【実施例1】
【0014】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置の構造の概略を示す断面図である。
【0015】
画像形成装置は、例えば、中間転写方式のカラープリンタであり、下部に複数の用紙等の記録媒体1を収納する用紙カセット2を備えている。用紙カセット2の出口には、回転により用紙カセット2から記録媒体1を繰り出すピックアップローラ3が設けられている。ピックアップローラ3の近傍には、ピックアップローラ3により繰り出された記録媒体1を回転によって1枚に分離して搬送路へ送り出すホッピングローラ4が配設されている。
【0016】
記録媒体1の搬送路の入り口には、給紙された記録媒体1の先端、後端及び記録媒体1の有無を検出する入り口センサ5が配設されている。入り口センサ5は、図示しないレバーと一体となっており、記録媒体1の先端及び後端がレバーを回転移動させ遮光及び透光に状態を変化させるように配置されたフォトインタラプタ等により構成されている。入り口センサ5の下流側には、記録媒体1の先端を突き当てることによって、記録媒体1の斜行を矯正する第1搬送ローラ6が設けられている。第1搬送ローラ6の下流側には、第2搬送ローラ7及びタイミングローラ8が設けられている。
【0017】
タイミングローラ8の下流側近傍には、書き出しセンサ9が配設されている。書き出しセンサ9は、タイミングローラ8を抜けた記録媒体1の先端を検出することによって、記録媒体1へ画像を形成するべきタイミングを検出し、タイミングローラ8の速度を変更して画像に対する記録媒体1の位置を合わせるものである。書き出しセンサ9は、入り口センサ5と同様のフォトインタラプタ等で構成されている。書き出しセンサ9は、記録媒体1の有無の判別も可能であることも同様である。書き出しセンサ9の下流側には、2次転写ローラ10が設けられている。
【0018】
画像形成装置の上部には、静電潜像を担持すると共に、静電潜像に現像剤を吸着させて現像剤像を担持する回動可能な複数の像担持体としてのIDユニット20(=20W,20Y,20M,20C,20K)が配設されている。IDユニット20W,20Y,20M,20C,20Kは、W(ホワイト)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の現像剤像を記録媒体1上に形成する画像形成動作を行うものである。
【0019】
各IDユニット20は、帯電ローラ21、感光体ドラム22、露光手段としての発光ダイオード(以下「LED」という。)ヘッド23、現像剤カートリッジ24、現像剤供給ローラ25、現像ローラ26、現像ブレッド27、及びクリーニングブレッド28を有している。
【0020】
帯電ローラ21(=21K,21Y,21M,21C,21W)は、各色のIDユニット20の感光体ドラム22に静電潜像を形成するための電荷を帯電させるものである。感光体ドラム22(=22K,22Y,22M,22C,22W)は、帯電ローラ21により帯電された電荷を担持して、反時計回りに回転し、電荷を担持した部分をLEDヘッド23へ導くものである。LEDヘッド23(=23K,23Y,23M,23C,23W)は各色のIDユニット20上に配置され、現像剤像を生成するため感光体ドラム22上に静電潜像を形成するものである。現像剤カートリッジ24(24W,24Y,24M,24C,24K)は、各色の現像剤を収納しておくものである。現像剤供給ローラ25(25W,25Y,25M,25C,25K)は、現像剤カートリッジ24に収納された各色の現像剤を各色の現像ローラ27へ供給するものである。現像ブレッド26(26W,26Y,26M,26C,26K)は、現像剤供給ローラ25から現像ローラ27へ供給する現像剤の量を均一の厚さにするものである。
【0021】
現像ローラ27(27W,27Y,27M,27C,27K)は、LEDヘッド23に感光体ドラム22上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像を形成するものである。感光体ドラム22は、転写ローラ13とでベルト11を挟むニップ部において、感光体ドラム上に形成されている現像剤像をベルト11へ転写する。
【0022】
クリーニングブレッド28(28W,28Y,28M,28C,28K)は、感光体ドラム22から現像剤像をベルト11へ転写した後に感光体ドラム22へ残った現像剤を除去するものである。
【0023】
各色の感光体ドラム22(22W,22Y,22M,22C,22K)のベルト11と対向する位置には、感光体ドラム22に形成される現像剤像を、高電圧により1次転写する1次転写ローラ13(13W,13Y,13M,13C,13K)が設けられている。
【0024】
複数のIDユニット20と、第2搬送ローラ7、タイミングローラ8、書き出しセンサ9等からなる記録媒体1の搬送路と、の間には、時計方向に回転駆動されるベルト11が配設されている。ベルト11は、IDユニット20によって生成された現像剤像を1次転写して保持すると共に、記録媒体1を搬送して2次転写ローラ10へ導くものである。
【0025】
ベルト11は、2次転写ローラ10と、ベルトローラ12と、1次転写ローラ13W,13Y,13M,13C,13Kと、ベルトローラ14a,14b,14c,14d,14eと、により保持され、ベルトローラ12及びIDユニット20内のベルト11と当接する複数の感光体ドラム22W,22Y,22M,22C,22Kにより駆動され、
図2中の矢印で示された時計方向に回転する。
【0026】
ベルト11に1次転写された現像剤像は、ベルト11の回転に伴って、2次転写ローラ10へ導かれる。2次転写ローラ10は、高電圧を印加されことによってベルト11に1次転写された現像剤像を記録媒体1上に2次転写して画像を形成するものである。
【0027】
2次転写ローラ10の下流側には、定着器30が配設されている。定着器30は、記録媒体1上に形成された現像剤像を熱と圧力で定着する定着ローラ31を有している。定着ローラ31の下流側には、排出センサ32を有し、この排出センサ32は定着器30を通過した記録媒体1の先端、後端及び記録媒体1の有無を検出するものである。排出センサ32は、入り口センサ5と同様のフォトインタラプタである。
【0028】
排出センサ32の更に下流側には、記録媒体1を画像形成装置の外上部に設けられた排出部36へ排出する排出ローラ33,34,35を有している。
【0029】
図1は、本発明の実施例1における駆動装置の構成の概略を示すブロック図である。
駆動装置は、ベルト駆動手段と複数の像担持体駆動手段へ駆動電流を供給するDC24Vの電源ユニット40と、ベルト駆動手段と複数の像担持体駆動手段との駆動を制御する制御部としての機構制御部41を有している。
【0030】
機構制御部41には、入り口センサ5、書き出しセンサ9、及び排出センサ32が接続されている。機構制御部41には、ステッピングモータにより構成された給紙モータ42が接続されている。機構制御部41から給紙モータ42に与えられるパルスの周波数によって速度が制御される。給紙モータ42は、ピックアップローラ3、ホッピングローラ4とギア列で接続されている。機構制御部41には、給紙クラッチ43が接続され、この給紙クラッチ43にはホッピングローラ4が接続されている。給紙クラッチ43がオン状態で給紙モータ42が回転することでホッピングローラ4が回転し、記録媒体1が1枚に分離されて第1搬送ローラ6側へ送り出されるようになっている。
【0031】
機構制御部41には、搬送モータ44が接続され、この搬送モータ44には第1搬送ローラ6と第2搬送ローラ7とタイミングローラ8とが接続されている。機構制御部41には、搬送クラッチ45が接続されている。搬送クラッチ45がオン状態で搬送モータ44が回転することで第1搬送ローラ6が回転する。第2搬送ローラ7とタイミングローラ8は搬送モータ44の回転に伴って回転する。
【0032】
機構制御部41には、ブラシレスDCモータにより構成された、ベルト駆動手段としてのベルトモータ46が接続されている。ベルトモータ46は、機構制御部41から入力されるクロック信号CKの周波数によって回転数、ブレイキ信号BKによって
オンオフが制御される。ベルトモータ46は、ベルトローラ12とギア列で接続されている。
【0033】
機構制御部41に複数の像担持体駆動手段である画像形成モータ(以下「IDモータ」という。)47(=47W,47C,47M,47Y,47K)が接続されている。IDモータ47は、ブラシレスDCモータにより構成されており、機構制御部41から入力されるクロック信号CKの周波数によって回転数、ブレイキ信号BKに
よってオンオフが制御される。IDモータ47は、IDユニット20とギア列で接続されている。
【0034】
機構制御部41には、ブラシレスDCモータにより構成された定着モータ48が接続されている。定着モータ48は、定着ローラ31と排出ローラ33,34,35とギア列で接続されている。定着モータ48は、機構制御部41から入力されるクロック信号CKの周波数によって回転数、ブレイキ信号BKによってオンオフが制御される。
【0035】
図3は、
図1中のベルトモータ46の構成の概略を示すブロック図である。
実施例1で使用するベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47K、定着モータ48のモータユニットの構成は、全て同様の構成であるので、ベルトモータ46を例に説明する。
【0036】
電源ユニット40からDC24Vがベルトモータ46へ供給され、DC24Vはモータ駆動に使用される電圧となる。DC24Vは、モータ制御集積回路(以下「モータ制御IC」という。)51と、Power-Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(以下「パワーMOSFET」という。)アレイ52と、に入力される。モータ制御IC51は、モータを駆動制御する制御回路であり、モータ制御IC51の電源端子VCCに入力される電源ユニット40からのDC24Vがモータ制御IC51の電源となる。
【0037】
パワーMOSFETアレイ52は、6つのNチャネルMOSFET52a,52b,52c,52d,52e,52fにより構成されている。
【0038】
機構制御部41は、出力ポートOUT1を有し、ブレイキ信号S41aを出力してモータ制御IC51の入力端子BKに入力する。ブレイキ信号S41aがハイレベル(以下「Hレベル」という。)のとき、ローサイド側FET52d,52e,52fを全てオン状態にするショートブレイキによってモータを停止する。ブレイキ信号S41aがロウレベル(以下「Lレベル」という。)のときに、DCモータ54を駆動制御する。
【0039】
機構制御部41は、出力ポートOUT2を有し、クロック信号S41bを出力してモータ制御IC51の入力端子CKに入力する。DCモータ54は、ブレイキ信号S41aがLレベルのとき、クロック信号S41bの周波数に応じた速度に回転駆動される。
【0040】
機構制御部41は、入力ポートIN1を有し、モータ制御IC51の出力端子LKから出力されるロック信号S51cが入力される。
【0041】
モータ制御IC51は、出力端子UH,VH,WHからそれぞれ、ハイサイドゲート信号S51a−1,S51a−2,S51a−3を出力する。ハイサイドゲート信号S51a−1,S51a−2,S51a−3は、パワーMOSFETアレイ52のハイサイド側FET52a,52b,52cのゲート端子に入力される。
【0042】
モータ制御IC51は、出力端子UL,VL,WLからそれぞれ、ローサイドゲート信号S51b−1,S51b−2,S51b−3を出力する。ローサイドゲート信号S51b−1,S51b−2,S51b−3はパワーMOSFETアレイ52のローサイド側FET52d,52e,52fのゲート端子に入力される。
【0043】
パワーMOSFETアレイ52のローサイドFET52d,52e,52fのソース端子は電流検出抵抗53を介して接地されている。この信号が電流検出信号S53として、モータ制御IC51の入力端子RSへ入力される。
【0044】
パワーMOSFETアレイ52の出力端子はブラシレスのDCモータ54の巻き線部に接続される。DCモータ54の巻き線はU,V,W相があり、それぞれがスター結線されている。更に、DCモータ54は、図示しない永久磁石を備えたアウターロータを有する。
【0045】
コイルパターン55は、ロータ近傍に引かれた矩形波形状の銅箔パターンであり、DCモータ54の回転速度に比例した周波数の起電力を発生する。この起電力はFGパルスS55として、モータ制御IC51の入力端子FGIN+,GIN−に入力される。FGパルス55はモータ1回転当たりに所定のパルス数が発生するように設計されている。
【0046】
DCモータ54の近傍には、ホール素子56a,56b,56cが設けられており、このホール素子56a,56b,56cはホール信号S56a,S56b,S56cを出力する。ホール素子56a,56b,56cは、アウターロータ磁極の極性の切り替わり点を検出し、巻き線の励磁相を切り替えるタイミングで出力がゼロクロスするよう配置がされている。ホール信号S56a,S56b,S56cはモータ制御IC51の入力端子H1,H2,H3にそれぞれ入力される。
【0047】
モータ制御IC51は、DCモータ54の巻き線への電流をパワーMOSFETアレイ52へ供給する信号S51a,S51bのデューティによってPWM制御する。一方で、モータ制御IC51は、入力されたクロック信号S41bの周波数とFGパルスS55の周波数とをフェーズロックループ(以下「PLL」という。)によって一致するように巻き線への電流を制御する。従って、クロック信号S41bの周波数に応じて回転数が制御される。
【0048】
モータ制御IC51は、FGパルスS55の周波数とクロック信号S41bの周波数が±6%より大きい誤差が有る場合、ロック信号S51cとしてHレベルを出力する。FGパルスS55の周波数とクロック信号S41bの周波数との誤差が±6未満であれば、Lレベルを出力する。機構制御部41は、ロック信号S51cのLレベルを検出することによって、モータが指令の一定速度で回転していると判断する。
【0049】
モータ制御IC51は、電流検出信号S53が閾値0.25Vを超えるとハイサイド側FET52a,52b,52cをオフ状態にして、電流リミットをかける回路を有している。モータの起動及び加速中の電流値は、電流リミットによる制限電流値を維持し、モータ回転数が一定速度に到達した後、電流値は低くなる。
【0050】
(実施例1の動作)
本発明の実施例1における画像形成装置の動作について、(I)画像形成装置の全体の動作と、(II)比較例の駆動装置の駆動制御タイミングと、(III)実施例1におけるブレイキ信号とDCモータの回転数の関係と、(IV)
図1の駆動装置の駆動制御タイミングと、に分けて説明する。
【0051】
(I) 画像形成装置の全体の動作
図1〜
図3に基づいて、本発明の実施例1の画像形成装置における画像形成動作を説明する。
【0052】
図1において、図示しない操作部により、画像形成の開始指示がされると、機構制御部41は、給紙モータ42、搬送モータ44、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47K、及び定着モータ48を順次駆動する。各モータの駆動に伴い、
図2中のピックアップローラ3、ホッピングローラ4、第1搬送ローラ6、第2搬送ローラ7、タイミングローラ8、2次転写ローラ10、ベルトローラ12、IDユニット20W,20C,20M,20Y,20K、定着ローラ31及び排出ローラ33,34,35が回転駆動される。
【0053】
図1中の給紙クラッチ43がオン状態にされると、ピックアップローラ3及びホッピングローラ4
が駆動することにより、
図2中の用紙カセット2内に収容
されている記録媒体1を1枚に分離して、入り口センサ5へ導く。第1搬送ローラ6及び第2搬送ローラ7の回転駆動により、記録媒体1は、タイミングローラ8及び書き出しセンサ9を経て、2次転写ローラ10へ導かれる。
【0054】
図1中のベルトモータ46の駆動により、ベルトローラ12が時計方向に回転駆動されと、ベルト11が時計回りに回転を開始し、ベルト11の回転速度が画像形成時の回転速度、例えば、1分間のA4横送りサイズの印刷枚数が50ページ(page per minute、以下「PPM」という。)に達したとき、上流側のIDユニット20Wから、IDユニット20Y,20M,20C,20Kの順に、感光体ドラム22W,22Y,22M,22C,22Kから現像剤像をベルト11へ1次転写して、ベルト11上に画像が形成される。
【0055】
ベルト11上に形成された画像は、時計方向に回転駆動され、2次転写ローラ10へ導かれる。書き出し
センサ9は、タイミングローラ8を抜けた記録媒体1の先端を検出することにより、記録媒体1と、現像剤像が1次転写された画像のベルト11の位置とが2次転写ローラ10へ導かれるタイミングを合わせる。2次転写ローラ10において、ベルト11上に形成されている画像が、記録媒体1に2次転写されて、記録媒体1上に画像が形成される。
【0056】
2次転写により画像が形成された記録媒体1は、2次転写ローラ10の回転駆動により、定着器30へ導かれる。定着器30は、定着ローラ31により、記録媒体1上に形成された現像剤像を熱と圧力で定着する。画像が定着された記録媒体1は、定着モータ48に連動して駆動される定着ローラ31及び排出ローラ33,34,35により、排出センサ32を介して、排出部36へ排出される。
【0057】
(II) 比較例の駆動装置の駆動制御タイミング
図4は、比較例の駆動装置における駆動制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【0058】
比較例の駆動装置では、
図1中のベルトモータ46,IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kのブレイキ信号S41aがHレベルの状態の時刻T1において、ベルトモータ46,IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kの設定周波数が0PPMから、画像形成時の設定周波数である50PPMへ設定変更されている。
【0059】
時刻T2において、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kのブレイキ信号S41aが一斉にHレベルからLレベルへ変更され、ブレイキ信号S41aのHレベルからLレベルへ変化したのに伴い、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kの回転速度は0PPMから50PPMへ加速され、時刻T3以降において、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kの回転速度は50PPMとなっている。
【0060】
図4における電源ユニット40の電流値に着目すると、時刻T2から時刻T3の間で大きな電流値を示し、時刻T3以降では時刻T2から時刻T3の間の電流値に比べて小さな電流値を示している。比較例の駆動装置では、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kの回転速度を0PPMから50PPMへ一斉に加速するため、時刻T2から時刻T3の間に、電源ユニット40は、大電流を供給する必要があり、時刻T3以降には大電流の供給が必要でないにも拘わらず、大容量な電源が必要となり、駆動装置の大型化、コストアップする課題があった。そこで、本発明の実施例1の駆動装置では、以下のような駆動制御タイミングとして、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kの駆動時における駆動電流を分散させて、電源ユニット40の小容量化を実現している。
【0061】
(III) 実施例1におけるブレイキ信号とDCモータの回転数の関係
図5は、
図3中のブレイキ信号S41a、設定周波数信号S41b、DCモータ54の回転数(PPM)、ロック信号S51d及び電源
ユニット40の電流値(A)の時間的推移を説明する図である。
【0062】
図5において、ブレイキ信号S41aがHレベルの状態の時刻T1において、設定周波数信号S41bの設定周波数が0PPMから、13PPMへ設定変更されている。時刻T2において、ブレイキ信号S41aがHレベルからLレベルに変化している。ブレイキ信号S41aのHレベルからLレベルへの変化に伴い、DCモータ54の回転速度が0PPMから13PPMへ向けて増加している。
【0063】
時刻T3において、DCモータ54の回転速度が13PPMに達すると、ロック信号S51cがHレベルからLレベルへ変化している。その後、DCモータの設定周波数信号S41bの設定周波数が13PPMの時刻T4まで、DCモータ54の回転速度は13PPMを維持する。
【0064】
時刻T4において、設定周波数信号S41bの設定周波数が16PPMに変更されると、ロック信号S51cはLレベルからHレベルへ変化し、DCモータ54の回転速度は増加を開始し、DCモータ54の回転速度が16PPMに達した時刻T5において、ロック信号S51cがHレベルからLレベルへ変化する。
【0065】
図5における電源ユニット40の電流値に着目すると、時刻T2からT3の間及び時刻T4からT5の間において、大きな電流値を示しているが、
図4における時刻T2からT3の間の電流値に比べると、電流値が小さくなっている。
【0066】
(IV)
図1の駆動装置の駆動制御タイミング
図1に示された駆動装置では、ベルトモータ46と5つのIDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kとは、起動時の起動電流を分散するために、ブレイキを解除するタイミングを2つのグループに分けている。
【0067】
画像形成時の印刷速度に一度に加速せずに段階的にクロック信号CKの周波数を変えることで起動時の電流の集中を分散させている。加速時においては、ベルトモータ46と5つのIDモータ47W,47C,47M,47Y,47Kとを3つのグループに分ける。即ち、以下の3つの加速グループに分ける。
・加速グループA=IDモータ47K,47C
・加速グループB=IDモータ47M,47Y
・加速グループC=IDモータ47W、ベルトモータ46
【0068】
加速グループA→B→Cの順番に速度設定値を増やしていき、前のグループの速度設定値よりも大きくすることで当接されたIDユニット20とベルト11の移動量の差を小さくして印刷速度まで加速させる。
【0069】
機構制御部41は、印刷媒体の種類や印刷環境(温度、湿度)に応じて印刷速度を変えられるように、設定速度を複数備え、モータの速度も印刷速度に応じて複数の設定速度を備える。
【0070】
図5は、図3中のブレイキ信号S41a、設定周波数信号S41b、DCモータ54の回転数(PPM)、ロック信号S51c及び電源ユニット40の電流値(A)の時間的推移を説明する図である。更に、図6は、図1の駆動装置における駆動制御タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、
図5及び図6を参照しつつ、50PPMの印刷速度へ加速するときの駆動方法を説明する。
本
実施例1の駆動方法は、時刻T1〜T3において、複数のIDモータ47とベルトモータ46の動作を開始する第1処理と、時刻T2〜T4において、全てのモータが第1の
定速度に達したことを検出する第2処理と、第2の時刻T4〜T14において、全てのモータ
が第2の定速度に達したことを検出する第3処理とを有している。
【0071】
時刻T1において、全てのモータのクロック信号CKを
第1の速度としての第1の定速度である13PPMに設定する。時刻T2において、IDモータ47K,47C,47Mのブレイキ信号S41aがHレベルからLレベル変化している。これによりIDモータ47K,47C,47Mが駆動を開始して13PPMに到達すると、IDモータ47K,47C,47Mのロック信号S51cがHレベルからLレベルとなる。
図6に示された例では、IDモータ47K→47M→47Cの順にロック信号S51cがHレベルからLレベルになっている。
【0072】
時刻T2から所定時間ΔT1=50ms経過した時刻T3において、IDモータ47Y,47Wとベルトモータ46のブレイキ信号S41aがHレベルからLレベル変化している。これによりIDモータ47Y,47W、及びベルトモータ46が駆動を開始して13PPMに到達すると、IDモータ47Y,47W、及びベルトモータ46のロック信号S51cがHレベルからLレベルとなる。その後、全てのモータのロック信号S51cのLレベルが検出されている。これによって全ての駆動手段が第1の定速度になったことが検出された。
【0073】
時刻T4において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを
第2の速度としての第1の中間速度である16PPMに設定する。時刻T4から所定時間ΔT2=50msが経過した時刻T5において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号
S41bを
第3の速度として第2の中間速度である18PPMに設定する。時刻T5から所定時間ΔT3=50msが経過した時刻T6において、加速グループC(=IDモータ47W、ベルトモータ46)の設定周波数信号S41bを第3の中間速度である22PPMに設定する。時刻T6から所定時間T4=50msが経過した時刻T7において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号
S41bを
第4の速度としての第4の中間速度である27PPMに設定する。時刻T7から所定時間ΔT5=50msが経過した時刻T8において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S41bを第5の中間速度である32PPMに設定する。時刻T8から所定時間ΔT6=50msが経過した時刻T9において、加速グループC(=IDモータ47W、ベルトモータ46)の設定周波数信号S41bを第6の中間速度である35PPMに設定する。
【0074】
時刻T9から所定時間ΔT7=50msが経過した時刻T10において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを第7の中間速度である40PPMに設定する。時刻T10から所定時間ΔT8=50msが経過した時刻T11において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S41bを第8の中間速度である45PPMに設定する。時刻T11から所定時間ΔT9=50msが経過した時刻T12において、加速グループC(=IDモータ47W、ベルトモータ46)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。ここで、速度50PPMは、本実施例における印刷設定速度であって、画像形成時の速度の第2の定速度である。
【0075】
時刻T12から所定時間ΔT10=50msが経過した時刻T13において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。時刻T13から所定時間ΔT11=50msが経過した時刻T14において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。時刻T15において、ベルトモータ45、IDモータ46K,46Y,46M,46C,46Wの印刷速度が、第2の定速度50PPMに到達している。
【0076】
以上の説明では、所定時間ΔT1〜ΔT11は、全て50msとして説明したが、モータが設定速度まで加速するために必要な時間以上に設定されており、実験的に求める時間である。
【0077】
時刻T3から時刻T4までの期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態及び機構制御部41の検出時間によって変わり、本実施例では100msであった。時刻T14から時刻T15までの期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態でかわり、本実施例では50msであった。従って、モータの速度が、起動から印刷速度に達するまでの時間は700msなった。
【0078】
図6における電源ユニット40の電流値に着目すると、DCモータ54の電流リミットで制御される起動と加速を分散することで、電源ユニット40の電流値のピークが小さくなっている。更に、加速時においては、ベルトモータ46と5つのIDモータ47K,47Y,47M,47C,47Wとを3つのグループに分けて、順番に速度設定値を増やしていき、前のグループの速度設定値よりも大きくすることで、当接されたIDユニット20とベルト11の移動量の差を小さくして印刷速度まで加速している。
【0079】
(実施例1の効果)
本発明の実施例1によれば、DCモータ54の電流リミットで制御される期間である起動時と加速時を分散することによって電源ユニット40の電流値のピークを小さくできる。これにより、従来必要であった大容量な電源ユニットが不要になり、駆動装置及び画像形成装置の小型化、コストコストダウンが可能になる。更に、駆動及び加速時における複数の像担持体及びベルトの摩擦による摩耗を小さくすることができるので、複数の像担持体及びベルトの寿命を長くできる。
【実施例2】
【0080】
(実施例2の構成)
図7は、本発明の実施例2における駆動装置の構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す
図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0081】
実施例2の駆動装置は、実施例1の駆動装置と同様の電源ユニット40と、実施例1とは構成及び機能の異なる機構制御部41Aを備えている。機構制御部41Aには、実施例1と同様の入り口センサ5、書き出しセンサ9,排出センサ32が接続されている。機構制御部41Aには、実施例1と同様の給紙モータ42、給紙クラッチ43、搬送モータ44、搬送クラッチ45、ベルトモータ46、IDモータ47W,47C,47M,47Y,47K、及び定着ローラ48が接続されている。
【0082】
更に、機構制御部41Aには、IDリフトアップソレノイド61W,61C,61M,61Y,61K及びIDリフトアップセンサ62W,62C,62M,62Y,62Kが新たに接続されている。
【0083】
IDリフトアップソレノイド61をオン状態にしながらIDモータ47を駆動することによって、ダウン(当接)状態の印刷で使用しない色のIDユニット20を離間することができる機構としている。又、IDリフトアップソレノイド61をオン状態にしながらIDモータ47を駆動することによって、アップ(離間)状態で印刷に使用する色のIDユニット20を当接することができる機構としている。
【0084】
印刷で使用する色のIDユニット20は、ベルト11と当接する必要があるが、印刷で使用しない色のIDユニット20は、ベルト11と当接する必要がなく、印刷で使用しない色のIDユニット20をベルト11から離間することによって、消耗品であるIDユニット20の寿命を無駄に減らすことが無くなる。
【0085】
更に、IDリフトアップセンサ62は、HレベルでIDユニット20がダウン(当接)、LレベルでIDユニット20がアップ(離間)を示すフォトインタラプタセンサである。
【0086】
(実施例2の動作)
図8は、
図7中の駆動装置における駆動制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【0087】
実施例1では、カラー印刷で使用する複数のIDモータを段階的に加速するため、印刷速度に到達するために時間が必要であり、1ページ目の印刷完了するまでに時間がかかった。以下、モノクロ印刷での50PPMの印刷速度へ加速するときの動作を説明する。
【0088】
本実施例2では、印刷で使用するモータがベルトモータ46とIDモータ47Kとの2個のため同時に加速しても電流ピークが少ない。機構制御部41Aは、印刷で使用するモータが2個以下の場合、印刷速度としての第2の定速度への加速は1度に行う。
【0089】
時刻T61において、IDリフトアップ動作で使用するモータの設定周波数信号S41bを第1の定速度である22PPMに設定する。他のモータの設定周波数信号S41bを第1の定速度である13PPMに設定する。
【0090】
時刻T62において、IDモータ47K,47C,47Mのブレイキ信号S41aをHレベルからLレベルに設定する。これによりIDモータ47K,47C,47Mが駆動開始して、設定速度に到達するとロック信号S51cがHレベルからLレベルとなる。
【0091】
T62から所定時間ΔT1=50msが経過したT63において、IDモータ47Y,47Wとベルトモータ46のブレイキ信号S41aをLレベルに設定する。これによりIDモータ47Y,47Wとベルトモータ46が駆動開始して13PPMに到達するとロック信号S51cがLレベルとなる。
【0092】
時刻T64において、印刷で使用する全てのモータ47(=IDモータ47K,ベルトモータ46)のロック信号S51cのLレベルを検出した。これによって全ての駆動手段が第1の定速度になったことが検出された。その後、加速グループE(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号を印刷速度である50PPMに設定する。時刻T65において、全てのモータが印刷速度に到達した。所定時間ΔT1はモータが設定速度まで加速するために必要な時間以上に設定されており、実験的に決まる。
【0093】
時刻T63からT64の期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態および機構制御部41Aの検出時間によって変わり、本実施例では100msであった。
【0094】
時刻T64からT65の期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態でかわり本実施例では50msであった。従って、モータの起動から印刷速度までの時間は200msとなった。
【0095】
DCモータの電流リミットで制御される起動と加速を分散することで
電源ユニット40の電流ピークを小さくすることができる。
【0096】
(実施例2の効果)
本発明の実施例2によれば、実施例1の構成に加え、更に、モノクロ印刷での印刷で使用するモータの数が2個以下の場合、印刷速度への加速を1度に行うことによって印刷速度に到達するために時間が短縮できる。そのため、1ページ目が印刷完了するまでに時間を短縮できる。更に、印刷で使用しない色のIDユニット20をベルト11から離間するようにしているので、消耗品であるIDユニット20の寿命を無駄に減らすことが無くなる。
【実施例3】
【0097】
(実施例3の構成)
図9は、本発明の実施例3におけるベルトモータ46Aの構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す
図3と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0098】
実施例3で使用するベルトモータ46A、IDモータ47WA,47CA,47MA,47YA,47KA、定着モータ48Aのモータユニットの構成は全て同様の構成であるのでベルトモータ46Aを例に説明する。
【0099】
機構制御部41Bは出力ポートOUT3を有し、ゲイン信号S41cを出力してベルトモータ46Aのトランジスタ74のベース端子に入力する。トランジスタ74のエミッタ端子はグラウンドと接続されている。トランジスタ74のコレクタ端子は抵抗値Rbの抵抗73と接続されている。抵抗値Rbの抵抗73は抵抗値Raの抵抗72とオペアンプ71の反転増幅端子に接続されている。パワーMOSFETアレイ52のローサイドFET52d,52e,52fのソース端子は電流検出抵抗53を介して接地されている。この信号が電流検出信号S53として、オペアンプ71の非反転増幅端子に接続されている。オペアンプ71の出力端子は抵抗値Raの抵抗72とモータ制御IC51のリセット端子RSへ入力される。
【0100】
モータ制御IC51は、電流検出信号S53Aが閾値0.25Vを超えるとハイサイド側FET52a,52b,52cをオフ状態にして、電流リミットをかける回路を有している。モータの起動及び加速中は電流リミットにかかり続けてモータ回転数が一定速度に到達した後、電流は低くなる。
【0101】
ゲイン信号S41cがLレベルの場合トランジスタ74はオフ状態であるため、オペアンプ71は増幅率1のボルテージフォロアとして動作する。一方、ゲイン信号S41cがHレベルの場合、トランジスタ74がオン状態となるため、オペアンプ71は増幅率(Ra+Rb)/Rbとなる。例えば、Ra=1kΩ、Rb=2kΩとなっているため電流検出抵抗53の電圧は1.5倍されて電流検出信号S53Aへ入力される。即ち、電流リミットの値が小さくなるため起動電流が小さくなる。但し、本実施例3の画像形成装置では、22PPM以下の速度であれば、起電力を小さくしてもモータを回転できる。
【0102】
(実施例3の動作)
図10は、実施例3の駆動装置における駆動制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【0103】
図10を用いて機構制御部41Bによる駆動装置の駆動制御の動作を説明する。
ベルトモータ46と5つのIDモータ47は、起動時には起動電流を小さくしても問題ないため、同時に起動する。
【0104】
画像形成装置の印刷速度へ一度に加速せずに段階的に設定周波数信号の周波数を変えることで起動電流の集中を分散させる。加速時においては、5つのIDモータ47とベルトモータ46とを、実施例1と同様のA,B,Cの3つの加速グループに分ける。
【0105】
A→B→Cの順番に速度設定値を増やしていき、前のグループの速度設定値よりも大きくすることで当接されたIDユニット20とベルト11の移動量の差を小さくして印刷速度まで加速させる。
【0106】
実施例3として、50PPMの印刷速度へ加速するときの動作を以下説明する。
時刻T81において、全てのモータの設定周波数信号S41bを速度13PPMに設定する。このときゲイン信号S41cはHレベルが出力されている。
【0107】
時刻T82において、IDモータ47K,47C,47M,47Y,47Wとベルトモータ46のブレイキ信号41aをLレベルに設定する。これによりIDモータ47K,47C,47Mが駆動開始して13PPMに到達するとロック信号S51cがLレベルとなる。時刻T82から所定時間ΔT1=50msが経過した時刻T83において、第1の定速度である22PPMに設定する。これにより、IDモータ47K,47C,47Mが駆動開始して22PPMに到達するとロック信号S51cがLレベルとなる。
【0108】
時刻T84において、全てのモータのロック信号S51cのLレベルを検出した。これによって全ての駆動手段が第1の定速度になったことが検出された。加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを中間速度である27PPMに設定する。同時にゲイン信号S41cをLレベル出力に切り替えて電流リミットを高速に対応させる。
【0109】
時刻T84から所定時間ΔT2=50msが経過した時刻T85において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S42bを中間速度である32PPMに設定する。時刻T85から所定時間ΔT3=50msが経過した時刻T86において、加速グループC(=IDモータ47W,ベルトモータ46)の設定周波数信号S41bを中間速度である35PPMに設定する。
【0110】
時刻T86から所定時間ΔT4=50msが経過したT87において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを中間速度である40PPMに設定する。時刻T87から所定時間ΔT5=50msが経過した時刻T88において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S41bを中間速度である45PPMに設定する。時刻T88から所定時間ΔT6=50msが経過した時刻T89において、加速グループC(=IDモータ47W,ベルトモータ46)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。本実施例3における画像形成時の速度の第2の定速度は50PPMである。
【0111】
時刻T89から所定時間ΔT7=50msが経過した時刻T810において、加速グループA(=IDモータ47K,47C)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。時刻T810から所定時間ΔT8=50msが経過した時刻T811において、加速グループB(=IDモータ47M,47Y)の設定周波数信号S41bを50PPMに設定する。時刻T812において、全てのモータが印刷速度50PPMに到達している。
【0112】
所定時間ΔT1〜ΔT8は、モータが設定速度まで加速するために必要な時間以上に設定されており、実験的に決まる。時刻T83から時刻T84の期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態及び機構制御部41Aの検出時間によって変わり本実施例3では100msであった。更に、時刻T811から時刻T812までの期間はモータの出力ばらつきと負荷の状態でかわり本実施例では50msであった。従って、モータの起動から印刷速度までの時間は、550msとなった。
【0113】
DCモータ54の電流リミットで制御される起動と加速とを分散することで、電源ユニット40の電流値のピークを小さくすることができる。更に、加速時においては5つのIDモータ47とベルトモータ46を3つのグループA,B,Cに分けて、A→B→Cの順番に速度設定値を増やしていき、前のグループの速度設定値よりも大きくすることで当接されたIDユニット20とベルト11の移動量の差を小さくして印刷速度50PPMまで加速することができる。そのため、消耗品であるIDユニット20及びベルト11の速度差によって生ずる摩擦が小さくなり、IDユニット20及びベルト11の寿命を長くすることができる。
【0114】
更に、起動時と加速時において、設定速度に必要な電流リミット値を切り替えることによって同時に起動、加速できるモータの数が増やせるため印刷速度まで加速する時間を短縮できる。
【0115】
(実施例3の効果)
本発明の実施例3によれば、電流リミット値を切り替える回路71〜74を追加し、起動時と加速時において設定速度に必要な電流リミット値を切り替えるようにしている。これにより、同時に起動及び加速できるモータの数が増やせるため印刷速度まで加速する時間を短縮できる。
【0116】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形例が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(3)のようなものがある。
【0117】
(1) 実施例1〜3では、中間転写方式の画像形成装置のモータに駆動装置を適用した例を説明したが、実施例1〜3の駆動装置を直接転写方式の画像形成装置のモータに適用することもできる。直接転写方式の画像形成装置のモータに適用する場合には、
図2において、ベルト11の回転方向は反時計回りとなる。直接転写方式の画像形成装置では、記録媒体1は、感
光体ドラム22Kと転写ローラ13Kのニップ部→感
光体ドラム22Cと転写ローラ13Cのニップ部→感
光体ドラム22Mと転写ローラ13Mのニップ部→感
光体ドラム22Yと転写ローラ13Yのニップ部→感
光体ドラム22Wと転写ローラ13Wのニップ部の順番に搬送される。この場合、複数の像担持体駆動手段47及びベルト駆動手段46は、下流側のIDモータ47W→IDモータ47Y→IDモータ47M→IDモータ47C→IDモータ47K→ベルトモータ46の順番に段階的に第2の定速度へ加速されることになる。
【0118】
(2) ベルトモータ46と5つのIDモータ47とをグループ分ける数を、実施例1及び3では3とした例を、実施例2では2とした例を説明したが、グループ分けする数は、2及び3に限定されない。ベルト11と当接するIDユニットの数に応じて、グループ分けの数を適宜変更して実施することができる。
【0119】
(3) 実施例1〜3では、画像形成装置への適用を例に説明したが、複数の回転可能な像担持体と対向して回動可能に設けられたベルトを駆動するモータ駆動装置を備える多機能周辺装置(MFP:Multifunction Peripheral)MFP、コピー機等においても適用可能である。