(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789008
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】シームレス(分散)仮想ネットワーク資源管理のために、仮想ネットワーク要素およびネットワークハイパーバイザ間のインターフェース要件を決定する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/775 20130101AFI20150917BHJP
H04L 12/70 20130101ALI20150917BHJP
【FI】
H04L12/775
H04L12/70 D
【請求項の数】19
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-13436(P2014-13436)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-150530(P2014-150530A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2014年1月28日
(31)【優先権主張番号】61/758,333
(32)【優先日】2013年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510279365
【氏名又は名称】ゼットティーイー (ユーエスエー) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カスナビッシュ, ブミップ
【審査官】
安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−525017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/775
H04L 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのネットワークハイパーバイザ(NHV)に複数の仮想レイヤ3ネットワークエンティティ(VNE)を接続するための方法であって、
(a)前記複数のVNEがそれぞれ持つ特性および機能を決定するステップと、
(b)前記ステップ(a)において決定した前記特性および前記機能に基づき、前記複数のVNEをそれぞれサポートしているインターフェースを見つけるステップと、
(c)前記ステップ(a)において決定した前記特性および前記機能から、共通する特性および機能を抽出するステップと、
(d)前記ステップ(c)において抽出した前記特性および前記機能に基づき、前記ステップ(b)で見つけた前記インターフェースの中から、前記複数のVNEが共通して利用可能な少なくとも一つのインターフェースを決定して適応させるステップと、
(e)前記ステップ(d)において適応されたインターフェースを通じて、前記少なくとも一つのNHVに前記複数のVNEを接続するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記複数のVNEには、仮想ネットワークポートが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のVNEには、仮想ネットワークリンクが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のVNEには、仮想フォワーディングテーブルが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のVNEには、仮想DNSが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のVNEには、仮想ロードバランサーが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のVNEには、仮想AAAサーバーが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のVNEには、仮想ルーティングエンジンが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のVNEには、異なるブロードキャストドメインに属するVNEが含まれる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(f)前記少なくとも一つのNHVに接続している前記複数のVNEに、機能不全のVNEがある場合には、当該機能不全のVNEを当該NHVから解除するステップと、
(g)前記機能不全のVNEを修復するステップと、
(h)前記ステップ(g)において修復した後のVNEを含めて、前記ステップ(a)〜(e)を適用するステップと、
を有する、請求項1〜9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つのネットワークハイパーバイザ(NHV)に複数の仮想レイヤ3ネットワークエンティティ(VNE)を接続するためのコンピューターシステムであって、
(a)前記複数のVNEがそれぞれ持つ特性および機能を決定する手段と、
(b)前記手段(a)により決定した前記特性および前記機能に基づき、前記複数のVNEをそれぞれサポートしているインターフェースを見つける手段と、
(c)前記手段(a)により決定した前記特性および前記機能から、共通する特性および機能を抽出する手段と、
(d)前記手段(c)により抽出した前記特性および前記機能に基づき、前記手段(b)により見つけた前記インターフェースの中から、前記複数のVNEが共通して利用可能な少なくとも一つのインターフェースを決定して適応させる手段と、
(e)前記手段(d)により適応されたインターフェースを通じて、前記少なくとも一つのNHVに前記複数のVNEを接続する手段と、
を有するシステム。
【請求項12】
前記複数のVNEには、仮想ネットワークポートが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のVNEには、仮想ネットワークリンクが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のVNEには、仮想フォワーディングテーブルが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のVNEには、仮想DNSが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のVNEには、仮想ロードバランサーが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のVNEには、仮想AAAサーバーが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のVNEには、仮想ルーティングエンジンが含まれる請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のVNEには、異なるブロードキャストドメインに属するVNEが含まれる請求項11〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VNEおよびNHV間のインターフェースの要件を決定および概念化するメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のVNEは、ルーター、ルーティング/トポロジーデータベース、ファイアウォール、ロードバランサー(負荷分散装置)等を含む。(ISOのOSIモデルの)付加価値レイヤ3サービスを提供する多くの他の装置は、ネットワークレイヤエンティティとしても考えられている。これらは、コンピュート、ストレージ、リンク/チャネル、ルーティングおよびフォワーディングテーブル/エンジン、ファイアウォール、ポリシー/サービス品質マネジャ、ロードバランサー/分散器なども含みうる。
【0003】
NHVは、ソフトウェア定義の多重連結レイヤ3オーバレイネットワークであり、(a)下層の物理ネットワークから完全に分断され、(b)いかなるサーバーハイパーバイザとシームレスに相互作用する。NHVは、プロビジョニングおよび管理を含め、ドメインに関わりなく接続(付随)される全てのVENの完全な視認性および可制御性を有する。
【0004】
VNEの接続は、本特許出願において開発された全ての要件を満たす、オープンで相互運用可能なインターフェースを介さなければならない。
【0005】
いずれかの時点で、いずれかの要件が満たさないと、関連したVENは、NHVから解除(分離)されうる。同様に、以前に分離したVNEが、準拠したインターフェースにより修復され、または起動されたとき、それは自動的にNHVに追加される。
【0006】
この自動割り当て/解除の特性は、(i)欠陥または欠陥のあるインターフェースを有するVNEが、大規模な診断によるオーバーヘッドなく、自動的に隔離され、(ii)適切なインターフェースを有する利用可能なVNEが、自動的にNHVに接続される、という効果を奏する。
【0007】
NHVに接続され、あるいは、分離されうるVNEは、次のエンティティ(構成)を含む。
【0008】
・(仮想(仮想化された))ネットワークポート
・(仮想)ネットワークリンク
・(仮想)フォワーディングテーブル
・(仮想)DNS(仮想化された)ローンバランサー
・(仮想)AAAサーバー
・(仮想)ルーティングエンジン
・(仮想)付加価値ネットワークサービスエンティティ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ネットワークエンティティの仮想化およびそれらのハイパーバイザへの接続のための現在の日々の処理は、レイヤ2ベースのエンティティおよびサーバレベルのハイパーバイザにほとんど関係している。
【0010】
レイヤ3エンティティの仮想化は、ほぼいつも所有者(独自)ベースで行われ、VNEをネットワークレベルに接続する方法があれば、ハイパーバイザが所有者インターフェースを用いる。
【0011】
これらの現在利用可能で実用化されている方法およびソリューションは、仮想化レイヤ3ネットワークおよびサービスのアイランドを生成し、仮想化を用いる動機(アプリケーションおよびサービスからの要求に従って、分散された仮想化資源を異なるドメイン間でシームレスにシェアする動機)を全体的になくさせてしまう。たとえば、あるソリューションは、専らネットワークオペレーティングシステムに着目し、あるソリューションは、(必ずしもVNEである必要はないが)仮想化エンティティの側面として、ネットワーク管理へのシームレスなアクセスを提供し、また、他のソリューションは、(しばしば仮想化される)分散ネットワークエレメントのサポートを試みるが、これらの全てのソリューションは、しばしば“未定義”または独自のネットワークハイパーバイザへのインターフェースを用いる。
【0012】
本発明は、レイヤ2ベースのハイパーバイザドメイン上で動作する代わりに、オープンで相互運用可能なNHVベースのソリューションに着目する。
【0013】
レイヤ2ベースのハイパーバイザは、一般的に、小さな地理的領域(部屋、キャンパス、小さな町など)に亘って、ブロードキャストドメインをカバーするのに対し、ネットワークレイヤは、広い地理的領域(大きな町、州、国や、さらに大きな領域)をカバーするので、自動の負荷分散および災害復旧の目的にはより魅力的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、オープンで相互運用可能なインターフェースを介した、NHVへの仮想レイヤ3ネットワークエンティティの接続に着目している。
【0015】
そして、分散仮想ネットワーク(レイヤ3)エンティティと、ブロードキャスト(レイヤ2またはローカルエリアネットワーク(LAN))ドメインだけでなくより広い地理的範囲に亘る資源との、シームレスな相互運用性をもたらす。
【0016】
これは、NHVがネットワーク(レイヤ3)で正確に動作するので、効率的に開発途上の広域ネットワーク認識サービスおよび装置の可能性を広げ、同時にサービス−/装置−認識ネットワークの可能性も広げる。
【0017】
他の側面では、本発明は、上述に関する特徴および利点を有するシステムおよびコンピュータープログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】概念化されたインターフェースを介して、仮想ネットワークエンティティがネットワークハイパーバイザに接続されている様子を示す上位概略図である。
【
図2】VNEおよびNHV間のインターフェースの要件がどのように決定され、それから適応/相互運用されるかを示す図である。
【
図3】広域に亘って複数のVNEをつなぎ合わせることによる使用事例の実行を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面は、本発明をより理解するためのものであり、明細書において説明される。開示された実施形態および/または特徴を示す図面は、詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するために用いられ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定される。
【0020】
以下では、本発明を一般的な用語により説明し、添付図面の縮尺は必ずしも正確ではない。
【0021】
提供される図面および説明は、本発明の明確な理解のために、関係のある構成(エレメント)を簡略化して示す場合があり、また、明確のために、シームレスな(分散)仮想ネットワーク資源管理のための仮想ネットワーク構成およびネットワークハイパーバイザ間のインターフェースに対する要件を決定するのに一般的な方法およびシステムに見られる他の構成を省略する場合がある。当業者は、ここに説明される装置、システムおよび方法の実行に、他の構成および/またはステップが望ましくまたは必要であることを認識しうる。しかし、そのような構成およびステップは公知であり、本願発明のよりよい理解の手助けになるものではないため、そのような構成およびステップの説明は、ここでは省略する。本発明の開示は、そのような全ての構成、ネットワーク仮想化技術の当業者に知られているそれらの構成および方法についてのバリエーションおよび改良を本質的に含む。
【0022】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明をより完全に説明する。
【0023】
図1は、概念化されたインターフェースを介して、仮想ネットワークエンティティがネットワークハイパーバイザに接続されている様子を示す上位概略図である。
VNEをNHVに割り当てるのにどのような相互運用または摘要が必要かを決定するために、抽象化がリアルタイムで実行される。
【0024】
図2は、VNEおよびNHV間のインターフェースの要件がどのように決定され、抽象化(abstract)され、それから適応/相互運用されるかを示す図である。これらのVNEは、その後、NHVを通じて広い地理的領域に亘って、アプリおよびサービスによる使用のために、VNEが割り当てられる。
【0025】
図3は、サービスに必要なVNEの数の要件が常に変化しているため、アプリまたはサービスのために、一緒につなぎ合わされた広域に亘る複数のVNEの使用事例の実行を示す図である。
【0026】
特別な用語が使用される場合があるが、それらの用語は、総称および説明的な意味で使用されるものであり、限定するためのものではない。
【0027】
本発明は、ある程度の詳細さで典型的な形式で説明および図示されているが、説明および図面は、一例としてなされたものである。構造の詳細、組み合わせ、部分およびステップの配置において、数々の変更がなされうる。したがって、そのような変更が本発明に含まれ、発明の範囲が請求の範囲によって定義される。