特許第5789484号(P5789484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789484
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】貨幣取扱機
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   G07D9/00 401C
   G07D9/00 401A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-244368(P2011-244368)
(22)【出願日】2011年11月8日
(65)【公開番号】特開2013-101467(P2013-101467A)
(43)【公開日】2013年5月23日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】松村 寛
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−140177(JP,A)
【文献】 特開2009−037654(JP,A)
【文献】 特開2005−348062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の処理を行う貨幣取扱機であって、
揺動式の第1の開閉手段と、
引き出し式であって前記第1の開閉手段が開放されることにより引き出し可能となり引き出されることで機内の内部機構を外部に開放可能な第2の開閉手段と、
機内に設けられ、前記第1の開閉手段が開状態になることで開放される部分から外部に進出することによって前記第2の開閉手段が開状態にあるとき前記内部機構を撮像可能となる撮像手段と、
該撮像手段の撮像データを記録可能な記録手段とを備え、
前記第2の開閉手段の開作動を検知して前記撮像手段を外部に進出させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を開始させ前記第2の開閉手段の閉作動を検知して前記撮像手段を退避させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を停止させる開閉検知手段を有することを特徴とする貨幣取扱機。
【請求項2】
前記開閉検知手段は、前記第2の開閉手段が閉状態から閉状態でなくなったことを検知すると前記撮像手段を外部に進出させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を開始させ、前記第2の開閉手段が閉状態でない状態から閉状態になったことを検知すると前記撮像手段を退避させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を停止させることを特徴とする請求項1記載の貨幣取扱機。
【請求項3】
前記第1の開閉手段には、該第1の開閉手段が閉状態にあるときに機内に設けられ、該第1の開閉手段が開状態にあり且つ前記第2の開閉手段が開状態にあるときに前記内部機構を撮像可能となる第2の撮像手段が設けられており、
前記第1の開閉手段の開作動を検知して前記記録手段による前記第2の撮像手段の撮像データの記録を開始させるとともに、前記第1の開閉手段の閉作動を検知して前記記録手段による前記第2の撮像手段の撮像データの記録を停止させる第2の開閉検知手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の貨幣取扱機。
【請求項4】
前記第2の開閉検知手段は、前記第2の撮像手段の検知する照度が、所定の第1基準照度を上回ったときに前記第1の開閉手段の開作動を検知するとともに、所定の第2基準照度を下回ったときに前記第1の開閉手段の閉作動を検知することを特徴とする請求項記載の貨幣取扱機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣を取り扱う貨幣取扱機に関するものであり、特に作業者により行われる作業の監視に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貨幣を取り扱う現金管理装置の開状態とされた収納庫に対して棒金あるいは束紙幣が入出庫される際に、現金管理装置の上方に設けられた監視カメラで撮像した収納庫の開庫映像および使用者の手元映像を記録する現金管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この現金管理システムによれば、収納庫の開状態から閉状態までの間の、監視カメラにより撮像したデータを記憶するものであるため、簡易に現金管理の厳正化が図れるとともに、煩雑な作業が不要となり業務効率の向上が図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−113142号公報(図1および図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記システムでは、装置の上方に設けられた監視カメラで撮像することから、装置が監視カメラの位置になければ監視できない。また、装置の上方に設けられた監視カメラで撮像するため、使用者の上半身によって手元映像が遮られる可能性があり、精度良く監視できるものが求められている。
【0006】
したがって、本発明は、位置によらず監視可能であり、精度良く監視することが可能となる貨幣取扱機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、貨幣の処理を行う貨幣取扱機であって、揺動式の第1の開閉手段と、引き出し式であって前記第1の開閉手段が開放されることにより引き出し可能となり引き出されることで機内の内部機構を外部に開放可能な第2の開閉手段と、機内に設けられ、前記第1の開閉手段が開状態になることで開放される部分から外部に進出することによって前記第2の開閉手段が開状態にあるとき前記内部機構を撮像可能となる撮像手段と、該撮像手段の撮像データを記録可能な記録手段とを備え、前記第2の開閉手段の開作動を検知して前記撮像手段を外部に進出させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を開始させ前記第2の開閉手段の閉作動を検知して前記撮像手段を退避させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を停止させる開閉検知手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記開閉検知手段は、前記第2の開閉手段が閉状態から閉状態でなくなったことを検知すると前記撮像手段を外部に進出させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を開始させ、前記第2の開閉手段が閉状態でない状態から閉状態になったことを検知すると前記撮像手段を退避させるとともに前記記録手段による前記撮像データの記録を停止させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記第1の開閉手段には、該第1の開閉手段が閉状態にあるときに機内に設けられ、該第1の開閉手段が開状態にあり且つ前記第2の開閉手段が開状態にあるときに前記内部機構を撮像可能となる第2の撮像手段が設けられており、前記第1の開閉手段の開作動を検知して前記記録手段による前記第2の撮像手段の撮像データの記録を開始させるとともに、前記第1の開閉手段の閉作動を検知して前記記録手段による前記第2の撮像手段の撮像データの記録を停止させる第2の開閉検知手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項に係る発明において、前記第2の開閉検知手段は、前記第2の撮像手段の検知する照度が、所定の第1基準照度を上回ったときに前記第1の開閉手段の開作動を検知するとともに、所定の第2基準照度を下回ったときに前記第1の開閉手段の閉作動を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、例えばメンテナンス等のために開閉手段が開状態とされて機内の内部機構が外部に開放されると、撮像手段が内部機構を撮像可能になるとともに、この開閉手段の開作動を開閉検知手段が検知して記録手段による撮像データの記録を開始させる。これにより、撮像手段による内部機構の撮像データを記録手段が記録することになる。また、作業後に開閉手段が閉状態とされて機内の内部機構が外部から隔離された状態になると、この開閉手段の閉作動を開閉検知手段が検知して記録手段による撮像データの記録を停止させる。そして、撮像手段が機内に設けられているため、機体の位置によらずに内部機構を監視可能であり、また、より近い位置から内部機構を撮像可能となるため、内部機構を精度良く監視することが可能となる。
撮像手段が、開閉手段の引き出しに連動して外部に進出するため、開閉手段が内部機構とともに引き出される引き出し式であっても、内部機構を撮像手段で良好に撮像できる。
【0012】
請求項に係る発明によれば、開閉検知手段は、機内が明るくなり撮像手段の検知する照度が所定の第1基準照度を上回ると開閉手段の開作動を検知するとともに、機内が暗くなり撮像手段の検知する照度が所定の第2基準照度を下回ると開閉手段の閉作動を検知するため、撮像手段を開閉検知手段として兼用することになる。したがって、コストを低減することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、撮像手段が揺動式の開閉手段に設けられるため、撮像手段の移動手段を開閉手段で兼用することになる。したがって、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る貨幣取扱機における前面部の開作動途中を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る貨幣取扱機における前面部の開作動後の状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る貨幣取扱機における引出部の開作動後の状態を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る貨幣取扱機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る貨幣取扱機を図面を参照して以下に説明する。
【0017】
本実施形態に係る貨幣取扱機11は、貨幣の処理を行うものであり、具体的にはバラ紙幣および小束紙幣の入出金処理を行うものである。貨幣取扱機11は、図1に示すように、前面の上部に揺動式の前面部(開閉手段)12を有している。前面部12は、前面部12および後述の引出部(開閉手段)13を除く貨幣取扱機本体14の上部かつ前部を中心に上方に向けて揺動させられることで開き、下方に向けて揺動させられることで閉じる。貨幣取扱機本体14には、前面部12を閉状態でロックする図示略のロック機構が設けられており、前面部12に設けられた操作レバー16が揺動操作されるとこのロック機構によるロックが解除されて前面部12が開作動可能となる。
【0018】
また、貨幣取扱機11は、図2にも示すように、前面の下部に引き出し式の引出部13を有している。引出部13は、貨幣取扱機11内の図3に示す内部機構18を収容しており、内部機構18とともに引き出されることで内部機構18を外部に開放可能となっている。具体的に、引出部13は、貨幣取扱機本体14から前方に引き出されることで内部機構18を外部に開放することになり、貨幣取扱機本体14に対し後方に押し込まれることで引出部13内に設けられた内部機構18を外部から隔離する。貨幣取扱機本体14には、引出部13を閉状態でロックする図示略のロック機構が設けられており、引出部13に設けられた操作レバー19が揺動操作されるとこのロック機構によるロックが解除されて引出部13が開作動可能となる。
【0019】
なお、引出部13に設けられた操作レバー19は、前面部12が開状態にあるときに限り外部に開放されることになり、よって、前面部12が開状態になければ、引出部13内に設けられた内部機構18が外部に開放可能にはならない。言い換えれば、前面部12も、貨幣取扱機本体14に対し揺動させられることで、貨幣取扱機11内に設けられた内部機構18を開放可能となっている。
【0020】
前面部12の下面側には、貨幣取扱機本体14から引出部13とともに前方に引き出されることで外部に開放される内部機構18を撮像するCCDカメラ(撮像手段,開閉検知手段)21が取り付けられている。このCCDカメラ21は、前面部12が閉じられた状態では貨幣取扱機11内にあって外部から隔離されており、前面部12が開状態になると、貨幣取扱機本体14から引出部13とともに前方に引き出された内部機構18を撮像可能となる。CCDカメラ21の位置は、内部機構18を斜め上方から撮像可能となるように内部機構18に対し左右方向の反対側に設けられており、内部機構18を斜め後方から撮像可能となるように内部機構18に対し前後方向の反対側に設けられている。
【0021】
また、貨幣取扱機本体14には、内部機構18に対し左右方向の反対側にアーム25が揺動可能に設けられている。このアーム25の先端にはCCDカメラ(撮像手段)26が取り付けられている。アーム25の基端側は図4に示すモータ27に連結されており、モータ27の駆動でアーム25が図2に示すように貨幣取扱機本体14側に揺動させられた待機状態では、アーム25およびCCDカメラ26が前面部12に干渉せずその閉作動を可能とする。また、前面部12が開状態になると、モータ27の駆動で図3に示すようにアーム25が貨幣取扱機本体14から離れる方向に揺動させられて外部に進出することになり、外部に最も進出した進出位置においてアーム25の先端に設けられたCCDカメラ26が、貨幣取扱機本体14から引出部13とともに前方に引き出された内部機構18を撮像可能となる。
【0022】
つまり、このCCDカメラ26は、前面部12が閉じられた状態では貨幣取扱機11内にあって外部から隔離されており、前面部12が開状態になると、外部に進出して、貨幣取扱機本体14から引出部13とともに前方に引き出された内部機構18を撮像可能となる。このCCDカメラ26の位置は、内部機構18を斜め上方から撮像可能となるように内部機構18に対し左右方向の反対側に設けられており、上記したCCDカメラ21よりも低く前方の位置に設けられている。
【0023】
貨幣取扱機本体14には、引出部13が閉状態にあるか否かを検知する図4に示す閉位置検知センサ(開閉検知手段)30が設けられており、引出部13が閉状態ではなくなったことを閉位置検知センサ30が検知すると制御部(開閉検知手段)31がモータ27を所定角度回転させてCCDカメラ26を上記進出位置に位置させることになる。他方、引出部13が閉状態に戻されたことを閉位置検知センサ30が検知すると制御部31がモータ27を所定角度逆回転させてCCDカメラ26を上記待機位置に戻すようになっている。つまり、CCDカメラ26は、引出部13の開作動である引き出しに連動して外部に進出し、引出部13の閉作動である押し込みに連動して内部に退避する。
【0024】
CCDカメラ21は制御部31を介してデータ記録部(記録手段)33に接続されており、CCDカメラ26も制御部31を介してデータ記録部(記録手段)33に接続されている。データ記録部33はCCDカメラ21,26のそれぞれの撮像データを記録可能となっている。
【0025】
貨幣取扱機11の主電源が立ち上げられると、制御部31は、CCDカメラ21,26を駆動してそれぞれ撮像状態とするとともにデータ記録部33は撮像データの記録を待機する(記録は行わない)記録待機状態とする。そして、制御部31は、前面部12に取り付けられたCCDカメラ21の一部の点の撮像データから照度を監視しており、機内が明るくなりCCDカメラ21の検知する照度が、所定の第1基準照度以下の状態からこの第1基準照度を上回ったときに、前面部12の開作動を検知してデータ記録部33によるCCDカメラ21の撮像データの記録を開始させる。また、制御部31は、機内が暗くなりCCDカメラ21の検知する照度が、所定の第2基準照度以上の状態からこの第2基準照度を下回ったときに、前面部12の閉作動を検知してデータ記録部33によるCCDカメラ21の撮像データの記録を停止させる。なお、第1基準照度は前面部12が少しでも開かれたことを検知できる値であり、第2基準照度は前面部12が完全に閉じられたことを検知できる値であって、第1基準照度は第2基準照度よりも大きい値となっている。
【0026】
制御部31は、閉位置検知センサ30が、引出部13が閉状態から閉状態でなくなったことを検知したときに引出部13の開作動を検知してデータ記録部33に、アーム25に取り付けられたCCDカメラ26の撮像データの記録を開始させるとともに、上記したようにモータ27の回転を開始させてアーム25を揺動させてCCDカメラ26を外部に進出させる。また、制御部31は、閉位置検知センサ30が、引出部13が閉状態でない状態から閉状態になったことを検知したときに引出部13の閉作動を検知してデータ記録部33によるCCDカメラ26の撮像データの記録を停止させるとともに、上記したようにモータ27の逆回転を開始させてアーム25を揺動させてCCDカメラ26を退避させる。
【0027】
なお、制御部31は、同一のエラーに対して生じた前面部12の開作動および引出部13の開作動によって記録を開始するCCDカメラ21,26の撮像データを、それぞれの日時情報およびエラー情報と関連付けてデータ記録部33に記録する。
【0028】
上記したデータ記録部33に記録されたCCDカメラ21,26の撮像データは、操作部35への操作によってモニタ36に再生可能であり、これにより、内部機構18が外部に開放された状態にあるときの映像をモニタ36で見ることができる。また、これらの撮像データに関連付けて記録されたそれぞれの日時情報およびエラー情報も操作部35への操作によってモニタ36に表示可能となっている。なお、撮像データの再生時以外は、CCDカメラ21,26の撮像データをリアルタイムでモニタ36に表示させるようになっている。
【0029】
以上に述べた本実施形態によれば、例えばメンテナンス等のために前面部12が開状態とされ、引出部13が開状態とされて機内の内部機構18が外部に開放されると、CCDカメラ21,26が内部機構18を撮像可能となるとともに、前面部12の開作動をCCDカメラ21および制御部31が検知してデータ記録部33によるCCDカメラ21の撮像データの記録を開始させ、引出部13の開作動を閉位置検知センサ30および制御部31が検知してデータ記録部33によるCCDカメラ26の撮像データの記録を開始させる。これにより、CCDカメラ21,26による内部機構18の撮像データをデータ記録部33が記録することになる。また、作業後に引出部13が閉状態とされて機内の内部機構18が外部から隔離された状態になると、引出部13の閉作動を閉位置検知センサ30が検知してデータ記録部33によるCCDカメラ26の撮像データの記録を停止させ、その後、前面部12が閉状態とされて機内の内部機構18が外部からさらに隔離された状態になると、前面部12の閉作動をCCDカメラ21および制御部31が検知してデータ記録部33によるCCDカメラ21の撮像データの記録を停止させる。そして、CCDカメラ21,26が機内に設けられているため、機体の位置によらずに内部機構18を監視可能であり、また、より近い位置から内部機構18を撮像可能となるため、内部機構18を精度良く監視することが可能となる。
【0030】
また、CCDカメラ21および制御部31は、機内が明るくなりCCDカメラ21の検知する照度が所定の第1基準照度を上回ったときに前面部12の開作動を検知するとともに、機内が暗くなりCCDカメラ21の検知する照度が所定の第2基準照度を下回ったときに前面部12の閉作動を検知するため、CCDカメラ21を開閉検知手段として兼用することになる。したがって、コストを低減することができる。
【0031】
また、CCDカメラ21が揺動式の前面部12に設けられるため、CCDカメラ21の撮影可能位置への移動手段を前面部12で兼用することになる。したがって、コストを低減することができる。
【0032】
また、CCDカメラ26が、引出部13の引き出しに連動して外部に進出するため、引出部13が内部機構18とともに引き出される引き出し式であっても、内部機構18をCCDカメラ26で良好に撮像できる。
【0033】
なお、CCDカメラ21による照度検出で両方のCCDカメラ21,26の撮像データのデータ記録部33への記録の開始および停止を制御したり、CCDカメラ26による照度検出で両方のCCDカメラ21,26の撮像データのデータ記録部33への記録の開始および停止を制御したり、閉位置検知センサ30による閉位置検知の無しおよび有りで両方のCCDカメラ21,26の撮像データのデータ記録部33への記録の開始および停止を制御しても良い。
【0034】
また、上記以外にも、貨幣取扱機11内でエラーが発生した場合に出力されるエラー発生情報、および貨幣取扱機11内のエラーが解消した場合に出力されるエラー解消情報によって、CCDカメラ21,26の撮像データのデータ記録部33への記録の開始および停止を制御することも可能である。
【0035】
加えて、CCDカメラ26が取り付けられたアーム25を手動で揺動させるようにしても良い。この場合、CCDカメラ26で内部機構18を撮像可能な進出位置にアーム25が揺動させられた場合に限り引出部13の引き出しが可能となるようにロック機構を設けることになる。
【符号の説明】
【0036】
11 貨幣取扱機
12 前面部(開閉手段)
13 引出部(開閉手段)
14 貨幣取扱機本体
18 内部機構
21 CCDカメラ(撮像手段,開閉検知手段)
26 CCDカメラ(撮像手段)
30 閉位置検知センサ(開閉検知手段)
31 制御部(開閉検知手段)
33 データ記録部(記録手段)
図1
図2
図3
図4