【実施例】
【0069】
以下の実施態様を用いて、本発明をさらに例示するが、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の精神を逸脱することなく当業者によって達成される任意の改変および変更が、本発明の範囲内にある。
【0070】
(実施例1):化合物Aの合成
【0071】
【化23】
【0072】
一官能性ホスフィン化フェノール(化合物A)を、酸触媒の存在下でのビスフェノールA(BPA)と過剰のDOPO(9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド)との反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、22.83g(0.1モル)のBPA、および63.85g(0.3モル)のDOPO、0.92 g(BPAの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加し、反応温度を140℃に上昇させた。反応系の温度を140℃に維持した。反応の12時間後、沈降が完了するまで撹拌しながらエタノールを滴下添加した。混合物を吸引濾過し、沈殿物を濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、110℃で乾燥させたところ、化合物Aが得られた。収率は75%であった。化合物Aの分子式はC
21H
19O
3Pであり、高分解能質量分析計により分子量は350.3522であると特性評価された。元素分析の結果は、C:71.65%、およびH:5.65%であった。化合物Aの
1H NMRスペクトルを、
図1に示す。
【0073】
(実施例2):化合物Bの合成
【0074】
【化24】
【0075】
一官能性ホスフィン化フェノール(化合物B)を、酸触媒の存在下でのBHPB(1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン)と過剰のDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、34.65g(0.1モル)のBHPB、64.85g(0.3モル)のDOPO、および1.39g(BHPBの4質量%)の硫酸を添加し、反応温度を150℃に上昇させた。反応系の温度を150℃に維持した。18時間後、沈降が完了するまで撹拌しながらエタノールを滴下添加した。混合物を吸引濾過し、沈殿物を濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、110℃で乾燥させたところ、化合物Bが得られた。収率は53%であった。化合物Bの分子式はC
30H
29O
3Pであり、高分解能質量分析計により分子量は468.5211であると特性評価された。元素分析の結果は、C:76.61%、およびH:6.45%であった。
【0076】
(実施例3):化合物Cの合成
【0077】
【化25】
【0078】
一官能性ホスフィン化フェノール(化合物C)を、酸触媒の存在下でのBHDMP(α,α'-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン)と過剰のDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、40.26g(0.1モル)のBHDMP、64.85g(0.3モル)のDOPO、および3.22g(BHDMPの8質量%)のメタンスルホン酸を添加し、反応温度を180℃に上昇させた。反応系の温度を180℃に維持した。20時間後、沈降が完了するまで撹拌しながらエタノールを滴下添加した。混合物を吸引濾過し、沈殿物を濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、110℃で乾燥させたところ、化合物Cが得られた。収率は65%であった。化合物Cの分子式はC
32H
33O
3Pであり、高分解能質量分析計により分子量は496.5823であると特性評価された。元素分析の結果は、C:77.21%、およびH:6.87%であった。
【0079】
(実施例4):化合物Dの合成
【0080】
【化26】
【0081】
二官能性ホスフィン化フェノール(化合物D)を、酸触媒の存在下で(トリスフェノール、PA)モノマーと過剰のDOPOとを反応させることによって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、42.45g(0.1モル)のPA、63.85g(0.3モル)のDOPO、および1.82g(PAの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加し、反応温度を140℃に上昇させた。反応系の温度を140℃に維持した。16時間後、沈降が完了するまで撹拌しながらエタノールを滴下添加した。混合物を吸引濾過し、沈殿物を濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、110℃で乾燥させたところ、化合物Dが得られた。収率は78%であった。化合物Dの分子式はC
35H
31O
4Pであり、高分解能質量分析計により分子量は546.5928であると特性評価された。元素分析の結果は、C:76.77%、およびH:5.88%であった。
【0082】
(実施例5):化合物Eの合成
【0083】
【化27】
【0084】
二官能性ホスフィン化フェノール(化合物E)を、酸触媒の存在下での三官能性フェノールモノマーTHPE(1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン)と過剰のDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、30.64g(0.1モル)のTHPE、63.85g(0.3モル)のDOPO、および1.23g(THPEの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加し、反応温度を130℃に上昇させた。反応系の温度を130℃に維持した。12時間後、沈降が完了するまで撹拌しながらエタノールを滴下添加した。混合物を吸引濾過し、沈殿物を濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、110℃で乾燥させたところ、化合物Eが得られた。収率は58%であった。化合物Eの分子式はC
26H
21O
4Pであり、高分解能質量分析計により分子量は428.4213であると特性評価された。元素分析の結果は、C:72.98%、およびH:5.01%であった。化合物Eの
1H NMRスペクトルを
図2に示す。
【0085】
(実施例6):化合物P-BPN-2aの合成
2%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-2a)を、酸触媒の存在下でのビスフェノールAノボラック(BPN)とDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、8.102gのDOPOおよび2g(BPNの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を140℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、真空オーブン中、100℃で乾燥させた。
【0086】
図3は、
31P NMR反応追跡スペクトルである。5分には、生成物の生成が約43ppmで観察され、未反応のDOPOが16〜23ppmであり、また25分には、DOPOの特徴的なピークが完全に消失し、生成物のピークのみが観察され、すなわち、前記化合物が成功裏かつ完全に合成されていることを、
図5から知ることができる。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0087】
【化28】
【0088】
(実施例7):化合物P-BPN-3aの合成
3%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-3a)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、13.227gのDOPO、および2g(BPNの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を140℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-3aが得られた。化合物P-BPN-3aのGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0089】
(実施例8):化合物P-BPN-5aの合成
5%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-5a)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、26.765gのDOPO、および2g(BPNの4質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を140℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-5aが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0090】
(実施例9):化合物P-BPN-2bの合成
2%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-2b)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、8.102gのDOPO、および1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を130℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-2bが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0091】
(実施例10):化合物P-BPN-3bの合成
3%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-3b)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、13.227gのDOPO、および1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を130℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-3bが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0092】
(実施例11):化合物P-BPN-5bの合成
5%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-5b)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、26.765gのDOPO、および1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸を添加した。反応系の温度を130℃に維持した。12時間後、粘着性の反応混合物を水性メタノール溶液で洗浄して、残留するトルエンスルホン酸を除去し、吸引濾過し、濾過および分離し、濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-5bが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0093】
(実施例12):化合物P-BPN-2PMの合成
2%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-2PM)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、8.102gのDOPO、1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、反応温度を100℃に上昇させた。12時間後、沈降のために撹拌しながら混合物を水中に滴下添加し、吸引濾過した。濾過ケーキを大量の脱イオン水で洗浄した後、吸引濾過し、濾過および分離した。濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-2PMが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0094】
(実施例13):化合物P-BPN-3PMの合成
3%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-3PM)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、13.227gのDOPO、1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、反応温度を100℃に上昇させた。12時間後、沈降のために撹拌しながら混合物を水中に滴下添加し、吸引濾過した。濾過ケーキを大量の脱イオン水で洗浄した後、吸引濾過し、濾過および分離した。濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-3PMが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0095】
(実施例14):化合物P-BPN-5PMの合成
5%のリン含量を有するホスフィン化ノボラック樹脂(P-BPN-5PM)を、酸触媒の存在下でのBPNとDOPOとの反応によって取得した。その合成工程は以下の通りであった。温度指示装置を備えた0.5Lの三ツ口反応器に、50gのBPN、26.765gのDOPO、1g(BPNの2質量%)のトルエンスルホン酸、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、反応温度を100℃に上昇させた。12時間後、沈降のために撹拌しながら混合物を水中に滴下添加し、吸引濾過した。濾過ケーキを大量の脱イオン水で洗浄した後、吸引濾過し、濾過および分離した。濾過ケーキを真空オーブン中、100℃で乾燥させたところ、化合物P-BPN-5PMが得られた。生成物のGPC分析の結果を、Table 1(表1)に示す。
【0096】
触媒の量を4%から2%に減少させた場合、対応するP-BPN化合物の分子量が有意に増加する、すなわち、触媒量の減少が高分子量の維持にとって有益であることが、実施例6〜14の生成物のGPCの結果により示唆される。溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(DOW PM)を添加し、反応温度を100℃に低下させることにより、ずっと大きい分子量を得ることができる。
【0097】
(実施例15):化合物P-BPN-EP-1の合成
【0098】
【化29】
【0099】
21.4gのP-BPN-5bおよび92.5gのエピクロロヒドリンを1Lの反応器に添加し、撹拌して、通常の雰囲気下で均一に混合された溶液を形成させた。反応温度を、190mmHgの絶対圧力で70℃に上昇させ、14.6gの20%水酸化ナトリウム溶液を4時間かけてバッチ式に反応器に添加した。同時に、共沸蒸留により反応器中の水を除去した。反応が完了した後、減圧下でエピクロロヒドリンと溶媒を完全に蒸留除去した。生成物をメチルエチルケトンおよび脱イオン水で溶解した。樹脂中の塩化ナトリウムを水で洗浄除去し、減圧下で溶媒を完全に蒸留除去したところ、ホスフィン化エポキシ樹脂P-BPN-EP-1が得られた。
【0100】
(実施例16):化合物P-BPN-BZ-1の合成
【0101】
【化30】
【0102】
13.98gのホルムアルデヒドを12mLのジオキサン中に溶解し、溶液Aを作った。2.68gのメチルアミンを3mLのジオキサン中に溶解し、溶液Bを作った。溶液Aを100mLの反応器に入れた後、氷浴中に入れ、窒素ガスを供給した。溶液Bを毎秒1滴の速度で反応器に滴下添加し、温度を10℃以下に制御し、滴下後30分間、反応を継続させた。11.98gのホスフィン化化合物P-BPN-5bを反応器に添加した後、温度を還流温度に上昇させ、反応を10時間継続させた。反応が完了した後、溶媒を減圧濃縮器によりポンプで除去した。生成物をCH
2Cl
2に溶解し、0.1M水酸化ナトリウムで抽出し、脱イオン水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを補給して水を除去し、濾過し、真空オーブン中で乾燥させたところ、化合物P-BPN-5-BZ-1の固体が得られた。収率は85%である。
【0103】
(実施例17):化合物P-BPN-OCN-1の合成
【0104】
【化31】
【0105】
無水アセトン(70g)を1Lの三ツ口反応器に添加した。反応器を-15℃に冷却し、3.102gのBrCNを添加し、撹拌し、同時に、温度を-25℃以下まで低下させた。2.39gのP-BPN-5bと2.62gのEt
3Nとを完全に混合し、無水アセトン(100g)中に溶解した後、供給漏斗を介して反応器にゆっくりと滴下添加した。温度を-30℃に維持し、反応を2時間継続させた。反応温度を-30℃に戻した時、反応混合物を脱イオン水中に滴下添加して、臭化アンモニウムを洗浄除去した。濾過した後、得られた沈殿物をCH
2Cl
2/H
2Oで抽出した。有機相を回収し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを除去した後、室温でロータリーエバポレーターによりCH
2Cl
2を除去したところ、固体のシアネートP-BPN-OCN-1が得られた。
【0106】
[応用例1〜6]
実施例6〜8の3つの硬化剤をエポキシ樹脂のための硬化剤として使用した。用いたエポキシ樹脂はそれぞれ、ビスフェノールAエポキシ樹脂(DGEBA)およびo-クレゾールノボラックエポキシ樹脂(CNE)であった。エポキシ樹脂と硬化剤を、金型内で1:1の当量比で均一に混合し、反応のための硬化促進剤としてイミダゾールを(エポキシ樹脂の量の0.2質量%の量で)添加した。DMAを用いることにより測定されたガラス転移温度およびUL-94試験の結果を、Table 2(表2)にまとめる。全ての硬化生成物が、UL-94燃焼性試験において耐燃性レベルV-0を満たすことを、Table 2(表2)から知ることができる。
【0107】
[応用例7〜12]
実施態様9〜11の3つの硬化剤をエポキシ樹脂のための硬化剤として使用した。用いたエポキシ樹脂はそれぞれ、ビスフェノールAエポキシ樹脂(DGEBA)およびo-クレゾールノボラックエポキシ樹脂(CNE)であった。エポキシ樹脂と硬化剤とを、金型内で1:1の当量比で均一に混合し、反応のための硬化促進剤としてイミダゾールを(エポキシ樹脂に基づいて0.2質量%の量で)添加した。動的機械分析(DMA)を用いることにより測定されたガラス転移温度およびUL-94試験の結果を、Table 2(表2)にまとめる。全ての硬化生成物が、UL-94燃焼性試験において耐燃性レベルV-0を満たすことを、Table 2(表2)から知ることができる。
【0108】
[応用例13〜18]
実施例12〜14の3つの硬化剤をエポキシ樹脂のための硬化剤として使用し、用いたエポキシ樹脂はそれぞれ、ビスフェノールAエポキシ樹脂(DGEBA)およびo-クレゾールノボラックエポキシ樹脂(CNE)であった。エポキシ樹脂と硬化剤を、金型中で1:1の当量比で均一に混合し、反応のための硬化促進剤としてイミダゾールを(エポキシ樹脂に基づいて0.2質量%の量で)添加した。DMAを用いることにより測定されたガラス転移温度およびUL-94試験の結果を、Table 2(表2)にまとめる。全ての硬化生成物が、UL-94燃焼性試験において耐燃性レベルV-0を満たすことを、Table 2(表2)から知ることができる。
【0109】
P-BPNを耐燃剤として用いる場合、全ての硬化生成物がUL-94燃焼性試験において耐燃性レベルV-0を満たすことを、Table 2(表2)から知ることができる。硬化剤として単に無リン化合物BPNを用いる場合、硬化生成物はUL-94燃焼性試験において完全に燃焼する。加えて、化合物P-BPNの分子量がより大きい場合、対応する硬化生成物のガラス転移温度はより高い。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】