(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788912
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】電動車両用バッテリを接続するためのシステムおよび関連付けられたバッテリセット
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20060101AFI20150917BHJP
B60L 3/00 20060101ALI20150917BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20150917BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20150917BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60L3/00 S
H01M10/42 P
H02J7/00 P
B60L11/18 Z
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-554390(P2012-554390)
(86)(22)【出願日】2011年2月4日
(65)【公表番号】特表2013-527067(P2013-527067A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】FR2011050225
(87)【国際公開番号】WO2011104460
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2014年2月3日
(31)【優先権主張番号】1051316
(32)【優先日】2010年2月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ジャフレジーク, グザヴィエ
【審査官】
芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−172190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60L 3/00
B60L 11/18
H01M 10/42
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両を推進するための少なくとも1つの電気モータに動力を供給するように設計され、かつ、前記車両に設けられたコンパートメント(2)に収容されるように設計されたバッテリパック(4)のための接続システム(20)であって、
各バッテリ(5)は、論理処理部(24)と、通信モジュール(25)と、前記モータへの接続のための接続手段(27)とを含み、
前記車両は、固定された補助バッテリに接続された論理処理部(30)と、各バッテリ(5)の前記通信モジュール(25)と通信することができる通信モジュール(31)と、前記バッテリ(5)を固定して適切な位置で動かないようにするための手段とを含み、
接続システム(20)は、各バッテリ(5)を固定して適切な位置で動かないようにするための前記手段の状態を検出することができ前記バッテリの各々に関連付けられている第2の検出手段(26、32)を含み、
さらに接続システム(20)は、前記コンパートメント(2)を固定かつ閉鎖するための手段と、前記コンパートメント(2)を固定かつ閉鎖するための前記手段の状態を検出することができ、前記車両に関連付けられている第1の検出手段(32)とを含む、
接続システム(20)。
【請求項2】
請求項1に記載の接続システムにおいて、前記接続手段(27)が、前記車両の前記電気モータに前記バッテリを接続することができる機械作動素子を含む、接続システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の接続システムにおいて、前記接続手段(27)が、前記車両の前記電気モータに前記バッテリを接続することができる電気作動素子を含む、接続システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、前記バッテリ(5)および前記車両の前記通信モジュール(25、31)が、光学データ交換手段を含む、接続システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の接続システムにおいて、前記バッテリ(5)および前記車両の前記通信モジュール(25、31)が、電波送受信手段を含む、接続システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続システム用のバッテリパック(4)であって、電動車両を推進するための少なくとも1つの電気モータに動力を供給するように設計され、各バッテリ(5)が、論理処理部(24)と、通信モジュール(25)と、前記車両への接続のための接続手段(27)と、前記各バッテリ(5)が固定され適切な位置で動かないようにされていることを検出するための検出手段(26)とを含む、バッテリパック(4)。
【請求項7】
請求項6に記載のバッテリパックにおいて、前記接続手段(27)が、前記車両の前記電気モータに前記バッテリ(5)を接続することができる作動素子を含む、バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられたコンパートメントに収容されるように設計されたバッテリを含む、電気的に推進される電動車両に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、電動車両の電気モータにバッテリを接続するための接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
今日、電動車両の中にあるバッテリの走行距離は比較的短い。消費者のニーズに応えるため、バッテリは、電気がなくなった際、迅速に交換するため脱着可能となるように修正されている。バッテリはバッテリパックの中に配置され、次いで、車両の床の下に位置する専用コンパートメントに挿入される。したがって、より長い走行距離を車利用者に提供するように、バッテリが放電した際、これらを迅速に取り替えるために接近し易くなければならない。この取り替え作業は、迅速で、かつ完全に保護されなければならない。
【0004】
この目的を達成するために、従来技術において既に試みがなされている。
【0005】
この点において、電動車両中のバッテリパックを容易かつ迅速に入れ替えできる装置を提案している仏国特許第2798342号明細書を参照することができる。バッテリパックは電動車両のシャシの下に挿入され、次いで、フックにより適切な位置で動かないようにされる。スマートカードはバッテリパック上に位置しており、バッテリパックを充電するコストを確認することができる。この明細書によると、バッテリと、車両の電気モータとの間に得られるべき保護された電気接続が得られない。
【0006】
また、電動車両のシャシの下に設けられたコンパートメントへのバッテリの挿入、および、コンパートメント中にバッテリを固定するための手段を記述している国際公開第02/04275号明細書を参照することができる。バッテリがコンパートメントに挿入されている場合、その端子は車両の電気手段に接触しているため、バッテリと車両との間のエネルギー交換が可能となる。バッテリがコンパートメントに挿入されている場合、バッテリと車両とが電気的に接続している。バッテリが電気モータへ電気的に接続される前には、バッテリが適切な位置で動かないようにされ、固定されていることの確認は行われない。
【0007】
従来技術で提案された解決策では、完全に保護されたバッテリ取り替え作業を実行することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、これらの欠点を軽減し、バッテリが適切に位置付けされず、車両中の専用コンパートメントに固定されていない場合、バッテリと車両との間のエネルギー交換を最小化し、かつバッテリを短絡させる危険を最小化するために、迅速で、自動化され、保護されたバッテリパック接続システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、本発明は、電動車両を推進するための少なくとも1つの電気モータに動力を供給するように設計され、かつ、車両に設けられたコンパートメントに収容されるように設計されたバッテリパックのための接続システムに関する。
【0010】
各バッテリは、論理処理部と、通信モジュールと、モータへの接続のための接続手段とを含む。車両は、固定された補助バッテリに接続された論理処理部と、各バッテリの通信モジュールと通信することができる通信モジュールと、バッテリを固定して適切な位置で動かないようにするための手段とを含む。バッテリは、それ自身のエネルギーを使用して通信モジュール間の通信を提供する。このように、バッテリが車両の通信モジュールから許可信号を受け取るまで、バッテリと車両との間でエネルギー交換は起こらない。
【0011】
接続システムはまた、コンパートメントを固定かつ閉鎖するための手段と、車両に関連付けられた第1の検出手段とを含む。第1の検出手段は、コンパートメントを固定かつ閉鎖するための手段の状態を検出することができる。
【0012】
有利には、接続システムは、バッテリの各々、および/または、車両に関連付けられた第2の検出手段を含む。第2の検出手段は、各バッテリを固定して適切な位置で動かないようにするための手段の状態を検出することができる。このように、接続システムの安全性は、バッテリを適切な位置に固定して動かないようにするための手段を二重チェックすることにより向上する。
【0013】
接続手段は、車両の電気モータにバッテリを接続することができる機械作動素子を含んでもよい。その機械素子はマイクロアクチュエータタイプであってもよい。
【0014】
接続手段は、車両の電気モータにバッテリを接続することができる電気作動素子を含んでもよい。その電気素子は継電器タイプであってもよい。
【0015】
有利には、バッテリおよび車両の通信モジュールは、光学データ交換手段を含んでもよい。
【0016】
バッテリおよび車両の通信モジュールはまた、電波送受信手段を含んでもよい。
【0017】
第2の態様によれば、本発明は、電動車両を推進するための少なくとも1つの電気モータに動力を供給するように設計されたバッテリパックに関する。各バッテリは、論理処理部と、通信モジュールと、車両への接続のための接続手段とを含む。
【0018】
有利には、各バッテリは、それ自身が固定され適切な位置で動かないようにされていることを検出するための検出手段を含む。
【0019】
接続手段は、車両の電気モータにバッテリを接続することができる機械作動素子または電気作動素子を含んでもよい。
【0020】
バッテリパックおよび車両の通信モジュールは、光学データ交換手段または電波送受信手段を含んでもよい。
【0021】
本発明の他の目的、特徴および利点は、非限定的例としてのみ示し、添付図面を参照して以下に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるバッテリパックが取り付けられた車両シャシの断面図を非常に概略的に示す。
【
図4】本発明による、車両にバッテリを接続するためのシステムの主要な要素を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示した車両のシャシ1は、車両の床3の下に固定されたコンパートメント2を含む。手段7を用いて車両に固定された接続手段6により電気的にバッテリ5を接続するために、コンパートメント2はバッテリ5のパック4を収容するように作られている。接続手段6aは陽極に相当し、接続手段6bは陰極に相当する。バッテリ5は、非限定的例として、2列に置いてもよい。しかしながら、エネルギー所要量応じて、コンパートメント2の中に、2列を超える多数の列のバッテリ5を挿入することを構想することは可能である。
【0024】
バッテリパック4は、コンパートメント2を閉鎖するための手段8により、コンパートメント2に密閉される。
【0025】
各バッテリ5は、端子9および通信手段10を含む。端子9は合計2つある。端子の一方である9aは陽極に相当し、もう一方の端子9bは陰極に相当する。車両に位置する接続手段6aおよび6bは合計2つあり、それぞれ、バッテリ5の各々の陽極およびバッテリ5の各々の陰極に接触している。次いで、これらの接続手段6aおよび6bは、電気的に車両を推進するために、車両の電気モータの電源(図示せず)に連結されている。
【0026】
通信手段10は、
図3を検討する時にわかるように、論理処理部に接続された通信モジュールを含む。通信手段10の論理処理部は、脱着可能なバッテリ5のうちの1つに固定されているため、「可動」と呼ばれる。バッテリ5は、それら自身のエネルギーを使用して通信手段10に動力を供給する。
【0027】
車両のシャシ1はまた、コンパートメント2と前記車両の車体構造13との間のハウジング12に位置する通信手段11を含む。通信手段11は支持体14に固定され、
図3を検討する時にわかるように、通信モジュールおよび論理処理部を含む。車両の通信モジュールは各バッテリ5の上に位置する各通信モジュールと通信するように構成されている。通信手段9の通信モジュールは、車両に位置しているために「固定された」と呼ばれる論理処理部に接続されている。車両は、バッテリ5とエネルギー交換せずに通信手段11を作動可能とする固定された補助バッテリ(図示せず)を含む。
【0028】
図2は、
図1のII−IIに沿ったシャシ1の断面図を示す。バッテリ5は、非限定的例として、合計6つある。バッテリ5の各々は2つの端子9aおよび9bを含む。車両に位置する接続手段6aおよび6bは接触棒であり、バッテリ5の陽極6aおよびバッテリ5の陰極6bにそれぞれ接触している。次いで、これらの接続手段6aおよび6bは、車両を電気的に推進するために、車両の電気モータの電源(図示せず)に連結されている。
【0029】
通信手段10および11は、電波送受信手段(図示せず)を含んでもよい。この実施形態では、外部波が通信手段10および11を妨害できないように、保護され、かつ暗号化されたプロトコルの確立を必要とする。
【0030】
図3で示した実施形態では、通信手段10および11は、例として、光学データ交換手段(図示せず)を含んでもよい。バッテリ5がコンパートメント2に正しく配置されている場合に限り、データ交換が起こるように、各バッテリはウィンドウ10を含み、そのウィンドウを介して光学手段(図示せず)は車両に位置するlia光学手段とデータを交換することができる。コンパートメント2がウィンドウ15を含み、バッテリパック4もまたウィンドウ16を含む場合のみ、データ交換が可能である。ウィンドウ10、16、15およびlia光学手段は同軸上にあり、光学データストリームが通過できるようになっている。通信手段11は合計2つあり、2列のバッテリ5と通信できるようになっている。
【0031】
バッテリ5が正しく位置していない場合、通信は可能でないため、光学データ交換手段を介したバッテリ5と車両との間の通信により、バッテリ5が適切な位置で動かないようにされていることを二重に安全確保する。さらに、光の存在は、光学手段を用いて容易に検出される。このように、コンパートメント2が適切に閉鎖しているかを検出するのは容易である。
【0032】
ここで一例として、車両にバッテリパックを接続するための接続システムの主要な要素を示す
図4を参照すると、接続システム20は、各バッテリ5に関連付けられたモジュール21および車両に関連付けられたモジュール22を含む。
【0033】
モジュール21は、作動手段23と、可動論理処理部24と、通信モジュール25と、バッテリ5が固定され適切な位置で動かないようにされているかを検出するための検出手段26と、車両の電気モータにバッテリ5を接続するための電気接続手段27とを含む。バッテリパック4が
図2で示したコンパートメント2にはめ込まれている場合、作動手段23は、接触器28およびバッテリ5用の電源29を介して可動論理処理部24に動力を供給する。
【0034】
モジュール22は、固定された論理処理部30と、通信モジュール31と、コンパートメント2の固定および閉鎖、ならびに、バッテリ5の固定を検出するための検出手段32とを含む。通信モジュール25は通信モジュール31と通信することができる。
【0035】
バッテリは、非限定的例として、手動で固定することができる。しかしながら、固定は電気機械式とすることもできる。バッテリ5を固定して適切な位置で動かないようにしている状態は、車両およびバッテリと、車両とバッテリの両方もしくは車両またはバッテリによって確認される。コンパートメント2の閉鎖および固定の状態は、車両によってのみ確認される。コンパートメント2の閉鎖および固定の状態がバッテリ5の各々によっても確認されることは構想可能である。
【0036】
バッテリ5が車両の外部にある場合、接続手段27は作動しない。このように、取り扱いおよび短絡の危険を防ぐことができる。バッテリ5のエネルギーによって動力が供給される可動論理処理部24もまた、バッテリの不必要な放電を防ぐために車両の外側では作動しない。
【0037】
バッテリパック4がコンパートメント2に挿入されている場合、作動手段23は接触器28を介して可動論理処理部24を作動させる。可動論理処理部24は、バッテリ5の通信モジュール25と車両の通信モジュール31との間の通信を確立する。通信モジュール25は、接続手段27が作動できるかを確認するために、通信モジュール31へ要求を出す。接続するための許可が通信モジュール31から得られるまで、その要求は連続ループで出される。通信モジュール25および31の各々は、対応するバッテリ5が正しく固定され、コンパートメント2の中に適切な位置で動かないようにされていることを確認する。バッテリ5が固定され適切な位置で動かないようにされていることを検出するための検出手段26および32は、それぞれ通信モジュール25および31に、バッテリ5が固定され、位置付けされた状態を反映する信号を送る。検出手段32によっても、コンパートメント2が固定され閉鎖されている状態を確認することができる。
【0038】
通信モジュール31は、コンパートメント2が固定および閉鎖されているという信号を受け取ると、通信モジュール25によって送信された要求に肯定的に応答する。一旦肯定応答が通信モジュール25によって受信され、かつ、一旦通信モジュール25もまた、バッテリ5が適切な位置に固定され動かないようにされている状態を反映する信号を、手段26を介して受け取ると、通信モジュール25は接続手段27を作動させる。接続手段27により、車両の電気モータへのバッテリ5の接続Cが可能となる。
【0039】
接続手段27はいくつかのタイプであってもよい。非限定的例として、
図1、
図2および
図3に示したバッテリは、露出した端子9を備えたバッテリ5である。本実施形態では、バッテリ5の端子9aおよび9bは不活性で、エネルギーを交換しない。この場合、接続手段27は、端子9aおよび9bに動力を供給し、車両の電気モータへバッテリ5を電気的に接続Cするための継電器からなってもよい。
【0040】
しかしながら、マスクされた活性端子を備えたバッテリを使用することを構想してもよい。本実施形態では、接続手段27は、バッテリの端子を露出させるようにそれらを作動させるために使用する、マイクロアクチュエータを含んでもよい。後者の実施形態は、取り扱い中、バッテリの端子を保護するという利点を有する。
【0041】
以上で記述してきた本発明によって、電動車両を推進するための電気モータに動力を供給するように設計されたバッテリパックの接続は、保護され、迅速であり、自動化される。本発明により、ヒートエンジンを用いた場合と同程度の長い走行距離を有するように、電動車両のユーザーはバッテリを簡単かつ迅速に交換することができる。バッテリの各々および車両は、すべての安全パラメータが、車両によって、および/またはバッテリの各々によって、確認された場合に限り電気モータにバッテリを接続するように互いに通信する、スタンドアロンシステムであると考えられる。このように、電気がなくなったバッテリの充電済バッテリとの取り替えは、完全に保護され、より迅速に実行することができる。