特許第5788967号(P5788967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テク・グローバル・エス.アール.エル.の特許一覧

特許5788967膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキット
<>
  • 特許5788967-膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキット 図000002
  • 特許5788967-膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキット 図000003
  • 特許5788967-膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキット 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5788967
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキット
(51)【国際特許分類】
   B29C 73/02 20060101AFI20150917BHJP
   B29C 73/24 20060101ALI20150917BHJP
   F16K 15/20 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   B29C73/02
   B29C73/24
   F16K15/20 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-503187(P2013-503187)
(86)(22)【出願日】2011年4月7日
(65)【公表番号】特表2013-527050(P2013-527050A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】IB2011000759
(87)【国際公開番号】WO2011124977
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月14日
(31)【優先権主張番号】TO2010A000264
(32)【優先日】2010年4月7日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508375387
【氏名又は名称】テク・グローバル・エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】TEK GLOBAL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ロッリ、セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンハオ
【審査官】 大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−503551(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0301602(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/035191(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/084968(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 73/02
B29C 73/24
F16K 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキットであり、ハウジング(2)と、前記ハウジング(2)内に収納されたコンプレッサーアッセンブリー(C)と、前記コンプレッサーアッセンブリー(C)に接続された入口(34)と、シール液用のコンテナアッセンブリー(3)と前記入口(34)に接続されるように適合された座部(33)を有している接続デバイス(26)と、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記接続デバイス(26)に接続されたときに自動的に開かれるとともに、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記接続デバイス(26)から切り離されたときに前記入口(34)を前記座部(33)から流体的に切り離すような第一の位置に弾性的に維持されるように構成されたバルブ(36)と、前記コンプレッサーアッセンブリー(C)に流体的に接続されたフレキシブルチューブ(38)を備えているキットにおいて、前記接続デバイス(26)は、前記バルブ(36)が第一の位置にあるときに前記入口(34)に流体的に接続されるように前記バルブ(36)に流体的に接続された出口(37)を備えており、前記フレキシブルチューブ(38)は前記出口(37)に接続されていることを特徴とするキット。
【請求項2】
前記接続デバイス(26)は、前記座部(33)を少なくとも部分的に規定する管状体(42)と、前記入口(34)と前記出口(37)を規定する前記管状体(42)に接続された流体部(41)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記バルブ(36)は、前記バルブが前記第一の位置にあるときに前記管状体(42)に接合して配置される中心体(45)と、前記接続デバイス(26)の中をスライドする少なくとも一つのステム(47)を有しているシャッター(44)を備えていることを特徴とする請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記ステム(47)は前記コンテナアッセンブリー(3)と共働するように適合されており、前記シャッター(44)は第二のステム(46)を備えており、前記流体部(41)は、流体的にャンバー(43)と前記出口(37)の間に配置され、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記入口(34)に流体的に接続されたときに前記第二のステム(46)の少なくとも一部を収納する座部(50)を規定していることを特徴とする請求項3に記載のキット。
【請求項5】
前記管状体(42)は、前記少なくとも一つのステム(47)をガイドするように構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のキット。
【請求項6】
前記少なくとも一つのステム(47)と前記第二のステム(46)と前記座部(50)は、前記コンテナアッセンブリーが前記接続デバイス(26)に接続されたとき、前記シャッター(44)が前記第一の位置をいったん離れたなら、前記第二のステム(46)が前記座部(50)と連結しそれによってガイドされるように構成されていることを特徴とする請求項4および5に記載のキット。
【請求項7】
前記第二のステム(46)が放射状凹部(51)を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のキット。
【請求項8】
前記バルブ(36)に接続可能な入口ポート(23)と出口チューブ(27)を有しているシール液用のコンテナアッセンブリー(3)を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨張式アイテム、特にタイヤを膨張させ修理するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
電気作動コンプレッサーアッセンブリーと、必要時にコンプレッサーアッセンブリーから流体ラインを通って来る圧縮空気流によってタイヤの中に注入されるシール液用のコンテナを備えているタイヤを修理し膨張させるためのキットが知られている。
【0003】
同一出願人のWO−A1−08035163は、コンプレッサーアッセンブリーがハウジング内に収納されており、必要時に、使用者によってシール液コンテナがハウジングの開口に、コンプレッサーとの流体接続を決めるように接続されるキットを開示している。
【0004】
前に開示されたキットは、コンプレッサーに直接接続された、シール液コンテナ用の接続開口に平行に配置されたフレキシブルチューブをさらに備えている。さらに、キットは、シール液コンテナに向かうかフレキシブルチューブに向かう圧縮空気経路を自動的および代替的に選択するように構成された逆止め弁のシステムを備えている。
【発明の概要】
【0005】
製造コストが低減されるとともに前に開示された機能を有している膨張式アイテムを膨張させて修理するためにキットを提供することが本発明の目的である。
【0006】
本発明の目的は、請求項1による膨張式アイテムを膨張させ修理するためのキットによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のより良い理解のために、その好適な実施形態が、非限定的な例を単に通して、また添付図面を参照していま開示される。
図1図1は、本発明による膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキットの斜視図である。
図2図2は、第一の動作位置にある図1の接続コンポーネントの部分断面図である。
図3図3は、接続コンポーネントが第二の動作位置にある図2の断面平面に垂直な平面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、数字1は、膨張式アイテム、特にタイヤを修理し膨張させるためのキットを示している。キット1は、ハウジング2と、好ましくはプラグSと代替コンプレッサーによって動作可能な電気モーターから成る(模式的に示された)コンプレッサーアッセンブリーCと、ハウジング2に切り離し可能に接続され、既知のタイプのシール液を包含しているコンテナアッセンブリー3を備えている。
【0009】
特に、ハウジング2は、実質的に平行六面体状であり、コンプレッサーアッセンブリーCを収納する内側チャンバーを規定している。ハウジング2は、ベース壁6と、側壁7(それらの二つだけが図1に示されている)と、ベース壁6に実質的に平行な上面壁10を備えている。
【0010】
キット1は、ハウジング2の中に収納された、コンテナアッセンブリー3と共働する、以下に詳しく明示されるスナップ式接続デバイス26をさらに備えている。
【0011】
キット1のコンテナアッセンブリー3は、シール液を包含しているチャンバーを規定しているボトル19と、ボトル19のねじ付き首に好ましくはねじ止めされた流体ユニット21を備えている。
【0012】
特に、流体ユニット21は、コンプレッサーアッセンブリーCに接続され得る入口開口23と、出口開口24に接続されたフレキシブルチューブ27によって使用時に修理されるタイヤに接続され得る出口開口24を規定している。
【0013】
コンテナアッセンブリー3は、入口開口23と出口開口24の間に配置された、圧縮空気流が入口開口23を通過したときに自動的に開くように構成された(図示しない)バルブをさらに備えている。
【0014】
同一出願人によって提出された特許出願WO−A1−2005084968によるバルブが好ましくは使用される。
【0015】
コンテナアッセンブリー3は、ベース壁6に支持された接続デバイス26によってハウジング2に流体的および機械的に接続されている。
【0016】
接続デバイス26(図2)は、ハウジング2に堅く接続されたベース28と、ベース28に重なっており、使用時に、コンテナアッセンブリー3、特に、入口開口23と出口開口24を規定しているコンテナ3の流体ユニット21を支持するガイドエレメント29を備えている。
【0017】
ベース28は、ベース壁6の反対側に開いており、ベース壁6に垂直な軸Aを有している座部33と、座部33をコンプレッサーアッセンブリーCに流体的に接続するダクト34を規定している。
【0018】
スナップ式接続デバイス26は、軸Aに垂直な方向にスライドし得るとともに、ベース28によって規定されたハウジングの中に配置された停止部35を備えている。
【0019】
特に、停止部35は、コンテナアッセンブリー3、特に分配要素21の抜き取りを停止部35が避ける所定の閉じ位置を維持するスプリングである。
【0020】
本発明によれば、バルブ36は、ダクト34と、コンテナアッセンブリー3に並行してコンプレッサーCに接続されるチューブ27と同様のフレキシブルチューブ38に接続された出口ダクト37の間に配置されている。
【0021】
特に、ベース28は、ベース壁6の適切な窓の中に収納され得るとともにタイヤを膨張させるか修理するためにキット1が使用されるときに地面に接触するように適合された支持体39と、支持体39の上部に装着されているとともに座部33を規定している輪郭部40と、ダクト34と37を規定しているとともに座部33に接続された流体部41を備えている。本発明のある好適な実施形態によれば、座部33は、図3に示されるように、好ましくは流体ユニット21の輪郭を近似する、特に停止部35の下方に配置された部分の輪郭を近似する内側成形輪郭を有しているチューブ壁42によって輪郭部によって規定されている。好ましくは、流体部41は、支持体39に対してつるされるようにチューブ壁42の端部に接続されている。流体部41は、流体ユニット21の軸的反対部においてチューブ壁42に接続されており、第一に、座部33にまたダクト34と37に流体的に接続されたチャンバー43を規定している。
【0022】
さらに、チャンバー43は、軸Aに沿って移動可能であり、中心体45と、中心体45に対して反対側にあるステム46とステム47を備えているシャッター44を収納している。シャッター44は、チャンバー43に収納されたスプリング48によってチューブ壁42の適当な凸部49にあたる最終停止位置に維持される。特に、ステム46,47は、コンプレッサーCによって発生される空気流をコントロールするために所定の長さを有している。
【0023】
ステム46は、スプリング48に囲まれており、中心体45が凸部49と接触したとき、座部33が流体的に密閉されている間、チャンバー43によってダクト34を出口ダクト37と流体的に接続するような形状を有している。
【0024】
ステム47は、コンテナアッセンブリー3がスナップ式接続デバイス26に接続され、停止部35が流体ユニット21を軸方向に妨げるとき、凸部49からの中心体45の離脱を生じさせるような軸延長部を有している。特に、ステム46と47は、コンテナ3がスナップ式接続デバイス26に接続された前節で示された位置において、ステム46が出口ダクト37を閉じる一方で、入口開口23とダクト34が座部33とチャンバー43によって流体的に接続されるようなサイズを有している。
【0025】
本発明のある好適な実施形態によれば、シャッター44の軸方向移動は、二つのステム46,47の一つと流体部41またはチューブ壁42の間のそれぞれの連結によってガイドされる。たとえば、流体部41は、軸Aに同軸で、ステム46を収納する大きさに作られた座部50を備えている。座部50は、流体的にチャンバー43と出口ダクト37の間に配置されており、ステム46が座部50に係合したときも、ステム47はチューブ壁42によってまだ係合されガイドされている。好ましくは、ステム47は、ステム46が座部50に係合されそれによってガイドされた後に、チューブ壁42から離れてもよい。特に、コンテナアッセンブリー3が接続デバイス26に接続されている間、中心体45が凸部49から分離された後にだけ、ステム46は座部50と連結する。
【0026】
有利なことに、ステム46および/またはステム47は、空気がチャンバー43の中へ出口ダクト37に向かって流れるときに負荷損失を少なくとも減少させるように構成された放射状および/または軸方向凹部51を有している。特に、形状が図2に示された通りであるとき、コンテナアッセンブリー3が接続デバイス26に接続されたとき、ステム47の凹部51は座部50の中に閉じられる一方、ステム46の凹部51はチャンバー43の外側にある。
【0027】
ここに開示され示されたキット1の利点は以下の通りである。
【0028】
バルブ36に接続された出口ダクト37の形状は、圧縮空気流を単一バルブで自動的にコントロールすることを可能にする。バルブ36は接続デバイス26に統合されており、比較的大きく、より容易に作製され装着される。接続デバイス26は、コンテナアッセンブリー3をハウジング2とコンプレッサーアッセンブリーCに機械的かつ流体的にそれぞれ接続する統合ブロックを規定している。さらに、装着が平行に、すなわち、一方では接続デバイス26がバルブ36と、他方ではハウジング2とコンテナアッセンブリー3がおこなわれ得るようにバルブ36が接続デバイスの中に統合されている。
【0029】
シャッター44の移動は、ステム46,47と接続デバイス26の間の連結によって保証される。
【0030】
ここに開示され示されたキット1は、添付の特許請求の範囲で明示される保護範囲から逸脱しない範囲で修正または変更されてもよいことは最終的に明白である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]膨張式アイテムを修理し膨張させるためのキットであり、ハウジング(2)と、前記ハウジング(2)内に収納されたコンプレッサーアッセンブリー(C)と、前記コンプレッサーアッセンブリー(C)に接続された入口(34)と、シール液用のコンテナアッセンブリー(3)と前記入口(34)に接続されるように適合された座部(33)を有している接続デバイス(26)と、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記接続デバイス(26)に接続されたときに自動的に開かれるとともに、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記接続デバイス(26)から切り離されたときに前記入口(34)を前記座部(33)から流体的に切り離すような第一の位置に弾性的に維持されるように構成されたバルブ(36)と、前記コンプレッサーアッセンブリー(C)に流体的に接続されたフレキシブルチューブ(38)を備えているキットにおいて、前記接続デバイス(26)は、前記バルブ(36)が第一の位置にあるときに前記入口(34)に流体的に接続されるように前記バルブ(36)に流体的に接続された出口(37)を備えており、前記フレキシブルチューブ(38)は前記出口(37)に接続されていることを特徴とするキット。
[2]前記接続デバイス(26)は、前記座部(33)を少なくとも部分的に規定する管状体(42)と、前記入口(34)と前記出口(37)を規定する前記管状体(42)に接続された流体部(41)を備えていることを特徴とする[1]に記載のキット。
[3]前記バルブ(36)は、前記バルブが前記第一の位置にあるときに前記管状体(42)に接合して配置される中心体(45)と、前記接続デバイス(26)の中をスライドする少なくとも一つのステム(47)を有しているシャッター(44)を備えていることを特徴とする[2]に記載のキット。
[4]前記ステム(47)は前記コンテナアッセンブリー(3)と共働するように適合されており、前記シャッター(44)は第二のステム(46)を備えており、前記流体部(41)は、流体的に前記チャンバー(43)と前記出口(37)の間に配置され、前記コンテナアッセンブリー(3)が前記入口(34)に流体的に接続されたときに前記第二のステム(46)の少なくとも一部を収納する座部(50)を規定していることを特徴とする[3]に記載のキット。
[5]前記管状体(42)は、前記少なくとも一つのステム(47)をガイドするように構成されていることを特徴とする[4]または[5]に記載のキット。
[6]前記少なくとも一つのステム(47)と前記第二のステム(46)と前記座部(50)は、前記コンテナアッセンブリーが前記接続デバイス(26)に接続されたとき、前記シャッター(44)が前記第一の位置をいったん離れたなら、前記第二のステム(46)が前記座部(50)と連結しそれによってガイドされるように構成されていることを特徴とする[4]および[5]に記載のキット。
[7]前記第二のステム(46)が放射状凹部(51)を備えていることを特徴とする[5]または[6]に記載のキット。
[8]前記バルブ(36)に接続可能な入口ポート(23)と出口ポート(27)を有しているシール液用のコンテナアッセンブリー(3)を備えていることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のキット。
図1
図2
図3