特許第5788711号(P5788711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788711
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20150917BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   H01R13/629
   H01R13/64
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-114778(P2011-114778)
(22)【出願日】2011年5月23日
(65)【公開番号】特開2012-243669(P2012-243669A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】濱井 強
(72)【発明者】
【氏名】久保田 浩正
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−123530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続端子を収容する第1ハウジングと、前記第1接続端子に接続する第2の接続端子を収容して前記第1ハウジングの前面に嵌合接続される第2ハウジングと、前記第1ハウジングに回動可能に取り付けられるレバーと、を備え、
前記レバーは、
前記第1ハウジングの側面に回動可能に連結されると共に、前記第1ハウジングに装備された仮係止状態保持部による係止によって回転が規制されて仮係止位置に保持されるレバー本体と、
第2ハウジングの側面に装備されたカム軸が係合可能に前記レバー本体に形成されて、係合している前記カム軸を前記レバー本体の回動操作によって前記第1ハウジングの後端側に引き込んでこれらのハウジング相互を嵌合完了位置に移動させるカム溝と、
前記レバー本体が前記仮係止位置に保持されている状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを嵌合開始位置に突き合わせたときに前記カム溝の始端に前記カム軸が進入するように前記レバー本体に形成されたカム導入口と、を備え、
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングと前記嵌合開始位置に突き合されたときに、前記レバーに設けられ、前記仮係止状態保持部により仮係止状態に保持された係止部に、所定の撓み変位を付与して前記仮係止状態保持部による係止を解除させる仮係止解除部を備えるレバー式コネクタであって、
前記ハウジング相互の嵌合操作初期で、前記仮係止解除部が前記係止部に撓み変位を付与する前に相手ハウジングと衝突してハウジング相互の嵌合を規制するフィーリング突起が、前記第1ハウジング及び第2ハウジングの何れかに装備され、
前記フィーリング突起は、前記仮係止解除部が前記仮係止状態保持部による係止を解除する際に必要とされる荷重よりも大きな嵌合方向の荷重をハウジング相互間に作用させると、ハウジング相互の嵌合規制を解除して、前記仮係止解除部が前記仮係止状態保持部による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合を進めることを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
前記フィーリング突起が、前記仮係止解除部として前記第2ハウジングに装備されるリブ上に突設された突起であることを特徴とする請求項1に記載のレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合開始位置に突き合されるまで、第1ハウジングに回動可能に装備されているレバーの回転を規制する仮係止状態保持部を第1ハウジングに装備したレバー式コネクタが開示されている。
【0003】
前記仮係止状態保持部は、第1ハウジングと第2ハウジングとを嵌合開始位置に突き合わせた際に、第2ハウジングに装備されたカム軸が第1ハウジングのレバー上のカム溝の始端にスムースに係合するように、レバーを所定の向きに仮係止しておくものである。
【0004】
また、特許文献1のレバー式コネクタのように仮係止状態保持部を装備するコネクタにおいては、ハウジング相互を嵌合開始位置に突き合わせた際に、前記仮係止状態保持部による仮係止を解除する仮係止解除部を第2ハウジングに装備することが研究されている。
【0005】
図6及び図7は、上記の仮係止状態保持部や仮係止解除部を装備したレバー式コネクタの一例を示している。
【0006】
図6及び図7において、符号100は第1ハウジングであり、符号110は第1ハウジング100に嵌合接続される第2ハウジング、符号120はハウジング相互の嵌合接続を容易にするために第1ハウジング100に回動可能に装備されたレバーである。レバー120は、第1ハウジング100の側面に立設されたレバー支持軸101により、回動可能に支持されている。
【0007】
また、図示はしていないが、第2ハウジング110の側面にはカム軸が突設され、レバー120には前記カム軸が嵌合するカム溝が装備されている。
【0008】
レバー120のカム溝は、第1ハウジング100と第2ハウジング110とを嵌合開始位置に突き合わせた状態でレバー120を回動操作させると、第2ハウジング110のカム軸を嵌合方向に引き込んで、第1ハウジング100と第2ハウジング110とを嵌合完了位置に移動させる溝である。
【0009】
図6及び図7に示したレバー式コネクタにおいて、符号122は第1ハウジング100に装備された仮係止状態保持部(不図示)に係止される仮係止用弾性片であり、符号112は仮係止解除部として第2ハウジング110に設けられた仮係止解除リブである。
【0010】
仮係止用弾性片122は、レバー120に一体形成された弾性片で、第1ハウジング100に装備された仮係止状態保持部に係止されることで、レバー120の回転が規制され、レバー120が仮係止位置に保持される。
【0011】
仮係止解除リブ112は、第1ハウジング100と第2ハウジング110とを突き合わせる嵌合操作をした際に、第1ハウジング100に形成されているガイド溝103により仮係止用弾性片122の下方に誘導され、仮係止用弾性片122の下面に当接することで、図8に矢印Yに示すように、仮係止用弾性片122に上方への撓み変位を付与して、仮係止状態保持部による仮係止状態を解除する。
【0012】
仮係止解除リブ112の先端には、仮係止用弾性片122との当接を円滑にするために、テーパ面112aが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−123530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記のように仮係止用弾性片122に撓み変位を付与して仮係止状態保持部による仮係止状態を解除する構成の場合、仮係止用弾性片122の撓み変位が徐々に増加して行く過程で、仮係止状態保持部による係止力が徐々に低減して行くが、仮係止状態保持部による係止が完全に解除される前に、係止力の低下によりレバーの位置が仮係止位置から不用意に動いてしまい、その結果、第2ハウジング110のカム軸がレバー120に係合できなくなるハウジング相互の嵌合不良やレバーの脱落等の不都合が発生するおそれがあった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、ハウジング相互を嵌合させる際、レバーの位置が仮係止位置から不用意に動くことによってハウジング相互の嵌合不良やレバーの脱落等の不都合が発生することがなく、取り扱い性に優れたレバー式コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)第1の接続端子を収容する第1ハウジングと、前記第1接続端子に接続する第2の接続端子を収容して前記第1ハウジングの前面に嵌合接続される第2ハウジングと、前記第1ハウジングに回動可能に取り付けられるレバーと、を備え、
前記レバーは、
前記第1ハウジングの側面に回動可能に連結されると共に、前記第1ハウジングに装備された仮係止状態保持部による係止によって回転が規制されて仮係止位置に保持されるレバー本体と、
第2ハウジングの側面に装備されたカム軸が係合可能に前記レバー本体に形成されて、係合している前記カム軸を前記レバー本体の回動操作によって前記第1ハウジングの後端側に引き込んでこれらのハウジング相互を嵌合完了位置に移動させるカム溝と、
前記レバー本体が前記仮係止位置に保持されている状態で前記第1ハウジングと第2ハウジングとを嵌合開始位置に突き合わせたときに前記カム溝の始端に前記カム軸が進入するように前記レバー本体に形成されたカム導入口と、を備え、
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングと前記嵌合開始位置に突き合されたときに、前記レバーに設けられ、前記仮係止状態保持部により仮係止状態に保持された係止部に、所定の撓み変位を付与して前記仮係止状態保持部による係止を解除させる仮係止解除部を備えるレバー式コネクタであって、
前記ハウジング相互の嵌合操作初期で、前記仮係止解除部が前記係止部に撓み変位を付与する前に相手ハウジングと衝突してハウジング相互の嵌合を規制するフィーリング突起が、前記第1ハウジング及び第2ハウジングの何れかに装備され、
前記フィーリング突起は、前記仮係止解除部が前記仮係止状態保持部による係止を解除する際に必要とされる荷重よりも大きな嵌合方向の荷重をハウジング相互間に作用させると、ハウジング相互の嵌合規制を解除して、前記仮係止解除部が前記仮係止状態保持部による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合を進めることを特徴とするレバー式コネクタ。
【0017】
(2)前記フィーリング突起が、前記仮係止解除部として前記第2ハウジングに装備されるリブ上に突設された突起であることを特徴とする上記(1)に記載のレバー式コネクタ。
【0018】
上記(1)の構成によれば、ハウジング相互の嵌合操作初期で、第2ハウジング上の仮係止解除部が第1ハウジング上の仮係止状態保持部による係止部に撓み変位を付与する前に、一方のハウジングに装備されたフィーリング突起が相手ハウジングに衝突してハウジング相互の嵌合を規制する。そして、フィーリング突起による規制に抗してハウジング相互の嵌合を進めるべく、所定以上の大きな嵌合方向の荷重をハウジング相互間に作用させると、仮係止解除部が仮係止状態保持部による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合が進む。
【0019】
そのため、ハウジング相互の嵌合操作の途中で、仮係止状態保持部による係止力が徐々に低減する冗長な状態変化を回避して、仮係止状態保持部による係止力の低減によってレバーの位置が仮係止位置から不用意に動くことを防止することができる。
【0020】
その結果、ハウジング相互の嵌合途中で、レバーの位置が仮係止位置から不用意に動くことによってハウジング相互の嵌合不良やレバーの脱落等の不都合が発生することがなく、取り扱い性に優れたレバー式コネクタを提供することができる。
【0021】
上記(2)の構成によれば、仮係止状態保持部による係止部に係止を解除させる撓み変位を付与する仮係止解除部としてのリブ上にフィーリング突起を装備するため、リブによる係止解除動作が開始される前にフィーリング突起と相手ハウジングとの衝突が発生するように、フィーリング突起の装備位置を選定することが容易になり、フィーリング突起を装備したレバー式コネクタの開発を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるレバー式コネクタによれば、ハウジング相互の嵌合操作初期で、第2ハウジング上の仮係止解除部が第1ハウジング上の仮係止状態保持部による係止部に撓み変位を付与する前に、一方のハウジングに装備されたフィーリング突起が相手ハウジングに衝突してハウジング相互の嵌合を規制する。そして、フィーリング突起による規制に抗してハウジング相互の嵌合を進めることで、仮係止解除部が仮係止状態保持部による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合が進む。
【0023】
そのため、ハウジング相互の嵌合操作の途中で、仮係止状態保持部による係止力が徐々に低減する冗長な状態変化を回避して、仮係止状態保持部による係止力の低減によってレバーの位置が仮係止位置から不用意に動くことを防止することができる。
【0024】
従って、ハウジング相互の嵌合途中で、レバーの位置が仮係止位置から不用意に動くことによってハウジング相互の嵌合不良やレバーの脱落等の不都合が発生することがなく、取り扱い性に優れたレバー式コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るレバー式コネクタの一実施形態の分解斜視図である。
図2図1に示した第1ハウジングからレバーが取り外された状態の分解斜視図である。
図3】一実施形態の第2ハウジングに装備された仮係止解除部としてのリブが、仮係止状態保持部による係止部に到達して、仮係止解除が始まる状態を示す部分斜視図である。
図4図2のB部の拡大図である。
図5】一実施形態の第2ハウジングに装備されたフィーリング突起が第1ハウジングの前端部に衝突した状態を示す部分斜視図である。
図6】仮係止状態保持部や仮係止解除部を備えた従来のレバー式コネクタの分解斜視図である。
図7図6に示したレバー式コネクタにおけるハウジング相互の嵌合開始初期の状態を示す斜視図である。
図8図7のA部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るレバー式コネクタの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1図5は本発明に係るレバー式コネクタの一実施形態を示したもので、図1は一実施形態のレバー式コネクタの分解斜視図、図2図1に示した第1ハウジングからレバーが取り外された状態の分解斜視図、図3は一実施形態の第2ハウジングに装備された仮係止解除部としてのリブが、仮係止状態保持部による係止部に到達して、仮係止解除が始まる状態を示す部分斜視図である。また、図4図2のB部の拡大図、図5は一実施形態の第2ハウジングに装備されたフィーリング突起が第1ハウジングの前端部に衝突した状態を示す部分斜視図である。
【0028】
本発明の一実施形態のレバー式コネクタ1は、図1に示すように、不図示の第1の接続端子を収容する第1ハウジング10と、第2ハウジング20と、レバー30と、を備える。
【0029】
第1ハウジング10の後面には、該第1ハウジング10から導出する電線を覆うカバー40が、着脱可能に装着される。
【0030】
第2ハウジング20は、第1ハウジング10に収容されている第1接続端子に接続する第2の接続端子(不図示)を収容して、第1ハウジング10の前面に嵌合接続される。第2ハウジング20の外側面には、該第2ハウジング20を第1ハウジング10に嵌合接続する際に、レバー30と係合するカム軸22が突設されている。
【0031】
レバー30は、第1ハウジング10の両外側面(図1では上下面)に突設されたレバー支持軸11に、回動可能に取り付けられる。
【0032】
本実施形態におけるレバー30は、第1ハウジング10の両側面のレバー支持軸11に回動可能に連結される一対の板状のレバー本体31と、カバー40の外側を跨いで一対のレバー本体31相互を連結した回動操作部32と、第2ハウジング20の側面に装備されたカム軸22が係合可能に前記一対のレバー本体31の内面に形成される不図示のカム溝と、カム軸22を前記カム溝の始端に出入りさせるために前記一対のレバー本体31に形成される不図示のカム導入口と、を備える。
【0033】
一対のレバー本体31には、第1ハウジング10の両外側面に装備された仮係止状態保持部13に係止される仮係止用弾性片33が、一体形成されている。本実施形態の場合、仮係止状態保持部13は、仮係止用弾性片33の裏面に係合する略多角錐状の突起である。
【0034】
一対のレバー本体31は、仮係止用弾性片33が仮係止状態保持部13に係止されることによって、レバー支持軸11回りの回転が規制されて仮係止位置(図1に示した位置)に保持される。
【0035】
ここに、仮係止位置とは、レバー本体31上の前記カム導入口が第1ハウジング10に突き合される第2ハウジング20上のカム軸22に向かって開口し、ハウジング相互を嵌合開始位置に突き合わせたときに、カム軸22が前記カム導入口を介して前記カム溝の始端に進入可能な位置である。
【0036】
レバー本体31の内面に形成される不図示のカム溝は、当該カム溝に係合したカム軸22を、レバー本体31の回動操作によって第1ハウジング10の後端側に引き込んで、これらのハウジング相互を嵌合完了位置に移動させる溝である。
【0037】
本実施形態のレバー式コネクタ1の場合、第2ハウジング20は、仮係止解除部としてのリブ24と、このリブ24が仮係止解除動作を開始する前に所定の衝突感(触感)を発生させるフィーリング突起25と、を備える。
【0038】
リブ24は、ハウジング相互の嵌合方向(図1の矢印X1方向)に沿って延設されている。そして、ハウジング相互の嵌合時に、このリブ24が進入するガイド溝14が、第1ハウジング10に装備されている。ガイド溝14は、ハウジング相互の嵌合時にリブ24が挿通可能なように、仮係止状態保持部13の際を、ハウジング相互の嵌合方向に沿って形成されている。レバー本体31が仮係止位置に位置決めされているとき、仮係止用弾性片33は、ガイド溝14を挿通するリブ24が接触可能なように、ガイド溝14の上に被さっている。
【0039】
リブ24は、ハウジング相互の嵌合操作により第2ハウジング20と第1ハウジング10とが嵌合開始位置に突き合されたときに、図3に矢印P1で示すように、仮係止状態保持部13による係止部となっている仮係止用弾性片33に突き当たって、該仮係止用弾性片33に対して、仮係止状態保持部13との係合を解除する方向(図1及び図3の矢印Y2方向)に所定量の撓み変位を付与して、仮係止状態保持部13による係止を解除させる。
【0040】
フィーリング突起25は、図4に示すように、リブ24の上面に突設された略半球状の突起である。
【0041】
このフィーリング突起25は、ハウジング相互の嵌合操作初期で、リブ24が係止部である仮係止用弾性片33に撓み変位を付与する前に、図5に矢印P2で示すように、相手ハウジングである第1ハウジング10の前端上縁部15と衝突して、ハウジング相互の嵌合を規制する。
【0042】
また、フィーリング突起25は、リブ24が仮係止状態保持部13による係止を解除する際に必要とされる荷重W1よりも大きな嵌合方向の荷重W2をハウジング相互間に作用させると、ハウジング相互の嵌合規制を解除して、リブ24が仮係止状態保持部13による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合を進めるように、突起の大きさや、突起の弾性強度が設定されている。
【0043】
以上に説明した一実施形態のレバー式コネクタ1では、ハウジング相互の嵌合操作初期で、第2ハウジング20上のリブ24が第1ハウジング10上の仮係止状態保持部13による係止部である仮係止用弾性片33に撓み変位を付与する前に、図5に示したように第2ハウジング20に装備されたフィーリング突起25が相手ハウジングの前端上縁部15に衝突して、ハウジング相互の嵌合を規制する。そして、フィーリング突起25による規制に抗してハウジング相互の嵌合を進めるべく、所定以上の大きな嵌合方向の荷重W2をハウジング相互間に作用させると、リブ24が仮係止状態保持部13による係止を解除させる位置まで、一気にハウジング相互の嵌合が進む。
【0044】
そのため、ハウジング相互の嵌合操作の途中で、仮係止状態保持部13による係止力が徐々に低減する冗長な状態変化を回避して、仮係止状態保持部13による係止力の低減によってレバー30の位置が仮係止位置から不用意に動くことを防止することができる。
【0045】
その結果、ハウジング相互の嵌合途中で、レバー30の位置が仮係止位置から不用意に動くことによってハウジング相互の嵌合不良やレバー30の脱落等の不都合が発生することがなく、取り扱い性に優れたレバー式コネクタを提供することができる。
【0046】
また、以上に説明した一実施形態のレバー式コネクタ1では、仮係止状態保持部13による係止部に係止を解除させる撓み変位を付与する仮係止解除部としてのリブ24上にフィーリング突起25を装備するため、リブ24による係止解除動作が開始される前にフィーリング突起25と第1ハウジング10との衝突が発生するように、フィーリング突起25の装備位置を選定することが容易になり、フィーリング突起25を装備したレバー式コネクタの開発を容易にすることができる。
【0047】
なお、本発明のレバー式コネクタ1は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
【0048】
例えば、フィーリング突起25を装備するハウジングは、上記実施形態に示した第2ハウジング20に限定するものではなく、第1ハウジング10にフィーリング突起25を装備することも可能である。また、フィーリング突起25を装備する位置も、リブ24としてのリブ24上に限るものではなく、リブ24以外の部位に装備することも可能である。また、フィーリング突起25の形状も、適宜に設計変更可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 レバー式コネクタ
10 第1ハウジング
13 仮係止状態保持部
20 第2ハウジング
24 リブ(仮係止解除部)
25 フィーリング突起
30 レバー
31 レバー本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8