特許第5789215号(P5789215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789215
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150917BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20150917BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150917BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20150917BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20150917BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150917BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V17/00 251
   F21V19/00 450
   H01L33/00 L
   F21V17/10 100
   F21Y101:02
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-82327(P2012-82327)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-211233(P2013-211233A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健悟
(72)【発明者】
【氏名】古木 俊信
(72)【発明者】
【氏名】上野 忠篤
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 徳晃
(72)【発明者】
【氏名】林 唯男
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−44306(JP,A)
【文献】 特開2011−233359(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3151501(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3152991(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 17/00
F21V 17/10
F21V 19/00
H01L 33/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源として発光ダイオードを備える光源モジュールが収容された光源収容体と、光源からの光を反射する反射板と、軸線方向が長手となるように形成されて光源からの光を拡散させつつ透過させる筒状体と、光源収容体、反射板、及び、筒状体を連結する連結体とを備え、
前記光源収容体は、前記筒状体の軸線に対して直交する断面形状が凹状となるように形成されて光源モジュールを収容する収容体凹部と、該収容体凹部の開放方向に位置する端部から外方に延設された収容体フランジ部とを備え、
前記反射板は、対向するように配置されて対向方向に対して外方に傾斜するように形成された一対の反射壁部と、各反射壁部の傾斜方向に位置する両端部のうち外方に位置する一端部から外方に延設された一対の反射板フランジ部とを備え、
光源収容体及び反射板は、収容体凹部内に一対の反射壁部が収容された状態で、一対の反射壁部の間に光源が突出すると共に、収容体フランジ部と反射板フランジ部とが重なり合うように構成されており、
前記連結体は、重なり合う収容体フランジ部及び反射板フランジ部を挿入するフランジ挿入部と、筒状体の内面から突出する筒状体突出部を挿入する突出部挿入部とを備え、
重なり合う収容体フランジ部及び反射板フランジ部がフランジ挿入部に挿入されることで光源収容体及び反射板が連結体によって連結されると共に、連結された光源収容体及び反射板が筒状体の軸線に沿って筒状体内に収容された状態で、筒状体突出部が突出部挿入部に挿入されて光源収容体及び反射板が連結体によって筒状体に連結されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記反射板フランジ部は、光源収容体および反射板が連結体によって連結された状態で、反射壁部側の端部が反射壁部よりも一対の反射壁部の対向方向側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記反射板は、反射板フランジ部となる部位を識別する識別部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記収容体フランジ部と反射板フランジ部とは、重なった状態で凹凸嵌合するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射板は、連結体によって光源収容体と連結された状態で、光源モジュールとの間に空間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射板は、熱可塑性樹脂シートが熱成形されてなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源として発光ダイオードを備える光源モジュールが収容された光源収容体と、光源からの光を反射する反射板と、光源からの光を拡散させつつ透過させる筒状体と、光源収容体、反射板、及び、筒状体を連結する連結体とを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)を光源として用いた照明装置は、一般に、蛍光灯や白熱電球に比べてエネルギー効率が高く、長寿命であることからその用途を急速に拡大させている。しかし、LEDから照射される光は、指向性が高く、そのままの状態では、局部的に強い光を照射することになる。このため、一定以上の光量をある程度の面積にわたって照射させるためには、LEDから照射される光を拡散させることが必要となる。
【0003】
LEDからの光を拡散させる方法として、光の反射性に優れた平板状の材料に、凹部(以下、反射板凹部とも記す)を形成し、該反射板凹部の底部に形成された開口部から反射板凹部内にLEDを突出させ、反射板凹部の内面にLEDの光を反射させて拡散させることが提案されている。このような反射板を備えた照明装置としては、面状に配置された複数のLEDを備える光源モジュールと、該光源モジュールを覆うように形成された反射板と、反射板を覆うように形成されて光源からの光を拡散させつつ透過させる拡散板とを備えたものが提案されている。斯かる照明装置では、光源モジュールのLEDに対応する位置に反射板凹部が形成されており、各反射板凹部内に突出したLEDから照射される光と反射板によって反射された光とが拡散板で拡散されつつ拡散板を通過するため、一定以上の光量を面状の領域から照射させることが可能となっている(下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2007/037035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような照明装置は、複数のLEDが面状に配置されているため、大型なものとなり、設置するスペースに制限がある。また、光源モジュール、反射板、及び、拡散板が大型なもとになるため、照明装置を製造する際に、各部材が扱い難くなると共に、各部材を順次重ねて固定する必要があるため、照明装置の製造を効率的に行うことが出来ない。
【0006】
そこで、本発明は、LEDを光源として用いた照明装置であって、より小型であると共に、容易に製造することができる照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、光源として発光ダイオードを備える光源モジュールが収容された光源収容体と、光源からの光を反射する反射板と、軸線方向が長手となるように形成されて光源からの光を拡散させつつ透過させる筒状体と、光源収容体、反射板、及び、筒状体を連結する連結体とを備え、前記光源収容体は、前記筒状体の軸線に対して直交する断面形状が凹状となるように形成されて光源モジュールを収容する収容体凹部と、該収容体凹部の開放方向に位置する端部から外方に延設された収容体フランジ部とを備え、前記反射板は、対向するように配置されて対向方向に対して外方に傾斜するように形成された一対の反射壁部と、各反射壁部の傾斜方向に位置する両端部のうち外方に位置する一端部から外方に延設された一対の反射板フランジ部とを備え、光源収容体及び反射板は、収容体凹部内に一対の反射壁部が収容された状態で、一対の反射壁部の間に光源が突出すると共に、収容体フランジ部と反射板フランジ部とが重なり合うように構成されており、前記連結体は、重なり合う収容体フランジ部及び反射板フランジ部を挿入するフランジ挿入部と、筒状体の内面から突出する筒状体突出部を挿入する突出部挿入部とを備え、重なり合う収容体フランジ部及び反射板フランジ部がフランジ挿入部に挿入されることで光源収容体及び反射板が連結体によって連結されると共に、連結された光源収容体及び反射板が筒状体の軸線に沿って筒状体内に収容された状態で、筒状体突出部が突出部挿入部に挿入されて光源収容体及び反射板が連結体によって筒状体に連結されていることを特徴とする。
【0008】
斯かる構成によれば、光源収容体と反射板とが連結体によって連結されることで、光源収容体と反射板とを一体として扱うことができる。このため、光源収容体と反射板とを別々に筒状体の内側に収容する場合よりも、光源収容体及び反射板を効率的に筒状体内に収容することができ、容易に照明装置を形成することができる。また、筒状体の軸線に沿って棒状の照明装置となるため、面状に形成された場合よりも小型なものとなり、設置するのに必要なスペースを小さくすることができる。
【0009】
また、収容体凹部の内側に一対の反射壁部が収容された状態で、一対の反射壁部の間に光源が突出することで、一対の反射壁部の対向する内面は、収容体凹部の内面よりも光源に近くなる。このため、収容体凹部の内面に光反射性を付与するよりも強い光が反射されることになる。そして、一対の反射壁部が外方に向かって傾斜するように形成されていることで、一対の反射壁部の開放方向に向かって、効率的に光が反射される。
【0010】
このため、一対の反射壁部の開放方向に向かってより明るい光が照射される。そして、斯かる光が筒状体を透過しつつ拡散されることで、光源に対応した領域以外にも光が照射される。更に、一対の反射壁部の開放方向に向かって照射される光の一部は、筒状体によって反射されて再度反射板側へ向かい、反射板によって再度反射され(多重反射)、拡散される。このように、筒状体および多重反射による光の拡散によって、均一な光を照射する照明装置を得ることができる。
【0011】
また、筒状体突出部が突出部挿入部に挿入されて光源収容体及び反射板が連結体を介して筒状体内に連結されることで、筒状体の軸線を中心に照明装置を回転させて、光の照射方向を任意に設定することができる。
【0012】
更に、反射板が一対の反射壁部と一対の反射板フランジ部とから構成されていることで、収容体凹部のサイズに応じて、一対の反射壁部間の間隔を変更して用いることができる。つまり、収容体凹部のサイズに応じて、汎用的に使用可能な反射板となる。
【0013】
前記反射板フランジ部は、光源収容体および反射板が連結体によって連結された状態で、反射壁部側の端部が反射壁部よりも一対の反射壁部の対向方向側に位置していることが好ましい。
【0014】
斯かる構成によれば、反射板フランジ部における反射壁部側の端部は、収容体凹部の内面よりも光源に近い位置になる。このため、反射板フランジ部における反射壁部側の端部に連結された反射壁部も収容体凹部の内面より光源に近い位置になる。これにより、光源からの光がより強い状態で反射壁部によって反射されるため、より強い光を照射することが可能となる。
【0015】
前記反射板は、反射板フランジ部となる部位を識別する識別部を備えることが好ましい。
【0016】
斯かる構成によれば、反射板における反射板フランジ部と反射壁部とを識別することができるため、光源収容体と反射板とを連結体で連結する際に、誤って、反射板フランジ部を収容体凹部内に収容してしまうのを防止することができる。これにより、光源収容体と反射板とを連結体で連結する際の作業性を向上させることができる。
【0017】
前記収容体フランジ部と反射板フランジ部とは、重なった状態で凹凸嵌合するように構成されていることが好ましい。
【0018】
斯かる構成によれば、収容体フランジ部と反射板フランジ部とが凹凸嵌合するように構成されていることで、光源収容体と反射板とを連結体で連結する際に、光源収容体と反射板との位置決めを行うことができる。また、収容体フランジ部と反射板フランジ部とが凹凸嵌合することによって、光源収容体と反射板との連結状態を効果的に維持することができる。
【0019】
前記反射板は、連結体によって光源収容体と連結された状態で、光源モジュールとの間に空間が形成されるように構成されていることが好ましい。
【0020】
斯かる構成によれば、連結体によって光源収容体と反射板とが連結された状態で、反射板と光源モジュールとの間に空間が形成されていることで、光源モジュールから放出される熱が反射板と光源モジュールとの間の空間を伝わって放散される。このため、光源モジュールからの熱が直接反射板に伝わって、局所的に温度上昇するのが防止される。これにより、光源モジュールの電気抵抗が上昇する等の不具合を防止することができる。
【0021】
前記反射板は、熱可塑性樹脂シートが熱成形されてなることが好ましい。
【0022】
斯かる構成によれば、熱可塑性樹脂シートが熱成形されることで反射板が形成されるため、反射板の作製を容易に行うことができる。また、熱可塑性樹脂シートを折り曲げ加工する場合よりも、複雑な形状を作製し易く、折り曲げ加工によって形成される折り目による反射性の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、LEDを光源として用いた照明装置をより小型で、且つ、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る照明装置の構成物品を示した斜視図。
図2】同実施形態に係る照明装置の光源収容体を示した斜視図。
図3】同実施形態に係る照明装置の反射板を示した斜視図。
図4】同実施形態に係る照明装置の連結体を示した斜視図。
図5】(a)は、同実施形態の光源収容体と反射板とが重なった状態におけるそれぞれの長手方向に直交する断面を示した断面図、(b)は、光源収容体と反射板とが連結体によって連結された状態におけるそれぞれの長手方向に直交する断面を示した断面図。
図6】(a)は、光源収容体と、反射板と、連結体とが筒状体に収容された状態におけるそれぞれの長手方向に直交する断面を示した断面図、(b)は、同実施形態の照明装置の斜視図。
図7】(a)は、他の実施形態に係る照明装置の反射板を示した斜視図、(b)は、更に他の実施形態に係る照明装置の反射板を示した斜視図。
図8】更に他の実施形態に係る照明装置において、光源収容体と反射板とが連結体によって連結された状態のそれぞれの長手方向に直交する断面を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図1〜6を参照しながら説明する。
【0026】
本実施形態に係る照明装置は、図1に示すように、光を拡散させつつ透過させる筒状体1と、光源Lを収容した光源収容体2と、光源Lからの光を反射する反射板3と、筒状体1、光源収容体2、及び、反射板3を連結する連結体4と、電流を供給するソケットに挿入される一対の口金5,5とから構成されている。そして、筒状体1の軸線に沿って光源収容体2、及び、反射板3が筒状体1の内側に収容され、斯かる筒状体1の両端部に一対の口金5,5が取り付けられることで形成される。
【0027】
前記筒状体1は、軸線方向が長手となるように形成されている。本実施形態では、筒状体1は、円筒状に形成されている。また、筒状体1は、両端部に開口部1a,1aが形成されている。また、筒状体1は、内周面から突出する筒状体突出部1bを備えている。該筒状体突出部1bは、筒状体1の軸線に沿って形成されている。具体的には、筒状体突出部1bは、筒状体1の両端部に形成された開口部1a,1a間の全域に亘って直線状に形成されている。本実施形態では、筒状体突出部1bは、一対形成されている。
【0028】
前記光源収容体2は、一方向に沿って長手となるように形成されている。光源収容体2の長さとしては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、筒状体1の軸線方向の長さよりも短いものが用いられる。また、光源収容体2は、光源Lとして発光ダイオードを備える光源モジュールL1を収容するよう構成されている。具体的には、光源収容体2は、凹状(より詳しくは、長手方向に直交する断面形状が凹状)に形成されて、内側に光源モジュールL1を収容するように構成されている。なお、本実施形態では、光源モジュールL1は、光源収容体2の長手方向に沿って長手となるように形成され、長手方向に沿って複数の光源Lが直線状に等間隔で配列されている。
【0029】
光源収容体2について、より詳しく説明すると、図2に示すように、光源収容体2は、凹状に形成されて光源モジュールL1を収容する収容体凹部2aと、該収容体凹部2aの開放方向に位置する端部から外方に延設された収容体フランジ部2bとを備えている。ここで、外方とは、光源収容体2が筒状体1内に収容された状態で、筒状体1の軸線に直交する方向(即ち、光源収容体2の長手方向に直交する方向)であって、収容体凹部2aの内側から外側に向かう方向をいう。
【0030】
前記収容体凹部2aは、光源モジュールL1が載置される収容体底部2cと、該収容体底部2cの端部から開放方向に向かって形成された一対の収容体第一壁部2d,2dと、一対の収容体第一壁部2d,2dの各端部から更に開放方向に向かって形成された一対の収容体第二壁部2e,2eとから構成されている。
【0031】
収容体底部2cは、光源収容体2の長手方向に沿って長手となる平板状に形成されている。また、収容体底部2cは、光源モジュールL1と密着するように構成されている。収容体第一壁部2d、及び、収容体第二壁部2eは、光源収容体2(即ち、収容体底部2c)の長手方向に沿って(具体的には、長手方向の両端間の全域に亘って)形成されている。収容体第一壁部2dは、収容体底部2cに対して略直交するように形成されている。一方、収容体第二壁部2eは、収容体底部2cよりも外方に向かって傾斜するように形成されている。
【0032】
前記収容体フランジ部2bは、収容体凹部2aの開放方向に位置する収容体第二壁部2eの端部から外方に延設されるように形成されている。また、収容体フランジ部2bは、光源収容体2の長手方向に沿って(具体的には、長手方向の両端間の全域に亘って)形成されている。
【0033】
なお、光源収容体2を形成する材料としては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、板状の材料を屈曲させることで光源収容体2が形成されている。斯かる板状の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱伝導性の高い素材(アルミニウム等の金属)を用いることが好ましい。斯かる素材を用いて光源収容体2を形成することで、光源モジュールL1の熱を光源収容体2の外側に放散させることができ、光源モジュールL1が温度上昇してしまうのを抑制することができる。
【0034】
図1に戻り、前記反射板3は、一方向に沿って長手となるように形成されている。反射板3の長さとしては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、筒状体1の軸線方向の長さよりも短いものが用いられる。
【0035】
反射板3について、より詳しく説明すると、図3に示すように、反射板3は、対向するように配置された一対の反射壁部3aと、各反射壁部の一端部から延設された反射板フランジ部3bとを備えている。一対の反射壁部3aは、反射板3の長手方向に沿って長手となるように形成されている。また、一対の反射壁部3aは、対向方向に対して外方に傾斜するように形成されている。具体的には、一対の反射壁部3aは、傾斜方向の両端部のうち、外方に位置する一端部3c間の間隔が他端部3d間の間隔よりも広くなるように構成されている。ここで、外方とは、筒状体1内に反射板3が収容された状態で、筒状体1の軸線に直交する方向であって、一対の反射壁部3aの対向方向の反対方向をいう。
【0036】
また、一対の反射壁部3aは、傾斜方向に位置する一端部3cに反射板フランジ部3bが連結されている。そして、一対の反射壁部3aは、傾斜方向に位置する他端部3dに一対の反射壁部3aの対向方向に突出する反射板突出部3eを備えている。
【0037】
また、一対の反射壁部3aは、光源収容体2と反射板3とが連結体4によって連結された状態で、光源Lが間に位置するに間隔を空けて配置されている。具体的には、一対の反射壁部3aは、傾斜方向に位置する他端部3d(より詳しくは、反射板突出部3e)間から一対の反射壁部3aの間に光源Lが突出するように配置されている。
【0038】
前記反射板フランジ部3bは、平板状に形成されている。そして、反射板フランジ部3bは、一対の反射壁部3aの傾斜方向に位置する一端部3cから外方に延設されている。また、反射板フランジ部3bは、反射板3の長手方向に沿って(具体的には、長手方向の両端間の全域に亘って)形成されている。また、反射板フランジ部3bと反射壁部3aとの成す角度としては、特に限定されるものではないが、90℃を超える角度であることが好ましい。つまり、反射板3は、筒状体1の軸線に直交する断面形状がくの字状となるように形成されている。
【0039】
なお、反射板3を形成する材料としては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、板状の材料を熱成形することで反射板3が形成されている。斯かる板状の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。
【0040】
図1に戻り、前記連結体4は、一方向に沿って長手となるように形成されている。連結体4の長さとしては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、筒状体1の軸線方向の長さよりも僅かに長いものが用いられる。また、連結体4は、凹状(具体的には、長手方向に直交する断面形状が凹状)の形状を有する。そして、連結体4は、内側に光源収容体2、及び、反射板3を収容可能に構成されている。
【0041】
連結体4について、より詳しく説明すると、図4に示すように、連結体4は、筒状体1の軸線(換言すれば、連結体4の長手方向)に直交する断面形状が凹状となるように形成された連結体底部4aと、該連結体底部4aの端部から開放方向に向かって形成されて対向する一対の連結体壁部4b,4bとから構成されている。また、連結体4は、収容体フランジ部2b、及び、反射板フランジ部3bを挿入するフランジ挿入部4cと、筒状体突出部1bを挿入する突出部挿入部4dとを備えている。該フランジ挿入部4c、及び、突出部挿入部4dは、連結体壁部4bに形成されている。つまり、本実施形態では、フランジ挿入部4c、及び、突出部挿入部4dは、それぞれ連結体4に一対ずつ形成されている。
【0042】
フランジ挿入部4cは、連結体4の内側に(具体的には、一対の連結体壁部4b,4bの対向方向に向かって)開放するように凹状に形成されている。また、フランジ挿入部4cは、筒状体1の軸線(換言すれば、連結体4の長手方向)に沿って(具体的には、連結体4の長手方向の両端間の全域に亘って)形成されている。つまり、フランジ挿入部4cは、連結体4の長手方向に沿って溝状に形成されている。
【0043】
一方、突出部挿入部4dは、連結体4の外側に開放するように凹状に形成されている。また、突出部挿入部4dは、筒状体1の軸線(換言すれば、連結体4の長手方向)に沿って(具体的には、連結体4の長手方向の両端間の全域に亘って)形成されている。つまり、突出部挿入部4dは、連結体4の長手方向に沿って溝状に形成されている。
【0044】
なお、連結体4を形成する材料としては、特に限定されるものではなく、本実施形態では、樹脂材料を熱成形(インジェクション成形等)することで連結体4が形成されている。斯かる樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0045】
図1に戻り、前記口金5は、一端部が閉塞された筒状の口金本体5aと、一対の口金ピン5b,5bとを備えている。口金本体5aは、樹脂素材(耐熱性を有するものが好ましい)を用いて形成されている。一方、一対の口金ピン5b,5bは、例えば、アルミニウムや銅等の金属からなり、口金本体5aを貫通するように配置されて、一端部が口金本体5aの外側に位置し、他端部が口金本体5aの内側に位置している。そして、照明装置が形成された状態で、一対の口金ピン5b,5bの他端部が光源モジュールL1の配線パターンとリード線を介して電気的に接続される。
【0046】
次に、上記のような構成を有する筒状体1と、光源収容体2と、反射板3と、連結体4と、一対の口金5,5とを用いて、照明装置を形成する流れについて説明する。まず初めに、図5(a)に示すように、光源収容体2と、反射板3とを重ねる。具体的には、収容体凹部2aの内側に一対の反射壁部3aを収容するように光源収容体2と、反射板3とを重ねる。
【0047】
この際、一対の反射壁部3a(具体的には、反射板突出部3e)の間から光源Lが一対の反射壁部3aの間の空間に突出した状態となる。これにより、本実施形態では、一対の反射壁部3aの間に複数の光源Lが直線状に(反射板3に沿って)配置された状態となる。更に、収容体フランジ部2bと反射板フランジ部3bとが重なった状態となる。また、一対の反射壁部3aの傾斜方向に位置する他端部3d(具体的には、反射板突出部3e)が光源モジュールL1に当接した状態となる。
【0048】
そして、反射板フランジ部3bにおける反射壁部3a側の端部は、収容体凹部2aの内面よりも光源Lに近い位置になる。このため、反射板フランジ部3bにおける反射壁部3a側の端部に連結された反射壁部3aも収容体凹部2aの内面より光源Lに近い位置になる。
【0049】
次に、図5(b)に示すように、光源収容体2と、反射板3とを連結体4によって連結する。具体的には、光源収容体2、及び、反射板3の長手方向が連結体4の長手方向に沿うように、光源収容体2、及び、反射板3を連結体4の内側に収容する。この際、重なり合う収容体フランジ部2b、及び、反射板フランジ部3bがフランジ挿入部4cに挿入される。これにより、光源収容体2、及び、反射板3が連結体4によって連結される。斯かる状態において、収容体凹部2aと、連結体底部4aとの間には、空間が形成される。このような空間が形成されることで、光源モジュールL1からの熱が光源収容体2を介して斯かる空間に放散されるため、照明装置内の温度が局所的に上昇してしまうのを抑制することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、光源収容体2、及び、反射板3の長さが連結体4の長さよりも短く形成されているため、複数の光源収容体2、及び、複数の反射板3を長手方向に直線状に配列して連結体4に収容し、連結することもできる。このように、複数の光源収容体2、及び、複数の反射板3を連結して一体とすることで、後述するように、筒状体1の内側に複数の光源収容体2、及び、複数の反射板3を一度に収容することができるため、照明装置を製造する際の作業性を向上させることができる。
【0051】
次に、図6(a)に示すように、連結体4によって連結された光源収容体2、及び、反射板3を筒状体1の軸線に沿って筒状体1内に収容する。この際、筒状体突出部1b,1bが突出部挿入部4d,4dに挿入される。これにより、光源収容体2及び反射板3が連結体4によって筒状体1に連結される。
【0052】
最後に、図6(b)に示すように、光源収容体2、反射板3、及び、連結体4を収容した筒状体1の両端部に、口金5,5を取り付ける。これにより、筒状体1の軸線に沿って長手となる棒状の照明装置10が形成される。
【0053】
以上のように、本発明に係る照明装置によれば、LEDを光源として用いた照明装置をより小型で、且つ、容易に製造することができる。
【0054】
即ち、前記照明装置10は、光源収容体2と反射板3とが連結体4によって連結されることで、光源収容体2と反射板3とを一体として扱うことができる。このため、光源収容体2と反射板3とを別々に筒状体1の内側に収容する場合よりも、光源収容体2及び反射板3を効率的に筒状体1内に収容することができ、容易に照明装置10を形成することができる。また、筒状体1の軸線に沿って棒状の照明装置10となるため、面状に形成された場合よりも小型なものとなり、設置するのに必要なスペースを小さくすることができる。
【0055】
また、収容体凹部2a内側に一対の反射壁部3aが収容された状態で、一対の反射壁部3aの間に光源が突出することで、一対の反射壁部3aの対向する内面は、収容体凹部2aの内面よりも光源に近くなる。このため、収容体凹部2aの内面に光反射性を付与するよりも強い光が反射されることになる。そして、一対の反射壁部3aが外方に向かって傾斜するように形成されていることで、一対の反射壁部3aの開放方向に向かって、効率的に光が反射される。
【0056】
これにより、一対の反射壁部3aの開放方向に向かってより明るい光が照射される。そして、斯かる光が筒状体1を透過しつつ拡散されることで、光源に対応した領域以外にも光が照射される。更に、一対の反射壁部3aの開放方向に向かって照射される光の一部は、筒状体1によって反射されて再度反射板3側へ向かい、反射板3によって再度反射され(多重反射)、拡散される。このように、筒状体1および多重反射による拡散によって、均一な光を照射する照明装置10を得ることができる。
【0057】
また、筒状体突出部1bが突出部挿入部4dに挿入されて光源収容体2及び反射板3が連結体4を介して筒状体1に連結されることで、筒状体1の軸線を中心に照明装置10を回転させて、光の照射方向を任意に設定することができる。
【0058】
更に、反射板3が一対の反射壁部3aと一対の反射板フランジ部3bとから構成されていることで、収容体凹部2aのサイズに応じて、一対の反射壁部3a間の間隔を変更して用いることができる。つまり、収容体凹部2aのサイズに応じて、汎用的に使用可能な反射板3となる。
【0059】
また、反射板フランジ部3bにおける反射壁部3a側の端部は、収容体凹部2aの内面よりも光源Lに近い位置になる。このため、反射板フランジ部3bにおける反射壁部3a側の端部に連結された反射壁部3aも収容体凹部2aの内面より光源Lに近い位置になる。これにより、光源Lからの光がより強い状態で反射壁部3aによって反射されるため、より強い光を照射することが可能となる。
【0060】
また、熱可塑性樹脂シートが熱成形されることで反射板3が形成されるため、反射板3の作製を容易に行うことができる。また、熱可塑性樹脂シートを折り曲げ加工する場合よりも、複雑な形状を作製し易く、折り曲げ加工によって形成される折り目による反射性の低下を防止することができる。
【0061】
なお、本発明に係る照明装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0062】
例えば、図7(a)に示すように、反射板3における反射板フランジ部3bとなる部位を識別する識別部3fを反射板3が備えるようにしてもよい。具体的には、平板状に形成された反射板フランジ部3bの端部に切り欠き部3fを形成して識別部としてもよい。
【0063】
斯かる構成によれば、反射板フランジ部3bと反射壁部3aとを切り欠き部3fによって識別することができる。このため、光源収容体2と反射板3とを連結体4で連結する際に、誤って、反射板フランジ部3bを収容体凹部2a内に収容してしまうのを防止することができる。これにより、光源収容体2と反射板3とを連結体4で連結する際の作業性を向上させることができる。
【0064】
また、図7(b)に示すように、収容体フランジ部2bと反射板フランジ部3bが重なった状態で凹凸嵌合するように構成されてもよい。具体的には、反射板フランジ部3bにおける収容体フランジ部2bと当接する面から突出するように嵌合用突出部3gが形成され、収容体フランジ部2bにおける反射板フランジ部3bと当接する側に嵌合用凹部3hが形成されるようにしてもよい。そして、嵌合用凹部3hに嵌合用突出部3gが入り込むことで、収容体フランジ部2bと反射板フランジ部3bとが凹凸嵌合するように構成されてもよい。
【0065】
斯かる構成によれば、収容体フランジ部2bと反射板フランジ部3bとが凹凸嵌合するように構成されていることで、光源収容体2と反射板3とを連結体4で連結する際に、光源収容体2と反射板3との位置決めを行うことができる。また、収容体フランジ部2bと反射板フランジ部3bとが凹凸嵌合することによって、光源収容体2と反射板3との連結状態を効果的に維持することができる。また、嵌合用突出部3gおよび嵌合用凹部3hが形成されることで、収容体フランジ部2bおよび反射板フランジ部3bにおける筒状体1の軸線に沿った方向の剛性を向上させることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、反射板3は、光源モジュールL1に当接した状態で、光源収容体2内に収容されているが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、反射板3(具体的には、反射板突出部3e)は、連結体4によって光源収容体2と連結された状態で、光源モジュールL1との間に空間が形成されるように構成してもよい。斯かる構成によれば、光源モジュールから放出される熱が反射板3と光源モジュールL1との間の空間を伝わって放散されるため、光源モジュールL1からの熱が直接反射板3に伝わって、局所的に温度上昇するのが防止される。これにより、光源モジュールL1の電気抵抗が上昇する等の不具合を防止することができる。
【符号の説明】
【0067】
1…筒状体、1b…筒状体突出部、2…光源収容体、2a…収容体凹部、2b…収容体フランジ部、3…反射板、3a…反射壁部、3b…反射板フランジ部、3f…識別部、切り欠き部、3g…嵌合用突出部、3h…嵌合用凹部、4…連結体、4a…連結体底部、4b…連結体壁部、4c…フランジ挿入部、4d…突出部挿入部、5…口金、10…照明装置、L…光源、L1…光源モジュール
図1
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図8