【文献】
山本 弘史,合理化、短期化に向けた承認申請現場の変革,月刊新医療,株式会社エム・イー振興協会,2005年 2月 1日,第32巻,第2号,P.46-49
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置及び認可されていない第2装置それぞれから、当該装置で測定された同一人物についての同種の生体情報を複数取得する取得手段と、
取得した各生体情報について、当該生体情報が前記第1装置で測定されたものであるか前記第2装置で測定されたものであるかを判別する判別手段と、
前記第1装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第1データ群と前記第2装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第2データ群とを、異なる表示態様で同一画面にて表示する表示処理手段とを備える
ことを特徴とするデータ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
1.第1の実施の形態
1.1 データ処理システム1について
図1は、第1の実施の形態におけるデータ処理システム1における構成を示す図である。データ処理システム1は、データ処理装置10と、測定装置31、32とから構成されている。
【0018】
測定装置31は、特定機関から医療用途可能として認可されていない装置であって、ストレスを測定するものである。測定装置31は、例えば、ストレス状態に応じて変化する脈波に着目した簡易脈拍計測器もしくは、ストレス状態に応じて変化する呼吸に着目した低周波コンデンサマイクである。
【0019】
測定装置32は、特定機関から医療用途可能として認可された装置であって、ストレスを測定するものである。測定装置32は、例えば、ストレス状態に応じて変化する唾液中のアミラーゼに着目した、唾液アミラーゼ計測器である。
【0020】
データ処理装置10は、測定装置31、32から一ユーザの測定結果(ここでは、以下、「生体情報」という。)を複数取得し、取得した生体情報を、測定装置32(許認可済の装置)で測定された生体情報と、測定装置31(未認可の装置)で測定された生体情報とを区別できるよう表示態様を異なる表示態様で表示するものである。
【0021】
なお、測定装置31、32とデータ処理装置10との接続方法としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)による接続や、Bluetoothによる無線接続がある。
【0022】
1.2 データ処理装置10の構成
ここでは、データ処理装置10の構成について説明する。
【0023】
データ処理装置10は、
図1に示すように、データ取得装置11とデータ表示装置21とを有している。
【0024】
なお、ここでは、データ取得装置11とデータ表示装置21とは、内部バスにより接続されているものとする。
【0025】
(1)データ取得装置11
データ取得装置11は、測定装置31、32から生体情報を取得し、取得した生体情報が測定装置31で測定されたものであるか測定装置32で測定されたものであるかを判別して、判別した結果とともに取得した生体情報をデータ表示装置21へ出力するものである。
【0026】
具体的には、データ取得装置11は、
図1に示すように、取得部111、出力部112、測定装置判別部113及び測定装置DB(DataBase)114から構成されている。
【0027】
(1−1)測定装置DB114
測定装置DB114は、認可された装置についての情報を蓄積するものであり、
図2に示す装置情報テーブルT100を有している。
【0028】
装置情報テーブルT100は、装置名、型番、測定種別、単位、許認可フラグ及び許認可番号からなる組(以下、装置情報という。)を複数記憶するための領域を有している。
【0029】
装置名は装置の名称を示し、型番はその装置を一意に識別するための番号である。測定種別は当該装置で測定する生体情報の種類(例えば、「ストレス」)を示し、単位は測定した数値の単位を示す。さらに、許認可番号は、許認可された装置を一意に識別するためのものであり、医療関係者が医療判断として利用するための条件を満たしていることを示す番号である。許認可フラグは、当該装置が許認可を受けているか否かを示すフラグであり、例えば値“1”は許認可を受けていることを、値“0”は認可されていないことを示す。当該許認可番号は、その装置が特定機関により認可された場合に、一意識別できるように付与されるものである。なお、許認可フラグの値が“1”であるにも関わらず許認可番号が不明な場合には装置情報における許認可番号の項目は“空白”となる。
【0030】
(1−2)取得部111
取得部111は、USB接続や無線接続された測定装置31、32から生体情報を取得するものである。
【0031】
具体的には、取得部111は、測定装置31、32から、生体情報と当該生体情報の測定日時と当該装置を識別する識別情報とを取得する。本実施の形態では、測定装置31、32それぞれから同一人物について複数の同種の生体情報(例えば、ストレスに係るデータ)、及びこれら生体情報それぞれの測定日時を取得する。ここで識別情報とは、装置名、型番及び許認可番号である。認可されていない測定装置31からの識別情報には許認可番号は含まれない。また、認可されているにも関わらず許認可番号が不明な場合においても識別情報には許認可番号は含まれない。識別情報は、各測定装置から生体情報を取得する際に1回取得するものとする。
【0032】
取得部111は、取得した生体情報及びその測定日時と、測定装置判別部113による判別結果とを含む表示情報を出力部112を介してデータ表示装置21へ出力する。なお、以降において、表示情報とは、複数の生体情報、それらの測定日時、判別結果の他生体情報の種別、生体情報を測定した装置名、測定した値の単位を含む情報とする。
【0033】
(1−3)測定装置判別部113
測定装置判別部113は、取得部111で取得した生体情報それぞれが許認可された装置からのものであるか否かを測定装置DB114の装置情報テーブルT100を用いて判別するものである。
【0034】
測定装置判別部113は、取得部111で取得した識別情報を用いて装置情報テーブルT100内を検索することで、複数の生体情報を出力した測定装置が許認可された装置及び認可されていない装置の何れかであるかを判別する。
【0035】
(1−4)出力部112
出力部112は、取得部111から受け取った表示情報をデータ表示装置21へ出力するものである。
【0036】
(2)データ表示装置21
データ表示装置21は、データ取得装置11から出力された生体情報について、測定装置判別部113による判別結果に基づき測定装置32(許認可済の装置)で測定された複数の生体情報と、測定装置31(未認可の装置)で測定された複数の生体情報とを異なる表示態様で表示するものである。
【0037】
データ表示装置21は、
図1に示すように、表示処理部210及び受付部211から構成されている。
【0038】
(2−1)受付部211
受付部211は、データ取得装置11から出力された表示情報を受け取り、受け取った表示情報を表示処理部210へ出力するものである。
【0039】
(2−2)表示処理部210
表示処理部210は、受け取った表示情報に含まれる複数の生体情報が測定装置31で測定されたもの、つまり未認可の装置で測定されたものである場合には、許認可された装置で測定された生体情報を基準として補正を行い、補正後の生体情報を、許認可された装置で測定された生体情報と区別して表示する動作を行うものである。
【0040】
具体的には、表示処理部210は、
図1に示すように、データ判定部212、表示部213及び相関算出部214を有している。
【0041】
(2−2−1)データ判定部212
データ判定部212は、受付部211で受け取った表示情報の正当性の判断を行うものである。また、データ判定部212は、測定装置判別部113での判別結果に基づいて、対応する生体情報の表示形式を決定する。
【0042】
具体的には、データ判定部212は、受付部211で受け取った表示情報に含まれる生体情報それぞれについて判別結果が含まれているか否かにより、当該表示情報の正当性を判断する。
【0043】
また、データ判定部212は、許認可済みの生体情報(許認可された測定装置で測定された生体情報)と未認可の生体情報(認可されていない測定装置で測定された生体情報)をユーザーが明確に識別できるように、許認可済みの生体情報と未認可の生体情報が別々の色や描画パターンで描画されるようにレイアウトを決定する。
【0044】
(2−2−2)相関算出部214
相関算出部214は、許認可済みの生体情報と未認可の生体情報との相関を算出し、未認可の生体情報を許認可済みの生体情報を基準として補正するものである。
【0045】
具体的には、相関算出部214は、
図3に示すように、データ蓄積部220、装置識別部221、相関係数算出部222、距離算出部223、データ修正部224、相関DB225及び表示情報DB226から構成されている。
【0046】
(a)データ蓄積部220
データ蓄積部220は、データ判定部212で正当であると判定された表示情報を、表示情報DB226へ格納するものである。
【0047】
(b)装置識別部221
装置識別部221は、データ蓄積部220で蓄積した表示情報に含まれる複数の生体情報がどの測定装置で測定されたものであるかを表示情報に含まれる装置名を用いて識別するものである。
【0048】
装置識別部221は、識別結果を相関係数算出部222へ通知する。
【0049】
例えば、装置識別部221は、測定装置31と測定装置32はそれぞれ、表示情報に含まれる装置名により異なる装置と識別され、それぞれ例えば“唾液アミラーゼ計測器”、“簡易脈波計測器”と識別される。
【0050】
(c)表示情報DB226
表示情報DB226は、表示情報を格納するためのものである。表示情報は、
図4に示す表示情報テーブルT200で管理されている。
【0051】
表示情報テーブルT200は、
図4に示すように、情報ID、許認可フラグ、測定日時、種別、測定装置名、測定単位及び測定データからなる組を複数記憶するための領域を有している。
【0052】
情報IDは、表示情報テーブルT200への格納された表示情報に含まれる複数の生体情報それぞれを一意に識別するものであり、格納時に付与される。
【0053】
許認可フラグ、測定日時、種別、測定装置名、測定単位及び測定データには、表示情報に含まれる各種データが格納される。
【0054】
具体的には、許認可フラグには、表示情報に含まれ、情報IDで識別される生体情報に対応する判別結果が格納され、値0は未認可の装置で測定された旨を、値1は許認可済みの装置で測定された旨をそれぞれ示す。測定日時には情報IDで識別される生体情報に対する測定日時が格納され、種別には当該生体情報の種別が格納される。また、測定装置名には表示情報に含まれる装置名が格納され、測定単位には表示情報に含まれる測定した値の単位が格納される。測定データは、表示情報に含まれ、情報IDで識別される生体情報が格納される。
【0055】
(d)距離算出部223
距離算出部223は、同種の生体情報であって、測定日時が互いに近い、許認可済み生体情報と、未認可の生体情報とを比較し、その距離を算出するものである。ここで、測定日時が近いとは、一の装置で測定された日時を基準とし、その前後10分の期間に他の装置で測定された日時が属することをいう。
【0056】
距離算出部223は、具体的には以下の数式1を用いて、許認可済みの生体情報と未認可の生体情報との距離を算出する。
【0057】
(数式1) 修正済データ = a × (未認可の生体情報) + b
ここで、修正済データとは、未認可生体情報について許認可済みの生体情報を基準に補正した結果を示すデータである。
【0058】
距離算出部223は、上記数式1を用いて、“距離 = 許認可済みの生体情報 − 修正済データ”を算出する。なお、測定日時が互いに近い、許認可済み生体情報と、未認可の生体情報との組が複数存在する場合には、全ての距離を算出する。
【0059】
距離算出についての具体例を
図4、
図5を用いて説明する。
図4の表示情報テーブルT200における情報IDが“0001”から“0009”のデータを
図5のグラフに示している。ここでは、データD10からD15が、未認可の生体情報を示し、データD20からD23が許認可済みの生体情報を示している。許認可済みの装置で測定した日時を基準とした場合、
図4、5によると測定日時が近いものとして、情報IDが“0001”と“0002”との組(データD10とデータD20)、“0004”と“0005”との組(データD12とデータD21)、及び“0007”と“0008”との組(データD14とデータD23)が存在する。この場合、距離算出部223は、データD10とデータD20、データD12とデータD21及びデータD14とデータD23の距離全てを算出する。
【0060】
(e)相関係数算出部222
相関係数算出部222は、距離算出部223で算出された距離を用いて、同種の生体情報を測定する許認可済の装置と未認可の装置との間の相関を算出する。
【0062】
相関係数算出部222は、上記数式1を用いて距離算出部223で算出された全ての距離を用いて、全ての距離の和が最小となるように係数a、bそれぞれの値を決定する。
【0063】
相関係数算出部222は、決定した係数a、b、生体情報の種別、及び係数決定に用いた許認可済み生体情報と未認可の生体情報とのそれぞれの測定装置の装置名からなる組(以下、相関情報)を後述する相関DB225に格納する。
【0064】
なお、相関が算出されていない場合、機器の組み合わせ毎に係数a、bそれぞれのデフォルト値を予め用意しておいてもよい。
【0065】
(f)相関DB225
相関DB225は、相関係数算出部222で算出された係数などを含む相関情報を格納するものである。相関情報は、
図6に示す相関テーブルT300で管理されている。
【0066】
相関テーブルT300は、
図6に示すように、相関ID、種別、許認可済み測定装置、未認可測定装置、第1係数及び第2係数からなる組を複数記憶するための領域を有している。
【0067】
相関IDは、相関テーブルT300への格納された相関情報を一意に識別するものであり、格納時に付与される。
【0068】
種別、許認可済み測定装置、未認可測定装置、第1係数及び第2係数には、相関情報に含まれる各種データが格納される。
【0069】
具体的には、種別には、生体情報の種別が格納される。また、許認可済み測定装置には相関情報に含まれる許認可済みの測定装置の装置名が、未認可測定装置には、相関情報に含まれる未認可の測定装置の装置名が、それぞれ格納される。さらには、第1係数には係数aが、第2係数には係数bが、それぞれ格納される。
【0070】
(g)データ修正部224
データ修正部224は、上記数式1、及び算出した係数a、係数bを用いて、未認可の生体情報を、許認可済みの生体情報を基準として補正するものである。
【0071】
具体的には、データ修正部224は、表示情報テーブルT200から許認可済み装置と未認可装置との組み合わせを特定する。データ修正部224は、特定した組み合わせを含む相関情報から係数a、係数bとを決定する。データ修正部224は、決定した係数a、係数bと数式1とを用いて、表示情報テーブルT200に含まれる未認可の生体情報を補正する。
【0072】
(2−2−3)表示部213
表示部213は、データ判定部212で決定した表示形式に従って、ユーザーに生体情報を表示するものである。
【0073】
具体的には、表示部213は、データ判定部212で決定されたレイアウトに従って、許認可済みの生体情報と、未認可であって修正済みの生体情報とが区別されるよう、これら生体情報を表示する。
【0074】
表示部213による表示の一例を
図7に示す。
【0075】
データD20からD22は、
図5で示す許認可済みの生体情報と同一のものである。
【0076】
データD10’からデータD15’は、それぞれ
図4で示すデータD10からデータD15を数式1を用いて修正した後の生体情報である。
【0077】
また、ボーダーラインL10は、ストレス過多であるか否かを判別するための閾値である。例えば、修正後の未認可の生体情報であるデータD16’、D17’は、この閾値より上位に位置するので、これら生体情報が測定された時間においてはストレス過多であったと考えられる。このように、許認可済みの生体情報と、未認可の生体情報との表示を区別することで、医療関係者が医療判断に用いることのできるデータとできないデータとを区別することができる。また、未認可の生体情報は、許認可済みの生体情報と比べ信頼性が低いと考えられるので、許認可済みの生体情報を基準として補正を行うことで、信頼性を高めることができる。
【0078】
1.3 データ処理装置10の動作
(1)判別処理
ここでは、各測定装置から生体情報を取得する際に、取得対象の測定装置が許認可された装置であるか未認可の装置であるかを判別する処理について、
図8に示す流れ図を用いて説明する。
【0079】
取得部111は、生体情報の取得対象となる測定装置から識別情報を取得する(ステップS5)。
【0080】
測定装置判別部113は、取得部111で取得した識別情報に許認可番号が含まれているか否かを判断する(ステップS10)。
【0081】
許認可番号が含まれていないと判断する場合(ステップS10における「No」)、測定装置判別部113は、測定装置DB114の装置情報テーブルT100において識別情報に含まれる装置名が存在し、且つ許認可フラグの値が1であるかを判断する(ステップS15)。装置名が存在し、且つ許認可フラグの値が1であると判断する場合(ステップS15における「Yes」)、測定装置判別部113は、識別情報に含まれる装置名で示される装置は許認可済みの装置であると特定する(ステップS20)。装置名が存在しない、又は許認可フラグの値が0であると判断する場合(ステップS15における「No」)、測定装置判別部113は、識別情報に含まれる装置名で示される装置は未認可の装置であると特定する(ステップS30)。
【0082】
許認可番号が含まれていると判断する場合(ステップS10における「Yes」)、測定装置判別部113は、当該許認可番号が測定装置DB114の装置情報テーブルT100に含まれていかどうかを判断する(ステップS25)。
【0083】
含まれていないと判断する場合(ステップS25における「No」)、処理はステップS15へ移行する。含まれていると判断する場合(ステップS25における「Yes」)、処理はステップS20へ移行する。
【0084】
(2)表示処理
ここでは、許認可済みの生体情報と、修正後の未認可の生体情報とを表示する処理について、
図9に示す流れ図を用いて説明する。
【0085】
受付部211は、データ取得装置11から表示情報を受け取る(ステップS100)。
【0086】
データ判定部212は、受付部211で受け取った表示情報に含まれる生体情報それぞれについて判別結果が存在するか否かにより、当該表示情報の正当性を判断する(ステップS105)。
【0087】
データ判定部212で判別結果が存在しないと判断される場合(ステップS105における「No」)、処理は終了する。
【0088】
データ判定部212で判別結果が存在すると判断される場合(ステップS105における「Yes」)、表示情報に含まれる各種データはデータ蓄積部220により表示情報DB226に格納され、装置識別部221は、データ蓄積部220で蓄積した表示情報に含まれる複数の生体情報が許認可済みの装置で測定されたものであるか否かを判断する(ステップS110)。
【0089】
装置識別部221で許認可済みの装置の生体情報でないと判断される場合(ステップS110における「No」)、相関係数算出部222は、測定日時が近い許認可済みの生体情報が表示情報テーブルT200に存在するか否かを判断する(ステップS115)。なお、当該判断は、表示情報に含まれる未認可の生体情報全てに対して行うものとする。
【0090】
相関係数算出部222で測定日時が近い許認可済みの生体情報が存在しないと判断される場合(ステップS115における「No」)、データ修正部224は、相関DB225の相関テーブルT300に含まれる相関情報の第1係数及び第2係数を用いて、生体情報を修正する(ステップS120)。ここで用いられる相関情報は、表示対象となる許認可済みの生体情報を測定した装置と、未認可の生体情報を測定した装置との相関を示すものである。そして、表示部213は、表示対象となる許認可済みの生体情報及び修正された未認可の生体情報とを、データ判定部212で決定されたレイアウトに従って表示する(ステップS140)。
【0091】
相関係数算出部222で測定日時が近い許認可済みの生体情報が存在すると判断される場合(ステップS115における「Yes」)、距離算出部223は、測定日時が近い、許認可済み生体情報と、未認可の生体情報との距離を算出する。さらに、相関係数算出部222は、算出された距離から相関(係数a、b)を算出し、算出した係数a、bを含む相関情報を相関DB225へ格納する(ステップS130)。このとき、距離算出部223は、測定日時が互いに近い、許認可済み生体情報と、未認可の生体情報との組全てについて距離を算出するものとする。
【0092】
データ修正部224は、算出された係数a、bを用いて、表示対象となる未認可の生体情報を修正し(ステップS135)、表示部213は、表示対象となる許認可済みの生体情報及び修正された未認可の生体情報とを、データ判定部212で決定されたレイアウトに従って表示する(ステップS140)。
【0093】
装置識別部221で許認可済みの装置の生体情報であると判断される場合(ステップS110における「Yes」)、相関係数算出部222は、測定日時が近い未許認の生体情報が表示情報テーブルT200に存在するか否かを判断する(ステップS125)。なお、当該判断は、表示情報に含まれる許認可済みの生体情報全てに対して行うものとする。
【0094】
相関係数算出部222で測定日時が近い未許認の生体情報が存在すると判断される場合(ステップS125における「Yes」)、ステップS125の処理が続行される。相関係数算出部222で測定日時が近い未許認の生体情報が存在しないと判断される場合(ステップS125における「No」)、ステップS140の処理が行われる。
【0095】
1.4 第1の実施の形態における効果
第1の実施の形態においては、データ表示装置21は、データ取得装置11から取得した許認可済みの装置で測定された生体情報と、未認可の装置で測定された生体情報とを明確にユーザーに識別可能となるように混在して表示する。また、許認可済みの生体情報と未認可の生体情報との相関を算出し、未認可の生体情報の補正に利用することにより、高い頻度でより高い品質のサービスを提供する。例えば“ストレス”に関するデータとして、唾液アミラーゼ測定器である測定装置32から出力された生体情報、及び簡易脈波計測器である測定装置31から出力された生体情報の双方の生体情報を混在表示しつつ、互いの相関を取って提示することができる。
【0096】
通常、未認可の測定装置は認可を得るための制約がないため、一般に高い頻度での測定と、許認可済みの装置に比べて常時携帯を容易に実現できるが、データの信頼性という点では劣ると考えられる。そこで、測定された日時が近い許認可済みの生体情報と未認可の生体情報とについての相関を利用して、許認可済みの生体情報を基準とする補正を行うことで、未認可の生体情報の信頼性を高めることができる。
【0097】
また、許認可済みの生体情報と、未認可の生体情報と区別して表示することで、医療関係者による医療判断の根拠として使用することができる生体情報と、使用できない生体情報とを見分けることが可能である。さらには、医療関係者により、
図7に示すボーダーラインL10を許認可済みの生体情報を用いた医療判断に用いるができる一方、相関を用いて未認可の生体情報を修正することにより、未認可の生体情報のみを採取している時、例えばD11’、D13’、D15’、D16’及びD17’についても、ボーダーラインL10との有意な比較が可能になり、ストレス過多の症状に陥っているか否かをユーザーは認識することができる。
【0098】
2.第2の実施の形態
ここでは、第2の実施の形態に係るデータ処理装置1000について、第1の実施の形態に係るデータ処理装置10との相違点を中心に説明する。
【0099】
2.1 データ処理システム1Aについて
図10は、第2の実施の形態におけるデータ処理システム1Aにおける構成を示す図である。データ処理システム1Aは、データ処理装置1000と、測定装置31、32とから構成されている。
【0100】
データ処理装置1000は、
図10に示すように、測定装置から生体情報を取得するデータ取得装置1100と、取得した生体情報を表示するデータ表示装置2100とから構成されている。
【0101】
許認可済みの生体情報は、医療関係者による医療判断に使用が可能であることから、その内容が改竄されることは非常に大きな問題であるといえる。そこで、許認可済みの生体情報をデータ取得装置1100からデータ表示装置2100へ出力する際に、その情報の正当性を示すために署名データを付与する。そして、データ表示装置は受け取った許認可済みの生体情報が正当であるか否かを署名データを用いて検証する。
【0102】
2.2 データ取得装置1100及びデータ表示装置2100の構成
以下、データ取得装置1100及びデータ表示装置2100それぞれの構成要素について説明するが、第1の実施の形態と同様の構成要素については、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を用い、その説明は省略する。
【0103】
(1)データ取得装置1100の構成
データ取得装置1100は、
図10に示すように、取得部111、出力部1112、測定装置判別部113、測定装置DB114及び署名生成部1115から構成されている。
【0104】
以下、出力部1112及び署名生成部1115について説明する。
【0105】
(1−1)署名生成部1115
署名生成部1115は、測定装置判別部113でデータ表示装置2100へ出力すべき表示情報に含まれる各生体情報が許認可済みの測定装置(ここでは、測定装置32)で測定されたもの判別された場合には、当該表示情報に対する署名データを生成する。
【0106】
具体的には、署名生成部1115は、表示情報に対するハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を公開鍵暗号における秘密鍵により暗号化する。この暗号化されたハッシュ値が署名データとなる。
【0107】
(1−2)出力部1112
出力部1112は、取得部111から受け取った表示情報をデータ表示装置2100へ出力する。なお、署名生成部1115で署名データが生成されている場合には、出力対象の表示情報とともに当該署名データを出力する。
【0108】
(2)データ表示装置2100の構成
データ表示装置2100は、
図10に示すように、受付部2211、表示処理部2210から構成され、表示処理部2210は、データ判定部212、表示部213、相関算出部214及び署名検証部2215から構成されている。
【0109】
以下、受付部2211及び署名検証部2215について説明する。
【0110】
(2−1)受付部2211
受付部2211は、データ取得装置1100から出力された表示情報を受け取り、受け取った表示情報を表示処理部2210へ出力する。このとき、受付部2211は、署名データが表示情報に付与されている場合には、当該署名データをも表示処理部2210へ出力する。
【0111】
(2−2)署名検証部2215
署名検証部2215は、データ判定部212で表示情報に含まれる複数の生体情報が許認可済みの測定装置で測定されたものと判定された場合、当該表示情報に付与されている署名データを用いて当該表示情報の正当性を検証する。
【0112】
具体的には、署名検証部2215は、表示情報のハッシュ値を算出するとともに、署名データの生成の際に用いられた秘密鍵に対応する公開鍵を用いて署名データを復号し、復号結果と算出したハッシュ値とを比較する。比較結果により復号結果と算出したハッシュ値とが一致する場合には当該表示情報は正当であると判断し、一致しない場合には不正と判断する。
【0113】
2.3 動作
ここでは、データ処理装置1000の動作について説明する。
【0114】
(1)判別処理
判別処理は、
図8で示す処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0115】
(2)出力処理
ここでは、データ取得装置1100からデータ表示装置2100へ表示情報を出力する際の処理について、
図11で示す流れ図を用いて説明する。
【0116】
署名生成部1115は、出力すべき表示情報に含まれる各生体情報が許認可済みの測定装置で測定されたものか否かを判断する(ステップS200)。具体的には、署名生成部1115は、測定装置判別部113で判別された結果により判断を行う。
【0117】
許認可済みの測定装置で測定されたものと判断する場合(ステップS200における「Yes」)、署名生成部1115は、表示情報に対する署名データを生成する(ステップS205)。
【0118】
出力部1112は、表示情報と、当該表示情報に対する署名データとをデータ表示装置2100へ出力する(ステップS210)。
【0119】
署名生成部1115で許認可済みの測定装置で測定されたものでないと判断する場合(ステップS200における「No」)、出力部1112は、表示情報をデータ表示装置2100へ出力する(ステップS215)。
【0120】
(3)表示処理
表示処理は、
図9で示す流れ図において、ステップS100の判断で「Yes」である場合に、ステップS125を処理するに先立って、署名検証を行うようにすることで、実現できる。
【0121】
2.4 第2の実施の形態の効果
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で示す効果と有している。
【0122】
さらに、許認可済みの生体情報に関して正当性ことが保障され、医療判断で使用する際に安心してそのデータを用いることができる。
【0123】
3.変形例
以上、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0124】
(1)上記の各実施の形態において、測定装置からデータ取得装置へ生体情報を出力する場合において、当該生体情報に署名データを付与してもよい。この場合、データ取得装置では、受け取った署名データを用いた検証を行い、検証結果により受け取った生体情報が正当であると判断するときには当該生体情報を含む表示情報をデータ表示装置へ出力し、正当でないと判断するときには処理を中止する。
【0125】
または、測定装置は、データ取得装置へ出力する生体情報を暗号化してもよい。この場合、データ取得装置では、受け取った暗号化された生体情報を復号し、正常に復号できたときには当該生体情報を含む表示情報をデータ表示装置へ出力し、正常に復号できないときには処理を中止する。
【0126】
(2)上記各実施の形態において、同一の筐体(ここでは、データ処理装置)にデータ取得装置とデータ表示装置を含むものとし、その接続形態を内部バスによる接続としていた。しかしながら、接続形態については上記形態に限定されることなく、他の接続形態、例えばネットワーク(インターネット)、USB()、Bluetoothによる接続であってもよい。ネットワーク(インターネット)、USB、Bluetoothによる接続とすることで、データ取得装置とデータ表示装置を同一の筐体に含めることなく、つまりそれぞれ異なる場所に設置することができる。
【0127】
特に、上記第2の実施の形態においては、インターネット接続や、USB接続及びBluetooth接続のいずれかとすることで、署名データを付与する必要性が高くなる。なぜなら、インターネット接続や、USB接続及びBluetooth接続による表示情報の入出力は、内部バスを介して入出力される場合と比較して、悪意ある第三者に漏洩される可能性が高いからである。
【0128】
(3)上記各実施の形態において、相関係数を算出する際、及び未認可の生体情報を修正する場合において数式1を用いたが、これに限定されない。
【0129】
取得可能な距離の数n(nは自然数)に応じた下記の数式2を用いてもよい。
【0130】
(数式2) 修正済データ = a
n × (未認可の生体情報)
n + a
(n-1) × (未認可の生体情報)
(n-1) + ・・・ + a
1 × (未認可の生体情報) + a
0
または、許認可の生体情報と未認可の生体情報の関係を定義できるものであれば、数式1、数式2に限らなくともよい。
【0131】
(4)上記各実施の形態において、許認可された装置と認可されていない装置との判別するために許認可番号及び許認可フラグを用いたが、これに限定されない。
【0132】
許認可番号のみを用いてもよいし、許認可フラグのみを用いてもよい。
【0133】
また、許認可番号や許認可フラグに限定する必要はない。許認可された装置と認可されていない装置とを識別できるものであればよい。
【0134】
(5)上記各実施の形態では、ストレスの測定する装置として、簡易脈拍計測器、低周波コンデンサマイク、及び唾液アミラーゼ計測器としたが、これら装置に限らず、ストレスを測定する装置であればよい。
【0135】
(6)上記各実施の形態においては、生体情報としてストレスとしたが、これに限定されない。
【0136】
生体情報は、血圧、血糖値、体温など人の健康を管理するものであればよい。
【0137】
(7)上記各実施の形態において、各生体情報を表示する際には、表示態様がどちらの装置で測定された生体情報であるかを示すために、表示すべきストレスチャートとともに
図7の破線で囲んだメッセージM10、M11を表示してもよい。また、メッセージM10、M11のうち何れか1つのみを表示してもよい。
【0138】
(8)上記各実施の形態において、距離を算出する際に、生体情報を取得する期間を一の装置で測定された日時を基準とした前後10分としたが、これに限定されない。
【0139】
使用者、使用機器、生体情報の種別に応じて、当該期間の幅を変更してもよい。
【0140】
(9)上記の各実施の形態で説明した手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
【0141】
また、当該手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。
【0142】
(10)上記の各実施の形態にかかる各構成は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成は、1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIと表現したが、回路の集積度の違いによっては、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(ReConfigurable Processor)を用いてもよい。あるいは、これらの機能ブロックの演算は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)などを用いて演算することもできる。さらに、これらの処理ステップはプログラムとして記録媒体に記録して実行することで処理することもできる。
【0143】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
【0144】
(11)本発明に係るデータ処理装置3000は、
図12に示すように、特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置3100及び認可されていない第2装置3101それぞれから、当該装置で測定された同一人物についての同種の生体情報を複数取得する取得部3001と、取得した各生体情報について、当該生体情報が前記第1装置3100で測定されたものであるか前記第2装置3101で測定されたものであるかを判別する判別部3002と、前記第1装置3100で測定されたと判別された複数の生体情報からなる第1データ群と前記第2装置3101で測定されたと判別された複数の生体情報からなる第2データ群とを、異なる表示態様で同一画面にて表示する表示処理部3003とから構成されるとしてもよい。
【0145】
この場合、取得部3001は第1及び第2の実施の形態で示す取得部111で、判別部3002は第1及び第2の実施の形態で示す測定装置判別部113と測定装置DB114の組み合わせで、それぞれ実現できる。また、表示処理部3003は、第1の実施の形態で示す表示処理部210や第2の実施の形態で示す表示処理部2210で実現できる。
【0146】
(12)本発明に係るデータ処理システム2は、
図12に示すように、特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置3100と認可されていない第2装置3101と、データ処理装置3000とから構成されるとしてもよい。データ処理装置3000の構成要素は、既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
【0147】
(13)本発明に係る、取得部と判別部と表示処理部とを備えるデータ表示装置で用いられる表示処理方法は、
図13に示すように、前記取得手段が特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置及び認可されていない第2装置それぞれから、当該装置で測定された同一人物についての同種の生体情報を複数取得する取得ステップ(ステップS300)と、前記判別部が前記取得ステップで取得した各生体情報について当該生体情報が前記第1装置で測定されたものであるか前記第2装置で測定されたものであるかを判別する判別ステップと(ステップS305)、前記表示処理手段が前記第1装置で測定されたと判別された複数の生体情報からなる第1データ群と前記第2装置で測定されたと判別された複数の生体情報からなる第2データ群とを、異なる表示態様で同一画面にて表示する表示処理ステップ(ステップS310)とを含むとしてもよい。
【0148】
(14)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
【0149】
4 補足
(1)本発明の一実施態様である、データ処理装置は、特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置及び認可されていない第2装置それぞれから、当該装置で測定された同一人物についての同種の生体情報を複数取得する取得手段と、取得した各生体情報について、当該生体情報が前記第1装置で測定されたものであるか前記第2装置で測定されたものであるかを判別する判別手段と、前記第1装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第1データ群と前記第2装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第2データ群とを、異なる表示態様で同一画面にて表示する表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0150】
この構成によると、データ処理装置は、特定機関により製造に係る認可がなされた第1装置と認可されていない第2装置とのそれぞれから取得した生体情報を異なる表示態様で同一画面に表示するので、許認可された装置の生体情報と認可されていない装置の生体情報とが共存する場合でも、これら情報を識別することができる。これにより、データ処理装置を利用する利用者、例えば医療関係者は医療判断に使用できる生体情報と使用できない生体情報とを識別することができ、一方測定を行った測定者は許認可された装置の生体情報と認可されていない装置の生体情報とから示される推移により自己の健康管理を行うことができる。
【0151】
(2)ここで、前記表示処理手段は、前記第1装置で測定された生体情報と前記第2装置で測定された生体情報との相関関係を用いて、前記第1装置で測定された生体情報を基準として前記第2装置で測定された生体情報を補正し、補正後の生体情報それぞれからなるデータ群を前記第2データ群として表示するとしてもよい。
【0152】
この構成によると、データ処理装置は、認可されていない装置の生体情報を認可された装置の生体情報を基準として補正するので、認可されていない装置の生体情報の信頼性を高めることができる。
【0153】
(3)ここで、前記取得手段は、前記生体情報を取得する際に、測定された装置を識別する識別子を、当該生体情報とともに取得し、前記判別手段は、取得した識別子が示す装置が認可されているか否かを当該識別子に基づいて判別することで、取得した生体情報についての前記判別を行うとしてもよい。
【0154】
この構成によると、データ処理装置は、識別子により装置が認可されたものか否かを判別することで、取得した生体情報の判別を行うことができる。
【0155】
(4)ここで、前記第1装置に対する識別子は、前記特定機関で認可されたことを示すものとして、当該第1装置に付与された認可番号であり、前記取得手段は、さらに、前記認可番号に対する署名データを取得し、前記判別手段は、前記署名データの検証を行い、検証結果により前記認可番号が正当であると判断する場合には、対応する生体情報は前記第1装置で測定されたものと判別するとしてもよい。
【0156】
この構成によると、データ処理装置は、署名検証を行うことで、対応する認可番号の正当性を確認している。これにより、認可番号の改ざんの有無を検証することができるので、測定元の第1装置が認可された装置であることの信頼性を高めることができる。
【0157】
(5)ここで、前記データ処理装置は、前記取得手段、及び前記判別手段を有するデータ取得装置と、前記表示処理手段を有するデータ表示装置とから構成され、前記データ取得装置と前記データ表示装置とはインターネットで接続されており、前記データ取得装置が前記第1装置及び前記第2装置から取得した複数の生体情報と前記判別手段による判別結果とを前記データ表示装置へ出力する際には、前記データ取得装置は前記判別手段が第1装置で測定されたものと判別した生体情報に対して署名データを付与し、前記データ表示装置は、前記署名データを用いた署名検証により対応する生体情報は正当であると判断された場合にのみ前記表示処理手段による表示を行うとしてもよい。
【0158】
この構成によると、データ処理装置のデータ取得装置は、データ表示装置へ第1装置で測定された生体情報を出力する際に、署名データを付与するので、データ取得装置からデータ表示装置までの経路における生体情報の改ざんを防ぐことができる。これにより、第1装置で測定された生体情報の正当性を高めることができるので、例えば医療関係者は、改ざんがされていない信頼することができるデータとして第1装置で測定された生体情報を、医療関係者による医療判断に利用することができる。
【0159】
(6)ここで、前記表示処理手段は、前記第1データ群及び前記第2データ群を表示する際に、一の表示態様が、当該表示態様で示される生体情報が前記第1装置で測定されたものであるか前記第2装置で測定されたものであるかを識別する識別情報をも表示するとしてもよい。
【0160】
この構成によると、データ処理装置は、前記第1データ群及び前記第2データ群を表示する際に、一の表示態様が何れの装置で測定されたものであるかを識別する識別情報をも表示するので、前記第1データ群及び前記第2データ群の表示を見る者(例えば、医療関係者)は、これらデータ群の識別を容易に行うことができる。
【0161】
(7)また、本発明の一実施態様である、特定機関により製造に係る認可がなされた医療機器である第1装置と、認可されていない第2装置と、データ処理装置とかなるデータ処理システムにおいて、前記第1装置及び前記第2装置は、同種の生体情報を測定し、前記データ処理装置は、前記第1装置及び前記第2装置それぞれから、当該装置で測定された同一人物についての同種の生体情報を複数取得する取得手段と、取得した各生体情報について、当該生体情報が前記第1装置で測定されたものであるか前記第2装置で測定されたものであるかを判別する判別手段と、前記第1装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第1データ群と前記第2装置で測定されたと判別された複数の生体情報に基づく第2データ群とを、異なる表示態様で同一画面にて表示する表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0162】
この構成によると、データ処理システムは、特定機関により製造に係る認可がなされた第1装置と認可されていない第2装置とのそれぞれから取得した生体情報を異なる表示態様で同一画面に表示するので、許認可された装置の生体情報と認可されていない装置の生体情報とが共存する場合でも、これら情報を識別することができる。これにより、データ処理装置を利用する利用者、例えば医療関係者は医療判断に使用できる生体情報と使用できない生体情報とを識別することができ、一方測定を行った測定者は許認可された装置の生体情報と認可されていない装置の生体情報とから示される推移により自己の健康管理を行うことができる。