明を加えると、運転制御部3は、ミストスイッチ64にてミスト運転の運転開始指令が指令されてから運転状態切換タイミングを判別するまでは、多量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37及び第2ミスト開閉弁38を開くように制御し、かつ、運転状態切換タイミングを判別すると、少量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37を閉じて第2ミスト開閉弁38を開くように構成され、そして、運転を開始してからの経過時間がタイマー設定スイッチ65に設定された運転時間に達した場合や、停止スイッチ71にて運転停止が指令された場合には、ミスト運転を停止するように構成されている。
【0086】
運転状態切換タイミングは、本実施形態では、運転開始からの経過時間が、予め設定されている立上げ判別用の設定時間(例えば、10分)に達するタイミングに設定されている。
【0087】
また、運転制御部3は、ミスト運転を開始すると、加熱後湯水温度センサ33Aの検出手段の検出情報に基づいて、液々熱交換器29にて加熱された湯水の温度が設定目標温度(例えば、65℃)になるようにすべく、熱媒流量調整弁39により熱媒の通流量を調整して液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードバック式の加熱量制御を実行するように構成されている。
【0088】
そして、運転制御部3は、少量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37を閉じて第2ミスト開閉弁38を開くように制御した状態において、加熱前温度検出センサ33Bの検出情報に基づいて、給湯器Dが燃焼状態から非燃焼状態に変化したことを検出したときには、上述のフィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、湯水加熱手段の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行するように構成されている。
【0089】
さらに、運転制御部3は、少量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37を閉じて第2ミスト開閉弁38を開くように制御した状態において、加熱前温度検出センサ33Bの検出情報に基づいて、給湯器Dが非燃焼状態から燃焼状態に変化したことを検出したときには、フィードフォワード式の加熱量制御として、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、熱媒流量調整弁39により熱媒の通流量を調整して液々熱交換器29の加熱量を変更調整する制御を実行するように構成されている。
【0090】
すなわち、少量噴出状態おいて、一般給湯栓54からの湯水の消費が開始されて、給湯器Dが非燃焼状態から燃焼状態となったことを、加熱前温度検出センサ33Bの検出情報に基づいて検出したときには、フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行させることにより、液々熱交換器29にて加熱されてミストノズル11に供給される湯水の温度が、大きく上昇することが抑制されるようになっている。
【0091】
ちなみに、燃焼用の初期加熱量とは、少量噴出状態おいて、給湯器Dが燃焼状態であるときに、液々熱交換器29にて加熱された湯水の温度を設定目標温度(例えば、65℃)にするのに好適な加熱量として定められることになり、本実施形態においては、この燃焼用の初期加熱量が、予め実験により定められている。
【0092】
また、少量噴出状態おいて、一般給湯栓54から湯水が消費されることにより燃焼状態となっていた給湯器Dが一般給湯栓54の湯水の消費が終了して、非燃焼状態になったことを、加熱前温度検出センサ33Bの検出情報に基づいて検出したときには、フィードバック式の加熱量制御に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御を実行させることにより、液々熱交換器29にて加熱されてミストノズル11に供給される湯水の温度が、大きく低下することが抑制されるようになっている。
【0093】
ちなみに、非燃焼用の初期加熱量とは、少量噴出状態おいて、給湯器Dが非燃焼状態であるときに、液々熱交換器29にて加熱された湯水の温度を設定目標温度(例えば、65℃)にするのに好適な加熱量として定められることになり、本実施形態においては、この非燃焼用の初期加熱量は、予め実験により定められている。
【0094】
次に、
図5のフローチャートに基づいて、ミスト運転における運転制御部3の制御作動について説明する。
尚、フローチャートには記載しないが、ミストスイッチ64が操作されたときに、前回にミスト運転を実行してからの経過時間が設定長時間の場合には、排出用設定時間が経過する間、ミスト開閉弁37、38を閉弁状態に維持したまま給湯弁28及び排水弁32を開弁状態に切り換える湯水入れ替え処理を実行されることになる。
【0095】
ミストスイッチ64がオン操作されると、先ず、初期運転処理を実行する(#1)。
この初期運転処理は、熱源機2を作動させて熱媒を循環供給可能な状態に設定し、熱動弁22を開弁状態に切り換えて、空調用熱交換器8への熱媒の循環供給を開始し、また、給湯弁28を開き、且つ、多量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37及び第2ミスト開閉弁38を開くように制御する。
尚、初期運転処理においては、熱媒流量調整弁39は開かれることなく、閉じ状態に維持されて、液々熱交換器29への熱媒供給が停止状態に維持されることになる。
【0096】
ちなみに、第1ミスト開閉弁37及び第2ミスト開閉弁38が開かれると、ミストノズル11の噴出状態が多量噴出状態となり、給湯器Dからは、加熱された湯水(例えば、42℃)が供給されることになる。
【0097】
次に、循環ファン7が作動中であるか否かを判別し(#2)、作動中でない場合には、熱媒温度検出センサ40の検出値Tnが第1設定温度(例えば、60℃)以上であるか否かを判別する(#3)。
検出値Tnが第1設定温度以上の場合には、循環ファン7の作動を開始して(#4)、浴室4の暖房を開始する。尚、詳述はしないが、このとき、可動ルーバ24を作動させて吹出口15から吹出される空気の吹出し方向を調整する。
【0098】
つまり、熱源機2から循環供給される熱媒の温度が低いときに、暖房を開始しても、効率良く浴室4内を暖房できないため、熱媒の温度が第1設定温度(例えば、60℃)以上になると、循環ファン7を作動させて、暖房を開始することになる。
【0099】
その後、ミストノズル11の噴出状態を少量噴出状態に切換え済みであるか否かを判別して(#5)、切換え済みでない場合には、運転開始からの経過時間が立上げ判別用の設定時間を経過したか否かを判別する(#6)。
運転開始からの経過時間が立上げ判別用の設定時間を経過している場合には、第1ミスト開閉弁37を閉じて第2ミスト開閉弁38を開くように制御して、ミストノズル11の噴出状態を少量噴出状態に切換える(#7)。
【0100】
次に、熱媒温度検出センサ40の検出値Tnが第2設定温度(例えば、65℃)以上であるか否かを判別する(#8)。
そして、検出値Tnが第2設定温度(例えば、65℃)以上の場合には、熱媒流量調整弁39を開いて、液々熱交換器29に熱媒を通流し、かつ、その通流量を調整するフィードバック式の加熱量制御(#10)やフィードフォワード式の加熱量制御(#13、#15)が行われることになり、また、#8にて、熱媒温度検出センサ40の検出値Tnが第2設定温度未満であると判別した場合には、#16の処理に移行する。
【0101】
#8にて、熱媒温度検出センサ40の検出値Tnが第2設定温度(例えば、65℃)以上であると判別した場合について、詳述すると、先ず、ミストノズル11の噴出状態が少量噴出状態であるか否かを判別する(#9)。
【0102】
#9にて、ミストノズル11の噴出状態が少量噴出状態でないと判別した場合、つまり、多量噴出状態であると判別した場合には、加熱後湯水温度センサ33Aの検出手段の検出情報に基づいて、液々熱交換器29にて加熱された湯水の温度が設定目標温度(例えば、65℃)になるようにすべく、熱媒流量調整弁39により熱媒の通流量を調整して液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードバック式の加熱量制御(#10)を実行する。
【0103】
#9にて、少量噴出状態であると判別したときには、続いて、給湯器Dが非燃焼状態であるか否かを判別し(#11)、非燃焼状態であると判別した場合には、非燃焼状態への切換直後であるかを判別する(#12)。
【0104】
そして、#12にて、非燃焼状態への切換直後であると判別した場合には、フィードバック式の加熱量制御(#10)に優先して、予め設定した非燃焼用の初期加熱量となるように、液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御(#13)を実行することになり、#12にて、非燃焼状態への切換直後でないと判別した場合には、フィードバック式の加熱量制御(#10)を実行する。
【0105】
#11にて、非燃焼状態でない判別した場合、つまり、給湯器Dが燃焼状態であると判別した場合には、燃焼状態への切換直後であるかを判別する(#14)。
【0106】
そして、#14にて、燃焼状態への切換直後であると判別した場合には、フィードバック式の加熱量制御(#10)に優先して、予め設定した燃焼用の初期加熱量となるように、液々熱交換器29の加熱量を変更調整するフィードフォワード式の加熱量制御(#15)を実行することになり、#14にて、非燃焼状態への切換直後でないと判別した場合には、フィードバック式の加熱量制御(#10)を実行する。
【0107】
つまり、熱源機2から循環供給される熱媒の温度が低いときに、液々熱交換器29に熱媒を通流させても、給湯器Dからの湯水を効率良く加熱できないため、熱媒の温度が第2設定温度(例えば、65℃)以上になると、熱媒流量調整弁39を開いて、液々熱交換器29に熱媒を通流することを開始し、かつ、液々熱交換器29にて加熱された湯水の温度が設定目標温度(例えば、65℃)になるようにすべく、フィードバック式の加熱量制御(#10)やフィードフォワード式の加熱量制御(#13、#15)を行うことになる。
【0108】
#8にて、熱媒温度検出センサ40の検出値Tnが第2設定温度未満であると判別した場合や、#10にて、フィードバック式の加熱量制御を実行のち、及び、#13、#15にて、フィードフォワード式の加熱量制御を実行したのちは、ミスト運転を実行してからの経過時間が、タイマー設定スイッチ65に設定された運転時間を経過したか否かを判別し(#16)、経過時間が設定された運転時間を経過していると判別した場合には、給湯弁28を閉じ、且つ、多量噴出状態となるように、第1ミスト開閉弁37及び第2ミスト開閉弁38を閉じてミスト運転を停止する停止処理を実行する(#18)。
【0109】
また、#16にて、経過時間が設定された運転時間を経過していないと判別した場合には、続いて、停止スイッチ71にて運転停止が指令されているか否かを判別し(#17)、運転停止が指令されている場合には、#18の停止処理を実行し、また、運転停止が指令されていない場合には、#2からの処理を繰り返し実行することになる。
【0110】
ちなみに、本実施形態では詳述しないが、#18の処理を実行したのちは、一般に、暖房運転と換気運転が行われて、浴室4内が乾燥されることになる。
【0111】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、給湯器からミスト噴出手段に供給される湯水を加熱する湯水加熱手段として、熱源機からの熱媒が循環供給される液々熱交換器を例示したが、湯水加熱手段としては、電気ヒータにて加熱する形態のものや、ヒートポンプにて加熱する形態のもの等、種々の形態のものが適用できる。
【0112】
(2)上記実施形態では、給湯器として、湯水加熱用熱交換器をバイパスして給水路からの湯水を流動させるバイパス路を備えて、湯水の通水量が燃焼用設定量以上のときには、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器及びバイパス路の両者を通して流動させ、且つ、湯水の通水量が燃焼用設定量未満のときには、給水路からの湯水を、バイパス路のみを通して流動させるように構成されているものを例示したが、給湯器の具体構成は、種々変更できるものであって、要は、湯水の通水量が燃焼用設定量以上のときには、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器を通して流動させて加熱したのちミスト噴出手段に供給し、且つ、湯水の通水量が記燃焼用設定量未満のときには、給水路からの湯水を、湯水加熱用熱交換器を通過させない状態で流動させてミスト噴出手段に供給するように構成されているものであればよい。
【0113】
(3)上記実施形態では、給湯器が、ミスト噴出手段に加えて、一般給湯栓にも給湯する場合を例示したが、給湯器が、ミスト噴出手段にのみ給湯する形態にて実施してもよい。
【0114】
(4)上記実施形態では、浴室内の空間を、ミスト浴用空間として利用する場合を例示したが、専用のミスト浴用空間に対してミストを噴出する形態で実施してもよい。
【0115】
(5)上記実施形態では、多量噴出状態から少量噴出状態に切換える運転状態切換タイミングが、運転開始からの経過時間が、ミスト浴を行うに適した状態となるようにミスト浴用空間を昇温させるのに必要な時間を見込んで設定した設定時間に達すると、運転状態切換タイミングであると判別する場合を例示したが、運転状態切換タイミングを判別する構成としては、ミスト浴用空間の温度を検出する温度検出センサの検出温度が、運転状態切換用の設定温度に上昇すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成としてもよい。
【0116】
その他、ミスト浴用空間内に人体が存在するか否かを検出する人体検知センサが、人体非存在状態から人体存在状態を検出すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成としてもよく、そして、ミスト浴用空間内に人体が存在するか否かを検出する構成としては、ミスト浴用空間の温度を検出する温度検出センサの検出温度が、入浴者がミスト浴用空間の入口の扉を開閉してミスト浴用空間に入ることにより、一旦低下したのち再び上昇することに鑑みて、その温度変化を検出すると、運転状態切換タイミングであると判別する構成としてもよい。
【0117】
(6)上記実施形態では、多量噴出状態におけるミスト噴出量、及び、少量噴出状態におけるミスト噴出量が、定量に定められる場合を例示したが、それらのミスト噴出量を変更調整できる形態で実施してもよい。
【0118】
(7)上記実施形態では、ミスト噴出装置をミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機に適用した場合について説明したが、ミストサウナ機能だけを備えるミストサウナ専用の装置にミスト噴出装置を適用してもよい。
【0119】
(8)上記実施形態では、熱媒を供給する熱源機と湯水を供給する給湯器とを、一つの給湯熱源機として構成する場合を例示したが、熱源機と給湯器とを各別な装置として構成する形態で実施してもよい。