【文献】
VERHOEYEN M,CONTENT STORAGE ARCHITECTURES FOR BOOSTED IPTV SERVICE,BELL LABS TECHNICAL JOURNAL,米国,WILEY,2008年 9月21日,V13 N3,P29-43
【文献】
EDITH COHEN,THE AGE PENALTY AND ITS EFFECT ON CACHE PERFORMANCE,3RD USENIX SYMPOSIUM ON INTERNET TECHNOLOGIES AND SYSTEMS [ONLINE],2001年 3月26日,URL,http://www.usenix.org/event/usits01/full_papers/cohen/cohen.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二時間期間中に前記コンテンツが削除されない決定に応答して、前記コンテンツを削除するかを決定するために第三時間期間中に前記各通信ノードにおいて前記コンテンツ減衰パラメータを処理し、そして
前記コンテンツが削除される決定に応答して、前記第三時間期間中に前記コンテンツを削除することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記コンテンツと関連する更新されたメタデータを受信し、前記更新されたメタデータは、前記コンテンツに対する少なくとも1つの更新されたコンテンツ減衰パラメータを指定することを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
複数の他の通信ノードに通信可能に接続されるように構成された分散ネットワークから複数のコンテンツと前記コンテンツの各々に関連するメタデータとを受信するように動作可能であり、前記メタデータは前記分散ネットワーク上の前記コンテンツに対するコンテンツ減衰式を指定している、通信インターフェースと、
複数のコンテンツと前記コンテンツの各々に関連する前記メタデータを記憶するように動作可能な記憶媒体、と
プロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
乱数発生器を用いて少なくとも第一値を計算し、
前記コンテンツの各々に対する第二値を計算するために前記コンテンツに対する前記コンテンツ減衰式を周期的に処理し、
前記少なくとも第一値と前記複数の第二値とに基づいて前記通信ノードから少なくとも1つの前記コンテンツを削除するかを決定し、そして
前記記憶媒体から少なくとも1つの前記コンテンツの削除を開始する動作が可能であり、
前記コンテンツ減衰式は、前記分散ネットワーク上の前記コンテンツに対する半減期を指定し、前記コンテンツの半減期サイクルを指定する式は、前記第一時間期間中に前記コンテンツを記憶することになる前記複数の通信ノードの割合、前記第二時間期間に前記コンテンツを記憶する前記複数の通信ノードの最小の割合、及び減衰率を決定する
ことを特徴とする通信ノード。
記第二時間期間中に前記コンテンツが削除されない決定に応答して、前記コンテンツの前記半減期サイクルに基づいて、第三時間期間中に前記通信ノードにおいて、第三値を計算し、
乱数発生器を用いて、前記通信ノードにおいて、第四値を計算し、
前記第三値と前記第四値とに基づいて前記コンテンツを削除するかを決定し、
前記コンテンツが削除される決定に応答して、前記第三時間期間中に前記コンテンツを削除することを更に含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に記載された様々な実施形態は一般に、1又は複数ユーザ(又は加入者)に対する、1又は複数の通信媒体(ネットワーク)を介して1つ又は複数のソースからのコンテンツの受信、処理及び出力を容易にする装置、システム及び方法を提供する。より具体的に、本明細書に記載されたのは、分散ネットワーク上に記憶されたコンテンツ管理のための技術である。コンテンツは、最初にネットワーク上に置かれ、そして1又は複数のノードにまたがって集合される。コンテンツは、ネットワーク上のコンテンツの集合に対する寿命を定義する減衰パラメータに関連して分散される。分散ネットワークの様々なノードは、ネットワーク上のコンテンツに対する減衰パラメータに従ってコンテンツを削除するように構成される。
少なくとも1つの実施形態において、各ノードは、通信ノードからコンテンツを削除するかを決定するためにコンテンツに関連するコンテンツ減衰パラメータを周期的に処理する。少なくとも1つの実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、分散ネットワーク上のコンテンツの集合減衰を定義する。故に、コンテンツ減衰パラメータは、指定された時間における特定ノード上の特定コンテンツに対する存在の確率を定義する。通信ノードは、指定された時間におけるコンテンツを削除するかを決定するために存在の確率を用いる。
【0006】
少なくとも1つの実施形態は、分散ネットワーク内のコンテンツ管理のための方法を提供する。方法は、第一時間期間中に、通信ノードにおけるコンテンツに関連するコンテンツとメタデータの受信を含む。メタデータは、分散ネットワーク上のコンテンツのための少なくとも1つのコンテンツ減衰パラメータを指定する。方法は、通信ノードにおけるコンテンツとメタデータの記憶を更に含む。方法は、第二時間期間中に、通信ノードからのコンテンツを削除するかを決定するために通信ノードにおけるコンテンツ減衰パラメータの処理を含む。コンテンツが削除される決定に応答して、方法は、第二時間期間中にコンテンツを削除することを含む。
【0007】
本明細書に記載された他の実施形態は、通信ノードを提供する。通信ノードは、各々のコンテンツに関連する複数のコンテンツおよびメタデータを受信するために動作可能な通信インターフェースを含む。各々のコンテンツに関連するメタデータは、分散ネットワーク上のコンテンツに対するコンテンツ減衰式を指定する。通信ノードは、各々のコンテンツに関連する複数のコンテンツおよびメタデータを記憶するために動作可能な記憶媒体を更に含む。通信ノードのプロセッサは、乱数発生器を用いて少なくとも1つの第一値を計算し、そして各々のコンテンツのための第二値を計算するために各々のコンテンツに対するコンテンツ減衰式を周期的に処理するように動作可能である。プロセッサは更に、第一値と第二値とに基づいて通信ノードから幾つかのコンテンツを削除し、そして記憶媒体からの幾つかのコンテンツの削除を開始するかを決定するように動作可能である。
【0008】
本明細書に記載された様々な実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、分散ネットワーク上のコンテンツの減衰レートを指定する式を定義する。コンテンツの時間経過に従って、それが少ない人気となり、故にネットワーク上にコンテンツの少ないコピーが希望され得る。減衰レートは、コンテンツが期間時間にわたって分散ネットワークの通信ノードからいかに早く削除され得るかを指定する。
【0009】
減衰レート式は、所望の設計基準に依存して、任意タイプの減少レートに従う減衰レートを指定してもよい。例えば、幾つかの実施形態において、減衰レートは、線形関係に従って指定されてもよい。言い換えれば、ネットワーク上のコンテンツの時間経過に従って、コンテンツがネットワークから線形な方法で削除されてもよい。他の実施形態において、コンテンツは、指数レートに従って減衰してもよい。指数減衰レートは、時間と共に落ちる最近リリースされたコンテンツの初期人気のような様々な要因を考慮するためにコンテンツに対して指定されてもよい。
【0010】
少なくとも1つの実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、ネットワーク上の関連コンテンツの半減期又は平均寿命を定義してもよい。コンテンツ減衰パラメータは、特定時間における分散ネットワーク上のコンテンツのインスタンスの存在の確率を定義する式を指定する。式は、指定された時間におけるコンテンツの期待された又は希望された集合を定義する。例えば、コンテンツの最初の集合は、コンテンツのリリースに続く第一期間時間の間に別々の通信ノードにそれぞれ記憶された100個のコピーを含んでもよい。一ヵ月後、システムオペレータは、集合をコンテンツの50個のコピーまで減少することを望むかもしれない。故に、コンテンツ減衰式は、50個の通信ノードが1ヵ月後にコンテンツを独立に削除するように設計されてもよい。
【0011】
分散ネットワークの各通信ノードは、コンテンツ減衰式を用いてコンテンツの存在の確率を個別に計算してもよく、そして通信ノード上のコンテンツを維持するか又は削除するかを決定してもよい。コンテンツ減衰パラメータに基づいて、通信ノードの十分な集合がコンテンツの存在の確率の評価を実施すれば、集合は指定された時間における所望のコピー数に減衰されるであろう。
【0012】
本明細書に説明される技術は、映像配信システムそしてより具体的にテレビ受信器への応用の環境において説明される。しかし、本明細書に記載された技術は、分散ネットワーク上のいかなるデータの管理に適応されてもよいことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載された技術は、音声データ、画像データ、テキストドキュメント、スライドショープレゼンテーション及び類似物に適応されてもよい。
【0013】
図1は、分散ネットワーク100の実施形態を説明する。分散ネットワーク100は、複数の通信ノード102A、120B及び102C、通信ネットワーク104、コンテンツソース106及び遠隔サーバ108を含む。分散ネットワーク100は、説明の簡潔のために説明されない他の構成要素、要素又は装置を含んでもよい。
【0014】
各通信ノード102A〜102Cは、データを受信、処理及び/又は記憶可能な任意タイプの電子装置を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、1つ又は複数の通信ノード102A〜102Cは、ユーザへのプレゼンテーションのためにコンテンツを受信そして出力可能なエンドユーザ装置を含んでもよい。例えば、通信ノード102A〜102は、コンテンツ出力のためのプレゼンテーション装置(例えば、テレビ又はコンピュータ)を含んでもよく、他の装置によるプレゼンテーションのためにコンテンツを処理して出力する受信装置であってもよい(例えば、テレビにコンテンツを出力するセットップボックス)。通信ノード102A〜102Cの例は、デスクトップ、ラップトップ又はタブレットコンピュータ、携帯電話又は他の無線通信装置、携帯用情報端末(PDA)、テレビ受信機(例えば、ケーブル、衛星、Over−The−Air又はインターネットプロトコルテレビ(IPTV))、DVR、MP3プレイヤー又は他の音声再生装置、ビデオゲームコンソール、携帯ビデオプレイヤー及び類似物を含む。
【0015】
他の実施形態において、1又は複数の通信ノード102A〜102Cは、データを受信して記憶し、そしてそのようなデータを他の中間又はエンドユーザ装置に提供するサーバを含んでもよい。例えば、通信ノード102A〜102Cは、エンドユーザ装置(例えば、テレビセットトップボックス)にコンテンツを提供する音声及び/又は映像サーバを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、任意の通信ノード102A〜102Cは、エンドユーザ装置にデータを提供する他のサーバにコンテンツの転送を容易にする中間サーバを含んでもよい。
【0016】
通信ネットワーク104は、通信ノード102A〜102C、コンテンツソース106及び/又は遠隔サーバ108を一緒に通信的に結合することが可能である。通信ネットワーク104は、通信ノード102A〜102C、コンテンツソース106及び/又は遠隔サーバ108の任意の組み合わせを通信的に結合可能な1又は複数の論理的及び/又は物理的な通信ネットワークとして実施されてもよい。これらのネットワークは、有線(例えば、ケーブルとファイバ)及び/又は無線(例えば、セルラー、無線、衛星、マイクロ波、とラジオ周波数)通信媒体の任意の要望された組み合わせ、及び任意の所望のネットワークトポロジー(又は複数媒体が使用されたとき複数のトポロジー)を使用してもよい。通信ネットワークの実例は、データ通信サービスを提供するテレビ配信ネットワーク(例えば、衛星とケーブルテレビネットワーク)、無線通信ネットワーク、公共電話交換網(PSTN)、そしてローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。
【0017】
コンテンツソース106は、コンテンツを受信、生成そして1つ又は複数の通信ノード102A〜102Cに通信することが可能である。受信、処理、出力及び/又は通信されるコンテンツは、限定しないが、音声、映像、データ、情報その他を含む様々な形式の任意の形式で到来してもよい。少なくとも1つの実施形態において、コンテンツソース106は、他のソースからの様々な形式とタイプのコンテンツを受信し、コンテンツを集合し、そして通信ネットワーク104を介して1つ又は複数の通信ノード102A〜102Cにコンテンツを転送することが可能である。コンテンツソース106は、ストリームテレビ番組、記録された音声又は画像、電子番組案内データ及び類似ものを含む1又は複数のソースからの任意の形式及び/又は種類の情報を実際的に受信してもよいことが理解されるべきである。
【0018】
随意の遠隔サーバ108は、任意の通信ノード102A〜102Cにコンテンツ関連メタデータを提供することが可能である。メタデータは、分散ネットワーク上のコンテンツに対するコンテンツ減衰パラメータのようなコンテンツに関連する様々な情報を指定してもよい。例えば、任意の通信ノード102A〜102Cは、他の装置からコンテンツを受信し、そして遠隔サーバ108からコンテンツに対する関連メタデータを要求してもよい。少なくとも1つの実施形態において、遠隔サーバ108とコンテンツソース106は、単一装置内に統合されてもよい。
【0019】
コンテンツシーディング
動作中に、コンテンツソース106は、分散ネットワーク100上に1又は複数のコンテンの断片を置く。より具体的に、コンテンツソース106は、任意の通信ノード102A〜102Cにコンテンツを転送してもよい。少なくとも1つの実施形態において、コンテンツソース106は、各々の通信ノード102A〜102Cにコンテンツを転送してもよい。他の実施形態において、コンテンツソース106は、1つ又は複数の通信ノード102A〜102Cにコンテンツを転送してもよく、そして通信ノード102A〜102Cは更に、ビアツーピア転送プロトコルを用いて他の装置にコンテンツを転送してもよい。
【0020】
幾つかの実施形態において、予め定義された転送/記憶プランに従って、コンテンツは選択された数の通信ノード102A〜102Cに分散されてもよい。例えば、コンテンツソース106は、最初に通信ノード102Aにコンテンツを転送してもよい。転送と関連して、コンテンツは、コンテンツが通信ノード102Cに更に転送されることを示す命令を含んでもよい。通信ノード102Aは反応的にビアツーピア転送プロトコルを用いてコンテンツを通信ノード102Cに転送してもよい。
【0021】
少なくとも1つの実施形態において、コンテンツは、コンテンツ減衰パラメータに従って様々な通信ノード102A〜102Cに転送されてもよい。例えば、通信ノード102Aは最初に、関連減衰パラメータと共にコンテンツの断片を記憶してもよい。通信ノード102Bは、利用可能なコンテンツと関連減衰パラメータに対して通信ノード102Aを問い合わせてもよい。通信ノード102Bは、通信ノード102Aからコンテンツをコピーするかを決定するためにコンテンツ減衰パラメータを処理してもよい。
【0022】
幾つかの実施形態において、ユーザ又は他の関連装置による要求に従って、特定のコンテンツが通信ノード102A〜102C上に記憶されてもよい。例えば、通信ノード102Cの特定のユーザは、ノード102Cではなく、ノード102A及び/又はノード102B上に記憶されたコンテンツをアクセスすることを要望してもよい。通信ノード102Cは、ユーザが観覧するためのコンテンツの入力および出力に反応して通信ノード102Aからコンテンツをコピーするように要求してもよい。他の通信ノード102Cからコンテンツを再びコピーせずに他のユーザに同一コンテンツを提供するために、通信ノード102Cは、観覧セッションに続いてコンテンツの記憶を維持するかを決定してもよい。
【0023】
少なくとも1との実施形態において、コンテンツは、コンテンツ減衰パラメータを指定するメタデータをと共に関連して転送されてもよい。例えば、コンテンツソース106は、1又は複数の通信ノード102A〜102Cにコンテンツ減衰パラメータと共にコンテンツを転送してもよい。少なくとも1つの実施形態において、通信ノード102A〜102Cは、関連コンテンツ減衰パラメータなしにコンテンツを受信してもよく、そして、コンテンツの受信時に関連するか又は後の時点で、遠隔サーバ108からコンテンツ減衰パラメータを要求してもよい。
【0024】
コンテンツ削除
関連コンテンツを削除するかを決定するために、通信ノード102A〜102Cは、コンテンツ減衰パラメータを周期的に処理するように構成されている。例えば、コンテンツ減衰パラメータは、コンテンツに対する平均寿命又は半減期サイクルを指定する式を含んでもよい。式に基づいて、通信ノード102A〜102Cは、コンテンツの存在の確率を決定し、そして故に、通信ノード102A〜102Cからコンテンツを削除するかを決定する。
【0025】
通信ノードから様々なコンテンツを削除するかを決定するために、通信ノードは、任意の適切な定期的な間隔において上述の処理を実行してもよい。例えば、要望に従ってプロセスが毎日、毎週又は毎月に実行されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、通信ノード102A〜102C上の使用された記憶容量が指定された使用率(例えば、75%)に達した時に、処理が実行される。少なくとも1つの実施形態において、通信ノード102A〜102C上のコンテンツの計画更新前に、処理が実行されてもよい。例えば、毎週火曜日に分散ネットワーク100上においてコンテンツが更新されれば、新しくリリースされるコンテンツを収容するのに記憶空間を開放するために、通信ノード102Aは、月曜日の夜に削除処理を実行してもよい。
【0026】
上述のように、少なくとも1つの実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、コンテンツの指数の減衰レートを指定してもよい。指定された時間においてコンテンツのインスタントの所望の数が分散ネットワーク100上に残存するように、設計者は、適切な減衰レートを指定してもよい。式#1は、指数の減衰関数の1つの実施形態を説明する。
P(t)=A*B
t (式#1)
式#1において、変数Aは、分散ネットワーク100上のコンテンツの初期量を定義し、そして変数Bは、各連続する期間時間に対する分散ネットワーク100上に残存するコンテンツの量を定義する。故に、変数Bは、コンテンツ減衰レートに基づいて定義される。例えば、減衰レートが10%/週であれば、変数Bが0.90として定義される。なぜならば、以前の集合の90%は、各連続する週に残存するからである。変数Tは、分散ネットワーク100上のコンテンツの経過時間、例えば期間時間の数、を定義する。
【0027】
コンテンツが最初に100の通信ノード102A〜102C上記憶され、そして減衰レートは25%/週である状況の例を取る。故に、式#1を、P(t)=100*(0.75)
tとして解いてもよい。1時間期間後、コンテンツの集合は、75コピーである。2時間期間後、コンテンツの集合は、56コピーであり、そして3時間期間後、コンテンツの集合は、42コピーである。
【0028】
コンテンツ減衰パラメータに対する値を決定するために、通信ノード102A〜102Cは、適切な変数で式#1を処理する。指示された値に基づいて、通信ノード102A〜102Cは、通信ノード102A〜102Cの関連記憶媒体からコンテンツを削除するかを決定する。1つの実施形態において、各通信ノード102A〜102Cは、指定された範囲内の乱数を計算する。乱数がG(v)に対して計算された値より大きければ、通信ノード102A〜102Cは、コンテンツを削除する決定を行う。
【0029】
例えば、以前に説明した例において、P(t)の値は、0の最小100の最大を有する。1つの実施形態において、各通信ノード102A〜102Cは、0と100の間の乱数を計算し、そして乱数を計算された値P(t)と比較する。時間期間T
1の間に、P(t)の値は、75である。通信ノード102Aが81の乱数を計算し、通信ノード102Bが3の乱数を計算し、そして通信ノード102Cが55の乱数を計算した状況の例を取る。故に、通信ノード102Aは、その記憶媒体からコンテンツを除去し、そして通信ノード102Bと通信ノード102Cは、コンテンツを維持する。通信ノード102A〜102Cの適切にサイジングされた集合にわたって、通信ノード102A〜102Cの25%は、指定された時間期間中に独立にコンテンツを削除し、そして示された処理に基づいて残りの75%は、記憶装置内にコンテンツを維持することになる。
【0030】
任意の適切な指数関数がコンテンツの減衰レートを示すために採用され得ることは、理解されるべきである。少なくとも1つの実施形態において、分散ネットワーク100上のコンテンツに対して平均寿命又は半減期サイクル式が採用されてもよい。半減期サイクルは、分散ネットワーク100上のコンテンツのセットされた量がオリジナルの集合の半分に減衰することを示す。言い換えれば、セットされたレートにおいて減衰するコンテンツの十分な集合で、半減期サイクルは、特定時間においてコンテンツを維持するノードの期待数を示す。式#2は、本明細書に示された教示に従って採用され得る半減期サイクル式の1つの実施形態を示す。
P(t)=A+K*
e^(−(t−T
seed−T
offset)/T
m) (式#2)
式#2において、tは、通信ノード102A〜102Cにおける現在の時間として定義される。少なくとも1つの実施形態において、変数tは、式#2を処理するために各通信ノード102A〜102Cによって使用される共通時間として定義される。T
seed値は、コンテンツが分散ネットワーク上に乗せられた時間を指定する。望ましくは、T
seedは、tのように類似する時間に関連して指定する。T
offsetの値は、分散ネットワーク上のコンテンツの成長に対して定義される時間オフセットを指定する。これは、通信ノード102A〜102Cが、時間が経過したコンテンツの削除を開始する前にコンテンツがネットワーク上で成長するために十分な時間を与える。T
mの値は、分散ネットワーク上のコンテンツに対する平均寿命時間を指定する。
【0031】
AとKの値は、分散ネットワーク100上のコンテンツの減衰レートを制御するために定義された定数であり、そして所望の設計基準に依存して選択されてもよい。より具体的に、Aの値は、所定の割合の通信ノード102A〜102Cが、分散ネットワーク100上にコンテンツが乗せられた後の長い存続期間のコンテンツのコピーを維持するように定義されてもよい。例えば、通信ノード102A〜102Cの少なくとも10%のコンテンツの集合を維持するようにAの値が経時的に選択されてもよい。Kの値は、分散ネットワーク100上のコンテンツの初期に要望された集合のサイズを指定する。
【0032】
P(t)の値は、A+Kの最大値を有する。上述のように、各通信ノード102A〜102Cは、0≦R≦A+Kの範囲内で乱数Rを計算してもよい。P(t)の値よりRが大きければ、通信ノード102A〜102Cは、コンテンツを削除する。しかし、P(t)の値がR以下であれば、通信ノード102A〜102Cは、コンテンツを維持するように決定する。少なくとも1つの実施形態において、A+Kの値は、0と1の間のP(t)の値を作るように選択される。更に、0≦R≦1の範囲内で乱数が発生されてもよい。
【0033】
時間経過したコンテンツを削除し、そしてより新しいコンテンツのために場所を空けるように分散ネットワーク100上のコンテンツの減衰が経時的に制御されるため、本明細書に記載される技術は有利である。更に、各通信ノード102A〜102Cは、削除命令のために中央サーバを問い合わせず独立にコンテンツを削除してもよい。故に、コンテンツを削除するように通信ノード102A〜102Cを命令するために、集中型遠隔サーバ108は、不要であってもよい。通信ノード102A〜102Cにコンテンツ減衰パラメータを供給するために集中型遠隔サーバ108が用いられても、各ノードは、適切な時間においてコンテンツ減衰パラメータを独立に処理することができ、遠隔サーバ108に負担を強いる必要性を不要にする。加えて、本明細書に記載された技術は、分散ネットワーク100の様々なコンポーネント間の通信リンクが一時的に作動しなくても、各通信ノード102A〜102C上のコンテンツが削除されるようにすることが可能である。
【0034】
図2は、
図1の通信ノード102Aの実施形態を説明する。通信ノード102Aは、通信インターフェース202、プロセッサ204、出力インターフェース206、入力インターフェース208、メモリ210と記憶媒体212を含む。通信ノード102Aのコンポーネントは、1若しくは複数のデータバス220又は他のタイプのデータ接続によって通信的に一緒に結合されてもよい。説明の簡潔のために、通信ノード102Aは、示されていない他の素子、コンポーネント又は装置を含んでもよい。
【0035】
通信ノード102Aは、テレビ受信器、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、サーバ、音声再生装置又は類似物といった任意のタイプの計算装置を含んでもよい。プロセッサ204は、通信ノード102Aの動作を制御するように動作可能である。本明細書に使われているように、プロセッサ204は、単一処理装置又は相互動作可能な処理装置のグループに関連している。プロセッサ204の動作は、プロセッサ204によって実行可能な命令によって制御されてもよい。命令の幾つかの例は、ソフトウェア、プログラムコード、及びファームウェアである。プロセッサ204の幾つかの実施形態は、任意の形式のソフトウェアを実行する任意の種類のマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサを含む。
【0036】
プロセッサ204は、プロセッサ204の動作中にデータを記憶することが可能なメモリ210に通信的に結合される。そのようなデータは、プロセッサ204によって実行されるソフトウェアとファームウェアと同様にプロセッサ204の動作中に生成されるシステム及び/又はプログラムデータを含んでもよい。メモリ210は、任意の種類のディジタルメモリ(任意の種類のリードオンリーメモリ(ROM)、RAM、フラッシュメモリ及び/又は類似物を含む)又は前述の任意組み合わせを含んでもよい。
【0037】
通信ノード102Aはまた、通信ノード102Aに関連するファイルと他のデータを記憶することが動作可能な任意種類の大容量記憶装置である記憶媒体212を含む。少なくとも1つの実施形態において、記憶媒体212は、不揮発性データの記憶を提供する磁気ディスクドライブを含む。他の実施形態において、記憶媒体212は、フラッシュメモリを含んでもよい。記憶媒体212は、データ、命令及び/又は類似物を記憶することができる任意のタイプの磁気、光学又は他のタイプの記憶装置として実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0038】
図2に示される実施形態において、通信ノード102Aはまた、通信ネットワーク104上の通信ノード102Aによる通信をサポートするために任意のプロトコルの実装又は他の特徴を用いて動作する適切な通信インターフェース202を含む。様々な実施形態において、要望されるように通信ノード102Aが通信ネットワーク104上に通信することを可能にするために、通信インターフェース202は、従来のLAN、WAN又は他のプロトコル(例えば、インタネット上に広く使われているプロトコルひと揃いTCP/IP又はUDP/IP)をサポートする。通信インターフェース202は典型的に、任意種類のLANアダプタハードウェア又は通信ノード102A内部に提供されている類似物を用いて通信ネットワーク104とインターフェースで接続する。
【0039】
通信ノード102Aはまた、プレゼンテーション装置214とインターフェースで接続するために動作可能な出力インターフェース206を含む。より具体的に、出力インターフェース206は、プレゼンテーション装置214によるプレゼンテーションのために情報を出力することが可能である。出力インターフェース206は、音声データ、映像データ、音声/映像(A/V)データ、テキストデータ、画像又は類似物を含む任意のタイプのプレゼンテーションデータをプレゼンテーション装置214に出力することが可能である。
【0040】
プレゼンテーション装置214は、通信ノード102Aから受信したデータをプレゼンテーションすることが可能な任意のタイプの装置を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、プレゼンテーション装置214は、任意タイプの適切な有線又は無線接続を介して出力インターフェース206に通信的に結合されるモニタを含む。他の実施形態において、プレゼンテーション装置214は、コンポーネントA/Vケーブル、コンポジットA/Vケーブル、High-Definition Multimedia Interface(HDMI)ケーブル、Sビデオケーブル、同軸ケーブル又は例えばWifi、Buletooth及び類似物の無線接続といった映像又はA/V接続を介して出力インターフェース206に通信的に結合されるテレビを含む。少なくとも1つの実施形態において、プレゼンテーション装置214は、音楽といった音声データを出力するために音声受信器及び/又は1つ又は複数のスピーカを含む。
【0041】
通信ノード102Aとプレゼンテーション装置214は、個別コンポーネントであってもよく又は単一装置内に統合されてもよいことが理解されるべきである。例えば、通信ノード102Aは、セットトップボックス(例えば、ケーブルテレビ又は衛星テレビ受信器)を含んでもよく、そしてプレゼンテーション装置214は、セットトップボックスに通信テクに結合するテレビを含んでもよい。他の例において、通信ノード102Aとプレゼンテーション装置214は、統合されたディスプレイスクリーンを有するラップトップ又は統合されたケーブル受信器、衛星受信器及び/又はDVRを有するテレビとして実施されてもよい。
【0042】
入力インターフェース208は、1又は複数の入力装置216とインターフェースで接続するように動作可能である。入力装置216は、通信ノード102Aにデータを入力するための任意のタイプの装置を含んでもよい。より具体的に、入力装置216から受信したデータは、プロセッサ204の動作及び/又はプレゼンテーション装置214へのデータの出力を制御するために用いられてもよい。入力インターフェース208と入力装置216は、USB、WiFi、赤外線と類似物を含む任意タイプの有線又は無線接続を用いて通信的に結合されてもよい。幾つかの実施形態において、入力インターフェース208は、入力装置216からの任意タイプのRF又はIR通信を受信するために無線受信器を含んでもよい。入力装置216の実例は、キーボード、マウス、ボタン、ジョイスティック、マイクロフォン、遠隔制御装置、タッチパッド及び類似物を含む。少なくとも1つの実施形態において、通信ノード102Aは、テレビ受信器又は映像出力装置を含み、そして入力装置216は、テレビ受信器と通信的に結合されるテレビ遠隔制御装置を含む。
【0043】
入力装置216は更に、プレゼンテーション装置214を制御するように動作可能である。例えば、プレゼンテーション装置214は、IR又はRF信号を用いる入力装置216によって遠隔的に制御されるテレビを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、入力装置216は、プレゼンテーション装置214と統合されてもよい。例えば、入力装置216とプレゼンテーション装置214は、タッチスクリーンディスプレイを含んでもよい。入力装置216はまた、通信ノード102Aと統合されてもよい。例えば、入力装置216は、ラップトップの統合されたキーボード又はテレビ受信器又は他のタイプのエンターテイメント装置のボタン付きフロントパネルディスプレイといった通信ノード102Aのボタンを含んでもよい。
【0044】
動作において、通信インターフェース202は、通信ネットワーク104を介してコンテンツソース106(
図1参照)及び/又は他の通信ノード102B〜102Cから様々なコンテンツを受信する。通信インターフェース202はまた、いずれかのコンテンツソース106、遠隔サーバ108及び/又は他の通信ノード102B〜102Cからコンテンツに関連するメタデータを受信してもよい。少なくとも1つの実施形態において、通信インターフェース202はまた、ピアツーピア転送処理を介して他の通信ノード102B〜102Cにコンテンツを転送するように構成されてもよい。
【0045】
コンテンツ及び/又は関連メタデータの受信に応答して、プロセッサ204は、記憶媒体212へコンテンツ及び/又はメタデータの記憶を調整する。より具体的に、第一時間期間中に通信ノード102Aによってコンテンツ且つ/又はメタデータが受信され、そして記憶される。少なくとも1つの実施形態において、受信されたコンテンツが関連メタデータを含んでいない時、プロセッサ204は、遠隔サーバ108(
図1参照)に問い合わせを開始するように動作してもよい。
【0046】
後続の時間期間中に、プロセッサ204は、記憶媒体212からコンテンツの特定断片を削除するかを決定するためにメタデータを処理するように動作可能である。少なくとも1つの実施形態において、プロセッサ204は、乱数発生器を用いて第一値を計算するように動作する。プロセッサ204は更に、コンテンツ減衰パラメータに基づいてコンテンツのための第二値を発生する。上述のように、少なくとも1つの実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、第二値を生成するための式を指定する。プロセッサ204は、記憶媒体212からコンテンツを削除するかを決定するために第一値と第二値を比較する。同様の処理は、記憶媒体212上の各記憶されたコンテンツに対する各時間期間中に実行されてもよい。
【0047】
少なくとも1つの実施形態において、プロセッサ204は、コンテンツに対して周期的にコンテンツ減衰パラメータを用いて類似計算を実行するように動作可能である。例えば、周期的処理は、毎週実行されるようにしてもよい。第一週において、計算は、記憶媒体212上にコンテンツを維持するというプロセッサ204による決定の結果であってもよい。しかし、1週間後に実行される計算の他のインスタンスは、プロセッサ204が記憶媒体212からコンテンツの削除を開始するという結果であってもよい。
【0048】
図3は、分散ネットワーク内のコンテンツ管理のための処理の実施形態を説明する。より具体的に、
図3の処理は、通信ノードから特定コンテンツを除去するかを決定するために用いられる。
図3の処理は、要望される設計基準に依存して通信ノード上に格納された各々のコンテンツに対して別々に実行されてもよい。説明の簡潔のために、
図3の処理は、説明されていない他の動作を含んでもよい。
【0049】
処理は、第一時間間隔中に通信ノードにおいてコンテンツの受信を含む(動作302)。処理は更に、コンテンツに関連するメタデータの受信を含む(動作304)。メタデータは、分散ネットワーク上のコンテンツに対する少なくとも1つのコンテンツ減衰パラメータを指定する。少なくとも1つの実施形態において、コンテンツ減衰パラメータは、コンテンツに関連するコンテンツ減衰式を含む。
【0050】
通信ノードは、要望される設計基準に依存してコンテンツとメタデータを一緒に又は別々に受信してもよい。例えば、メタデータは、コンテンツのためのファイルと共に統合されてもよく、又は別のファイルでコンテンツと関連して転送されてもよい。他の実施形態において、通信ノードは、関連メタデータなしにコンテンツを受信してもよく、そして遠隔サーバから別々にメタデータを要求してもよい。処理は更に、通信ノードに関連する記憶媒体上にコンテンツとメタデータの記憶を含む(動作306)。
【0051】
動作308において、通信ノードからコンテンツを削除するかを決定するために、通信ノードは、第二時間間隔中に通信ノードにおけるコンテンツ減衰パラメータを処理する。少なくとも1つの実施形態において、動作308は、コンテンツのためのコンテンツ減衰パラメータに基づく第一値の計算と乱数発生器を用いる第二値の計算を含む。通信ノードは次に、第一値と第二値に基づいてコンテンツを削除するかを決定する。少なくとも1つの実施形態において、コンテンツを削除するか否かの決定は、第一値と第二値の比較に基づいて決定される。
【0052】
動作308は、コンテンツが削除されるという決定の結果であれば、動作310に続けて処理し、そして第二時間期間中に記憶媒体からコンテンツが削除される。動作308は、コンテンツが削除されないという決定の結果であれば、動作312に続けて処理し、そして少なくとも他の時間期間においてコンテンツが維持される。処理は次に、動作308にループバックされ、そして第三時間期間中に他の動作308のインスタンスが実行されてもよい。動作308の後続インスタンスの間に、新しい第一値は、更新された時間とコンテンツ減衰パラメータに基づいて生成される。同様に、新しい第二値は、乱数発生器を用いて生成される。少なくとも1つの実施形態において、動作308の各後続インスタンスの間に、通信ノードに関連する記憶媒体からコンテンツが削除される確率が増加する。
【0053】
本明細書において特定実施形態が記載されたが、本発明の範囲は、それらの特定実施形態に限定されない。本発明の範囲は、後続の請求項と任意のそれの等価に定義される。