特許第5789358号(P5789358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789358
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】スライド棚及び商品陳列棚
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20150917BHJP
   A47B 46/00 20060101ALI20150917BHJP
   A47B 88/00 20060101ALI20150917BHJP
   A47F 3/06 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   A47F5/00 B
   A47B46/00 501B
   A47B46/00 501C
   A47B88/00 F
   A47F3/06
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-124131(P2010-124131)
(22)【出願日】2010年5月31日
(65)【公開番号】特開2011-245222(P2011-245222A)
(43)【公開日】2011年12月8日
【審査請求日】2012年11月22日
【審判番号】不服2014-12442(P2014-12442/J1)
【審判請求日】2014年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】伊達道 成保
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 畑井 順一
【審判官】 藤本 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3155962(JP,U)
【文献】 特開2005−110997(JP,A)
【文献】 特開2009−273858(JP,A)
【文献】 特開平2−47489(JP,A)
【文献】 実開平5−43932(JP,U)
【文献】 特開2007−44210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00-8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、ベース上に前後方向にスライド可能に設けた棚板とを備え、棚板は、下面手前側の左右方向中間部にラッチ装置を備え、ラッチ装置は、ラッチ爪と操作部を有し、操作部は、棚板先端部を掴むと同時に指が掛かるように棚板先端部の真下に設けてあり、ベースは、ラッチ爪と係合する係合部を有し、係合部は、ベースの手前先端側に設けてあり、操作部を上側に引き上げるとラッチ爪がベースの係合部から外れて棚板が引き出し自在になるものであり、ベースは、係合部よりも上方に棚板に当接自在な当接部を有することを特徴とするスライド棚。
【請求項2】
ベースと、ベース上に前後方向にスライド可能に設けた棚板とを備え、棚板は、下面手前側の左右方向中間部にラッチ装置を備え、ラッチ装置は、ラッチ爪と操作部を有し、ベースは、ラッチ爪と係合する係合部を有し、操作部を上側に引き上げるとラッチ爪がベースの係合部から外れて棚板が引き出し自在になるものであり、ラッチ装置は、棚板の下面にラッチ持ち出し部を介して設けてあり、ラッチ持ち出し部は、下面側に奥側に向かうにつれて上方に傾斜したテーパー部をラッチ爪よりも上方に有し、ベースは、ラッチ爪との係合部がラッチ爪の上方に位置し、係合部よりも上方にテーパー部と当接する当接部を有することを特徴とするスライド棚。
【請求項3】
支柱にブラケットを取付け、ブラケットに請求項1又は2記載のスライド棚を載置したことを特徴とする商品陳列棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板を前方に引き出すことのできるスライド棚と、このスライド棚を備えた商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーやドラッグストア等に設置される商品陳列棚に商品を補充する際には、古い商品を棚板の手前に移動させ、新しいものを棚板の奥に補充するようにしており、この作業を容易にするために棚板を前方に引き出せるようにしたものがある。
そのようなスライド棚の従来例として特許文献1には、棚板前部の左隅の位置に、棚板を奥側にスライドさせた状態でロックするロック部材を設けたものが記載されている。このスライド棚では、ロック部材が棚板前部の左隅の位置にあるため、棚板を引き出す際には左手の指でロック部材の操作部を操作してロック部材のロックを解除しつつ、右手で棚板の前部の右側を掴んで引き出さなければならないため、操作が煩わしいと共に棚板がまっすぐにスライドせず、棚板の引き出しが容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−317142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、棚板を所定の位置で保持する機能を有し、棚板を引き出すときにはワンアクションで容易に引き出せるスライド棚及び商品陳列棚の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるスライド棚は、ベースと、ベース上に前後方向にスライド可能に設けた棚板とを備え、棚板は、下面手前側の左右方向中間部にラッチ装置を備え、ラッチ装置は、ラッチ爪と操作部を有し、操作部は、棚板先端部を掴むと同時に指が掛かるように棚板先端部の真下に設けてあり、ベースは、ラッチ爪と係合する係合部を有し、係合部は、ベースの手前先端側に設けてあり、操作部を上側に引き上げるとラッチ爪がベースの係合部から外れて棚板が引き出し自在になるものであり、ベースは、係合部よりも上方に棚板に当接自在な当接部を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によるスライド棚は、ベースと、ベース上に前後方向にスライド可能に設けた棚板とを備え、棚板は、下面手前側の左右方向中間部にラッチ装置を備え、ラッチ装置は、ラッチ爪と操作部を有し、ベースは、ラッチ爪と係合する係合部を有し、操作部を上側に引き上げるとラッチ爪がベースの係合部から外れて棚板が引き出し自在になるものであり、ラッチ装置は、棚板の下面にラッチ持ち出し部を介して設けてあり、ラッチ持ち出し部は、下面側に奥側に向かうにつれて上方に傾斜したテーパー部をラッチ爪よりも上方に有し、ベースは、ラッチ爪との係合部がラッチ爪の上方に位置し、係合部よりも上方にテーパー部と当接する当接部を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明による商品陳列棚は、支柱にブラケットを取付け、ブラケットに請求項1又は2記載のスライド棚を載置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によるスライド棚は、棚板の下面手前側の左右方向中間部にラッチ装置を備え、ラッチ装置のラッチ爪がベースの係合部と係合することで棚板を所定の位置に保持でき、ラッチ装置の操作部が、棚板先端部を掴むと同時に指が掛かるように棚板先端部の真下に設けてあるので、棚板を引き出すときには、棚板下面のラッチ装置の操作部に指を掛けるようにして棚板前部の左右方向中間部を掴めば、操作部が上側に引き上げられてラッチ爪が係合部から外れるので、そのまま棚板を引き出すことができ、ラッチ解除と棚板の引き出しを片手でワンアクションで容易に行える。ラッチ装置が棚板の左右方向中間部にあって、棚板前部の左右方向中間部を掴んで引き出すので、幅の広い棚板でもまっすぐに容易に引き出せる。ベースは、係合部よりも上方に棚板に当接自在な当接部を有しているので、棚板上に陳列した商品の重みで棚板が下方に撓み、ラッチ装置の位置が下がっても、ベースの係合部も当接部が棚板に押されることで一緒に下がるので、ラッチ爪が係合部から外れない。
【0009】
請求項2記載の発明によるスライド棚は、ラッチ装置が棚板の下面にラッチ持ち出し部を介して設けてあり、ラッチ持ち出し部は、下面側に奥側に向かうにつれて上方に傾斜したテーパー部をラッチ爪よりも上方に有し、ベースは、ラッチ爪との係合部がラッチ爪の上方に位置し、係合部よりも上方にテーパー部と当接する当接部を有することで、棚板が荷重によって撓みラッチ装置の位置が下がっても、ベースの係合部もテーパー部に押されて一緒に下がるので、ラッチ爪が係合部から外れない。テーパー部でベースの当接部と当接するので、棚板を引き出すときに摩擦が生じにくく、引き出しを妨げない。
【0010】
請求項3記載の発明によるスライド棚は、支柱に取付けたブラケットに請求項1又は2記載のスライド棚を載置したので、棚板を片手でワンアクションで且つまっすぐに容易に引き出すことができ、商品の補充が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は図2のA−A断面図であり、(b)は棚板を引き出すときの状態を示している。
図2】スライド棚の平面図である。
図3】スライド棚の正面図である。
図4】スライド棚の側面図である。
図5】(a)は図3のB−B断面図であり、(b)は棚板を引き出した状態を示している。
図6】棚板を取外すときの状態を示す縦断面図である。
図7】スライド棚の分解斜視図である。
図8】スライド棚の設置手順を示す斜視図である。
図9】(a)は商品陳列棚の正面図であり、(b)は同側面図である。
図10】(a)は本発明のスライド棚の棚板が荷重を受けて撓んだときの状態を示し、(b)は比較例としてラッチ持ち出し部にテーパー部が無い場合に棚板が同じように撓んだときの状態を示している。
図11】(a)はベースのラッチ係合部の他の実施形態を示す縦断面図であり、(b)はこのときのベースの横材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図9は、本発明の商品陳列棚の一実施形態を示している。この商品陳列棚は、スーパーやホームセンター等に設置されるものであって、基台15の後部の左右両側に支柱11,11が起立して設けてあり、支柱11は前面に縦長のスリット状の係止孔16が上下方向に間隔をおいて多数形成してあり、支柱11の係止孔16に爪17を係止してブラケット12が取付けてあり、左右の支柱11,11に取付けたブラケット12,12にスライド棚10が載置してある。スライド棚10の高さ及び段数は適宜調節することができる。スライド棚10後方の支柱11,11間には、背板14が設けてある。
【0013】
スライド棚10は、図2,3,7に示すように、ベース1と、ベース1上に前後方向にスライド可能に設けた棚板2とで構成されている。
ベース1は、図3,7に示すように、左右両側に前後方向にのびるフレーム18,18を備え、左右のフレーム18,18の中間部に横材19が架設してある。フレーム18は、ブラケット載置部20とレール部21とを左右に隣接して備える。ブラケット載置部20は、下向きに開口したコ字形断面になっている。ブラケット載置部20の後端部上面には係止爪22が突出して設けてあり、図4に示すように、係止爪22を支柱11の係止孔16に係止させることで、スライド棚10が外れたり後部が浮き上がったりするのを防いでいる。レール部21は、図7に示すように、左右方向の内側が開放した略コ字形断面となっており、レール部21の側壁21aの前部にローラー23が取付けてある。レール部21の上壁21bは、前部に切り欠き28が設けてある。横材19は、図1(a)に示すように、上面側に前方に張り出す張り出し部24が設けられ、その先端部を後方斜め下向きに折り返して折返し部6が設けてあり、折返し部6の先端部に後述するラッチ装置3のラッチ爪4が係合するようにしている。
【0014】
棚板2は、図3,5に示すように、下面の左右両側にレール部25が前後方向に設けてある。レール部25は、左右方向の外側が開放した略コ字形断面となっており、レール部25の側壁25aの後部にローラー26が取付けてある。レール部25の下壁25cは後部には切り欠き33が設けてある。ベース1のレール部21と棚板2のレール部25とは、図3に示すように開放部を向き合わせて組み合い、図5に示すように、ベース1のレール部21に取り付けたローラー23が棚板2のレール部25の上壁25bの下面に当接し、棚板2のレール部25に取り付けたローラー26がベース1のレール部21の下壁21cの上面に当接しており、棚板2は前後2箇所のローラー23,26で支持されて前後方向に軽くスライドさせることができる。図5(a)に示す棚板2が最も後退した状態では、ベース1のレール部21に設けた後ろ壁21dに棚板2のレール部25に取り付けたローラー26が当接する。棚板2のレール部25の側壁25aにはストッパー27が側方に突出して設けてあり、図5(b)に示すように、ストッパー27がベース1側のローラー23に当接するまで棚板2を前方に引き出せる。なお、図6(a)に示すように、棚板2を最大限引き出してから棚板前部を上方に持ち上げ、その後、図6(b)に示すように、ベース1のレール部21の上壁21bに形成された切り欠き28より棚板2側のローラー26を抜くことで、棚板2をベース1から取外すことができる。
【0015】
棚板2の下面の手前側の左右方向中央部には、図2,3に示すように、ラッチ持ち出し部7を介してラッチ装置3が設けてある。ラッチ装置3は、図1(a)に示すように、前後方向にのびる棒状のレバー29を中間部で左右方向の軸30で回動自在に軸支して設けてあり、該レバー29の後部上面側に略三角形状のラッチ爪4が形成され、レバー29の前部が操作部5となっている。レバー29は、ラッチ爪4が上向きに回動する向きにバネ31で付勢されており、棚板2を後方にスライドさせると、ラッチ爪4がベース1の横材19の前部に設けられた折返し部6の先端部に係合し、棚板2が後退限で保持される。
棚板2を前方に引き出す際には、図1(b)に示すように、ラッチ装置3の操作部5に指32を掛けるようにして棚板2の前部の左右方向中央部を掴み、すると操作部5が上側に引き上げられてラッチ爪4がベース1の折返し部6から外れるので、後はそのまま(掴んだまま)前方に引っ張ることで棚板2を素早く容易に引き出すことができる。
【0016】
ラッチ持ち出し部7の左右の側壁7aには、図1(a)に示すように、下面側に奥側に向かうにつれて上方に傾斜したテーパー部8をラッチ爪4よりも上方に有している。棚板2を後退限までスライドさせラッチ爪4がベース1の折返し部6に係合した状態では、ベース1の横材19に形成された張り出し部24と折返し部6との角部9が前記テーパー部8に当接ないし近接している。
棚板2に商品を陳列すると、棚板2はその荷重によって下方に撓み、特にラッチ装置3が設けてある左右方向中央部で撓みが大きくなる。ラッチ持ち出し部7に上記のようなテーパー部8が無い場合には、図10(b)に示すように、棚板2が撓んでラッチ装置3の位置が下に移動すると、ラッチ爪4がベース1の折返し部6から外れるおそれがある。しかし本スライド棚10では、図10(a)に示すように、棚板2が荷重によって撓み、ラッチ装置3が下に移動しようとしたときに、ラッチ持ち出し部7のテーパー部8がベース1の前側の角部9に当たることで、ラッチ装置3と折返し部6が一緒に下がるため、ラッチ爪4がベース1の折返し部6から外れることがない。また、テーパー部8でベース1と当接するようにしているので、棚板2を引き出す際にテーパー部8とベース1との摩擦が生じにくく、棚板2をスムーズに引き出すことができる。
【0017】
次に、図8に即して本スライド棚10の設置手順を説明する。まず図8(a)に示すように、左右の支柱11,11の係止孔16に爪17を引っ掛けてブラケット12,12を取付ける。次にベース1を、図8(b)に示すように、両側のブラケット載置部20,20をブラケット12,12に載せながら、後部の係止爪22,22を支柱11,11の係止孔16に引っ掛けて取付ける。次に、図8(c)に示すように、棚板2のローラー26をベース1のローラー23の後ろに落とし込む。その後、図8(d)に示すように、棚板2を奥までスライドさせると、図1(a)に示すようにラッチ爪4がベース1の折返し部6に係合し、棚板2が後退限の位置で保持される。
【0018】
以上に述べたように本スライド棚10は、棚板2下面に設けたラッチ装置3により棚板2を後退限の位置で安定して保持でき、ラッチを解除して棚板2を前方に引き出すことで商品の補充が容易に行える。ラッチ装置3は、棚板2の下面の手前側の左右方向中央部に設けてあって、棚板2を引き出す際には、図1(b)に示すように、ラッチ装置3の操作部5に指32を掛けて棚板2の前部の左右方向中央部を掴んで引っ張ることで、ラッチ装置3の解除と棚板2の引き出しをワンアクションで容易に行うことができる。ラッチ装置3が棚板2の左右方向中央部に設けてあって、棚板2を引き出す際に棚板2前部の左右方向中央部を掴むことになるので、幅の広い棚板2であっても片手でまっすぐに容易に引き出すことができる。しかも棚板2が荷重によって撓み、ラッチ装置3が下に下がろうとしても、図10(a)に示すように、ラッチ持ち出し部7に設けたテーパー部8がベース1の折返し部6の上方の角部9に当たることで、ラッチ装置3と一緒にベース1の折返し部6も下がるため、ラッチ爪4がベース1の折返し部6から外れない。さらに、テーパー部8でベース1と当たることで、棚板2を引き出す際にテーパー部8とベース1との摩擦が生じにくく、棚板2の引き出しを妨げない。ラッチ装置3がラッチ持ち出し部7を介して棚板2の下面に設けてあるので、正面から見てラッチ装置3が目立たず意匠性が良く、且つ商品の陳列の邪魔にならない。さらにラッチ装置3が小ぶりなので、棚板2とベース1の厚みを薄くできる。ラッチ部(ラッチ装置3、ラッチ持ち出し部7及びベース1のラッチ係合部(折返し部6))の構造が簡単なので安価で壊れにくく、万が一壊れた場合も簡単に取替えできる。棚板2をベース1から取外す際に、ラッチ部がその妨げにならない。
また本スライド棚10は、一般的にスライド棚に用いられるスライドレール(特許文献1参照)を使用せず、ベース1と棚板2に設けたレール部21,26を前後のローラー23,26を介してスライドさせる機構を採用したので、構造が簡単で安価に製作することができ、しかも壊れにくい。また、ベース1と棚板2を合わせたスライド棚10の厚みを薄くすることができる。しかも、棚板2をベース1と工具レスで簡単に分離できるため、棚の設置作業や清掃等が容易である。ベース1に、支柱11の係止孔16に引っ掛ける係止爪22を設けたので、スライド棚10が外れたり後方が浮き上がったりするのを確実に防止できる。本スライド棚10は、既存の通常の商品陳列棚のブラケット12及び支柱11にそのまま取付けることができ、使いやすい。
【0019】
図11は、本発明のスライド棚10の他の実施形態を示しており、ベース1の横材19前部の形態が先の実施形態と異なっている。横材19は、前壁34が前方に上り勾配で傾斜して設けてあり、前壁34の中央部に角孔36を形成し、角孔36にラッチ爪4が係合するようにしている。前壁34の上縁には後方に折り返す折返し部35が連続して形成してあり、前壁34と折返し部35との角部9がラッチ持ち出し部7のテーパー部8に当接している。横材19をこのように形成した場合も、先の実施形態と同様に、棚板2をワンアクションで容易に引き出せる、棚板2が荷重を受けて撓んでもラッチ爪4が係合部(角孔36)から外れないといった効果が得られる。
【0020】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。ラッチ装置3を設置する位置は、棚板2の左右両端部より内側にあればよく、必ずしも棚板2の中央部でなくてもよい。ラッチ装置3の形態や棚板2をスライドさせる機構は、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ベース
2 棚板
3 ラッチ装置
4 ラッチ爪
5 操作部
6 折返し部(係合部)
7 ラッチ持ち出し部
8 テーパー部
9 角部(当接部)
10 スライド棚
11 支柱
12 ブラケット
36 角孔(係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11