特許第5788934号(P5788934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5788934クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788934
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20150917BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G06F12/00 545Z
   G06F13/00 520D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-170312(P2013-170312)
(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公開番号】特開2014-41612(P2014-41612A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0092161
(32)【優先日】2012年8月23日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ペク ジョ ヒュン
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−506423(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0041783(US,A1)
【文献】 特開2005−310158(JP,A)
【文献】 特開2009−294764(JP,A)
【文献】 特表2010−536096(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/144733(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/139521(WO,A1)
【文献】 BAO Xianqiang et al.,2011 Sixth Annual ChinaGrid Conference,SyncViews: Toward Consistent User Views in Cloud-Based File Synchronization Services,2011年,pp.89-96,XP032063941, DOI10.1109/ChinaGrid.2011.35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドコンピューティングベースのデータ共有システムであって、
クラウドサーバと周期的に通信して、最新の共有データを前記クラウドサーバに転送し、前記クラウドサーバから受信される他の産業用機器管理装置の最新の共有データを受信して、自身の共有データに更新し、共有データを同期化させる複数の産業用機器管理装置と、
前記複数の産業用機器管理装置のうち、一つの産業用機器管理装置から通信ネットワークを介して共有データが受信された場合、受信した共有データと既に記憶されている共有データとを比較し、その比較結果に応じて、自身の共有データを更新し、又は更新された共有データを含む通知メッセージを、通信ネットワークを介して他の産業用機器管理装置に転送するクラウドサーバと、を備え、
前記複数の産業用機器管理装置のうち、前記他の産業用機器管理装置は、前記クラウドサーバから前記他の産業用機器管理装置の更新された共有データを含む通知メッセージが受信された場合、前記通知メッセージに含まれた共有データを用いて記憶部に記憶された前記共有データを更新
前記各産業用機器管理装置には、産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにする産業用機器運用ソフトウェアがインストールされ、前記共有データは、前記産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含み、
前記メタデータは、前記産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置と用途を含む、クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム。
【請求項2】
前記クラウドサーバは、前記各産業用機器管理装置が相互に共有するデータを、前記機器別にそれぞれ区分又は統合記憶して保持するデータベースを含むことを特徴とする、請求項1に記載のクラウドコンピューティングベースのデータ共有システム。
【請求項3】
前記産業用機器管理装置は、
自身の共有データを記憶する記憶部と、
産業用機器の駆動プログラムを作成し、他の産業用機器の管理装置と共有するデータを前記記憶部に記憶する運用モジュールと、
前記クラウドサーバと周期的に通信して、前記記憶部に記憶されている共有データをクラウドサーバに転送して共有データを同期化し、前記クラウドサーバから更新された他の産業用機器管理装置の共有データが含まれた通知メッセージを受信する場合、通知メッセージに含まれた共有データを用いて前記記憶部に記憶された共有データを更新するデータ中継モジュールと、
を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のクラウドコンピューティングベースのデータ共有システム。
【請求項4】
通信ネットワークを介してクラウドサーバと通信するクラウドコンピューティングベースの産業用機器管理装置であって、
自身の共有データを記憶する記憶部と、
産業用機器の駆動プログラムを作成し、他の産業用機器の管理装置と共有するデータを前記記憶部に記憶する運用モジュールと、
前記クラウドサーバと周期的に通信して、前記記憶部に記憶されている共有データをクラウドサーバに転送して共有データを同期化し、前記クラウドサーバから、複数の産業用機器管理装置のうち、更新された他の産業用機器管理装置の共有データが含まれた通知メッセージが受信された場合、前記通知メッセージに含まれた共有データを用いて前記記憶部に記憶された前記共有データを更新するデータ中継モジュールと、
を備え
前記記憶部には、前記産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにする産業用機器運用ソフトウェアがインストールされ、前記共有データは、前記産業用機器運用ソフトウェアがインストールされ、前記共有データは前記産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含み、
前記メタデータは、前記産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置と用途を含む、クラウドコンピューティングベースの産業用機器管理装置。
【請求項5】
複数の産業用機器管理装置とクラウドサーバとを含むクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムのデータ共有方法であって、
複数の産業用機器管理装置のうち、一つの産業用機器管理装置が、ネットワークを介して接続されたクラウドサーバと周期的に通信して、自身の最新の共有データを、ネットワークを介してクラウドサーバに転送するステップと、
クラウドサーバが、前記転送される共有データとデータベースに記憶された以前の共有データとを比較し、その比較結果に応じて、データベースに記憶された共有データを更新するステップと、
前記共有データの更新後、クラウドサーバが、前記複数の産業用機器管理装置のうち、前記一つの産業用機器管理装置の前記更新された共有データを含む通知メッセージを、ネットワークを介して他の産業用機器管理装置に転送するステップと、
前記複数の産業用機器管理装置のうち、前記通知メッセージを受信した前記他の産業用機器管理装置が、受信された通知メッセージに含まれた共有データを用いて自身の共有データを更新するステップと、を有
前記各産業用機器管理装置には、産業用機器の駆動プログラムを形成できるようにする産業用機器運用ソフトウェアがインストールされ、前記共有データは、前記産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含み、
前記メタデータは、前記産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置と用途を含む、クラウドコンピューティングベースのデータ共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム及びその方法に関するものであって、特に、PLC又はHMI装置など、各種産業用機器に関する運用情報を、クラウドコンピューティング環境を通じて効率的に共有できるようにした、クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラム可能論理制御器(PLC)又は人間機械インタフェース(HMI)など各種産業用機器は、産業用機器管理装置によって管理され、運用される。
【0003】
産業用機器管理装置は、一般に、パーソナルコンピュータを用いて構成され、産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにする運用ソフトウェアがインストールされている。運用ソフトウェアによって作成された駆動プログラムは、該当産業用機器にダウンロードされて、実行される。
【0004】
例えば、産業用機器管理装置に、PLC駆動プログラムを作成できるようにする運用ソフトウェアがインストールされていると、この運用ソフトウェアによってPLC駆動プログラムが作成され、PLCにダウンロードされる。
【0005】
一方、同じ種類又は異なる種類の複数の産業用機器を含むシステムでは、各産業用機器管理装置にインストールされた運用ソフトウェアが各種データを共に共有できるようにする必要がある。
【0006】
例えば、PLC駆動プログラムがメモリの特定領域にある状態値を記録し、HMI装置がこの値を読み取って画面に表示する場合、HMI駆動プログラムを作成できるようにする運用ソフトウェアは、PLC駆動プログラムが該当状態値を記憶するメモリのアドレスを知らなければならない。
【0007】
つまり、PLC運用のための産業用機器管理装置の運用ソフトウェアと、HMIを運用するための産業用機器管理装置の運用ソフトウェアとは、特定の状態値を記憶するメモリアドレスを相互に共有する必要がある。
【0008】
これに関連し、従来は、ファイルの形で共有する方式、共有データの管理を担当するソフトウェアを別にインストールする方式、すべての運用ソフトウェアを一つに統合する方式、などが用いられている。
【0009】
しかし、上記の方法のうち、二つ以上の運用ソフトウェアがファイルの形でデータを共有する方式は、共有データへのアクセス制御ができず、共有データの一貫性を確保しにくく、ファイルを介して修正事項を一括に反映することも不便である。
【0010】
また、二つ以上の運用ソフトウェアに共有データの管理を担当する別のソフトウェアをインストールする方式は、参加する運用ソフトウェアが増えるほど、バージョン管理と互換性の維持が困難になり、個別に動作する複数のソフトウェアに対する管制作業の複雑さが増加する問題が発生する。
【0011】
すべての運用ソフトウェアを一つに統合する方式は、参加する装置の様々な特性を考慮すると多くのコストが掛かり、各特性別に管理者が区別される現実を考慮すると、運用ソフトウェアを一つのコンピュータ装置に統合してインストールすることは、運用空間の物理的な重複問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、上記した問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、PLC又はHMI装置などデータを相互に共有する各種産業用機器に関する運用情報を、クラウドコンピューティング環境を通じて効率的に共有できるようにした、クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムの一態様によれば、クラウドサーバと周期的に通信して、最新の共有データをクラウドサーバに転送し、クラウドサーバから受信される他の産業用機器管理装置の最新の共有データを受信して、自身の共有データに更新し、共有データを同期化させる複数の産業用機器管理装置と、複数の産業用機器管理装置のうち、一つの産業用機器管理装置から通信ネットワークを介して共有データが受信された場合、受信した共有データと既に記憶された共有データとを比較し、その比較結果に応じて、自身の共有データを更新し、又は更新された共有データを含む通知メッセージを、通信ネットワークを介して他の産業用機器管理装置に転送するクラウドサーバと、を含むことができる。
【0014】
クラウドサーバは、各産業用機器管理装置が相互に共有するデータを、機器別にそれぞれ区分又は統合記憶して保持するデータベースを含む。
【0015】
産業用機器管理装置は、 自身の共有データを記憶する記憶部と、産業用機器の駆動プログラムを作成し、他の産業用機器管理装置と共有するデータを記憶部に記憶する運用モジュールと、クラウドサーバと周期的に通信して、記憶部に記憶されている共有データをクラウドサーバに転送して共有データを同期化し、クラウドサーバから更新された他の産業用機器管理装置の共有データが含まれた通知メッセージを受信する場合、通知メッセージに含まれた共有データを用いて記憶部に記憶された共有データを更新するデータ中継モジュールと、を含むことができる。
【0016】
また、通信ネットワークを介してクラウドサーバと通信する本発明に係るクラウドコンピューティングベースの産業用機器管理装置の一態様によれば、自身の共有データを記憶する記憶部と、産業用機器の駆動プログラムを作成し、他の産業用機器管理装置と共有するデータを記憶部に記憶する運用モジュールと、クラウドサーバと周期的に通信して、記憶部に記憶されている共有データをクラウドサーバに転送して共有データを同期化し、クラウドサーバから更新された他の産業用機器管理装置の共有データが含まれた通知メッセージを受信する場合、通知メッセージに含まれた共有データを用いて記憶部に記憶された共有データを更新するデータ中継モジュールと、を含むことができる。
【0017】
各産業用機器管理装置には、産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにする産業用機器運用ソフトウェアがインストールされ、共有データは、産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含む。
【0018】
メタデータは、産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置を含む。
【0019】
一方、複数の産業用機器管理装置とクラウドサーバとを含む本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムのデータ共有方法の一態様によれば、複数の産業用機器管理装置のうち、一つの産業用機器管理装置が、ネットワークを介して接続されたクラウドサーバと周期的に通信して、自身の最新の共有データを、ネットワークを介してクラウドサーバに転送するステップと、クラウドサーバが、転送される共有データとデータベースに記憶された以前の共有データとを比較し、その比較結果に応じて、データベースに記憶された共有データを更新するステップと、共有データの更新後、クラウドサーバが、更新された共有データを含む通知メッセージを、ネットワークを介して他の産業用機器管理装置に転送するステップと、通知メッセージを受信した産業用機器管理装置が、受信された通知メッセージに含まれた共有データを用いて自身の共有データを更新するステップと、を含むことができる。
【0020】
共有データは、産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含み、 メタデータは、産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、各産業用機器管理装置は、クラウドコンピューティングベースの環境において、クラウドサーバと周期的に同期化を行い、共有データを最新の状態に維持する。
【0022】
また、共有データの変動が発生した場合は、クラウドサーバがこれを通知するため、共有データをすぐに更新することができる。
【0023】
特に、産業用機器管理装置にインストールされ、各種産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにする産業用機器運用ソフトウェアが、メタデータを共有するために使用され得る。
【0024】
ファイルをやりとりする方式ではないため、共有データの一貫性の問題がなく、共有の専用プログラムを別に設けなくても済むため、バージョン又は互換性の管理に問題がなく、産業用機器運用ソフトウェアを統合することでもないため、運用空間の物理的な重複問題もない。
【0025】
これによって、産業用自動化のための各種データの共有をより迅速かつ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムのネットワークの接続構成を示す図である。
図2】本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムにおいて、クラウドサーバと産業用機器管理装置との間のデータの同期化過程を説明するための図である。
図3】本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムの詳細なネットワークの接続構成を示す図である。
図4図3に示したデータ中継モジュールの具体的な動作過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムのネットワークの接続構成を示す図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システム20は、複数の産業用機器管理装置21、クラウドサーバ22、及びサーバ側記憶装置23を含む。
【0030】
産業用機器管理装置21とは、通信ネットワーク11を介してクラウドサーバ22と通信し、他の産業用機器管理装置とデータを相互に共有する、一体の装置をいう。
【0031】
産業用機器管理装置21は、その種類によって、一つ以上の産業用機器13と連結されてもよく、そうでなくてもよい。産業用機器13は、様々な種類であってもよい。例えば、PLC、HMI装置などが挙げられる。
【0032】
産業用機器管理装置21は、パーソナルコンピュータを用いて構成されるのが一般的であるが、モバイル端末など性能が許す限り、いくらでも様々な形で構成することができる。
【0033】
産業用機器管理装置21には産業用機器運用ソフトウェアがインストールされるが、産業用機器運用ソフトウェアは、特定の産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにするコンピュータプログラムである。
【0034】
産業用機器運用ソフトウェアによって作成された駆動プログラムは、該当産業用機器にダウンロードされて、実行される。
【0035】
産業用機器管理装置21は、他の産業用機器管理装置とデータを共有し、データの共有は、統合されたソフトウェアを仮想的に実現するような効果を奏することができる。
【0036】
クラウドサーバ22は、通信ネットワーク11を介して各産業用機器管理装置21と接続されて通信する。
【0037】
クラウドサーバ22は、各産業用機器管理装置21が相互に共有するデータを記憶して保持するサーバ側記憶装置23と連動し、各産業用機器管理装置21から共有データを受信して、サーバ側記憶装置22を最新の共有データに更新し、又は各産業用機器管理装置21の要求に応じて、サーバ側記憶装置23に記憶されている最新の共有データを転送する。
【0038】
各産業用機器管理装置21は、基本的にクラウドサーバ22と周期的に通信して、共有データを同期化する役割を果たす。
【0039】
共有データの同期化とは、互に異なる二つ以上のデータ記憶空間に対して同じデータ構造及び形式を維持することをいう。
【0040】
同期化の対象となるデータの種類や内容は、動作情報、状態情報、環境情報、設定情報など、必要に応じて多様に構成することができる。
【0041】
特に、共有データは、各産業用機器運用ソフトウェアが使用するメタデータを含むことができるが、このメタデータは、各産業用機器の駆動プログラムがアクセスする情報の記憶位置や用途などを含むことができる。
【0042】
具体的な例を挙げると、PLCが、あるセンサの状態値「0」又は「1」をメモリの特定アドレスに記録し、HMI装置は、この値を読み取って画面に表示するように構成する場合、PLC運用のための産業用機器管理装置と、HMIを運用するための産業用機器管理装置とは、該当センサの状態値を記憶するメモリアドレス(メタデータ)を相互に共有することができる。
【0043】
クラウドサーバ22を介してデータを共有する産業用機器管理装置21は、グループ別に区分することができる。このとき、産業用機器運用ソフトウェアは、共にデータを共有するグループに自身を登録する役割を果たすことができる。
【0044】
特に、クラウドサーバ22は、自身が保持する共有データと、ある産業用機器管理装置が保持する共有データとが異なる場合、他の産業用機器管理装置にこれを報知する通知メッセージを転送する。
【0045】
通知メッセージは、必要に応じて多様に構成できるものであって、例えば、通知メッセージには、通知を行う主体(誰のデータであるのか)、共有データの変動事項(どのようなデータが変動しているのか)などを含むことができる。
【0046】
各産業用機器管理装置21は、クラウドサーバ22から通知メッセージが受信されると、受信された通知メッセージに含まれている共有データと自身の持っている共有データとを比較して、更新の必要なデータが存在する場合、最新の共有データに更新する。
【0047】
これによって、各産業用機器管理装置21は、周期的な同期化以外にも、通知による共有データの更新が可能になるため、より迅速かつ正確にデータを共有することができるようになる。
【0048】
図2を参照して、本発明によってデータの共有が行われる過程を説明する。
【0049】
図2は、本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムにおいて、クラウドサーバと産業用機器管理装置との間でのデータの同期化過程を説明するための図である。
【0050】
図2を参照すると、まず、PLC13−1を運用する産業用機器管理装置21−1が、クラウドサーバ22との間で周期的に自身の共有データを同期化している。
【0051】
この過程において、クラウドサーバ22は、自身が保持する共有データと、PLCを運用する産業用機器管理装置21−1の共有データとが互いに異なって、共有データの更新が必要な状況であると判断されると、HMIを運用する他の産業用機器管理装置21−2にその旨を報知する通知を行う。
【0052】
すると、HMIを運用する産業用機器管理装置21−2は、自身の共有データを最新の共有データに更新する。
【0053】
図3は、本発明に係るクラウドコンピューティングベースのデータ共有システムの詳細なネットワークの接続構成を示す図である。
【0054】
図3を参照すると、産業用機器管理装置21は、共有データ記憶装置31、データ中継モジュール32、及び産業用機器運用ソフトウェア33を含む。
【0055】
共有データ記憶装置31は、産業用機器運用ソフトウェア33が自身の共有データを記憶する構成要素であって、揮発性又は不揮発性の性質を有することができる。
【0056】
産業用機器運用ソフトウェア33は、特定の産業用機器の駆動プログラムを作成できるようにするコンピュータプログラムであって、作成した駆動プログラムは、該当産業用機器にダウンロードされて、実行される。
【0057】
特に、産業用機器運用ソフトウェア33は、実行中に、他の産業用機器運用ソフトウェアと共有するデータが発生すると、該当共有データを共有データ記憶装置31に記憶する。
【0058】
データ中継モジュール32は、基本的にクラウドサーバ22と周期的に通信して、共有データ記憶装置31の共有データを同期化する役割を果たす。
【0059】
データ中継モジュール32は、産業用機器運用ソフトウェア33の一部のモジュールで構成してもよく、別途のコンピュータプログラムで構成してもよい。
【0060】
共有データの同期化過程において、クラウドサーバ22は、自身が保持する共有データと、産業用機器管理装置21の共有データとが互いに異なる場合は、変更されたデータをサーバ側記憶装置23に更新した後、更新された共有データを他の産業用機器管理装置に通知メッセージによって転送する。
【0061】
これに関連し、データ中継モジュール32は、クラウドサーバ22からの通知メッセージが受信された場合、クラウドサーバ22から受信された通知メッセージに含まれる変動された最新のデータを抽出し、抽出されたデータで共有データ記憶装置31の共有データを更新する。
【0062】
図4を参照して、データ中継モジュール32の動作について具体的に説明する。
【0063】
図4は、図3に示したデータ中継モジュールの具体的な動作過程を示すフローチャートである。
【0064】
まず、上記で説明したとおり、産業用機器運用ソフトウェア33は、他の産業用機器管理装置との共有データが発生すると、該当共有データを共有データ記憶装置31に記憶する。このとき、産業用機器運用ソフトウェア33は、該当データに関する固有のID及び/又は該当産業用機器管理装置の識別情報を添付するなど、データを識別するための処理を行うことができる。
【0065】
データ中継モジュール32は、クラウドサーバ22と周期的に通信して、共有データ記憶装置31に記憶されている共有データを同期化する(S41、S42)。
【0066】
つまり、自身の持っている共有データが最新のデータである場合は、自身の最新の共有データをクラウドサーバ22にアップロードし、クラウドサーバ22が保持する共有データが最新のデータである場合は、該当共有データを受信して、自身の共有データを更新する。
【0067】
また、データ中継モジュール32は、クラウドサーバ22から通知メッセージを受信された場合(S43)、共有データ記憶装置31の共有データを更新する(S44)。
【0068】
産業用機器運用ソフトウェア33は、共有データ記憶装置31にアクセスして、共有データの最新の内容を確認し、それに応じて動作してもよい。
【0069】
つまり、各産業用機器管理装置は、クラウドサーバ23からの通知メッセージによって、変動された最新の共有データにすぐに更新することができ、産業用機器運用ソフトウェアは、該当データをすぐに用いることができる。
【0070】
これによって、各産業用機器管理装置の共有データを用いた協同作業をより効率的に行うことができるようになる。
【0071】
上述した実施形態は、本発明の理解のためのものであり、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当業者によって多様に変形されて実施することができるものであることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
11 通信ネットワーク
13 産業用機器
20 クラウドコンピューティングベースのデータ共有システム
21,21−1,21−2 産業用機器管理装置
22 クラウドサーバ
23 サーバ側記憶装置
31 共有データ記憶装置
32 データ中継モジュール
33 運用ソフトウェア
図1
図2
図3
図4