(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788902
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】物を搬送するためのコンベヤーシステム及びそのようなコンベヤーシステムを有する浸漬処理システム
(51)【国際特許分類】
B62D 65/18 20060101AFI20150917BHJP
B65G 49/04 20060101ALI20150917BHJP
B05C 3/09 20060101ALI20150917BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
B62D65/18 C
B65G49/04 E
B05C3/09
B05C13/02
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-548377(P2012-548377)
(86)(22)【出願日】2011年1月13日
(65)【公表番号】特表2013-517168(P2013-517168A)
(43)【公表日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】EP2011000115
(87)【国際公開番号】WO2011085984
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2013年12月4日
(31)【優先権主張番号】102010004974.3
(32)【優先日】2010年1月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511056714
【氏名又は名称】アイゼンマン ソシエタス オイロペア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シュルバ
【審査官】
芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
特表2001−501532(JP,A)
【文献】
特表2004−516136(JP,A)
【文献】
特表2004−517727(JP,A)
【文献】
特表2007−537959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 41/00−67/00
B65G 49/04
B05C 1/00− 3/20
B05C 7/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤーシステムであって、
a)少なくとも1つのコンベヤー搬送部(18)であって、aa)回転軸線(44)を中心に回転され得る、少なくとも1つの耐荷重車輪(40)を支持する車台(22)を備え、且つ、ab)枢動軸線(36)を中心に枢動されることができると共に少なくとも1つの物(8)を取り付けることができる取付装置(84)を備えるコンベヤー搬送部(18)と、
b)前記少なくとも1つの耐荷重車輪(40)が沿って走行するガイドレール(14)と、
c)該ガイドレール(14)に沿って前記コンベヤー搬送部(18)を移動させるための駆動手段(64)と、を有する浸漬処理システム(2)において物(8)、特に車体(8)を搬送するためのコンベヤーシステムにおいて、
d)前記少なくとも1つの耐荷重車輪(40)の前記回転軸線(44)及び前記取付装置(84)の前記枢動軸線(36)が、互いに同軸線上に配置されており、
前記取付装置(84)の前記枢動軸線(36)が、第1枢動軸線(36)であり、且つ、前記取付装置(84)が、前記第1枢動軸線(36)から離間した第2枢動軸線(108)を中心に、更に枢動され得ることを特徴とするコンベヤーシステム。
【請求項2】
前記取付装置(84)の前記枢動軸線(36)が、第1端部(38)で前記車台(22)に取付けられた回転シャフト(34)によって画成されることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項3】
前記回転シャフト(34)が、前記耐荷重車輪(40)を支持することを特徴とする請求項2に記載のコンベヤーシステム。
【請求項4】
前記車台(22)が、1つの耐荷重車輪(40)のみを支持することを特徴とする請求項3に記載のコンベヤーシステム。
【請求項5】
前記回転シャフト(34)の第2端部(50)が、受動的に搬送されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1つに記載のコンベヤーシステム。
【請求項6】
前記耐荷重車輪(40)が駆動されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のコンベヤーシステム。
【請求項7】
駆動装置(90、92、94、102、104、106)を有することによって、前記取付装置(84)が、前記第1枢動軸線(36)及び/又は前記第2枢動軸線(108)を中心に枢動され得ることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項8】
前記取付装置(84)が、前記第1枢動軸線(36)を中心に又は前記第2枢動軸線(108)を中心に互いに独立して枢動され得るように前記駆動装置(90、92、94、102、104、106)が構成されていることを特徴とする請求項7に記載のコンベヤーシステム。
【請求項9】
a)処理される物(8)、特に車体(8)が浸漬され得る処理流体(6)で充填することのできる、少なくとも1つの浸漬タンク(4)と、
b)処理される前記物(8)を前記浸漬タンク(4)へと移動させて、前記浸漬タンク(4)内部へ移動させ、前記浸漬タンク(4)の外部へ移動させた後に前記浸漬タンク(4)から取り出すことができるコンベヤーシステム(10)と、を有する浸漬処理システムであって、
c)前記コンベヤーシステム(10)が、請求項1から請求項8のいずれか1つによって構成される浸漬処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を搬送するためのコンベヤーシステムであって、特に、(aa)回転軸線を中心に回転され得る、少なくとも1つの耐荷重車輪を支持する車台、及び、(ab)枢動軸線を中心に枢動されることができ、且つ、少なくとも1つの物を取り付けることができる取付装置を具備する、(a)少なくとも1つのコンベヤー搬送部と、(b)少なくとも1つの耐荷重車輪が沿って走行するガイドレールと、(c)ガイドレールに沿ってコンベヤー搬送部を移動させるための駆動手段と、を有する浸漬処理システムにおいて車体を搬送するためのコンベヤーシステムに関する。
【0002】
本発明は、更に、(a)処理される物、特に、車体が浸漬され得る処理流体で充填することのできる、少なくとも1つの浸漬タンクと、(b)処理される物を浸漬タンクへと移動させて、浸漬タンク内部へ移動させ、浸漬タンクの外へ移動させた後に、浸漬タンクから取り出すことができるコンベヤーシステムと、を有する浸漬処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
車体の浸漬処理システムに使用され、例えば、特許文献1で示された商業上公知なこのタイプのシステムにおいて、多くの耐荷重車輪が存在する。そこでは、取付装置の枢動軸線が、耐荷重車輪から離間して配置されている。車台は、ガイドレールに対して下方から押接した対応する対向車輪によって、輸送方向に対して垂直方向に、水平軸線中心に傾斜することが防がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004024614号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この構成だと、取付装置及びそこに取付けられた物のポジション並びに車台に働く力によっては、少なくとも1つの耐荷重車輪が、その走行表面からいくらか移動し、離れてしまいかねない。これは、走行表面上にある特定の車輪の接触圧を低減させてしまい、この車輪を滑走させるための、特にコンベヤー搬送部の始動時又はブレーキ時に必要な接触圧を、かなり小さくしてしまう。これは、全体及び特定の、加速力又はブレーキ力としての駆動力に悪影響を及ぼす。
【0006】
従って、本発明の目的は、これらの問題を考慮した、冒頭で説明したタイプのコンベヤーシステム及び浸漬処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
冒頭で説明したタイプのコンベヤーシステムにおいて、この目的は、(d)少なくとも1つの耐荷重車輪の回転軸線及び取付装置の枢動軸線が、互いに同軸線上に配置されていることによって実現される。
【0008】
従って、ガイドレール上又はその関連する走行表面上の耐荷重車輪の接触圧が、コンベヤー搬送部の移動方向に関係なく、且つ、ガイドレールに沿ってコンベヤー搬送部が加速されるか、減速されるか又は一定速度で移動させられるかに関係なく、高い信頼性で維持されるということが示された。
【0009】
更に、耐荷重車輪の回転軸線及び取付装置の枢動軸線の同軸の配置によって、車台、ひいては、コンベヤー搬送部を、公知のコンベヤー搬送部と比べ、比較的コンパクトな構成とすることが可能となる。
【0010】
取付装置の枢動軸線が、第1端部で車台上において支持される回転軸線によって画成されるならば好適である。
【0011】
この場合において、回転軸線は、耐荷重車輪を有利に支持することができる。
【0012】
コンベヤー搬送部が複数の耐荷重車輪を具備することは、実際に可能である。しかしながら、こうした車台が1つの耐荷重車輪のみを支持するならば、特にコンパクトな構成とすることができる。
【0013】
好適には、回転シャフトの第2端部は、受動的に搬送されてもよい。この場合において、回転シャフトの第2端部が、例えば、第2耐荷重車輪を支持してもよいが、そうすると、車台と関連させることができない。
【0014】
耐荷重車輪が駆動されたとき、各コンベヤー搬送部は、個別に制御され且つ移動させられ得る。
【0015】
例えば、チェーンコンベヤーが駆動部として使用されている場合、これは、容易ではない。
【0016】
取付装置の枢動軸線が、第1枢動軸線であり、且つ、取付装置が、更に第1枢動軸線から離間した第2枢動軸線を中心に枢動されるなら好適である。これは、処理される物の移動の自由度を向上させる。
【0017】
取付装置を、第1枢動軸線を中心に、且つ/又は、第2枢動軸線を中心に枢動させる駆動装置を有するならば、浸漬タンクを通して物を案内する際に連続移動シーケンスが実現可能となる。
【0018】
取付装置が、第1枢動軸線を中心に、又は、第2枢動軸線を中心に互いに対し独立して枢動できるように駆動装置が構成されるならば特に好適となる。物の移動シーケンスは、こうして個別に、現場の条件及び/又は処理される物の条件で調整され得る。
【0019】
上述した目的は、(c)コンベヤーシステムが請求項1から請求項9によって構成された、冒頭で説明したタイプの浸漬処理システムによって実現される。
【0020】
このように設計された浸漬処理システムの利点は、コンベヤーシステムと関連して、上述した利点と類似して対応する。
【0021】
本発明に係る例示的実施形態は、示された図を参照しつつ以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】車体を搬送するためのコンベヤーシステムのコンベヤー搬送部の上面図であり、電気泳動浸漬塗装システムで使用される。
【
図2】
図1の矢視方向IIからのコンベヤー搬送部の部分断面図である。
【
図3】寸法拡大された
図2のコンベヤー搬送部の部分断面図である。
【
図4】
図2の切断線IV−IVに沿ったコンベヤー搬送部の断面図である。
【
図5】寸法拡大された
図2の切断線V−Vに沿ったコンベヤー搬送部の断面図である。
【
図6】変形されたコンベヤー搬送部の
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、概略的に図示された電気泳動浸漬塗装システムは、2で全体として示される。これは、公知の方法によって特定の(
図2でのみ図示され、6aとして示された)流体液位になるまで液体塗料6で充填された、(
図1及び
図2に概略的に破線で図示された)浸漬タンクを具備する。
【0024】
浸漬塗装システム2は、
図2においてのみ車体8が非常に簡略化されて示された、図示された例示的実施形態の車体8を塗装するために使用される。
【0025】
電場は、塗装される車体8と、車体8の移動経路に沿って配置された陽極との間で、それ自体公知の方法で生成されるが、明瞭化のため図示しない。この電場において、塗料6に含まれる色素粒子は、車体8へと移動し、そこに付着する。この手順の詳細は、概して公知であるため、ここでは、更なる詳細については説明しない。
【0026】
コンベヤーシステム10によって車体8は、浸漬塗装システム2、特に浸漬タンク4と、そこに配置された塗料6と、を通過するように案内される。この目的を達成するため、コンベヤーシステム10は、ガイドレール14と、その反対側において浸漬タンク4に沿って互いに平行して延在する走行レール16と、を具備するレールシステム12を具備する。
【0027】
それぞれ車体8を受容し、矢印20aの方向又は対向する矢印20bの方向に互いに独立して移動させられ得る複数のコンベヤー搬送部18は、レールシステム12に沿って走行する(
図1参照)。
【0028】
コンベヤー搬送部18は、2つの相互に離間した支持側面26、28が取付けられた底板24を有する車台22を具備しており、底板24に対して垂直に、且つ、互いに及び輸送方向20に対して平行に延出している。
【0029】
明瞭化のため、
図2及び
図3の両方に示されたいくつかの構成要素は、
図3においてのみ参照番号を有する。
【0030】
支持側面26、28は、それぞれスライドベアリング30、32を、対応する内円において互いに同軸線上に保持し、次いでスライドベアリングは、中空シャフトとして構成され、且つ、その長手方向軸線36を中心に回転され得る回転シャフト34を支持する。この目的を達成するため、回転シャフト34の一方の端部38は、スライドベアリング30、32と相補的なシャフト連結ピースとして構成されている。
【0031】
ボールベアリング42によって周方向において回転シャフト34を中心に回転可能な耐荷重車輪40は、支持側面26、28間の領域内に配置されている。従って、車輪40の回転軸線44及び回転シャフト34の回転軸線36は、互いに同軸線上に、一致して配置されている。回転軸線36及び回転軸線44は、
図2及び
図3にのみ示されている。
【0032】
車輪40は、その通孔46を通して底板24を越えて、ガイドレール14の上部走行表面48に沿って回転する。
【0033】
回転シャフト34の長さは、車台22から浸漬タンク4の全体幅を越えて延出するような長さである。車台22から離れたその第2端部50で、回転シャフト34は、走行レール16の上部走行表面54に沿って回転する非駆動ローラー52を支持する。耐荷重車輪40及びローラー52は、ガイドレール14及び走行レール16の上部走行表面48及び54が共通の水平平面に延在するとき回転シャフト34が水平に延出するように等しい外径を有する。
【0034】
図2及び
図3に示すように、ガイドレール14は、I形断面として構成されており、その上部の水平断面板56は、上部走行表面48及び反対側の下部走行表面58を画成する。ガイドレール14上で車台を安定させるため、底板24は、垂直軸線を中心に回転可能で、それぞれ側面に沿ってガイドレール14の断面板56の側面に対して押接された2つの、対となった側面案内車輪60a及び60bを支持する。底板24は、更に、それぞれ水平軸線を中心に回転可能且つ下部走行表面58に対して下方から押接する一対の対向圧車輪62を支持し、車台22が車輪40の回転軸線44を中心に傾斜するのを防いでいる。
【0035】
耐荷重ローラー40は、電動モーター64によって駆動され、且つ、
図5に示すチェーン66によって電動モーターに結合される。この目的を達成するために、チェーン66と協働する歯付リング68が、耐荷重車輪40の側面に取付けられている。他に、例えばベルト駆動部を設けることも可能である。
【0036】
回転シャフト34は、中空断面として構成され、回転シャフト34から径方向に延出する2つの相互に平行に延出する枢動アーム70及び枢動アーム72も支持する。枢動アーム70及び枢動アーム72は、それぞれの通路(図示せず)を回転シャフト34の内部と、枢動アーム70及び枢動アーム72の内部と、の間に有し回転シャフト34に堅く結合されている。
【0037】
回転シャフト34から離間した枢動アーム70及び枢動アーム72の自由端70a又は自由端72aは、駆動可能なスタブシャフト74、76によってそれぞれ、関節式で、枢動ラグ78、80に結合されている。スタブシャフト74、76から離間した枢動ラグ78、80の端部78a、80aは、回転シャフト34へと平行に延出する横断クロスバー82によって互いに結合されている。車体8が塗装される2つの平行に延出する支持支柱86、88の形式で取付装置84を堅く支持する横断クロスバー82は、それ自体公知のコンベヤースキッドを用いて又はコンベヤースキッドなしで取り付けることができる。
【0038】
回転シャフト34が、その回転軸線36を中心に回転可能とされるために、回転シャフト34は、コンベヤー搬送部18の車台22の領域で、回転シャフト34から径方向外側に延出する結合レバー90に堅く結合されている。回転シャフト34から離間した結合レバー90の端部90aは、それ自体公知のスピンドル駆動部94のスピンドル92に結合されている。スピンドル92は、スピンドルハウジング96に対して延出又は後退させられ得る。スピンドル駆動部94のスピンドル92が、延出しているか、又は、後退しているかによって、回転シャフト34は、結合レバー90によってスピンドル92に結合された結果として、その回転軸線を中心とした一方向又は逆方向に回転する。
【0039】
ここで、枢動アーム70、72も、回転シャフト34の回転軸線36を中心に取付装置84と共に枢動される。
【0040】
従って、回転シャフトの回転軸線36は、同時に取付装置84の第1枢動軸線でもある。
【0041】
枢動アーム70、72及び取付装置84が、この枢動軸線36周りに枢動され得る最大角は、スピンドル駆動部94のスピンドル92の長さによる。これが長いほど、且つ、更にこれが、スピンドルハウジング96から延出され得るほど、より最大枢動角が大きくなる。
【0042】
回転シャフト34の内部に延出し、ボールベアリング100によってそこに同軸に且つ回転可能に取付けられた更なる内部シャフト98が存在する。内部シャフト98は、回転シャフト34のシャフト連結ピース38の外部に延出し、且つ、その自由端で歯車102を支持する。
【0043】
これは、(一部が
図4から
図6に示された)チェーン104によって、内部シャフト98を両方の可能な方向に長手方向軸線を中心に回転させ得る電動モーター106に結合されている。ここでベルト駆動部を設けることも可能である。
【0044】
回転シャフト34及び枢動アーム70、72の内部領域によってスタブシャフト74、76は、それ自体公知の方法で、内部シャフト98の回転で、スタブシャフト74、76の関連する回転を生じさせるように内部シャフト98に結合されている。必要であれば、内部シャフト98と、スタブシャフト74、76との間の更なるギヤを、内部シャフト98の回転運動の速度増加又は速度減少のために用いてもよい。
【0045】
従って、内部シャフト98が、電動モーター106によって回転されるとき、スタブシャフト74、76の関連する回転、ひいては、枢動ラグ78、80の枢動回転を生じさせる。全体として、取付装置84は、こうしてスタブシャフト75、76で画成される第2枢動軸線108を中心に枢動される。
【0046】
従って、独立した駆動、すなわち、スピンドル駆動部94及び電動モーター106の結果、回転シャフト34及び内部シャフト98は、互いに独立して回転され得る。これは、取付装置84が、枢動軸線36又は枢動軸線108を、互いに独立した中心として枢動されることを可能とし、枢動軸線36及び枢動軸線108を、同時枢動する中心として枢動することも可能とする。
【0047】
従って、全体として、コンベヤーシステム10は、並進運動と、回転シャフト34の回転軸線36によって形成される第1枢動軸線36を中心とした第1枢動運動と、スタブシャフト75、76によって画成される第2枢動軸線108を中心とした第2枢動運動と、を組み合わせることによって形成される車体の移動シーケンスを実現することを可能とする。
【0048】
車体の並進運動のみ、第1枢動軸線36を中心とした枢動運動のみ、第2枢動軸線108を中心とした枢動運動のみ、又は、実行される各場合におけるそれらの運動の2つの組合せも可能である。
【0049】
結合レバー90は、共通平面に突出するとき、枢動アーム70、72との間に所定の角度を形成し、本発明に係る例示的実施形態においてこの角度は90°であり、
図4及び
図6の参照番号110で示される。スピンドル92が、可能な限りスピンドルハウジング96の内部に後退しているとき、枢動アーム70、72は、その自由端70a、72aがその最も高いポジションにあるものとみなせる。これは、
図4に示される。ガイドレール14の走行表面48の垂直ポジションは、例えば基準高さとして用いることができる。
【0050】
枢動アーム70、72の自由端70a、72aの最大到達高さは、結合レバー90及び枢動アーム70、72によって形成される角度110によって調整することができる。
【0051】
図6は、例えば、この角度110が、90°よりも小さく、約65°しかないコンベヤー搬送部18の変形例を示す。
図4の比較によって明瞭に示すように、枢動アーム70、72の自由端70a、72aは、ここで、スピンドル92が可能な限りスピンドルハウジング96に後退するとき、ガイドレール14の走行表面48との関係でより高く構成されている。