特許第5789269号(P5789269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5789269家庭用マルチメディアネットワークの映像管理および制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789269
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】家庭用マルチメディアネットワークの映像管理および制御
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20150917BHJP
【FI】
   H04N21/436
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-549055(P2012-549055)
(86)(22)【出願日】2011年1月12日
(65)【公表番号】特表2013-517693(P2013-517693A)
(43)【公表日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】US2011021030
(87)【国際公開番号】WO2011088153
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】61/294,476
(32)【優先日】2010年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504441048
【氏名又は名称】シリコン イメージ,インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】514013509
【氏名又は名称】シナーチップ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100149696
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドンユン
(72)【発明者】
【氏名】パク、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハーン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】グプタ、マヤンク
(72)【発明者】
【氏名】ヘニンウルフ、ポール
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サンワン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ソクジェ
【審査官】 矢野 光治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0251605(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0141180(US,A1)
【文献】 特開2009−55306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツを送信する送信デバイスと、
映像リンクを介して前記映像コンテンツを受信する受信デバイスと
記送信デバイスおよび前記受信デバイスとの間に位置する少なくとも1つの中間中継デバイスと、を備え、
前記中間中継デバイスが、1つ以上のデータ中継モードを用いて、前記映像リンクを介して、前記映像コンテンツを前記送信デバイスから前記受信デバイスに中継するように構成されており、
前記中間中継デバイスで用いられるデータ中継モードは、複数のデータ中継モードの中から選択され、
前記複数のデータ中継モードは、
前記映像コンテンツに対応する1つ以上の入力信号がクロック信号でサンプリングされて前記映像リンクに出力されるリサンプリングモードと、
クロック信号が使用されずに、前記映像コンテンツに対応する入力信号が等化され、増幅され、かつ前記映像リンクに出力されるバッファリングモードと、を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記送信デバイスが映像源とされ、前記受信デバイスが映像受信側とされることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記送信デバイスと前記受信デバイスとの間に位置する複数の前記中間中継デバイスが設けられ、かつ、これら複数の前記中間中継デバイスの少なくとも1つが、前記データ中継モードのうちの1つだけで動作するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記送信デバイスと前記受信デバイスとの間に位置する複数の前記中間中継デバイスが設けられ、かつ、これら複数の前記中間中継デバイスの少なくとも1つが、前記データ中継モードのうちの1つ以上で動作するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記送信デバイスが、前記中間中継デバイスそれぞれに対して前記データ中継モードを選択するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信デバイスが、前記送信デバイスから複数の前記中間中継デバイスを経由して前記受信デバイスに送信されるメッセージを送信することで、前記中間中継デバイスのデータ中継モードの選択を通信するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項7】
記メッセージには、複数の中間中継デバイスの1つに対する所望のデータ中継モードを示す、前記送信デバイスによって初期化されるデータアイテムが含まれていることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記映像リンクが一方向リンクであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2008年3月27日に提出された発明の名称が「映像および音声用双方向デジタルインタフェース(DIVA)」の米国特許出願第12/057,051号、および2009年12月11日に提出された発明の名称が「映像および音声用デジタルインタフェースへの電源供給(DiiVA)」の米国特許出願第12/636,063号に関する。上記2つの出願は本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ディーバ(DiiVA(Digital Interactive Interface For Video And Audio))は、非圧縮高解像映像、多重チャネル音声、および双方向高帯域幅データを1つのケーブルで送信できる、双方向音声/映像インタフェースである。ディーバは、非圧縮映像ピクセルおよび同期信号を送信するのに専用の一方向映像チャネルリンクに加えて、音声データ、制御データ、イーサネット(登録商標)データ、およびバルクデータを含み、これに限定されない、異種データの送信を可能とする双方向ハイブリッドデータチャネルを実現する。
【0003】
ディーバは、家庭用マルチメディアネットワークにおける映像マネジメントおよび制御を含む、但し限定されない、様々な用途向けの高度化された機能を提供できる。
【発明の概要】
【0004】
図面は例示可能な実施形態を開示する。これらがすべての実施形態を明らかにするわけではない。他の実施形態が追加または代替で用いられる。同じ参照番号が異なる図面に現れる場合は、同じまたは同様の構成要素または工程を参照するものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】ディーバリンクの概略図である。
図2】本開示の1つの実施形態に基づく、映像コンテンツを中継するシステムの概略ブロック図である。
図3】(A)本開示の1つの実施形態に基づく、ハイブリッドリンク制御パケットのタイミングチャートである。(B)ハイブリッドリンク制御パケットの一例である。
図4】本開示の1つの実施形態に基づく、映像リンクにおける映像フレームを示す図である。
図5】本開示の1つの実施形態に基づく、ハイブリッドリンクを経由してデータを送信することに用いられるパケットを示した図である。
図6】(A)シンボル周波数と、ピクセル周波数、ビット/ピクセル、レーン数との関係を数学的に示す式である。(B)シンボル周波数、ピクセル周波数、ビット/ピクセル、レーン数の関係を示す表である。
図7】映像トレーニング要求パケットを示す表である。
図8】映像トレーニング要求パケットフォーマットを示す表である。
図9】カプセル化されたイーサネット(登録商標)パケットを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示では、家庭用マルチメディアネットワークにおける映像マネージメントおよび制御に関する方法およびシステムが開示される。例示する実施形態について説明する。他の実施形態は追加または代替で用いられる。
【0007】
ディーバは、制御データだけではなく他の種類のデータ、音声データ、イーサネット(登録商標)データ、およびバルクデータを含んで限定されない、伝送可能な双方向のハイブリッドデータチャネルを実現する双方向音声/映像インタフェースであり、ユーザが、デジタルTVまたは他のディーバデバイスから複数の民生電子デバイス(DVDプレーヤ、デジタルビデオレコーダ、セットアップボックス、パーソナルコンピュータ、カムコーダ、およびホームステレオシステムなどの、但し限定されない)を接続し、構成し、および制御することができる。
【0008】
ディーバに関する詳細は米国仮出願第61/294,476号に添付の書類に説明される。その内容は本明細書に援用される。
【0009】
図1が、本発明の1つの実施形態による、ディーバリンクの電気接続の概略図である。ディーバリンクが2つのディーバデバイス間の接続である。図1に例示する実施形態などの実施例では、ディーバリンクが映像リンクおよびハイブリッドリンクで構成される。映像リンクが一方向(ダウンストリーム方向)であり、3つの映像レーンの、VL0、VL1およびVL2(図1の132、133および134でそれぞれ示される)を有し、3つの異なる対に対応する。ハイブリッドリンクが半二重双方向であって、1本の差動対を用いる。図1に示すように、4つの対はすべて、ケーブルの両端で交流結合される。例示の実施形態において、差動対がそれぞれ、VOポート、VIポートの内側で電気的に50オームで終端されるが、他の実施例では、差動対の電気的な終端に他の方法が用いられる。
【0010】
各対の直流電圧レベルが個々の基準電圧の、VU0、VU1、VU3、VD0、VD1、VD2、およびVD3で決まる。基準電圧がフェライトビーズなどの高周波遮断フィルタで差動信号から分離される。直流電力がディーバリンク間に供給され、リピータ、または中継器および移動デバイスを起動する。
【0011】
ある実施形態では、ディーバPHY(物理層)が映像リンクPHYおよびハイブリッドリンクPHYで構成される。各PHYがロジカルサブレイヤおよび電子サブレイヤを有する。
【0012】
ハイブリッドリンクが各パケットフレームのあとに方向の変更のある半二重接続である。各パケットにはヘッダ、ペイロードおよびCRCが含まれる。
【0013】
図2が本開示の1つの実施形態に基づいた、映像コンテンツを中継するシステム200の概略ブロック図である。大きくは、システム200が少なくとも1つの映像源(ソース、図2の参照番号201、202でそれぞれ示される)、少なくとも1つの映像受信側(シンク、図2の参照番号211、212でそれぞれ示される)、映像源(201または202)を映像受信側(211または212)に接続する1つまたは複数のリンクを有する。リンクのいくつかが図2の参照番号250および252にそれぞれ示される。システムがさらに、少なくとも1つの映像源(201または202)および受信側(211または212)間の中間中継点(図2の参照番号222、223、224および225)を有する。中間中継点が映像源からリンクを経由して映像受信側に、1つまたは複数のデータ中継モードを使用して、映像内容を中継するように構成される。各中間中継点が映像送信機、映像受信機、または両方を有する。
【0014】
映像源が例示されるが、さらに一般には、何れの送信するデバイスが用いられて良い。また、映像受信側が例示されるが、さらに一般には、何れの受信するデバイスが用いられて良い。
【0015】
ディーバを用いることで、映像源および映像受信側間における多数のソース、スイッチ、他のデバイスが接続できる。最大限のハイブリッドリンク動作を維持しつつ、実際の映像源および映像受信側間のデバイスが映像データを送信する機能を担う。映像源、受信側、およびリンクにはプロセッサまたはコントローラが設けられて、本開示で説明する機能を実現するように構成される。
【0016】
本開示のある実施形態では、データ中継モードが、リサンプルモード、バッファリングモードの少なくとも1つを有する。リサンプルモード期間では、1つまたは複数の入力信号がクロックでサンプルされ、出力に中継される。バッファリング期間では、何れのローカルクロックを使用せずに、入力信号が等化され、増幅して出力に中継される。
【0017】
ある実施形態では、リサンプル中継モードにおいて、VIポートPHYが映像クロック復元ユニット(CRU)で映像データストリームからクロック情報を復元する。復元されたクロック情報が、あるケースではさらに処理されて、受信した映像データをリサンプルし、それをVOポートへ再送信する。この動作はケーブル、コネクタおよびPCB配線での、ある種の信号劣化を緩和する。リサンプルモード期間に、受信機は最大限の動作モード状態にある。
【0018】
ある実施形態では、バッファリング中継モードにおいて、PHYがリサンプルすることなく、ダウンストリームの信号品質を改善する。ある実施形態では、バッファリング中継モードが、ケーブル長さを延長するためのケーブル信号ブースタに用いられる。
【0019】
ある実施形態では、1つまたは複数の中継中間点がデータ中継モードの1つのみで動作する。ある実施形態では、1つまたは複数の中継中間点が動作モードの1つ以上において映像コンテンツを中継する。
【0020】
ある実施形態では、映像源および中継中間点が、中継中間点のいくつかまたはすべてに対して、データ中継モードを選択する。
【0021】
ある実施形態では、映像源が映像源から中継中間点を介して映像受信機に伝搬するメッセージを用いて、データ中継モードの選択を連絡する。
【0022】
ある実施形態では、メッセージが映像源で初期化されるデータアイテムを含んで、最初の中継中間点に対して所望のデータ中継を指示しても良い。
【0023】
ある実施形態では、各中継中間点の動作へのルールが確立されても良く、各中継中間点が送信機および受信機間のデータアイテム(シーケンス/セレクションフィールドなど)を変更し、その結果、次の中継中間点が所望の値を受信して所望の中継モードを選択する。
【0024】
他の実施形態では、中継中間点が、データ中継モードにおいて動作できない場合に、データアイテム(シーケンス/セレクションフィールド)の値を特別な値にリセットする要求をする補足ルールが確立されても良い。
【0025】
中継中間点を用いた映像中継が、米国仮出願第61/294,476号に添付の書類にさらに詳細に説明され、その内容は本明細書に援用される。
【0026】
本開示のある実施形態では、送信デバイスおよび受信デバイス間のハイブリッドリンクがパケットフレーム毎に方向変更の伴うディーバ半二重リンクとされる。各パケットフレームが方向識別子、50のD10.2シンボルのプリアンブル、4つのSOPシンボル、パケット、およびEOPシンボルで構成される。パケットがヘッダ、ペイロードおよびCRCで構成される。
【0027】
本開示のある実施形態では、HLCS(Hybrid Link Control Signaling)が用いられて、接続/非接続(Connection/Disconnection)検出、スピードグレードネゴシエーション、PHYパラメータ最適化、およびパワーマネジメントを含んで限定されないマネージメント操作を支援する。
【0028】
これら実施形態では、第1のデバイス(ある実施形態ではソースデバイスでも良い)、第2のデバイス(ある実施形態では受信機でも良い)、および第1のデバイスと第2のデバイスを接続し、ハイブリッドリンク制御信号(HLCS)を実行するハイブリッドリンク、を有するシステムが用いられても良い。
【0029】
図3(A)が、本発明の1つの実施形態に基づいたハイブリッドHLCSパケット300の一例を示している。パケットの範囲が参照番号320で示される。図示の実施形態において、HLCSパケット300には、4ビットプリアンブル310(1010)、1ビット送り表示330(リーダなら1、フォロワなら0)、1ビットパケットタイプ表示340(コマンドパケットなら1、データパケットなら0)、パケットタイプ表示340に続いて、8ビットデータ(先にMSb(Most Significant bit))、1ビットパリティビット350(送り表示、パケットタイプ表示、データビットのXOR)、および1ビットストップビット(1)が含まれる。
【0030】
図3(A)に示すように、ある実施形態では、ハイブリッドリンクがシグナルトランジションのバーストでHLCSを実行する。ハイブリッドリンクが該バーストの有無を用いて、1および0の値を示す。ハイブリッドリンクが1つまたは複数の1および0の値の連続を用いてハイブリッドリンク間でメッセージを通信する。
【0031】
図3(B)が、本開示の1つの実施形態におけるHLCSコマンドの8ビットデータエンコードを示すテーブルである。
【0032】
ある実施形態では、VOポートおよびVIポートがHLCSと通信しているとき、各ポーが次のうちの1つの状態にある。
【0033】
(1)リセット
(2)初期化状態、Init
(3)フォワードトレーニング Ftrain
(4)バックワードトレーニング Btrain
(5)ノーマルオペレーション PO
(6)シャロー/ディープ サスペンデッド P1/P2
【0034】
VOポートおよびVIポートが、HLCSで通信しているときに、リーダ/フォロワベースの半二重通信を用いても良く、その中で、テストデバイスがVOポートに取り付けられる場合を除いて、VOポートがリーダの役割を取り、VIポートがフォロワの役割を取る。
【0035】
HLCSに関しては、米国仮出願第61/294,476号に添付の書類にさらに詳細に説明され、その内容は本明細書に援用される。
【0036】
図4が、本開示の1つの実施形態に基づいた映像リンクの映像フレームを示す。図4に示すように、映像リンクが、映像フレームで構成されるストリームとしての映像データを送信する。各映像フレームがプログレスモードの1つのフレームに対応し、1つのフィールドがインタレースモードに対応する。ある実施形態では、制御シーケンス(すなわち、SOFおよびSOHシーケンス)が映像タイミングを表示するように用いられ、4回繰り返されてシンボルのロバストを確実に検出する。
【0037】
ある実施形態では、映像ピクセルパッキング方法が、映像源デバイスを映像受信側デバイスに接続する映像リンクで支援される映像レーンの数を選択する工程を有する。該選択が、映像受信側デバイスの容量、物理層(PHY)トレーニングの結果、および映像ピクセルレートおよび映像ピクセルサイズの少なくとも1つに基づいてなされる。
【0038】
上記方法が、映像源デバイスおよび映像受信側デバイス間のハイブリッドコマンドチャネルを介してデバイス容量を読み取る工程をさらに有する。PHYトレーニングの結果には、中継中間点を介して映像源デバイスを映像受信側デバイスに接続するケーブルの特性が含まれても良い。
【0039】
映像ピクセルパッキング方法に関しては、米国仮出願第61/294,476号に添付の書類にさらに詳細に説明され、その内容は本明細書に援用される。
【0040】
概略すると、本開示のある実施形態においては、ディーバのハイブリッドリンク(130)が、可変長ペイロード、固定サイズのヘッダ、およびテールを有するパケット双方向(半二重)データサービスを提供する。これら実施形態では、下層物理データリンクが、1つのデバイスのVIポートから別のVOポートへの2地点リンクである。データパケットをリンクの他の側と交換する際には、2つのポートがそれぞれ送信モードのターンを取っても良く、他の側が受信モードとなる。下層物理層が本質的に一方向である一方、ハイブリッドリンクが送信の交互方向によって論理的な双方向(すなわち半二重)データサービスを提供できる。
【0041】
ある実施形態では、ハイブリッドリンクがコマンド/ステータス情報、並びに音声ストリーム、USBおよびイーサネット(登録商標)データを送信するように用いられても良い。ハイブリッドリンクが、1つまたは複数の音声サブチャネル、コマンドサブチャネル、およびデータサブチャネルをこれに限定せずに含む、多数のサブチャネルを有して良い。
【0042】
図5に、本開示の1つの実施形態に基づく、ハイブリッドリンク間のデータ送信に用いられるパケット500が示される。一般のハイブリッドリンクパケットフォーマットが図5に示される。図5に示されるように、ハイブリッド間でデータを送信することに用いられるパケット500が、ヘッダ530、ペイロード520、テール510を有して良い。例示の実施形態では、ヘッダのサイズが固定され、発送元および宛先のアドレス、ならびに送信パラメータを含んでいる。例示の実施形態では、ペイロードが、サイズが可変で最大1984バイトまでのユーザデータを有し、一方、テールが、ヘッダおよびペイロードから算出されるイーサネット(登録商標)パケットのFCS同様の32ビットCRCである。他の実施形態が、他の種類のヘッダ、ペイロード、およびテールを有しても良い。例示の実施形態では、ワード0のバイト0が最初に送信される。
【0043】
パケット500がチャネルレディフィールド(channel readiness filed)(CH−RDY)550を有し、それが送信デバイスにおける複数のサブチャネルの1つ毎のレディを表示するような複数のビットを有する。フィールド550のビットの1つが、送信デバイスの対応するサブチャネルがレディのときに、設定されて良い。
【0044】
第1のデバイスによってデータパケットのチャネルレディネスフィールド550が用いられて、ハイブリッドリンクで第1のデバイスに接続される第2のデバイスのステータスを判断しても良い。
【0045】
第1のデバイスが、チャネルレディネスフィールド550の設定ビットで示されるように、データを受信する状態にある第2のデバイス内の対応するサブチャネルのデータを有するパケットを送信しても良い。パケットの宛先サブチャネルが図5に示されるパケットのCH−IDで指示される。また、この第1のデバイスによって送信されるデータパケットが第1のデバイスの対応するサブチャネルのレディネスを指示するチャネルレディネスフィールドを有する。
【0046】
本開示のある実施形態では、映像リンクが映像源から1つまたは複数の映像レーンを介して映像受信側に映像ストリームを送信するように構成されても良い。映像ストリームが有効映像期間で時間集約された映像ピクセルデータを含んで良く、各有効映像期間には映像イメージの1つ水平ラインに対するピクセルデータが含まれる。
【0047】
ある実施形態では、映像ストリームが映像リンク内の1つまたは複数の映像レーン間で配信されて良い。
【0048】
ある実施形態では、各映像レーンが各有効映像期間の開始および終了を示す少なくとも1つまたは複数の制御シーケンスを有して良い。ある実施形態では、各映像レーンが各有効映像期間に対するエラー検出コードを有して良い。エラー検出コードが、映像源によって該映像レーンに見出される有効ピクセルデータから算出されても良い。映像受信側がエラー検出コードをデコードするように構成され、受信した映像ピクセルデータが映像源から送信された映像ピクセルデータと一致するかを判定しても良い。
【0049】
ある実施形態では、映像源および映像受信側が1つまたは複数のエラー復帰要求を通信してエラー数を減らすように構成されても良い。エラー復帰要求が、映像リンク送信機および受信機を維持する要求、映像レーンの数を変更する要求、映像解像度、ピクセルサイズおよびフレームレートのうちの1つを変更して映像データレートを減少させる要求、のうち1つまたは複数を有しても良い。
【0050】
ディーバ映像リンクが用いられる本開示の実施形態において、データが2つまたは3つのカラーコンポーネントのグループで送信される(各可視ピクセルが3つのカラーコンポーネント、R、G、BまたはY、Cb、Crの何れかで表される)。1つの実施形態では、このデータが2つまたは3つのカラーコンポーネントのグループで送信され、ピクセルエンコード方式がYCrCb4:2:2の場合に2つのカラーコンポーネントで、ピクセルエンコード方式がRGBまたはYCrCb4:4:4の場合に3つのカラーコンポーネントで、送信される。各カラーコンポーネントのビット幅(すなわち、ビット/コンポーネント「bpc」)がその中の1つである。このように、1つのピクセルのビット幅(すなわち、ビット/ピクセル、「bpp」)が1つのカラーコンポーネントのビット幅およびピクセルエンコード方式の複合で決定される。図6(A)がシンボル周波数をピクセル周波数と数学的に関連付ける式であり、図6(B)がシンボル周波数およびピクセル周波数間の関係を示す表である。
【0051】
本開示のある実施形態では、映像リンクトレーニングが映像リンクおよびハイブリッドリンクに対して(たとえば、プロセッサまたはコントローラによって)実施されて良い。ある実施形態では、映像リンクトレーニングが映像源から複数のリンクの最初の1つで開始して、映像受信側に向ってすべてのリンクがトレーニングされて映像受信機に到達するまで、次に続くリンクを継続しても良い。
【0052】
プロセッサ(またはコントローラ)が、映像リンクから抽出した映像ピクセルクロックを用いて複数のリンク毎に映像リンクトレーニングを実行しても良い。映像リンクトレーニングの結果には、成否、検出エラーレート、および映像源に対してビットレート低減の要求、のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0053】
ある実施形態では、映像源が映像レーンの数を増やしてビットレートを下げても良い。
【0054】
図7が映像トレーニング要求パケットの1つの実施形態を説明する表であり、一方、図8が映像トレーニング要求パケットフォーマットを示す表である。
【0055】
映像レーン、エラー検出、および映像リンクトレーニングに関して、米国仮出願第61/294,476号に添付の書類にさらに詳細に説明され、その内容は本明細書に援用される。
【0056】
ディーバデバイスがディーバインタフェース間でイーサネット(登録商標)パケットを送信できることでも良い。
【0057】
さらに一般的には、本開示のある実施形態では、イーサネット(登録商標)カプセル化およびルーチンが実行されて良い。これらの実施形態において、システムが、それぞれがユニークなネットワークアドレスを有する、少なくとも第1のデバイス、該第1のデバイスに接続された第2のデバイスを有するネットワークを含んで良い。1つのデバイスから別のデバイスに送信されるパケットが外部インタフェースからパケットの部分のカプセル化を含んで良い。また、外部インタフェースに見出される外部デバイスがユニークな外部ネットワークアドレスを含む。1つまたは複数の実施形態では、第2のデバイスを第1のデバイスに接続するインタフェースが、そのネットワークアドレスがディーバデバイスアドレスであるディーバとされる。
【0058】
外部インタフェースがイーサネット(登録商標)、IEEE802.11ベースのインタフェース、およびイーサネット(登録商標)の変形の1つでも良い。
【0059】
ある実施形態では、外部インタフェースからのカプセル化が外部インタフェース用のアドレスでも良い。ある実施形態では、外部インタフェース用のアドレスがイーサネット(登録商標)MACアドレスであって良い。
【0060】
ある実施形態では、ネットワークの少なくとも1つが、カプセルを含むパケットが送信される送信ポートを決定するように構成されて良く、外部インタフェースのアドレスのカプセル、外部インタフェースからのパケットの部分のカプセルをやはり含む以前に受信したパケット、の1つに基づいて決定される。以前に受信したパケットのカプセル化された外部インタフェースアドレスを送信されるパケットのカプセル化された外部インタフェースアドレスに合わせること、および、送信ポートとして以前に受信した適合するパケットが受信されたポートを選択することに基づいて、デバイスが送信ポートを決定するように構成されても良い。
【0061】
ある実施形態では、以前に受信したパケットのカプセル化された外部インタフェースアドレスを、送信するパケットのカプセル化された外部インタフェースアドレスに合わせること、および、送信ポートとして以前に受信した適合するパケットが受信されたポートを選択することに基づいて、送信ポートを決定するようにデバイスが構成されても良い。
【0062】
他の実施形態では、デバイスが固有の宛先タグ値をカプセル化しても良く、該タグ値は、送信したパケットに送信する外部インタフェースアドレスに一致するカプセル化された外部インタフェースアドレスを有する以前に受信したカプセルパケットから抽出された発信元タグ値として、同じ値である。
【0063】
ある実施形態では、カプセルパケットを受信するデバイスが、宛先タグ値を用いてカプセルパケットの内部ルーチン宛先を決定しても良い。他の実施形態では、カプセルパケットを受信するデバイスが、時々パケット内容を非カプセル化し(開ける)、カプセルパケット送信デバイスによって受信されたオリジナルパケットにほぼ類似する外部インタフェースパケットに再生成する。
【0064】
図9が、本開示の1つの実施形態に基づいた、カプセル化されたイーサネット(登録商標)パケットを示す表である。この表において、DEST_ETAGおよびINIT_ETAGがそれぞれイーサネット(登録商標)ペイロードの宛先およびソースMACアドレスに関連したイーサネット(登録商標)サービス固有フィールドである。これらがイーサネット(登録商標)ルーチンメカニズムに利用可能とされるMACアドレスエクステンションとして考慮されても良い。
【0065】
ディーバデバイスが、それを宛先とされたハイブリッドリンクパケットにカプセル化されたイーサネット(登録商標)パケットとして受信すると(すなわち、DEST_DDAがそれのDDAである)、それがソースイーサネット(登録商標)アドレス、INIT_ETAG、およびパケットが受信されたハイブリッドリンクポートへのINIT_DDAと関連する。この情報がイーサネット(登録商標)ルーチンテーブルの中に入力され、その結果、一致する宛先アドレスを有するイーサネット(登録商標)パケットがイーサネット(登録商標)インタフェースで受信された場合、関連のETAGおよびDDAが、イーサネット(登録商標)パケットをカプセル化するように用いられるHLパケットヘッダのINIT_ETAGおよびINIT_DDAフィールドに挿入される。
【0066】
イーサネット(登録商標)カプセル化およびディーバのルーチンに関して、米国仮出願第61/294,476号に添付の書類にさらに詳細に説明され、その内容は本明細書に援用される。
【0067】
まとめると、映像管理、制御、およびディーバのイーサネット(登録商標)カプセル化、ルーチンに関する方法とシステムを本開示で説明してきた。説明してきた構成要素、工程、機能、目的、効果、優位な点は例示に過ぎない。何れの1つも、またそれに関する説明も、特許請求の範囲を何れにしても限定するものではない。
【0068】
ある実施形態が説明されてあっても、一方でこれら実施形態の中で黙示される主旨が他の実施形態で用いられても良いことは明白である。より少ない、補助の、および/または異なる構成要素、工程、機能、目的、効果、優位な点を有する実施形態を含め、多くの他の実施形態がやはり検討される。構成要素および工程が相異して配置され、並べられて良い。説明され例示された1つが、構成要素、工程、機能、目的、効果、優位な点の何れに特化する、または公然と同等にする意図はまったく無い。
【0069】
本開示において、要素の単一の参照は、特別にそのように言及しない限りは、「1つまたはわずか1つ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものである。本開示を通して説明した多数の実施形態の要素に等価な、当技術分野の当業者に知られているまたは今後知られるすべての構造および機能が、本明細書に組み込まれて援用される。
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図9