【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 株式会社日本経済新聞社、日経産業新聞、2011年(平成23年)10月14日(金曜日)付け第5面、2011年10月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 株式会社BCN、http://biz.bcnranking.jp/article/news/1110/111017_127846.html、2011年10月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 株式会社日本経済新聞社、http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=294078&lindID=5、2011年10月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 株式会社リクルート、http://www.keyman.or.jp/nw/coresys/type/20036518/、2011年10月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駐車場外から当該駐車場の入場レーンに進入する入場車両を撮像すると共に、当該入場車両の画像である入場車両画像、および前記入場車両を撮像した時刻を示す撮像時刻情報を生成する入口撮像手段と、
前記入口撮像手段により生成された入場車両画像および撮像時刻情報を送信する入口画像送信手段と、
前記入口画像送信手段により送信された入場車両画像を用いて前記入場車両の車番である入場車番を認識し、当該入場車番を示す入場車番情報を生成する入場車番認識手段と、
前記入口画像送信手段により送信された入場車両画像および撮像時刻情報、並びに前記入場車番認識手段により生成された入場車番情報をそれぞれ関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記駐車場内から前記駐車場の出場レーンに進入する出場車両を撮像すると共に、当該出場車両の画像である出場車両画像を生成する出口撮像手段と、
前記出口撮像手段により生成された出場車両画像を送信する出口画像送信手段と、
前記出口画像送信手段により送信された出場車両画像を用いて前記出場車両の車番である出場車番を認識し、当該出場車番を示す出場車番情報を生成する出場車番認識手段と、
前記情報記憶手段を検索し、前記出場車番認識手段により生成された出場車番情報が示す出場車番と同一または類似の入場車番を示す前記入場車番情報を特定する車番検索手段と、
前記出口画像送信手段により送信された出場車両画像、前記出場車番認識手段により認識された出場車番情報が示す出場車番、前記車番検索手段により特定された入場車番情報が示す入場車番、および当該入場車番情報に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている入場車両画像を駐車場の管理業務者に向けて表示する情報表示手段と、
前記管理業務者の指示入力操作に従って情報選択を行う情報選択手段と、
前記管理業務者による指示入力操作に従って前記情報選択手段により前記情報表示手段に表示された入場車番情報が選択された場合には、当該選択された入場車番情報に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信し、または、前記管理業務者による指示入力操作に従って前記情報選択手段により前記情報表示手段に表示された入場車両画像が選択された場合には、当該選択された入場車両画像に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信する撮像時刻送信手段と、
前記撮像時刻送信手段により送信された撮像時刻情報を前記出場車両の駐車開始時刻として用いて前記出場車両の駐車時間を算出し、当該駐車時間に基づいて前記出場車両の駐車料金の精算を行う精算手段とを備えていることを特徴とする駐車場管理システム。
前記入口画像送信手段は、前記入口撮像手段により連続的に撮像され生成された所定数の前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
前記駐車場には、前記入場レーンに進入した前記入場車両を検知する入場車両検知手段が設けられ、前記入口画像送信手段は、前記入場レーンに進入した前記入場車両を前記入場車両検知手段が検知した時点を含む所定の期間内に前記入口撮像手段により連続的に撮像され生成された複数の前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の駐車場管理システム。
前記駐車場には、前記駐車場が満車状態から満車でない状態になったときに満車解除信号を出力する満車解除信号出力手段が設けられ、前記入口画像送信手段は、前記入口撮像手段により撮像され生成された前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を、前記満車解除信号出力手段からの満車解除信号が出力されたときに送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の駐車場管理システム。
前記撮像時刻送信手段により前記撮像時刻情報が送信された後、当該送信された撮像時刻情報に関連付けられた入場車番情報を前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の駐車場管理システム。
前記情報記憶手段に記憶されてから所定の期間が経過した前記入場車両画像、前記撮像時刻情報および前記入場車番情報を前記情報記憶手段から削除し、または前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の駐車場管理システム。
駐車中の車両の台数または空き台数を認識する駐車状況認識手段を備え、前記駐車状況認識手段による認識結果により前記駐車場に車両が全く駐車していないことが認識されたときには、前記情報記憶手段に記憶されたすべての前記入場車両画像、前記撮像時刻情報および前記入場車番情報を前記情報記憶手段から削除し、または前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の駐車場管理システム。
前記入場車番認識手段は、前記入口画像送信手段により送信された複数の入場車両画像のそれぞれについて文字認識処理を行い、これにより得られた複数の文字認識処理結果を比較し、認識精度または予め定められた基準に基づく優先度の最も高い文字認識処理結果を選択し、当該選択された文字認識処理結果を用いて前記入場車番を特定することを特徴とする請求項3または4に記載の駐車場管理システム。
前記入場車両検知手段は、駐車券発行機による駐車券発行を自動的に行うために、前記入場レーンに埋設され、前記駐車券発行機に対応する位置に到達した前記入場車両を検知する第1のループコイルであることを特徴とする請求項4に記載の駐車場管理システム。
前記駐車場の入場レーンには、前記入場車両が前記駐車場に入場した後に前記入場レーンに設置されたゲート開閉機により前記入場レーンを遮断する動作を自動的に行うために、所定のレーン遮断可能位置に到達した前記入場車両を検知する第2のループコイルが埋設され、前記満車解除信号出力手段は、前記駐車場が満車でない状態となり、かつ、前記レーン遮断可能位置に到達した前記入場車両を前記第2のループコイルが検知したときに、前記満車解除信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の駐車場管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、一般に普及している発券機や精算機とカメラ以外に、専用の操作部や表示部が必要であり、さらに、画像データを逐次表示可能とするために画像データを保存する大容量の記憶装置が必要である。すなわち、特許文献1に記載の技術を実現するためには、既存の発券機や精算機等の他に、新たな専用の機器を駐車場に追加する必要があるため、システムが高価となり、実現には多くのコストがかかるものと考えられる。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の技術は、駐車券を紛失した運転者自身が入場日あるいは入場時刻を入力し、この入力に基づいて検索された駐車車両画像を当該運転者自身が確認し、この確認結果に従って出場処理を行うという方式である。このため、運転者が悪意により虚偽の入場日あるいは入場時刻を入力し、この入力に基づいて検索された他の車両の画像を自車の画像であると偽り、駐車時間を短くし、真の駐車料金よりも低額な駐車料金で精算を行うなどの不正行為が容易に可能である。さらに、この場合には、この不正者によって精算、出場の対象とされた他の車両が今度は出場できないといった不具合も生じる。この結果、特許文献1に記載の技術を採用する場合には、駐車場に係員を常駐させ、係員が精算時に立ち会って上述したような不正が行われないように監視する必要があり、それゆえ、特許文献1に記載の技術は無人管理の駐車場に採用することは困難である。
【0009】
一方、特許文献2に記載の技術は、駐車場のいたるところにカメラを設置して車両の移動を追跡し、駐車した場所の違いなどを含めて駐車料金を計算するものであり、駐車券を紛失した場合には、出場まで車両の追跡データから入場時の時刻を導くものと考えられる。このため、システムが極めて高価で冗長なものとなる。
【0010】
このような高価なシステムを、人件費を削って運営コストの削減を目指した無人管理駐車場に採用することは困難である。さらに、このシステムを採用した場合、車両のナンバープレートに表示された車番の認識に高度な精度が要求される。車番の認識精度が低いと、車両の追跡中に誤認識が生じるおそれがあり、このために誤った駐車データが一旦生成されてしまうと、誤りを修正して各車両の駐車データの整合性を回復することは容易でない。
【0011】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、駐車場に設置された既存の発券機や精算機等の設備を大幅に変更することなく、駐車券紛失に対する処理を確実に行うことができ、悪意の不正な申出等を容易または確実に発見することができ、無人管理駐車場の管理を適切に行うことができる駐車場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の駐車場管理システムは、駐車場外から当該駐車場の入場レーンに進入する入場車両を撮像すると共に、当該入場車両の画像である入場車両画像、および前記入場車両を撮像した時刻を示す撮像時刻情報を生成する入口撮像手段と、前記入口撮像手段により生成された入場車両画像および撮像時刻情報を送信する入口画像送信手段と、前記入口画像送信手段により送信された入場車両画像を用いて前記入場車両の車番である入場車番を認識し、当該入場車番を示す入場車番情報を生成する入場車番認識手段と、前記入口画像送信手段により送信された入場車両画像および撮像時刻情報、並びに前記入場車番認識手段により生成された入場車番情報をそれぞれ関連付けて記憶する情報記憶手段と、前記駐車場内から前記駐車場の出場レーンに進入する出場車両を撮像すると共に、当該出場車両の画像である出場車両画像を生成する出口撮像手段と、前記出口撮像手段により生成された出場車両画像を送信する出口画像送信手段と、前記出口画像送信手段により送信された出場車両画像を用いて前記出場車両の車番である出場車番を認識し、当該出場車番を示す出場車番情報を生成する出場車番認識手段と、前記情報記憶手段を検索し、前記出場車番認識手段により生成された出場車番情報が示す出場車番と同一または類似の入場車番を示す前記入場車番情報を特定する車番検索手段と、前記出口画像送信手段により送信された出場車両画像、前記出場車番認識手段により認識された出場車番情報が示す出場車番、前記車番検索手段により特定された入場車番情報が示す入場車番、および当該入場車番情報に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている入場車両画像を
駐車場の管理業務者に向けて表示する情報表示手段と、
前記管理業務者の指示入力操作に従って情報選択を行う情報選択手段と、前記管理業務者による指示入力操作に従って前記情報選択手段により前記情報表示手段に表示された入場車番情報が選択された場合には、当該選択された入場車番情報に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信し、または、前記管理業務者による指示入力操作に従って前記情報選択手段により前記情報表示手段に表示された入場車両画像が選択された場合には、当該選択された入場車両画像に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信する撮像時刻送信手段と、前記撮像時刻送信手段により送信された撮像時刻情報を前記出場車両の駐車開始時刻として用いて前記出場車両の駐車時間を算出し、当該駐車時間に基づいて前記出場車両の駐車料金の精算を行う精算手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の駐車場管理システムにおいて、車両を駐車場から出場させるべく、車両の運転者等の駐車場利用者が駐車料金の精算を行うとき、情報表示手段には、当該出場車両の画像(出場車両画像)および車番(出場車番)と、当該出場車両の車番と同一または類似の車番を有する車両の入場時の画像(入場車両画像)および車番(入場車番)が表示される。駐車場の管理業務を行う管理業務者は、情報表示手段に表示された出場車両画像、出場車番、入場車両画像、入場車番を見て、出場車両画像または出場車番に対応する出場車両と、入場車両画像または入場車番に対応する入場車両とが相互に一致するか否かを判断する。そして、当該出場車両と当該入場車両とが相互に一致した場合には、管理業務者(操作者)は所定の指示入力操作を行う。これに応じ、情報表示手段に表示された入場車両画像等に関連付けられた撮像時刻情報が精算手段に送信される。そして、精算手段により、この撮像時刻情報が受信され、駐車料金の精算を行う際に、この受信された撮像時刻情報の示す撮像時刻が当該出場車両の駐車開始時刻として用いられる。
【0014】
このように、本発明の第1の駐車場管理システムによれば、駐車券(車両の駐車場への入場時刻が印字(記憶)されている)がなくても駐車料金の正確な算出を行うことができるので、駐車場利用者が駐車券を紛失した場合でも、その駐車場利用者に対し、適切な駐車料金の支払いを請求することができ、駐車券を紛失した駐車場利用者が不公平感や不満を抱くことを防ぐことができる。また、情報表示手段に表示された出場車両画像、出場車番、入場車両画像、入場車番を管理業務者が直接確認して指示入力操作を行い、これに基づいて出場車両の駐車開始時刻が自動的に定まり、この駐車開始時刻を用いて駐車時間が自動的に算出されるので、駐車場利用者は、入場日や入場時刻等を偽って駐車時間を短く見せかけて駐車料金を下げるといった不正行為を行うことはできない。さらに、情報表示手段に表示された出場車両画像、出場車番、入場車両画像、入場車番を管理業務者が目で実際に確認するので、例えば入場車両画像または出場車両画像が不鮮明なために車番認識手段が車番を誤認識した場合でも、誤認識を確実に発見することができる。このような誤認識が生じた場合には、情報表示手段に表示された出場車両画像、入場車両画像を管理業務者が目で実際に見比べて、出場車両と一致する入場車両を探し出すことができる。また、このような管理業務者による確認作業が介在する本発明の第1の駐車場管理システムによれば、たとえ駐車場を利用した車両が、ナンバープレートを正しく取り付けていない車両であったとしても、駐車券紛失時における駐車料金の精算を適切かつ確実に行うことができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第2の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1の駐車場管理システムにおいて
、前記情報表示手段は、前記車番検索手段が複数の前記入場車番情報を特定した場合には、前記車番検索手段により特定された複数の入場車番情報がそれぞれ示す複数の入場車番、および当該複数の入場車番情報にそれぞれ関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている複数の入場車両画像を表示し、前記情報選択手段は、前記
管理業務者の指示入力操作に従って、前記情報表示手段に表示された複数の入場車番を示す複数の入場車番情報の中から1つの入場車番情報を、または前記情報表示手段に表示された複数の入場車両画像の中から1つの入場車両画像を選択し、前記撮像時刻送信手段は、
前記情報選択手段により選択された入場車番情報に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信し、または前記情報選択手段により選択された入場車両画像に関連付けられて前記情報記憶手段に記憶されている撮像時刻情報を送信することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の駐車場管理システムにおいて、出場車番認識手段により認識された出場車番情報が示す出場車番と類似の入場車番を示す入場車番情報が車番検索手段により複数特定された場合には、これら複数の入場車番情報にそれぞれ対応する複数の入場車両画像および複数の入場車番が、出場車両画像または出場車番と共に情報表示手段により表示される。この場合には、管理業務者は、情報表示手段に表示された出場車両画像または出場車番と、情報表示手段に表示された複数の入場車両画像または複数の入場車番とを見比べ、これら複数の入場車両画像または複数の入場車番の中から、出場車両画像または出場車番に一致する入場車両画像または入場車番を選択し、この選択に従って指示入力操作を行う。これにより、管理業務者により選択された入場車番情報または入場車両画像に関連付けられた撮像時刻情報に基づいて駐車料金の精算が行われる。
【0017】
このように、第2の駐車場管理システムによれば、車番検索手段が、出場車番認識手段により認識された出場車番情報が示す出場車番と同一の入場車番を示す入場車番情報を特定できなかった場合でも、管理業務者の確認・選択作業により、車両の正確な入場時刻を特定することができる。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第3の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1または第2の駐車場管理システムにおいて、前記入口画像送信手段は、前記入口撮像手段により連続的に撮像され生成された所定数の前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を送信することを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の駐車場管理システムによれば、入場レーンを通過する入場車両のナンバープレートの画像が含まれた入場車両画像を確実に取得することができ、入場車番認識手段による入場車番の認識精度を高めることができる。また、同一の入場車両についての複数の入場車両画像を情報表示手段に表示するようにすれば、管理業務者はこれら複数の入場車両画像を見ることにより、これら入場車両画像に対応する入場車両についての多くの情報を取得することができ、これにより出場車両に一致する入場車両を確実に特定することが可能になる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第4の駐車場管理システムは、上述した本発明の第3の駐車場管理システムにおいて、前記駐車場には、前記入場レーンに進入した前記入場車両を検知する入場車両検知手段が設けられ、前記入口画像送信手段は、前記入場レーンに進入した前記入場車両を前記入場車両検知手段が検知した時点を含む所定の期間内に前記入口撮像手段により連続的に撮像され生成された複数の前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を送信することを特徴とする。
【0021】
本発明の第4の駐車場管理システムによれば、入場レーンを通過する入場車両のナンバープレートの画像が含まれた入場車両画像を一層確実に取得することができ、入場車番認識手段による入場車番の認識精度を高めることができ、また、管理業務者は、出場車両に一致する入場車両を確実に特定することが可能になる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の第5の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第4のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記駐車場には、前記駐車場が満車状態から満車でない状態になったときに満車解除信号を出力する満車解除信号出力手段が設けられ、前記入口画像送信手段は、前記入口撮像手段により撮像され生成された前記入場車両画像および前記撮像時刻情報を、前記満車解除信号出力手段からの満車解除信号の出力に応じて送信することを特徴とする。
【0023】
本発明の第5の駐車場管理システムによれば、駐車場が満車状態であったために、入場車両が入場レーンでしばらくの間待機していた場合でも、当該入場車両の正しい入場時刻を示す撮像時刻情報を入口撮像手段により生成し、入口画像送信手段により送信することができ、この結果、精算時には、当該車両の正確な駐車料金を算出することができる。
【0024】
すなわち、駐車場が満車状態である場合には、入場車両が、駐車場外から入場レーンに進入し、入口撮像手段による当該入場車両のフロント側(ナンバープレートを含む部分)の撮像が行われ後、入場レーンでしばらくの間待機する。その後、駐車場が満車でない状態になったとき、当該入場車両は入場レーンから駐車場内へ進む。この場合、当該入場車両の実際の入場時刻は、駐車場が満車でない状態になって当該入場車両が入場レーンから駐車場内へ進んだときの時刻である。したがって、当該入場車両が駐車場外から入場レーンに進入した時点において入口撮像手段が生成した撮像時刻情報を用いて当該入場車両の駐車開始時刻を特定するとすれば、その駐車開始時刻は、当該入場車両の実際の入場時刻と異なってしまう。この結果、満車のために入場車両が待機した場合で当該車両の駐車場利用者が駐車券を紛失した場合には、精算時において、この待機時間が駐車時間に追加された形で駐車料金が精算されてしまう。この点、本発明の第5の駐車場管理システムによれば、入口撮像手段により撮像され生成された入場車両画像および撮像時刻情報を、満車解除信号出力手段から満車解除信号が出力されたときに入口画像送信手段により送信するので、この撮像時刻情報を駐車開始時刻として用いて駐車料金を精算することにより、満車時における入場待機時間が含まれない正しい駐車時間を算定し、適切な駐車料金の精算を行うことができる。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の第6の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第5のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記撮像時刻送信手段により前記撮像時刻情報が送信された後、当該送信された撮像時刻情報に関連付けられた入場車番情報を前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする。
【0026】
本発明の第6の駐車場管理システムによれば、車番検索手段による検索の範囲が小さくなるので、車番検索手段による検索効率を高めることができる。また、すでに駐車場から出場してしまっている車両が検索により特定され、この車両の入場車番や入場車両画像が情報表示手段により表示されるのを防止することができ、これにより、管理業務者による確認・選択作業の負担を軽減することができる。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の第7の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第6のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記情報記憶手段に記憶されてから所定の期間が経過した前記入場車両画像、前記撮像時刻情報および前記入場車番情報を前記情報記憶手段から削除し、または前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする。
【0028】
本発明の第7の駐車場管理システムによれば、車番検索手段による検索効率を高めることができ、また、管理業務者による確認・選択作業の負担を軽減することができる。また、情報記憶手段における記憶領域の利用効率を高めることができる。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の第8の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第7のいずれかの駐車場管理システムにおいて、駐車中の車両の台数または空き台数を認識する駐車状況認識手段を備え、前記駐車状況認識手段による認識結果により前記駐車場に車両が全く駐車していないことが認識されたときには、前記情報記憶手段に記憶されたすべての前記入場車両画像、前記撮像時刻情報および前記入場車番情報を前記情報記憶手段から削除し、または前記車番検索手段による検索の範囲から除外することを特徴とする。
【0030】
本発明の第8の駐車場管理システムによれば、車番検索手段による検索効率を高めることができ、また、管理業務者による確認・選択作業の負担を軽減することができる。すなわち、駐車場が完全に空の状態になった場合、それ以前の入場車両画像、撮像時刻情報および入場車番情報は、それ以後に入場した車両の駐車開始時刻を特定する目的の下においては不要な情報であるので、このような不要な情報を除外することにより、車番検索手段による検索効率を高め、管理業務者の作業負担を軽くすることができる。また、情報記憶手段における記憶領域の利用効率を高めることができる。
【0031】
上記課題を解決するために、本発明の第9の駐車場管理システムは、上述した本発明の第3または第4の駐車場管理システムにおいて、前記入場車番認識手段は、前記入口画像送信手段により送信された複数の入場車両画像それぞれについて文字認識処理を行い、これにより得られた複数の文字認識処理結果を比較し、認識精度または予め定められた基準に基づく優先度の最も高い文字認識処理結果を選択し、当該選択された文字認識処理結果を用いて前記入場車番を特定することを特徴とする。
【0032】
本発明の第9の駐車場管理システムによれば、車番の認識精度を高めることができ、車番検索手段による検索処理の精度を高め、または管理業務者による確認・選択作業の正確性や作業性を高めることができる。
【0033】
上記課題を解決するために、本発明の第10の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第9のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記駐車場の入場レーンに設置され、前記入口撮像手段および前記入口画像送信手段を備えた入口カメラユニットと、前記駐車場の出場レーンに設置され、前記出口撮像手段および前記出口画像送信手段を備えた出口カメラユニットと、前記駐車場に設置され、前記精算手段を備えた駐車料金精算機と、前記駐車場から離れた場所にある管理センタに設置され、前記入場車番認識手段、前記出場車番認識手段、前記情報記憶手段、前記車番検索手段、前記情報表示手段および前記撮像時刻送信手段を有するコンピュータシステムとを備えていることを特徴とする。
【0034】
本発明の第10の駐車場管理システムによれば、当該本発明の駐車場管理システムを既存の駐車券発行機、駐車料金精算機、ゲート開閉機等を大幅に変更・改造することなく実現することができる。したがって、上述した作用効果を奏する駐車場管理システムの導入コストを下げることができる。例えば、入口カメラユニットは、入口ゲート開閉機等の上に設置すればよく、出口カメラユニットは出口ゲート開閉機等の上に設置すればよい。精算手段は、既存の駐車料金精算機のソフトウェアを追加・変更するだけで容易に実現することができる。入場車番認識手段、出場車番認識手段、情報記憶手段、車番検索手段、情報表示手段および撮像時刻送信手段についても、管理センタに設定されたコンピュータシステムで実行するソフトウェアの追加・変更により容易に実現することができる。
【0035】
上記課題を解決するために、本発明の第11の駐車場管理システムは、上述した本発明の第4の駐車場管理システムにおいて、前記入場車両検知手段は、駐車券発行機による駐車券発行を自動的に行うために、前記入場レーンに埋設され、前記駐車券発行機に対応する位置に到達した前記入場車両を検知する第1のループコイルであることを特徴とする。
【0036】
本発明の第11の駐車場管理システムによれば、入場レーンに埋設された既存のループコイルを利用して当該本発明の駐車場管理システムを実現することができる。したがって、上述した作用効果を奏する駐車場管理システムの導入コストを下げることができる。
【0037】
上記課題を解決するために、本発明の第12の駐車場管理システムは、上述した本発明の第5の駐車場管理システムにおいて、前記駐車場の入場レーンには、前記入場車両が前記駐車場に入場した後に前記入場レーンに設置されたゲート開閉機により前記入場レーンを遮断する動作を自動的に行うために、所定のレーン遮断可能位置に到達した前記入場車両を検知する第2のループコイルが埋設され、前記満車解除信号出力手段は、前記駐車場が満車でない状態となり、かつ、前記レーン遮断可能位置に到達した前記入場車両を前記第2のループコイルが検知したときに、前記満車解除信号を出力することを特徴とする。
【0038】
本発明の第12の駐車場管理システムによれば、入場レーンに埋設された既存のループコイルを利用して当該本発明の駐車場管理システムを実現することができる。したがって、上述した作用効果を奏する駐車場管理システムの導入コストを下げることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、駐車場に設置された既存の発券機や精算機等の設備を大幅に変更することなく、駐車券紛失に対する処理を確実に行うことができ、悪意の不正な申出等を容易または確実に発見することができ、無人管理駐車場の管理を適切に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0042】
(駐車場管理システムの構成)
図1および
図2は本発明の実施形態による駐車場管理システムを示している。
図1に示すように、本発明の実施形態による駐車場管理システム1は、駐車場5に設置された複数の装置から構成される直接管理装置群2と、遠隔管理センタ9に設置された複数の装置から構成される遠隔管理装置群3とから構成されている。通常、駐車場5と遠隔管理センタ9とは互いに離れた場所にある。直接管理装置群2と遠隔管理装置群3とは通信手段、例えばインターネット10を介して相互に接続されている。駐車場管理システム1は複数の駐車場を一括して管理することができる。
図1では、説明の便宜上、1つの駐車場5に設けられた1つの直接管理装置群2を示しているが、実際には、複数の駐車場にそれぞれ設けられた複数の直接管理装置群2が存在し、これら複数の直接管理装置群2がインターネット10を介して遠隔管理装置群3に接続されている。以下、駐車場5に入場する車両を「入場車両」といい、駐車場5から出場する車両を「出場車両」という。同一の車両が駐車場5に入場し、その後、駐車場5から出場した場合には、入場車両と出場車両とは同一の車両である。
【0043】
図2に示すように、駐車場5の入場レーン6には、駐車券を発行する駐車券発行機21と、入場車両の駐車場5への入場を制限する入口ゲート開閉機22と、駐車場5外から入場レーン6に進入して駐車券発行機21に対応する位置に到達した入場車両を検知する入場車両検知手段としての第1のループコイル23と、駐車券発行機21に対応する位置から前進して入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aを下げることができる所定の位置(レーン遮断可能位置)に到達した入場車両を検知する第2のループコイル24と、駐車場5外から入場レーン6に進入する入場車両を撮像すると共に、撮像した入場車両の画像である入場車両画像を送信する入口カメラユニット25が設置されている。また、駐車場5の出場レーン7には、出場車両の駐車料金の精算を行う駐車料金精算機としての出口精算機26と、出場レーン7から出場する出場車両を制限する出口ゲート開閉機27と、駐車場5内から出場レーン7に進入して出口精算機26に対応する位置に到達した出場車両を検知する出場車両検知手段としての第1のループコイル28と、出口精算機26に対応する位置から前進して出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを下げることができる所定の位置に到達した出場車両を検知する第2のループコイル29と、駐車場5内から出場レーン7に進入する出場車両を撮像すると共に、撮像した出場車両の画像である出場車両画像を送信する出口カメラユニット30と、出場車両の運転者等と遠隔管理センタのオペレータ(管理業務者)との間の通話やデータ通信を可能にする通信端末装置31が設置されている。さらに、駐車場5には、入口カメラユニット25および出口カメラユニット30の撮像により生成された入場車両画像および出場車両画像を遠隔管理センタ9へ送信するためのルータ32(
図1参照)が設けられている。これらの装置が直接管理装置群2である。
【0044】
駐車場5において入場レーン6と出場レーン7とはアイランド8(コンクリート製のプラットフォーム)を介して隣り合うように配置されており、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、出口精算機26、出口ゲート開閉機27はアイランド8上に設置されている。入場レーン6に入場しようとする入場車両から見て、駐車券発行機21は右手前側に配置され、入口ゲート開閉機22は右奥側に配置されている。また、第1のループコイル23および第2のループコイル24は入場レーン6に埋設されており、第1のループコイル23は駐車券発行機21に対応する位置に配置され、第2のループコイル24は、入場レーン6に入場しようとする車両から見て入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aを超えた付近に配置されている。また、入口カメラユニット25は入口ゲート開閉機22上に配置され、固定されている。一方、出場レーン7から出場しようとする出場車両から見て、出口精算機26は右手前側に配置され、出口ゲート開閉機27は右奥側に配置されている。また、第1のループコイル28および第2のループコイル29は出場レーン7に埋設されており、第1のループコイル28は出口精算機26に対応する位置に配置され、第2のループコイル29は、出場レーン7から出場しようとする車両から見て出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを超えた付近に配置されている。また、出口カメラユニット30は出口ゲート開閉機27上に配置され、固定されている。また、通信端末装置31は出口精算機26上に配置され、固定されている。また、ルータ32は、
図2中には図示していないが、例えば入口ゲート開閉機22または出口ゲート開閉機27等の近傍に設置されている。また、入口ゲート開閉機22および出口ゲート開閉機27のゲートバー22A、27Aはそれぞれ、ゲート開閉動作以外の閉状態時には、外力で無理やり開放できないようにバーキャッチャ22B、27Bでロックされる。
【0045】
一方、
図1に示すように、遠隔管理センタ9には、入口カメラユニット25および出口カメラユニット30によりそれぞれ撮像された入場車両画像および出場車両画像を受信するファイル受信装置41と、入口カメラユニット25および出口カメラユニット30のそれぞれとファイル受信装置41との間を接続するルータ42と、ファイル受信装置41により受信された入場車両画像を用いて入場車両の車番である入場車番を認識すると共に、ファイル受信装置41により受信された出場車両画像を用いて出場車両の車番である出場車番を認識する車番認識装置43と、ファイル受信装置41により受信された入場車両画像および出場車両画像を保存するファイル保存装置44と、各種情報を保存するデータベース45と、駐車場管理を行うための情報の入出力を行うに当たりオペレータが操作する管理PC(管理パーソナルコンピュータ)46と、ファイル受信装置41、車番認識装置43、ファイル保存装置44およびデータベース45等を相互に接続するハブ47が設置されている。これらの装置からなるコンピュータシステムが遠隔管理装置群3である。また、管理PC46と、車番認識装置43、ファイル保存装置44、データベース45等との間には相互に情報通信を可能にする通信経路が形成されている。また、管理PC46と、駐車場5に設置された通信端末装置31との間にも相互に情報通信(例えば広域通信回線網を介した無線情報通信)を可能する通信経路が形成されている。そして、管理PC46は、これらの通信経路を利用して後述する駐車券紛失救済処理を行う。なお、車番認識装置43は入場車番認識手段および出場車番認識手段の具体例であり、ファイル保存装置44およびデータベース45は情報記憶手段の具体例であり、管理PC46は、車番検索手段、情報選択手段、情報表示手段および撮像時刻送信手段の具体例である。
【0046】
図3は、入口ゲート開閉機22上に設けられた入口カメラユニット25の詳細な構成を示している。
図3に示すように、入口カメラユニット25は、カメラとデータ通信装置とを組み合わせたユニットであり、いわゆるIPカメラ、ネットワークカメラ、またはWEBカメラと称されるものにより構成されている。具体的に説明すると、入口カメラユニット25は、CCD、C−MOS等の小型撮像素子を有し、ビデオカメラとして機能する撮像部51と、撮像部51により撮像された画像を有線若しくは無線LAN(ローカルエリアネットワーク)等により送信する通信部52と、外部から出力される制御信号が入力される入力部53と、撮像部51および通信部52等を制御する制御部54と、制御部54による制御処理において用いられるメモリ55と、撮像部51、通信部52、入力部53、制御部54およびメモリ55を相互に接続するインターフェイス56とを備えている。また、これらは防雨構造のハウジングに収容されている。また、入口カメラユニット25は、入場レーン6に進入した入場車両のフロント側が撮像部51の撮像範囲に入るようにその向きが設定されている。
【0047】
入口カメラユニット25の撮像部51は5fps(フレーム/秒)のフレームレートで常時撮像を行っている。撮像部51により撮像された映像は毎秒5フレームの画像からなるので、撮像部51は200m秒ごとに1枚の画像を出力すると考えることができる。この画像はメモリ55に保存される。メモリ55は十分に多くの画像を保存することが可能な記憶容量を有しているものの、その記憶容量は限られている。このため、新しい画像がメモリ55に保存されるに際し、最も古い画像がメモリ55から適宜廃棄される。
【0048】
また、入口カメラユニット25は、撮像部51の撮像により生成された入場車両画像を、入場レーン6に埋設された第1のループコイル23が入場車両を検知したタイミングで遠隔管理センタ9のファイル受信装置41へ送信する。すなわち、第1のループコイル23は、駐車券発行機21内に設けられた車両検知器35に埋設配線を介して接続され、当該車両検知器35は入口カメラユニット25の入力部53に配線を介して接続されている。そして、第1のループコイル23により入場車両が検知されたとき、車両検知器35によりその旨が検出され、車両検知器35から入口カメラユニット25の入力部53に入力されているトリガ信号がONになる。トリガ信号がONになったとき、入口カメラユニット25の制御部54は、撮像部51により撮像された画像を通信部52により送信する。
【0049】
また、入口カメラユニット25は、当該入口カメラユニット25に接続された電源供給ライン57を介してPoE(PowerOverEthernet)により画像を送信する方式を採用している。通信部52により送信された入場車両画像は、電源供給ライン57を介し、入口ゲート開閉機22内に設けられたPoEルータ58に送られ、PoEルータ58からイーサーネット(富士ゼロックス株式会社の登録商標)59を介してルータ32(
図1参照)に送られ、ルータ32からインターネット10を介して遠隔管理センタ9のファイル受信装置41に送信される。
【0050】
さらに、入口カメラユニット25は、撮像部51により撮像された画像を、駐車券発行機21から入力部53に入力されている満車解除信号がONになったとき、遠隔管理センタ9のファイル受信装置41へ送信する。入口カメラユニット25による画像の送信については後に詳述する。
【0051】
一方、出口ゲート開閉機27上に設けられた出口カメラユニット30は、いくつかの相違点はあるものの、基本的には入口カメラユニット25と同様の構成を有している。すなわち、出口カメラユニット30は、入口カメラユニット25と同じく、防雨構造のハウジング内に、撮像部、通信部、入力部、制御部、メモリおよびインターフェイスを備えている。また、出口カメラユニット30は、出場レーン7に進入した出場車両のフロント側が撮像部の撮像範囲に入るようにその向きが設定されている。出口カメラユニット30は、入口カメラユニット25と同様に、5fpsのフレームレートで常時撮像を行い、200m秒ごとに出力される画像を、最新の画像を優先して保存する上記手法に従ってメモリに保存している。
【0052】
また、出口カメラユニット30は、撮像部の撮像により生成された出場車両画像を、出場レーン7に埋設された第1のループコイル28により出場車両が検知されたタイミングで遠隔管理センタ9のファイル受信装置41へ送信する。すなわち、第1のループコイル28により出場車両が検知されたとき、出口精算機26内に設けられた車両検知器69によりその旨が検出され、車両検知器69から出口カメラユニット30の入力部に入力されているトリガ信号がONになる。出口カメラユニット30の制御部は、トリガ信号がONになったとき、出場車両画像を通信部により送信する。
【0053】
また、出口カメラユニット30は、入口カメラユニット25と同様に、当該出口カメラユニット30に接続された電源供給ラインを介してPoE(PowerOverEthernet)により画像を送信する方式を採用している。出口カメラユニット30において、通信部により送信された出場車両画像は、電源供給ラインを介し、出口ゲート開閉機27内に設けられたPoEルータに送られ、PoEルータからイーサーネット、ルータ32、インターネット10を順次介して遠隔管理センタ9のファイル受信装置41に送信される。なお、出口カメラユニット30は、入口カメラユニット25とは異なり、満車解除信号に基づいて出場車両画像を送信する構成を有してない。
【0054】
図4は出口精算機26および通信端末装置31の詳細な構成を示している。
図4に示すように、出口精算機26は、CPU61と、半導体記憶素子、ハードディスク等のメモリ62と、内部時計(RTC:Real Time Clock)(図示せず)とを備え、これらはバス64を介してそれぞれ接続されている。
【0055】
また、出口精算機26は、第1の通信制御部65および第2の通信制御部66を備えている。第1の通信制御部65および第2の通信制御部66はインターフェイス67を介してバス64に接続され、CPU61の制御下に置かれている。第1の通信制御部65は、出口精算機26の上部に設けられた通信端末装置31と通信を行うための通信回路を備え、通信端末装置31の外部通信部にシリアル通信用の配線90を介して相互通信可能に接続されている。また、第2の通信制御部66は、駐車券発行機21と通信を行うための通信回路を備え、駐車場に埋設された駐車場内部通信ライン68を介して駐車券発行機21に相互通信可能に接続されている。
【0056】
また、出口精算機26は車両検知器69を備えている。車両検知器69は、出場レーン7に埋設された第1のループコイル28および第2のループコイル29と埋設配線85を介してそれぞれ接続されている。さらに、車両検知器69は、出口ゲート開閉機27上に設けられた出口カメラユニット30に配線86を介して接続されている。出口精算機26において、車両検知器69は、第1のループコイル28および第2のループコイル29からそれぞれ出力される検知信号に基づいて、出場レーン7における出場車両の通過状況を検出し、CPU61は、車両検知器69による検出結果に基づいて、駐車料金の精算開始のタイミング、出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを下げるタイミング等を決定する。また、車両検知器69は、第1のループコイル28からの検知信号に基づいて出口カメラユニット30に出力しているトリガ信号をONにし、出口カメラユニット30はこれに従って出場車両画像の遠隔管理センタ9への送信を行う。
【0057】
また、出口精算機26は駐車券紛失釦71を備えている。駐車券紛失釦71は、出口精算機26の操作パネルに配置されている。また、駐車券紛失釦71は出口精算機26の内部においてインターフェイス67に接続され、これにより、CPU61は、出場車両の運転者等により駐車券紛失釦71が押下されたことを認識することができる。
【0058】
さらに、出口精算機26は、駐車券を引き込んで駐車券の磁気ストライプに記録された入場時刻等を読み取って駐車時間の算出を行うための駐車券リーダ72、駐車場利用者が精算の際等に領収証の発行を要求するための領収証釦73、駐車場利用者に対して精算方法、駐車料金の額、精算結果等を表示するための表示器74、さらには、領収証プリンタ75、コインセレクタ76、硬貨払い出し装置77、紙幣リーダ78、スピーカ79、扉開センサ80等を備えている。また、出口精算機26は、出口ゲート開閉機27を制御するためのゲート開閉機制御部81を備えている。以上の各構成要素は、
図4に示すように、インターフェイス67を介してバス64に接続されており、CPU61の制御下に置かれている。
【0059】
一方、出口精算機26上に設けられた通信端末装置31は、
図4に示すように、CPU91、メモリ92および内部時計(図示せず)を備え、これらはバス93を介してそれぞれ接続されている。さらに、通信端末装置31は、外部通信部94、データ端末装置(DCE:Data
Circuit Terminating Equipment)95、カメラ96およびインターホン97を備え、これらはインターフェイス98を介してバス93に接続され、CPU91の制御下に置かれている。外部通信部94は、出口精算機26と通信を行うための通信回路を備え、出口精算機26に配線90を介して相互通信可能に接続されている。データ端末装置95は、遠隔管理センタ9と通信を行うための通信回路を備え、広域通信回線網に無線により相互通信可能に接続されている。カメラ96は、駐車場利用者と遠隔管理センタ9のオペレータとの間の通話を実現する際に利用者の映像等を撮像する。インターホン97は、駐車場利用者と遠隔管理センタ9のオペレータとの間の通話を実現する際に利用者の音声を入力すると共に、オペレータの音声を出力する。駐車場利用者は、インターホン97を操作することにより、遠隔管理センタ9のオペレータと通話をすることができ、このとき遠隔管理センタ9のオペレータは、例えば管理PC46のモニタ画面を介して利用者の顔の映像を見ることができる。
【0060】
他方、駐車券発行機21は、出口精算機26とほぼ同様に、CPU、メモリ、内部時計、バス、出口精算機26と通信を行うための通信制御部、および車両検知器35(
図3参照)を備えている。駐車券発行機21の車両検知器35には、入場レーン6に埋設された第1のループコイル23および第2のループコイル24が接続されている。また、この車両検知器35には、入口ゲート開閉機22上に設けられた入口カメラユニット25が配線を介して接続されている。駐車券発行機21において、車両検知器35は、第1のループコイル23および第2のループコイル24からそれぞれ出力される検知信号に基づいて、入場レーン6における入場車両の通過状況を検出し、CPUは、車両検知器35による検出結果に基づいて、駐車券発行案内を行うタイミング、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aを下げるタイミング等を決定する。また、車両検知器35は、第1のループコイル23からの検知信号に基づいて、入口カメラユニット25に出力しているトリガ信号をONにし、入口カメラユニット25はこれに従って入場車両画像の遠隔管理センタ9への送信を行う。さらに、駐車券発行機21は、駐車券を発行する駐車券ライタ、駐車券発行釦、表示器、スピーカ、入口ゲート開閉機22を制御するゲート開閉機制御部等を備えている。
【0061】
(駐車場管理システムによる全体的な処理の流れ)
以上のような構成を有する駐車場管理システム1は概ね次のような処理を行う。駐車場5外から入場レーン6に進入した入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達すると、第1のループコイル23が入場車両を検知し、これに応じ、駐車券発行機21が駐車券発行案内を行う。これに従って入場車両の運転者等が駐車券発行機21の駐車券発行釦を押下すると、駐車券発行機21により駐車券が発行される。入場車両の運転者等がこの駐車券を駐車券発行機21から抜き取ると、これに応じ駐車券発行機21が入口ゲート開閉機22を制御し、ゲートバー22Aを上げる。続いて、入場車両が駐車場5内に向けて前進し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aを下げることができる所定の位置(レーン遮断可能位置)に到達すると、第2のループコイル24がこの入場車両の通過を検知し、これに応じ、駐車券発行機21が入口ゲート開閉機22を制御し、ゲートバー22Aを下げる。
【0062】
このように入場車両が入場する過程において、入口カメラユニット25は常時撮像を行っている。この結果、入場レーン6に進入した入場車両のフロント側が入口カメラユニット25により逐次撮像され、入場車両画像が入口カメラユニット25のメモリ55に逐次保存される。ここで、各入場車両画像には、その属性情報として、当該入場車両画像を撮像した入口カメラユニット25の識別番号(例えばアドレス)と、当該入場車両画像が撮像された時刻を示す撮像時刻情報が付加される。
【0063】
また、上述した入場車両が入場する過程において、第1のループコイル23により入場車両が検知された時点の前後に撮像された所定枚数の入場車両画像が、入口カメラユニット25から遠隔管理センタ9に送信される。
【0064】
入口カメラユニット25から送信された所定枚数の入場車両画像は遠隔管理センタ9のファイル受信装置41に受信される。ファイル受信装置41により受信された所定枚数の入場車両画像のうちの少なくとも1枚には、入場車両のナンバープレートの画像が含まれている。車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された入場車両画像を用いて、入場車両の車番である入場車番を認識し、当該入場車番を示す情報である入場車番情報を生成する。また、車番認識装置43は、所定枚数の入場車両画像のうちの入場車番の認識に直接用いた1枚の入場車両画像を代表入場車両画像として選択する。また、車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された所定枚数の入場車両画像のうちのいずれかの入場車両画像(例えば最も撮像時刻が早い入場車両画像)に付加された、入口カメラユニット25の識別番号を抽出する。この識別番号は、当該入場車両が入場した駐車場を特定するための情報として用いられるので、以下、この識別番号を「入場駐車場情報」という。さらに、車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された所定枚数の入場車両画像のうちのいずれかの入場車両画像(例えば最も撮像時刻が早い入場車両画像)に付加された撮像時刻情報を抽出する。この撮像時刻情報が示す撮像時刻は、駐車券の磁気ストライプに記憶される入場時刻とほぼ同じ時刻であり、当該入場車両の入場時刻に相当する。そして、入場車番情報、入場駐車場情報および撮像時刻情報はデータベース45に保存される。また、ファイル受信装置41により受信された所定枚数の入場車両画像はファイル保存装置44に保存される。また、当該所定枚数の入場車両画像のうち、どの入場車両画像が代表入場車両画像として選択されたかを示す選択情報もファイル保存装置44またはデータベース45に保存される。このような1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る入場車番情報、入場駐車場情報、撮像時刻情報、選択情報および所定枚数の入場車両画像の間には相互に関連付けが形成される。駐車場5に入場車両が入場するたびにこのような処理が行われ、各入場車両の入場車番情報、入場駐車場情報、撮像時刻情報、選択情報および所定枚数の入場車両画像が保存される。
【0065】
一方、駐車場5内から出場車両が出場レーン7に進入し、出口精算機26に対応する位置に到達すると、第1のループコイル28が出場車両を検知し、これに応じ、出口精算機26が駐車料金精算の案内を行う。これに従って出場車両の運転者等が駐車券を出口精算機26の駐車券挿入口に挿入すると、駐車券リーダ72がその駐車券を引き込んで駐車券の磁気ストライプに記憶された磁気データ(ここに入場時刻の情報が含まれる)を読取り、駐車時間を算出して表示器74に駐車料金を表示し、同時にスピーカ79から案内音声を出力する。これに応じて利用者が駐車料金の精算を終えたら、出口精算機26が出口ゲート開閉機27を制御してゲートバー27Aを上げる。続いて、出場車両が駐車場5外に向けて前進し、出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを下げることができる所定の位置に到達すると、第2のループコイル29がこの出場車両の通過を検知し、これに応じ、出口精算機26が出口ゲート開閉機27を制御し、ゲートバー27Aを下げる。
【0066】
このように出場車両が出場する過程において、出口カメラユニット30は常時撮像を行っている。この結果、出場レーン7に進入した出場車両のフロント側が出口カメラユニット30により逐次撮像され、出場車両画像が出口カメラユニット30のメモリ55に逐次保存される。各出場車両画像には、その属性情報として、当該出場車両画像を撮像した出口カメラユニット30の識別番号と、当該出場車両画像が撮像された時刻を示す撮像時刻情報が付加される。
【0067】
また、上述したように出場車両が出場する過程において、出場車両が第1のループコイル28に検知された時点の前後に撮像された所定枚数の出場車両画像が、出口カメラユニット30から遠隔管理センタ9に送信される。
【0068】
出口カメラユニット30から送信された所定枚数の出場車両画像は遠隔管理センタ9のファイル受信装置41に受信される。ファイル受信装置41により受信された所定枚数の出場車両画像のうちの少なくとも1枚には、出場車両のナンバープレートの画像が含まれている。車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された出場車両画像を用いて、出場車両の車番である出場車番を認識し、当該出場車番を示す情報である出場車番情報を生成する。また、車番認識装置43は、所定枚数の出場車両画像のうちの出場車番の認識に直接用いた1枚の出場車両画像を代表出場車両画像として選択する。また、車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された所定枚数の出場車両画像のうちのいずれかの出場車両画像(例えば最も撮像時刻が早い出場車両画像)に付加された、出口カメラユニット30の識別番号を抽出する。この識別番号は、当該出場車両が出場した駐車場を特定するための情報として用いられるので、以下、この識別番号を「出場駐車場情報」という。さらに、車番認識装置43は、ファイル受信装置41により受信された所定枚数の出場車両画像のうちのいずれかの出場車両画像(例えば最も撮像時刻が早い出場車両画像)に付加された撮像時刻情報を抽出する。そして、出場車番情報、出場駐車場情報および撮像時刻情報はデータベース45に保存される。また、ファイル受信装置41により受信された出場車両画像はファイル保存装置44に保存される。また、当該所定枚数の出場車両画像のうち、どの出場車両画像が代表出場車両画像として選択されたかを示す選択情報もファイル保存装置44またはデータベース45に保存される。このような1台の出場車両の1回の駐車場出場の事実に係る出場車番情報、出場駐車場情報、撮像時刻情報、選択情報および所定枚数の出場車両画像の間には相互に関連付けが形成される。
【0069】
このように遠隔管理センタ9において保存された入場車番情報、入場駐車場情報、入場車両画像の撮像時刻情報、入場車両画像、出場車番情報、出場駐車場情報、出場車両画像の撮像時刻情報、出場車両画像および選択情報は、以下に述べるように、駐車券の紛失が生じたときに利用される。
【0070】
すなわち、駐車券を紛失した駐車場利用者(出場車両の運転者等)が駐車場5内から車両を出場レーン7に進入させる。この出場車両が出口精算機26に対応する位置に到達すると、第1のループコイル28がこの出場車両を検知し、これに応じ、出口精算機26が駐車料金精算の案内を行う。このとき、駐車券を紛失した出場車両の運転者等は、出口精算機26の駐車券紛失釦71を押下し、あるいは出口精算機26上に設けられた通信端末装置31のインターホン97を用いて駐車券紛失の事実を遠隔管理センタ9のオペレータに告げる。これに応じ、管理PC46は、駐車券紛失救済処理を開始する。ところで、出口精算機26は駐車券の磁気ストライプに記憶された入場時刻情報を読み取り、この入場時刻情報を駐車開始時刻として用いて駐車時間を算出するので、出場車両の運転者等が駐車券を紛失した場合には、出口精算機26は、このような方法では駐車時間を算出することができなくなる。そこで、駐車券紛失救済処理では、以下に述べるような方法で、駐車券の磁気ストライプに記憶された入場時刻情報に代わる時刻情報を管理PC46から出口精算機26に提供することで、出口精算機26において適切な駐車料金の算出を可能にする。この駐車券紛失救済処理は、駐車券紛失釦71の押下の場合には自動的に開始され、インターホン97による通告の場合にはオペレータの操作に従って開始される。
【0071】
駐車券紛失救済処理において、管理PC46は、データベース45およびファイル保存装置44にアクセスし、現在の出場車両についての出場車番情報、出場駐車場情報、撮像時刻情報、および代表出場車両画像を読み取り、これらの情報を用いて、当該出場車両の出場車両画像、出場車番、駐車場番号、撮像時刻等を管理PC46のモニタ画面に表示する。さらに、管理PC46は、当該出場車両が存在している駐車場5を示す入場駐車場情報に関連付けられ、かつ当該出場車両の出場車番と同一または類似する入場車番を示す入場車番情報と、これに関連付けられた撮像時刻情報および代表入場車両画像を、データベース45およびファイル保存装置44から読み取る。そして、管理PC46は、これらの情報を用いて、当該出場車両の出場車番と類似する入場車番を有する入場車両の入場車両画像、入場車番、撮像時刻等を管理PC46のモニタ画面に表示する(
図10参照)。
【0072】
オペレータは、管理PC46のモニタ画面に表示された出場車両画像と入場車両画像とを見比べ、あるいは出場車番と入場車番とを見比べ、出場車両画像または出場車番に対応する出場車両と、入場車両画像または入場車番に対応する入場車両とが同一の車両であると判断したときには、所定の指示入力操作を行う。具体的には、オペレータは管理PC46のキーボードのキーを押下し、またはマウス等でモニタ画面上のアイコンをクリックすることにより、精算指示を入力する。
【0073】
これに応じ、管理PC46は、モニタ画面に表示された入場車両画像または入場車番に関連付けられた撮像時刻情報を精算指示と共に通信端末装置31を介して出口精算機26に送信する。これに応じ、出口精算機26は、管理PC46から送信された撮像時刻情報が示す撮像時刻を、現在の出場車両の駐車開始時刻として用い、この駐車開始時刻と現在時刻(または第1のループコイル28により出場車両が検知された時刻)とに基づいて駐車時間を算定し、駐車料金の精算を行う。精算終了後、出口精算機26は、出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを上げ、その後、出場車両が駐車場5外に向けて前進し、出口ゲート開閉機27のゲートバー27Aを下げることができる所定の位置に到達したら、第2のループコイル29による検知に従って出口ゲート開閉機27を制御し、ゲートバー27Aを下げる。
【0074】
(入口・出口カメラユニットにおける撮像・送信処理)
図5は、駐車場5に設置された入口カメラユニット25における撮像・送信処理を示している。
図6は入口カメラユニット25による撮像タイミングとトリガ信号がONになるタイミングを示している。これより、上述した入口カメラユニット25の処理をより詳細に説明する。
図5において、入口カメラユニット25を稼働させると、入口カメラユニット25の制御部54は撮像部51による撮像を開始し(ステップS1)、以後、5fpsのフレームレートでの撮像を常時継続する。撮像部51の撮像により生成された画像は、上述したように、最新の画像を優先的に保存し、古い画像を廃棄するといった方式でメモリ55に逐次保存される。このような撮像、保存の処理を行いながら、入口カメラユニット25の制御部54は、入場レーン6に埋設された第1のループコイル23(
図5中のLC1)が入場車両を検知したか否かを判断する(ステップS2)。この点について具体的に説明すると、駐車券発行機21の車両検知器35は、第1のループコイル23が入場車両を検知したときにトリガ信号をONにし、第1のループコイル23が入場車両を検知している間、トリガ信号をONの状態に維持し、そして、第1のループコイル23が入場車両を検知しなくなったときにトリガ信号をOFFにする。入口カメラユニット25の制御部54は、ステップS2において、このトリガ信号がONになったか否かを判断する。
【0075】
第1のループコイル23が入場車両を検知するまでの間、すなわちトリガ信号がOFFになっている間(ステップS2:NO)、撮像部51が5fpsのフレームレートで常時撮像を行っているので、駐車場5外から入場レーン6に入場車両が進入した場合には、入場レーン6への進入を開始し、入場レーン6を徐々に前進していく入場車両のフロント側が200m秒ごとに撮像され、入場車両画像が生成され、この入場車両画像がメモリ55に逐次保存される。そして、当該入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達し、第1のループコイル23が当該入場車両を検知し、車両検知器35から入力されているトリガ信号がONになったとき(ステップS2:YES)、制御部54は、このトリガ信号がONになった時点を含む所定の期間内に撮像部51により連続的に撮像され、生成された複数枚の入場車両画像を送信する(ステップS3)。具体的には、制御部54は、トリガ信号がONになった時点から400m秒前の時点以後連続して行われた撮像により生成された4枚の入場車両画像を送信する。すなわち、
図6において、b、c、d、eのそれぞれのタイミングに行われた撮像により生成された4枚の入場車両画像が送信される。これら入場車両画像は、駐車場5に設置されたルータ32、インターネット10、遠隔管理センタ9に設置されたルータ42を介してファイル受信装置41に受信される。また、各入場車両画像には、上述したように、入場駐車場情報(入口カメラユニット25の識別番号)および撮像時刻情報が付加されており、これらも入場車両画像と共に入口カメラユニット25からファイル受信装置41に送信される。
【0076】
続いて、入口カメラユニット25の制御部54は、上記トリガ信号がONになった時点から3秒が経過するのを待った後(ステップS4)、トリガ信号がOFFになったか否かを判断する(ステップS5)。入場車両が駐車券発行機21の前で停止している間、トリガ信号はONを維持する。例えば、駐車場5が満車状態である場合には、満車でない状態になるまで、入場車両が駐車券発行機21の前に待機することがある。この場合には、トリガ信号はONのままである。入場車両の運転者等が駐車券発行機21により発行された駐車券を受け取り、これにより入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aが上がり、入場車両が駐車場5内に向かって入場レーン6を前進すると、第1のループコイル23により当該入場車両が検知されなくなり、これに応じてトリガ信号がOFFになる。トリガ信号がOFFになったとき(ステップS5:YES)、入口カメラユニット25の制御部54は、処理をステップS2に戻す。なお、
図5中のステップS6およびS7については後述する。
【0077】
図7は、
図6に示すb、c、d、eのそれぞれのタイミングにおける入場車両と、入口カメラユニット25の撮像部51の撮像範囲との位置関係を示している。
図7(1)に示すように、タイミングbでは、入場車両のフロント側は撮像範囲Rに入ってはいるものの、入口カメラユニット25から離れているため、入場車両画像中に映り込む入場車両のナンバープレートが小さいものとなる。
図7(2)に示すタイミングcでは、タイミングbのときと比較して入場車両が入口カメラユニット25に接近しているため、入場車両画像に映り込む入場車両のナンバープレートが大きくなる。
図7(3)に示すタイミングdでは、タイミングcのときと比較して入場車両が入口カメラユニット25にさらに接近しているため、入場車両画像に映り込む入場車両のナンバープレートがさらに大きくなる。
図7(4)に示すタイミングeでは、入場車両が入口カメラユニット25に接近しすぎているために、入場車両のナンバープレートが撮像範囲Rから外れており、この結果、入場車両のナンバープレートが入場車両画像中に映っていない。
【0078】
このように複数枚の入場車両画像を送信することで、車番認識装置43による車番認識の精度を高め、かつ、出場車両に一致する入場車両を確認・選択するオペレータの作業の正確性および作業性を向上させることができる。また、時間差をもって撮像を複数回行うことで、入場レーン6を進行する入場車両のナンバープレートが映り込んだ入場車両画像を確実に得ることができる。特に、入場レーン6を進行する車両の速度が一般に想定している速度よりも速くても、あるいは遅くても、入場車両のナンバープレートが映り込んだ入場車両画像を確実に得ることができる。また、入場車両が第1のループコイル23により検出されるタイミング、すなわちトリガ信号がONになるタイミングよりも前の時点の撮像により生成された入場車両画像を送信することにより、入場車両のナンバープレートが確実に映り込んだ入場車両画像を容易に取得することができる。すなわち、第1のループコイル23を用いて撮像のタイミングを決めることができるので、撮像のタイミングを決めるためのセンサ等を別途追加する必要がない。また、入口カメラユニット25を入口ゲート開閉機22の上に設置しても、入場車両のナンバープレートが確実に映り込んだ入場車両画像を取得することができるので、入口カメラユニット25を設置する台やスタンドを別途追加する必要がなく、また、入口カメラユニット25のレンズを大幅に広角にしたりする必要もない。
【0079】
一方、出口カメラユニット30における撮像・送信処理は、入口カメラユニット25の場合と基本的に同じであり、
図5中のステップS1ないしS5に示す通りである。なお、出口カメラユニット30における撮像・送信処理においては、
図5中のステップS6およびS7の処理は行われない。出口カメラユニット30における撮像・送信処理によっても、上述した入口カメラユニット25における撮像・送信処理による作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
なお、入口カメラユニット25および出口カメラユニット30のそれぞれの撮像のフレームレート、撮像のタイミング、撮像する回数、生成する画像の枚数は適宜設定することができる。各装置の記憶能力やインターネットの通信速度等に余力があれば、例えば、トリガ信号のON時点の1秒前から5fpsで10枚、といった設定も可能である。
【0081】
(車番認識処理)
図8および
図9は、遠隔管理センタ9に設置された車番認識装置43による車番認識処理を示している。これより、車番認識装置43による車番認識処理について、入場車両画像を用いて入場車番を認識する場合を例にあげて説明する。
図8において、車番認識装置43は、入口カメラユニット25から送信された入場車両画像がファイル受信装置41により受信されたか否かを常時監視している(ステップS21)。具体的には、ファイル受信装置41は、入口カメラユニット25から送信された入場車両画像を受信し、当該受信した入場車両画像を、ファイル受信装置41内に設けられた記憶部(画像保存フォルダ)に一時保存する。車番認識装置43は、ファイル受信装置41の画像保存フォルダに新たな入場車両画像が追加されたか否かを常時監視している。
【0082】
そして、入口カメラユニット25から送信された入場車両画像がファイル受信装置41により受信された場合には(ステップS22)、車番認識装置43は、車番認識装置43内に設けられた監視タイマをスタートさせる(ステップS23)。続いて、車番認識装置43は、1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る所定枚数の入場車両画像がファイル受信装置41により所定の制限時間内に受信されたか否かを判断する(ステップS24、S25)。1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る入場車両画像の枚数は、本実施形態では4枚である。ステップS24の判断の結果、1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る所定枚数すべての入場車両画像がファイル受信装置41により所定の制限時間内に受信された場合には(ステップS24:YES)、車番認識装置43は、当該所定枚数の入場車両画像をファイル受信装置41から受け取り、ステップS26に移行する。一方、所定の制限時間内に受信された、1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る入場車両画像の枚数が所定枚数に達しなかった場合には(ステップS24:NO、ステップS25:YES)、車番認識装置43は、1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る所定枚数の入場車両画像のうち、所定の制限時間内に受信されたすべての入場車両画像をファイル受信装置41から受け取り、ステップS26に移行する。このように、入場車両画像がファイル受信装置41により受信されるのを待つ時間を制限することにより、入口カメラユニット25とファイル受信装置41との間の通信上の都合等により入場車両画像の送信に長い時間がかかった場合に、この影響を受けて車番認識処理が遅延することを防止することができる。なお、後述するように駐車場5が満車状態から満車でない状態になった後に入口カメラユニット25による撮像が行われた場合、その撮像は1回行われるのみであり、それゆえ入口カメラユニット25からファイル受信装置41へ送信される入場車両画像は1枚である。この場合には、車番認識装置43は、ファイル受信装置41から当該1枚の入場車両画像を受け取ってからステップS26に移行する。
【0083】
続いて、車番認識装置43は、ファイル受信装置41から受け取った各入場車両画像について文字認識処理を行う(ステップS26)。この文字認識処理にはOCR(光学文字認識)が用いられる。この結果、ファイル受信装置41から受け取った各入場車両画像について認識処理結果が得られる。
【0084】
続いて、車番認識装置43は、ファイル受信装置41から受け取った各入場車両画像の認識処理結果を参照し、ファイル受信装置41から受け取った複数枚の入場車両画像の中に、車番を構成する陸運支局名、分類番号、用途文字および一連番号のすべてを認識することができた入場車両画像(以下、これを「全文字が認識された入場車両画像」という。)があるか否かを判断する(ステップS27)。ファイル受信装置41から受け取った複数枚の入場車両画像の中に、全文字が認識された入場車両画像がない場合には(ステップS27:NO)、車番認識装置43は車番要素判断処理を開始する(ステップS32ないしS37)。車番要素判断処理については後述する。
【0085】
一方、ファイル受信装置41から受け取った複数枚の入場車両画像の中に、全文字が認識された入場車両画像が1枚以上ある場合には(ステップS27:YES)、続いて、車番認識装置43は、全文字が認識された入場車両画像が複数枚か否かを判断する(ステップS28)。全文字が認識された入場車両画像が1枚である場合には(ステップS28:NO)、車番認識装置43は、当該1枚の入場車両画像の認識処理結果を、最終的な車番認識結果として採用する(ステップS30)。
【0086】
一方、全文字が認識された入場車両画像が複数枚である場合には(ステップS28:YES)、全文字が認識された複数枚の入場車両画像の認識処理結果を比較し、これらの認識処理結果の中から、多数決原理に従って1つの認識処理結果を選択する(ステップS29)。例えば、全文字が認識された4枚の入場車両画像の認識処理結果である文字列が、
「横品503そ12−34」
「横品503そ12−34」
「横品503さ72−84」
「横品503そ12−34」
である場合には、「横品503そ12−34」が3つであり、「横品503さ72−84」が1つであるので、最も多数である「横品503そ12−34」を選択する。そして、車番認識装置43は、このようにして選択した認識処理結果を、最終的な車番認識結果として採用する(ステップS29:YES)。
【0087】
他方、全文字が認識された入場車両画像が複数枚である場合であって、多数決原理に従って1つの認識処理結果を選択することができない場合には(ステップS29:NO)、車番認識装置43は、車番要素判断処理を開始する(ステップS32ないしS37)。
【0088】
ここで、車番要素判断処理(ステップS32ないしS37)について説明する。車番要素判断処理は、車番を構成する陸運支局名、分類番号、用途文字および一連番号ごとに文字認識を行う処理である。車番要素判断処理は、車番認識装置43がファイル受信装置41から受け取った複数枚の入場車両画像の中に、全文字が認識された入場車両画像がない場合(ステップS27:NO)に実行される。この場合、車番認識装置43がファイル受信装置41から受け取った複数内の入場車両画像が車番要素判断処理の対象とされる。また、車番要素判断処理は、全文字が認識された複数枚の入場車両画像の認識処理結果の中から多数決原理に従い1つの認識処理結果を選択できなかった場合(ステップS29:NO)に実行される。この場合、全文字が認識された複数枚の入場車両画像が車番要素判断処理の対象とされる。車番要素判断処理によれば、一連番号以外の、陸運支局名、分類番号および用途文字のそれぞれについて、たとえ文字列または文字を認識することができなかった場合であっても、それを許容することで、車番を構成する文字列を可能な限り認識することができる。
【0089】
車番要素判断処理について具体的に説明すると、まず、車番認識装置43は、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像のそれぞれについて、一連番号の認識処理を行う(ステップS32)。すなわち、
図9に示すように、車番認識装置43は、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像の中に、
図8中のステップS26において一連番号が認識された入場車両画像があるか否かを判断する(ステップS41)。車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像の中に一連番号が認識された入場車両画像がない場合には(ステップS41:NO)、車番認識装置43は、認識失敗フラグをONにする(ステップS48)。一方、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像の中に一連番号が認識された入場車両画像がある場合には(ステップS41:YES)、車番認識装置43は、一連番号が認識された入場車両画像が複数枚か否かを判断する(ステップS42)。一連番号が認識された入場車両画像が1枚である場合には(ステップS42:NO)、車番認識装置43は、当該1枚の入場車両画像の一連番号についての認識処理結果を最終的な一連番号認識結果として採用すると共に、認識失敗フラグをOFFにする(ステップS44)。一方、一連番号が認識された入場車両画像が複数枚である場合には(ステップS42:YES)、車番認識装置43は、これら複数枚の入場車両画像の一連番号についての認識処理結果の中から、多数決原理に従って1つの認識処理結果を選択し(ステップS43:YES)、その認識処理結果を最終的な一連番号認識結果として採用すると共に、認識失敗フラグをOFFにする。他方、一連番号についての認識処理結果の中から多数決原理に従って1つの認識処理結果を選択することができない場合には(ステップS43:NO)、車番認識装置43は、一連番号が認識された複数枚の入場車両画像の認識処理結果のそれぞれのOCRレベルを比較し(ステップS45)、OCRレベルが最も高い認識処理結果を最終的な一連番号認識結果として採用すると共に、認識失敗フラグをOFFにする(ステップS46)。一方、一連番号が認識された複数枚の入場車両画像の認識処理結果のそれぞれのOCRレベルがすべて同一である場合には、車番認識装置43は、予め設定された優先度ルールに従い、優先度が最も高い認識処理結果を最終的な一連番号認識結果として採用すると共に、認識失敗フラグをOFFにする(ステップS47)。優先度ルールは、例えば、(1)
図6中のタイミングdでの撮像により生成された入場車両画像の認識処理結果、(2)タイミングcでの撮像により生成された入場車両画像の認識処理結果、(3)タイミングbでの撮像により生成された入場車両画像の認識処理結果、(4)タイミングeでの撮像により生成された入場車両画像の認識処理結果の優先順位で認識処理結果を選択するといったルールである。
【0090】
以上のような一連番号の認識処理を終えたら、車番認識装置43は、
図8に示すように、一連番号の認識を失敗したか否かを判断する(ステップS33)。認識失敗フラグがONの場合には、車番認識装置43は、一連番号の認識を失敗したと判断し(ステップS33:YES)、認識失敗の処理として、入場車番認識失敗の結果を最終的な車番認識結果として採用する(ステップS37)。
【0091】
一方、認識失敗フラグがOFFの場合には、車番認識装置43は、一連番号の認識を成功したと判断し(ステップS33:NO)、続いて、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像のそれぞれについて、分類番号の認識処理を行う(ステップS34)。分類番号の認識処理の流れは、分類番号の認識処理内においては認識失敗フラグの設定を行わない点を除き、
図9に示す一連番号の認識処理の流れと同じである。
【0092】
分類番号の認識処理を終えたら、その認識の成否に拘わらず、車番認識装置43は、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像のそれぞれについて、陸運支局名の認識処理を行う(ステップS35)。陸運支局名の認識処理の流れは、陸運支局名の認識処理内においては認識失敗フラグの設定を行わない点を除き、
図9に示す一連番号の認識処理の流れと同じである。
【0093】
陸運支局名の認識処理を終えたら、その認識の成否に拘わらず、車番認識装置43は、車番要素判断処理の対象とされた複数枚の入場車両画像のそれぞれについて、用途文字の認識処理を行う(ステップS36)。用途文字の認識処理の流れは、用途文字の認識処理内においては認識失敗フラグの設定を行わない点を除き、
図9に示す一連番号の認識処理の流れと同じである。
【0094】
ステップS32、S33(NO)、S34、S35、S36を経た場合には、入場車番のうち、一連番号については認識され、分類番号、陸運支局名および用途文字のそれぞれについては認識された場合もあれば認識されなかった場合もあるといった結果となる。この場合、車番認識装置43は、この結果を最終的な車番認識結果として採用する。
【0095】
このように最終的な車番認識結果を得た後、入場車番認識失敗の結果が最終的な車番認識結果として採用されていない場合には、車番認識装置43は、最終的な車番認識結果(入場車番を構成する文字列)を、1台の入場車両の1回の駐車場入場の事実に係る入場車番を示す入場車番情報とする(なお、分類番号、陸運支局名および用途文字のうち認識されなかった文字列または文字がある場合には、その部分は空白とする)。さらに、車番認識装置43は、最終的な車番認識結果の認識に直接用いられた入場車両画像(多数決原理により複数の認識処理結果から1つの認識処理結果に絞り込まれた場合には、当該複数の認識処理結果の導出に直接用いられた複数枚の入場車両画像のうち撮像時刻が最も早いもの)を代表入場車両画像とする(ステップS31)。その後、上述したように、入場車番情報がデータベース45に保存され、複数枚の入場車両画像のうちどの入場車両画像が代表入場車両画像に選択されたかを示す選択情報がデータベース45またはファイル保存装置44に保存される。一方、入場車番認識失敗の結果が最終的な車番認識結果として採用された場合には、車番認識に失敗したことを示す情報がデータベース45に保存される。
【0096】
なお、車番認識処理のステップS45、S46においては、各入場車両画像のOCRレベルに代えて各入場車両画像の読取り正解性を比較し、読取り正解線が最も高い認識処理結果を最終的な認識結果として採用してもよい。また、ステップS47で採用している優先度ルールによれば、
図6中のタイミングdでの撮像により生成された入場車両画像の認識処理結果の優先順位を最も高くすることで、入場車両のナンバープレートが最も大きく映り込んだ入場車両画像の認識処理結果を優先的に最終的な認識結果として採用することができるので、入場車番の認識精度を高めることができる。また、入場車両のナンバープレートが最も大きく映り込んだ入場車両画像が代表入場車両として選択される可能性が高くなるので、後述する駐車券紛失救済処理において、ナンバープレートが大きく映り込んだ入場車両画像が管理PC46のモニタ画面に表示される可能性が高くなり、オペレータに見易い画像を提供することができる。
【0097】
以上、車番認識装置43による車番認識処理について、入場車両画像を用いて入場車番を認識する場合を例にあげて説明したが、出場車両画像を用いて出場車番を認識する場合における車番認識装置43による車番認識処理も、入場車両画像を用いて入場車番を認識する場合と同様である。
【0098】
(駐車券紛失救済処理)
図10は、上述した駐車券紛失救済処理において管理PC46のモニタ画面に表示される情報を示している。これより、
図10を参照しながら駐車券紛失救済処理について詳細に説明する。
【0099】
駐車券を紛失した出場車両の運転者等により駐車券紛失釦71が押下され、または駐車券を紛失した出場車両の運転者等からインターホン97を介して通告を受けたオペレータの操作により、駐車券紛失救済処理が開始されると、管理PC46のモニタ画面には
図10に示すように入出場モニタリング画面101が表示される。
【0100】
入出場モニタリング画面101中の左側の駐車場表示領域102には、遠隔管理センタ9と通信可能に接続された複数の駐車場の駐車場番号、および各駐車場に設置された出口精算機26の出口精算機番号を列挙したツリー図が表示される。これらの駐車場番号および出口精算機番号のうち、駐車券紛失釦71が押下され、またはインターホン97を介しての通告を受けた駐車場5については、その駐車場番号および出口精算機番号が反転表示状態(または強調表示等他のものよりも目立つ表示態様)となる。これにより、オペレータは、駐車券を紛失した駐車場利用者がいる駐車場を認識することができる。
【0101】
また、入出場モニタリング画面101中において駐車場表示領域102の下側のアラーム表示領域103には、駐車券紛失救済処理が開始されたことを示すマークとして例えば「紛失釦申告」の文字列が表示される。なお、この表示領域には、管理PC46により実行される処理に応じて「インターホン通話」、「釣銭切れ」などの他のマークも表示される。また、このアラーム表示領域103の下側には現在の日時が表示される。
【0102】
一方、入出場モニタリング画面101中のほぼ中央上側の出場車両表示領域104には、出場車両画像、出場車番および出場車両画像の撮像時刻等が表示される。出場車両表示領域104に表示される出場車両画像は、現在、駐車場5の出口精算機26に対応する位置に停止している出場車両の画像であり、直前に出口カメラユニット30による撮像により生成され、ファイル受信装置41に送信され、車番認識装置43により車番認識処理が行われ、代表出場車両画像として選択された画像である。また、出場車両表示領域104に表示される出場車番は、現在、駐車場5の出口精算機26に対応する位置に停止している出場車両の車番であり、直前に行われた車番認識装置43により認識された車番である。また、出場車両表示領域104に表示される出場車両画像の撮像時刻は、現在、駐車場5の出口精算機26に対応する位置に停止している出場車両の撮像が行われた時刻である。
【0103】
他方、入出場モニタリング画面101中の右上側の入場車両表示領域105には、入場車両画像、入場車番および入場車両画像の撮像時刻等が表示される。入場車両表示領域105に表示される入場車番は、駐車券紛失釦71が押下され、またはインターホン97を介しての通告を受けた駐車場5を示す入場駐車場情報に関連付けられ、かつ当該出場車両の出場車番と同一または最も類似度が高い入場車番であり、管理PC46がデータベース45を検索し、同一性・類似性判断を行って特定し、読み出したものである。また、入場車両表示領域105に表示される入場車両画像は、入場車両表示領域105に表示される入場車番を示す入場車番情報に関連付けられた入場車両画像の中の代表入場車両画像であり、管理PC46がファイル保存装置44を検索して読み出したものである。また、出場車両表示領域104に表示される入場車両画像の撮像時刻は、入場車両表示領域105に表示される入場車番を示す入場車番情報に関連付けられた撮像時刻情報が示す撮像時刻であり、管理PC46がデータベース45を検索して読み出したものである。
【0104】
また、入出場モニタリング画面101中の右下側の候補車両表示領域106には、入場車両表示領域105に表示された入場車番よりも類似度が低い入場車番と、これに関連付けられた代表入場車両画像および撮像時刻情報が示す撮像時刻が、複数組、類似度の高い順に上から並べられて表示される。
【0105】
ここで、管理PC46は、出場車番と入場車番との同一性・類似性を例えば次のように判断する。すなわち、出場車番と入場車番との間で、陸運支局名、分類番号、用途文字および一連番号のすべて一致する場合には、両者は同一であると判断する。また、一連番号は一致するものの、陸運支局名、分類番号および用途文字のいずれいかが不一致である場合には、両者は類似であると判断する。さらに、陸運支局名、分類番号、用途文字および一連番号のそれぞれを構成する個々の文字を比較し、一致の程度に応じて類似度の高低を決定する。個々の文字の比較結果を用いるときには、例えば、一連番号を構成する文字についての比較結果にウェイトを置いて出場車番と入場車番の類似度を決定する。
【0106】
オペレータは、入出場モニタリング画面101を見ながら、目視により、出場車両表示領域104に表示されている出場車番が正しいか否かをチェックする。もし誤っている場合には、オペレータは、出場車両表示領域104内に配置された修正釦アイコン107をマウスでクリックし、またはこれと同じ機能が割り当てられたキーボードのキーを押下することで、出場車番を手入力で修正することができる。出場車番が修正された場合には、管理PC46により、データベース45の検索が行われ、修正後の出場車番に同一または類似する入場車番を示す入場車番情報が特定され、当該入場車番情報とこれに関連付けられた代表入場車両画像および撮像時刻情報が読み出され、これらの情報を用いて入場車両表示領域105および候補車両表示領域106の再表示が行われる。
【0107】
また、オペレータは、入出場モニタリング画面101を見ながら、目視により、入場車両表示領域105に表示されている入場車両画像または入場車番と、出場車両表示領域104に表示されている出場車両画像または出場車番とが、実際に同一か否か、あるいは類似度が高いかどうかを検討する。そして、もし、出場車両表示領域104に表示されている出場車両画像または出場車番との実際の類似度が、入場車両表示領域105に表示されている入場車両画像または入場車番よりも、候補車両表示領域106に表示されているいずれかの入場車両画像または入場車番の方が高い場合には、オペレータは、候補車両表示領域106に表示されている当該入場車両画像または入場車番をマウスでダブルクリックする等の操作をすることにより、入場車両表示領域105に現在表示されている入場車両画像および入場車番等を、候補車両表示領域106に現在表示されている入場車両画像および入場車番等により置き換えることができる。
【0108】
また、オペレータは、入場車両表示領域105または候補車両表示領域106に表示されている入場車両画像をマウスでシングルクリックすることにより、当該入場車両画像に対応する入場車両についての他の入場車両画像を表示させることができる。すなわち、管理PC46は、駐車券紛失救済処理を開始する当初は、入場車両表示領域105および候補車両表示領域106のそれぞれにおいて、代表入場車両画像を表示するが、オペレータが、表示されているいずれかの代表入場車両画像をシングルクリックしたときには、これに応じ、シングルクリックされた代表入場車両画像に対応する入場車両についての他の入場車両画像をファイル保存装置44から読み出してモニタ画面に表示する。表示の態様は、新たなウィンドウを作成してそこに表示する態様でもよいし、読み出した他の入場車両画像のいずれかを代表入場車両画像と置き換えて表示する態様でもよい。出場車両画像についても同様である。オペレータは、他の入場車両画像を確認することで、出場車両と入場車両とが一致するか否かの検討を詳細に行うことができる。
【0109】
さらに、オペレータが、出場車両表示領域104に表示されている出場車両画像または出場車番と、入場車両表示領域105に表示されている入場車両画像または入場車番とを目視により比較し、現在、出場レーン7に停止している出場車両と、入場車両表示領域105に現在表示されている入場車両画像または入場車番に対応する入場車両とが同一の車両であると確信した場合には、オペレータは、入場車両表示領域105内に配置された送信釦アイコン108をマウスでクリックし、またはこれと同じ機能が割り当てられたキーボードのキーを押下することで、精算指示を入力することができる。オペレータが精算指示を入力すると、上述したように、精算指示が入力された時点、すなわち送信釦アイコン108がクリック等された時点において、入場車両表示領域105内に表示されている撮像時刻を示す撮像時刻情報が、精算指示と共に、管理PC46から出口精算機26へ送信される。そして、出口精算機26において、この撮像時刻情報の示す撮像時刻が、駐車開始時刻として用いられ、出場レーン7に現在停止している出場車両についての駐車料金が算出される。
【0110】
また、オペレータは、現在、出場レーン7に停止している出場車両と、入場車両表示領域105に現在表示されている入場車両画像または入場車番に対応する入場車両とが同一の車両であるか否かを判断する際には、インターホン97を介して、当該出場車両の運転者等に質問をし、その回答から判断の正確性を高める情報が得られた場合には、それを判断に用いることができる。
【0111】
このように、駐車場管理システム1によれば、駐車場の利用者が駐車券を紛失した場合でも、適切な駐車料金の精算を行うことができ、駐車場の利用者が駐車料金について不公平感や不満を抱くことを防ぐことができる。また、遠隔管理センタ9のオペレータが出場車両と一致する入場車両を決定し、これに基づいて駐車開始時刻が定まるので、駐車場利用者は、入場日や入場時刻等を偽って駐車時間を短く見せかけて駐車料金を下げるといった不正行為を行うことはできない。また、オペレータが目で確かめて出場車両と一致する入場車両を決定するので、車番認識装置43において車番の誤認識が生じたとしても、それを修正することができ、適切な結果を導くため柔軟な措置を採ることができる。例えばナンバープレートを正しく取り付けていない車両等、ナンバープレートの撮像が困難な車両に対しては、入出場モニタリング画面101に表示された出場車両画像と入場車両画像とを見比べ、車体の色や形状等の特徴の一致を見つけ出し、これにより出場車両と入場車両との一致を判断して精算指示を入力することで、正しい駐車開始時刻を定めることができる。
【0112】
さらに、駐車場管理システム1によれば、このような作用効果を、既存の設備、すなわち、駐車場に設置された各ループコイル、駐車券発行機、出口精算機、各ゲート開閉機等を大幅に変更することなく実現することができる。確かに、入口カメラユニット25、出口カメラユニット30、ルータ32を追加する必要はあるものの、入口カメラユニット25は、入口ゲート開閉機22の上に載置して駐車券発行機21の車両検知器35と配線を介して接続すればよく、出口カメラユニット30は、出口ゲート開閉機27の上に載置して出口精算機26の車両検知器35と配線を介して接続すればよく、ルータ32は、これは小型の装置であり、配置場所に大きな制限はないから、空きスペースに適宜配置すればよいので、入口カメラユニット25、出口カメラユニット30、ルータ32の追加により大幅な変更は生じない。したがって、駐車場管理システム1を、既存の設備を利用して低コストで実現することができる。
【0113】
(データベース検索の効率化等)
駐車券紛失救済処理において、管理PC46は、出場車両の出場車番と同一または類似する入場車番を示す入場車番情報を特定するためにデータベース45を検索する。駐車場管理システム1は、この検索の効率を高め、または、データベース45およびファイル保存装置44の記憶領域の利用効率を高めるために、次のようないくつかの機能を有している。
【0114】
すなわち、駐車券紛失救済処理において、オペレータが、入出場モニタリング画面101を見ながら出場車両と入場車両との一致を確信し、送信釦アイコン108をマウスでクリックすると、入場車両表示領域105内に表示されている撮像時刻を示す撮像時刻情報が、精算指示と共に、管理PC46から出口精算機26へ送信される。そして、出口精算機26において、この撮像時刻情報の示す撮像時刻が、駐車開始時刻として用いられ、駐車券を紛失したために出場レーン7に停止している出場車両について駐車料金が算出される。これにより、当該出場車両についての駐車券紛失救済処理が終了する。駐車券紛失救済処理が終了するときに、管理PC46は、例えば、当該駐車券紛失救済処理において送信釦アイコン108のクリックに応じて出口精算機26に送信した撮像時刻情報に関連付けられた入場車番情報に付された処理済みフラグをONにする。そして、管理PC46は、次回以降の駐車券紛失救済処理において、データベースの検索を行う際、この検索の範囲から、処理済みフラグがONになっている入場車番情報を除外する。これにより、検索範囲が小さくなるので、検索効率を高めることができる。また、このように処理済みフラグがONになっている入場車番情報を除外することにより、すでに駐車場5を出場してしまっている車両についての入場車番情報が検索により特定され、この入場車番情報が示す入場車番や、その入場車番情報に関連付けられた入場車両画像が候補車両表示領域106等に表示されることを防止することができる。これにより、オペレータが、出場車両と一致する入場車両を検討する際の負担を軽減することができる。
【0115】
また、データベース45に保存された入場車番情報、入場駐車場情報および撮像時刻情報、並びにファイル保存装置44に保存された入場車両画像等は、保存されてから所定の期間(例えば1週間)経過したときに自動的に削除され、または、履歴保存用データベースが存在する場合には、その履歴保存用データベースに移される。また、データベース45に保存された出場車番情報、出場駐車場情報および撮像時刻情報、並びにファイル保存装置44に保存された出場車両画像等は、保存されてから所定の期間(例えば1日)経過したときに自動的に削除され、または、履歴保存用データベースが存在する場合には、その履歴保存用データベースに移される。これにより、管理PC46によるデータベース45の検索効率の向上、オペレータが出場車両と一致する入場車両を検討する際の負担の軽減、並びにデータベース45およびファイル保存装置44の記憶領域の利用効率の向上を図ることができる。さらにオペレータの操作に応じて、履歴保存用データベースを再度検索範囲に含めたり、入場日を指定して検索することもなども可能である。
【0116】
また、駐車場5には、通信管理端末等の駐車状況認識手段が設けられ、駐車場5における駐車中の車両の台数または空き台数が駐車状況認識手段により検出され、その検出結果が遠隔管理センタ9の管理PC46に送信される。管理PC46が駐車状況認識手段から送信された検出結果に基づいて、駐車場5に車両が全く駐車していないことを認識したときには、データベース45に保存されている入場車番情報、入場駐車場情報、入場車両画像の撮像時刻情報、出場車番情報、出場駐車場情報および出場車両画像の撮像時刻情報、並びにファイル保存装置44に保存された入場車両画像および出場車両画像等のすべてが自動的に削除され、または、履歴保存用データベースが存在する場合には、その履歴保存用データベースに移される。これによっても、管理PC46によるデータベース45の検索効率の向上、オペレータが出場車両と一致する入場車両を検討する際の負担の軽減、並びにデータベース45およびファイル保存装置44の記憶領域の利用効率の向上を図ることができる。
【0117】
(満車解除時における処理)
駐車場管理システム1は、入場車両が入場レーン6に進行したときに、駐車場5が満車状態であった場合を想定し、次のような機能を有している。駐車券発行機21は、駐車場5が満車状態か否かを判断する機能を備えており、駐車場5が満車状態のときには駐車券を発行せず、駐車場5が満車でない状態となったときに駐車券を発行する。このため、入場車両が入場レーン6に進行したときに駐車場5が満車状態であった場合には、入場車両は、駐車券発行機21に対応する位置に到達した後、駐車場5が満車でない状態となるまでその位置で停止して待機する。そして、駐車場5が満車でない状態になると、駐車券発行機21から駐車券が発行されるので、入場車両の運転者等がそれを受け取る。これに応じて入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aが上がるので、入場車両は、入場レーン6を駐車場内へ向かって前進する。そして、入場車両が、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aを下げることができる所定の位置(レーン遮断可能位置)に到達したとき、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Aが下がる。この場合、駐車券の磁気ストライプに記憶される入場時刻は、入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達した時刻ではなく、入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達してからしばらくの間待機し、駐車場5が満車でない状態となった時刻である。
【0118】
さて、入口カメラユニット25は、駐車場5が満車状態であるために入場車両が駐車券発行機21に対応する位置で待機することとなる場合でも、上述したように、入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達し、駐車券発行機21の車両検知器35からのトリガ信号がONになったときに、その時点から400m秒前の時点以後連続して行われた撮像により生成された4枚の入場車両画像を遠隔管理センタ9のファイル受信装置41へ送信する。そして、車番認識装置43は、ファイル受信装置41からこれら4枚の入場車両画像を受け取り、入場車番を認識し、入場車番情報を生成し、代表入場車両画像を選択し、入場駐車場情報を抽出する。さらに、車番認識装置43は、ファイル受信装置41から受け取った4枚の入場車両画像のうち最も撮像時刻が早い入場車両画像に付加された撮像時刻情報を抽出する。そして、入場車番情報、入場駐車場情報および撮像時刻情報はデータベース45に保存され、4枚の入場車両画像はファイル保存装置44に保存される。ここで、このようにしてデータベース45に保存された撮像時刻情報は、入場車両が駐車券発行機21に対応する位置に到達した時点の時刻である。したがって、駐車場5が満車状態から満車でない状態となるまで入場車両が入場レーン6で待機していた場合には、当該撮像時刻情報が示す時刻は、入場車両について発行された駐車券の磁気ストライプに記憶された入場時刻よりも待機時間分早くなり、待機時間が長かった場合には、両時刻は大幅に異なってしまう。上述した駐車券紛失救済処理において、この撮像時刻情報が示す時刻を駐車開始時刻として用いて駐車時間を算出するとすれば、駐車時間が待機時間分だけ長くなり、適切な駐車料金が算定されなくなってしまう。
【0119】
そこで、入口カメラユニット25は、駐車場5が満車状態から満車でない状態になって入場車両の運転者等が駐車券を受け取って入場車両が前進を開始したときに、1回撮像を行い、これにより生成された入場車両画像(以下、これを「満車解除車両画像」という。)をファイル受信装置41に送信する。そして、車番認識装置43は、ファイル受信装置41から満車解除車両画像を受け取り、満車解除車両画像を用いて車番認識処理を行うと共に、満車解除車両画像に付加された撮像時刻情報を抽出する。そして、車番認識装置43は、直前(入場車両の待機時間だけ遡った時点)にデータベース45に保存した、当該入場車両についての撮像時刻情報を、満車解除車両画像から抽出した撮像時刻情報に置き換える。そして、車番認識装置43は、必要に応じて、満車解除車両を用いて行った車番認識処理の結果に基づいて入場車番情報を修正し、満車解除車両画像をファイル保存装置44に保存する。また、直前(入場車両の待機時間だけ遡った時点)にデータベース45に保存された、当該入場車両についての所定枚数の入場車両画像と満車解除車両画像との間には関連付けが形成される。この結果、当該入場車両が出場する際に、運転者等が駐車券を紛失した場合には、上述した駐車券紛失救済処理においてオペレータによる送信釦アイコン108のクリックにより管理PCから出口精算機26に送信される撮像時刻情報は、満車解除車両画像から抽出された撮像時刻情報となる。そして、出口精算機26は、この満車解除車両画像から抽出された撮像時刻情報が示す撮像時刻を駐車開始時刻として用いて駐車時間を算出するので、算出の結果得られる駐車時間は、当該車両が入場時に満車のために入場レーンで待機した時間を含まない適切な駐車時間となる。
【0120】
ここで、駐車場5が満車状態から満車でない状態となった場合の上記処理を実現するための入口カメラユニット25の構成および動作について
図3、
図5および
図11を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、入口カメラユニット25の入力部53には、駐車券発行機21の車両検知器35からのトリガ信号に加え、駐車券発行機21からの満車解除信号が入力されている。駐車券発行機21(満車解除信号出力手段)は、駐車場5が満車でない状態で、かつ第2のループコイル24が入場車両を検知したときに満車解除信号をONにし、一方、駐車場5が満車状態であるとき、または第2のループコイル24が入場車両を検知していないときに満車解除信号をOFFにする。
【0121】
そして、
図5に示すように、駐車券発行機21の車両検知器35から出力されているトリガ信号がONであり、かつ満車解除信号がOFFである間(ステップS5:NO、ステップS6:NO)、すなわち、入場車両が駐車券発行機21に対応する位置で停止している間、入口カメラユニット25の制御部54は、通常時と同様に、撮像部51を制御し、5fpsのフレームレートで撮像を行っている。そして、満車解錠信号がONになったとき(ステップS6:YES)、入口カメラユニット25の制御部54は、満車解除信号がONになった時点から400m秒前の時点以後行われた1回の撮像により生成された1枚の入場車両画像を満車解除車両画像としてファイル受信装置41へ送信する(ステップS7)。
【0122】
満車解除車両画像が生成された時点において、入場車両と、入口カメラユニット25の撮像部51の撮像範囲Rとの位置関係は
図11に示す通りである。このように満車解除車両画像には、通常、入場車両のナンバープレートの画像は含まれないが、入場車両のボディの一部の画像や、入場車両が右ハンドルのセダン型の車両である場合には、運転者の顔Gの画像が含まれる場合が多い。
【0123】
このように、駐車場管理システム1によれば、駐車場5が満車状態であったがために入場車両が入場レーン6において待機した場合でも、駐車券紛失救済処理において適切な駐車時間を算出することができる。また、満車のために入場車両が待機した場合には、満車解除車両画像に入場車両の運転者の顔の画像が含まれている場合があり、この場合には、駐車券紛失救済処理において、オペレータは、満車解除車両画像に含まれる運転者の顔と、通信端末装置31のカメラ96により撮像された運転者の顔とを比較することができ、これらの比較結果を考慮に入れて、出場車両が入場車両と一致するか否かを判断することができる。
【0124】
なお、上述した実施形態において、入口カメラユニット25からファイル受信装置41に送信された入場車両画像に属性情報として付加された撮像時刻情報が車番認識装置43により抽出され、この撮像時刻情報が駐車券紛失救済処理において管理PC46から出口精算機26に送信され、出口精算機26による駐車料金の算出処理において駐車開始時刻として用いられる場合を例にあげた。つまり、上述した実施形態において、入場車両画像の撮像時刻を示す撮像時刻情報は、入場車両画像に属性情報として付加された撮像時刻情報である。しかし、本発明はこれに限らない。例えば、入口カメラユニット25が撮像を行った時刻を示す情報を、入場車両画像から独立した情報として入口カメラユニット25から遠隔管理センタ9に送信するようにしてもよい。また、入場車両が第1のループコイル23に検知された時刻や、駐車券発行機21の車両検知器35からトリガ信号が出力された時刻も、入口カメラユニット25が撮像を行った時刻に当たるので、入場車両が第1のループコイル23に検知された時刻を示す時刻情報、または駐車券発行機21の車両検知器35からトリガ信号が出力された時刻を示す時刻情報を撮像時刻情報として入口カメラユニット25から遠隔管理センタ9に送信するようにしてもよい。
【0125】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。