特許第5789290号(P5789290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789290
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150917BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/041 422
   G06F3/044 124
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-251455(P2013-251455)
(22)【出願日】2013年12月4日
(62)【分割の表示】特願2011-7840(P2011-7840)の分割
【原出願日】2011年1月18日
(65)【公開番号】特開2014-63520(P2014-63520A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2013年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 真樹
(72)【発明者】
【氏名】西谷 茂之
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−110742(JP,A)
【文献】 特開2010−244357(JP,A)
【文献】 特開2009−048559(JP,A)
【文献】 特開2008−225821(JP,A)
【文献】 特開2009−116861(JP,A)
【文献】 特開2004−333302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板と、
該基板の上に設けられた導体パターンと、を有するタッチパネルであって、
タッチ位置の検出が可能な2つの検出領域が有り、かつ、前記2つの検出領域の間には、前記タッチ位置の検出がされない非検出領域を有し、
前記2つの検出領域の一方は座標検出領域で、他方は特定の操作を行うボタン操作検出領域であり、
前記座標検出領域と前記ボタン操作検出領域には第1の方向に並んだ複数の第1の電極と、第2の方向に並んだ複数の第2の電極とが形成され、
前記非検出領域には延長配線が形成され、
前記延長配線により、前記座標検出領域の前記第1の電極と前記ボタン操作検出領域の前記第1の電極とは、電気的に接続された共通の電極であり、
前記基板上には電気信号の入出力を行うための複数の外部接続端子が併設して形成され、
前記座標検出領域の前記第2の電極に接続された前記外部接続端子と、前記ボタン操作検出領域の前記第2の電極に接続された前記外部接続端子との間に、前記座標検出領域の前記第1の電極と前記ボタン操作検出領域の前記第1の電極とに共通に接続された前記外部接続端子が配置されることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記2つの検出領域は、前記タッチ位置の検出方式がすべて同じ方式であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記検出方式は静電容量結合方式であることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記2つの検出領域は、前記第1の電極および前記第2の電極の平面形状および配置規則が同じであることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記ボタン操作検出領域に形成された、前記第1の電極と、該第1の電極に隣接する前記第2の電極は形状が異なることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記ボタン操作検出領域の前記第1の電極は、三角形状電極部を有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記外部接続端子が、前記非検出領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関し、特に、液晶表示パネル上に配置されるタッチパネルに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置には、タッチパネルと呼ばれるマンマシンインターフェースを表示パネル上に配置したもの(以下「タッチパネル付き表示装置」という。)がある。タッチパネル付き表示装置は、たとえば、銀行のATM(Automatic Teller Machine)、カーナビゲーションシステム、携帯電話端末などに広く用いられるようになってきている。
【0003】
タッチパネルは、通常、あらかじめ定められた手段(たとえば、指やスタイラスなど)によりタッチしたときにそのタッチ位置を検出することが可能な領域(以下「検出領域」という。)が表示パネルにおける表示領域と重なるように設けられている。そのため、タッチパネル付き表示装置を有する電子機器は、たとえば、表示パネルに表示されたボタンなどの画像に直接触れるような感覚で操作をすることができる。
【0004】
また、タッチパネル付き表示装置は、当該表示装置を有する電子機器の操作の全部または一部を、表示パネルに表示する画像または映像とタッチパネルのタッチ位置との組み合わせに置き換えることが可能である。したがって、タッチパネル付き表示装置を用いることにより、電子機器の構成や制御を、メンブレムスイッチなどの機械的なスイッチを用いて操作する従来のものに比べて簡単にすることができる。
【0005】
またさらに、近年のタッチパネル付き表示装置には、当該表示装置を有する電子機器の操作性の向上を図るために、たとえば、ボタンなどの操作時に目印となるものを設けたシートをタッチパネルの前面に配置したものもある(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0006】
なお、本明細書において参照する特許文献1等の先行技術文献は、以下の通りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−327756号公報
【特許文献2】特開2010−044435号公報
【特許文献3】特開2008−310550号公報(エプソン)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のタッチパネル付き表示装置を有する電子機器では、たとえば、表示領域の外側にメンブレムスイッチなどの機械的なスイッチを配置して、よく使う機能と関係する操作や特定の操作を当該機械的なスイッチに割り当てることもある。このようにすることで、たとえば、表示パネルに表示されている内容によらず、よく使う機能の呼び出しや特定の操作を直接行うことができ、操作性が向上する。
【0009】
しかしながら、機械的なスイッチを配置した場合、その分だけ、電子機器の構成や制御が複雑になるという問題がある。
【0010】
また、機械的なスイッチを配置する場合、表示領域の外側に当該スイッチを配置するためのスペースが必要になるので、電子機器が大型化するまたは表示領域が狭くなるという問題がある。
【0011】
またさらに、特許文献1においてシートに設けるボタンや凹凸などのパターンは、たとえば、タッチパネルを利用して行われる操作ごと、言い換えると電子機器の種類ごとに異なる。したがって、このようなシートを用いることは、タッチパネル付き表示装置の汎用性の低下につながると考えられる。
【0012】
本発明の目的は、たとえば、電子機器の構成や制御を簡単にすることと、高い操作性を維持することの両立が可能なタッチパネルを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、たとえば、電子機器に組み込む際の汎用性の低下を抑えることが可能なタッチパネルを提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
【0016】
(1)表示パネルと、観察者から見た前記表示パネルの前面側に配置されるタッチパネルとを有する表示装置であって、前記タッチパネルは、1枚の透明な基板と、当該基板の上に設けられた導体パターンとを有し、当該タッチパネルには、タッチ位置の検出が可能な検出領域が複数有り、かつ、隣接する2つの検出領域の間には、前記タッチ位置の検出がされない非検出領域を有する表示装置である。
【0017】
(2)前記(1)の表示装置において、複数の前記検出領域は、前記タッチ位置の検出方式がすべて同じ方式である。
【0018】
(3)前記(2)の表示装置において、前記検出方式は静電容量結合方式である。
【0019】
(4)前記(3)の表示装置において、複数の前記検出領域のそれぞれには、前記検出領域の表面に電界を生成するための第1の電極および第2の電極が配置されており、当該複数の前記検出領域のうちの2つの検出領域は、前記第1の電極および前記第2の電極の平面形状および配置規則が同じであり、かつ、前記第1の電極同士または前記第2の電極同士のいずれかが電気的に接続している。
【0020】
(5)前記(3)の表示装置において、前記タッチパネルには、表面に電界を生成するための第1の電極および第2の電極がそれぞれ複数個ずつ併設されている検出領域と、前記第1の電極および前記第2の電極がそれぞれ1個ずつ設けられている検出領域とがある。
【0021】
(6)前記(1)の表示装置において、複数の前記検知領域における前記タッチの検知方式が2通り以上ある。
【0022】
(7)前記(1)の表示装置において、前記タッチパネルには、前記表示パネルにおける表示領域と重なる検出領域と、重ならない検出領域とがある。
【0023】
(8)前記(7)の表示装置において、前記表示領域と重ならない前記検出領域は前記表示パネルと重なっておらず、前記観察者から見た当該検出領域の後方には、当該検出領域を通して前記観察者側に光を発する光源が配置されている。
【0024】
(9)前記(1)の表示装置において、前記タッチパネルは、電気信号の入出力を行うための外部接続端子を有し、当該外部接続端子が、隣接する2つの検出領域の間にある前記非検出領域に設けられている。
【0025】
(10)前記(1)の表示装置において、前記タッチパネルの前面に、透明な基板と、複数の前記検出領域のうちの2つ以上の検出領域と重なる位置が開口した遮光膜とを有するフロントウインドが配置されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明のタッチパネルを用いることにより、タッチパネルを有する電子機器の構成や制御を簡単にすることと、高い操作性を維持することの両立が可能となる。
【0027】
また、本発明のタッチパネルは、電子機器に組み込む際の汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例1のタッチパネル付き表示装置における主要部の概略構成の一例を示す模式分解斜視図である。
図2図1に示したタッチパネル付き表示装置の模式側面図である。
図3】実施例1のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。
図4】実施例2のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。
図5】実施例2のタッチパネル付き表示装置の模式側面図である。
図6】本発明による実施例3のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0030】
図1乃至図3は、本発明による実施例1のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示す模式図である。
図1は、実施例1のタッチパネル付き表示装置における主要部の概略構成の一例を示す模式分解斜視図である。図2は、図1に示したタッチパネル付き表示装置の模式側面図である。図3は、実施例1のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。
なお、図2は、図1に示したxyz直交座標系におけるyz面で見た側面図を示している。また、図3は、図1に示したxyz直交座標系におけるxy面で見た平面図を示している。また、図1に示したxyz直交座標系は、xy面が表示パネルにおける表示面(表示領域)と平行であり、観察者は主として+z軸方向側から当該表示装置を観察するものとする。
【0031】
実施例1では、本発明に係るタッチパネル付き表示装置の一例として、液晶表示装置にタッチパネルを組み合わせた場合を挙げる。このとき、当該表示装置は、たとえば、図1および図2に示すように、液晶表示パネル1、バックライト2、タッチパネル3、フロントウインド4、およびプリント配線板5を有する。
【0032】
液晶表示パネル1は、たとえば、従来の透過型または半透過型と呼ばれているもののいずれかであればよい。そのため、本明細書では、液晶表示パネル1の構成に関する具体的な説明は省略する。
【0033】
観察者から見た液晶表示パネル1の後方側に配置されるバックライト2は、たとえば、従来の液晶表示装置に用いられているもののいずれかであればよい。そのため、本明細書では、バックライト2の構成に関する具体的な説明は省略する。
【0034】
観察者から見た液晶表示パネル1の前面側に配置されるタッチパネル3は、基本的な構成は従来のものと同様であり、1枚の透明な基板と、当該基板の上に設けられた導体パターンとを有する。ただし、実施例1のタッチパネル3は、たとえば、図1乃至図3に示したように、1枚のタッチパネル3に第1の検出領域AR1および第2の検出領域AR2の2つの検出領域があり、かつ、当該2つの検出領域AR1,AR2の間に非検出領域がある。なお、前記検出領域は所定の手段(たとえば、指やスタイラスなど)で触れたときにタッチ位置を検出可能な領域であり、前記非検出領域はタッチ位置の検出がされない領域である。
【0035】
また、実施例1のタッチパネル3は、タッチ位置の検出方式が静電容量結合方式(静電容量方式またはアナログ容量結合方式と呼ぶこともある。)であり、第1の検出領域AR1および第2の検出領域AR2のそれぞれには、表面に電界を生成するための第1の電極301および第2の電極302が配置されている。
【0036】
このとき、1本の第1の電極301は、第1の方向(x軸方向)に並んだ複数個のひし形状電極部および三角形状電極部と、それらを接続(連結)する接続部とからなる。同様に、1本の第2の電極302は、第2の方向(y軸方向)に並んだ複数個のひし形状電極部および三角形状電極部(または三角形状電極部のみ)と、それらを接続する接続部とからなる。
【0037】
検出領域にこのような平面形状を有する第1の電極および第2の電極が配置されたタッチパネルの具体的な構成例(第1の電極および第2の電極の配置規則など)および製造方法については、たとえば、特許文献2や特許文献3に開示されている。また、本発明に係るタッチパネル3におけるタッチ位置の検出方式は、静電容量結合方式に限らず、適宜選択が可能である。そのため、本明細書では、タッチパネル3に関する具体的な構成や検出原理の説明は省略する。
【0038】
さて、本発明に係るタッチパネル3は、前述のように、第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2の2つの検出領域が設けられており、当該2つの検出領域AR1,AR2の間には非検出領域がある。このとき、第1の検出領域AR1におけるタッチ位置の検出に関わる電気信号の入出力を行う外部接続端子と、第2の検出領域AR2におけるタッチ位置の検出に関わる電気信号の入出力を行う外部接続端子とは、独立していても構わない。しかしながら、実施例1のタッチパネル3では、たとえば、図3に示したように、第1の検出領域AR1における第2の電極302と第2の検出領域AR2における第2の電極302とを延長配線303により電気的に接続して共通の電極とする。またこのとき、第2の検出領域AR2における第1の電極301は、第1の検出領域AR1における第1の電極301とは独立した電極とし、異なる外部接続端子304から電気信号の入出力が行われるようにする。このようにすると、外部接続端子304および配線の数を可能な限り少なくすることができ、タッチパネル3の面積の増加を抑えることができる。
【0039】
また、タッチパネル3に設ける2つの検出領域は、たとえば、図1乃至図3に示したように、一方の検出領域(第2の検出領域AR2)を小さくし、液晶表示パネル1における表示領域DAの端部に設けることが望ましい。このようにすると、第2の検出領域AR2を、たとえば、よく使う機能と関係する操作や特定の操作に対する操作ボタン用にすることができる。そのため、たとえば、液晶表示パネル1の表示領域DAのうちの第1の検出領域AR1と重なる領域に主要な情報を表示しておき、第2の検出領域AR2と重なる領域によく使う機能の呼び出しや特定の操作を行うためのボタンを表示しておけば、どのような状態からでも、よく使う機能の呼び出しや特定の操作を直接行うことができ、操作性が向上する。
【0040】
またこのとき、よく使う機能の呼び出しや特定の操作は、タッチパネル3にタッチすることで行われる。したがって、たとえば、表示領域DAの周囲にメンブレムスイッチなどの機械的なスイッチを配置した従来のタッチパネル付き表示装置に比べて、構成や制御が簡単になる。
【0041】
またさらに、タッチパネル3における第2の検出領域AR2に複数の操作ボタンを設けるときには、たとえば、図1および図2に示したように、観察者から見たタッチパネル3の前面側に配置されるフロントウインド4に、第1の検出領域AR1と重なる領域および第2の検出領域AR2のうちの操作ボタンとして使用する領域が開口した遮光膜401を設けることで、操作ボタンの位置を認識しやすくなる。
【0042】
すなわち、実施例1のタッチパネル付き表示装置を電子機器に組み込むことで、当該電子機器の構成や制御を簡単にすることと、高い操作性を維持することを両立できる。
【0043】
また、第2の検出領域AR2に操作ボタンを設ける場合、第2の検出領域AR2では各操作ボタンとして機能する領域におけるタッチの有無が検出できればよいので、配置する第1の電極301および第2の電極302の面積を小さくすることができる。そのため、表示領域DAの周囲にメンブレムスイッチなどの機械的なスイッチを配置した従来のタッチパネル付き表示装置に比べて、狭額縁化(小面積化)が容易になる。
【0044】
また、実施例1のタッチパネル付き表示装置が組み込まれる電子機器では、第2の検出領域における操作ボタンと対応する操作内容をソフトウェア的に変更することができる。また、第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2との位置関係は、図3に示した位置関係に限らず、適宜変更可能である。またさらに、第2の検出領域AR2のように操作ボタン用として設ける検出領域の位置や平面形状、数などは適宜変更可能であり、たとえば、第1の検出領域AR1の角部のそれぞれに1つずつ設けたり、第1の検出領域AR1を囲むように設けたりすることもできる。また、操作ボタン用にする検出領域が多数設けられている場合、たとえば、タッチパネル3に接続するプリント配線板5の配線やフロントウインド4に設ける遮光膜401のパターンを変更することで、操作ボタンとして機能する領域を変えることができる。そのため、実施例1のタッチパネル付き表示装置は、電子機器に組み込む際の汎用性の低下を抑えることができる。
【実施例2】
【0045】
図4および図5は、本発明による実施例2のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示す模式図である。
図4は、実施例2のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。図5は、実施例2のタッチパネル付き表示装置の模式側面図である。
なお、図4は、図1に示したxyz直交座標系におけるxy面で見た平面図を示している。また、図5は、図1に示したxyz直交座標系におけるyz面で見た側面図を示している。
【0046】
実施例2でも、本発明に係るタッチパネル付き表示装置の一例として、液晶表示装置にタッチパネルを設けた場合を挙げる。このとき、当該表示装置は、たとえば、図1に示すように、液晶表示パネル1、バックライト2、タッチパネル3、およびフロントウインド4を有する。
【0047】
実施例2の表示装置において実施例1と異なる点は、タッチパネル3の構成である。そのため、実施例2では、タッチパネル3の構成のみについて説明する。
【0048】
実施例2のタッチパネル3は、図4に示すように、第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2の間にある非検出領域に外部接続端子304が設けられている。このとき、第1の検出領域AR1および第2の検出領域AR2のそれぞれにおける電極の平面形状および配置規則は、実施例1で説明したとおりでよいので、実施例2では説明を省略する。
【0049】
またこのとき、第1の検出領域AR1における第2の電極302と第2の検出領域AR2における第2の電極302とは、1つの外部接続端子304を介して電気的に接続された共通の電極とする。また、第2の検出領域AR2における第1の電極301は、第1の検出領域AR1における第1の電極301とは独立した電極とし、異なる外部接続端子304から電気信号の入出力が行われるようにする。
【0050】
このようなタッチパネル3を用いる場合は、たとえば、図5に示すように、外部接続端子304の設けられた面が液晶表示パネル1と対向するように重ねる必要がある。このとき、第1の電極301および第2の電極302、ならびに外部接続端子304が、タッチパネル3における基板の同一面上に積層されているとすると、第1の電極301および第2の電極302はタッチパネル3における基板と液晶表示パネル1との間に位置することになる。したがって、この場合は、たとえば、タッチパネル3における基板上に設けるシールド用の導電膜と、第1の電極301および第2の電極302との積層順を、実施例1のタッチパネル3とは逆にする。
【0051】
また、実施例2のタッチパネル3の場合、たとえば、基板にスルーホール(貫通穴)を設けるなどの方法を用いることで、第1の電極301および第2の電極302が積層された面とは反対側の面(裏面)に外部接続端子304を設けることもできる。この場合、タッチパネル3における基板上に設けるシールド用の導電膜と、第1の電極301および第2の電極302との積層順は、実施例1のタッチパネル3と同じでよい。
【0052】
ところで、実施例2のタッチパネル3の場合、たとえば、図5に示したように、操作ボタン用の第2の検出領域AR2を、液晶表示パネル1と重ならない位置に設けることができる。このとき、観察者から見た第2の検出領域AR2の後方側にLEDなどの光源6を配置しておくと、当該第2の検出領域AR2(操作ボタン)を光らせることができ、たとえば、ボタン位置を認識しやすくなる。
【0053】
したがって、実施例2のタッチパネル付き表示装置を電子機器に組み込んだ場合も、当該電子機器の構成や制御を簡単にすることと、高い操作性を維持することを両立できる。
【0054】
また、実施例2のタッチパネル付き表示装置は、電子機器に組み込む際の汎用性の低下を抑えることもできる。
【実施例3】
【0055】
図6は、本発明による実施例3のタッチパネル付き表示装置におけるタッチパネルの平面構成の一例を示す模式平面図である。
なお、図6は、図1に示したxyz直交座標系におけるxy面で見た平面図を示している。
【0056】
実施例1および実施例2では、第1の検出領域AR1および第2の検出領域AR2における電極の平面形状および配置規則が同じ場合を例に挙げている。しかしながら、第2の検出領域AR2を操作ボタン用とする場合、第2の検出領域AR2では、操作ボタンとして使用する領域に対するタッチの有無が検出できればよい。そのため、第2の検出領域AR2を操作ボタン用とする場合、当該第2の検出領域AR2に要求される検出精度は比較的低い。したがって、第2の検出領域AR2を操作ボタン用とする場合は、当該第2の検出領域AR2に設ける電極を、たとえば、図6に示すように、一対の三角形電極305,306にしてもよい。このような一対の三角形電極305,306による検出方法は周知であるため、本明細書では第2の検出領域AR2の具体的な構成や検出原理の説明は省略する。
【0057】
なお、実施例3のタッチパネル3のように第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2とで電極の平面形状および配置規則が異なる場合は、第2の検出領域AR2における第1の電極305および第2の電極306のいずれも第1の検出領域AR1における第1の電極301および第2の電極302とは独立させる。
【0058】
また、実施例3のタッチパネル3を用いる場合は、たとえば、タッチ位置の座標の導出に用いるIC(Integrated Circuit)により、第1の検出領域AR1におけるタッチの有無の検出と、第2の検出領域AR2におけるタッチの有無の検出とを、短時間で交互に切り替えながら行えばよい。
【0059】
したがって、実施例3のタッチパネル付き表示装置を電子機器に組み込んだ場合も、当該電子機器の構成や制御を簡単にすることと、高い操作性を維持することを両立できる。
【0060】
また、実施例3のタッチパネル付き表示装置は、電子機器に組み込む際の汎用性の低下を抑えることもできる。
【0061】
また、実施例3のタッチパネル3のように、操作ボタン用に設ける第2の検出領域AR2の電極を三角形状にすると、実施例1や実施例2に挙げたようなひし形電極部と三角形電極部からなる電極に比べて小さくできる。そのため、実施例3のタッチパネル3は、実施例1や実施例2のタッチパネル3に比べて、外形寸法の小型化が可能である。
【0062】
また、詳細な説明は省略するが、実施例3のタッチパネル3においても、第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2との位置関係、第2の検出領域AR2の位置や平面形状、数などが適宜変更可能であることはもちろんである。またさらに、外部接続端子304の位置も適宜変更可能であり、実施例2(図4)に示したように第1の検出領域AR1と第2の検出領域AR2との間に配置してもよいことはもちろんである。
【0063】
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
【0064】
たとえば、前記実施例では、本発明に係るタッチパネル付き表示装置の一例として、液晶表示装置(液晶表示パネル1)にタッチパネル3を組み合わせた場合を挙げている。しかしながら、本発明は、これに限らず、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)材料を用いた自発光型の表示装置にタッチパネルを組み合わせたものであってもよいことはもちろんである。
【0065】
また、前記実施例では、タッチパネル3におけるタッチ位置の検出方式の一例として、静電容量結合方式を挙げている。しかしながら、タッチ位置の検出方式はこれに限らず、他の方式であっても良いことはもちろんである。
【符号の説明】
【0066】
1 液晶表示パネル
2 バックライト
3 タッチパネル
301,305 第1の電極
302,306 第2の電極
303 延長配線
304 外部接続端子
4 フロントウインド
401 遮光膜
5 プリント配線板
6 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6