(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変動時間短縮状態付与手段によって前記変動時間短縮状態が付与された場合に、前記普通図柄変動ゲームの変動時間及び前記第2始動入賞装置のオープニング時間の合計時間を、前記ゲートを通過した遊技球が落下し、当該遊技球が前記第2始動入賞装置に到達するまでの時間以下に設定し、
前記変動時間短縮状態付与手段によって前記変動時間短縮状態が付与されない場合に、前記普通図柄変動ゲームの変動時間及び前記オープニング時間の合計時間を、前記ゲートを通過した遊技球が落下し、当該遊技球が前記第2始動入賞装置に到達するまでの時間よりも長く設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図面に基づき説明する。
【0025】
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。外枠11の開口前面側には、機体を構成する縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、前枠14が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、窓口14aの下方に上球皿15が一体的に組み付けられた構造を有している。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠(図示略)が組み付けられている。
【0026】
また、前枠14の前面には、上側枠用ランプ16a、左側枠用ランプ16b及び右側枠用ランプ16cが設けられている。各枠用ランプ16a〜16cは、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。これらの枠用ランプ16a〜16cでは、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾が行われるようになっている。
【0027】
図1に示されるように、前枠14の左上部には左スピーカ17aが配設され、前枠14の右上部には右スピーカ17bが配設されている。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは、各種音声を出力して音声演出を行うためのものである。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは前枠14の裏面側に装着され、前枠14の前面側において左スピーカ17a及び右スピーカ17bと対応する箇所には複数の放音孔(図示略)が形成されている。
【0028】
さらに、中枠12の前面側において前枠14の下方には、下球皿18が開閉可能に組み付けられている。下球皿18の右方には、遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19が装着されている。また、下球皿18の左方には、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配設されている。なお、下スピーカ17cは中枠12に装着されている。
【0029】
図1,
図2に示されるように、遊技盤13の遊技盤面13aには、内レール41a及び外レール(図示略)が略円形状に敷設されている。内レール41aと外レールとの間に生じる発射経路には、操作ハンドル19を操作した際に発射された遊技球が通過するようになっている。また、内レール41a及び外レールの内側領域である遊技領域内には、遊技盤面13aのほぼ全域に突設される複数の遊技釘81などが配設されている。遊技釘81は、遊技領域内を流下する遊技球の方向を変更するようになっている。
【0030】
また、遊技盤面13a上の略中央部には、図柄表示装置61を有するセンター役物60が装着されている。なお、本実施形態の図柄表示装置61は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示部であってもよい。また
図2に示されるように、図柄表示装置61が備える可視表示部H(表示画面)は、第1演出図柄表示部71及び第2演出図柄表示部72を有している。第1演出図柄表示部71及び第2演出図柄表示部72では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、第1演出図柄表示部71では、表示演出に関連して、複数種類の第1演出図柄E1を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる第1図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。また、第2演出図柄表示部72では、表示演出に関連して、複数種類の第2演出図柄E2を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる第2図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。なお、第1演出図柄E1は「1」〜「8」の8通りの数字を示す図柄である。また、第2演出図柄E2は、「1」〜「3」の3通りの数字や「チャンス」という1通りの文字を示す図柄である。
【0031】
図1,
図2に示されるように、遊技盤面13a上における図柄表示装置61の左下側の領域には、第1始動入賞口21aが形成された第1始動入賞装置21が配設されている。第1始動入賞口21aには、図柄表示装置61の左側を通過した遊技球が入賞可能となっている。第1始動入賞装置21の奥方には、第1始動入賞口21aに入賞した遊技球を検知する第1始動口スイッチSE1(
図3参照)が設けられている。第1始動口スイッチSE1は、第1始動入賞装置21に入賞した遊技球を検知したことを契機として、オン状態となり、第1入賞信号を出力するようになっている。一方、第1始動口スイッチSE1は、遊技球を検知していないときにオフ状態となり、第1入賞信号を出力しなくなる。なお、第1入賞信号が出力された場合には、後述する第1特別図柄表示部51による第1図柄変動ゲームが行われるとともに、該第1図柄変動ゲームに関連して第1演出図柄表示部71による第1図柄組み合わせゲームが行われ、所定数(本実施形態では3個)の賞球の払い出しが行われるようになっている(
図5参照)。
【0032】
図1,
図2に示されるように、遊技盤面13a上における図柄表示装置61の下側領域には、第1大入賞装置23が配設されている。第1大入賞装置23には、大入賞口扉23aからなる特別電動役物が一体的に構成されている。第1大入賞装置23の大入賞口扉23aは、第1大入賞口ソレノイドSOL1(
図3参照)の励磁作用により、遊技球を受け入れない第1閉鎖状態、及び、遊技球を受け入れやすい第1開放状態に切替可能になっている。本実施形態において、「第1閉鎖状態」とは、大入賞口扉23aが完全に閉じている状態をいい、「第1開放状態」とは、大入賞口扉23aが完全に開いた状態をいう。また、第1大入賞装置23の奥方には、入賞した遊技球を検知する第1カウントスイッチSE3(
図3参照)が設けられている。なお、第1カウントスイッチSE3にて遊技球が検知された場合には、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しが行われるようになっている(
図5参照)。
【0033】
図1,
図2に示されるように、遊技盤面13a上において図柄表示装置61と第1大入賞装置23との間の領域には、遊技球の通過を検知する機能を有するゲート25が設けられている。ゲート25の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSE5(
図3参照)が設けられている。なお、ゲートスイッチSE5にて遊技球が検知された場合に乱数(普通当り判定用乱数)を取得し、取得した乱数が所定の乱数値(普通当り判定値)であるか否かを判定した結果に基づいて、後述する普通電動役物ソレノイドSOLが駆動される。このような判定(普通当り判定)によって、後述する普通電動役物の始動口扉22aが開状態に切り替わるため、後述する第2始動入賞装置22に遊技球が入賞しやすくなる。
【0034】
また、遊技盤面13a上における図柄表示装置61の下側領域、具体的に言うと、遊技盤面13a上において第1大入賞装置23とゲート25との間の領域には、第2始動入賞装置22が配設されている。第2始動入賞装置22の奥方には、入賞した遊技球を検知する第2始動口スイッチSE2(
図3参照)が設けられている。第2始動口スイッチSE2は、第2始動入賞装置22に入賞した遊技球を検知したことを契機として、オン状態となり、第2入賞信号を出力するようになっている。一方、第2始動口スイッチSE2は、遊技球を検知していないときにオフ状態となり、第2入賞信号を出力しなくなる。なお、第2入賞信号が出力された場合には、後述する第2特別図柄表示部52による第2図柄変動ゲームが行われるとともに、該第2図柄変動ゲームに関連して前記第2演出図柄表示部72による第2図柄組み合わせゲームが行われ、所定数(本実施形態では3個)の賞球の払い出しが行われるようになっている(
図9参照)。
【0035】
図1,
図2に示されるように、第2始動入賞装置22には、始動口扉22a(開閉片)からなる普通電動役物が一体的に構成されている。始動口扉22aは、普通電動役物ソレノイドSOL(
図3参照)の励磁作用により、遊技球を受け入れない閉状態、及び、遊技球を受け入れやすい開状態に切替可能となっている。ここで、「閉状態」とは、始動口扉22aが完全に閉じることにより、始動口扉22aの前面22cが遊技盤面13aと面一になっている状態をいい、「開状態」とは、始動口扉22aが完全に開くことにより、始動口扉22aが遊技盤面13aから前方に突出している状態をいう。なお、始動口扉22aが閉状態である場合、ゲート25を通過した遊技球は、始動口扉22a上を通過して第2始動入賞装置22の下方(第1大入賞装置23側)に流下する。一方、始動口扉22aが開状態である場合、ゲート25を通過した遊技球は、そのまま第2始動入賞装置22に入賞するようになる。
【0036】
図1,
図2に示されるように、前記図柄表示装置61の左下方には、可視表示部を備えた第1特別図柄表示部51が配設されている。第1特別図柄表示部51では、前記第1始動入賞装置21への遊技球の入賞を契機として、第1特別図柄B1を変動させる第1図柄変動ゲームが表示され、該第1図柄変動ゲームの結果として、大当り及びハズレの表示結果が表示されるようになっている。例えば
図6に示されるように、第1図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合、第1図柄変動ゲームの終了時に、第1特別図柄B1として「1」〜「8」の8通りの数字を示す図柄が表示される。また、第1図柄変動ゲームの結果がハズレとなる場合、第1図柄変動ゲームの終了時に、第1特別図柄B1としてハズレを示す「0」の図柄が表示される。
【0037】
さらに、第1特別図柄表示部51の左上方には、ラウンド報知装置Rが配設されている。ラウンド報知装置Rは、第1図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合に付与される第1大当り遊技状態において、付与されるラウンド数(即ち、後述するラウンド演出の実行回数)を報知するようになっている。ラウンド報知装置Rは、第1ランプR1及び第2ランプR2からなる複数(2個)の発光手段によって構成されている。なお本実施形態では、ラウンド数が「15回」である場合に第1ランプR1が点灯し、ラウンド数が「2回」である場合に第2ランプR2が点灯するようになっている。
【0038】
また
図1,
図2に示されるように、前記図柄表示装置61の右下方には、可視表示部を備えた第2特別図柄表示部52が配設されている。第2特別図柄表示部52では、前記第2始動入賞装置22への遊技球の入賞を契機として、第2特別図柄B2を変動させる第2図柄変動ゲームが表示され、該第2図柄変動ゲームの結果として、大当り、小当り及びハズレの表示結果が表示されるようになっている。例えば
図10に示されるように、第2図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合、第2図柄変動ゲームの終了時に、第2特別図柄B2として「1.」,「2.」の2通りの数字を示す図柄が表示される。また、第2図柄変動ゲームの結果が小当りとなる場合、第2図柄変動ゲームの終了時に、第2特別図柄B2として「3.」,「4.」の2通りの数字を示す図柄が表示される。さらに、第2図柄変動ゲームの結果がハズレとなる場合、第2図柄変動ゲームの終了時に、第2特別図柄B2としてハズレを示す「0.」の図柄が表示される。なお本実施形態では、説明の便宜上、第2特別図柄B2を「….(ドット)」という形で示している。
【0039】
なお本実施形態では、前記第1特別図柄表示部51での前記第1図柄変動ゲームに合わせて、前記第1演出図柄表示部71による前記第1図柄組み合わせゲームが行われる。具体的には、第1図柄変動ゲームの開始とほぼ同時に第1図柄組み合わせゲームが開始され、第1図柄変動ゲームの終了(大当りまたはハズレの表示結果が表示)とほぼ同時に第1図柄組み合わせゲームの結果が表示されるようになっている。同様に、本実施形態では、第2特別図柄表示部52での第2図柄変動ゲームに合わせて、前記第2演出図柄表示部72による前記第2図柄組み合わせゲームが行われる。具体的には、第2図柄変動ゲームの開始とほぼ同時に第2図柄組み合わせゲームが開始され、第2図柄変動ゲームの終了(大当り、小当り及びハズレのうちいずれかの表示結果が表示)とほぼ同時に第2図柄組み合わせゲームの結果が表示されるようになっている。本実施形態では、第1演出図柄表示部71で行われる第1図柄組み合わせゲームと第1特別図柄表示部51で行われる第1図柄変動ゲームとを「第1変動ゲーム」と称し、第2演出図柄表示部72で行われる第2図柄組み合わせゲームと第2特別図柄表示部52で行われる第2図柄変動ゲームとを「第2変動ゲーム」と称している。
【0040】
また本実施形態では、第1図柄変動ゲームが開始された場合に、第1演出図柄表示部71に表示される前記第1演出図柄E1が第2演出図柄表示部72に表示される前記第2演出図柄E2よりも大きく表示される(
図2参照)。一方、第2図柄変動ゲームが開始された場合、第2演出図柄E2が第1演出図柄E1よりも大きく表示される。なお本実施形態では、前記図柄表示装置61の可視表示部Hの略中央部に第1演出図柄E1が表示され、図柄表示装置61の可視表示部Hの右下部に第2演出図柄E2が表示される。
【0041】
図1,
図2に示されるように、図柄表示装置61の左下方には、可視表示部を備えた普通図柄表示部53が前記第1特別図柄表示部51の右側に配設されている。この普通図柄表示部53では、前記ゲート25(
図1,
図2参照)への遊技球の通過を契機として、普通図柄D1を変動させる普通図柄変動ゲームが実行され、該普通図柄変動ゲームの結果として、乱数抽選の結果を示す普通図柄D1が停止表示されるようになっている。なお、本実施形態の普通図柄D1は、当りの図柄「○」、または、ハズレの図柄「×」の2種類である。そして、当りの図柄が導出された場合(普通図柄変動ゲームに当選した場合)、前記普通電動役物ソレノイドSOLが所定時間だけ駆動され、前記第2始動入賞装置22の始動口扉22aが開状態に切り替わるようになっている。
【0042】
図2に示されるように、普通図柄表示部53の下方には、普通図柄保留表示装置Fが配設されている。普通図柄保留表示装置Fは、第1保留ランプF1、第2保留ランプF2、第3保留ランプF3及び第4保留ランプF4からなる複数(4個)の発光手段によって構成されている。保留ランプF1〜F4は、ゲート25の通過を契機として記憶された遊技球(普通図柄保留球)が存在する場合に点灯し、普通図柄保留球が存在しない場合に消灯する。各保留ランプF1〜F4は、普通図柄保留球の数(普通図柄保留球数)を示すためのものである。例えば、普通図柄保留球が2個である場合、2個の保留ランプF1,F2が点灯する。
【0043】
ここで、「普通図柄保留球数」とは、ゲート25を通過した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では4)の範囲で記憶した値である。普通図柄保留球数は、ゲート25への遊技球の通過により「+1」され、前記普通図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
【0044】
図1,
図2に示されるように、前記遊技盤面13aにおいて前記第1始動入賞装置21の左上方には、左下入賞口装置35が配設されている。左下入賞口装置35の奥方には、入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチSE6(
図3参照)が設けられている。また、遊技盤面13aにおいて前記第1大入賞装置23の右方には、右下外入賞口装置36aと右下内入賞口装置36bとが配設されている。右下外入賞口装置36a及び右下内入賞口装置36bの奥方には、入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチSE7(
図3参照)が設けられている。即ち、右下外入賞口装置36a及び右下内入賞口装置36bでは、1つの入賞口スイッチSE6で遊技球の入賞を検知している。これらの入賞口装置35,36a,36bは、遊技球の入賞を契機として、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。
【0045】
図1,
図2に示されるように、遊技盤面13a上における前記図柄表示装置61の右側領域には、第2大入賞口24aが形成された第2大入賞装置24が配置されている。第2大入賞装置24には、一対の羽根部材24bからなる特別電動役物が一体的に構成されている。一対の羽根部材24bは、第2大入賞口ソレノイドSOL2(
図3参照)の励磁作用により、図柄表示装置61の右側を通過した遊技球を受け入れない第2閉鎖状態、及び、図柄表示装置61の右側を通過した遊技球を受け入れやすい第2開放状態に切替可能となっている。本実施形態において、「第2閉鎖状態」とは、一対の羽根部材24bが閉じることにより、第2大入賞口24aと、遊技盤面13a上において第2大入賞口24aの直上に突設された3本の邪魔釘82との間に生じる空間が塞がれている状態をいう。一方、「第2開放状態」とは、一対の羽根部材24bが開くことにより、第2大入賞口24aと3本の邪魔釘82との間に生じる空間を介して、遊技球を第2大入賞装置24に入賞させることが可能となる状態をいう。なお、各邪魔釘82は、前記遊技釘81と同じ釘である。また、第2大入賞装置24の奥方には、入賞した遊技球を検知する第2カウントスイッチSE4(
図3参照)が設けられている。そして、第2カウントスイッチSE4にて遊技球が検知された場合には、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しが行われるようになっている(
図9参照)。
【0046】
なお、
図1,
図2に示される第2大入賞装置24は、第2カウントスイッチSE4によって検知された遊技球を第2大入賞装置24の左下方に案内するようになっている。具体的に言うと、遊技盤面13a上における第2大入賞装置24の下側領域には、第2大入賞装置24に入球した遊技球を下方に案内する案内通路91が配設されている。案内通路91は、上端部が第2大入賞装置24の内部空間に連通する略く字状の通路部91aと、通路部91aの下端部に連通する略円環状の回転体収容部91bとからなっている。
【0047】
そして、回転体収容部91b内には、略円板状をなす回転体92(役物)が設けられている。回転体92には、7つの普通入賞領域93と1つの特別入賞領域94とが回転体92の外周部にて開口するように形成されている。各入賞領域93,94は、回転体92の回転中心を基準として等角度(45°)間隔で配置されている。また、各入賞領域93,94の開口部の幅は、通路部91aの幅と等しく設定されるとともに、遊技球の直径よりもやや大きく設定されている。従って、入賞領域93,94には、通路部91aを通過した遊技球が入球可能となっている。また、各普通入賞領域93の深さは、遊技球の直径よりも小さく設定され、特別入賞領域94の深さは、遊技球の直径よりもかなり大きく設定されている。なお、普通入賞領域93は、入球した遊技球を回転体収容部91bの外周部分にある普通入賞口93aを介して前記遊技盤13の裏側に排出させるようになっている。一方、特別入賞領域94は、入球した遊技球を回転体収容部91bの中心部分にある特別入賞口94aを介して遊技盤13の裏側に排出させるようになっている。また、特別入賞口94aの奥方には、特別入賞領域94に入球した遊技球を検知する特別入賞口スイッチSE8(
図3参照)が設けられている。なお、回転体92は、同回転体92の裏側に突設された回転軸(図示略)をモータ95(
図3参照)で駆動することによって、遊技盤面13aに対して回転するようになっている。これにより、回転体92は、通路部91aを通過した遊技球を普通入賞領域93側と特別入賞領域94側とに振り分けるようになっている。なお、通路部91aを通過した遊技球が特別入賞領域94に入球する確率は、実質的に8分の1となっている(
図10の「役物当り」参照)。
【0048】
そして、特別入賞領域94に遊技球が入球し、特別入賞口スイッチSE8によって遊技球が検知された場合には、後述する第3大当り遊技状態(いわゆる「V入賞」)が付与されるようになっている。一方、普通入賞領域93に遊技球が入球した場合には、第3大当り遊技状態が付与されることはない。
【0049】
(2)パチンコ機10の電気的構成
図3,
図4に示されるように、このパチンコ機10は、主制御基板31、演出制御基板32及び払出制御基板33を備えている。主制御基板31には、演出制御基板32及び払出制御基板33が電気的に接続されている。主制御基板31は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、演出制御基板32及び払出制御基板33は、主制御基板31が出力した各種の制御信号に基づいて、所定の制御を実行する。具体的に言うと、演出制御基板32は、前記図柄表示装置61、前記スピーカ17a〜17c及び前記枠用ランプ16a〜16cを制御するようになっている。また、払出制御基板33は、遊技球(賞球など)の払い出しをする払出装置34を駆動制御するようになっている。
【0050】
(2−1)主制御基板31の電気的構成
図3,
図4に示されるように、主制御基板31は、パチンコ機10全体を制御する『遊技制御手段』としてのメインCPU31aを備えている。メインCPU31aには、前記第1始動口スイッチSE1、前記第2始動口スイッチSE2、前記第1カウントスイッチSE3、前記第2カウントスイッチSE4、前記ゲートスイッチSE5、前記入賞口スイッチSE6,SE7及び前記特別入賞口スイッチSE8が接続されている。また、メインCPU31aには、前記第1特別図柄表示部51、前記第2特別図柄表示部52、前記普通図柄表示部53、前記普通図柄保留表示装置F及び前記ラウンド報知装置Rが接続されている。さらに、メインCPU31aには、前記普通電動役物ソレノイドSOL、前記第1大入賞口ソレノイドSOL1、前記第2大入賞口ソレノイドSOL2及び前記モータ95が接続されている。
【0051】
図3,
図4に示されるように、メインCPU31aには、メインROM31b及びメインRAM31cが電気的に接続されている。メインCPU31aは、前記第1変動ゲーム及び前記第2変動ゲームに係る各種抽選に用いる当り判定用乱数、当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、第1変動パターン振分乱数、第2変動パターン振分乱数などの各種乱数の値や、前記普通図柄変動ゲームに係る抽選に用いる普通当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をメインRAM31cの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。メインRAM31cのタイマ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のタイマが記憶(設定)されるようになっている。
【0052】
なお、当り判定用乱数は、第1変動ゲームが大当りか否かを判定する際(第1大当り判定時)、第2変動ゲームが大当りか否かを判定する際(第2大当り判定時)、及び、第2変動ゲームが小当りか否かを判定する際(小当り判定時)に用いられる乱数である。当り図柄用乱数は、第1変動ゲームの結果が大当りとなる場合に前記第1特別図柄B1を決定する際、第2変動ゲームの結果が大当りの場合に前記第2特別図柄B2を決定する際、及び、第2変動ゲームの結果が小当りの場合に第2特別図柄B2を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、第1変動ゲームの結果がハズレとなる場合にリーチ演出を実行させるか否かを決定する際(リーチ判定時)に用いられる乱数である。第1変動パターン振分乱数は、前記第1図柄組み合わせゲームにおける遊技演出の演出内容を特定するための変動パターンを決定する際に用いられる乱数であり、第2変動パターン振分乱数は、前記第2図柄組み合わせゲームにおける遊技演出の演出内容を特定するための変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。普通当り判定用乱数は、普通図柄変動ゲームが当りか否かを決定する際(普通当り判定時)に用いられる乱数である。
【0053】
図3,
図4に示される前記メインROM31bには、第1図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが振り分けられた第1変動パターン振分テーブルが記憶されている。各変動パターンは、前記第1演出図柄表示部71に表示される各列の図柄(前記第1演出図柄E1)が変動を開始(第1図柄組み合わせゲームを開始)してから全列の図柄が停止(第1図柄組み合わせゲームが終了)するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の時間及び内容を特定するためのものである。なお、各変動パターンには、第1変動パターン振分乱数の値(本実施形態では0〜99の100通りの整数)が振り分けられている。また、第1変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターン、ハズレリーチ演出用の変動パターン及び大当り演出用の変動パターンが振り分けられている。ハズレ演出用の変動パターンは、ハズレ図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。ハズレリーチ演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。大当り演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。大当り演出用の変動パターンは、15回のラウンド演出が実行される15R大当り遊技状態(
図6,
図10,
図12の「15R大当り」参照)が付与される第1パターンと、2回のラウンド演出が実行される2R大当り遊技状態(
図6,
図12の「2R大当り」参照)が付与される第2パターンとからなっている。
【0054】
また
図6に示されるように、第1図柄組み合わせゲームにおけるハズレ演出、ハズレリーチ演出及び大当り演出の演出時間(変動時間)は、変動パターンごとに異なっている。具体的には、ハズレ演出用の変動パターンに基づいて、ハズレ演出が12秒間(12000ms)実行されるようになっている。また、ハズレリーチ演出用の変動パターンに基づいて、ハズレリーチ演出が25秒間(25000ms)実行されるようになっている。さらに、大当り演出用の変動パターン(第1パターン)に基づいて大当り演出が25秒間(25000ms)実行され、大当り演出用の変動パターン(第2パターン)に基づいて大当り演出が30秒間(30000ms)実行されるようになっている。
【0055】
さらに、
図3,
図4に示される前記メインROM31bには、前記第2図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが振り分けられた第2変動パターン振分テーブルが記憶されている。各変動パターンは、前記第2演出図柄表示部72に表示される各列の図柄(前記第2演出図柄E2)が変動を開始(第2図柄組み合わせゲームを開始)してから全列の図柄が停止(第2図柄組み合わせゲームが終了)するまでの間の遊技演出の時間及び内容を特定するためのものである。なお、各変動パターンには、前記第2変動パターン振分乱数の値(本実施形態では0〜99の100通りの整数)が振り分けられている。また、第2変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターン、大当り演出用の変動パターン及び小当り演出用の変動パターンが振り分けられている。ハズレ演出用の変動パターンは、ハズレ図柄組み合わせを導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。大当り演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示しており、前記15R大当り遊技状態が付与される前記第1パターンのみからなっている。小当り演出用の変動パターンは、リーチを行わない場合において、左図柄、右図柄及び中図柄が全て同一の図柄で停止する小当り演出のベースとなるパターンを示している。
【0056】
また
図10に示されるように、第2図柄組み合わせゲームにおけるハズレ演出、小当り演出及び大当り演出の演出時間(変動時間)は、変動パターンごとに異なっている。具体的には、ハズレ演出用の変動パターンに基づいて、ハズレ演出が3秒間(3000ms)実行されるようになっている。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて、大当り演出が10秒間(10000ms)実行されるようになっている。さらに、小当り演出用の変動パターンに基づいて、小当り演出が1秒間(1000ms)実行されるようになっている。
【0057】
図3,
図4に示される前記メインROM31bには、前記第1特別図柄B1が振り分けられた当り図柄テーブル1(
図7参照)が記憶されている。当り図柄テーブル1では、前記当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜69(全70通りの整数)とし、当り図柄用乱数の各値にそれぞれ第1特別図柄B1が対応付けられている。即ち、「1」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(0〜9)が対応付けられている。また、「2」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(10〜19)が対応付けられ、「3」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(20〜25)が対応付けられ、「4」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(26〜39)が対応付けられている。さらに、「5」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(40〜49)が対応付けられ、「6」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(50〜59)が対応付けられ、「7」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(60)が対応付けられている。そして、「8」を示す第1特別図柄B1には当り図柄用乱数の値(61〜69)が対応付けられている。
【0058】
図3,
図4に示される前記メインROM31bには、前記第2特別図柄B2が振り分けられた当り図柄テーブル2(
図11参照)が記憶されている。当り図柄テーブル2では、前記当り図柄用乱数の各値にそれぞれ第2特別図柄B2が対応付けられている。即ち、「1.」,「3.」を示す第2特別図柄B2には当り図柄用乱数の値(0〜50)が対応付けられ、「2.」,「4.」を示す第2特別図柄B2には当り図柄用乱数の値(51〜69)が対応付けられている。
【0059】
次に、前記メインCPU31aが実行する図柄変動ゲームに係る各種処理(第1大当り判定、第2大当り判定、小当り判定、リーチ判定、普通当り判定、大当り図柄、ハズレ図柄、変動パターンの決定など)を説明する。なお、メインROM31bには、上記の各種処理に用いられるプログラム(第1当り判定プログラム、第1大当り遊技状態付与プログラム、当り判定プログラム、変動時間短縮状態付与プログラム、第2当り判定プログラム、第2大当り遊技状態付与プログラム、小当り遊技状態付与プログラム)が記憶されている。
【0060】
第1当り判定プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『第1当り判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、始動入賞条件の成立(前記第1始動入賞装置21による遊技球の検知)を契機として、所定の周期毎に更新される前記当り判定用乱数の値及び前記当り図柄用乱数の値を前記メインRAM31cから取得し、それらの値をメインRAM31cの乱数記憶領域に格納する。そして、メインCPU31aは、前記第1図柄変動ゲーム(前記第1変動ゲーム)の結果が大当りになるか否かを判定するようになっている。詳述すると、メインCPU31aは、第1図柄変動ゲームの開始直前に、メインRAM31cの乱数記憶領域に格納されている当り判定用乱数の値とメインROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して第1図柄変動ゲームの当否を判定する第1大当り判定(大当り抽選)を行う。なお本実施形態では、当り判定用乱数の採りうる数値を0〜599(全600通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、当り判定用乱数の採りうる数値の中から6個の大当り判定値(「3」,「7」,「131」,「371」,「411」,「577」)を用いて、大当りの抽選確率を600分の6(=100分の1)として第1大当り判定を行う(
図5参照)。
【0061】
第1大当り判定による判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)となる場合、
図3,
図4に示されるメインCPU31aはハズレ遊技状態を決定する。ハズレ遊技状態では、前記第1大入賞装置23が遊技球を受け入れない前記第1閉鎖状態に維持されて遊技者に不利となるようになっている。そして、メインCPU31aは、前記第1演出図柄表示部71での前記第1図柄組み合わせゲームで導出される停止図柄(前記第1演出図柄E1)に関連する前記第1特別図柄B1を決定する。具体的に言うと、メインCPU31aは、ハズレ図柄である「0」の図柄を第1特別図柄B1として決定する。さらに、メインCPU31aは、決定した第1特別図柄B1に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
【0062】
そして、ハズレ遊技状態が決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値と前記メインROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。なお本実施形態では、リーチ判定用乱数の採りうる数値を0〜240(全241通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、リーチ判定用乱数の採りうる数値の中から10個のリーチ判定値を用いて、リーチの抽選確率を241分の10(=24.1分の1)としてリーチ判定を行う(
図6参照)。
【0063】
リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、
図3,
図4に示されるメインCPU31aはハズレリーチを決定する。また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、メインCPU31aはハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。
【0064】
一方、前記第1大当り判定の判定結果が肯定(前記当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは大当りを決定する。そして、メインCPU31aは、前記メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された前記当り図柄用乱数の値に基づいて、「1」〜「8」のいずれか1つを示す図柄を第1特別図柄B1として決定する。そして、メインCPU31aは、決定した第1特別図柄B1に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
【0065】
前記第2当り判定プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『第2当り判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、始動入賞条件の成立(前記第2始動入賞装置22による遊技球の検知)を契機として、所定の周期ごとに更新される当り判定用乱数の値及び当り図柄用乱数の値をメインRAM31cから取得し、それらの値をメインRAM31cの乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、前記第2図柄変動ゲーム(前記第2変動ゲーム)の結果が大当りになるか否かを判定するようになっている。詳述すると、メインCPU31aは、第2図柄変動ゲームの開始直前に、メインRAM31cの乱数記憶領域に格納されている当り判定用乱数の値とメインROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して、第2図柄変動ゲームの当否を判定する第2大当り判定(大当り抽選)を行う。そして、メインCPU31aは、当り判定用乱数の採りうる数値の中から6個の大当り判定値(「3」,「7」,「131」,「371」,「411」,「577」)を用いて、大当りの抽選確率を600分の6(=100分の1)として第2大当り判定を行う(
図9参照)。即ち、メインCPU31aは、第1図柄変動ゲームであっても第2図柄変動ゲームであっても、同一の抽選確率で大当り判定を行う。
【0066】
また、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、第2図柄変動ゲームの結果が、前記第2大入賞装置24が前記第2開放状態となる小当りになるか否かを判定するようになっている。詳述すると、メインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域に格納されている当り判定用乱数の値と、メインROM31bにおいて大当り判定値とは別に記憶されている小当り判定値とを比較する小当り判定を行う。そして、メインCPU31aは、当り判定用乱数の採りうる数値の中から580個の小当り判定値を用いて、小当りの抽選確率を600分の580(=1.03分の1)として小当り判定を行う(
図9参照)。即ち、メインCPU31aは、殆どの場合において第2図柄変動ゲームの結果が小当りになると判定する。
【0067】
前記第2大当り判定及び小当り判定による判定結果が否定(当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが不一致であって、当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)となる場合、メインCPU31aはハズレ遊技状態を決定する。ハズレ遊技状態では、第2大入賞装置24が遊技球を受け入れない前記第2閉鎖状態に維持されて遊技者に不利となるようになっている。そして、メインCPU31aは、前記第2演出図柄表示部72での前記第2図柄組み合わせゲームで導出される停止図柄(前記第1演出図柄E1)に関連する前記第2特別図柄B2を決定する。具体的に言うと、メインCPU31aは、ハズレ図柄である「0.」の図柄を第2特別図柄B2として決定する。さらに、メインCPU31aは、決定した第2特別図柄B2に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
【0068】
一方、前記第2大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは大当りを決定する。そして、メインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された前記当り図柄用乱数の値に基づいて、「1.」または「2.」を示す第2特別図柄B2を決定する。さらに、メインCPU31aは、決定した第2特別図柄B2に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
【0069】
また、前記小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と前記小当り判定値とが一致)の場合、CPU31aは小当りを決定する。そして、メインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された当り図柄用乱数の値に基づいて、「3.」または「4.」を示す第2特別図柄B2を決定する。さらに、メインCPU31aは、決定した第2特別図柄B2に対応したデータを、次回の図柄変動ゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
【0070】
そして、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、前記第1図柄変動ゲームが開始された場合に、前記第1大当り判定及び前記リーチ判定の判定結果に基づいて、前記第1変動パターン振分テーブルから変動パターンを決定する。具体的に言うと、第1大当り判定において大当りが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから前記第1変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、第1変動パターン振分テーブルに記憶されている前記大当り演出用の変動パターンを決定する。また、リーチ判定においてハズレリーチが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した第1変動パターン振分乱数の値に基づき、第1変動パターン振分テーブルから前記ハズレリーチ演出用の変動パターンを決定する。さらに、リーチ判定においてハズレが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した第1変動パターン振分乱数の値に基づき、第1変動パターン振分テーブルから前記ハズレ演出用の変動パターンを決定する。
【0071】
また、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、前記第2図柄変動ゲームが開始された場合に、前記第2大当り判定及び前記小当り判定の判定結果に基づいて、前記第2変動パターン振分テーブルから変動パターンを決定する。具体的に言うと、第2大当り判定において大当りが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから前記第2変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、第2変動パターン振分テーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。また、小当り判定において小当りが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した第2変動パターン振分乱数の値に基づき、第2変動パターン振分テーブルから前記小当り演出用の変動パターンを決定する。さらに、第2大当り判定及び小当り判定においてハズレが決定された場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した第2変動パターン振分乱数の値に基づき、第2変動パターン振分テーブルからハズレ演出用の変動パターンを決定する。
【0072】
そして、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、前記第1特別図柄B1及び変動パターンを決定すると、変動パターンごとに対応付けられた前記変動時間を変動タイマとしてメインRAM31cのタイマ記憶領域に設定(記憶)し、前記第1特別図柄表示部51に第1特別図柄B1の変動を開始させる。同様に、メインCPU31aは、前記第2特別図柄B2及び変動パターンを決定すると、変動パターンごとに対応付けられた変動時間を変動タイマとしてメインRAM31cのタイマ記憶領域に設定(記憶)し、前記第2特別図柄表示部52に第2特別図柄B2の変動を開始させる。
【0073】
また、メインCPU31aは、前記演出制御基板32の演出制御CPU(図示略)に対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート41及び出力バッファ42を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言うと、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、制御コマンドとして設定(メインRAM31cに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降のコマンド出力処理で出力される。次に、メインCPU31aは、第1特別図柄B1または第2特別図柄B2を指定する特別図柄指定コマンドを、制御コマンドとして設定(メインRAM31cに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降のコマンド出力処理で出力される。また、メインCPU31aは、変動開始時に設定した変動タイマを割込み(4ms)ごとに減算する。そして、変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると(変動タイマが0msになると)、メインCPU31aは、変動開始時に第1特別図柄B1を決定した場合であれば、その第1特別図柄B1を第1特別図柄表示部51に表示させ、変動開始時に第2特別図柄B2を決定した場合であれば、その第2特別図柄B2を第2特別図柄表示部52に表示させる。また、メインCPU31aは、変動時間の経過に合わせて、各列の図柄の停止を指示する図柄停止コマンド(第1図柄停止コマンド、第2図柄停止コマンド)を、制御コマンドとして設定(出力)する。
【0074】
また、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、演出制御CPUに対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート41及び出力バッファ42を介して出力するようになっている。
【0075】
前記第1大当り遊技状態付与プログラムとは、メインCPU31aを『大当り遊技状態付与手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、前記第1大当り判定の判定結果が大当りとなる場合に、前記第1図柄変動ゲームの終了後に、前記第1大入賞装置23が前記第1開放状態となる第1大当り遊技状態を付与するようになっている。なお、第1大当り遊技状態では、1回のオープニング演出と、複数回(本実施形態では15回または2回)のラウンド演出と、1回のエンディング演出とが実行される。即ち本実施形態では、ラウンド数または1ラウンド当りの第1大入賞装置23の開放時間が互いに異なる2種類の第1大当り遊技状態が存在している。オープニング演出は、第1大入賞装置23が前記第1閉鎖状態である場合であって、第1大当り遊技状態が開始されるときに実行されるようになっている。各ラウンド演出は、第1大入賞装置23が第1閉鎖状態から第1開放状態に切り替えられる場合に開始されるようになっている。そして、ラウンド演出は、第1大入賞装置23が第1開放状態に切り替えられてから第1閉鎖状態に切り替えられるまでの間に実行されるようになっている。また、エンディング演出は、第1大入賞装置23が第1開放状態から第1閉鎖状態に切り替えられる場合であって、第1大当り遊技状態が終了されるとき(本実施形態では、15回目または2回目のラウンド演出の終了時)に実行されるようになっている。
【0076】
なお、第1大当り遊技状態は、前記第1特別図柄B1の種類に応じて決定されるようになっている(
図6,
図12参照)。具体的に言うと、メインCPU31aは、第1特別図柄B1が「3」または「7」を示す図柄である場合に、15回のラウンド演出が実行される15R大当り遊技状態(「15R大当り」)を第1大当り遊技状態として付与するようになっている。また、メインCPU31aは、第1特別図柄B1が「1」,「2」,「4」,「5」,「6」,「8」のいずれか1つを示す図柄である場合に、2回のラウンド演出が実行される2R大当り遊技状態(「2R大当り」)を第1大当り遊技状態として付与するようになっている。
【0077】
前記第2大当り遊技状態付与プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『大当り遊技状態付与手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、前記第2大当り判定による判定結果が大当りとなる場合に、前記第1大入賞装置23が前記第1開放状態となる第2大当り遊技状態を付与するようになっている。なお、第2大当り遊技状態では、1回のオープニング演出と、15回のラウンド演出と、1回のエンディング演出とが実行される。オープニング演出は、第1大入賞装置23が前記第1閉鎖状態であって、第2大当り遊技状態が開始されるときに実行されるようになっている。各ラウンド演出は、第1大入賞装置23が第1閉鎖状態から第1開放状態に切り替えられる場合に開始されるようになっている。そして、ラウンド演出は、第1大入賞装置23が第1開放状態に切り替えられてから第1閉鎖状態に切り替えられるまでの間に実行されるようになっている。また、エンディング演出は、第1大入賞装置23が第1開放状態から第1閉鎖状態に切り替えられる場合であって、第2大当り遊技状態が終了されるとき(本実施形態では、15回目のラウンド演出の終了時)に実行されるようになっている。
【0078】
なお、第2大当り遊技状態は、前記第2特別図柄B2の種類に応じて決定されるようになっている(
図10,
図12参照)。具体的に言うと、メインCPU31aは、第2特別図柄B2が「1.」または「2.」を示す図柄である場合に、前記15R大当り遊技状態を第2大当り遊技状態として付与するようになっている。
【0079】
なお
図12に示されるように、15R大当り遊技状態では、1回のラウンド演出の規定入賞個数が「9個」に設定されている。また、15R大当り遊技状態では、1回当りのラウンド演出のラウンド時間(規定開放時間)が「25000ms」に設定されている。なお、各ラウンド演出は、規定入賞個数分(9個分)の遊技球が入球すると終了するようになっている。このため、15R大当り遊技状態においては、1回当りのラウンド演出のラウンド時間である「25000ms」が最大時間となる。
【0080】
また
図12に示されるように、前記2R大当り遊技状態では、1回のラウンド演出の規定入賞個数が「9個」に設定されている。また、2R大当り遊技状態では、ラウンド時間(規定開放時間)が「1000ms」に設定されている。なお、各ラウンド演出は、規定入賞個数分(9個分)の遊技球が入球すると終了するようになっている。このため、2R大当り遊技状態においては、1回当りのラウンド演出のラウンド時間である「1000ms」が最大時間となる。即ち、2R大当り遊技状態である場合の前記第1大入賞装置23の大入賞口扉23aの開放時間(1000ms)は、15R大当り遊技状態である場合の大入賞口扉23aの開放時間(25000ms)よりも短いため、2R大当り遊技状態は、遊技球の入賞が相対的に困難な状態となっている。
【0081】
そして、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、前記第1図柄停止コマンドまたは前記第2図柄停止コマンドが出力された後に、前記オープニング演出の開始を指示するオープニング指定コマンドを生成し、制御コマンドとして出力する。次に、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている前記第1特別図柄B1が「3」,「7」を示す図柄である場合、または、メインRAM31cに記憶されている前記第2特別図柄B2が「1.」,「2.」を示す図柄である場合に、第1〜第15のラウンド演出の開始を指示する第1〜第15のラウンド指定コマンドを制御コマンドとして順番に出力する。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第1特別図柄B1が「1」,「2」,「4」,「5」,「6」,「8」を示す図柄である場合に、第1,第2のラウンド演出の開始を指示する第1,第2のラウンド指定コマンドを制御コマンドとして出力する。その後、メインCPU31aは、エンディング演出の開始を指示するエンディング指定コマンドを、制御コマンドとして出力する。
【0082】
前記小当り遊技状態付与プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『小当り遊技状態付与手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、前記小当り判定による判定結果が小当りとなる場合に、前記第2大入賞装置24を構成する前記一対の羽根部材24bが前記第2開放状態となる小当り遊技状態を付与するようになっている。なお、小当り遊技状態は、第2特別図柄B2の種類に応じて決定されるようになっている(
図10,
図12参照)。具体的に言うと、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第2特別図柄B2が「3.」を示す図柄である場合に、オープニング時間(5000ms)の経過後、一対の羽根部材24bが第2開放状態となる開放演出が1回実行される第1小当り遊技状態を付与するようになっている。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第2特別図柄B2が「4.」を示す図柄である場合に、オープニング時間(5000ms)の経過後、一対の羽根部材24bが第2開放状態となる開放演出が2回実行される第2小当り遊技状態を付与するようになっている。
【0083】
なお、本実施形態の開放演出は、一対の羽根部材24bが前記第2閉鎖状態から第2開放状態に切り替えられる場合に開始されるようになっている。そして、開放演出は、一対の羽根部材24bが第2開放状態に切り替えられてから第2閉鎖状態に切り替えられるまでの間に実行されるようになっている。なお、第1小当り遊技状態では、一対の羽根部材24bが1回開放するとともに、1回の開放において500ms(規定開放時間)が経過するまでのあいだ第2開放状態を維持するようになっている。一方、第2小当り遊技状態では、一対の羽根部材24bがインターバル(例えば1000ms)を挟んで2回開放するとともに、1回の開放において500ms(規定開放時間)が経過するまでのあいだ第2開放状態を維持するようになっている。
【0084】
前記変動時間短縮状態付与プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『変動時間短縮状態付与手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、前記第1大当り遊技状態(前記15R大当り遊技状態または前記2R大当り遊技状態)または前記第2大当り遊技状態(15R大当り遊技状態)の終了後に、変動時間短縮状態を付与するようになっている。本実施形態のメインCPU31aは、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が終了すると、100%の確率で変動時間短縮状態を付与するようになっている(
図5,
図9参照)。なお、変動時間短縮状態は、前記普通図柄変動ゲームでの前記普通図柄D1の変動時間を短縮するとともに、前記第2始動入賞装置22を構成する前記始動口扉22aが前記開状態を維持する開放時間を延長することにより、第2始動入賞装置22への遊技球の入球確率を向上させる状態である。本実施形態では、変動時間短縮状態が付与されていない通常遊技状態時に、普通図柄変動ゲームでの普通図柄D1の変動時間が2000msに設定され、変動時間短縮状態時に、普通図柄変動ゲームでの普通図柄D1の変動時間が12msに設定されている。
【0085】
なお、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、前記メインRAM31cに記憶されている前記第1特別図柄B1が「1」または「8」を示す図柄である場合に、10回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図7の「時短回数」参照)。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第1特別図柄B1が「2」,「5」,「6」のいずれか1つを示す図柄である場合に、20回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図7の「時短回数」参照)。さらに、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第1特別図柄B1が「3」を示す図柄である場合に、50回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図7の「時短回数」参照)。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第1特別図柄B1が「4」を示す図柄である場合に、30回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図7の「時短回数」参照)。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第1特別図柄B1が「7」を示す図柄である場合に、100回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図7の「時短回数」参照)。なお本実施形態では、第1特別図柄B1が選択されにくい図柄(即ち、対応付けられている当り図柄用乱数の数が少ない図柄)であるほど、変動時間短縮状態が付与される図柄変動ゲームの実行回数が多くなる傾向にある。
【0086】
また、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている前記第2特別図柄B2が「1.」を示す図柄である場合に、50回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図11の「時短回数」参照)。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第2特別図柄B2が「2.」を示す図柄である場合に、100回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図11の「時短回数」参照)。さらに、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている第2特別図柄B2が「3.」または「4.」を示す図柄である場合、小当り変動で大当りとなったときに付与される前記第3大当り遊技状態(いわゆる「V入賞」)の終了後に、20回の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変動時間短縮状態を付与する(
図11の「時短回数」参照)。
【0087】
前記当り判定プログラムとは、
図3,
図4に示されるメインCPU31aを『当り判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU31aは、前記ゲート25への遊技球の通過を契機として(即ち、前記メインRAM31cから読み出した前記普通当り判定用乱数の値と前記メインROM31bに記憶されている前記普通当り判定値とを比較して)、前記普通図柄変動ゲームの結果が当りになるか否かを判定する普通当り判定を行う。なお、本実施形態では、普通当り判定用乱数の採りうる数値を0〜254(全255通りの整数)としている。そして、通常遊技状態時(変動時間短縮状態が付与されていないとき)において、メインCPU31aは、普通当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた30個の普通当り判定値を用いて、当りの抽選確率を255分の30として普通当り判定を行う(
図8の「通常遊技状態」参照)。なお、変動時間短縮状態時において、メインCPU31aは、普通当り判定用乱数の採りうる数値の中から254個の普通当り判定値を用いて、当りの抽選確率を255分の254として普通当り判定を行う(
図8の「変動時間短縮状態」参照)。即ち、メインCPU31aは、変動時間短縮状態が付与されると、殆どの場合において普通図柄変動ゲームの結果が当りになると判定する。
【0088】
なお、変動時間短縮状態において普通図柄変動ゲームに当選すると、前記始動口扉22aは、前記通常遊技状態時とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。即ち、通常遊技状態時に普通図柄変動ゲームに当選した場合には、2.0秒間(2000ms)のオープニング時間の経過後、始動口扉22aを1回開放するとともに、0.6秒(600ms)の開放時間が経過するまでのあいだ前記開状態を維持するようになっている。一方、変動時間短縮状態時に普通図柄変動ゲームに当選した場合には、0.004秒(4ms)のオープニング時間の経過後、始動口扉22aが3回開放するとともに、1回の開放において1.3秒(1300ms)の開放時間が経過するまでのあいだ開状態を維持するようになっている。即ち、変動時間短縮状態時には、始動口扉22aが前記閉状態から開状態に切り替えられる回数が増加するとともに、始動口扉22aが開状態を維持する時間が延長されるために、合計開放時間が長くなり、遊技者にとって有利に動作するようになっている。
【0089】
従って、変動時間短縮状態が付与されない通常遊技状態である場合、前記普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間は、普通図柄変動ゲームの変動時間(2000ms)及びオープニング時間(2000ms)の合計時間と等しく、本実施形態では4000msとなっている。なお、普通当り判定は遊技球が前記ゲート25を通過したことを契機として開始されるため、通常遊技状態である場合、普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間は、ゲート25を通過した遊技球が第2始動入賞装置22に入球できない程度の長さとなる。一方、変動時間短縮状態が付与された場合、普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間は、普通図柄変動ゲームの変動時間(12ms)及びオープニング時間(4ms)の合計時間と等しく、本実施形態では16msとなっている。この場合、普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間は、ゲート25を通過した遊技球が第2始動入賞装置22に直接入球できる程度の長さとなる。
【0090】
なお、前記第2大入賞装置24に入球した遊技球が前記特別入賞領域94(
図2参照)に入球した場合(前記特別入賞口スイッチSE8によって遊技球が検知された場合)、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、大当りとなって遊技者に有利な前記第3大当り遊技状態(いわゆる「V入賞」)を付与するようになっている。なお
図12に示されるように、第3大当り遊技状態では、1回の前記オープニング演出と、15回の前記ラウンド演出と、1回の前記エンディング演出とが実行される。また、第3大当り遊技状態では、1回のラウンド演出の規定入賞個数が「9個」に設定されている。さらに、第3大当り遊技状態では、1回当りのラウンド演出のラウンド時間(規定開放時間)が「25000ms」に設定されている。なお、各ラウンド演出は、規定入賞個数分(9個分)の遊技球が入球すると終了するようになっている。このため、第3大当り遊技状態においては、1回当りのラウンド演出のラウンド時間である「25000ms」が最大時間となる。
【0091】
そして、
図3,
図4に示されるメインCPU31aは、特別入賞口スイッチSE8からの検知信号の入力を契機として、オープニング演出の開始を指示するオープニング指定コマンドを生成し、制御コマンドとして出力する。次に、メインCPU31aは、第1〜第15のラウンド演出の開始を指示する前記第1〜第15のラウンド指定コマンドを制御コマンドとして順番に出力する。その後、メインCPU31aは、エンディング演出の開始を指示するエンディング指定コマンドを、制御コマンドとして出力する。
【0092】
また、メインCPU31aは、前記第1始動口スイッチSE1からの前記第1入賞信号(検知信号)、前記第2始動口スイッチSE2からの前記第2入賞信号(検知信号)、前記第1カウントスイッチSE3からの検知信号、前記第2カウントスイッチSE4、及び、前記入賞口スイッチSE6,SE7からの検知信号が入力された際に、賞球の払出し制御を実行する。具体的に言うと、メインCPU31aは、検知信号を入力すると、当該検知信号から遊技者に払い出すべき賞球数を特定し、その個数の賞球の払出しを指示する賞球払出信号を前記払出制御基板33に出力する。そして、払出制御基板33は、賞球払出信号を入力すると、前記払出装置34を駆動させて必要な個数の賞球を払い出させるようになっている。
【0093】
(2−2)演出制御基板32の電気的構成
図3に示されるように、演出制御基板32は、演出制御CPU(図示略)を備えており、演出制御CPUには演出制御ROM(図示略)及び演出制御RAM(図示略)が接続されている。演出制御CPUは、前記遊技演出の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、演出制御CPUは、更新後の値を演出制御RAMの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。例えば、演出制御RAMの乱数記憶領域には、左図柄乱数、中図柄乱数、右図柄乱数などが記憶されている。演出制御RAMのタイマ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のタイマが記憶(設定)されるようになっている。
【0094】
また、演出制御ROMには、前記第1図柄組み合わせゲームまたは前記第2図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の演出データが記憶されている。演出データとは、演出制御CPUが、前記第1演出図柄表示部71及び前記第2演出図柄表示部72に表示演出の実行を指示するための情報である。また、演出データとは、演出制御CPUが、前記枠用ランプ16a〜16cの発光出力態様や前記スピーカ17a〜17cの音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。
【0095】
さらに、演出制御ROMには、第1図柄組み合わせゲーム後の前記第1大当り遊技状態、または、第2図柄組み合わせゲーム後の前記第2大当り遊技状態において用いられる1種類のオープニング演出用演出データ、15種類のラウンド演出用演出データ、及び、1種類のエンディング演出用演出データが記憶されている。オープニング演出用演出データは、前記オープニング演出に対応付けて記憶されている。各ラウンド演出用演出データは、前記第1〜第15のラウンド演出ごとに対応付けて記憶されている。エンディング演出用演出データは、前記エンディング演出に対応付けて記憶されている。オープニング演出用演出データ、ラウンド演出用演出データ及びエンディング演出用演出データとは、演出制御CPUが、演出図柄表示部71,72、枠用ランプ16a〜16c及びスピーカ17a〜17cにオープニング演出、第1〜第15のラウンド演出及びエンディング演出の実行を指示するための情報である。
【0096】
また、演出制御ROMには、報知演出が行われる際に用いられる報知演出用演出データが記憶されている。報知演出用演出データとは、演出制御CPUが、前記図柄表示装置61に報知演出の実行を指示するための情報である。また、報知演出とは、前記第2図柄変動ゲームの結果が小当りとなってから前記第2大入賞装置24が前記第2開放状態となるまでの間、即ち、前記演出制御RAMに記憶されている前記第2特別図柄B2が「3.」または「4.」である場合に、第2大入賞装置24を狙って遊技球を発射すべき旨を遊技者に報知する演出である。なお、本実施形態の報知演出では、図柄表示装置61に「右打ち開始」という文字と右向きの矢印「→」とを表示させる演出が行われるようになっている。
【0097】
ところで、
図3,
図4に示される前記メインCPU31aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを演出制御RAMに記憶するようになっている。また、前記特別図柄指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、特別図柄指定コマンドが指定する前記第1特別図柄B1または前記第2特別図柄B2を演出制御RAMに記憶するようになっている。
【0098】
さらに、演出制御CPUは、演出制御RAMに記憶されている第1特別図柄B1に基づいて、前記第1図柄組み合わせゲームの終了時に前記第1演出図柄表示部71に停止表示される前記第1演出図柄E1を生成するようになっている。例えば、演出制御RAMに記憶されている第1特別図柄B1が「1」〜「8」のいずれかである場合、演出制御RAMに記憶されている変動パターンは前記大当り演出用の変動パターンとなる。この場合、演出制御CPUは、第1演出図柄表示部71に最終的に停止させる第1演出図柄E1(演出図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように生成する。具体的に言うと、演出制御CPUは、第1特別図柄B1に基づいて、演出図柄左、演出図柄中及び演出図柄右(各演出図柄は同一種類)を生成する。例えば、第1特別図柄B1が「1」であれば第1演出図柄E1を「1」とし、第1特別図柄B1が「2」であれば第1演出図柄E1を「2」とする。この生成された第1演出図柄E1(演出図柄左、中、右)が、第1演出図柄表示部71に最終的な図柄組み合わせとして導出される。そして、演出制御CPUは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを演出制御RAMに記憶する。
【0099】
また、演出制御CPUは、演出制御RAMに記憶されている前記第2特別図柄B2に基づいて、前記第2図柄組み合わせゲームの終了時に前記第2演出図柄表示部72に停止表示される前記第2演出図柄E2を生成するようになっている。例えば、演出制御RAMに記憶されている第2特別図柄B2が「1.」または「2.」である場合、演出制御RAMに記憶されている変動パターンは大当り演出用の変動パターンとなる。この場合、演出制御CPUは、第2演出図柄表示部72に最終的に停止させる第2演出図柄E2(演出図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように生成する。具体的に言うと、演出制御CPUは、第2特別図柄B2に基づいて、演出図柄左、演出図柄中及び演出図柄右(各演出図柄は同一種類)を生成する。例えば、第2特別図柄B2が「1.」であれば第2演出図柄E2を「1」とし、第2特別図柄B2が「2.」であれば第2演出図柄E2を「2」とする。この生成された第2演出図柄E2(演出図柄左、中、右)が、第2演出図柄表示部72に最終的な図柄組み合わせとして導出される。そして、演出制御CPUは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを演出制御RAMに記憶する。
【0100】
演出制御RAMに記憶されている第2特別図柄B2が「3.」または「4.」である場合、演出制御RAMに記憶されている変動パターンは小当り演出用の変動パターンとなる。この場合、演出制御CPUは、演出図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的に言うと、演出制御CPUは、前記左図柄乱数の値に基づいて、「1」〜「3」のいずれかの数字を示す第2演出図柄E2を演出図柄左及び演出図柄右(両演出図柄は同一種類)として決定する。そして、演出制御CPUは、「チャンス」という文字を示す小当り専用の第2演出図柄E2を演出図柄中として決定する。そして、演出制御CPUは、決定した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを演出制御RAMに記憶する。
【0101】
演出制御RAMに記憶されている第1特別図柄B1または第2特別図柄B2が「0」であって、演出制御RAMに記憶されている変動パターンがハズレリーチ演出用の変動パターンである場合、演出制御CPUはハズレリーチを決定する。この場合、演出制御CPUは、演出図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、左図柄乱数の値に基づいて演出図柄左及び演出図柄右(両演出図柄は同一種類)を生成する。そして、前記中図柄乱数の値に基づいて演出図柄中を生成する。中図柄乱数の値と左図柄乱数の値(または右図柄乱数の値)とが一致していた場合、演出制御CPUは、演出図柄中と演出図柄左(または演出図柄右)とが一致しないように演出図柄中を生成する。そして、演出制御CPUは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを演出制御RAMに記憶する。本実施形態では、左図柄乱数、右図柄乱数及び中図柄乱数の各乱数の採りうる数値を0〜8の9通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。
【0102】
演出制御RAMに記憶されている第1特別図柄B1または第2特別図柄B2が「0」または「0.」であって、演出制御RAMに記憶されている変動パターンがハズレ演出用の変動パターンである場合、演出制御CPUはハズレを決定する。この場合、演出制御CPUは、演出図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように生成する。具体的には、左図柄乱数の値に基づいて演出図柄左を生成し、中図柄乱数の値に基づいて演出図柄中を生成し、右図柄乱数の値に基づいて演出図柄右を生成する。左図柄乱数の値と右図柄乱数の値とが一致していた場合、演出制御CPUは、演出図柄左と演出図柄右とが一致しないように演出図柄右を生成する。そして、演出制御CPUは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを演出制御RAMに記憶する。
【0103】
その後、
図3,
図4に示されるメインCPU31aから前記第1図柄停止コマンドが入力されると、演出制御CPUは、変動開始時に入力されて演出制御RAMに記憶された演出図柄左、右、中に基づいて、前記第1演出図柄表示部71に前記第1演出図柄E1の停止を指示するようになっている。これにより、指定された第1演出図柄E1が停止して、第1演出図柄表示部71に表示される。さらに、メインCPU31aから第1図柄停止コマンドが入力されると、演出制御CPUは、前記枠用ランプ16a〜16cの発光停止を指示するとともに、前記スピーカ17a〜17cの音声出力停止を指示するようになっている。
【0104】
また、メインCPU31aから前記第2図柄停止コマンドが入力されると、演出制御CPUは、変動開始時に入力されて演出制御RAMに記憶された演出図柄左、右、中に基づいて、前記第2演出図柄表示部72に前記第2演出図柄E2の停止を指示するようになっている。これにより、指定された第2演出図柄E2が停止して、第2演出図柄表示部72に表示される。さらに、メインCPU31aから第2図柄停止コマンドが入力されると、演出制御CPUは、枠用ランプ16a〜16cの発光停止を指示するとともに、スピーカ17a〜17cの音声出力停止を指示するようになっている。
【0105】
また、
図3,
図4に示されるメインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、前記演出制御ROMに記憶された複数種類の前記演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した演出データを演出制御RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、演出制御CPUは、変動パターン指定コマンドに対応する演出データに基づいて、表示制御、発光制御及び音声制御を行うようになる。より詳しくは、演出制御CPUは、演出制御RAMに記憶されている演出データを図柄信号に変換し、前記第1演出図柄表示部71または第2演出図柄表示部72に出力する。その結果、第1演出図柄表示部71または第2演出図柄表示部72は、図柄信号に基づき所定の表示(前記第1図柄組み合わせゲームまたは前記第2図柄組み合わせゲーム)を行うことができるようになる。また、演出制御CPUは、演出制御RAMに記憶されている演出データを発光制御信号に変換し、枠用ランプ16a〜16cに出力する。その結果、枠用ランプ16a〜16cは、発光制御信号に基づき所定の発光動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。さらに、演出制御CPUは、演出制御RAMに記憶されている演出データを音声信号に変換し、スピーカ17a〜17cに出力する。その結果、スピーカ17a〜17cは、音声信号に基づき所定の出力動作(音声の出力)を行うことができるようになる。
【0106】
さらに、
図3,
図4に示されるメインCPU31aから前記オープニング指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、演出制御ROMに記憶された前記オープニング演出用演出データを設定(生成)して、設定したオープニング演出用演出データを演出制御RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、演出制御CPUは、オープニング指定コマンドやオープニング演出用演出データに基づいて表示制御、発光制御及び音声制御を行うようになる。
【0107】
次に、メインCPU31aから前記第1〜第15のラウンド指定コマンドまたは前記第1,第2のラウンド指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、演出制御ROMに記憶された15種類のラウンド演出用演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定したラウンド演出用演出データを演出制御RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、演出制御CPUは、ラウンド指定コマンドやラウンド演出用演出データに基づいて表示制御、発光制御及び音声制御を行うようになる。
【0108】
さらに、
図3,
図4に示されるメインCPU31aから前記エンディング指定コマンドが入力されると、演出制御CPUは、演出制御ROMに記憶されたエンディング演出用演出データを設定(生成)して、設定したエンディング演出用演出データを演出制御RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、演出制御CPUは、エンディング指定コマンドやエンディング演出用演出データに基づいて表示制御、発光制御及び音声制御を行うようになる。
【0109】
なお本実施形態では、前記第2図柄変動ゲームの結果が小当りとなる場合に、前記第2大当り遊技状態の終了後に前記第2大入賞装置24を前記第2閉鎖状態から前記第2開放状態に切り替えるようになっている。しかしながら、遊技者は、どこを狙って遊技球を発射すべきかを理解することができない。そこで、演出制御CPUは、第2図柄変動ゲームの結果が小当りとなった場合、即ち、演出制御RAMに記憶されている前記第2特別図柄B2が「3.」または「4.」である場合に、前記報知演出を実行させる制御を行うようになっている。具体的に言うと、演出制御CPUは、演出制御ROMに記憶された前記報知演出用演出データを設定(生成)して、設定した報知演出用演出データを演出制御RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、演出制御CPUは、報知演出用演出データに基づいて表示制御、発光制御及び音声制御を行うようになる。
【0111】
(A−1)まず、変動時間短縮状態が付与されていない通常遊技状態時において、遊技者は、第1始動入賞装置21を狙って遊技球を発射(いわゆる左打ち)する(
図13(a)の〈1〉参照)。なお、遊技者が、仮に第2始動入賞装置22を狙って遊技球を発射したとしても、この時点では始動口扉22aが閉状態を維持しているため、遊技球が第2始動入賞装置22に入賞することはない。また、通常遊技状態中に遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄変動ゲームに当選して始動口扉22aが開状態に切り替えられる可能性があるが、通常遊技状態時では、当りの抽選確率を255分の30として普通当り判定を行っているため、普通図柄変動ゲームに当選する確率が低い。仮に、普通図柄変動ゲームに当選したとしても、2.0秒(2000ms)のオープニング時間の経過後に始動口扉22aが開状態に切り替えられるため、ゲート25を通過した遊技球は、始動口扉22aが開状態に切り替えられる前に、始動口扉22a上を通過して第2始動入賞装置22の下方に流下してしまう。しかも本実施形態では、遊技者が前記操作ハンドル19を操作した際に、最大で0.6秒(600ms)に1個(換言すると、1分間に100個以下)の遊技球が発射されるが、始動口扉22aの開放時間(開状態を維持する時間)は0.6秒(600ms)である。このため、通常遊技状態中に遊技球が第2始動入賞装置22に入賞することは稀である。よって、遊技者は、第1始動入賞装置21を狙って遊技球を発射するようになる。
【0112】
(A−2)そして、遊技球が第1始動入賞装置21に入賞すると、第1特別図柄表示部51において第1特別図柄B1を変動させる第1図柄変動ゲームが開始される。このとき、第1図柄変動ゲームに関連して、第1演出図柄表示部71において第1演出図柄E1を変動させる第1図柄組み合わせゲームが行われ、第1演出図柄E1が第1特別図柄B1よりも大きく表示されるため、遊技者は、第1演出図柄表示部71を見ることによって第1図柄変動ゲームの結果を認識することができる。
【0113】
(A−3)そして、第1図柄変動ゲームの結果が大当りになると、第1大入賞装置23が第1開放状態となる第1大当り遊技状態が付与される。なお、本実施形態の第1大当り遊技状態では、1回当りのラウンド演出のラウンド時間(規定開放時間)が「25000ms」または「30000ms」に設定され、大入賞口扉23aの第1開放状態への切り替えが15回または2回繰り返して行われる。このとき、第1大入賞装置23に遊技球を入賞させれば(
図13(a)の〈2〉参照)、遊技者は一気に多量の賞球を獲得することができる。
【0114】
(A−4)その後、第1大当り遊技状態が終了すると、変動時間短縮状態が付与される。変動時間短縮状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの抽選確率が255分の30から255分の254に向上するため、普通図柄変動ゲームに当選する確率が極めて高くなる(ほぼ100%になる)。また、オープニング時間が2.0秒(2000ms)から0.004秒(4ms)に短縮されるため、ゲート25を通過した遊技球が第2始動入賞装置22に直接入球できるようになる。しかも、始動口扉22aの開放時間が600msから1300msに延長されるため、遊技球が第2始動入賞装置22に入賞する確率はよりいっそう高くなる。即ち、第2始動入賞装置22への遊技球の入賞を契機として実行される第2図柄変動ゲームは、殆どの場合、変動時間短縮状態中に実行されるようになっている。
【0115】
(A−5)そして、遊技球がゲート25を通過して第2始動入賞装置22に入賞すると(
図13(b)の〈3〉参照)、第2特別図柄表示部52において第2特別図柄B2を変動させる第2図柄変動ゲームが開始される。このとき、第2図柄変動ゲームに関連して、第2演出図柄表示部72において第2演出図柄E2を変動させる第2図柄組み合わせゲームが行われ、第2演出図柄E2が第2特別図柄B2よりも大きく表示されるため、遊技者は、第2演出図柄表示部72を見ることによって第2図柄変動ゲームの結果を認識することができる。
【0116】
(A−6)そして、第2図柄変動ゲームの結果が大当りになると、第1大入賞装置23が第1開放状態となる第2大当り遊技状態が付与される。なお、本実施形態の第2大当り遊技状態では、1回当りのラウンド演出のラウンド時間(規定開放時間)が「25000ms」に設定され、大入賞口扉23aの第1開放状態への切り替えが15回繰り返して行われる。このとき、第1大入賞装置23に遊技球を入賞させれば(
図13(b)の〈4〉参照)、遊技者は一気に多量の賞球を獲得することができる。
【0117】
また、第2図柄変動ゲームの結果が小当りとなると、第2大入賞装置24が第2開放状態となる。この場合、オープニング時間(本実施形態では5000ms)が経過するまでの間、図柄表示装置61に「右打ち開始」という文字と右向きの矢印「→」とを表示させる報知演出が行われる。このとき、遊技者は、第2大入賞装置24を狙って遊技球を発射(いわゆる右打ち)すべきことを認識することができる。
【0118】
(A−7)そして、遊技球が第2大入賞装置24に入賞すると(
図13(b)の〈5〉参照)、遊技球は、通路部91aを通過して、回転体収容部91b内にある回転体92によって普通入賞領域93側と特別入賞領域94側とに振り分けられる。そして、特別入賞領域94に遊技球が入球し、特別入賞口スイッチSE8によって遊技球が検知されると、第3大当り遊技状態(いわゆる「V入賞」)が付与される。なお、本実施形態の第3大当り遊技状態では、1回当りのラウンド演出のラウンド時間(規定開放時間)が「25000ms」に設定され、大入賞口扉23aの第1開放状態への切り替えが15回繰り返して行われるため、遊技者は再び多量の賞球を獲得することができる。そして、第3大当り遊技状態の終了後には、再度変動時間短縮状態が付与される。
【0119】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0120】
(1)本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄変動ゲームの結果が当りになるまでの間は開閉片(始動口扉22a)が閉状態を維持するため、第2始動入賞装置22に遊技球を入賞させることができない。この場合、開閉片を有しない第1始動入賞装置21に遊技球を入賞させて第1図柄変動ゲームを開始させることができるものの、第2始動入賞装置22に遊技球を入賞させて第2図柄変動ゲームを開始させることはできない。そして、普通図柄変動ゲームの結果が当りになると、始動口扉22aが開状態に切り替えられて第2始動入賞装置22への遊技球の入賞が可能となるため、第1図柄変動ゲームに加えて第2図柄変動ゲームが開始可能となる。即ち、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームとを単純に組み合わせただけであると、遊技が煩雑になりやすいが、本実施形態では、普通図柄変動ゲームの結果が当りとなってはじめて第2図柄変動ゲームが開始可能となる。換言すると、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームとが有機的に組み合わせられているため、遊技の単調さが解消され、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
【0121】
(2)本実施形態では、第1図柄変動ゲームの結果が大当りになって変動時間短縮状態が付与された場合、普通図柄変動ゲームの結果が当りとなる確率が高くなる(255分の30→255分の254)ため、始動口扉22aが開状態に切り替えられて第2図柄変動ゲームが開始可能となる頻度が高くなる。また本実施形態では、変動時間短縮状態が付与された場合に、普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間が、ゲート25を通過した遊技球が落下して第2始動入賞装置22に到達するまでの時間以下に設定される。具体的に言うと、普通当り判定の開始から始動口扉22aが開状態に切り替わるまでの時間は、普通図柄変動ゲームの変動時間(12ms)及びオープニング時間(4ms)との合計時間(16ms)となる。この場合、ゲート25を通過した遊技球をそのまま第2始動入賞装置22に入賞させやすくなるため、第2図柄変動ゲームが開始される頻度が高くなる。即ち、変動時間短縮状態が付与されるか否かによって第2図柄変動ゲームが開始される頻度が変化するため、遊技の単調さがより確実に解消され、遊技者はよりいっそう飽きにくくなる。また、変動時間短縮状態が付与されていない通常遊技状態時には、遊技球が第2始動入賞装置22に入賞する可能性が極めて低くなるため、設計者が意図する遊技性を発揮できずに遊技者が十分に楽しめなくなることを確実に防止できる。
【0122】
(3)本実施形態では、第1図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合に、15R大当り遊技状態及び2R大当り遊技状態の両方が付与される可能性があるが、第2図柄変動ゲームの結果が大当りとなる場合には、15R大当り遊技状態のみが付与され、2R大当り遊技状態が付与されることはない。これにより、図柄変動ゲームの結果が大当りになる確率を変更しなくても(即ち、図柄変動ゲームにおいて大当りが導出される確率が高確率に変動する確率変動状態が付与されていなくても)、大当り遊技状態の種類に応じて賞球数が変化するため、遊技の単調さがより確実に解消され、遊技者はよりいっそう飽きにくくなる。
【0123】
(4)本実施形態では、特別入賞領域94に遊技球が入賞するか否かにかかわらず、第1図柄変動ゲームの結果が大当りとなるだけで第1大当り遊技状態が確実に付与され、第2図柄変動ゲームの結果が大当りとなるだけで第2大当り遊技状態が確実に付与される。これにより、遊技者に対して安定して賞球を払い出すことができ、遊技の技術にかかわらず、遊技を楽しませることができる。
【0124】
(5)本実施形態では、第1図柄変動ゲームや第2図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、100%の確率で変動時間短縮状態が付与されるようになっている。即ち、図柄変動ゲームが大当りとなった場合には、第1大入賞装置23が開放するという特典が付与されるだけでなく、大当り遊技状態後の図柄変動ゲームにおいても変動時間短縮状態という特典が付与されることとなる。これにより、遊技の流れが複雑化されるため、遊技者を飽きさせることがなく、遊技の興趣が向上する。
【0125】
(6)本実施形態では、第1図柄変動ゲームを開始させる契機となる第1始動入賞装置21が、図柄表示装置61の左下側の領域に配設され、第2図柄変動ゲームを開始させる契機となる第2始動入賞装置22が、図柄表示装置61の下側領域に配設されている。一方、第2図柄変動ゲームの結果が小当りになった場合に遊技球の入球が可能となる第2大入賞装置24が、図柄表示装置61の右側領域に配設されている。これにより、遊技者は、第2図柄変動ゲームの結果が小当りにならない限り、図柄表示装置61の左側領域や下側領域、即ち、第2大入賞装置24が存在しない領域を狙って遊技球を発射するようになる。そして、第2図柄変動ゲームの結果が小当りになると、遊技者は、図柄表示装置61の右側領域、即ち、第2大入賞装置24が存在する領域を狙って遊技球を発射するようになる。即ち、遊技者は、遊技状態が変化すると、異なる領域を狙って遊技球を発射するようになるため、遊技の単調さがより確実に解消され、遊技者はよりいっそう飽きにくくなる。
【0126】
(7)本実施形態では、当り判定用乱数及び当り図柄用乱数が、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームとで共通して用いられる乱数となっている。しかも、当り判定用乱数は、第2大当り判定時と小当り判定時とで共通して用いられる乱数となっている。以上のことから、乱数の種類を減らすことができるため、メインRAM31cに記憶されるデータ量を低減させることができる。
【0127】
(8)本実施形態では、演出図柄E1,E2の作成を、メインCPU31aではなく演出制御CPUによって行っているため、メインCPU31aにかかる負担を軽減することができる。
【0128】
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
【0129】
・上記実施形態では、第2大入賞装置24に入球した遊技球が特別入賞領域94に入球した場合に、第1大入賞装置23が開放する第3大当り遊技状態が付与されるようになっていたが、第3大当り遊技状態を付与するのに加えて、第2大入賞装置24を構成する一対の羽根部材24bを再度第2開放状態に切り替えるようにしてもよい。
【0130】
・上記実施形態の第2始動入賞装置22には、始動口扉22a(開閉片)からなる普通電動役物が一体的に構成されていたが、第2始動入賞装置22の構造を変更してもよい。例えば、第2始動入賞装置22には、一対の羽根部材(開閉片)からなる普通電動役物が一体的に構成されていてもよい。
【0131】
・上記実施形態の第1大入賞装置23には、大入賞口扉23aからなる特別電動役物が一体的に構成されていたが、第1大入賞装置23の構造を変更してもよい。例えば、第1大入賞装置23には、一対の羽根部材からなる特別電動役物が一体的に構成されていてもよい。
【0132】
・上記実施形態の第2大入賞装置24には、一対の羽根部材24bからなる特別電動役物が一体的に構成されていたが、第2大入賞装置24の構造を変更してもよい。例えば、第2大入賞装置24には、大入賞口扉からなる特別電動役物が一体的に構成されていてもよい。
【0133】
・上記実施形態の回転体92は、遊技球が特別入賞領域94に入球する確率を8分の1としていたが、普通入賞領域93や特別入賞領域94の数を変更するなどして、遊技球が特別入賞領域94に入球する確率を任意に変更してもよい。また、回転体92を省略し、通路部91aを通過した遊技球を、普通入賞口93aまたは特別入賞口94aに直接入球させるようにしてもよい。
【0134】
・上記実施形態において、第1始動入賞装置21に入球して検知された遊技球の数を第1始動保留球数としてメインRAM31cに記憶し、メインRAM31cに記憶されている第1始動保留球数に基づいて第1図柄変動ゲームを実行させるようにしてもよい。なお、「第1始動保留球数」とは、第1特別図柄B1(第1演出図柄E1)の変動中に第1始動入賞装置21に入賞した遊技球の数を所定の最大値(例えば4)の範囲で記憶した値である。第1始動保留球数は、第1始動入賞装置21への遊技球の入賞により「+1」され、第1特別図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
【0135】
同様に、第2始動入賞装置22に入球して検知された遊技球を第2始動保留球数としてメインRAM31cに記憶し、メインRAM31cに記憶されている第2始動保留球数に基づいて第2図柄変動ゲームを実行させるようにしてもよい。なお、「第2始動保留球数」とは、第2特別図柄B2(第2演出図柄E2)の変動中に第2始動入賞装置22に入賞した遊技球の数を所定の最大値(例えば4)の範囲で記憶した値である。第2始動保留球数は、第2始動入賞装置22への遊技球の入賞により「+1」され、第2特別図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
【0136】
・上記実施形態では、図柄表示装置61が備える1つの可視表示部Hが、第1図柄組み合わせゲーム用の第1演出図柄表示部71と第2図柄組み合わせゲーム用の第2演出図柄表示部72とを有していた。しかし、第1図柄組み合わせゲーム用の図柄表示装置(第1演出図柄表示装置)と第2図柄組み合わせゲーム用の図柄表示装置(第2演出図柄表示装置)とを別個に設けてもよい。
【0137】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0138】
(1)請求項1または2において、前記図柄表示装置は、前記第1特別図柄に基づいて生成される複数種類の第1演出図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる第1図柄組み合わせゲームを行う第1演出図柄表示装置と、前記第1演出図柄表示装置とは別個に設けられ、前記第2特別図柄に基づいて生成される複数種類の第2演出図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる第2図柄組み合わせゲームを導出させる第2図柄組み合わせゲームを行う第2演出図柄表示装置とからなることを特徴とする遊技機。
【0139】
(2)請求項1または2において、前記変動時間短縮状態付与手段は、前記第2当り判定手段による判定結果が大当りとなる場合に、前記大当り遊技状態の終了後に、前記変動時間短縮状態を付与することを特徴とする遊技機。