(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788903
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】レンチキュラー像形成物品、並びにレンチキュラー像形成物品におけるバンディングアーティファクトを減少させる方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G03B 35/00 20060101AFI20150917BHJP
G02B 27/22 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
G03B35/00 A
G02B27/22
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-548534(P2012-548534)
(86)(22)【出願日】2011年1月13日
(65)【公表番号】特表2013-517524(P2013-517524A)
(43)【公表日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】IL2011000046
(87)【国際公開番号】WO2011086558
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2013年12月17日
(31)【優先権主張番号】61/294,843
(32)【優先日】2010年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509239082
【氏名又は名称】ヒューマンアイズ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ゾメット, アッサフ
【審査官】
辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−236777(JP,A)
【文献】
特開2006−163278(JP,A)
【文献】
特開2005−258421(JP,A)
【文献】
特表2008−517313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 35/00
G02B 27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法であって、
プリンターの基準格子に従って、複数のバンドを有するインターレースされた合成画像を印刷すること、ただし、前記基準格子は、第一軸に対して平行である;
複数の小レンズの間に複数の平行なレンチキュラー線を有するレンチキュラーレンズシートを準備すること、ただし、前記レンチキュラー線の各々は、第二軸に対して平行である;
前記インターレースされた合成画像の解像度と前記レンチキュラーレンズシートのピッチとの関数に従って前記第一軸と前記第二軸との間の交差について鋭角を選択すること;及び
前記交差が前記鋭角を形成するように前記レンチキュラーレンズシートを配置して、前記インターレースされた合成画像の印刷解像度と前記レンチキュラーレンズシートの前記ピッチの間の不整合によって生じる減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インターレースされた合成画像は、ほぼ前記鋭角に傾斜された複数のバンドを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択することは、前記ピッチによって割られた前記解像度と前記鋭角のコサインの逆数との積が整数に等しくなるように前記鋭角を計算することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷することは、シアン版、マゼンタ版、イエロー版、及びブラック版を使用して前記インターレースされた合成画像を印刷することをさらに含み、各版は、インターレースされた合成画像のそれぞれのバージョンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を前記レンチキュラーレンズシート上に印刷することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を媒体上に印刷することを含み、前記配置することは、前記媒体を前記レンチキュラーレンズシートに取り付けることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの縁に対して傾斜されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品であって、
第一軸に対して平行に整列された複数の平行なレンチキュラー線によって分離された複数の小レンズを有するレンチキュラーレンズシート;及び
前記レンチキュラーレンズシートに面するように配置され、かつ第二軸に対して平行に整列されたプリンターの基準格子に従って印刷された、インターレースされた合成画像;
を含み、前記第一軸と前記第二軸との間の交差が、前記インターレースされた合成画像の解像度及び前記レンチキュラーレンズシートのピッチに適合された鋭角を形成することを特徴とするレンチキュラー像形成物品。
【請求項9】
前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの縁に対して傾斜されていることを特徴とする、請求項8に記載のレンチキュラー像形成物品。
【請求項10】
前記インターレースされた合成画像は、前記レンチキュラーレンズシートの側に印刷されていることを特徴とする、請求項8に記載のレンチキュラー像形成物品。
【請求項11】
前記インターレースされた合成画像は、前記レンチキュラーレンズシートの側に取り付けられた媒体上に印刷されていることを特徴とする、請求項8に記載のレンチキュラー像形成物品。
【請求項12】
前記レンチキュラー像形成物品は、前記第二軸に対して平行に整列された同様の基準格子中に印刷された別のインターレースされた合成画像に対して平行な複数の同様の小レンズを有する同様のレンチキュラー像形成物品と比較して減少されたバンディングアーティファクトを有することを特徴とする、請求項8に記載のレンチキュラー像形成物品。
【請求項13】
インターレースされた合成画像の印刷解像度とレンチキュラーレンズシートのピッチの間の不整合によって生じる減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品であって、
第一軸に対して平行に整列された複数の平行なレンチキュラー線によって分離された複数の小レンズを有するレンチキュラーレンズシート、ただし、前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの複数の縁に対して鋭角に傾斜されている;及び
前記レンチキュラーレンズシートに面するように印刷され、かつ第二軸に対して平行に整列されたプリンターの基準格子に従って印刷された、複数のバンドを有するインターレースされた合成画像、ただし、前記第二軸は、前記複数の縁の前記少なくとも二つに対して平行である;
を含むことを特徴とするレンチキュラー像形成物品。
【請求項14】
インターレースされた合成画像の印刷解像度とレンチキュラーレンズシートのピッチの間の不整合によって生じる減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー物品用のレンチキュラー合成画像を印刷する方法であって、
複数のシート横縁及び複数のレンチクルを有するレンチキュラーレンズシートを準備すること、ただし、前記複数のレンチクルは、第一軸に対して平行に整列されており、前記第一軸は、前記複数のシート横縁に対して鋭角に傾斜されている;
少なくとも一つの長方形オフセット版の複数の版横縁を前記複数のシート横縁に対して平行に切断すること;及び
前記少なくとも一つの長方形オフセット版を使用して、複数のバンドを有するインターレースされた合成画像を印刷すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を媒体上に印刷することを含み、前記方法は、前記レンチキュラーレンズシートを前記媒体に対して固定することをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を前記レンチキュラーレンズシートに対する前記媒体上に印刷することを含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記鋭角は、前記インターレースされた合成画像の解像度及び前記レンチキュラーレンズシートのピッチに適合されていることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
コンピューター可読プログラムコードを内部に有する少なくとも一つのコンピューター利用可能媒体を含むコンピュータープログラム製品であって、前記コンピューター可読プログラムコードは、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法を実施するために実行されるように適合されており、前記方法は、
プリンターの基準格子に従って、複数のバンドを有するインターレースされた合成画像を印刷するための印刷命令を生成すること、ただし、前記基準格子は、第一軸に対して平行である;
前記第一軸と第二軸との間の交差について鋭角を計算すること、ただし、前記第二軸は、レンチキュラーレンズシートの複数の小レンズの間の複数の平行なレンチキュラー線に対して平行であり、前記計算することは、前記インターレースされた合成画像の解像度と前記レンチキュラーレンズシートのピッチとの関数を使用して行われる;及び
前記交差が前記鋭角を形成するように前記レンチキュラーレンズシートを配置して、前記インターレースされた合成画像の印刷解像度と前記レンチキュラーレンズシートの前記ピッチの間の不整合によって生じる減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成することを命令すること
を含むことを特徴とするコンピュータープログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年1月14日に出願した米国特許出願第61/294843号の優先権を主張する。上記文献の内容は、本明細書に完全に記載されているように参考として組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ある実施態様においてレンチキュラー印刷に関し、より具体的には、レンチキュラー像形成物品、及びレンチキュラー像形成物品のようなレンチキュラー印刷製品におけるバンディングアーティファクト(banding artifact)を減少又は除去させる方法に関するが、これらに限定されない。
【0003】
レンチキュラー印刷は、様々な画像をインターレースすることによってインターレースされた合成画像を作成し、それをシートのようなレンチキュラーレンズ装置に取り付けてレンチキュラー像形成物品を形成させることからなるプロセスである。インターレースされた合成画像をデジタル的に処理する場合、様々な画像は、収集されて個々の異なるフレームファイルに平坦化され、次に本明細書においてインターレースと称されるプロセスにおいて単一の最終ファイルへとインターレースすることによってデジタル的に組み合わされる。レンチキュラー印刷は、動画を作成するために使用されることができ、例えば様々な層を異なる増分でオフセットすることによって、観察者に対して三次元(3D)効果を与えるために、又は観察者に対してモーション効果を与える様々なアニメーションフレームを与えるために、又はそれぞれが別の画像に変形するように観察者には見える一組の交互画像を与えるために使用されることができる。今日の世界の圧倒的多数のレンチキュラー画像を占める最も一般的なレンチキュラー印刷の方法の一つは、レンチキュラーレンズシートの下面に、インターレースされた合成画像を直接リソグラフ印刷することである。
【0004】
観察者に対する動画の効果の明確性を改良するために、いくつかのアーチファクトが減少されることができる。減少されるアーチファクトの一つは、バンディングである。ある場合には、バンディングアーティファクトは、移行がいくつかの場所で開始され、各開始点から隣りの方に進行するときに形成され、いくつかのカーテンが映像を交差しているような印象を与える。望まれないバンドは典型的に、レンズ方向に対して平行に出現する。バンディングは、印刷解像度(本明細書ではDと表示する)とレンチキュラーシートのピッチ(本明細書ではPと表示する)の間の不整合(つまり、D/Pが整数でない)のために生じうる。
【0005】
バンディングを減少させるための既知の方法の一つは、インターレースされた合成画像にぼけを追加することである。これは、例えば一組の入力画像のみならず一組の追加のいわゆるセパレーター画像をインターレースすることによって実施されることができる。これらのセパレーター画像は、例えば入力画像の平均化として作成される。セパレーター画像の使用は、視野間の混合を増大させ、従ってゴースト及びぼけを増大させ、バンディングアーティファクトの部分的な減少のみを提供することに注意すべきである。
【0006】
バンディングを減少させるための別の既知の方法は、印刷システムの解像度をレンチキュラーシートのピッチと整合するように修正することである。これは例えば、オフセット版セッターにおけるレーザードットの距離を変化させることによって実施されることができる。この方法は、可変解像度を有する印刷システムにおいてのみ実行可能である。
【発明の概要】
【0007】
本発明のある実施態様によれば、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法が提供される。この方法は、プリンターの基準格子に従って、インターレースされた合成画像を印刷すること、ただし、前記基準格子は、第一軸に対して平行である;複数の小レンズ(lenslets)の間に複数の平行なレンチキュラー線を有するレンチキュラーレンズシートを準備すること、ただし、前記レンチキュラー線の各々は、第二軸に対して平行である;前記インターレースされた合成画像の解像度と前記レンチキュラーレンズシートのピッチとの関数に従って前記第一軸と前記第二軸との間の交差について鋭角を選択すること;及び前記交差が前記鋭角を形成するように前記レンチキュラーレンズシートを配置することを含む。
【0008】
所望により、前記インターレースされた合成画像は、ほぼ前記鋭角に傾斜された(tilted in about)複数のバンドを有する。
【0009】
所望により、前記選択することは、前記ピッチによって割られた前記解像度と前記鋭角のコサインとの積が整数に等しくなるように前記鋭角を計算することを含む。
【0010】
所望により、前記選択することは、
複数の試行セッションにおいて前記鋭角を連続的に調整すること;
レンチキュラー像形成物品が前記複数の試行セッションに従って低いバンディングアーティファクトを有するときを、観察者が決定することを可能にすること;及び
前記調整された鋭角を前記観察者の決定に従って固定すること
を含む。
【0011】
所望により、前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を前記レンチキュラーレンズシート上に印刷することを含む。
【0012】
所望により、前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を媒体上に印刷することを含み、前記配置することは、前記媒体を前記レンチキュラーレンズシートに取り付けることを含む。
【0013】
所望により、前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの縁に対して傾斜されている。
【0014】
本発明のある実施態様によれば、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品が提供される。このレンチキュラー像形成物品は、第一軸に対して平行に整列された複数の平行なレンチキュラー線によって分離された複数の小レンズを有するレンチキュラーレンズシート;及び前記レンチキュラーレンズシートに面するように配置され、かつ前記第二軸に対して平行に整列されたプリンターの基準格子に従って印刷された、インターレースされた合成画像;を含み、前記第一軸と前記第二軸との間の交差が、前記インターレースされた合成画像の解像度及び前記レンチキュラーレンズシートのピッチに適合された鋭角を形成する。
【0015】
所望により、前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの縁に対して傾斜されている。
【0016】
所望により、前記インターレースされた合成画像は、前記レンチキュラーレンズシートの側に印刷されている。
【0017】
所望により、前記インターレースされた合成画像は、前記レンチキュラーレンズシートの側に取り付けられた媒体上に印刷されている。
【0018】
所望により、前記レンチキュラー像形成物品は、前記第二軸に対して平行に整列された同様の基準格子中に印刷された別のインターレースされた合成画像に対して平行な複数の同様の小レンズを有する同様のレンチキュラー像形成物品と比較して減少されたバンディングアーティファクトを有する。
【0019】
本発明のある実施態様によれば、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品が提供される。このレンチキュラー像形成物品は、第一軸に対して平行に整列された複数の平行なレンチキュラー線によって分離された複数の小レンズを有するレンチキュラーレンズシート、ただし、前記第一軸は、前記レンチキュラーレンズシートの複数の縁に対して鋭角に傾斜されている;及び前記レンチキュラーレンズシートに面するように印刷され、かつ前記第二軸に対して平行に整列されたプリンターの基準格子に従って印刷された、インターレースされた合成画像、ただし、前記第二軸は、前記複数の縁の前記少なくとも二つに対して平行である;を含む。
【0020】
本発明のある実施態様によれば、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー物品用のレンチキュラー合成画像を印刷する方法が提供される。この方法は、複数のシート横縁及び第一軸に対して平行に整列された複数のレンチクルを有するレンチキュラーレンズシートを準備すること、ただし、前記第一軸は、前記複数のシート横縁に対して鋭角に傾斜されている;少なくとも一つの長方形オフセット版の複数の版横縁を前記複数のシート横縁に対して平行に切断すること;及び前記少なくとも一つの長方形オフセット版を使用して、インターレースされた合成画像を印刷することを含む。
【0021】
所望により、前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を媒体上に印刷することを含み、前記方法は、前記レンチキュラーレンズシートを前記媒体に対して固定することをさらに含む。
【0022】
所望により、前記印刷することは、前記インターレースされた合成画像を前記レンチキュラーレンズシートに対する前記媒体上に印刷することを含む。
【0023】
所望により、前記鋭角は、前記インターレースされた合成画像の解像度及び前記レンチキュラーレンズシートのピッチに適合されている。
【0024】
本発明のある実施態様によれば、コンピューター可読プログラムコードを内部に有する少なくとも一つのコンピューター利用可能媒体を含むコンピュータープログラム製品であって、前記コンピューター可読プログラムコードは、減少されたバンディングアーティファクトを有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法を実施するために実行されるように適合されているコンピュータープログラム製品が提供される。前記方法は、プリンターの基準格子に従って、インターレースされた合成画像を印刷するための印刷命令を生成すること、ただし、前記基準格子は、第一軸に対して平行である;レンチキュラーレンズシートの複数の小レンズの間の複数の平行なレンチキュラー線に対して平行な前記第一軸と前記第二軸との間の交差について鋭角を計算すること、ただし、前記計算することは、前記インターレースされた合成画像の解像度と前記レンチキュラーレンズシートのピッチとの関数を使用して行われる;及び前記交差が前記鋭角を形成するように前記レンチキュラーレンズシートを配置することを命令することを含む。
【0025】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語及び/又は科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料と類似又は同等である方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法及び実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0026】
本発明の実施態様の方法及び/又はシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的に又はそれらを組み合わせて実行又は完了することを含んでいる。さらに、本発明の方法及び/又はシステムの実施態様の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。
【0027】
例えば、本発明の実施態様による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップ又は回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施態様により選択されたタスクは、コンピューターが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施態様において、本明細書に記載される方法及び/又はシステムの例示的な実施態様による1つ以上のタスクは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットフォームで実行される。所望により、データプロセッサは、命令及び/又はデータを格納するための揮発性メモリ、及び/又は、命令及び/又はデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、及び/又は取り外し可能な記録媒体)を含む。所望により、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイ及び/又はユーザー入力装置(例えば、キーボード又はマウス)も、所望によりさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書では本発明のいくつかの実施態様を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施態様を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施態様を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【0029】
【
図1】
図1は、本発明のある実施態様による、減少されたバンディング効果を有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法の模式図である。
【0030】
【
図2A】
図2Aは、本発明のある実施態様による配置の模式図であり、そこでは、インターレースされた合成画像とレンチキュラーレンズシートが、一方が他方の上になるように配置されている。
【0031】
【
図2B】
図2Bは、本発明のある実施態様による例示的なインターレースされた合成画像である。
【0032】
【
図3】
図3は、本発明のある実施態様による、像形成格子を制限するオフセット版の模式図である。図中、インターレースされた画像を形成するためのデータを含む領域がマークされている。
【0033】
【
図4】
図4は、本発明のある実施態様による、縁に対して傾斜された小レンズを有するレンチキュラーレンズシートの模式図である。
【0034】
【
図5】
図5は、本発明のある実施態様による、レンチキュラー像形成物品を作成するための装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、ある実施態様においてレンチキュラー印刷に関し、より具体的には、レンチキュラー像形成物品、及びレンチキュラー像形成物品のようなレンチキュラー印刷製品におけるバンディングアーティファクトを減少又は除去させる方法に関するが、これらに限定されない。
【0036】
本発明のある実施態様によれば、レンチキュラーレンズシートと、プリンターの基準格子に従って印刷された、インターレースされた合成画像を有するレンチキュラー像形成物品が提供される。前記インターレースされた合成画像は、レンチキュラーレンズシートの小レンズに対して平行な軸と、基準格子の一つ以上の軸に対して平行な別の軸との間の交差において鋭角(α)が形成されるようにレンチキュラーレンズシートに面するように配置される。所望により、レンチキュラーレンズシート及びインターレースされた合成画像は、相互に堅固に固定される。所望により、インターレースされた合成画像のインターレースされたバンドは、レンチキュラーレンズシートの小レンズの傾斜角度と整合するように、例えばほぼ鋭角に傾斜される。鋭角は、レンチキュラー像形成物品のバンディングアーティファクトを減少させるように設定される。所望により、鋭角は、レンチキュラーレンズシートのピッチ(P)及びインターレースされた合成画像の解像度(D)に従って、D/(P×cos(α))が整数になるように設定される。
【0037】
鋭角は、所望により印刷システムの解像度を変化又は適合させることなしに、レンチキュラー像形成物品からバンディング効果を減少又は除去させる。これは、固定された解像度で印刷システム(例えばインクジェット印刷システム、オフセット印刷システム及びハロゲン化銀デジタル印刷システム)においてレンチキュラー像形成物品を印刷することを可能にする。
【0038】
本発明のある実施態様によれば、かかるレンチキュラー像形成物品を作成する方法が提供される。この方法は、プリンターの基準格子に従って印刷される、インターレースされた合成画像を、それが、複数の小レンズの間に複数の平行なレンチキュラー線を有するレンチキュラーレンズシートに面するように配置することに基づいている。インターレースされた合成画像は、基準格子の軸の一つに対して平行な軸と、小レンズに対して平行な別の軸との間の交差が鋭角を形成するように配置される。
【0039】
本発明のある実施態様によれば、インターレースされた合成画像とレンチキュラーレンズシートを含むレンチキュラー像形成物品が提供される。レンチキュラーレンズシートは、平行に整列されて傾斜された平行なレンチキュラー線によって分離された、傾斜された小レンズを有する。傾斜された小レンズ、及び所望によりインターレースされた合成画像のバンドは、レンチキュラーレンズシートの複数の縁に対して鋭角に傾斜される。レンチキュラー像形成物品の形成中、インターレースされた合成画像は、プリンターの基準格子に従って印刷される。印刷は、インターレースされた合成画像が上に印刷される及び/又はインターレースされた合成画像が取り付けられるレンチキュラーレンズシートの縁のうちの二つに対して基準格子の軸のうちの一つが平行になるように行われる。
【0040】
本発明の少なくとも一つの実施態様を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示されるか、及び/又は図面及び/又は実施例において例示される構成要素及び/又は方法の組み立て及び構成の細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施態様が可能であり、又は様々な方法で実施又は実行されることが可能である。
【0041】
まず、
図1を参照する。
図1は、本発明のある実施態様による、減少されたバンディング効果を有するレンチキュラー像形成物品を作成する方法の模式図である。
【0042】
まず、101に示されるように、画像が受け取られる。画像は、典型的な時空信号(例えば、一連の連続的に配列された画像、映像シーケンス、又はいかなる他の一連の連続画像)などのシーケンスからとられることができる。画像は、動画を作成するように選択されることができる。動画は、例えば、インターレースされたときに観察者に三次元(3D)効果を与えるように選択された一組のオフセット画像、インターレースされたときに観察者にモーション効果を与える一つ以上の移動する物体の様々なフレーム、及び/又はインターレースされたときにそれぞれが別の画像に変形するように観察者に見えるように選択された一組の交互画像であることができる。画像は、記憶装置から抽出されるか、画像形成装置によって捕捉されるか、遠隔サーバーから受け取られるか、ユーザーによって選択されるか、及び/又はユーザーによって作成されることができる。
【0043】
次に、102に示されるように、与えられた画像はインターレースされて、インターレースされた合成画像(レンチキュラー画像としても知られる)を形成する。インターレースすることは、103で示されるように与えられたレンチキュラーレンズシートのレンチクルの傾斜角度と整合するように所望により行われる。換言すれば、インターレースされた合成画像は、そのストリップが、印刷システム(本明細書ではプリンターとも称される)の基準格子(本明細書では画像格子とも称される)に対して傾斜され、レンチキュラーレンズシートのレンチクルの方向に整合するように配列される。インターレースされた合成画像201は、基準格子に従って印刷される。オフセット印刷(例えばKBA Karat(商標))及びデジタル印刷(例えばFujifilm Frontier(商標)及びHP Indigo(商標)7000)のような印刷システムにおいて、基準格子は、基準格子上に点を刻印するレーザービームによって典型的に実行され、次に印刷物が、インプレッション(impression)によって又は化学的プロセスによって、刻印された点に従って形成される。インクジェットプリンターにおいて、基準格子は、印刷ヘッドのアレイによって及びそれらの移動工程によってあるシステムで実現される。インターレースされた合成画像の印刷されたバンドは、例えば以下にさらに記述されるようにプリンターの基準格子に対して所望により傾斜される。
【0044】
所望により、インターレースされた合成画像201の形成は、明度、強度又は色を基準格子上の一組の位置に割り当てることを含む。
【0045】
103に示されるように、インターレースされた合成画像のバンド幅に所望により適合されたレンチキュラーレンズシートが与えられる。本明細書で使用されるように、レンチキュラーレンズシートは、小レンズのアレイのようないかなる画像分離マスクも意味し、これは、所望により拡大し、所望により円筒形であり、わずかに異なる角度の視点から見られた場合、シートに対して平行な平面の異なるセグメントからの光が視点に向けられるように所望により設計されている。レンチキュラーレンズシートは、各々がレンチキュラーレンズシートの二つの小レンズの間で分離する複数の平行なレンチキュラー線を有する。平行なレンチキュラーレンズシート及び小レンズは、所望により共通の軸に対して平行である。
【0046】
次に、104に示されるように、レンチキュラーレンズシートは、レンチキュラー線及び/又は小レンズが、インターレースされた合成画像を印刷するプリンターの基準格子の軸の一つに対して鋭角の傾斜角度で傾斜されるように配置される。配置は、インターレースされた合成画像をレンチキュラーレンズシートの表面上に印刷する前にレンチキュラーレンズシートを整列させることによって、又はインターレースされた合成画像が上に印刷される媒体に対してレンチキュラーレンズシートを整列させることによって行われる。明確さのために、次に
図2Aを参照する。
図2Aは、本発明のある実施態様による配置200の模式図であり、そこでは、インターレースされた合成画像201とレンチキュラーレンズシート202が、一方が他方の上になるように配置されている。この配置200において、インターレースされた合成画像201は、レンチキュラーレンズシート202のレンチキュラーレンズ204に対して平行である別の軸と共に鋭角(例えば、45°未満の鋭角)を形成する軸(例えば数字203としてマークされる軸)を有する基準格子210に従って印刷される。この例示的な配置200において、インターレースされた合成画像201は画素化(pixelated)される。数字205は、例示的画素の幅を示す。上述のように、インターレースされた合成画像201は、複数のバンドを含む。所望により、バンドはレンチキュラーレンズシート202のレンチキュラーレンズ204の傾斜角度と整合するように傾斜される。例えば、
図2Bは、220のようなバンドを有する例示的なインターレースされた合成画像を示し、これらは、レンチキュラーレンズシート202のレンチキュラーレンズ204の角度(例えば、上述の鋭角)と整合するように傾斜される。明確さのために、示されたレンチキュラーレンズシートは実質的に垂直のレンチキュラーレンズを有するが、本明細書の教示は、実質的に水平のレンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシートにも言及することに注意すべきである。
【0047】
傾斜角度は、それがバンディングアーティファクトを減少するように選択される。例えば、
図2においてαで示される傾斜角度は、以下のように選択される:
式中、Dは、最終のインターレースされた合成画像201の解像度を示し、Pは、レンチキュラーレンズシート202の小レンズのピッチを示し、Ωは、一組の整数を示す。方程式1に基づいて、1/Pは、cos(α)によって割られたとき、1/Dに対して予め規定された関係を有し、1/Dの整数倍である。
【0048】
方程式1に従うため、最初のインターレースされた合成画像は、Pの整数倍である解像度Sで所望により形成される。例えば以下に示すようなこの最初のインターレースされた合成画像のラッピングは、201のような最終のインターレースされた合成画像を作成することを可能にする。かかる解像度Sは、以下のように規定されることができる:
式中、ceil()は、正の数をそれに最も近い整数に丸める天井関数を示す。acos()は、コサイン関数cos()の逆数である。kは、所望により0に設定される負でない整数を示す。
【0049】
これは、角度αによる回転を含めるための最初のインターレースされた合成画像のラッピング、及び解像度Dで最終のインターレースされた画像201を作成するためのスケーリングを可能にする。例えば、解像度Sが使用された場合、回転とスケーリングとを組み合わせるラップマトリックスは、以下の方程式によって与えられる:
【0050】
明らかにすると、ラップにおけるスケーリング成分は、画像解像度のSからDへの変化を可能にする。
【0051】
代替的に、αは、試行及び誤差手順を含む較正プロセスに従って選択され、その手順では配置が様々な傾斜角度で設定され、観察者が、実質的にバンディングアーティファクトを減少させる傾斜角度を選択する。例えば、傾斜角度は、レンチキュラー像形成物品が低いバンディングアーティファクトを有するときを観察者が検出することを可能にするために複数の試行セッションにおいて連続的に調整されることができる。これは、観察者の観察に従って鋭角を固定することを可能にする。
【0052】
インターレースされた合成画像及びレンチキュラーレンズシート202は、手動で、自動的に及び/又は半自動的に相互に対して配置される。配置が半自動的な態様で行われる場合、ある実施態様では、機械的要素がレンチキュラーレンズシート202を、インターレースされた合成画像201に取り付け、次に、観察者がそれらの間の傾斜角度を所望により調整する。
【0053】
所望により、この配置では、105に示されるように、インターレースされた合成画像は、レンチキュラーレンズシートの上部に堅固に固定される(例えば、レンチキュラーレンズシート上に印刷されるか及び/又はレンチキュラーレンズシートに取り付けられる)。
【0054】
レンチキュラーシートへのインターレースされた合成画像201の固定は、インターレースされた合成画像201をプリンターの基準格子に従って、上述のように、レンチキュラーレンズシート202の平坦な側上に直接印刷することによって、及び/又はインターレースされた合成画像201を何らかの媒体上の基準格子中に印刷することによって及び/又は媒体をレンチキュラーレンズシート202に(例えばラミネーションによって)取りつけることによって実行されることができる。
【0055】
本発明のある実施態様によれば、インターレースされた合成画像201は、オフセット印刷によってレンチキュラーレンズシート202上に印刷され、そこでは、レンチキュラーレンズシート202とインターレースされた合成画像201との間の傾斜角度は、例えばインターレースされた合成画像201を、レンチキュラーレンズシート202上に印刷する前に、又はレンチキュラーレンズシート202に取り付けられる媒体上に印刷する前に、
図3に示されるように、インターレースされた合成画像201の基準格子を回転させることによって形成される。
図3は、基準格子302を制限するオフセット版301を示し、そこでは、映像データ304を制限する領域303が、インターレースされた画像を形成するための切断を行うように規定されている。まず、オフセット版は、版セッターにおいて、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックについての四つの版301であって、各々が例えば方程式3に記載されるように、ラップされかつインターレースされた合成画像304のそれぞれのバージョンを含む四つの版301において作成される。次に、版の横縁が、角度αによって傾斜された切断長方形として、インターレースされた合成画像304の横縁に対して平行に切断される。所望により、版301は、全ての版301の一貫した切断のために、まとめて切断される。次に、版301は、オフセットプレスの機構に応じてプレスのシリンダー上に装着される。ある実施態様では、これは、版中に穴を開け(図示せず)、折り畳むことを含む。
【0056】
本発明のある実施態様では、レンチキュラーレンズシートは、印刷が行われる前に切断されて、レンチキュラーレンズシートの縁と小レンズの方向との間に鋭角αを作り出す。例えば、
図4は、本発明のある実施態様によるレンチキュラーレンズシートの模式図である。所望により、かかるレンチキュラーレンズシートは、オフセットプレスのような印刷装置中に供給されて、その平坦な側上へのインターレースされた合成画像201の印刷を可能にする。他の実施態様では、画像は、紙やステッカーなどの媒体上に印刷され、これは次に、小レンズの縁と、インターレースされた合成画像を印刷するプリンターの基準格子の軸の一つとの間の交差が鋭角の傾斜角度を形成するようにレンチキュラーレンズシートにラミネート又は接着される。
【0057】
次に、
図5を参照する。
図5は、本発明のある実施態様による、インターレースされた合成画像とレンチキュラーレンズシートを含むレンチキュラー像形成物品を作成するための装置50の模式図である。装置50は、一組の画像を受け取る入力ユニット53を含む。本明細書で使用されるように、「一組」は、典型的な時空信号(例えば、一連の連続的に配列された画像、映像シーケンス、又はいかなる他の一連のもしくは一群の画像)を意味する。装置50は、受け取られた画像をインターレースしてそこから(例えば上述のようにして)インターレースされた合成画像を印刷する、インターレースモジュール57を含む。インターレースモジュール57は、特定の種類のインターレースされた画像を生成するものに限定されず、三次元画像のような様々なレンチキュラー印刷用途において使用されることができることに注意すべきである。さらに、以下に開示される実施態様はレンチキュラービューイング、印刷、及び/又は画像に関して記載されているが、それらは、レンチキュラービューイング、印刷、及び/又は画像に限定されず、他の用途及び技術のためにも使用されることができることに注意すべきである。装置50は、レンチキュラー像形成物品プリンターのようなレンチキュラー像形成物品生成ユニット55と連通するインターフェース56をさらに含む。所望により、レンチキュラー像形成物品生成ユニット55は、インターレースされた合成画像をレンチキュラーレンズシート上に又は媒体上に印刷するように設定され、媒体は、次にレンチキュラーレンズシートに取り付けられる。装置50は、レンチキュラーレンズシートの小レンズと、印刷プリンターの基準格子の軸のうちの一つとの間の交差についての標的角度を既定するための角度計算モジュール54をさらに含み、前記基準格子に従って、インターレースされた合成画像がレンチキュラー像形成物品生成ユニット55によって印刷される。計算は、上述のようにして行われることができる。鋭角は、使用時にレンチキュラー像形成物品生成ユニット55が、例えば
図2Aに示された方法に関して上述したように注入に従って、標的角度を有するレンチキュラー像形成物品を生成するように、レンチキュラー像形成物品生成ユニット55へとインターフェース56によって所望により転送される。例えば、角度計算モジュール54は、インターレースされた合成画像の印刷画像格子の配向又はレンチキュラーレンズシートの供給を命令することができる。
【0058】
本出願から成熟する特許の存続期間の期間中には、多くの関連するシステム及び方法が開発されることが予想され、画像、オフセットプレス、デジタルプリンター、及び計算ユニットの用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に包含することが意図される。
【0059】
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
【0060】
用語「含む(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、及びそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。この用語は、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。
【0061】
表現「から本質的になる」は、さらなる成分及び/又は工程が、特許請求される組成物又は方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物又は方法がさらなる成分及び/又は工程を含み得ることを意味する。
【0062】
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」及び「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」又は用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
【0063】
用語「例示的」は、本明細書では「例(example,instance又はillustration)として作用する」ことを意味するために使用される。「例示的」として記載されたいかなる実施態様も必ずしも他の実施態様に対して好ましいもしくは有利なものとして解釈されたりかつ/又は他の実施態様からの特徴の組み入れを除外するものではない。
【0064】
用語「所望により」は、本明細書では、「一部の実施態様に与えられるが、他の実施態様には与えられない」ことを意味するために使用される。本発明のいかなる特定の実施態様も対立しない限り複数の「所望による」特徴を含むことができる。
【0065】
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上及び簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5及び6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
【0066】
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数又は整数)を含むことが意味される。第1の示された数字及び第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、及び、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数及び整数とを含むことが意味される。
【0067】
明確にするため別個の実施態様の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施態様に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個に又は適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施態様において好適なように提供することもできる。種々の実施態様の文脈において記載される特定の特徴は、その実施態様がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施態様の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。
【0068】
本明細書で挙げた刊行物、特許及び特許出願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。