(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1の実施形態>
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を
図1〜
図5に従って説明する。本実施形態では、料理選択の指標として、料理の調理に関連する温室効果ガスの排出量、コスト、カロリーを予測した評価結果を出力する。ここでは、温室効果ガスとして二酸化炭素(以下、CO2と記載)を評価対象とする。そして、利用者に対して、コスト、カロリーとともに、CO2排出量に関する情報を提供することにより、環境負荷に対する意識向上を図る場合を想定する。
【0030】
このようなCO2排出量を評価するために、
図1に示すように、評価システム20を用いる。この評価システム20は、スーパーマーケット等の店舗の店頭、ファミリーレストラン等に設置され、温室効果ガスの排出量の評価結果を出力する。
【0031】
評価システム20は、CO2排出量、コスト、カロリーを総合的に評価するコンピュータシステムであり、制御部21、データ記憶部22、キーボード、ポインティングデバイス等の入力部25、ディスプレイ等の出力部26等を備えている。この制御部21は、図示しないCPU、RAM及びROM等からなる制御手段を有し、後述する処理(メニュー,人数,原材料の特定段階、オプション入力段階、排出量シミュレーション段階、コスト算出段階、カロリー算出段階、換算量評価段階、評価結果出力段階等を含む処理)を行なう。そして、このための料理評価支援プログラムを実行することにより、制御部21は、入力制御手段211、要素特定手段212、排出量評価手段213、CO2算出手段214、提案手段215、コスト評価手段216、カロリー評価手段217、評価出力手段218等として機能する。
【0032】
入力制御手段211は、選択可能な候補を出力部26に出力し、入力部25を用いて利用者によって選択された項目を取得する処理を実行する。そして、入力制御手段211は、選択された項目を仮記憶するメモリを備えている。この入力制御手段211は、メニュー選択手段、人数選択手段、オプション入力手段を含んで構成されている。
【0033】
メニュー選択手段は、評価対象の料理メニューの候補を出力し、選択された料理情報を取得する処理を実行する。本実施形態では、主菜、主食、副菜、汁物のメニューにおいて、所望の料理を選択することができる。
【0034】
人数選択手段は、料理を提供する対象者の人数を取得する処理を実行する。
オプション入力手段は、料理に関連するオプションの候補を出力し、選択されたオプション情報を取得する処理を実行する。
【0035】
要素特定手段212は、選択された料理の調理において、CO2排出量を評価するために必要な要素を特定する処理を実行する。この要素特定手段212は、原材料特定手段、ルート検索手段、容器包装特定手段、調理方法特定手段を含んで構成されている。
【0036】
原材料特定手段は、選択された料理に必要な原材料を特定する処理を実行する。
ルート検索手段は、公知のルート検索機能により、原材料の輸送ルート(輸送方法、輸送距離等)を検索する処理を実行する。なお、ここでは、物流に適した輸送ルートが検索される。このルート検索手段は、調理地情報として、評価システム20の設置場所に関する情報(住所情報)を保持している。
【0037】
容器包装特定手段は、この原材料の輸送や販売に利用される容器や包装を特定する処理を実行する。
調理方法特定手段は、選択された料理の調理方法を特定する処理を実行する。
【0038】
排出量評価手段213は、選択された料理に関連するCO2排出量を算出する処理を実行する。ここでは、原材料の生産、輸送、調理、調理後の後工程等に関するCO2排出量を評価する。この排出量評価手段213は、原材料評価手段、調理評価手段、後工程評価手段、効率性評価手段を含んで構成されている。
原材料評価手段は、この原材料を入手するまでの各要素に関係するCO2排出量を評価する処理を実行する。この要素には、原材料の生産、輸送、原材料の収納に用いられる容器や包装の廃棄等が含まれる。
【0039】
調理評価手段は、調理時に排出されるCO2排出量を評価する処理を実行する。
後工程評価手段は、調理後の工程において排出されるCO2排出量を評価する処理を実行する。この工程には、料理に利用されず廃棄や保存される原材料の処分工程や、料理の提供に用いられた食器や調理器具の洗浄工程が含まれる。
効率性評価手段は、人数分の料理をまとめて調理する場合に、一人(単位人数)当たりのCO2排出量を評価する処理を実行する。
【0040】
CO2算出手段214は、原材料の生産から後工程までに排出されるCO2の総量を算出する処理を実行する。
【0041】
提案手段215は、選択された料理に関するCO2排出量と同じ量のCO2を排出する他の行為に置き換えた換算量を算出する処理を実行する。
コスト評価手段216は、この料理の調理に必要なコストを評価する処理を実行する。
カロリー評価手段217は、この料理のカロリーを評価する処理を実行する。
評価出力手段218は、算出した評価結果を、出力部26に出力する処理を実行する。
【0042】
データ記憶部22には、料理について、CO2排出量、コスト、カロリーの評価に用いられる各種データが記録される。このデータ記憶部22には、メニューDB30、原材料DB31、原材料使用量DB32、容器包装DB33、調理方法DB34、後工程DB35、CO2原単位DB36、換算候補DB37、コストDB38、カロリーDB39が設けられている。本実施形態では、原材料使用量DB32、調理方法DB34がレシピ情報記憶手段として機能する。また、原材料DB31は、原材料情報記憶手段として機能する。また、CO2原単位DB36は、原単位情報記憶手段として機能する。容器包装DB33、コストDB38は、コスト情報記憶手段とし機能し、カロリーDB39はカロリー情報記憶手段として機能する。
【0043】
メニューDB30には、
図2(a)に示すように、評価対象の料理を選択するためのメニュー管理レコード300が記録される。このメニュー管理レコード300は、評価対象の候補となる料理が登録された場合に記録される。メニュー管理レコード300は、料理コード、種別、オプションに関するデータを含んで構成される。
【0044】
料理コードデータ領域には、各料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
種別データ領域には、この料理の分類を特定するための識別子に関するデータが記録される。このデータ領域には、主食、主菜、副菜、汁物を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0045】
オプションデータ領域には、この料理においてオプション(追加や変更可能な原材料)に関するデータが記録される。更に、このデータ領域に、変更された原材料や数量に応じて、コストやカロリーを修正するための補正値に関する情報を記録しておいてもよい。
【0046】
原材料DB31には、
図2(b)に示すように、各料理の調理に用いられる原材料に関する原材料管理レコード310が記録される。この原材料管理レコード310は、調理に用いられる可能性がある原材料が登録された場合に記録される。原材料管理レコード310は、原材料コード、生産情報(生産地、生産時期)、原単位コードに関するデータを含んで構成される。
【0047】
原材料コードデータ領域には、調理に用いられる可能性がある各原材料を特定するための識別子に関するデータが記録される。
生産地データ領域には、この原材料の生産地を特定するための情報が記録される。本実施形態では、生産地の住所が記録される。
【0048】
生産時期データ領域には、この原材料が生産(収穫)された時期(年月日)に関するデータが記録される。
原単位コードデータ領域には、この原材料の生産工程において排出される、原材料の単位量当たりのCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。このデータ領域には、原材料の生産工程(例えば、ハウス栽培や露地栽培等)に依存するCO2排出量を算出するための原単位コード(生産)や、生産後の保存工程に依存するCO2排出量を算出するための原単位コード(保存)が記録されている。
【0049】
原材料使用量DB32には、
図2(c)に示すように、各料理の調理に用いられる原材料の使用量についての原材料使用量管理レコード320が記録される。この原材料使用量管理レコード320は、評価対象の候補となる料理が登録された場合に記録される。原材料使用量管理レコード320は、料理コード、原材料コード、単位使用量に関するデータを含んで構成される。
【0050】
料理コードデータ領域には、料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
原材料コードデータ領域には、この料理の調理に必要な原材料を特定するための識別子に関するデータが記録される。
単位使用量データ領域には、1人分の料理を調理するために必要な原材料の使用量に関するデータが記録される。
【0051】
容器包装DB33には、
図2(d)に示すように、輸送形態や販売形態に応じて原材料の収納されている容器や包装に関する容器包装管理レコード330が記録される。この容器包装管理レコード330は、原材料の輸送形態や販売形態に応じて用いられる容器や包装が登録された場合に記録される。容器包装管理レコード330は、原材料コード、容器包装コード、収納量、原単位コード、販売価格に関するデータを含んで構成される。
【0052】
原材料コードデータ領域には、調理に用いられる可能性がある各原材料を特定するための識別子に関するデータが記録される。
容器包装コードデータ領域には、この原材料が収納される容器や包装を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0053】
収納量データ領域には、この容器や包装に収納される原材料の販売単位の数量(重量や個数)に関するデータが記録される。
原単位コードデータ領域には、この容器や包装の生産時や廃棄時に排出される、容器包装の単位個数当たりのCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここでは、容器や包装について、廃棄やリサイクルを考慮した原単位を特定する。
販売価格データ領域には、この容器や包装に収納されて販売される原材料の商品価格に関するデータが記録される。
【0054】
調理方法DB34には、
図3(a)に示すように、各料理の調理方法に関する調理方法管理レコード340が記録される。この調理方法管理レコード340は、評価対象候補となる料理が登録された場合に記録される。調理方法管理レコード340は、料理コード、調理工程、調理時間、原単位コードに関するデータを含んで構成される。
【0055】
料理コードデータ領域には、各料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
調理工程データ領域には、この料理の調理する場合に含まれる工程を特定するための識別子に関するデータが記録される。この調理工程により、調理に必要なリソース(電気、ガス、水道等)を特定することができる。
【0056】
調理時間データ領域には、この調理工程における所要時間を特定するための識別子に関するデータが記録される。
原単位コードデータ領域には、この調理工程において用いられているリソースにより排出される、単位調理時間当たりのCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0057】
後工程DB35には、
図3(b)に示すように、料理の調理後の後処理に関する後工程管理レコード350が記録される。この後工程管理レコード350は、後処理の各工程における処理が登録された場合に記録される。後工程管理レコード350は、料理コード、原単位コードに関するデータを含んで構成される。
【0058】
料理コードデータ領域には、各料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
原単位コードデータ領域には、この料理の調理の後工程における、単位人数当たりのCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。この後工程には、残った原材料の保存や廃棄、食器や調理器具の洗浄(お湯、洗剤等の使用)の各処理が含まれる。
【0059】
CO2原単位DB36には、
図3(c)に示すように、CO2排出量を算出するための原単位管理レコード360が記録される。この原単位管理レコード360は、各工程において排出されるCO2排出量を算出するための原単位が登録された場合に記録される。原単位管理レコード360は、原単位コード、CO2原単位に関するデータを含んで構成される。
【0060】
原単位コードデータ領域には、CO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。このデータ領域には、原材料の生産、保存、輸送、容器包装、調理方法、調理後の後処理における各工程における原単位を特定するための原単位コードが記録される。
【0061】
CO2原単位データ領域には、この工程において排出されるCO2排出量を算出するための原単位に関するデータが記録される。このデータ領域には、原材料の使用量、保存方法、輸送方法、容器包装個数、調理時間を単位とした原単位が記録されている。
【0062】
換算候補DB37には、
図3(d)に示すように、料理に関して算出したCO2排出量を他の行為における排出量に換算するための換算候補管理レコード370が記録される。この換算候補管理レコード370は、換算に用いる原単位が決定された場合に記録される。換算候補管理レコード370は、換算候補、原単位コードに関するデータを含んで構成される。
【0063】
換算候補データ領域には、換算する候補を特定するための識別子に関するデータが記録される。例えば、換算候補として「所定時間、テレビの電源を切る」が記録される。
原単位コードデータ領域には、この換算候補におけるCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子に関するデータが記録される。例えば、「テレビの電源を切る」ことにより、単位時間において削減できるCO2排出量を算出するための原単位を特定するための識別子が記録される。
【0064】
コストDB38には、
図3(e)に示すように、料理の調理にかかるコストを算出するためのコスト管理レコード380が記録される。このコスト管理レコード380は、各料理の調理に必要な工程が登録された場合に記録される。コスト管理レコード380は、調理工程、単位コストに関するデータを含んで構成される。
【0065】
調理工程データ領域には、各料理の調理に用いる工程を特定するための識別子に関するデータが記録される。
単位コストデータ領域には、この調理工程に必要な単位時間当たりの金額に関するデータが記録される。
【0066】
カロリーDB39には、
図3(f)に示すように、評価対象の料理のカロリーを算出するためのカロリー管理レコード390が記録される。このカロリー管理レコード390は、評価対象の候補となる料理が登録された場合に記録される。カロリー管理レコード390は、料理コード、単位カロリーに関するデータを含んで構成される。
【0067】
料理コードデータ領域には、各料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。
単位カロリーデータ領域には、この料理の単位人数当たりの摂取カロリーに関するデータが記録される。
【0068】
(料理評価支援方法の処理手順)
次に、上記のシステムを用いて行なわれる料理評価支援方法の処理手順を、
図4、
図5を用いて説明する。
【0069】
まず、評価システム20の制御部21は、メニューの特定処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の入力制御手段211は、メニュー選択手段により、メニューDB30から主食、主菜、副菜、汁物に関するメニュー管理レコード300を取得する。そして、入力制御手段211は、出力部26にメニュー選択画面を出力する。このメニュー選択画面においては、主食、主菜、副菜、汁物の内容を、入力部25により選択するための入力欄が設けられている。そして、入力制御手段211は、このメニュー選択画面において選択された主食、主菜、副菜、汁物について選択された料理コードを特定し、メモリに仮記憶する。
【0070】
次に、評価システム20の制御部21は、人数の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の入力制御手段211は、人数選択手段により、出力部26に人数選択画面を出力する。この人数選択画面には、料理を提供する人数を、入力部25により入力するための入力欄が設けられている。入力制御手段211は、この入力欄に入力された人数を特定し、メモリに仮記憶する。
【0071】
次に、評価システム20の制御部21は、メニューに応じて原材料の特定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の要素特定手段212は、原材料特定手段により、選択された料理コードが記録された原材料使用量管理レコード320を、原材料使用量DB32から抽出する。
【0072】
次に、評価システム20の制御部21は、オプションの入力処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の入力制御手段211は、オプション入力手段により選択された料理のメニュー管理レコード300からオプションを取得する。更に、入力制御手段211は、要素特定手段212から、選択された料理毎に抽出した原材料及び使用量を取得する。そして、入力制御手段211は、原材料を一覧表示させた原材料表示画面を出力部26に出力する。この原材料表示画面において、メニュー管理レコード300のオプションに応じて、原材料や使用量を変更したり、別の原材料(及び使用量)を追加・変更したりすることができる。そして、入力制御手段211は、入力部25を用いて、この原材料表示画面において追加・変更されたオプションを特定し、メモリに仮記憶する。
【0073】
次に、評価システム20の制御部21は、排出量シミュレーション処理を実行する(ステップS1−5)。この排出量シミュレーション処理においては、原材料の生産、調理、後工程において排出されるCO2総量を計算する。この計算のために、排出量シミュレーション処理において、原材料の使用量に基づいて、一つの容器や包装に収納された販売単位の数量に基づいて、必要購入数を算出する。更に、排出量シミュレーション処理においては、料理の調理に関する調理工程コードを特定する。この排出量シミュレーション処理については、
図5を用いて後述する。
【0074】
次に、評価システム20の制御部21は、コストの算出処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のコスト評価手段216は、すべての評価対象料理の調理に用いる原材料の原材料コードが記録された容器包装管理レコード330の販売価格を、容器包装DB33から取得する。次に、コスト評価手段216は、この販売価格に対して、排出量シミュレーション処理において算出した必要購入数を乗算することにより、原材料のコストを算出する。
【0075】
更に、コスト評価手段216は、コストDB38から、排出量シミュレーション処理において特定した調理工程コードが記録されたコスト管理レコード380を抽出する。次に、コスト評価手段216は、このコスト管理レコード380に記録された単位コストに調理時間を乗算して、各調理工程の調理コストを算出する。そして、コスト評価手段216は、原材料コスト、調理コストの合計額を算出する。なお、ステップS1−4において、オプションの入力が行なわれている場合には、コスト評価手段216は、選択されたオプションに対応する原材料や使用量を取得する。そして、コスト評価手段216は、これらの原材料について、使用量と販売単位の数量とを用いて必要購入数を算出し、容器包装DB33に記録された販売価格と必要購入数を用いて、合計額を再計算する。
【0076】
次に、評価システム20の制御部21は、カロリーの算出処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のカロリー評価手段217は、すべての評価対象料理の料理コードが記録されたカロリー管理レコード390をカロリーDB39から抽出する。そして、カロリー評価手段217は、抽出したカロリー管理レコード390に記録された単位カロリーを取得し、単位カロリーを合計して一人当たりのカロリー総量を算出する。なお、ステップS1−4において、オプションの入力が行なわれている場合には、カロリー評価手段217は、選択されたオプションに対応する原材料や使用量を取得し、カロリー総量を再計算する。
【0077】
次に、評価システム20の制御部21は、換算量の算出処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の提案手段215は、換算提案手段により、換算候補DB37に記録された換算候補管理レコード370を用いて換算候補を取得する。次に、提案手段215は、取得した換算候補を一覧表示させた換算候補選択画面を出力部26に出力する。この換算候補選択画面においては、入力部25を用いて換算候補を選択するための入力欄が設けられている。そして、提案手段215は、換算候補選択画面において選択された換算候補を取得する。この場合、提案手段215は、選択された換算候補の換算候補管理レコード370から、原単位コードを取得する。次に、提案手段215は、CO2原単位DB36から、この原単位コードに記録された原単位管理レコード360を抽出し、CO2原単位(換算原単位)を取得する。そして、提案手段215は、評価対象料理のCO2の排出総量を換算原単位によって除算することにより、換算量を算出する。
【0078】
次に、評価システム20の制御部21は、評価結果の出力処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の評価出力手段218は、出力部26に評価結果を出力する。この評価結果には、評価対象料理に関するCO2排出総量、換算候補及び換算量に関するデータを含める。
【0079】
(排出量シミュレーション処理の処理手順)
次に、
図5を用いて、CO2排出量を算出するための排出量シミュレーション処理の処理手順を説明する。
【0080】
ここでは、評価システム20の制御部21は、原材料の取得方法の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の要素特定手段212は、原材料評価手段により、原材料使用量DB32から、選択された料理コードが記録された原材料使用量管理レコード320を抽出する。この場合、複数の料理が選択されている場合には、すべての料理の料理コードが記録された原材料使用量管理レコード320を抽出する。そして、排出量評価手段213は、原材料毎に、メモリに記録された人数分についての使用量を合計して、原材料総量を算出する。
【0081】
次に、要素特定手段212は、容器包装特定手段により、容器包装DB33から、原材料コードが記録された容器包装管理レコード330を取得する。そして、要素特定手段212は、原材料毎に、原材料総量を収納量(販売単位)で除算し、この原材料総量を満たす必要購入数を算出する。そして、要素特定手段212は、収納量に必要購入数を乗算することにより原材料購入量を算出する。
【0082】
次に、評価システム20の制御部21は、原材料生産工程のCO2算出処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、原材料コードが記録された原材料管理レコード310から原単位コードを取得する。次に、排出量評価手段213は、特定した原単位コードが記録された原単位管理レコード360をCO2原単位DB36から抽出し、この生産工程において排出されるCO2排出量のCO2原単位を取得する。排出量評価手段213は、原材料毎に、このCO2原単位に原材料購入量を乗算して、CO2排出量を算出する。
【0083】
次に、排出量評価手段213は、原材料管理レコード310に、原単位コード(保存)が記録されている場合には、原材料管理レコード310に記録された生産時期から現在までの経過日数(保存日数)を算出する。そして、排出量評価手段213は、CO2原単位DB36から、原単位コード(保存)が記録されている原単位管理レコード360を抽出し、原単位を取得する。次に、排出量評価手段213は、原材料毎に、この原単位に保存日数、原材料購入量を乗算して、CO2排出量を算出する。
【0084】
次に、評価システム20の制御部21は、原材料輸送時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の要素特定手段212は、原材料毎に、原材料管理レコード310に記録されている生産地を取得するとともに、評価システム20が設置されている場所(現在地)を特定する。要素特定手段212は、原材料毎に、ルート検索手段により、生産地から現在地までの輸送ルートに基づいて、輸送方法及び輸送距離を特定する。そして、排出量評価手段213は、原材料毎に、要素特定手段212から輸送ルート情報を取得する。この輸送ルート情報には、輸送方法、輸送距離に関するデータが含まれる。次に、排出量評価手段213は、CO2原単位DB36から、輸送ルート情報に含まれる輸送方法の原単位コード(輸送方法)が記録されている原単位管理レコード360を抽出し、CO2原単位を取得する。そして、排出量評価手段213は、原材料毎に、このCO2原単位に輸送距離、原材料購入量を乗算して、CO2排出量を算出する。
【0085】
次に、評価システム20の制御部21は、容器包装のCO2算出処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、容器包装DB33から、原材料コードが記録された容器包装管理レコード330を取得する。次に、排出量評価手段213は、CO2原単位DB36から、容器包装管理レコード330の原単位コード(容器包装)が記録されている原単位管理レコード360を抽出し、CO2原単位を取得する。そして、排出量評価手段213は、原材料毎に、この原単位に必要購入数を乗算して、CO2排出量を算出する。
【0086】
次に、評価システム20の制御部21は、調理方法の特定処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、調理方法管理レコード340を調理方法DB34から取得する。
【0087】
次に、評価システム20の制御部21は、調理時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、調理方法DB34から、選択された料理コードが記録された調理方法管理レコード340を抽出する。次に、排出量評価手段213は、CO2原単位DB36から、料理毎に、調理方法管理レコード340の原単位コードが記録された原単位管理レコード360を取得する。そして、排出量評価手段213は、原単位管理レコード360からCO2原単位を取得し、料理毎に、この原単位に調理時間を乗算してCO2排出量を算出する。この場合、一つの料理を調理するために複数の調理工程が記録されている場合には、すべての調理工程のCO2排出量を算出して合計する。
【0088】
次に、評価システム20の制御部21は、保存時、廃棄時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、後工程評価手段により、後工程DB35から、選択された料理コードが記録された後工程管理レコード350を抽出する。次に、排出量評価手段213は、CO2原単位DB36から、後工程管理レコード350において、原材料毎に、残った原材料の保存や廃棄についての原単位コードを特定し、CO2原単位DB36から、この原単位コードが記録された原単位管理レコード360を取得する。そして、排出量評価手段213は、原単位管理レコード360からCO2原単位を取得する。そして、排出量評価手段213は、原材料毎に、原材料購入量から、調理に使用する原材料総量を差し引いた残量を算出し、CO2原単位に残量を乗算してCO2排出量を算出する。
【0089】
次に、評価システム20の制御部21は、食器洗浄時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、料理毎に、後工程管理レコード350において、食器の洗浄についての原単位コードを特定し、CO2原単位DB36から、この原単位コードが記録された原単位管理レコード360を取得する。そして、排出量評価手段213は、原単位管理レコード360からCO2原単位を取得し、この原単位に人数を乗算してCO2排出量を算出する。
【0090】
次に、評価システム20の制御部21は、CO2合計値の算出処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、制御部21のCO2算出手段214は、各工程において算出されたCO2排出量を合計する。
【0091】
次に、評価システム20の制御部21は、人数に基づく調理効率の算出処理を実行する(ステップS2−10)。具体的には、制御部21の排出量評価手段213は、CO2排出総量を人数で除算することにより、一人当たり(単位人数)におけるCO2排出量を算出する。
【0092】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、評価システム20の制御部21は、排出量シミュレーション処理を実行する(ステップS1−5)。更に、制御部21は、コストの算出処理(ステップS1−6)、カロリーの算出処理(ステップS1−7)を実行する。これにより、料理の選択指標として、コストやカロリーだけではなく、CO2排出量が出力されるため、利用者に対して、料理に関連する環境負荷に対する意識向上を図ることができる。
【0093】
(2)本実施形態では、評価システム20の制御部21は、メニューに応じて原材料の特定処理を実行する(ステップS1−3)。そして、排出量シミュレーション処理において、原材料の取得方法の特定処理を実行する(ステップS2−1)。ここでは、排出量評価手段213は、原材料毎に使用量を合計して、原材料総量を算出する。
【0094】
更に、要素特定手段212は、原材料毎に、容器包装に収納される収納量(販売単位)を考慮して、必要購入数を算出する。そして、要素特定手段212は、この必要購入数を考慮して、原材料購入量を算出する。
【0095】
次に、評価システム20の制御部21は、原材料生産工程のCO2算出処理を実行する(ステップS2−2)。これにより、メニューにおいて選択された複数の料理について、調理に用いる原材料の生産工程におけるCO2排出量を算出することができる。これにより、一つの容器包装に収納された収納量を考慮して、料理に必要な原材料を特定することができる。
【0096】
更に、排出量評価手段213は、原材料の生産時期から現在までの経過日数(保存日数)を算出し、原単位に保存日数、原材料購入量を乗算して、CO2排出量を算出する。生産時期と調理時期とがずれている場合、原材料を保存する必要がある。この保存によって生じるCO2排出量を評価することができる。
【0097】
(3)本実施形態では、排出量シミュレーション処理において、評価システム20の制御部21は、原材料輸送時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−3)。この場合、排出量評価手段213は、このCO2原単位に輸送距離、原材料購入量を乗算して、CO2排出量を算出する。これにより、遠隔地で生産された原材料と、近郊で生産された原材料とにおける輸送方法や輸送距離の違いを考慮して、CO2排出量を算出することができる。
【0098】
(4)本実施形態では、排出量シミュレーション処理において、評価システム20の制御部21は、容器包装のCO2算出処理を実行する(ステップS2−4)。これにより、一つの容器包装に収納された収納量を考慮して、料理に必要な原材料を特定することができる。
【0099】
(5)本実施形態では、排出量シミュレーション処理において、評価システム20の制御部21は、調理方法の特定処理(ステップS2−5)、調理時のCO2算出処理(ステップS2−6)を実行する。これにより、料理の調理方法に依存するCO2排出量を算出することができる。
【0100】
(6)本実施形態では、排出量シミュレーション処理において、評価システム20の制御部21は、保存時、廃棄時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−7)。更に、制御部21は、食器洗浄時のCO2算出処理を実行する(ステップS2−8)。これにより、調理後の後工程によって生じるCO2排出量を算出することができる。
【0101】
(7)本実施形態では、排出量シミュレーション処理において、評価システム20の制御部21は、人数に基づく調理効率の算出処理を実行する(ステップS2−10)。これにより、同じ料理をまとめて調理した方が効率的であるが、この効率性を考慮して、CO2排出量を算出することができる。
【0102】
<第2の実施形態>
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を
図6に従って説明する。第1の実施形態においては、利用者によって指定された料理のCO2排出量、コスト、カロリーを評価する。第2の実施形態は、第1の実施形態において、指定された料理の代替料理を提案する構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。
【0103】
この場合、評価システム20に、相互に関連した料理のグループを登録する関連料理DB40を設ける。関連料理DB40は関連料理情報記憶手段として機能する。この関連料理DB40には、
図6に示すように、代替可能な料理(例えば類似料理)についての関連料理管理レコード400が記録される。この関連料理管理レコード400は、類似した料理が登録された場合に記録される。関連料理管理レコード400は、グループコード、料理コードに関するデータを含んで構成される。
【0104】
グループコードデータ領域には、類似する料理が含まれるグループを特定するための識別子に関するデータが記録される。
料理コードデータ領域には、各グループに属する料理を特定するための識別子に関するデータが記録される。例えば、種類が異なる料理や、同じ料理であっても原材料の取得方法や生産方法が異なる料理が代替可能な料理として登録されている。
【0105】
更に、提案手段215において、選択された料理に関連する料理であって、CO2排出量の少ない代替料理を提案する処理を実行する。
そして、選択された料理の排出量シミュレーション処理、コストの算出処理、カロリーの算出処理の実行後に、
図6に示す処理を実行する。
【0106】
ここでは、評価システム20の制御部21は、関連料理の検索処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の提案手段215は、メニューの特定処理(ステップS1−1)において選択された料理の料理コードが記録された関連料理管理レコード400を、関連料理DB40から抽出する。そして、提案手段215は、抽出した関連料理管理レコード400に記録された関連料理の料理コードを特定する。
【0107】
次に、評価システム20の制御部21は、この関連料理について排出量シミュレーション処理を実行する(ステップS3−2)。ここでは、関連料理について、
図5に示す排出量シミュレーション処理を実行する。
【0108】
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS1−6と同様に、関連料理についてコスト計算処理を実行する(ステップS3−3)。
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS1−7と同様に、関連料理についてカロリー計算処理を実行する(ステップS3−4)。
【0109】
次に、評価システム20の制御部21は、代替料理の特定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の提案手段215は、評価対象の料理のCO2排出量と、関連料理のCO2排出量とを比較する。次に、提案手段215は、評価対象のCO2排出量より少ないCO2排出量の関連料理を代替料理として特定する。そして、評価システム20の制御部21は、評価結果の出力処理(ステップS1−9)において、この代替料理に関する情報を評価結果に含める。
【0110】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)上記実施形態においては、評価システム20の制御部21は、関連料理の検索処理を実行する(ステップS3−1)。そして、評価システム20の制御部21は、コスト計算処理(ステップS3−3)、カロリー計算処理(ステップS3−4)を実行する。そして、評価システム20の制御部21は、代替料理の特定処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、関連料理において、CO2排出量やコスト、カロリーを比較することができる。
【0111】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記各実施形態においては、温室効果ガスの排出量として、CO2排出量を算出したが、温室効果ガスはCO2に限定されるものではない。この場合には、CO2原単位DB36に、評価指標として用いる温室効果ガスの原単位を記録しておく。
・ 上記各実施形態の排出量シミュレーション処理においては、原材料の生産、調理、後工程において排出されるCO2総量を計算する。ここで、排出量シミュレーションの対象は、少なくとも生産〜調理の各工程が含まれていれば、後工程を省略する場合や他の工程を追加する場合にも適用可能である。
【0112】
・ 上記各実施形態においては、評価システム20に、入力部25、出力部26を設けた。これに代えて、利用者の端末を用いて、評価結果を出力するようにしてもよい。この場合には、家庭等に設置されたパソコン端末や、利用者が携帯するスマートフォン等の利用者端末から、ネットワークを介して評価システム20に接続する。ここで、評価システム20の制御部21は、パソコン端末から設置位置情報や、スマートフォン端末から所在位置情報を取得する。そして、制御部21は、各原材料の生産地から、各端末の位置情報によって特定される場所までの輸送方法や輸送距離を特定する。
【0113】
・ 上記各実施形態においては、排出量評価手段213の効率性評価手段において、人数分の料理をまとめて調理する場合に、一人当たりのCO2排出量を評価する処理を実行する。ここで、一人分の料理を調理する場合の排出量と、人数分の料理をまとめて調理する場合の一人当たりのCO2排出量とを個別に算出し、これらを比較した結果を出力するようにしてもよい。
【0114】
・ 上記第2の実施形態においては、関連料理のCO2排出量やコスト、カロリーを比較する。これに加えて、CO2排出量やコスト、カロリーに許容範囲を設定し、この許容範囲に含まれる料理を提案するようにしてもよい。この処理を、
図7(a)に従って説明する。
【0115】
ここでは、評価システム20の制御部21は、CO2、コスト、カロリーの許容範囲の設定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の提案手段215は、CO2排出量、コスト、カロリーの許容範囲を設定するための許容範囲設定画面を出力部26に出力する。この許容範囲設定画面においては、選択された料理のCO2排出量、コスト、カロリーを表示するとともに、入力部25を用いて許容範囲を設定するための入力欄が設けられている。提案手段215は、この入力欄に入力された許容範囲を特定し、メモリに仮記憶する。
【0116】
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS3−1〜S3−4と同様に、関連料理の検索処理(ステップS4−2)、関連料理について排出量シミュレーション処理(ステップS4−3)、関連料理についてコスト計算処理(ステップS4−4)、関連料理についてカロリー計算処理(ステップS4−5)を実行する。
【0117】
そして、評価システム20の制御部21は、許容範囲の料理の絞り込み処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の提案手段215は、メモリに仮記憶された許容範囲に含まれる関連料理を特定する。
【0118】
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、代替料理の特定処理を実行する(ステップS4−7)。
これにより、CO2排出量、コスト、カロリーの許容範囲に含まれる代替料理を提案することができる。
【0119】
・ 上記第2の実施形態においては、関連料理のCO2排出量やコスト、カロリーを比較する。これに加えて、CO2排出量やコスト、カロリーの中で重点項目を設定し、この重点項目に従って代替料理を提案するようにしてもよい。この処理を、
図7(b)に従って説明する。
【0120】
ここでは、評価システム20の制御部21は、CO2、コスト、カロリーの中で重視項目の設定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、提案手段215は、CO2排出量、コスト、カロリーの中で重視項目を設定するための重視項目設定画面を出力部26に出力する。この重視項目設定画面においては、入力部25を用いてCO2排出量、コスト、カロリーの中で重視する項目を設定するための入力欄が設けられている。提案手段215は、この入力欄に入力された重視項目を特定し、メモリに仮記憶する。
【0121】
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS3−1〜S3−4と同様に、関連料理の検索処理(ステップS5−2)、関連料理について排出量シミュレーション処理(ステップS5−3)、関連料理についてコスト計算処理(ステップS5−4)、関連料理についてカロリー計算処理(ステップS5−5)を実行する。
【0122】
次に、評価システム20の制御部21は、重視項目を優先して並び替え処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21の提案手段215は、メモリに仮記憶された重視項目の順番で関連料理を並び替える。
【0123】
次に、評価システム20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、代替料理の特定処理を実行する(ステップS5−7)。
これにより、CO2排出量、コスト、カロリーの重視項目に応じて代替料理を提案することができる。
【0124】
・ 上記各実施形態においては、評価システム20の制御部21は、人数の特定処理を実行する(ステップS1−2)。これに代えて、家族構成を考慮して人数を特定するようにしてもよい。この場合には、評価システム20に家族構成DBを設ける。この家族構成DBには、利用者コードに対して、家族構成、補正係数に関するデータを記録した家族構成管理レコードを記録する。この補正係数データ領域には、家族構成の年齢や体格に応じて、料理量を増減するための補正値が記録されている。そして、料理評価支援処理においては、評価システム20の制御部21は、利用者コードを入力する画面を出力する。そして、この画面に入力された利用者コードを用いて、家族構成DBから家族構成管理レコードを抽出する。そして、制御部21は、家族構成管理レコードの補正値を用いて原材料の数量を増減させる。これにより、家族状況に応じて、より的確なCO2排出量、コスト、カロリーを算出することができる。
【0125】
・ 上記各実施形態においては、利用者が選択した各料理を調理した場合のCO2排出量やコストを算出する。これに加えて、レストランにおいて料理を調理する場合や、商店において調理された料理を加工品として販売する場合のCO2排出量やコストを比較するようにしてもよい。この場合には、評価システム20の制御部21は、レストランや商店において、まとまった量を調理する場合のCO2排出量やコストを算出する。このために、まとめて調理する場合の原単位コードに対する原単位をCO2原単位DB36に記録しておく。この場合には、まとめて調理するので、単位人数のCO2排出量は使わなくなる。また、コストDB38には、レストランや商店において販売される料理の販売価格を記録しておく。これにより、各家庭で調理する場合と、レストランや商店を利用する場合とで、CO2排出量やコストを比較することができる。
【0126】
・ 上記各実施形態においては、原材料DB31に、原材料の生産地や生産時期を記録する。このような情報は、トレーサビリティ情報を利用するようにしてもよい。この場合には、外部にトレーサビリティ管理サーバを設け、原材料の生産地、生産時期、輸送ルート等のトレーサビリティ情報を記録しておく。そして、評価システム20の制御部21は、このトレーサビリティ管理サーバから取得した原材料のトレーサビリティ情報に含まれる各工程に対応する原単位コードを特定する。そして、制御部21は、この原単位コードに対応する原単位を用いてCO2排出量を算出する。
【0127】
・ 上記各実施形態においては、データ記憶部22に、メニューDB30〜カロリーDB39を設けた。これに代えて、インターネットを介して各種情報が提供されるクラウド技術を用いて、各種情報を入手するようにしてもよい。例えば、原材料DB31や容器包装DB33は、インターネット上で一般に公開されている、スーパーマーケット等の商店の広告データベースから取得する。また、原材料使用量DB32、調理方法DB34は、一般に公開されている料理献立データベースから取得する。これにより、実際に流通している原材料や、新しい献立を用いて、料理を評価することができる。
【0128】
・ 上記第2の実施形態においては、評価システム20の関連料理DB40に、代替可能な料理についての関連料理管理レコード400を記録する。これに代えて、生産地や生産方法が異なる原材料を用いて関連料理を検索するようにしてもよい。この場合には、原材料DB31に、原材料コードに対して、産地や生産時期が異なる複数の原材料管理レコード310を記録しておく。そして、原材料コード、生産地や生産時期を特定できる情報を検索キーとして用いる。更に、容器包装DB33においても、原材料コード、生産地、生産時期に関する情報に関連づけて、容器包装コード〜販売価格を記録した容器包装管理レコード330を登録しておく。そして、異なる生産地や生産時期の原材料を用いた場合の料理についてのCO2排出量、コストを評価する。これにより、同じ種類の原材料であっても、生産地や生産時期の違いを考慮して、料理を評価することができる。