(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような発光式傘は、車両等に対して歩行者の存在を効果的に報知でき、降雨時の夜間における交通事故等を未然に防止できる利点がある。しかし、従来の発光式傘は、何れもその握り部に点灯・消灯スイッチがあり、その点灯・消灯スイッチを使用者が手指で操作して点灯し消灯するようになっているため、点灯・消灯スイッチの操作忘れを未然に防止できないという致命的な欠点がある。
【0006】
そのため例えば傘を拡げる際に点灯・消灯スイッチの操作を忘れると、発光体が消灯した状態のままで傘を使用することとなり、車両等に歩行者の存在を報知するという本来の目的を達成できず
、交通事故を招く等の惧れがある。また傘を閉じる際に点灯・消灯スイッチの操作を忘れると、発光体が点灯した状態のままで長時間放置することとなり、電力を無駄に消費するばかりか、夜間での使用時に電力不足により発光体が発光しなくなるような事態を招くことになる。
【0007】
更に従来は使用者が点灯・消灯スイッチを操作して発光体の電源回路をオン・オフするようになっているため、点灯・消灯スイッチとして記憶式のものを使用するか、又は点灯・消灯スイッチと発光体との間に記憶回路を設ける必要があり、全体の構成が複雑になる欠点がある。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、開閉時の点灯・消灯スイッチの操作忘れを未然に防止できると共に、点灯・消灯スイッチに記憶機能のないものを使用できる等、全体の構成を簡素化できる発光式傘を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
中棒2の上端側に設けられ且つ親骨7が枢支された上ろくろ3と、前記親骨7により支持された傘シート11を前記上ろくろ3との間で挟んで固定する陣笠22と、該陣笠22上に設けられ且つ内部に発光室24を有する石突き4と、前記発光室24内からその周壁部25に光を照射して発光させる発光ダイオード13と、前記親骨7が開く開位置Aと前記中棒2に沿って閉じる閉位置Bとの間で前記中棒2に沿って摺動するろくろ5,6と、前記発光ダイオード13用の点灯・消灯スイッチ14とを備えた発光式傘において、前
記ろくろ5,6を検知し
て該ろくろ5,6が前記開位置Aにあるときに前記
発光ダイオード13を点灯させる
前記点灯・消灯スイッチ14を設け、前記発光室24内で上向きに光を照射する前記発光ダイオード13を前記陣笠22の上端から突出しないように前記陣笠22内に配置し、前記石突き4内の前記発光室24の上側に、前記発光ダイオード13からの光を前記周壁部25の周方向の略全域に反射する反射面27を設けたものである。
【0010】
前記中棒2内に前記点灯・消灯スイッチ14を設けてもよい。前記中棒2を金属製とし、握り部1内の電源15と前記点灯・消灯スイッチ14とを前記中棒2を介して接続してもよい。
前記石突き4の前記周壁部25と前記発光室24の上側部とを光透過性合成樹脂により一体に形成し、前記石突き4の上端に、耐摩耗性及び遮光性を有し且つ該石突き4を上側から覆うカバー29を設けてもよい。前記周壁部25の内周面に発光用の乱反射部28を設けてもよい。
【0012】
前記上ろくろ3に放射状に枢着された前記親骨7と、前記中棒2に摺動自在に套嵌され且つ前記親骨7の中間に連結された受け骨8を枢着する中ろくろ5と、前記中棒2に摺動自在に套嵌され且つ前記受け骨8に連結された引き線9を枢着する下ろくろ6と、前記中ろくろ5と前記下ろくろ6との間で前記中棒2に套嵌された圧縮バネ12とを備えたジャップ式であり、前記点灯・消灯スイッチ14は前記中ろくろ5又は前記下ろくろ6を検知するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、開閉時の点灯・消灯スイッチの操作忘れを未然に防止できると共に、点灯・消灯スイッチに記憶機能のないものを使用できる等、全体の構成を簡素化できる利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜
図5は本発明をジャンップ型の発光式傘に採用した第1の実施形態を例示する。この発光式傘は、
図1に示すように下端に握り部1を有する金属パイプ等の中棒2と、この中棒2の上端に設けられた上ろくろ3及び石突き4と、上ろくろ3の下側で中棒2に開位置Aと閉位置Bとの間で上下摺動自在に套嵌された中ろくろ5及び下ろくろ6と、上ろくろ3に開閉自在に枢着された複数本の親骨7と、一端が各親骨7の中間に連結され且つ他端が中ろくろ5に枢着された複数本の受け骨8と、一端が各受け骨8の中間に連結され且つ他端が下ろくろ6に枢着された複数本の引き線9と、外周が親骨7の先端の露先10に縫着又は連結され且つ親骨7上に張られた傘シート11と、中ろくろ5と下ろくろ6との間で中棒2に套嵌された圧縮バネ12と、石突き4を内側から発光させる発光ダイオード等の報知用の発光体13と、中棒2内に設けられ且つ開位置Aの中ろくろ5を検知する点灯・消灯スイッチ14と、握り部1内に設けられた発光用の電源15とを備えている。
【0016】
なお、この発光式傘は握り部1の近傍で中棒2に設けられたはじき16が閉位置Bの下ろくろ6に係合することにより閉じた状態に保持され、また操作ボタン17を操作することにより、はじき16が下ろくろ6から外れて、圧縮バネ12の付勢により中ろくろ5、下ろくろ6が開位置Aへと移動して親骨7、傘シート11が拡がるようになっている。
【0017】
上ろくろ3は
図2に示すようにその筒部20を挿入することにより中棒2の上端に固定され、また上側に突出するねじ筒部21を有し、上ろくろ3との間で傘シート11を固定する陣笠22がねじ筒部21に着脱自在に螺合されている。石突き4用の発光体13は、陣笠22内でねじ筒部21の上端に着脱自在又は固定状に嵌合された絶縁体23に設けられ、石突き4内に向かって上向き(a矢示方向)に光を照射するようになっている。
【0018】
石突き4は光透過性を有する合成樹脂製であって、
図2に示すように内部に発光室24が形成されたテーパー筒状の発光用の周壁部25と、この周壁部25の下端に一体に形成された雌ねじ部26と、周壁部25の上端に一体に形成され且つ発光体13からの光を周壁部25の内周に反射する反射面27とを備え、雌ねじ部26が陣笠22の外周に着脱自在に螺合されている。周壁部25の内周面は光が乱反射するように粗面状、その他の乱反射部28を有する。石突き4の上端には、耐摩耗性、遮光性を有するカバー29が装着されている。
【0019】
点灯・消灯スイッチ14は、この傘を拡げた状態のときに中ろくろ5を検知してオンすることにより発光体13を点灯して発光させ、また閉じた状態のときにオフして発光体13を消灯させるようになっている。この点灯・消灯スイッチ14には、
図3に示すように中棒2の径方向の一方側に段部31を介して検知子32を有し、他方側に係合突部33を有する弾性接触子34を備えた可動式のノーマルオープン型のもの(
図5参照)が使用されている。
【0020】
この点灯・消灯スイッチ14は開位置Aの中ろくろ5に対応して中棒2内に挿入され、その段部31が中棒2の開口35に係合し、弾性接触子34が中棒2の内面に押圧し且つ係合突部33が中棒2の係合孔36に係合することにより、中棒2内に固定されている。なお、弾性接触子34は点灯・消灯スイッチ14側の導体を構成し、導体である中棒2の内周面に接触している。検知子32は中棒2の開口35から径方向の外方に出退自在に突出しており、中ろくろ5が開位置Aのときにその内周面により押圧されて、点灯・消灯スイッチ14がオンするようになっている。
【0021】
握り部1は
図4に示すように主握り体38と、中棒2が固定された着脱体39とを着脱自在に備え、その内部の収容凹部40に乾電池等の電源15が着脱自在に収容されている。主握り体38は上向きに開口する収容凹部40と、その収容凹部40の開口側に形成された雌ねじ部41とを中棒2の長手方向に備え、その収容凹部40内に電源15が着脱自在に挿入されている。
【0022】
着脱体39は収容凹部40の蓋を構成するもので、中棒2が上下方向に貫通状に設けられ、外周の雄ねじ筒部42を介して主握り体38の雌ねじ部41に着脱自在に螺合されている。中棒2の下端には絶縁体43が装着され、この絶縁体43に一対の導体44,45が設けられている。一方の導体44は一端の接触部44aが収容凹部40内の電源15の−側に接触し、他端の接触部44bが中棒2の内周面に接触している。従って、電源15の−側は導体44、中棒2、弾性接触子34を介して点灯・消灯スイッチ14の一方の固定接点に接続されている。他方の導体45は絶縁体43の外周に設けられた環状の接触部45aを一端側に有し、他端側の中棒2内側に被覆配線等の配線46が接続されている。配線46は中棒2内に挿通され、筒部20内を経て発光体13の一端側に接続されている。
【0023】
収容凹部40の内面には中棒2の長手方向に配置された導体47が固定されている。この導体47は電源15の+側に接触する接触部47aを一端側に有し、絶縁体43の外周の接触部45aに径方向の外側から接触する接触部47bが他端側に設けられている。点灯・消灯スイッチ14の他方の固定接点は、
図3に示すように中棒2、筒部20内に挿通された被覆配線等の配線48を介して発光体13の他端側に接続されている。
【0024】
なお、上ろくろ3の下側には
図1、
図2に示すように緩衝バネ49を介して規制筒50が設けられ、この規制筒50により、傘を拡げたときに中ろくろ5を開位置Aに規制するようになっている。
【0025】
このような構成のジャンプ型の傘は、通常の閉じた状態では握り部1の近傍のはじき16が閉位置Bの下ろくろ6に係合して親骨7等が拡がらないように保持する。このときには中ろくろ5が点灯・消灯スイッチ14の検知子32から外れているため、点灯・消灯スイッチ14がオンすることはなく、発光体13は必ず消灯状態にある。
【0026】
傘を拡げるときには、操作ボタン17を押圧してはじき16を下ろくろ6から外す。すると中ろくろ5と下ろくろ6との間の圧縮バネ12の付勢により、中ろくろ5、下ろくろ6が中棒2に沿って上ろくろ3側へと開位置Aまで摺動し、親骨7、傘シート11が拡がる。なお、最大の広がり状態では、中ろくろ5が規制筒50に当接して規制される。
【0027】
一方、中ろくろ5が開位置Aまで摺動すると、中棒2の外周に突出していた検知子32が中ろくろ5の内周面により押圧されて点灯・消灯スイッチ14がオンするため、発光体13、点灯・消灯スイッチ14、電源15を含む閉回路が構成されて発光体13が点灯するので、その発光体13の光により石突き4が内側から発光する。
【0028】
このように点灯・消灯スイッチ14が開位置Aの中ろくろ5を検知するように構成することにより、点灯・消灯スイッチ14を人為的に操作する煩わしさがなく、しかも傘を拡げる際、閉じる際の操作忘れを未然に防止できるので、石突き4の発光により歩行者の存在を車両等に対して確実に報知できると共に、電源15の無駄な消費を解消できる利点がある。
【0029】
また点灯・消灯スイッチ14で開位置Aの中ろくろ5を検知する構成を採用しており、傘を拡げている間は点灯・消灯スイッチ14が検知状態を継続し、傘を閉じれば検知しなくなるので、点灯・消灯スイッチ14を含む構成を簡単にすることができる。更に金属製の中棒2を導体の一部として利用しており、これによっても構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
図6は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、開位置Aの下ろくろ6の小径の筒部6aに対応して点灯・消灯スイッチ14が設けられている。点灯・消灯スイッチ14を含む他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0031】
このように点灯・消灯スイッチ14は開位置Aの下ろくろ6を検知して作動するように構成することもできる。従って、ジャンプ傘では、中ろくろ5と下ろくろ6との二つのろくろが開位置Aと閉位置Bとの間で摺動自在であるため、点灯・消灯スイッチ14はその何れを検知するようにしてもよい。
【0032】
図7は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、石突き4の内部に、反射角度の異なる円錐面状の反射面27a〜27cが略同心状に多段に形成され、発光体13からの光を各反射面27a〜27cで反射して周壁部25の長手方向の略全域に照射するようになっている。他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
【0033】
この場合には各反射面27a〜27cで発光体13からの光を周壁部25の長手方向の略全域に照射するようにしているため、石突き4の発光領域、特に高輝度での発光領域を容易に確保できる利点がある。
【0034】
図8は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、截頭円錐筒状の石突き4内に拡散体51が設けられ、発光体13からの光を拡散体51で拡散させて石突き4の周壁部25を発光させるように構成されている。他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
【0035】
このように石突き4内に拡散体51を設けた場合にも、石突き4を外周側から見たときに、発光体13からの光により石突き4を発光させることができる。そのため周壁部25の内周の乱反射部28は省略できる。また石突き4内に拡散体51が詰まって中実状となっているため、石突き4の損傷を少なくできる利点がある。なお、拡散体51は石突き4内に一体に設けてもよい。
【0036】
図9は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態では、露先10内に報知用の発光体13が設けられている。露先10は筒状の取り付け部を10aを有し、その取り付け部10aを介して親骨7の先端に着脱自在に取り付けられている。発光体13の配線52は親骨7内にその長手方向に設けられている。他の構成は各実施形態と同様である。このように露先10を発光させるようにしてもよい。なお、石突き4の発光と露先10の発光とを併用してもよいし、露先10のみを発光させるようにしてもよい。
【0037】
図10は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態は、上ろくろ3の下側に、受け骨8が枢着された下ろくろ6が設けられ、その下ろくろ6を開位置Aではじき54により規制するようにした非ジャンプ式の通常の傘に採用したものである。点灯・消灯スイッチ14は、開位置Aの下ろくろ6に対応して中棒2内に設けられている。
【0038】
このように開閉時に下ろくろ6を中棒2に沿って操作する通常の傘の場合にも、その下ろくろ6の開位置Aに対応して中棒2内に点灯・消灯スイッチ14を設けることによって、第1の実施形態と同様に点灯・消灯スイッチ14の人為的な操作が不要となり、点灯・消灯スイッチ14の操作忘れによる問題を未然に防止できる。なお、この実施形態では、第1の実施形態と同様に石突き4の内部に発光体13を設けているが、石突き4と露先10との両方に設けてもよいし、露先10に設けてもよい。
【0039】
図11、
図12は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、
図11に示すように発光体13の点灯周期を制御する制御部55が設けられ、この制御部55により発光体13を所定の周期で点滅させるようになっている。発光体13の点滅周期は
図12の(A)に示すように略一定でもよいし、(B)に示すように長い周期の点滅と短い周期の点滅とを繰り返すようにしてもよい。
【0040】
このようにすれば、発光体13の点滅発光により石突き4等の発光状態が変化するため、降雨時の車両等に対する報知効果を更に向上させることできる。
【0041】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、石突き4用の発光体13は、第1の実施形態のように陣笠22に設けてもよいし、石突き4の内部に設けてもよい。露先10用の発光体13を露先10の内部に設ける他、露先10から外れて親骨7側に設けてもよい。
【0042】
また石突き4は第1、第2の実施形態のように中空状にしてもよいし、中実状にしてその内部に発光体13を埋め込んでもよい。周方向に複数個の発光体13を支持体の外周に外向きに装着し、これを中空状の石突き4の内部に配置してもよい。
【0043】
点灯・消灯スイッチ14の取り付け箇所、点灯・消灯スイッチ14の形状、構造等は、実施形態に例示する以外のものでもよい。例えば、点灯・消灯スイッチ14は可動式の他に近接式のものを採用してもよいし、静止型のものを採用してもよい。要するに開位置Aと閉位置Bとの間で移動するろくろを利用して、点灯・消灯スイッチ14によりろくろ5,6が開位置Aにあるか否かを検知できる構成であれば十分である。点灯・消灯スイッチ14は中棒2の外周に設けてもよい。
【0044】
また発光体13を発光させる必要があるか否かを判断するための光センサーを石突き4の近傍等の適当箇所に設けて、その光センサーと点灯・消灯スイッチ14とを直列に接続する等により併用して、所定以上に暗くなったときに石突き4等の発光体13が発光するようにしてもよい。発光体13を設けるに当たって、石突き4、露先10内の発光室24は省略して、発光体13を石突き4、露先10内にモールド状に設けてもよい。
【0045】
電源15は握り部1の収容凹部40内に着脱自在に収容することが望ましいが、他の箇所に設けてもよい。また握り部1の収容凹部40に電源15を設けるに当たっても、その構造は適宜変更可能である。例えば、握り部1に、外周面側に開口する収容凹部40を設け、その収容凹部40の開口側に着脱自在に蓋を設けてもよい。
【0046】
また発光式傘は傘の範疇に入るものであれば雨傘の他、日傘、ビーチパラソル、その他何れでもよい。また和傘等でもよい。和傘の場合には、その傘頂部及び/又は親骨7の先端を発光させるようにしてもよい。導電部分に雨水等が浸入しないように防水処理をすることが望ましい。石突き4内の発光体13は下向きに発光するようにしてもよい。はじき54を有する傘の場合には、そのはじき54の作動を介して点灯・消灯スイッチ14が開位置Aの下ろくろ6を検出するようにしてもよい。