(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2中間ギヤは、前記第1中間ギヤから駆動力が伝達され、前記供給ローラギヤに駆動力を伝達するように、さらに、前記供給ローラギヤに噛合することを特徴とする、請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、上記した特許文献1に記載の現像カートリッジでは、供給ローラは、現像ローラと供給ローラとの間の摩擦力に抗して、その摩擦力よりも大きなトルクで、現像ローラと摺擦されながら回転される。
【0008】
そのため、供給ローラの回転は、周速が変動しやすく、不安定になる場合がある。
【0009】
その結果、供給ローラギヤを介して現像ローラギヤに駆動力を伝達させると、現像ローラの回転も不安定になる場合がある。
【0010】
一方、入力ギヤから、供給ローラおよび現像ローラへ、別々に駆動力を伝達させると、現像ローラを安定に回転させることはできるが、入力ギヤから供給ローラおよび現像ローラへ駆動力を伝達するための経路がそれぞれ必要となり、省スペース化を図ることができないという不具合がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、省スペース化を図りつつ、現像ローラを安定に回転させることができる現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の現像カートリッジは、所定方向に延びる第1軸線を中心に回転するように構成され、現像剤を担持するための現像ローラと、第1軸線と平行な第2軸線を中心に回転するように構成され、現像ローラに現像剤を供給するための供給ローラと、外部から駆動力が入力されるように構成された入力ギヤと、第1軸線を中心に回転するように構成され、入力ギヤに入力される駆動力により現像ローラを駆動するための現像ローラギヤと、第2軸線を中心に回転するように構成され、入力ギヤに入力される駆動力により供給ローラを駆動するための供給ローラギヤとを備える。
【0013】
また、本発明の現像カートリッジは、入力ギヤから駆動力が伝達されるように、入力ギヤに噛合する第1中間ギヤと、第1中間ギヤから駆動力が伝達され、現像ローラギヤに駆動力を伝達するように、第1中間ギヤおよび現像ローラギヤに噛合する第2中間ギヤとを備える。
【0014】
第1中間ギヤは、第2軸線を中心に回転するように構成されている。
【0015】
このような構成によれば、入力ギヤからの駆動力を、供給ローラギヤを介して供給ローラに伝達する一方、第1中間ギヤ、第2中間ギヤおよび現像ローラギヤを介して現像ローラに伝達することができる。
【0016】
そのため、入力ギヤから、供給ローラおよび現像ローラへ、別々に駆動力を伝達することができる。
【0017】
その結果、入力ギヤから現像ローラへ、供給ローラを介さずに駆動力を伝達することができ、現像ローラを安定に回転させることができる。
【0018】
また、第1中間ギヤを、供給ローラギヤと同じ第2軸線を中心に回転させることができる。
【0019】
そのため、第1中間ギヤを、所定方向において供給ローラギヤと重ねて配置することができ、新たに第1中間ギヤを配置するスペースを設ける必要がなく、効率よく第1中間ギヤを配置することができる。
(2)また、供給ローラは、第2軸線に沿って延びる供給シャフトを備えていてもよい。この場合、供給ローラギヤは、供給シャフトに相対回転不能に結合され、第1中間ギヤは、供給シャフトに相対回転可能に結合されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、供給ローラギヤにより、供給ローラの供給シャフトに確実に駆動力を入力することができる。
【0021】
また、第1中間ギヤを供給シャフトに対して回転させることができ、供給シャフトの回転に拘わらず、第1中間ギヤを回転させることができる。
【0022】
その結果、供給ローラギヤと第1中間ギヤとを供給シャフトに配置して、省スペース化を図りながら供給ローラおよび現像ローラを安定に回転させることができる。
(3)また、現像ローラは、第1軸線に沿って延びる現像シャフトを備えていてもよい。この場合、現像ローラギヤは、現像シャフトに相対回転不能に結合されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、現像ローラギヤにより、現像ローラの現像シャフトに確実に駆動力を入力することができる。
【0024】
その結果、現像ローラを安定に回転させることができる。
(4)また、第2中間ギヤは、第1中間ギヤから駆動力が伝達され、供給ローラギヤに駆動力を伝達するように、さらに、供給ローラギヤに噛合してもよい。
【0025】
このような構成によれば、第2中間ギヤを利用して、供給ローラギヤにも駆動力を伝達することができる。
(5)また、第2中間ギヤは、第1中間ギヤに噛合する第1ギヤ部と、現像ローラギヤおよび供給ローラギヤに噛合する第2ギヤ部とを備えていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、第1中間ギヤからの駆動力が第1ギヤ部に伝達され、その駆動力が第2ギヤ部から現像ローラギヤおよび供給ローラギヤに伝達される。
【0027】
そのため、簡易な構成で、第1中間ギヤから現像ローラギヤおよび供給ローラギヤに駆動力を確実に伝達することができる。
(6)また、第1中間ギヤは、供給ローラギヤの外径よりも大きな外径を有していてもよい。
【0028】
このような構成によれば、第1中間ギヤを、その径方向外側において入力ギヤに噛合させれば、確実に、供給ローラギヤと入力ギヤとを離間させることができる。
【0029】
そのため、供給ローラギヤと入力ギヤと噛合させることなく、確実に、第1中間ギヤと入力ギヤと噛合させることができる。
(7)また、第2中間ギヤは、第1中間ギヤ、現像ローラギヤおよび供給ローラギヤに噛合する共通のギヤ部を備えていてもよい。
【0030】
このような構成によれば、第1中間ギヤ、現像ローラギヤおよび供給ローラギヤを、第2中間ギヤのギヤ部のみで、部品点数の低減を図りながら、駆動伝達可能に連結することができる。
(8)また、第1中間ギヤは、供給ローラギヤの外径と同一の外径を有していてもよい。
【0031】
このような構成によれば、所定方向に投影したときに、第1中間ギヤと供給ローラギヤとを同じ大きさのスペースに配置させることができる。
【0032】
そのため、第1中間ギヤおよび供給ローラギヤを、より効率よく配置することができる。
(9)また、供給ローラギヤは、入力ギヤから駆動力が伝達されるように、入力ギヤに噛合していてもよい。
【0033】
このような構成によれば、入力ギヤから、直接、供給ローラに駆動力を伝達することができ、供給ローラを、安定に回転させることができる。
(10)また、本発明の現像カートリッジは、第1軸線の延びる軸線方向において、軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁を含み、現像剤を収容するように構成された現像フレームを備えていてもよい。
【0034】
この場合、現像ローラおよび供給ローラは、軸線方向において1対の側壁の間に配置され、側壁は、入力ギヤを支持するための第1支持部と、第2中間ギヤを支持するための第2支持部とを備えていてもよい。
【0035】
このような構成によれば、簡易な構成で、側壁に、入力ギヤと第2中間ギヤとを支持することができる。
(11)また、現像フレームは、現像ローラを支持するための現像支持部と、供給ローラを支持するための供給支持部とを備えていてもよい。
【0036】
このような構成によれば、簡易な構成で、現像フレームに、現像ローラと供給ローラとを支持することができる。
(12)また、第1中間ギヤは、供給ローラギヤよりも軸線方向の厚さが厚くてもよい。
【0037】
このような構成によれば、第1中間ギヤの歯幅を確保することができ、より安定に、入力ギヤからの駆動力を受けることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、入力ギヤから現像ローラへ、供給ローラを介さずに駆動力を伝達することができ、現像ローラを安定に回転させることができる。
【0039】
また、第1中間ギヤを、所定方向において供給ローラギヤと重ねて配置することができ、新たに第1中間ギヤを配置するスペースを設ける必要がなく、効率よく第1中間ギヤを配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0042】
なお、以下、プリンタ1の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、
図1における紙面右側を前側とし、
図1における紙面左側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
【0043】
また、現像カートリッジ25の説明において、方向について言及する場合には、現像カートリッジ25の下壁35が下側となるように水平面に載置した状態(
図2参照)を基準とし、現像ローラ16が支持されている側を現像カートリッジ25の後側とし、層厚規制ブレード28が支持されている側を上側とする。
【0044】
プリンタ1は、外部の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Sを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Sに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されている。本体ケーシング2の上端部には、各プロセスカートリッジ11(後述)を着脱するための本体開口部5が形成されている。また、本体ケーシング2の上端部には、本体開口部5を開閉するトップカバー6が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Sを収容する給紙トレイ7を備えている。給紙トレイ7は、本体ケーシング2の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ7の前端部上側には、ピックアップローラ8と、1対の給紙ローラ9とが設けられている。また、両給紙ローラ9の上側には、1対のレジストローラ10が設けられている。
【0045】
給紙トレイ7に収容されている用紙Sは、ピックアップローラ8、両給紙ローラ9の回転により、両レジストローラ10間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム15(後述)と搬送ベルト19(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、各色に対応する複数(4つ)のプロセスカートリッジ11、複数(4つ)のLEDユニット12、転写ユニット13および定着ユニット14を備えている。
(3−1)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ11は、本体ケーシング2に対して着脱可能であり、給紙部3の上側において、互いに前後方向に沿って間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ11K、イエロープロセスカートリッジ11Y、マゼンタプロセスカートリッジ11Mおよびシアンプロセスカートリッジ11Cが、順次配置されている。
【0046】
また、各プロセスカートリッジ11は、ドラムカートリッジ24と、ドラムカートリッジ24に着脱可能に装着される現像カートリッジ25とを備えている。
【0047】
ドラムカートリッジ24は、感光ドラム15およびスコロトロン型帯電器26を備えている。
【0048】
感光ドラム15は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ24に回転可能に設けられている。
【0049】
スコロトロン型帯電器26は、感光ドラム15の後側に間隔を隔てて対向配置されている。
【0050】
現像カートリッジ25は、現像ローラ16を備えている。
【0051】
現像ローラ16は、左右方向(所定方向、軸線方向)に延びる金属製の現像シャフト30を備え、現像カートリッジ25の後端部において後側から露出されるように設けられ、感光ドラム15に対して前上側から接触されている。現像ローラ16は、現像シャフト30の中心軸線A1(第1軸線の一例、
図3参照)を回転中心として回転される。
【0052】
また、現像カートリッジ25は、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27、現像ローラ16に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード28を備え、それらの上側には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
【0053】
供給ローラ27は、左右方向に延びる金属製の供給シャフト29を備え、現像ローラ16に前上側から接触されている。供給ローラ27は、供給シャフト29の中心軸線A2(第2軸線の一例、
図3参照)を回転中心として回転される。
【0054】
層厚規制ブレード28は、現像ローラ16に前上側から接触されている。
(3−2)LEDユニット
各LEDユニット12は、対応するプロセスカートリッジ11の後上側において、対応する感光ドラム15に上側から対向するように設けられている。各LEDユニット12は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム15の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット13は、給紙部3の上側であって、各プロセスカートリッジ11の下側に、前後方向に沿って配置されている。
【0055】
転写ユニット13は、互いに前後方向に間隔を隔てて対向配置される駆動ローラ17および従動ローラ18と、各感光ドラム15に対して下側から対向され、その上側部分が各感光ドラム15と接触するように、駆動ローラ17および従動ローラ18の周りに掛け渡される搬送ベルト19と、搬送ベルト19の上側部分を挟んで各感光ドラム15に対向する4つの転写ローラ20とを備えている。
【0056】
搬送ベルト19は、駆動ローラ17の駆動により、各感光ドラム15と接触する上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット14は、転写ユニット13の後側に配置され、加熱ローラ21、および、加熱ローラ21に圧接される加圧ローラ22を備えている。
(4)画像形成動作
現像カートリッジ25内のトナーは、供給ローラ27に供給され、さらに、現像ローラ16に供給され、供給ローラ27と現像ローラ16との間で正極性に摩擦帯電される。
【0057】
現像ローラ16に供給されたトナーは、現像ローラ16の回転に伴って、層厚規制ブレード28によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ16の表面に担持される。
【0058】
一方、感光ドラム15の表面は、スコロトロン型帯電器26によって一様に帯電された後、LEDユニット12によって露光される。これにより、感光ドラム15の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ16に担持されるトナーが感光ドラム15の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム15の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0059】
そして、給紙部3から給紙された用紙Sは、搬送ベルト19によって、前側から後側に向かって搬送される。用紙Sには、各感光ドラム15と各転写ローラ20との間(転写位置)を通過するときに各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0060】
そして、転写ユニット13において用紙Sに転写されたカラー画像は、用紙Sが加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を通過するときに、加熱および加圧されることによって用紙Sに熱定着される。
【0061】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー6に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.現像カートリッジ
現像カートリッジ25は、
図2および
図3に示すように、現像フレームの一例としてのカートリッジフレーム31と、カートリッジフレーム31の左側に配置される駆動ユニット32を備えている。
(1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム31は、左右方向に延び、後側に向かって開放された略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム31は、左右1対の側壁33と、前壁34と、下壁35と、上壁36とを一体的に備えている。
【0062】
両側壁33は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0063】
両側壁33には、現像シャフト30を支持する現像支持部37と、供給シャフト29を支持する供給支持部38とが設けられている。
【0064】
現像支持部37は、側壁33の後端部に設けられている。現像支持部37には、現像シャフト30が挿通される現像挿通開口41が形成されている。
【0065】
現像挿通開口41は、後側が開放された側面視略C字形状となるように、側壁33に貫通形成されている。現像挿通開口41の直径は、現像シャフト30の外径よりも大径である。また、現像挿通開口41の開放端部(後端部)は、現像シャフト30の外径よりも大径な上下方向長さで開放されている。
【0066】
そして、現像支持部37には、現像シャフト30の左右方向端部が、現像挿通開口41に挿通されるとともに、図示しない軸受部材を介して、支持されている。なお、現像シャフト30の左端部は、現像挿通開口41を介して側壁33の左側へ突出されている。
【0067】
供給支持部38は、現像支持部37の前下側に設けられている。供給支持部38には、供給シャフト29が挿通される供給挿通開口42が形成されている。
【0068】
供給挿通開口42は、側面視略矩形状に貫通形成されている。供給挿通開口42の各辺の長さは、供給シャフト29の外径よりも長い。
【0069】
そして、供給支持部38には、供給シャフト29の左右方向端部が、供給挿通開口42に挿通されるとともに、図示しない軸受部材を介して、支持されている。なお、供給シャフト29の左端部は、供給挿通開口42を介して側壁33の左側へ突出されている。
【0070】
また、左側の側壁33は、入力ギヤ53(後述)が支持される第1支持部の一例としての入力ギヤ支持部39と、第2中間ギヤ57(後述)が支持される第2支持部の一例としての第2中間ギヤ支持部40とを備えている。
【0071】
入力ギヤ支持部39は、供給挿通開口42の前上側に配置され、左側の側壁33から左側へ向かって延びる略円柱形状に形成されている。
【0072】
第2中間ギヤ支持部40は、供給挿通開口42の上側において、現像挿通開口41の前側に配置され、左側の側壁33から左側へ向かって延びる略円柱形状に形成されている。
【0073】
前壁34は、左右方向に延び、両側壁33の前端部間に架設されている。
【0074】
下壁35は、左右方向に延び、前壁34の下端部に連続するように、両側壁33の下端部間に架設されている。
【0075】
上壁36は、両側壁33の前側部分、および、前壁34の上端部に連結され、平面視略矩形の平板形状に形成されている。上壁36の後端部には、層厚規制ブレード28が、現像ローラ16に上側から接触されるように配置されている。
(2)駆動ユニット
駆動ユニット32は、
図2および
図3に示すように、ギヤ列51およびギヤカバー52を備えている。
(2−1)ギヤ列
ギヤ列51は、
図2および
図3に示すように、入力ギヤ53、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55から構成されている。
【0076】
入力ギヤ53は、カップリング部58とギヤ形成部59とを一体的に備えている。
【0077】
カップリング部58は、入力ギヤ53の左側部分であって、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。カップリング部58の左側面には、嵌合凹部60が形成されている。
【0078】
嵌合凹部60は、カップリング部58の左面から右側へ凹むように、カップリング部58の径方向に延び、その径方向中央が幅狭な側面視略長穴形状に形成されている。嵌合凹部60には、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から駆動力が入力される。
【0079】
ギヤ形成部59は、入力ギヤ53の右側部分であって、カップリング部58の右側に連続して、カップリング部58と中心軸線を共有し、カップリング部58よりも小径な略円筒形状に形成されている。ギヤ形成部59の外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0080】
そして、入力ギヤ53は、ギヤ形成部59において、入力ギヤ支持部39に相対回転可能に支持されている。
【0081】
第1中間ギヤ56は、左側の側壁33の左側に間隔を隔てて、供給シャフト29の左端部に相対回転可能に設けられている。第1中間ギヤ56は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。第1中間ギヤ56の外周面には、ギヤ歯が形成されている。第1中間ギヤ56は、後下側から入力ギヤ53のギヤ形成部59に噛合されている。
【0082】
第2中間ギヤ57は、第2ギヤ部の一例としての大径部61と、第1ギヤ部の一例としての小径部62とを一体的に備えている。
【0083】
大径部61は、第2中間ギヤ57の右側部分であって、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。大径部61の外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0084】
小径部62は、大径部61と中心軸線を共有するように大径部61の左面から左側へ延びる略円筒形状に形成されている。小径部62の外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0085】
そして、第2中間ギヤ57は、第2中間ギヤ支持部40に相対回転可能に支持されている。また、小径部62は、第1中間ギヤ56に上側から噛合されている(
図2(b)参照)。
【0086】
供給ローラギヤ55は、左側の側壁33と第1中間ギヤ56との間に配置されている。供給ローラギヤ55は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。供給ローラギヤ55は、第1中間ギヤ56よりも薄く、小径に形成されている。また、供給ローラギヤ55の中心には、略D字形状の供給シャフト嵌合穴71が貫通形成されている。また、供給ローラギヤ55の外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0087】
そして、供給ローラギヤ55は、供給シャフト嵌合穴71において、供給シャフト29に形成される断面略D字形状の支持部72に、相対回転不能に嵌合(供給シャフト29の径方向外側から嵌合)されている。これにより、供給ローラギヤ55は、供給シャフト29と共回りする。供給ローラギヤ55は、第2中間ギヤ57の大径部61に下側から噛合されている。
【0088】
現像ローラギヤ54は、左側の側壁33の左側に配置されている。現像ローラギヤ54は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。現像ローラギヤ54の中心には、略D字形状の現像シャフト嵌合穴73が貫通形成されている。また、現像ローラギヤ54の外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0089】
そして、現像ローラギヤ54は、現像シャフト嵌合穴73において、現像シャフト30に形成される断面略D字形状の支持部74に、相対回転不能に嵌合(現像シャフト30の径方向外側から嵌合)されている。これにより、現像ローラギヤ54は、現像シャフト30と共回りする。現像ローラギヤ54は、第2中間ギヤ57の大径部61に後側から噛合されている。
(2−2)ギヤカバー
ギヤカバー52は、
図2(a)に示すように、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。ギヤカバー52は、入力ギヤ53、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57、および供給ローラギヤ55を一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。また、ギヤカバー52には、カップリング露出開口81が形成されている。
【0090】
カップリング露出開口81は、ギヤカバー52の前後方向略中央の左壁において、入力ギヤ53のカップリング部58の左面を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0091】
そして、ギヤカバー52は、カップリング露出開口81を介して入力ギヤ53のカップリング部58の左面を露出させるとともに、入力ギヤ53(カップリング部58の左面を除く)、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57、および供給ローラギヤ55を一括して被覆するように左側の側壁33にねじ止めされている。
3.現像カートリッジにおける駆動伝達
次いで、
図3を参照しながら、入力ギヤ53から供給ローラ27および現像ローラ16への駆動伝達を説明する。
【0092】
プロセスカートリッジ11が本体ケーシング2内に装着され、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が、入力ギヤ53の嵌合凹部60内に相対回転不能に挿入されると、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から入力ギヤ53に駆動力が入力される。
【0093】
すると、入力ギヤ53が回転され、ギヤ形成部59を介して、第1中間ギヤ56に駆動力が伝達される。
【0094】
すると、第1中間ギヤ56が供給シャフト29の中心軸線A2を中心として回転される。このとき、第1中間ギヤ56は、供給シャフト29に対して相対回転する。つまり、供給シャフト29には、第1中間ギヤ56からの駆動力は伝達されない。
【0095】
そして、第1中間ギヤ56が回転されると、第1中間ギヤ56に噛合する第2中間ギヤ57の小径部62に駆動力が伝達され、第2中間ギヤ57が回転される。
【0096】
すると、第2中間ギヤ57の大径部61に噛合する現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55に駆動力が伝達され、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55が回転される。
【0097】
これにより、現像ローラギヤ54から現像シャフト30に駆動力が入力され、現像ローラ16が回転される。
【0098】
また、供給ローラギヤ55から供給シャフト29に駆動力が入力され、供給ローラ27が回転される。
4.作用効果
(1)この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、入力ギヤ53からの駆動力を、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57および供給ローラギヤ55を順次介して供給ローラ27に伝達する一方、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57および現像ローラギヤ54を順次介して現像ローラ16に伝達することができる。
【0099】
そのため、入力ギヤ53から現像ローラ16へ、供給ローラ27を介さずに駆動力を伝達することができ、現像ローラ16を安定に回転させることができる。
【0100】
また、第1中間ギヤ56と供給ローラギヤ55とを、供給シャフト29の中心軸線A2を中心に回転させることができる。
【0101】
そのため、第1中間ギヤ56を、左右方向に供給ローラギヤ55と重ねて、効率よく配置することができる。
(2)この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、供給ローラギヤ55は、供給シャフト29に相対回転不能に結合され、第1中間ギヤ56は、供給シャフト29に相対回転可能に結合されている。
【0102】
そのため、供給ローラギヤ55により、供給ローラ27の供給シャフト29に確実に駆動力を入力することができる。
【0103】
また、第1中間ギヤ56を供給シャフト29に対して回転させることができ、供給シャフト29の回転に拘わらず、第1中間ギヤ56を回転させることができる。
【0104】
その結果、供給ローラギヤ55と第1中間ギヤ56とを供給シャフト29に配置して、省スペース化を図りながら供給ローラ27および現像ローラ16を安定に回転させることができる。
(3)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、現像ローラギヤ54は、現像シャフト30に相対回転不能に結合されている。
【0105】
そのため、現像ローラギヤ54により、現像ローラ16の現像シャフト30に確実に駆動力を入力することができる。
【0106】
その結果、現像ローラ16を安定に回転させることができる。
(4)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、第2中間ギヤ57は、第1中間ギヤ56から駆動力が伝達され、供給ローラギヤ55に駆動力を伝達するように、さらに、供給ローラギヤ55に噛合している。
【0107】
そのため、第2中間ギヤ57を利用して、供給ローラギヤ55にも駆動力を伝達することができる。
(5)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、第2中間ギヤ57は、第1中間ギヤ56に噛合する小径部62と、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55に噛合する大径部61とを備えている。
【0108】
そのため、第1中間ギヤ56からの駆動力が小径部62に伝達され、その駆動力が大径部61から現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55に伝達される。
【0109】
その結果、簡易な構成で、第1中間ギヤ56から現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55に駆動力を確実に伝達することができる。
(6)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、第1中間ギヤ56は、供給ローラギヤ55の外径よりも大きな外径に形成されている。
【0110】
そのため、第1中間ギヤ56を、その前端部(径方向外側端部)において入力ギヤ53に噛合させれば、確実に、供給ローラギヤ55と入力ギヤ53とを離間させることができる。
【0111】
そのため、供給ローラギヤ55と入力ギヤ53と噛合させることなく、確実に、第1中間ギヤ56と入力ギヤ53と噛合させることができる。
(7)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、側壁33は、入力ギヤ53を支持するための入力ギヤ支持部39と、第2中間ギヤ57を支持するための第2中間ギヤ支持部40とを備えている。
【0112】
そのため、簡易な構成で、側壁33に、入力ギヤ53と第2中間ギヤ57とを支持することができる。
(8)また、この現像カートリッジ25によれば、
図2(b)に示すように、カートリッジフレーム31は、現像ローラ16を支持するための現像支持部37と、供給ローラ27を支持するための供給支持部38とを備えている。
【0113】
そのため、簡易な構成で、カートリッジフレーム31に、現像ローラ16と供給ローラ27とを支持することができる。
(9)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、第1中間ギヤ56は、供給ローラギヤ55よりも左右方向に厚く形成されている。
【0114】
そのため、第1中間ギヤ56の歯幅を確保することができ、より安定に、入力ギヤ53からの駆動力を受けることができる。
5.第2実施形態
図4を参照して、第2実施形態のプリンタ1を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
上記した第1実施形態では、供給ローラギヤ55を第1中間ギヤ56よりも小径に形成し、第2中間ギヤ57を、大径部61と小径部62とからなる2段ギヤとして形成している。そして、第1中間ギヤ56を第2中間ギヤ57の小径部62に噛合させるとともに、供給ローラギヤ55および現像ローラギヤ54を第2中間ギヤ57の大径部61に噛合させている。
【0116】
しかし、第2実施形態では、供給ローラギヤ55を第1中間ギヤ56と同径に形成し、第2中間ギヤ57を、左右方向に延びる略円筒形状に形成し、その周面に左右方向に幅広なギヤ部86を形成する。
【0117】
そして、第1中間ギヤ56を第2中間ギヤ57のギヤ部86の左側半分に噛合させるとともに、供給ローラギヤ55および現像ローラギヤ54を第2中間ギヤ57のギヤ部86の右側半分に噛合させる。
【0118】
第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様にして、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55に駆動力が伝達される。
【0119】
詳しくは、本体ケーシング2から入力ギヤ53に駆動力が入力されると、入力ギヤ53が回転され、ギヤ形成部59を介して、第1中間ギヤ56に駆動力が伝達される。
【0120】
すると、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57、および現像ローラギヤ54を順次介して、現像シャフト30に駆動力が入力され、現像ローラ16が回転される。
【0121】
また、第1中間ギヤ56、第2中間ギヤ57、および供給ローラギヤ55を順次介して、供給シャフト29に駆動力が入力され、供給ローラ27が回転される。
【0122】
第2実施形態によれば、第2中間ギヤ57のギヤ部86には、第1中間ギヤ56、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55が噛合されている。
【0123】
そのため、第1中間ギヤ56、現像ローラギヤ54および供給ローラギヤ55を、第2中間ギヤ57のギヤ部86のみで、部品点数の低減を図りながら、駆動伝達可能に連結することができる。
【0124】
また、第2実施形態によれば、第1中間ギヤ56は、供給ローラギヤ55と同径に形成されている。
【0125】
そのため、左右方向に投影したときに、第1中間ギヤ56と供給ローラギヤ55とを同じ大きさのスペースに配置させることができ、第1中間ギヤ56および供給ローラギヤ55を、より効率よく配置することができる。
【0126】
また、第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
6.第3実施形態
図5を参照して、第3実施形態のプリンタ1を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
上記した第1実施形態では、供給ローラギヤ55を第1中間ギヤ56よりも小径に形成し、第2中間ギヤ57を、大径部61と小径部62とからなる2段ギヤとして形成している。そして、第1中間ギヤ56を第2中間ギヤ57の小径部62に噛合させるとともに、供給ローラギヤ55および現像ローラギヤ54を第2中間ギヤ57の大径部61に噛合させている。
【0128】
しかし、第3実施形態では、供給ローラギヤ55を第1中間ギヤ56と同径に形成する。また、第2中間ギヤ57を、供給ローラギヤ55に噛合しないで、第1中間ギヤ56に噛合するように、薄く形成する。
【0129】
そして、入力ギヤ53のギヤ形成部59の左側半分に第1中間ギヤ56を噛合させるとともに、ギヤ形成部59の右側半分に供給ローラギヤ55を噛合させる。
【0130】
また、第2中間ギヤ57に、第1中間ギヤ56および現像ローラギヤ54を噛合させる。
【0131】
第3実施形態では、本体ケーシング2から入力ギヤ53に駆動力が入力されると、入力ギヤ53が回転され、ギヤ形成部59を介して、供給ローラギヤ55および第1中間ギヤ56に駆動力が伝達される。
【0132】
すると、供給ローラギヤ55から供給シャフト29に駆動力が入力され、供給ローラ27が回転される。
【0133】
また、第1中間ギヤ56が供給シャフト29の中心軸線A2を中心として回転される。このとき、第1中間ギヤ56は、供給シャフト29に対して相対回転する。つまり、供給シャフト29には、第1中間ギヤ56からの駆動力は伝達されない。
【0134】
そして、第1中間ギヤ56が回転されると、第1中間ギヤ56に噛合する第2中間ギヤ57に駆動力が伝達され、第2中間ギヤ57が回転される。
【0135】
すると、第2中間ギヤ57に噛合する現像ローラギヤ54に駆動力が伝達され、現像ローラギヤ54が回転される。
【0136】
これにより、現像ローラギヤ54から現像シャフト30に駆動力が入力され、現像ローラ16が回転される。
【0137】
第3実施形態によれば、入力ギヤ53から、直接、供給ローラ27に駆動力を伝達することができ、供給ローラ27を、より安定に回転させることができる。
【0138】
また、第3実施形態によれば、第1中間ギヤ56は、供給ローラギヤ55と同径に形成されている。
【0139】
そのため、左右方向に投影したときに、第1中間ギヤ56と供給ローラギヤ55とを同じ大きさのスペースに配置させることができ、第1中間ギヤ56および供給ローラギヤ55を、より効率よく配置することができる。
【0140】
また、第3実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。