特許第5789180号(P5789180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789180
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】全差動型帰還増幅回路および電気機器
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/45 20060101AFI20150917BHJP
   H03F 3/217 20060101ALI20150917BHJP
   H03F 1/30 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   H03F3/45 Z
   H03F3/217
   H03F1/30 B
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-269576(P2011-269576)
(22)【出願日】2011年12月9日
(65)【公開番号】特開2013-121160(P2013-121160A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100122910
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 広之
(72)【発明者】
【氏名】江籠 弘嗣
【審査官】 柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−329460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/45
H03F 1/30
H03F 3/217
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、
前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、
前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、
前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段と
を具備し、
前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第2ノードに他端が接続される第1スイッチング素子と、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第3ノードに他端が接続される第2スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第3スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第5ノードに他端が接続される第4スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第6ノードに他端が接続される第5スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第6スイッチング素子と
を備え、
前記第1スイッチング素子と前記第3スイッチング素子、前記第4スイッチング素子と前記第6スイッチング素子は同時にオン・オフ状態となることを特徴とする全差動型帰還増幅回路。
【請求項2】
前記第3スイッチング素子および前記第6スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作されることを特徴とする請求項に記載の全差動型帰還増幅回路。
【請求項3】
反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、
前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、
前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、
前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段と
を具備し、
前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第2ノードに他端が接続される第1スイッチング素子と、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第3ノードに他端が接続される第2スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第7スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第5ノードに他端が接続される第4スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第6ノードに他端が接続される第5スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第8スイッチング素子と
を備え、
前記第2スイッチング素子と前記第7スイッチング素子、前記第5スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は同時にオン・オフ状態となると共に、
前記第7スイッチング素子および前記第8スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作されることを特徴とする全差動型帰還増幅回路。
【請求項4】
反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、
前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、
前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、
前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段と
を具備し、
前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、
前記反転入力端子と前記第1入力抵抗との間に接続される第9スイッチング素子と、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第7ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側に他端が接続される第10スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第11スイッチング素子と、
前記非反転入力端子と前記第2入力抵抗との間に接続される第12スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第8ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側に他端が接続される第13スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第14スイッチング素子と
を備えることを特徴とする全差動型帰還増幅回路。
【請求項5】
前記第11スイッチング素子および前記第14スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作されることを特徴とする請求項に記載の全差動型帰還増幅回路。
【請求項6】
反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、
前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、
前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、
前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段と
を具備し、
前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、
前記反転入力端子と前記第2入力抵抗との間に接続される第15スイッチング素子と、
前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第9ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側に他端が接続される第16スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第17スイッチング素子と、
前記非反転入力端子と前記第1入力抵抗との間に接続される第18スイッチング素子と、
前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第10ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側に他端が接続される第19スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第20スイッチング素子と
を備えることを特徴とする全差動型帰還増幅回路。
【請求項7】
前記第17スイッチング素子および前記第20スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作されることを特徴とする請求項に記載の全差動型帰還増幅回路。
【請求項8】
前記スイッチング素子は、トランジスタ、IGBT、サイリスタ、トライアックの何れかで構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の全差動型帰還増幅回路。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の全差動型帰還増幅回路を搭載したことを特徴とする電気機器。
【請求項10】
反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、
前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、
前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、
前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段と
を具備し、
前記切換手段は、
前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第3スイッチング素子と、
前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第6スイッチング素子と
を備え、
前記第3スイッチング素子および前記第6スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作されることを特徴とする全差動型帰還増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全差動型帰還増幅回路および電気機器に係り、特に同相信号除去比およびバイアス電圧に対する変動除去比を改善することのできる全差動型帰還増幅回路および電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
差動増幅回路には、差動入力で単相出力を行う単一出力型と、差動入力で差動出力を行う全差動型とがある。全差動型は、複雑な伝達関数を比較的簡単に実現することができ、しかも雑音に強いという特性を有している。
【0003】
LSI等の集積回路の中では、原則としてアナログ信号は差動伝送(位相が180度異なる信号をペアで伝送)を行っている。即ち、差動伝送はシングル伝送に比べて、信号振幅を小さくできる分、データ伝送速度を高速にすることができ、また、コモンモード雑音(同相雑音)に強いなどの利点を有する。そのため、各種集積回路においては、差動伝送に合わせた非反転入力端子、反転入力端子および非反転出力端子、反転出力端子を有する全差動型増幅回路(全差動型オペアンプ)が使用される。
【0004】
この全差動型オペアンプによれば、減算機能によって同相誤差や直流電圧の時間的変動等の直流誤差の相殺をすることができる。即ち、入力信号の差をとることでノイズ分を相殺することができる。
【0005】
全差動型オペアンプにおいては、同相信号を出力から入力へ帰還パスを介してフィードバックすることによりコモンモード電圧を制御している。
【0006】
全差動型オペアンプに関する技術は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−195189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
全差動型オペアンプの同相信号除去比(CMRR:Common-Mode Rejection Ratio)は、2つの帰還パスの抵抗マッチング誤差に比例する。
【0009】
ここで、抵抗マッチングとは、出力抵抗と入力抵抗とを整合させることをいう。また、CMRRとは、全差動型オペアンプなどにおける2つの入力に共通する入力信号を除去する傾向の尺度をいう。
【0010】
そして、例えば抵抗マッチング誤差0.1%の場合には、CMRRは60dBとなる。そのため、CMRRを向上させるには、抵抗マッチング誤差を小さくする必要がある。
【0011】
しかし、例えばLSIにおいて、抵抗マッチング誤差を小さくするには、抵抗素子のずれ成分を低減させるためにチップ面積を大きくする必要があり、LSIの小型化の要請と反するという問題があった。
【0012】
また、LSI個々における抵抗素子のサンプルのマッチング誤差によって、数dB〜数10dBのバラつきが発生するという問題もある。
【0013】
なお、バイアス電圧に対する変動除去比(PSRR:Power Supply Rejection Ratio)についても、前記CMRRと同様の問題があった。PSRRとは、電源電圧の変化によって、出力オフセット電圧が増減する割合を表す値をいう。
【0014】
本発明の目的は、同相信号除去比およびバイアス電圧に対する変動除去比を改善することのできる全差動型帰還増幅回路および電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを具備し、前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第2ノードに他端が接続される第1スイッチング素子と、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第3ノードに他端が接続される第2スイッチング素子と、前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第3スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第5ノードに他端が接続される第4スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第6ノードに他端が接続される第5スイッチング素子と、前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第6スイッチング素子とを備え、前記第1スイッチング素子と前記第3スイッチング素子、前記第4スイッチング素子と前記第6スイッチング素子は同時にオン・オフ状態となる全差動型帰還増幅回路が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを具備し、前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第2ノードに他端が接続される第1スイッチング素子と、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第1ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第3ノードに他端が接続される第2スイッチング素子と、前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第7スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側の第5ノードに他端が接続される第4スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第4ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側の第6ノードに他端が接続される第5スイッチング素子と、前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第8スイッチング素子とを備え、前記第2スイッチング素子と前記第7スイッチング素子、前記第5スイッチング素子と前記第8スイッチング素子は同時にオン・オフ状態となると共に、前記第7スイッチング素子および前記第8スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作される全差動型帰還増幅回路が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを具備し、前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、前記反転入力端子と前記第1入力抵抗との間に接続される第9スイッチング素子と、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第7ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側に他端が接続される第10スイッチング素子と、前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第11スイッチング素子と、前記非反転入力端子と前記第2入力抵抗との間に接続される第12スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第8ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側に他端が接続される第13スイッチング素子と、前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第14スイッチング素子とを備える全差動型帰還増幅回路が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを具備し、前記切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子で構成されるものであって、前記反転入力端子と前記第2入力抵抗との間に接続される第15スイッチング素子と、前記第1帰還回路の前記反転入力端子側の第9ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記非反転入力端子側に他端が接続される第16スイッチング素子と、前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第17スイッチング素子と、前記非反転入力端子と前記第1入力抵抗との間に接続される第18スイッチング素子と、前記第2帰還回路の前記非反転入力端子側の第10ノードに一端が接続され、前記増幅回路の前記反転入力端子側に他端が接続される第19スイッチング素子と、前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第20スイッチング素子とを備える全差動型帰還増幅回路が提供される。
【0016】
本発明の他の態様によれば、全差動型帰還増幅回路を搭載した電気機器が提供される。
また、本発明のさらに別の態様によれば、反転入力端子および非反転入力端子に入力された差動入力信号を増幅して反転出力端子および非反転出力端子に出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力を前記反転入力端子または前記非反転入力端子にフィードバックする第1帰還回路および第2帰還回路と、前記第1帰還回路および前記第2帰還回路が備える第1帰還抵抗および第2帰還抵抗の対と、前記反転入力端子および前記非反転入力端子にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗および第2入力抵抗の対と、前記第1帰還抵抗および前記第2帰還抵抗の対と、前記第1入力抵抗および前記第2入力抵抗の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを具備し、前記切換手段は、前記増幅回路の前記非反転出力端子側と前記第1帰還回路との間に接続される第3スイッチング素子と、前記増幅回路の前記反転出力端子側と前記第2帰還回路との間に接続される第6スイッチング素子とを備え、前記第3スイッチング素子および前記第6スイッチング素子は、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータによってオン・オフ動作される全差動型帰還増幅回路が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、同相信号除去比およびバイアス電圧に対する変動除去比を改善することのできる全差動型帰還増幅回路および当該回路を搭載した電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の概略構成を示す回路図、(b)第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の変形例を示す回路図。
図2】第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路に関する波形であって、(a)は三角波信号の波形、(b)は出力されるPWMの波形、(c)はクロック信号の波形を示す図。
図3】比較例に係る全差動型帰還増幅回路の概略構成を示す回路図。
図4】第1の実施の形態または第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合の出力信号(A)と、比較例に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合の出力信号(B)を示すグラフ。
図5】比較例に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合においてブリッジ接続負荷をかけた場合の出力信号を示すグラフ。
図6】比較例に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合においてブリッジ接続負荷をかけた場合の測定結果の例であって、(a)は、非反転入力端子に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形、(b)は、反転入力端子に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形、(c)は、非反転入力端子に入力される入力波の波形、(d)は、反転入力端子に入力される入力波の波形を示すグラフ。
図7】第1の実施の形態または第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合においてブリッジ接続負荷をかけた場合の出力信号を示すグラフ。
図8】第1の実施の形態または第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路を適用した場合においてブリッジ接続負荷をかけた場合の測定結果の例であって、(a)は、非反転入力端子に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形、(b)は、反転入力端子に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形、(c)は、非反転入力端子に入力される入力波の波形、(d)は、反転入力端子に入力される入力波の波形を示すグラフ。
図9】(a)第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の概略構成を示す回路図、(b)第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の変形例を示す回路図。
図10】(a)第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の概略構成を示す回路図、(b)第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の変形例を示す回路図。
図11】(a)第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の概略構成を示す回路図、(b)第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路の変形例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0020】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0021】
[実施の形態]
(第1の実施の形態)
図1(a)に示す回路図を参照して、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の概略構成について説明する。
【0022】
第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1は、音声信号などの差動入力信号が入力される反転入力端子13および非反転入力端子14と、出力信号を出力する非反転出力端子15および反転出力端子16と、反転入力端子13および非反転入力端子14に入力された差動入力信号(Vi(−)およびVi(+))を増幅して非反転出力端子15および反転出力端子16に出力する増幅回路(オペアンプ)10と、増幅回路10の出力を反転入力端子13または非反転入力端子14にフィードバックする第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bと、第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bが備える第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対(ペア)と、反転入力端子13および非反転入力端子14にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対と、第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対と、第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを備える。
【0023】
切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子S1〜S6を備えている。
【0024】
スイッチング素子としては、特には限定されないが、トランジスタ(MOSFET等)、IGBT、サイリスタ、トライアックなどの何れかで構成することができる。
【0025】
全差動型帰還増幅回路1における具体的なスイッチング素子S1〜S6は、図1(a)に示すように、第1帰還回路20aの反転入力端子13側の第1ノードN1に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子13側の第2ノードN2に他端が接続される第1スイッチング素子S1と、第1帰還回路20aの反転入力端子13側の第1ノードN1に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子14側の第3ノードN3に他端が接続される第2スイッチング素子S2と、増幅回路10の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間に接続される第3スイッチング素子S3と、第2帰還回路20bの非反転入力端子14側の第4ノードN4に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子14側の第5ノードN5に他端が接続される第4スイッチング素子S4と、第2帰還回路20bの非反転入力端子14側の第4ノードN4に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子13側の第6ノードN6に他端が接続される第5スイッチング素子S5と、増幅回路10の反転出力端子16側と第2帰還回路20bとの間に接続される第6スイッチング素子S6とを備える。
【0026】
そして、第1スイッチング素子S1と第3スイッチング素子S3、第4スイッチング素子S4と第6スイッチング素子S6は同時にオン・オフ状態となるように制御される。
【0027】
また、図1(a)に示すように、増幅回路10の非反転出力端子15側および反転出力端子16側には、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータ11、12が設けられ、このコンパレータ11、12によって第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6がオン・オフ動作される。
【0028】
なお、反転入力端子13には入力信号Vi(−)が、非反転入力端子14には入力信号Vi(+)が入力され、非反転出力端子15からは出力信号Vo(+)が、反転出力端子16からは出力信号Vo(−)が出力される。
【0029】
図2(a)にコンパレータ11、12に入力される三角波信号(TRI)の波形例を、図2(b)に非反転出力端子15および反転出力端子16から出力されるパルス幅変調されたPWM(Pulse Width Modulation)の出力波形の例を、図2(c)に第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6がオン・オフ動作されるタイミングの基準となるクロック信号(CLK)の波形例を示す。
【0030】
なお、PWMの矩形状の波形は、例えば入力信号としての音声信号を三角波信号(TRI)によって切り取るパルス幅変調の方式によって得られる。
【0031】
図2に示すように、クロック信号(CLK)は、三角波信号(TRI)の1/2の周波数となる。即ち、クロック信号(CLK)は、三角波信号(TRI)がハイ(H)となるタイミングt1、t2、t3、t4・・・で立上り、立下りする波形となる。例えば、所定の三角波発振回路によって周波数300kHzの三角波信号(TRI)を生成した場合に、クロック信号(CLK)は周波数150kHzのパルス信号となる。なお、クロック信号(CLK)は、三角波信号(TRI)の1/2に限らず、1/2以下であれば良い。
【0032】
そして、コンパレータ11、12からのパルス信号の立ち上がりエッジもしくは立ち下がりエッジに基づいて第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6がオン・オフ動作される。
【0033】
また、第1スイッチング素子S1および第4スイッチング素子S4は、第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6と同じタイミングでオン・オフ動作され、第2スイッチング素子S2および第5スイッチング素子S5は、例えば逆のタイミングでオン・オフ動作される。
【0034】
これにより、第1帰還抵抗Rf1と第2帰還抵抗Rf2が所定のタイミングで切り換えられ、第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bの電圧利得を同相信号に対して平均化することができる。そして、第1帰還抵抗Rf1と第2帰還抵抗Rf2の抵抗マッチング誤差が全差動型帰還増幅回路1の特性に与える影響を大幅に減少させることができる。
【0035】
即ち、各入力、出力間のゲインが平均化されることで、同相信号に対する電圧利得は、スイッチング素子S1〜S6の抵抗が無視できるとすれば、第1帰還回路20aの第1帰還抵抗Rf1と、第2帰還回路20bの第2帰還抵抗Rf2との抵抗マッチングに誤差がある場合であっても−∞とみなすことができる。そのため、抵抗マッチング誤差による影響を実質的に受けなくなり、同相信号除去比(CMRR)を改善することができる。
【0036】
また、バイアス電圧に対する変動除去比(PSRR)についても、バイアス電圧に対する信号利得が−∞とみなすことができるため、同様に改善することができる。
【0037】
これにより、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1をD級アンプに適用した場合に、スピーカから出力される音声のノイズを低減することができる。
【0038】
(第1の実施の形態の変形例)
図1(b)に示す回路図を参照して、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の変形例の概略構成について説明する。なお、図1(a)に示す回路図と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0039】
図1(b)に示す回路図では、図1(a)に示す回路図における第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6に代えて、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3a、コンパレータ12の反転出力端子16と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3b、コンパレータ12の反転出力端子16と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6a、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6bが設けられている。
【0040】
また、増幅回路10は一対の位相補償用コンデンサC20、C21を備えている。
【0041】
なお、スイッチング素子S3aとS3b、スイッチング素子S6aとS6bは、クロック信号(CLK)によって交互にオン・オフ動作される。
【0042】
図1(b)に示す回路図によっても図1(a)に示す回路図と同様の効果を得ることができる。
【0043】
即ち、各入力、出力間のゲインが平均化されることで、同相信号に対する電圧利得は、スイッチング素子S1〜S5、S3a、S3b、S6a、S6bの抵抗が無視できるとすれば、第1帰還回路20aの第1帰還抵抗Rf1と、第2帰還回路20bの第2帰還抵抗Rf2との抵抗マッチングに誤差がある場合であっても、−∞とみなすことができる。そのため、抵抗マッチング誤差による影響を実質的に受けなくなり、同相信号除去比(CMRR)を改善することができる。
【0044】
また、バイアス電圧に対する変動除去比(PSRR)についても、バイアス電圧に対する信号利得が−∞とみなすことができるため、同様に改善することができる。
【0045】
これにより、図1(b)に示す全差動型帰還増幅回路1をD級アンプに適用した場合にも、スピーカから出力される音声のノイズを低減することができる。
【0046】
(比較例)
ここで、比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aについて図3を参照して説明する。
【0047】
比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aは、図3に示すように、音声信号などの差動入力信号が入力される反転入力端子100および非反転入力端子101、出力信号を出力する非反転出力端子102および反転出力端子103、反転入力端子100および非反転入力端子101に入力された差動入力信号(Vi(−)およびVi(+))を増幅して非反転出力端子102および反転出力端子103に出力する増幅回路(オペアンプ)200と、増幅回路200の出力を反転入力端子100側または非反転入力端子101側にフィードバックする2系統の第1帰還回路201aおよび第2帰還回路201bとを備える。
【0048】
また、反転入力端子100と増幅回路200との間には第1入力抵抗Ri1が、非反転入力端子101と増幅回路200との間には第2入力抵抗Ri2が設けられている。
【0049】
また、第1帰還回路201aには第1帰還抵抗Rf1が、第2帰還回路201bには第2帰還抵抗Rf2がそれぞれ設けられている。
【0050】
なお、増幅回路200に示すVcomは、非反転出力端子102とゼロボルト間の電位差に相当する同相電圧(コモン電圧)である。
【0051】
比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aにおいて、同相信号除去比(CMRR)は、第1入力抵抗Ri1および第1帰還抵抗Rf1と、第2入力抵抗Ri2と第2帰還抵抗Rf2の抵抗マッチング誤差によって決定される。
【0052】
即ち、CMRR=20log(1−(Ri1/(Ri1+Rf1))/(Ri2/(Ri2+Rf2))
但し、Ri1+Rf1<Ri2+Rf2と表される。
【0053】
また、PSRR=20log(1−(Ri1/(Ri1+Rf1))/(Ri2/(Ri2+Rf2))
但し、Ri1+Rf1<Ri2+Rf2と表される。
【0054】
比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aにおいて、例えば抵抗マッチング誤差が0.1%の場合には、CMRRは60dBとなる。そのため、CMRRを向上させるには、抵抗マッチング誤差を小さくする必要があった。
【0055】
次に、図4図8のグラフを参照して、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1による出力波形と比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aによる出力波形との比較について述べる。
【0056】
図4図5および図7に示す波形は、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1における増幅回路10および比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aの増幅回路200からの出力信号Voのシミュレーションによる出力波形である。ここで、第1帰還抵抗Rf1と第2帰還抵抗Rf2とをそれぞれ160kΩとすると共に、抵抗マッチング誤差として1kΩを第1帰還抵抗Rf1と第2帰還抵抗Rf2の何れかに挿入した。また、三角波の周波数を300kHz、クロック周波数を150kHzとし、また、入力信号周波数を1kHzとした。
【0057】
図4および図7において、波形(A)は第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1による出力波形を示す。
【0058】
図4および図5において、波形(B)は比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aによる出力波形を示す。
【0059】
また、図6は、比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aを適用した場合においてブリッジ接続負荷(BTL:Bridge Tied Load)をかけた場合の測定結果を示すグラフであり、図6(a)は、図6(c)に示す非反転入力端子101(図3参照)に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形を、図6(b)は、図6(d)に示す反転入力端子100(図3参照)に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形を示す。
【0060】
また、図8は、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1を適用した場合においてブリッジ接続負荷(BTL)をかけた場合の測定結果を示すグラフであり、図8(a)は、図8(c)に示す反転入力端子13(図1参照)に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形を、図8(b)は、図8(d)に示す非反転入力端子14(図1参照)に入力される入力波に対応する出力PWMをローパスフィルタで復調した波形を示す。
【0061】
図4および図7に示す波形(B)から分かるように、同相信号成分が現れており、出力信号Voのピーク間電圧は3.2mV、CMRRは50dBであった。
【0062】
一方、図4および図7に示す波形(A)は、微小なノイズ(スイッチングノイズ)はあるものの略0Vに沿った直線部分を多く有しており、1kHz成分は略消えている。
【0063】
また、図6に示すように、比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aを適用した場合における復調出力および図8に示す全差動型帰還増幅回路1を適用した場合における復調出力は共に約1.8Vである。
【0064】
以上のように、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1によれば、同相信号がキャンセルされてCMRRは無限小となっており、比較対象としての全差動型帰還増幅回路1aによる場合と比較して、CMRRを向上させることができる。また、同様にPSRRを向上させることができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
図9(a)に示す回路図を参照して、第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の概略構成について説明する。
【0066】
第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1は、音声信号などの差動入力信号が入力される反転入力端子13および非反転入力端子14と、出力信号を出力する非反転出力端子15および反転出力端子16と、反転入力端子13および非反転入力端子14に入力された差動入力信号(Vi(−)およびVi(+))を増幅して非反転出力端子15および反転出力端子16に出力する増幅回路(オペアンプ)10と、増幅回路10の出力を反転入力端子13または非反転入力端子14にフィードバックする第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bと、第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bが備える第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対(ペア)と、反転入力端子13および非反転入力端子14にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対と、第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対と、第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを備える。
【0067】
切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子S1〜S4、S7およびS8を備えている。
【0068】
また、増幅回路10は一対の位相補償用コンデンサC20、C21を備えている。
【0069】
全差動型帰還増幅回路1における具体的なスイッチング素子S1〜S4、S7およびS8は、図9(a)に示すように、第1帰還回路20aの反転入力端子13側の第1ノードN1に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子13側の第2ノードN2に他端が接続される第1スイッチング素子S1と、第1帰還回路20aの反転入力端子13側の第1ノードN1に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子14側の第3ノードN3に他端が接続される第2スイッチング素子S2と、増幅回路10の非反転出力端子15側と第2帰還回路20bとの間に接続される第7スイッチング素子S7と、第2帰還回路20bの非反転入力端子14側の第4ノードN4に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子14側の第5ノードN5に他端が接続される第4スイッチング素子S4と、第2帰還回路20bの非反転入力端子14側の第4ノードN4に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子13側の第6ノードN6に他端が接続される第5スイッチング素子S5と、増幅回路10の反転出力端子16側と第1帰還回路20aとの間に接続される第8スイッチング素子S8とを備える。
【0070】
そして、第2スイッチング素子S2と第7スイッチング素子S7、第5スイッチング素子S5と第8スイッチング素子S8は同時にオン・オフ状態となるように制御される。
【0071】
また、図9(a)に示すように、増幅回路10の非反転出力端子15側および反転出力端子16側には、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータ11、12が設けられている。
【0072】
第3スイッチング素子S3および第6スイッチング素子S6は、クロック信号(CLK)によってオン・オフ動作される。
【0073】
なお、反転入力端子13には入力信号Vi(−)が、非反転入力端子14には入力信号Vi(+)が入力され、非反転出力端子15からは出力信号Vo(+)が、反転出力端子16からは出力信号Vo(−)が出力される。
【0074】
また、コンパレータ11、12について三角波(TRI)を用いた制御手法は、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の場合と同様である(図2等参照)。
【0075】
第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1によっても、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1と同等の効果を得ることができる。即ち、図3に示す比較対象としての全差動型帰還増幅回路1aによる場合と比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0076】
(第2の実施の形態の変形例)
図9(b)に示す回路図を参照して、第2の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の変形例の概略構成について説明する。なお、図9(a)に示す回路図と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0077】
図9(b)に示す回路図では、図9(a)に示す回路図における第7スイッチング素子S7および第8スイッチング素子S8に代えて、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3a、コンパレータ12の反転出力端子16と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3b、コンパレータ12の反転出力端子16と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6a、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6bが設けられている。
【0078】
なお、スイッチング素子S3aとS3b、スイッチング素子S6aとS6bは、クロック信号(CLK)によって交互にオン・オフ動作される。
【0079】
図9(b)に示す回路図によっても図9(a)に示す回路図と同様の効果を得ることができる。
【0080】
即ち、図3に示す比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aと比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0081】
(第3の実施の形態)
図10(a)に示す回路図を参照して、第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の概略構成について説明する。
【0082】
第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1は、音声信号などの差動入力信号が入力される反転入力端子17および非反転入力端子18、出力信号を出力する非反転出力端子15および反転出力端子16、反転入力端子17および非反転入力端子18に入力された差動入力信号(Vi(−)およびVi(+))を増幅して非反転出力端子15および反転出力端子16に出力する増幅回路(オペアンプ)10と、増幅回路10の出力を反転入力端子13または非反転入力端子14にフィードバックする第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bと、第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bが備える第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対(ペア)と、反転入力端子13および非反転入力端子14にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対と、第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対と、第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを備える。
【0083】
切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子S9〜S14を備えている。
【0084】
全差動型帰還増幅回路1における具体的なスイッチング素子S9〜S14は、図10(a)に示すように、反転入力端子17と第1入力抵抗Ri1との間に接続される第9スイッチング素子S9と、第1帰還回路20aの反転入力端子17側の第7ノードN7に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子17側に他端が接続される第10スイッチング素子S10と、増幅回路10の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間に接続される第11スイッチング素子S11と、非反転入力端子18と第2入力抵抗Ri2との間に接続される第12スイッチング素子S12と、第2帰還回路20bの非反転入力端子18側の第8ノードN8に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子18側に他端が接続される第13スイッチング素子S13と、増幅回路10の反転出力端子16側と第2帰還回路20bとの間に接続される第14スイッチング素子S14とを備える。
【0085】
また、図10(a)に示すように、増幅回路10の非反転出力端子15側および反転出力端子16側には、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータ11、12が設けられ、このコンパレータ11、12によって第11スイッチング素子S11および第14スイッチング素子S14がオン・オフ動作される。
【0086】
なお、反転入力端子17には入力信号Vi(−)が、非反転入力端子18には入力信号Vi(+)が入力され、非反転出力端子15からは出力信号Vo(+)が、反転出力端子16からは出力信号Vo(−)が出力される。
【0087】
また、コンパレータ11、12について三角波(TRI)を用いた制御手法は、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の場合と同様である(図2等参照)。
【0088】
第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1によれば、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1と同等以上の効果を得ることができる。即ち、図3に示す比較対象としての全差動型帰還増幅回路1aによる場合と比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0089】
(第3の実施の形態の変形例)
図10(b)に示す回路図を参照して、第3の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の変形例の概略構成について説明する。なお、図10(a)に示す回路図と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0090】
図10(b)に示す回路図では、図10(a)に示す回路図における第9スイッチング素子S9と第12スイッチング素子S12に代えて、反転入力端子17と第2入力抵抗Ri2との間のスイッチング素子S21、非反転入力端子18と第1入力抵抗Ri1との間のスイッチング素子S22が設けられている。
【0091】
また、第11スイッチング素子S11および第14スイッチング素子S14に代えて、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3a、コンパレータ12の反転出力端子16と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3b、コンパレータ12の反転出力端子16と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6a、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6bが設けられている。
【0092】
図10(b)に示す回路図によっても図10(a)に示す回路図と同様の効果を得ることができる。
【0093】
即ち、図3に示す比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aと比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0094】
(第4の実施の形態)
図11(a)に示す回路図を参照して、第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の概略構成について説明する。
【0095】
第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1は、音声信号などの差動入力信号が入力される反転入力端子17および非反転入力端子18、出力信号を出力する非反転出力端子15および反転出力端子16、反転入力端子17および非反転入力端子18に入力された差動入力信号(Vi(−)およびVi(+))を増幅して非反転出力端子15および反転出力端子16に出力する増幅回路(オペアンプ)10と、増幅回路10の出力を反転入力端子13または非反転入力端子14にフィードバックする第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bと、第1帰還回路20aおよび第2帰還回路20bが備える第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対(ペア)と、反転入力端子13および非反転入力端子14にそれぞれ直列接続される第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対と、第1帰還抵抗Rf1および第2帰還抵抗Rf2の対と、第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2の対の少なくとも一方の対を所定のタイミングで切り換える切換手段とを備える。
【0096】
切換手段は、所定のスイッチング周波数に基づいてオン・オフされるスイッチング素子S15〜S20を備えている。
【0097】
全差動型帰還増幅回路1における具体的なスイッチング素子S15〜S20は、図11(a)に示すように、反転入力端子17と第2入力抵抗Ri2との間に接続される第15スイッチング素子S15と、第1帰還回路20aの反転入力端子17側の第9ノードN9に一端が接続され、増幅回路10の非反転入力端子18側に他端が接続される第16スイッチング素子S16と、増幅回路10の反転出力端子16側と第2帰還回路20bとの間に接続される第17スイッチング素子S17と、非反転入力端子18と第1入力抵抗Ri1との間に接続される第18スイッチング素子S18と、第2帰還回路20bの非反転入力端子18側の第10ノードN10に一端が接続され、増幅回路10の反転入力端子17側に他端が接続される第19スイッチング素子S19と、増幅回路10の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間に接続される第20スイッチング素子S20とを備える。
【0098】
また、図11(a)に示すように、増幅回路10の非反転出力端子15側および反転出力端子16側には、所定の周波数の三角波信号が入力されるコンパレータ11、12が設けられている。
【0099】
第17スイッチング素子S17および第20スイッチング素子S20は、クロック信号(CLK)によってオン・オフ動作される。
【0100】
なお、反転入力端子17には入力信号Vi(−)が、非反転入力端子18には入力信号Vi(+)が入力され、非反転出力端子15からは出力信号Vo(+)が、反転出力端子16からは出力信号Vo(−)が出力される。
【0101】
また、コンパレータ11、12について三角波(TRI)を用いた制御手法は、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の場合と同様である(図2等参照)。
【0102】
第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1によれば、第1の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1と同等以上の効果を得ることができる。即ち、図3に示す比較対象としての全差動型帰還増幅回路1aによる場合と比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0103】
(第4の実施の形態の変形例)
図11(b)に示す回路図を参照して、第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1の変形例の概略構成について説明する。なお、図11(a)に示す回路図と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0104】
図11(b)に示す回路図では、図11(a)に示す回路図における第15スイッチング素子S15と第16スイッチング素子S16、第18スイッチング素子S18と第19スイッチング素子S19に代えて、反転入力端子17と第1入力抵抗Ri1との間のスイッチング素子S25、非反転入力端子18と第2入力抵抗Ri2との間のスイッチング素子S26、第1入力抵抗Ri1と増幅回路10の反転入力端子17側との間のスイッチング素子S27、第2入力抵抗Ri2と増幅回路10の非反転入力端子18側との間のスイッチング素子S28が設けられている。
【0105】
また、第11スイッチング素子S11および第14スイッチング素子S14に代えて、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3a、コンパレータ12の反転出力端子16と第1帰還回路20aとの間のスイッチング素子S3b、コンパレータ12の反転出力端子16と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6a、コンパレータ11の非反転出力端子15側と第2帰還回路20bとの間のスイッチング素子S6bが設けられている。
【0106】
なお、スイッチング素子S3aとS3b、スイッチング素子S6aとS6bは、クロック信号(CLK)によって交互にオン・オフ動作される。
【0107】
図11(b)に示す回路図によっても図11(a)に示す回路図と同様の効果を得ることができる。
【0108】
即ち、図3に示す比較例に係る全差動型帰還増幅回路1aと比較して、CMRRおよびPSRRを向上させることができる。
【0109】
(応用例)
第1から第4の実施の形態に係る全差動型帰還増幅回路1は、オーディオアンプ、スピーカーアンプ、オーディオ関連の各種電気機器に利用可能である。
【0110】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0111】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【0112】
例えば、第1入力抵抗Ri1および第2入力抵抗Ri2をスイッチング素子によって所定のタイミングで切り換えるようにしても良い。
【0113】
また、本発明の構成をスイッチトキャパシタに応用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の全差動型帰還増幅回路は、D級アンプ、当該D級アンプを搭載したオーディオアンプ、スピーカーアンプ、オーディオ関連の各種電気機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1…全差動型帰還増幅回路
C20、C21…位相補償用コンデンサ
N1〜N10…ノード
Rf1…第1帰還抵抗
Rf2…第2帰還抵抗
Ri1…第1入力抵抗
Ri2…第2入力抵抗
S1〜S26、S3a、S3b、S6a、S6b…スイッチング素子
10、200…増幅回路
11、12…コンパレータ
13、17…反転入力端子
14、18、100、101…非反転入力端子
15、102…非反転出力端子
16、103…反転出力端子
20a、201a…第1帰還回路
20b、201b…第2帰還回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11