【文献】
intel,USB 3.0* Radio FrequencyInterference Impact on 2.4 GHzWireless Devices White Paper,2012年 4月,URL,http://www.usb.org/developers/whitepapers/327216.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、データを送信及び受信するための電子端末10の例を示す。当該端末は、スマートフォン又は他の種類の携帯電話、メディア端末、メディアプレーヤ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、拡張機能付きカメラ又はビデオカメラ、テレビ又はモニタ、ナビゲーションシステム、又はデータを送受信可能な多数の携帯機器のうちのいずれか1つを含む、各種携帯機器のうちのいずれか1つであってもよい。代替的に、当該端末は、デスクトップコンピュータ又はオーディオ又はスピーカーシステム等の固定型の装置であってもよいが、これらには限定されない。
【0009】
図1に示すように、端末は、信号線6からビットストリームを受信するプロセッサ1、ビットストリームから1以上の所定のビット長の符号語を生成する符号語バッファ2、及び1つ以上のインターフェース部を備える。ビットストリームは、複数のアプリケーション、機能、又は端末において実行される動作のうちのいずれか1つから生じる場合がある。例えば、ビットストリームは、音声又はビデオ通話、テキストや電子メールメッセージなどのメッセージ、又は端末で実行されるアプリケーションにより生成されたデータに関連して送信される情報に対応してもよい。
【0010】
プロセッサは、ビットストリームの中のビットから符号語を生成する。プロセッサは、端末全体の制御機能を実行する1つ以上の処理チップ又はコントローラチップであってもよく、或いは当該プロセッサは、通話、メッセージ、メディアの伝送及び管理などの、端末の1つ以上の特別な専用機能を実行してもよい。プロセッサは、端末のメモリに記憶されたプログラムによって制御され、そして、NビットIOバスに沿って、1つ以上のインターフェース回路に符号語を送信する。ここで、Nは、例えば、各符号語の中のビット数以上であるか、又は各符号語の中のビット数に対応してもよい。
【0011】
1つ以上のインターフェースは、それぞれ送信(Tx)回路及び/又は受信(R)回路を備える、有線インターフェース3、無線インターフェース4、又はその両方を含んでもよい。これらの回路から送信される符号語は、パケットの中に含まれてもよく、かつ各種通信規格及び/又はプロトコルのいずれか1つに従って、伝送されてもよい。一つの応用例において、有線インターフェースは、データ伝送のために用いられるUniversal Serial Busインターフェース、Ethernet(登録商標)インターフェース、又はその他のプロトコルのインターフェースであってもよい。
【0012】
図2は、端末におけるデータ処理方法の一実施例に含まれる動作を示す。端末は、
図1に示すものであってもよいし、或いは別の種類の端末であってもよい。最初の動作は、上記のいずれかの方法で生成されたビットを含み得る、ビットストリームの受信を含む(ブロック100)。一つの例示的な応用例において、当該ビットは、無線インターフェースによりスマートフォンから送信される呼又はメッセージに対応する。
【0013】
第2の動作は、端末のデータ通信が行われる全周波数スペクトル範囲よりも狭い、所定の周波数スペクトル範囲内のビットストリームの中の各ビットの複素振幅を決定することを含む。一実施例によると、各ビットの複素振幅は、1つのスペクトル周波数においてのみ決定される(ブロック110)。
【0014】
さらに、各ビットの複素振幅を、各種の方法で決定してもよい。一つの方法は、IOバス上の単一のデータビットは、スペクトル的には、単一周波数における時間に関するパルスとして表現できることについての理解から始まる。ビットストリームの中の各パルス(ビット)は、ビットストリーム波形の正味のスペクトルに寄与し、以下の数式(1)により表すことができる:
H(f)=Asinc(f/BR)×e
−j2πbf/BR (1)
【0015】
この数式の意味は、
図3(a)から
図3(c)を参照することにより説明することができる。これらの図において、Aはパルス振幅であり、BRはバスビットレートであり、BTはビット時間(ビットレートの逆数)であり、bは、ビット位置(ビット時間で、ゼロから計測される)である。
【0016】
図3(a)において、パルス位置は、初期時刻(t=0)に位置し、スペクトルの振幅は、時間t=0において、ピークの位置から減少する波形となり、かつ周波数BRと2BRとの間で最小値をとり、かつスペクトル位相は略0°である。
【0017】
図3(b)において、パルス位置は、時間t=BTに位置し、スペクトル振幅は、本質的に同じ減少する波形を持ち、かつスペクトル位相は、連結した減少するランプ波形(例えば、鋸歯状)の連続であり、各ランプ波形は、1BRの周波数範囲において、360°の位相範囲に及ぶ。
【0018】
図3(c)において、パルス位置は、時間t=2BTに位置し、スペクトル振幅は、同じ減少する波形を持ち、かつスペクトル位相は、連結した減少するランプ波形の連続であり、各ランプ波形は、1/2BRの周波数範囲において、360°の位相範囲に及ぶ。
【0019】
これらの図及び数式(1)から、データビットの複素振幅は、対象となる単一の周波数におけるビットのスペクトル振幅及び位相角で与えられる複素ベクトル(複素平面のベクトル)として定義することができる。これらの複素振幅に対する理解を促進するために、
図4に示すように、1つの符号語が4ビットにより形成され、各ビットが4つのビット位置(b=0、1、2、及び3)のうちの1つを占める複素振幅で表現される場合を考える。これらの複数のビット位置は、ビットレートBR=1/4に対して、数式(2)及び(3)で定義されるスペクトル振幅及び位相を有してもよい。
H(f)=Asinc(f/4)×e
−jφ(f) (2)
φ(f)=−πb/2 (3)
【0020】
これらの数式を考慮して、時間t=0におけるパルスに対する、ビットレートの1/4の周波数における複素振幅は、
図5の矢印Xで示される。示されるように、この矢印は、振幅及び位相を有し、この位相は、グラフの実数軸上にある。0から3Btのパルス期間の間、時間t=0のビットの位相は、ビット位置b=0に対応し、そして、ビット位置4、8などにおいて、この位置を繰り返す。
【0021】
1ビット時間(t=BT)遅れた時間に位置するデータビットの複素振幅は、グラフの虚数軸に沿って下方のb=1、5などのビット位置を指す、同じ振幅の矢印となるであろう。2ビット時間(t=2BT)遅れた時間に位置するデータビットの複素振幅は、グラフの実数軸に沿ってビット位置b=2、6などのビット位置を指す、同じ振幅の矢印となるであろう。そして、3ビット時間(t=3BT)遅れた時間に位置するデータビットの複素振幅は、グラフの虚数軸に沿って上方のb=3、7などのビット位置を指す、同じ振幅の矢印となるであろう。
【0022】
上記複数の複素振幅は、4ビットの符号語を生成する際に用いられるパラメータの例示的なセットに基づき生成されている。他の実施例において、これらのパラメータは、異なるスペクトル振幅、位相、及び/又は位置の複素振幅を生成するために、ビット毎又は符号語毎に変更されてもよい。(引き続く図において、10ビットの符号語の例がより詳細に議論される)。
【0023】
図3から
図5に示すスペクトル特性、パルス位置、及びビット位置に基づき定義される複素振幅を用いて、ビットストリームの中の複数のビットから複数の符号語を生成してもよい(ブロック120)。説明される実施例に従って、これらの符号語は各種方法により生成されてもよい。この符号語を生成する方法は、データ伝送のためのスペクトルエネルギーを減少させることが可能であり、及び/又はデータ伝送のためのスペクトルエネルギーの所定のレベルを実現することが可能である。
【0024】
スペクトルエネルギーを減少させる方法において符号語が生成される場合(例えば、符号語の生成のためのビットの結合の際に、異なる根拠を用いる他の技術と比較して)、端末における干渉の量は比例して軽減される場合があり、これにより導電性シールドを使用する必要性が軽減される。他の実施例において、スペクトルエネルギーは、異なる効果を実現するために調整されてもよい。さらに、本明細書に記載される方法は、前述の導電性シールド技術と組み合わせることができる。
【0025】
符号語が形成されると、ビットストリームの周波数帯のうちの単一の周波数において、各ビットの複素振幅の総和であって、当該周波数における符号語を構成する、各ビットの複素振幅の総和に基づき、当該符号語に対して複素振幅が生成されてもよい。符号語の中の各ビットの複素振幅は、例えば数式(4)に示す方法で加算されてもよい。
【数1】
ここで、
【数2】
は、論理値0又は1を有する各ビットを表す。
【0026】
図6は、
図3から
図5に示すスペクトル特性、パルス位置、及びビット位置に基づき定義される複数のビットの複素振幅の総和に基づき、4ビットの符号語の複素振幅を形成する方法の例を示す。
図6に示すように、各符号語の複素振幅は、実数軸及び複素数軸を有するグラフの上に表示することができる。各ビットの複素振幅を加算する場合、ビットに対する論理値0は、複素振幅がないものとみなされ、そして論理値1は、複素振幅があるものとみなされる。従って、各符号語に対して生成される複素振幅は、要するに、値1のビットの複素振幅だけを考慮して生成することになる。
【0027】
以下の例が
図6のグラフの上に示される。以下のビットを含む符号語の複素振幅は、実数成分及び複素数成分共に値ゼロを有する:0000、0101、1010、1111。これは、値1の各ビットの複素振幅が同じ振幅を有すると仮定して、これらのビット値の複素振幅の合計が、お互いを打ち消し合うからである。
【0028】
例えば、b=1の位置及びb=3の位置に1のビット値を有する符号語0101を考える。
図5のbの値の角度を基準として、これらの値1のビットの複素振幅は、それぞれ、270°及び90°のスペクトル位相角を有する。例えば、b=1の位置及びb=3の位置に1のビット値を有する符号語0101を考える。
図5のbの値の角度を基準として、これらの値1のビットの複素振幅は、それぞれ、270°及び90°のスペクトル位相角を有する。加算された場合、位相角の合計は360°(又は0°と等価)であり、かつそれらのスペクトル振幅(等しいが、符号が異なる)の合計はまた、ゼロに等しい。その結果、符号語0101の複素振幅は、円Aにより示すグラフの原点に位置し、これはスペクトルエネルギーゼロに対応する。同様な複素振幅が符号語0000、1010、及び111に対して生成される。
【0029】
その他の符号語の複素振幅は、グラフの原点には位置しない。例えば、符号語0001及び1011に対する複素振幅は、円Bの中の値に対応する。この複素振幅は、円Bに向かう矢印の長さに相当する振幅(これは値1の単独のビットの複素振幅の振幅を示す)及びこれらの符号語における値1のビットの位相角の合計に基づき生成される位相角を有する。符号語0011の複素振幅は、円Cの中に示され、かつ値1のビットの複素振幅の
【数3】
倍に等しい振幅及び135°の位相角を有する。他の符号語の複素振幅は、これらの基本原則を利用してグラフ表示することができる。
【0030】
図6の例示的な実施例において、各ビットの複素振幅は、本質的に同じスペクトル振幅を有すると仮定されている。しかしながら、他の実施例において、各ビットの複素振幅は異なる値を持つ場合があり、それらは、これら複数のビットの複素振幅の総和から生成される符号語の複素振幅に反映される。符号語を構成する複数のビットの複素振幅の総和に基づく符号語の生成は、送信されるデータのスペクトルエネルギーを制御するための、計算処理上効率的な方法を提供する。一実施例によれば、この方法は、最終的に端末の中で生成される干渉の量を制御するために用いられてもよい。
【0031】
1つの周波数で生成される符号語の複素振幅が決定されると、符号語は、
図1に示されるようなインターフェースを通して伝送されてもよい。
図2のブロック120において、符号語を生成する方法の例を以下に説明する。
ブロック符号化
【0032】
ブロック符号化は、各種方法で実行することができる。最小振幅ブロック符号化(Minimum−Magnitude Block Coding)と呼ばれる一つの方法は、所定の長さのデータワードの符号語への1対1のマッピングの実行を含む。
図7を参照すると、この符号化手法は、数式5に基づいて、各ビットに対して複素振幅の角度を計算することを含む(ブロック210)。
k=1からnまで、及びf’=f
r/f
b対して、θ
k=2πkf’ (5)
ここで、nは、各符号語に含まれるビットの数であり、f
rは単一の無線周波数であり、かつf
bはデータビットレートである。次に、各ビットの複素振幅の座標が数式(6)を用いて計算される(ブロック220)。
k=1からnに対して、R
k=Cosθ
k及びI
k=Sinθ
k (6)
【0033】
符号語のパワースペクトル密度(PSD)は、数式7により計算される(ブロック230)。
2
nの符号語に対して、
【数4】
ここで、C={x
1、x
2、...x
n}である。
【0034】
その後、データワードは、数式7により計算されたPcの値から抽出される1以上の所定数の最小のPSDを有する符号語と1対1に対応付けられる(ブロック240)。この1対1のマッピングは、各種の基準のうちの1つに基づいて実行してもよい。
【0035】
1つの基準は、全ての可能な符号語の中から、所定の緩和周波数において複素振幅の振幅が最小となる符号語をデータワードにマッピングすることに関連する。この手法は、一定レベルの性能を実現するための基礎として使用可能な、スペクトルの刻み目を生成する。当該一定レベルの性能とは、例えば、干渉を制限する方法として、最小のスペクトルエネルギー又は低減されたスペクトルエネルギーでデータを送信することであってもよい。
【0036】
別の基準は、全てのビット位置において等しい(又は所定の許容誤差内でほぼ等しい)値を有する符号語のマッピングに関連するか、或いは符号語の総和が、全てのビット位置において等しい、又はほぼ等しい値を持つ場合の符号語のマッピングに関連する。これにより、スペクトル波形におけるスパイクが最小化されるかもしれない。或いは、いくつかの場合において、スパイクが除去されるかもしれない。
【0037】
別の基準は、所定の閾値よりも小さいか、そうでなければ最小化された、複素振幅ビットの振幅の総和を有する符号語のマッピングに関連する。
【0038】
図8は、第1の基準に基づいて実行されたブロック符号化手法に従って、符号語のために生成された複素振幅(点として示されている)のグラフを示す。このグラフにおいて、円内に現れる符号語は、データワードに対して対応付けられるために選択されている。
ゼロサム対ブロック符号化
(Zero−Sum Pair Block Coding)
【0039】
別の種類のブロック符号化は、ゼロサム対ブロック符号化と呼ばれる。この種類の符号化は、1対1のマッピングであって、各データワードは、一意の符号対に関連付けられ、かつ交互に当該対の符号語に対して対応付けられる、1対1のマッピングを実行することに関連する。また、この手法において、いくつかのデータワードは、ゼロ振幅の符号語と1対1に対応してマッピングされてもよい。また、この手法は、符号語が1つより多い符号対に属すことのないように実行されてもよい。
【0040】
一実施例によると、各対の要素は、各対の複素振幅の和が所定の値だけ小さくなるように、又は可能であれば、和がゼロに近くなるか又は厳密にゼロとなるように、最小振幅の符号語から選択されてもよい。また、全ての対の合計がゼロではない場合において、選択的に、全符号語に対する複素振幅の和が最小化されるように、符号語を選択してもよい。
【0041】
図9は、この方法に従って生成することの可能な複素振幅図の例を示す。この例において、多くの個別の符号語(それらは対にはされていない)がゼロの振幅の複素振幅、又はゼロに近い振幅の複素振幅に対応付けられており、またその結果、対応付けられることになる。この種類の複素振幅は、複素振幅図の中の円R内に示される。
【0042】
各対に対応する複素振幅が正味ゼロの振幅を持つように、他の符号語、及び/又は残りの符号語が対で選択される。これは、例えば、反対の振幅及び位相角を有する個別の符号語に対する複素振幅を配置して、それらを対にして、そして、それらの対に基づいてデータワードを生成することによって達成してもよい。各データワードは、1対1のマッピングを形成するために、2つの符号語に基づいている。複素振幅の対の例が、複素振幅図の円S1、S2、及びS3の中に示されている。追加的に、又は代替的に、これらの円の複数の対のうちの1つに対してデータワードが対応付けられる毎に、どの符号語を用いるかの選択が交互に繰り返されるように、当該方法を実行してもよい。これにより、その符号語に対する複素振幅の寄与を平均でゼロに相殺することができる。
【0043】
図10は、ビットレートの1/4の単一の無線周波数に対する(又は、等価的に、この周波数の奇数倍に対して生成することができる)、3ビットから4ビットの符号語のマッピングのためのゼロサムブロック対符号化を用いて生成可能な、スペクトル波形図の例を示す。この図に示すように、正規化された周波数の約0.25及び0.75において、2つの刻み目が生成される。この種類の符号化において複素振幅の相殺により生成される刻み目は、この例において、IOバスエネルギーを10dB以上低減できることを示している。
累計ブロック符号化
(Running Sum Block Coding)
【0044】
ブロック符号化の別の種類は、累計ブロック符号化と呼ばれる。この種類の符号化は、1対p(p>1)のマッピングであって、各データワードは、p個の符号語を有する一意の符号グループと関連付けられ、かつ信号の累計の複素振幅を減少させる、又は最小化するグループの中の符号語に対応付けられる、1対pのマッピングの実行に関連する。この方法の実行において、符号語は、1つより多くの符号グループに属すことはできない。
【0045】
また、各グループの中の複数の符号語は、それらの複素振幅の和が減少するか、又は最小化されるように(かつ、可能であればゼロとされるように)、最小の振幅の複数の符号語の中から選択することができる。
【0046】
この種類の符号化を実行する際に、選択的に、いくつかのデータワードは、振幅ゼロの複数の符号語に対して、1対1の対応でマップされてもよい。また、複数の符号語に対応する複数の複素振幅が、複素振幅図の共通の円の上において、所定の間隔で配置されるように(又は等間隔で配置されるように)、符号語を選択してもよい。等間隔で配置する応用例において、このことにより、各グループの中で選択された複数の複素振幅は同一の又は類似の振幅を持つことになり、その円の上又は近傍において、どちらの方向においても、各符号語と隣接又は直近の符号語との間は、2π/pラジアンとなる。
【0047】
図11は、この種類の符号化を用いて生成可能な、複素振幅図の例を示す。この例において、1つのデータワードは、4つの可能な符号語(p=4)に対応付けられてもよい。これら4つの符号語の複素振幅は、この図の中で、円T1から円T4の中に示される。これらの円の中の複素振幅がデータワードに対応するまでのデータストリームの累計の複素振幅が所定の象限に位置する場合、その円に沿って位置する、又は実質的にその円に沿って位置する反対方向の複素振幅の対と共に、反対の象限にある複素振幅を有する符号語が選択される。これにより、減少した、又は効果的に相殺された、4つの符号語のグループの複素振幅が生成される。その後、このグループは、送信されるデータワードに対応付けられる。
【0048】
データワードを符号語にマッピングするために、他の種類の符号化を用いてもよい。一つの例は、受信機又は送信機の帯域幅以内において、累計の複素振幅の和を最小化するために、スタッフビット又はダミービットが選択される、ビットスタッフィングを含む。一実施例において、データストリームの中に存在するギャップの間、スタッフビット(例えば、非情報ビット)をIOバスに挿入してもよい。当該データストリームの中に存在するギャップは、バスアイドル状態の間、又はパケット間ギャップが生じる場合の1つ以上を含んでもよい。
【0049】
別の種類の符号化は、累計位相ディスパリティ(running phase disparity)と呼ばれる。この手法によると、例えば、符号語/複素振幅が生成される所定の無線周波数におけるスペクトルの中の1つ以上の刻み目を生成する規則に基づく以外、データスクランブラと同様の方法で、データは累計ストリームとして符号化される。この手法は、データストリームをいわゆる「白色化」するために用いられる手法とは異なる。
【0050】
別の種類の符号化は、並列−直列符号化(parallel−serial coding)と呼ばれる。この手法によると、符号化性能を向上させるために、データは、時間に加えてIOバスの幅にわたって符号化される。並列の無線周波数の干渉(RFI)の符号化の例は、伝送路を完全に区別するために、シングルエンド形の伝送路を符号化することに関連する。
【0051】
上述の実施例は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せで実現されてもよい。少なくとも部分的にソフトウェアで実現される場合、例えば、1つ以上の端末チップを包含すると考えられるプロセッサの動作を制御するために、プログラムを端末に記憶してもよい。当該プログラムは、限定はしないが、端末内に位置する又は端末と結合した記憶媒体又はメモリといった、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。また、当該プログラムは、本明細書に説明される方法の各種実施例に含まれる動作を実行するためのコードを含んでもよい。
【0052】
前述の1つ以上の実施例によると、スペクトルエネルギーは、IOバスで伝送される符号語(及び/又は符号語から形成されたデータワード)のスペクトルエネルギーを表す場合がある。別の実施例において、符号語又はデータワードは、別の種類のバス又は信号線において送信されてもよい。IOバスは、本明細書に説明される実施例を含む、又は実行する端末又は装置の内部の機能と考えることができるが、他の実施例においては、スペクトルエネルギー及び干渉が低減される符号語を運ぶバス又は信号線は、装置又は端末と結合されてもよく、かつ当該装置又は端末の外部に位置してもよい。一つの非限定的な例において、バスは、ユニバーサルシリアルバス(USB)又は他の種類の外部インターフェースであることが想定される。
【0053】
さらに、本明細書に説明される1つ以上の実施例に従って生成される符号語は、当該符号語に含まれるビットの波形の形状とは独立して形成されてもよい。従って、ストリーム内の異なるビットが異なるパルス形状又は波形形状を有する場合において、これらの形状の違いは、符号語の情報に悪影響を及ぼしたり、複雑にしたりすることはないであろう。
【0054】
さらに、異なるビットパルス又は波形形状は、異なるスペクトル特性を有する場合があるが、本明細書において説明される1つ以上の実施例は、これらの異なるスペクトル特性にかかわらず、それとは独立して符号語を生成してもよい。送信スペクトル内の任意の単一の周波数における符号語に対して生成された複素振幅のスペクトル振幅は、時間に関するパルス位置とは独立していてもよく、また、スペクトルの任意の単一周波数におけるスペクトル位相のずれは、時間に関するパルス位置と線形関係にあってもよいからである。
【0055】
本明細書に説明する1つ以上の実施例は、具体的には、何百もの可能な無線チャネルを伴う複数の(例えば10の)別々の無線帯域に基づいて動作するスマートフォン内に適用されてもよい。本明細書に説明される実施例は、これらの帯域及びチャネルのうちの、それぞれ1つにおけるデータの伝送を制御するために、別々に適用されてもよい。また、基準(たとえば、複素振幅のスペクトル周波数範囲(例えば、複素振幅図の中の円))は、端末又は装置に記憶される所定の情報に基づき、帯域毎に、さらにはまた、チャネル毎に異なってもよい。
【0056】
本明細書における「実施例」に対する参照は、その実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の実施例の少なくとも1つに含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所におけるそのような語句の掲載は、必ずしも全てが同じ実施例を参照することを意味していない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性がいずれかの実施例に関連して記載される場合、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施例のいくつかと関連して実施することは、当業者の理解の範囲内であると考えられる。新しい実施例を形成するために、いずれか一つの実施例の特徴を、その他の1つ以上の実施例の特徴と組み合わせてもよい。
【0057】
更に、理解を容易にするため、特定の機能ブロックは、別個のブロックとして図示されているかもしれない。しかしながら、これら別々に図示されたブロックは、それらが論じられる順番、そうでなければ本明細書に示される順番であると解釈されるべきではない。例えば、いくつかのブロックを他の順序で実行することができ、同時に実行することなどもできる。
【0058】
本発明は、多くの例示的な実施例を参照することで本明細書において説明されているが、当業者によって考案され得る多数の他の変更及び実施例は、本発明の原理の精神及び範囲内に属すことになることが理解されるべきである。より具体的には、構成部品及び/又は主題の組合せの配列について、前述の開示、図面及び添付の特許請求の範囲の範囲内で、本発明の精神を逸脱することなく、適度な変形及び変更が可能である。構成部品及び/又は配列における変形及び変更に加えて、代替案の使用も、当業者には明らかであろう。