(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め定められた抵抗比は、前記第1のベース−エミッタ間電圧と前記基準電圧との電位差と、前記駆動電圧と前記第1のベース−エミッタ間電圧との電位差との比に基づいて定められる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のドライブ回路。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態によるドライブ回路について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるドライブ回路を示すブロック図である。
図1は、本実施形態によるドライブ回路1を電源回路に適用した一形態を示す。この図において、ドライブ回路1は、制御回路部3から供給される制御電圧に基づいて、昇圧型チョッパ方式のスイッチング電源回路(電源回路部2)を駆動するバイポーラトランジスタ(以下、BJTという)のベース電流を供給する。
【0018】
電源回路部2は、BJT21、直流電源22、コイル23、ダイオード24、及びコンデンサ25を備える。
直流電源22は、コイル23に電力を供給する。コイル23は、一方の端子に直流電源22の陽極端子が、他方の端子にノードN1がそれぞれ接続される。コイル23は、昇圧用の起電力を発生する。
BJT21は、コレクタ端子にノードN1が、ベース端子にドライブ回路1の出力線であるノードN2が、それぞれ接続される。また、BJT21は、エミッタ端子が接地される。BJT21は、ドライブ回路1から供給されるベース電流に応じて、スイッチング動作を行い、コイル23に起電力を発生させる。ここで、BJT21は、例えば、Si(シリコン)によって形成される。
ダイオード24は、アノード端子がノードN1に、カソード端子がコンデンサ25と電源回路部2の出力線とに接続される。ダイオード24は、コイル23によって得られた起電力を整流する。コンデンサ25は、一方の端子が電源回路部2の出力線に、他方の端子がGND(グランド)線にそれぞれ接続され、電源回路部2の出力電圧を平滑する。
【0019】
ドライブ回路1は、ドライブ部10、ベース回路部30、基準電圧生成部40、及びベース電流制御部50を備える。
ドライブ部10は、制御回路部3又はベース電流制御部50から供給される制御電圧に基づいて、ベース回路部30にBJT21のベース電流を供給するための駆動電圧を供給する。ここで、ドライブ部10の制御電圧が供給される入力線をノードN3とし、ドライブ部10の出力線をノードN4とする。ドライブ部10は、Nチャネル型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(N Channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、以下、NMOSという)11、及びPチャネル型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(P Channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、以下、PMOSという)12を備える。
NMOS11は、ドレイン端子が第1の電源線(例えば、15Vの電源線)に接続され、ゲート端子が入力線N3に接続され、ソース端子がドライブ部10の出力線であるノードN4に接続される。また、PMOS12は、ドレイン端子が第2の電源線(例えば、−15Vの電源線)に接続され、ゲート端子が入力線N3に接続され、ソース端子がドライブ部10の出力線であるノードN4に接続される。
【0020】
ベース回路部30は、ドライブ部10とBJT21との間に配置される。ベース回路部30は、ドライブ部10からノードN4に供給される駆動電圧をベース電流に変換して、BJT21のベース端子(ノードN2)に供給する。また、ベース回路部30は、抵抗素子31を備える。ベース回路部30がBJT21のベース端子(ノードN2)に供給するベース電流の値は、ドライブ部10から供給される駆動電圧の値と抵抗素子31の抵抗値によって決定される。
【0021】
基準電圧生成部40は、BJT21のベース端子とエミッタ端子との間に発生するベース−エミッタ間電圧(以下、Vbeという)を検出するための基準電圧Vrefを生成し、生成した基準電圧VrefをノードN5に出力する。基準電圧生成部40は、BJT41及び定電流源42を備える。
BJT41は、コレクタ端子とベース端子とがノードN5に接続され、エミッタ端子がBJT21のエミッタ端子に接続される。また、BJT41のコレクタ端子は、定電流源42の出力線に接続される。BJT41は、コレクタ端子とベース端子とが接続されるダイオード接続された状態であり、バンドギャップ電圧を用いてノードN5に基準電圧Vrefを出力する。なお、BJT41は、BJT21とVbe特性や温度特性が等しい特性のものを用いる。
定電流源42は、図示されないカレントミラー回路などにより、生成された定電流をBJT41のコレクタ端子及びベース端子に供給する。
【0022】
ベース電流制御部50は、BJT21のVbeを検出して、検出したBJT21のVbeに応じたベース電流をBJT21に供給するように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。ベース電流制御部50は、抵抗素子(51、52)及びオペアンプOP1を備える。
抵抗素子51は、一方の端子がドライブ部10の出力線であるノードN4に接続され、他方の端子がオペアンプOP1のマイナス端子(反転入力端子)に接続される。また、抵抗素子52は、一方の端子が基準電圧生成部40の出力線であるノードN5に接続され、他方の端子がオペアンプOP1のマイナス端子に接続される。抵抗素子51及び52は、ノードN4とノードN5との電位差を抵抗分圧した電圧をオペアンプOP1のマイナス端子に供給する。
【0023】
オペアンプOP1は、プラス端子(非反転入力端子)がノードN2に接続され、BJT21のVbeがプラス端子に供給される。また、オペアンプOP1は、マイナス端子がノードN6に接続される。また、オペアンプOP1は、ドライブ部10から出力される駆動電圧と、基準電圧生成部40から供給される基準電圧Vrefとを抵抗素子(51、52)によって抵抗分圧された電圧がマイナス端子に供給される。オペアンプOP1は、BJT21のVbeを検出し、検出したBJT21のVbeに応じたベース電流をBJT21に供給するように、ドライブ部10の制御電圧を制御する演算増幅回路として機能する。つまり、オペアンプOP1は、基準電圧生成部40が生成した基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出し、検出したBJT21のVbeに応じたベース電流をBJT21に供給する制御電圧をノードN3に出力して、ドライブ部10への制御電圧を制御する。なお、オペアンプOP1は、図示されない帰還回路を有し、所定の倍率に設定される。
【0024】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、本実施形態の動作原理を説明する。BJT21は、Vbeが0Vである場合には、コレクタ端子とエミッタ端子との間は、導通しない遮断状態にある。しかし、Vbeが、例えば0.6V以上になると、コレクタ端子とエミッタ端子との間が導通して、ベース電流に応じたコレクタ電流が流れる。このコレクタ電流の値に応じて、Vbeの値も変化する。例えば、コレクタ電流の値が大きくなれば、それに応じてVbeの値も大きくなる。このため、Vbeの値を検出することで、コレクタ電流を間接的に検出することが可能である。また、コレクタ電流とベース電流の関係式(1)として示されるため、コレクタ電流に応じたベース電流を得ることができる。
【0025】
ベース電流=コレクタ電流/hFE ・・・・ (1)
ここで、hFEは直流電流増幅率である。
【0026】
次に、
図1に示される電源回路部2の動作について説明する。
電源回路部2は、BJT21の導通と遮断とを周期的に行うことにより、直流電源22の出力電圧より高い電圧を出力端子に出力する。BJT21が導通された場合、直流電源22からコイル23に電流が流れる。これにより、コイル23に電力が蓄えられる。また、BJT21が遮断された場合、コイル23は、電流を維持しようと起電力を発生させ、ダイオード24を通じて直流電源22より高い電圧が電源回路部2の出力端子に出力される。電源回路部2の出力端子には、図示されない負荷が接続されるが、この負荷の状態により、BJT21のコレクタ電流は変化する。BJT21の導通、遮断は、ドライブ回路1のベース回路部30から供給されるベース電流によって行われる。
【0027】
次に、
図1に示されるドライブ回路1の動作について説明する。
まず、BJT21を導通させる場合におけるドライブ回路1の動作を説明する。
BJT21を導通させる場合、NMOS11が制御回路部3から供給される制御電圧により導通され、第1の電源線からノードN4に制御電圧が供給される。また、PMOS12が制御回路部3から供給される制御電圧により遮断される。これにより、ドライブ部10がノードN4に制御電圧に応じた駆動電圧を出力する。
【0028】
ベース回路部30は、ドライブ部10から供給される駆動電圧に基づいて、BJT21のベース端子(ノードN2)にベース電流を供給する。BJT21は、ベース回路部30から供給されるベース電流によって導通され、コレクタ電流が流れる。なお、ベース回路部30から供給されるベース電流の値は、ドライブ部10から供給される駆動電圧(ノードN4の電圧)と抵抗素子31の抵抗値によって決定される。
【0029】
上記で説明したように、電源回路部2の出力端子に接続される負荷の状態により、BJT21のコレクタ電流は変化する。また、BJT21のコレクタ電流が変化すると、上記で説明したように、BJT21のVbeが変化する。BJT21のVbeが変化すると、ベース電流制御部50のオペアンプOP1は、ノードN6の電圧が、BJT21のVbeの電圧と等しくなるようにドライブ部10への制御電圧を制御する。ノードN6の電圧は、予め定められた抵抗素子51と52の抵抗比によってノードN4の電圧とノードN5の電圧との電位差を分圧した電圧である。また、ノードN4の電圧は、ドライブ部10から出力される駆動電圧である。ノードN5の電圧は、基準電圧生成部40から供給される基準電圧Vrefである。つまり、オペアンプOP1は、BJT21のコレクタ電流の変化に応じて、制御電圧を変えてドライブ部10に供給する。ドライブ部10は、オペアンプOP1から供給された制御電圧に応じた駆動電圧をベース回路部30に供給する。これにより、ベース回路部30は、ドライブ部10から供給された駆動電圧に応じたBJT21のベース電流を生成し、BJT21のベース端子(ノードN2)に供給する。
なお、予め定められた抵抗素子51と52の抵抗比は、BJT21のVbeと基準電圧Vrefとの電位差と、ドライブ部10の駆動電圧とBJT21のVbeとの電位差との比に基づいて定められる。
【0030】
例えば、基準電圧Vrefが0.6Vであり、且つ、抵抗素子51と52の抵抗値が等しいとする。また、BJT21のVbeが0.7Vである。オペアンプOP1は、ノードN6の電圧が、BJT21のVbeの電圧と等しくなるように制御する。そのため、BJT21のVbeが0.7Vである場合には、オペアンプOP1は、ノードN6の電圧が、0.7Vとなるように制御を行う。また、抵抗素子51と52の抵抗比は、1:1であるため、ノードN6の電圧は、ノードN4の駆動電圧とノードN5の基準電圧Vrefの平均値となる。このため、ノードN4の駆動電圧は、0.8Vにする必要がる。従って、オペアンプOP1は、ノードN4の駆動電圧が0.8Vになるように、ドライブ部10に供給する制御電圧を制御する。
【0031】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が増大して、例えば、BJT21のVbeが0.75Vになったとする。この場合、ノードN6が0.75Vになるように、オペアンプOP1は、ノードN3の制御電圧を上げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が上昇する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.9Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が増大する。つまり、BJT21のコレクタ電流の増大に応じて、BJT21のベース電流が増大する。
【0032】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が減少して、例えば、BJT21のVbeが0.65Vになったとする。この場合、ノードN6が0.65Vになるように、オペアンプOP1は、ノードN3の制御電圧を下げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が低下する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.7Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が減少する。つまり、BJT21のコレクタ電流の減少に応じて、BJT21のベース電流が減少する。
【0033】
図2は、同実施形態におけるドライブ回路1の動作を示すグラフである。
図2(a)は、BJT21のコレクタ電流IcとBJT21のhFEの関係を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はBJT21のコレクタ電流Icを示し、縦軸はBJT21のhFEを示す。波形101は、hFEが一定であるとした場合を示す。しかし、一般に、hFEはコレクタ電流Icの値により一定ではない。そのため、BJT21のhFEは、例えば、波形102によって示される特性とする。
【0034】
図2(b)は、BJT21のVbeとBJTのコレクタ電流及びベース電流の関係を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はBJT21のVbeを示し、縦軸は、電流値を示す。なお、電流値は、左側の縦軸にコレクタ電流を示し、右側の縦軸にベース電流を示す。
図2(b)において、波形201は、BJT21のコレクタ電流の例を示す。波形201は、BJTのVbeに応じてBJT21のコレクタ電流が変化することを示す。また、波形202は、BJT21のベース電流を示す。波形202は、
図2(a)の波形102に示されるhFEの値とBJT21のコレクタ電流の値とから式(1)によって算出される。BJT21のhFEがVbeの値によって変化するため、波形202は、曲線となる。
また、波形205は、本実施形態におけるドライブ回路1によって供給されるベース電流を示す。波形205は、抵抗素子51と52の抵抗比により、任意の傾きに設定できる。そのため、波形205は、BJT21のコレクタ電流に応じた最適なベース電流になるように設定可能である。
【0035】
また、
図2(b)において、コレクタ電流の使用範囲における最小値をI
CMINとし、I
CMINに対応するVbeの値をV
MINとする。また、コレクタ電流の使用範囲における最大値をI
CMAXとし、I
CMAXに対応するVbeの値をV
MAXとする。波形203は、従来のドライブ回路において、コレクタ電流の使用範囲における最大値に合わせてベース電流を固定に設定した場合のベース電流を示す。この場合、コレクタ電流の使用範囲の最小値に近づく程、波形202との乖離が大きく、ベース電流による電力損失が大きくなる。また、波形204では、従来の第3の方法であるカレントトランス(以下、CTという)ドライブを用いた場合のベース電流を示す。波形204では、コレクタ電流の使用範囲においてhFEの最小値に合わせてベース電流を設定する。そのため、波形204では、Vbeが大きくなる程、波形202との乖離が大きく、ベース電流による電力損失が大きくなる。波形203〜205を比較することにより、本実施形態を示す波形205が最もベース電流による電力損失を低減できることが示される。
【0036】
次に、BJT21を遮断させる場合におけるドライブ回路1の動作を説明する。
BJT21を遮断させる場合、制御回路部3からBJT21を導通させる場合より低い制御電圧がドライブ部10に供給される。これにより、ドライブ部10のNMOS11が遮断され、第1の電源線からノードN4に供給されていた駆動電圧が停止する。また、PMOS12が導通され、第2の電源線からノードN4に電圧が供給される。これにより、ドライブ部10がノードN4に駆動電圧の出力を停止する。このため、ベース回路部30は、ベース電流の供給を停止し、BJT21が遮断される。
【0037】
以上のように、ドライブ回路1は、基準電圧生成部40とベース電流制御部50とを備える。ベース電流制御部50は、基準電圧生成部40が生成する基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する。BJT21のVbeは、BJT21のコレクタ電流に応じて変化する。そのため、BJT21のVbeを検出することにより、コレクタ電流を検出することができる。また、ベース電流制御部50は、検出したBJT21のVbeに応じたベース電流をBJT21に供給するように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。これにより、ドライブ部10は、BJT21のコレクタ電流に応じた駆動電圧をベース回路部30に供給する。ベース回路部30は、ドライブ部10から供給された制御電圧に応じてベース電流を生成して、BJT21に供給する。つまり、ドライブ回路1は、BJT21のVbeを検出することにより、BJT21のコレクタ電流に応じたベース電流をBJT21に供給できる。
【0038】
また、ドライブ回路1は、BJT21のVbeを用いてBJT21のコレクタ電流の変化を検出する。そのため、BJT21のコレクタ電流が流れる経路に検出用の部品を挿入する必要がない。また、ベース回路部30は、BJT21のhFEに依存しないで、BJT21のコレクタ電流に応じたベース電流を生成できる。このため、BJT21のhFEが大きい場合であっても、BJT21のhFEに対応したベース電流を設定できる。結果として、ドライブ回路1は、ベース電流による電力損失を低減することができる。
また、ドライブ回路1は、CTを用いない。そのため、ドライブ回路1は、時比率が100%である場合に対応可能である。
【0039】
また、ベース電流制御部50は、抵抗素子51と52を備える。ベース電流制御部50は、抵抗素子51と52の抵抗比を変更することで、ドライブ部10の駆動電圧を任意の電圧に設定できる。このため、抵抗素子51と52の抵抗比及びベース回路部30の抵抗素子31の抵抗値を適宜設定することによって、BJT21のVbeに対する任意のベース電流特性を得ることができる。
また、ベース電流制御部50は、基準電圧生成部40が生成する基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する。基準電圧生成部40は、BJT21とVbe特性や温度特性が等しいBJT41を用いて基準電圧Vrefを生成する。このため、温度変化に対して、BJT21のVbeと基準電圧Vrefは、同様の特性を示す。そのため、ドライブ回路1は、BJT21のVbeを検出する際に、温度変化による影響を低減できる。これにより、ドライブ回路1は、温度変化による影響を低減した最適なベース電流をBJT21に供給することができる。
【0040】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態によるドライブ回路について図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態によるドライブ回路を示すブロック図である。
図3は、本実施形態によるドライブ回路1aを電源回路に適用した一形態を示す。この図において、ドライブ回路1aは、ドライブ部10、ベース回路部30、基準電圧生成部40a、及びベース電流制御部50を備える。また、この図において、
図1と同じ構成には同一の符号を付す。
【0041】
以下、基準電圧生成部40aについて説明する。
基準電圧生成部40aは、BJT21のVbeを検出するための基準電圧Vrefを生成し、生成した基準電圧VrefをノードN5に出力する。基準電圧生成部40aは、BJT41及び抵抗素子42aを備える。
【0042】
BJT41は、コレクタ端子とベース端子とがノードN5に接続され、エミッタ端子がBJT21のエミッタ端子に接続される。また、BJT41のコレクタ端子は、抵抗素子42aである電流源の出力線に接続される。BJT41は、コレクタ端子とベース端子とが接続されるダイオード接続された状態であり、バンドギャップ電圧を用いてノードN5に基準電圧Vrefを出力する。なお、BJT41は、BJT21とVbe特性や温度特性が等しい特性のものを用いるものとする。
抵抗素子42aは、一方の端子がベース回路部30の出力線であるノードN2に接続され、他方の端子がノードN5に接続される。抵抗素子42aは、基準電圧Vrefを生成するための電流源として機能する。抵抗素子42aは、ノードN2の電圧から変換した電流をBJT41のコレクタ端子及びベース端子に供給する。
【0043】
図3に示されるドライブ回路1aの動作は、基準電圧生成部40aにおいて基準電圧Vrefの生成に用いる電流源が定電流源42から抵抗素子42aに置き換わる点を除いて、
図1に示されるドライブ回路1と同様である。
【0044】
以上のように、ドライブ回路1aは、基準電圧生成部40aとベース電流制御部50とを備える。ベース電流制御部50は、基準電圧生成部40aが生成する基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する。ベース電流制御部50は、検出したVbeに応じたBJT21のベース電流をBJT21に供給するように、制御電圧を制御して、ドライブ部10に供給する。これにより、第1の実施形態におけるドライブ回路1と同等の効果が期待できる。
また、基準電圧生成部40aは、基準電圧Vrefを生成するための電流源として抵抗素子42aを備える。抵抗素子を用いた電流源は、定電流回路より部品数を低減できる。これにより、ドライブ回路1aは、ドライブ回路1に比べて、部品数を低減できる。
【0045】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態によるドライブ回路について図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態によるドライブ回路を示すブロック図である。
図4は、本実施形態によるドライブ回路1bを電源回路に適用した一形態を示す。この図において、ドライブ回路1bは、ドライブ部10、ベース回路部30、基準電圧生成部40a、及びベース電流制御部50aを備える。また、この図において、
図1及び
図2と同じ構成には同一の符号を付す。
【0046】
本実施形態におけるドライブ回路1bは、ベース電流制御部50aの構成が異なる点を除いて
図3に示されるドライブ回路1aと同一の構成である。以下、ベース電流制御部50aについて説明する。
【0047】
ベース電流制御部50aは、BJT21のVbeを検出して、検出したBJT21のVbeに応じたベース電流をBJT21に供給するように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。ベース電流制御部50aは、抵抗素子(53〜56)及びオペアンプ(OP2、OP3)を備える。
抵抗素子53は、一方の端子がオペアンプOP2のマイナス端子(反転入力端子)であるノードN7に接続され、他方の端子がオペアンプOP2の出力線であるノードN9に接続される。また、抵抗素子54は、一方の端子がオペアンプOP2のマイナス端子であるノードN7に接続され、他方の端子が基準電圧生成部40aの出力線であるノードN5に接続される。また、抵抗素子55及び56は、一方の端子がオペアンプOP2のプラス端子(非反転入力端子)であるノードN8にそれぞれ接続され、他方の端子がBJT21のベース端子(ノードN2)にそれぞれ接続される。なお、抵抗素子53と54の抵抗比、及び抵抗素子55と56の抵抗比は、予め定められた値である。
【0048】
オペアンプOP2は、プラス端子がノードN8に接続され、マイナス端子がノードN7に接続される。また、オペアンプOP2は、BJT21のVbeと基準電圧生成部40aによって生成された基準電圧Vrefとの電位差を検出して、差動増幅する演算増幅回路(差動増幅回路)として機能する。
オペアンプOP3は、プラス端子(非反転入力端子)がノードN9に接続され、マイナス端子(反転入力端子)がドライブ部10の出力線であるノードN4に接続される。オペアンプOP3のマイナス端子には、ドライブ部10の駆動電圧が供給される。また、オペアンプOP3の出力線は、ノードN3に接続される。オペアンプOP3は、ドライブ部10の駆動電圧がオペアンプOP2の出力電圧と等しくなるように、ドライブ部10の制御電圧を制御する演算増幅回路として機能する。
【0049】
次に、
図4に示されるドライブ回路1bの動作について説明する。
図4に示されるドライブ回路1bの動作は、ベース電流制御部50aに置き換わっている点を除いて、
図3に示されるドライブ回路1aと同様である。以下、ベース電流制御部50aの動作を説明する。
【0050】
ベース電流制御部50aのオペアンプOP2は、基準電圧VrefとBJT21のVbeとの電位差を検出する。オペアンプOP2は、検出した基準電圧VrefとVbeの電位差を、予め定められた抵抗素子53と54の抵抗比に基づいて増幅する。オペアンプOP2は、増幅した信号をBJT21のVbeを基準としてノードN9に出力する。なお、ノードN9に出力される電圧は、式(2)となる。
【0051】
ノードN9の電圧=(Vbe−Vref)×(R1/R2)+Vbe ・・・ (2)
但し、R1=抵抗素子53の抵抗値、R2=抵抗素子54の抵抗値
【0052】
また、ベース電流制御部50aのオペアンプOP3は、ドライブ部10の駆動電圧(ノードN4の電圧)がノードN9の電圧と等しくなるように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。つまり、オペアンプOP3は、BJT21のVbeを基準電圧Vrefに基づいて検出して、ドライブ部10の制御電圧を制御する。これにより、ベース電流制御部50aは、BJT21のコレクタ電流の変化に応じて、制御電圧を変えてドライブ部10に供給する。ドライブ部10は、オペアンプOP3から供給された制御電圧に応じた駆動電圧をベース回路部30に供給する。これにより、ベース回路部30は、ドライブ部10から供給された駆動電圧に応じたベース電流を生成し、BJT21のベース端子(ノードN2)に供給する。
【0053】
例えば、基準電圧Vrefが0.6Vであり、且つ、抵抗素子53と54の抵抗値が等しい(抵抗比が1:1)とする。また、BJT21のVbeが0.7Vである。オペアンプOP2は、式(2)により算出された、0.8VをノードN9に出力する。オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。そのため、BJT21のVbeが0.7Vである場合には、オペアンプOP3は、ノードN4の駆動電圧が、0.8Vとなるように、ドライブ部10に供給する制御電圧を制御する。
【0054】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が増大して、例えば、BJT21のVbeが0.75Vになったとする。この場合、オペアンプOP2は、ノードN9に0.9Vを出力する。これにより、オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。従って、オペアンプOP3は、ノードN3の制御電圧を上げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が上昇する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.9Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が増大する。つまり、BJT21のコレクタ電流の増大に応じて、BJT21のベース電流が増大する。
【0055】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が減少して、例えば、BJT21のVbeが0.65Vになったとする。この場合、オペアンプOP2は、ノードN9に0.7Vを出力する。オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。従って、オペアンプOP3は、ノードN3の制御電圧を下げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が低下する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.7Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が減少する。つまり、BJT21のコレクタ電流の減少に応じて、BJT21のベース電流が減少する。
【0056】
以上のように、ドライブ回路1bは、基準電圧生成部40aとベース電流制御部50aとを備える。ベース電流制御部50aのオペアンプOP2は、BJT21のVbeと基準電圧生成部40aが生成する基準電圧Vrefとの電位差を検出し、予め定められた抵抗素子53と54の抵抗比に基づいて差動増幅する。また、ベース電流制御部50aのオペアンプOP3は、ドライブ部10の駆動電圧がオペアンプOP2の出力電圧(ノードN9の電圧)と等しくなるように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。つまり、ベース電流制御部50aは、基準電圧生成部40aが生成する基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する。ベース電流制御部50aは、検出したVbeに応じたBJT21のベース電流をBJT21に供給するように、制御電圧を制御して、ドライブ部10に供給する。これにより、第1の実施形態におけるドライブ回路1と同等の効果が期待できる。
また、ベース電流制御部50aは、抵抗素子53と54を備える。ベース電流制御部50aは、抵抗素子53と54の抵抗比を変更することで、ドライブ部10の駆動電圧を任意の電圧に設定できる。このため、抵抗素子53と54の抵抗比及びベース回路部30の抵抗素子31の抵抗値を適宜設定することによって、BJT21のVbeに対する任意のベース電流特性を得ることができる。
【0057】
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態によるドライブ回路について図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態によるドライブ回路を示すブロック図である。
図5は、本実施形態によるドライブ回路1cを電源回路に適用した一形態を示す。この図において、ドライブ回路1cは、ドライブ部10、ベース回路部30、基準電圧生成部40a、及びベース電流制御部50aを備える。また、この図において、
図3と同じ構成には同一の符号を付す。
【0058】
本実施形態におけるドライブ回路1cは、ベース電流制御部50aにおける抵抗素子55の接続が異なる点を除いて
図4に示されるドライブ回路1bと同一の構成である。以下、ベース電流制御部50aの接続について説明する。
【0059】
図5において、抵抗素子54は、一方の端子がオペアンプOP2のマイナス端子(反転入力端子)であるノードN7に接続され、他方の端子が基準電圧生成部40aの出力線であるノードN5に接続される。なお、抵抗素子53と54の抵抗比、及び抵抗素子55と56の抵抗比は、予め定められた値である。ベース電流制御部50aのオペアンプOP2は、プラス端子(非反転入力端子)がノードN8に接続され、マイナス端子がノードN7に接続される。また、オペアンプOP2は、BJT21のVbeと基準電圧生成部40aによって生成された基準電圧Vrefとの電位差を検出して、差動増幅する演算増幅回路(差動増幅回路)として機能する。
【0060】
次に、
図5に示されるドライブ回路1cの動作について説明する。
図5に示されるドライブ回路1cの動作は、ベース電流制御部50aのオペアンプOP2の基準となる電圧が異なる点を除いて、
図4に示されるドライブ回路1bと同様である。以下、ベース電流制御部50aの動作を説明する。
【0061】
ベース電流制御部50aのオペアンプOP2は、基準電圧VrefとBJT21のVbeとの電位差を検出する。オペアンプOP2は、検出した基準電圧VrefとVbeの電位差を、予め定められた抵抗素子53と54の抵抗比に基づいて増幅する。オペアンプOP2は、基準電圧Vrefを基準として増幅した信号をノードN9に出力する。なお、ノードN9に出力される電圧は、式(3)となる。
【0062】
ノードN9の電圧=(Vbe−Vref)×(R1/R2)+Vref ・・・ (3)
但し、R1=抵抗素子53、55の抵抗値、R2=抵抗素子54、56の抵抗値
【0063】
また、ベース電流制御部50aのオペアンプOP3は、ドライブ部10の駆動電圧(ノードN4の電圧)がノードN9の電圧と等しくなるように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。つまり、オペアンプOP3は、BJT21のVbeを基準電圧Vrefに基づいて検出して、ドライブ部10の制御電圧を制御する。これにより、ベース電流制御部50aは、BJT21のコレクタ電流の変化に応じて、制御電圧を変えてドライブ部10に供給する。ドライブ部10は、オペアンプOP3から供給された制御電圧に応じた駆動電圧をベース回路部30に供給する。これにより、ベース回路部30は、ドライブ部10から供給された駆動電圧に応じたベース電流を生成し、BJT21のベース端子(ノードN2)に供給する。
【0064】
例えば、基準電圧Vrefが0.6Vであり、且つ、抵抗素子53と54の抵抗比及び抵抗素子55と56の抵抗比がいずれも2:1とする。また、BJT21のVbeが0.7Vである。オペアンプOP2は、式(3)により算出された、0.8VをノードN9に出力する。オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。そのため、BJT21のVbeが0.7Vである場合には、オペアンプOP3は、ノードN4の駆動電圧が、0.8Vとなるように、ドライブ部10に供給する制御電圧を制御する。
【0065】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が増大して、例えば、BJT21のVbeが0.75Vになったとする。この場合、オペアンプOP2は、ノードN9に0.9Vを出力する。これにより、オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。従って、オペアンプOP3は、ノードN3の制御電圧を上げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が上昇する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.9Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が増大する。つまり、BJT21のコレクタ電流の増大に応じて、BJT21のベース電流が増大する。
【0066】
また、上記の状態において、BJT21のコレクタ電流が減少して、例えば、BJT21のVbeが0.65Vになったとする。この場合、オペアンプOP2は、ノードN9に0.7Vを出力する。オペアンプOP3は、ノードN4の電圧が、ノードN9の電圧と等しくなるように制御する。従って、オペアンプOP3は、ノードN3の制御電圧を下げる制御を行う。これにより、ドライブ部10からベース回路部30に供給される駆動電圧が低下する。結果として、ノードN4の駆動電圧は、0.7Vになる。これにより、ベース回路部30からBJT21に供給されるベース電流が減少する。つまり、BJT21のコレクタ電流の減少に応じて、BJT21のベース電流が減少する。
【0067】
以上のように、ドライブ回路1cは、基準電圧生成部40aとベース電流制御部50aとを備える。ベース電流制御部50aのオペアンプOP2は、BJT21のVbeと基準電圧生成部40aが生成する基準電圧Vrefとの電位差を検出し、予め定められた抵抗素子53と54の抵抗比及び抵抗素子55と56の抵抗比に基づいて差動増幅する。また、ベース電流制御部50aのオペアンプOP3は、ドライブ部10の駆動電圧がオペアンプOP2の出力電圧(ノードN9の電圧)と等しくなるように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。つまり、ベース電流制御部50aは、基準電圧生成部40aが生成する基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する。ベース電流制御部50aは、検出したVbeに応じたBJT21のベース電流をBJT21に供給するように、制御電圧を制御して、ドライブ部10に供給する。これにより、第1の実施形態におけるドライブ回路1と同等の効果が期待できる。
【0068】
また、ベース電流制御部50aは、抵抗素子53と54を備える。ベース電流制御部50aは、抵抗素子53と54の抵抗比及び抵抗素子55と56の抵抗比を変更することで、ドライブ部10の駆動電圧を任意の電圧に設定できる。このため、抵抗素子53と54の抵抗比、抵抗素子55と56の抵抗比及びベース回路部30の抵抗素子31の抵抗値を適宜設定することによって、BJT21のVbeに対する任意のベース電流特性を得ることができる。
【0069】
本発明の実施形態によれば、バイポーラトランジスタ21のベース端子にベース電流を供給するドライブ回路1は、バイポーラトランジスタ21のベース電流を生成するベース回路部30と、制御端子に供給される制御電圧に基づき、ベース電流を生成するための駆動電圧をベース回路部30に供給するドライブ部10と、バイポーラトランジスタ21のベース端子とバイポーラトランジスタ21のエミッタ端子との間に発生する第1のベース−エミッタ間電圧Vbeを検出し、検出した第1のベース−エミッタ間電圧Vbeに応じたベース電流をバイポーラトランジスタ21に供給するように、制御電圧を制御して、ドライブ部10に供給するベース電流制御部50とを備える。
これにより、ベース電流制御部50は、検出したバイポーラトランジスタ21の第1のベース−エミッタ間電圧Vbeに応じたベース電流をバイポーラトランジスタ21に供給するように、ドライブ部10の制御電圧を制御する。また、ドライブ部10は、バイポーラトランジスタ21のコレクタ電流に応じた駆動電圧をベース回路部30に供給する。ベース回路部30は、ドライブ部10から供給された制御電圧に応じてベース電流を生成して、バイポーラトランジスタ21に供給する。つまり、ドライブ回路1は、バイポーラトランジスタ21のVbeを検出することにより、バイポーラトランジスタ21のコレクタ電流に応じたベース電流をBJT21に供給できる。結果として、ドライブ回路1は、ベース電流による電力損失を低減することができる。
【0070】
また、ドライブ回路1(又は1a)は、基準電圧を生成する基準電圧生成部40(又は40a)を備える。また、ベース電流制御部50は、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeを基準電圧Vrefに基づいて検出する。
これにより、ベース電流制御部50は、基準電圧Vrefとの電位差を検出することで、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeを間接的に検出できる。このため、ベース電流制御部50は、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeを直接検出する必要がなくなり、簡易な回路で実現できる。
【0071】
また、基準電圧生成部40(又は40a)は、ベース端子とコレクタ端子が電流源42(又は42a)の出力線(ノードN5)にそれぞれ接続され、エミッタ端子がバイポーラトランジスタ21のエミッタ端子に接続された第1のバイポーラトランジスタ41を備え、第1のバイポーラトランジスタ41のベース端子と第1のバイポーラトランジスタ41のエミッタ端子との間に発生する第2のベース−エミッタ間電圧を基準電圧Vrefとする。
これにより、ドライブ回路1(又は1a)は、温度変化による影響を低減した最適なベース電流をバイポーラトランジスタ21に供給することができる。
【0072】
また、電流源42aは、ベース回路部30の出力線(ノードN2)に一方の端子が接続され、電流源42aの出力線(ノードN5)に他方の端子が接続される抵抗素子(42a)を備える。
これにより、電流源42aは、構成を簡略化できる。そのため、ドライブ回路1aは、ドライブ回路1に比べて、部品数を低減できる。
【0073】
また、電流源40は、定電流回路42を備える。
これにより、電流源40は、第1のバイポーラトランジスタ41に精度の良い一定の電流を供給することができる。そのため、基準電圧生成部40は、精度の良い基準電圧Vrefを生成できる。これにより、ドライブ回路1は、バイポーラトランジスタ21の第1のベース−エミッタ間電圧Vbeを精度良く検出できるため、より最適なベース電流をバイポーラトランジスタ21に供給することができる。
【0074】
また、ベース電流制御部50は、駆動電圧(ノードN4の電圧)と基準電圧Vrefとの間の電圧であって、予め定められた抵抗比によって駆動電圧(ノードN4の電圧)と基準電圧Vrefとの電位差を分圧した電圧(ノードN6の電圧)が、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeと等しくなるように、制御電圧(ノードN3の電圧)を制御する演算増幅回路OP1を備える。
また、予め定められた抵抗比は、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeと基準電圧Vrefとの電位差と、駆動電圧(ノードN4の電圧)と第1のベース−エミッタ間電圧Vbeとの電位差との比に基づいて定められる。
これにより、ドライブ回路1は、バイポーラトランジスタ21のVbeに対する任意のベース電流特性を得ることができる。
【0075】
また、ベース電流制御部50aは、第1のベース−エミッタ間電圧Vbeと基準電圧Vrefとの電位差を検出して、差動増幅する第1の演算増幅回路OP2と、駆動電圧(ノードN4の電圧)が第1の演算増幅回路OP2の出力電圧(ノードN9の電圧)と等しくなるように、制御電圧(ノードN3の電圧)を制御する第2の演算増幅回路OP3とを備える。
これにより、ベース電流制御部50aは、ベース電流制御部50と同等の効果が得られる。
【0076】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明のドライブ回路は、電源回路に限定されるものではなく、バイポーラトランジスタのベース電流を供給する形態であれば、他の回路に適用する形態でも良い。また、BJT21、及びBJT41は、Siを用いた形態を説明したが、SiC(炭化ケイ素)や他の半導体材料を用いた形態でも良い。
また、上記の各実施形態において、基準電圧生成部40(又は40a)によって生成された基準電圧Vrefに基づいて、BJT21のVbeを検出する形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明のドライブ回路は、BJT21のVbeを検出できる形態であれば、他の形態でも良い。また、基準電圧生成部40(又は40a)は、バイポーラトランジスタ41を用いて基準電圧Vrefを生成する形態を説明したが、他の法方によって基準電圧Vrefを生成する形態でも良い。例えば、MOSトランジスタのバンドギャップ電圧を用いる形態でも良い。
【0077】
また、上記の各実施形態において、ドライブ部10は、NMOS11とPMOS12を備える形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、NMOS11のみを備える形態や、NMOS11とPMOS12が逆の配置になる形態、PMOSのみの形態でも良いし、他の形態でも良い。