(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の電子機器、制御方法、プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
図1に示す第1実施形態は電子機器として撮像装置を例としたものである。
図1において、図示していない被写体からの光は光学部2のレンズ210,230によって集光される。光学部2は複数のレンズ210,230の間に絞り220を有する。ここでは、レンズを2枚のみ図示しているが一般的にはさらに多くのレンズを備える。光学部2によって集光された光はCCD等の撮像素子5に入射される。撮像素子5は入射された光信号を電気的な画素信号に変換し、A/D変換部6へ出力する。
【0011】
A/D変換部6は入力された画素信号をデジタルの画素信号へ変換し、映像信号処理部7へ入力する。映像信号処理部7はA/D変換部6から入力された画素信号に基づいて所定の形式の映像信号(例えばRGB信号)を生成し、各種の信号処理を施してD/A変換部8及び顔検出部9へ出力する。
【0012】
顔検出部9は映像信号処理部7から入力された映像信号に基づいて画像の肌色部分を検出したり、周知のパターン認識技術を用いたりして被写体を撮像した画像に含まれている人物の顔を検出し、顔検出情報を制御部1へ出力する。D/A変換部8は入力された映像信号をアナログの映像信号へ変換してオンスクリーンディスプレイ(OSD)重畳部11へ出力する。
【0013】
タッチセンサ13は、ユーザからの入力があると、その操作情報を制御部1内の入力処理部102へ出力する。入力処理部102は、後に説明するように、入力された操作情報に所定の処理を施す。タッチセンサ13には例えば静電容量式のタッチセンサを用いることができる。
図1のタッチセンサ13はタッチセンサを模式的に示したものである。
【0014】
制御部1は表示制御部101、入力処理部102を有する。制御部1には例えばマイクロプロセッサを用いることができる。制御部1は1つのマイクロプロセッサで構成しても良いし、複数のマイクロプロセッサで構成しても良い。表示制御部101は、操作情報に応じて、OSD発生部10を制御する。
【0015】
OSD発生部10は表示制御部101による制御に基づいてOSD信号を作成し、作成したOSD信号をOSD重畳部11へ出力する。OSD重畳部11はD/A変換部8から入力された映像信号にOSD発生部10から入力されたOSD信号を重畳し、表示部12へ供給する。そして、表示部12はOSD重畳部11から供給された映像信号に基づく映像を表示する。
【0016】
また、制御部1は、タッチセンサ13からの操作情報や、顔検出部9からの顔検出情報を基に、モータ3を駆動するための制御信号をモータ駆動部4へ出力する。モータ駆動部4は制御部1から入力された制御信号を基にモータ3を駆動する。モータ3はモータ駆動部4によって駆動されることで光学部2のレンズ210,230を動かしたり、絞り220の開口の大きさを調整したりする。このように、光学部2は、レンズ210,230及び絞り220が動かされることによってフォーカス、ズーム倍率、露出を変更する。このように光学部2、モータ3、モータ駆動部4がズーム手段となる。本実施形態では以上のように光学的な手法を用いたズーム手段を例とするが、電子的な手法を用いたズーム手段や、光学的な手法を用いたズーム手段と電子的な手法を用いたズーム手段とを組み合わせたズーム手段を用いても良い。
【0017】
図1及び
図2(A)、(B)を用いて、本実施形態の電子機器の構成及び動作についてさらに説明する。
図2(A)において、筐体100には表示部12及びタッチセンサ13以外の各部が収納されている。筐体100に対して開閉自在のモニタ部60には表示部12とタッチセンサ13が設けられている。タッチセンサ13は表示部12に隣接して配置されている。タッチセンサ13は所定の大きさ(領域)を有し、内部的に二点鎖線で示す4つの領域21〜24に分けられている。領域21〜24はそれぞれ
図1における可変抵抗131〜134に対応している。ユーザの指50がそれぞれの領域に触れると、図示しないコンデンサに蓄えられた電荷の変化に伴い、可変抵抗131〜134の抵抗値が変化し、可変抵抗131〜134の両端に生じる電圧値が変化する。入力処理部104は、その電圧値を検出することで指50が触れた位置を検出することができる。
【0018】
表示部12は、被写体の画像と共に、OSDであるガイド画像201〜204を表示する。また、それぞれの領域21〜24には電子機器(撮像装置)が動作する際の機能が割り当てられている。ガイド画像201、ガイド画像202、ガイド画像203、ガイド画像204は、それぞれ、領域21、領域22、領域23、領域24に割り当てられた機能を示している。ここではガイド画像21〜24は、それぞれの機能を示す文字を含むものとしたがアイコン等の記号であっても良い。
【0019】
まず、個々の領域21〜24それぞれに割り当てられた機能について説明する。ここでは、指50がタッチセンサ13に触れていない状態で領域21〜24のいずれかに触れた場合の動作について説明する。なお、
図2(A)、(B)における領域21〜24に割り当てられた機能は一例である。領域21〜24に割り当てられる機能は電子機器の状態に応じて適宜変更されても良い。
【0020】
図2(A)において、領域21と領域22とを含む領域25にはズーム機能が割り当てられている。領域21と領域22には、領域25に割り当てられるズーム機能の下位機能である望遠側ズーム機能と広角側ズーム機能が割り当てられている。領域23には顔認識機能が割り当てられ、領域24には自動露出機能(AE)が割り当てられている。
【0021】
指50が領域21に触れると、タッチセンサ13の可変抵抗131の両端に生じる電圧の変化から、制御部1内の入力処理部104は、指50が領域21に触れたことを検出する。それを受けて制御部1はズームを望遠側にするための制御信号をモータ駆動部4へ出力する。モータ駆動部4は制御部1から入力された制御信号を基にモータ3を駆動する。モータ3はモータ駆動部4によって駆動されることで光学部2のレンズ210,230を動かす。このように、光学部2は、レンズ210,230が動かされることによってズーム倍率を所定の量だけ望遠側へ変化する。
【0022】
制御部1は、領域21に指50が触れ続けていると、ズームを望遠側にするための制御信号を出力し続ける。よって、指50が領域21に触れ続けていると、ズーム倍率が最大になるまで、所定のスピードでズーム倍率が大きくなっていく。
【0023】
指50が領域22に触れると、タッチセンサ13の可変抵抗132の両端に生じる電圧の変化から、制御部1内の入力処理部104は、指50が領域22に触れたことを検出する。それを受けて制御部1はズームを広角側にするための制御信号をモータ駆動部4へ出力する。モータ駆動部4は制御部1から入力された制御信号を基にモータ3を駆動する。モータ3はモータ駆動部4によって駆動されることで光学部2のレンズ210,230を動かす。このように、光学部2は、レンズ210,230が動かされることによってズーム倍率を所定の量だけ広角側へ変化する。
【0024】
制御部1は、領域22に指50が触れ続けていると、ズームを広角側にするための制御信号を出力し続ける。よって、指50が領域22に触れ続けていると、ズーム倍率が最小になるまで、所定のスピードでズーム倍率が小さくなっていく。
【0025】
指50が領域23に触れると、タッチセンサ13の可変抵抗133の両端に生じる電圧の変化から、制御部1内の入力処理部102は、指50が領域23に触れたことを検出する。それを受けて制御部1は顔検出部9に顔検出機能を開始させる。顔検出部9は映像信号処理部7から入力された映像信号を元に画像の肌色部分を検出したり、周知のパターン認識技術を用いたりして被写体に含まれている人物70の顔を検出し、顔検出情報を制御部1へ出力する。
【0026】
制御部1は、顔検出情報を基に、フォーカスを検出した顔に合わせるための制御信号をモータ駆動部へ出力する。モータ駆動部4は制御部1から入力された制御信号を基にモータ3を駆動する。モータ3はモータ駆動部4によって駆動されることで光学部2のレンズ210,230を動かす。このように、光学部2は、レンズ210,230が動かされることでフォーカスを検出した顔へ合わせる。指50が再度、領域23に触れると、制御部1は顔検出部9に顔検出機能を終了させる。
【0027】
指50が領域24に触れると、タッチセンサ13の可変抵抗134の両端に生じる電圧の変化から、制御部1内の入力処理部104は、指50が領域24に触れたことを検出する。それを受けて制御部1は図示しない被写体の状況に合わせた露出調整をするために、絞り220を調整するための制御信号をモータ駆動部へ出力する。モータ駆動部4は制御部1から入力された制御信号を基にモータ3を駆動する。モータ3はモータ駆動部4によって駆動されることで光学部2の絞り220を動かす。このように光学部2は、絞り220が動かされることで露出量を調整する。
【0028】
次に、
図2(A)及び
図3のフローチャートを用いて、意図的に又は意図せずにユーザがタッチセンサ13をなぞる場合を含めた、本実施形態の動作について説明する。
図3において、電子機器(撮像装置)の電源がオンになると、ステップS301にて制御部1内の入力処理部104は、タッチセンサ13への入力の検出動作を開始する。その後、入力処理部102はステップS302にて指50がタッチセンサ13のいずれかの領域に触れて、入力がオンになったか否かを判断し、触れていなければ(No)、検出動作を続ける。
【0029】
指50がタッチセンサ13のいずれかの領域に触れて、入力がオンになると(Yes)、ステップS303に移る。タッチセンサ13に対して、指50が非接触の状態で、いずれかの領域が触れられた場合、その触れられた領域は特定領域となる。本実施形態では、特定領域は領域23,24,25のいずれかである。
フローチャートには示していないがここで入力処理部104は入力があった領域を図示しないメモリに記憶させる。メモリは制御部1内に存在しても良いし、制御部1外に存在しても良い。すでにメモリがいずれかの領域を記憶している場合はその記憶を現在触れた領域に更新する。
ステップS303にて、制御部1は指50が触れている位置に応じた動作を各部に実行させる。
【0030】
つまり、ステップS303にて、指50が触れているのが領域25内の領域21であった場合、制御部1は、ズーム倍率を望遠側へ変化させる。指50が触れているのが領域25内の領域22であった場合、制御部1は、ズーム倍率を広角側へ変化させる。
【0031】
また、ステップS303にて、指50が触れているのが領域23であり、現在、顔検出機能がオフである場合、制御部1は、顔検出部9の顔検出機能をオンにする。指50が触れているのが領域23であり、現在、顔検出機能がオンである場合、制御部1は、顔検出部9の顔検出機能をオフにする。指50が触れているのが領域24であり、現在、自動露出機能がオフである場合、制御部1は自動露出機能をオンにする。指50が触れているのが領域24であり、現在、自動露出機能がオンである場合、制御部1は自動露出機能をオフにする。
【0032】
次に、ステップS304にて、入力処理部102は指50がタッチセンサ13から離れ、入力がオフになったか否かを判断する。指50がタッチセンサから離れた場合(Yes)、ステップS302へ戻る。指50がタッチセンサ13から離れていない場合(No)、ステップS305へ移る。
【0033】
ステップS305にて、入力処理部102は、指50がタッチセンサ13に触れたまま最初に触れた領域から連続的に移動し、別の領域へ移動したか否かを判断する。指50が最初に触れた領域から連続的に移動していない場合(No)、ステップS304へ戻る。指50が最初に触れた領域から連続的に移動した場合(Yes)、ステップS306へ移る。
【0034】
次に、入力処理部102はステップS306にて最初に指50が触れたのがタッチセンサ13のどの領域であったかを判断する。最初に指50が触れた領域とはステップ302にて触れた領域(特定領域)であり、図示しないメモリに記憶されている領域である。領域23又は領域24への入力である場合、ステップS309に移る。
【0035】
ステップS309にて入力処理部102は、操作情報を、指50が現在触れているのは移動先の領域に対応した操作情報ではなく、最初に指50が触れた領域に対応した操作情報に置き換える。これにより、制御部1は最初に指50が触れた領域に触れ続けているとして電子機器を制御する。その結果、制御部1は、移動先の領域に応じた動作を各部へ実行させない。その後、ステップS304へ戻る。
【0036】
ステップS306にて領域21又は領域22への入力であった場合、ステップS307に移る。
【0037】
ステップS307にて、入力処理部102は指50がどの領域からどの領域へ移動したのかを判断する。指50の移動が領域21から領域22、又は、領域22から領域21への移動であった場合、ステップS303に戻り、制御部1は、現在触れている領域である、指50の移動先の領域に応じた動作を各部へ実行させる。
【0038】
領域22から領域23への移動、領域23から領域22への移動、領域23から領域24への移動、領域24から領域23への移動のいずれかであるその他の移動である場合(その他の領域間)、ステップS308へ移り、入力処理部102は、操作情報を、指50が現在触れているのは移動先の領域に対応した操作情報ではなく、最初に指50が触れた領域に対応した操作情報に置き換える。これにより制御部1は最初に指50が触れた領域に触れ続けているとして電子機器を制御する。その結果、制御部1は現在行っている動作を維持するよう各部を制御する。その後、ステップS304へ戻る。
【0039】
以上のような制御を行うため、最初に指50が、ズームに関連する機能が割り当てられた領域21又は領域22に触れた場合、指50がタッチパネル13から離れるまで、指50がズームに関連しない機能が割り当てられた領域23又は領域24へずれてしまっても、ズームに関連する機能を継続して行うことができる。
【0040】
また、最初に指50が、領域23又は領域24に触れた場合、指50がタッチパネル13に触れ続けていれば、指50が他の領域へずれてしまっても、他の機能は動作しない。従って、誤動作を防ぐことができる。
【0041】
また、ステップS302にて指50がタッチセンサ13に触れ(Yes)、その触れた領域が領域21又は領域22であった場合、ステップS303にて表示制御部101は、
図2(B)に示すようにガイド画像203とガイド画像204を消去してガイド画像201及びガイド画像202のみを表示するようにしても良い。この場合、ステップS303は、領域21又は領域22が触れられたことが検出された際に、領域23及び領域24に割り当てられた機能を表すガイド画像を消去するステップを含む。
【0042】
<第2実施形態>
図4を用いて、第2実施形態の電子機器について説明する。
図4(A)に示すように本実施形態の電子機器は領域21〜24が2次元状に配置されたタッチセンサ130を備える。
これに対応して、ガイド画像201〜204を2行2列に配置するように表示している。それ以外は第1実施形態の電子機器と同様である。
【0043】
また、指50が最初に触れた領域が領域22であった場合、表示制御部101は、
図4(B)に示すようにガイド画像203とガイド画像204を表示させないようにして、ガイド画像202の変わりにガイド画像212のような範囲の広いガイド画像を表示させるようにしても良い。入力処理部102を含む制御部1が施す処理もそれに応じて変更する。
【0044】
指50が最初に触れた領域が領域21又は領域22であった場合、表示制御部101は、
図4(C)に示すようにガイド画像203とガイド画像204を表示させないようにして、ガイド画像201の変わりに範囲の広いガイド画像221、ガイド画像202の変わりに範囲の広いガイド画像222を表示させるようにしても良い。入力処理部102を含む制御部1が施す処理もそれに応じて変更する。
【0045】
本発明は以上説明した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。例えば、透明なタッチセンサを用いて、タッチセンサと表示部とを重ねて配置する構成にしても良い。制御部1によって各種構成要素を制御しているが複数の制御部によって各種構成要素を制御するようにしても良い。本実施形態ではユーザの指でタッチパネルを操作したが、ペンなどの棒状のものでタッチパネルを操作しても良い。