特許第5789562号(P5789562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789562
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】紙葉類取扱装置及び自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   G07D9/00 416C
   G07D9/00 403B
   G07D9/00 403E
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-110178(P2012-110178)
(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公開番号】特開2013-238945(P2013-238945A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】藤田 准司
(72)【発明者】
【氏名】上野 正康
(72)【発明者】
【氏名】笹島 洋太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利一
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−181928(JP,A)
【文献】 特開平09−110226(JP,A)
【文献】 特開2004−175526(JP,A)
【文献】 特開2010−198267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の入出金に供される入出金部と、紙葉類の判別を行う紙葉類判別部と、入金された紙葉類を一時的に収納する一時保管庫と、複数の紙葉類収納庫と、前記各部に紙葉類を搬送する第一の紙葉類搬送路とを有する紙葉類取扱装置であって、
前記入出金部は、紙葉類を略水平状態で受渡す開口部と、紙葉類を略立位状態で収納する収納部と、前記収納部に収納された紙幣の挟持及び非挟持を切替える挟持手段と、前記開口部と前記収納部とを接続し、紙葉類を略立位状態と略水平状態とに互いに変更して搬送する第二の紙葉類搬送路を有し、
前記第二の紙葉類搬送路の上部に設けた上ベルトと、前記第二の紙葉類搬送路の下部に設けた下ベルトとは、互いに非対向に配置されることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
請求項1記載の紙葉類取扱い装置であって、前記上ベルトの張力を変更する可動ローラを設けていることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項3】
請求項2記載の紙葉類取扱装置であって、前記上ベルト及び前記下ベルトは、装置幅方向に対称となるように設けられることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項4】
請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、前記第二の紙葉類搬送路は、前記収納部の上部に設けられることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項5】
請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、前記第二の紙葉類搬送路は、前記収納部に対して取り外し可能となるように構成されることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項6】
請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、前記第二の紙幣搬送路は屈曲していることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項7】
請求項6記載の紙葉類取扱装置であって、前記各部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、出金取引時に、前記挟持手段により挟持された紙幣を前記第二の紙葉類搬送路に搬送させることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項8】
請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、前記各部を制御する制御部を有し、
前記入出金部は、さらに紙葉類を前記第一の紙葉類搬送路に繰出す繰出機構と、前記第一の紙葉類搬送路から搬送された紙幣を集積する集積機構と、前記収納部を仕切る仕切板を有し、
前記制御部は、前記繰出機構により繰出される紙幣と、前記集積機構により集積された紙幣とを分割するように、前記仕切板を移動させることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の紙葉類取扱装置を備える自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取扱装置及び自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関などで使用される自動取引装置には、紙葉類取扱装置が実装されている。紙葉類取扱装置の例として、特許文献1には、入出金口から水平方向に投入した入金紙幣を収納部まで挟持搬送し、出金の際には収納部に集積した出金紙幣を、該入出金口にまで挟持搬送する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−259086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、入出金口から収納部まで投入された複数枚の紙幣は、装置幅方向に複数配置した搬送ベルトにより、一括して搬送される。当該搬送ベルトは、紙幣の搬送路を挟むように対向した状態で配置され、搬送ローラによる駆動力が伝達されることにより、紙幣を搬送する。
【0005】
しかし、搬送ベルトを対向した状態で配置した場合、搬送ローラを設けたシャフトが少しでも傾いていると、搬送ベルトの蛇行や対向する搬送ベルト間のずれが生じる。搬送ベルトの蛇行やずれは、紙幣のスキューの誘発、ベルト外れによる機器障害、他部品との干渉による摩耗等が発生する。
【0006】
また、搬送する紙幣束が厚過ぎる場合、搬送ベルト間の隙間に収まりきれずに一時的にベルトテンションが高くなることで、負荷が大きくなり、搬送ベルトを駆動するモータがロックしてしまい、搬送できない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、紙幣ジャム等による入出金装置の停止率、スキューによるリジェクト率を低減させ、かつ、ベルト蛇行や外れ等の機器の障害を防止することを目的とした紙葉類取扱装置、及び当該紙葉類取扱装置を備えた自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では、紙葉類の入出金に供される入出金部と、紙葉類の判別を行う紙葉類判別部と、入金された紙葉類を一時的に収納する一時保管庫と、複数の紙葉類収納庫と、前記各部に紙葉類を搬送する第一の紙葉類搬送路とを有する紙葉類取扱装置であって、前記入出金部は、紙葉類を略水平状態で受渡す開口部と、紙葉類を略立位状態で収納する収納部と、前記開口部と前記収納部とを接続し、紙葉類を略立位状態と略水平状態とに互いに変更して搬送する第二の紙葉類搬送路を有し、前記第二の紙葉類搬送路の上部に設けた上ベルトと、前記第二の紙葉類搬送路の下部に設けた下ベルトとは、互いに非対向に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、紙幣ジャム等による入出金装置の停止率、スキューによるリジェクト率を低減さえることができ、同時に、ベルト蛇行、外れ等の機器の障害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自動取引装置の外観を示す斜視図。
図2】自動取引装置の制御関係を示す制御ブロック図。
図3】紙幣入出金機の制御関係を示す制御ブロック図。
図4】紙幣入出金機の内部構成図。
図5】入出金口機構の内部構成図(全体)。
図6】搬送ユニットの装置前方からの斜視図。
図7】搬送ユニットの内部構成図。
図8】入金計数動作時における入出金口機構の内部構成図。
図9】入金計数動作時における入出金口機構の内部構成図。
図10】入金計数動作時における入出金口機構の処理を示すフローチャート。
図11】出金動作時における入出金口機構の内部構成図。
図12】出金動作時における入出金口機構の内部構成図。
図13】出金動作時における入出金口機構の内部構成図。
図14】出金動作時における入出金口機構の内部構成図。
図15】出金動作時における入出金口機構の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について、以下図面を用いて説明する。
図1は、自動取引装置100の外観を示す斜視図である。自動取引装置100は、上部正面板100a及び装置筐体100bに囲まれた装置である。この自動取引装置100は、カード、紙幣、明細票、通帳を媒体とし、利用者の預入、支払、振込等の処理を行うことが可能である。また、自動取引装置100は、銀行内に設置されるだけでなく、利用者が車に乗った状態で操作可能な環境(ドライブスルー環境)にも対応可能である。
【0012】
装置筐体100bの下部内部には、紙幣入出金機(紙葉類取扱装置)101を備えている。紙幣入出金機101は、紙幣を処理する装置であり、上部正面板100aに設けられた紙幣スロット(紙幣を受渡す開口部)101aを介して紙幣の入出金が行われる。また、紙幣入出金機101の下部の紙幣収納部は、装置筐体100bとは別の数十mmの厚い鉄板で構成された、金庫筐体101bで囲まれている。金庫筐体101bを、装置筐体100bよりも更に堅固な構造とすることにより、紙幣入出金機101のセキュリティ性を高めている。
【0013】
装置筐体100bの上部内部には、カード・明細票処理装置102、利用者操作部103、通帳取扱装置104を備えている。カード・明細票処理装置102は、上部正面板100aに設けられたカードスロット102aを介して、利用者のカードを処理し、取引明細票を印字して放出する。利用者操作部103は、取引の内容を表示する表示部および利用者が操作する操作部(タッチパネル等)を兼ねている。通帳取扱装置104は、上部正面板100aに設けられた通帳スロット104aを介して、利用者の通帳の取り込み、印字、放出をする。
【0014】
図2は、自動取引装置100の制御関係を示す制御ブロック図である。
自動取引装置100は、上述した紙幣入出金機101、カード・明細票処理機構102、利用者操作部103、通帳取扱装置104の他に、インターフェース部105、係員操作部106、外部記憶装置107、本体制御部108、バス109、電源部110を備えている。係員操作部106は、装置の保守内容を表示する表示部および係員が操作する操作部(タッチパネル等)を兼ねている。外部記憶装置107は自動取引装置101の記憶部であり、例えば、メモリやハードディスク等である。本体制御部108は、自動取引装置の各部を制御するCPU等である。バス109は、本体制御部108と自動取引装置の各部との接続部であり、必要なデータの通信を行う。電源部110は、本体制御部108を含む自動取引装置の各部に電力を供給する。
【0015】
図3は、主に紙幣入出金機101の制御関係を示す制御ブロック図である。
【0016】
紙幣入出金機101に設けられた制御部35は、装置の本体制御部108とバス109を介して接続され、本体制御部108からの指令および紙幣入出金機100の状態検出に応じて紙幣入出金機100の制御を行い、また、紙幣入出金機100の状態を、必要に応じて本体制御部108に送る。紙幣入出金機100の中では、各ユニット(入出金口機構20、紙幣判別部30、一時保管庫40、紙幣搬送路50、入金庫60、取忘回収庫61、偽券回収庫62、リジェクト庫63、出金庫70、リサイクル庫80、装填・回収庫81)の駆動モータや電磁ソレノイドやセンサと接続され、取引に応じて、センサで状態を監視しながら、アクチュエータを駆動制御する。
【0017】
図4は、紙幣入出金機101の構成を示す内部構成図である。
【0018】
紙幣入出金機101は、紙幣の入出金に供される入出金口機構20と、紙幣の判別を行う紙幣判別部30と、入金された紙幣を取引成立までの間一時的に収納する一時保管庫40と、入金時取引が成立した紙幣を収納する入金庫60と、利用者が入金時および出金時に取り忘れた紙幣を回収する取忘回収庫61と、偽券と判別された紙幣を収納する偽券回収庫62と、出金に不適切な紙幣を収納するリジェクト庫63と、出金用の紙幣を収納する複数(図4では二つ)の出金庫70と、入出金兼用の複数(図4では二つ)のリサイクル庫80と、リサイクル庫80に補充する紙幣や、リサイクル庫から回収した紙幣を収納する装填・回収庫81とを備えている。また、これらの各部に対して紙幣を搬送する紙幣搬送路501a〜q、901a〜e、及び902a〜eと、紙幣搬送路の切替ゲート502〜507及び903a〜eと、及び制御部(図示せず)とを備えている。
【0019】
入出金口機構20の上部は、紙幣の突出方向を装置の上下方向から前後方向(図4の左右方向)に変換させる搬送ユニットAを備えている。搬送ユニットAの具体的な構成については、後述する。
【0020】
入金庫60、出金庫70、及びリサイクル庫80は、共通の外形かつ紙幣の入口(又は出口、出入口)が同一の位置に設けられているため、相互に配置を変更することが可能である。これらの共通構造を有する入金庫60、出金庫70、及びリサイクル庫80を、説明の便宜上「紙幣収納庫」とする。複数の紙幣収納庫は、内部に複数の収納部を設けることが可能である。また、図4に示すように、紙幣収納庫を前後方向(図4の左右方向)に配置させるだけでなく、上下方向に積層して配置させても良い。これらの構成により、多くの金種を紙幣入出金機101で取扱うことが可能であり、多様な運用に適用することが可能となる。
【0021】
紙幣入出金機101は、上部紙幣機構101Uと下部紙幣機構101Lとに分割される。上部紙幣機構101Uには、入出金口機構20と、紙幣判別部30と、一時保管庫40と、取忘回収庫61と、偽券回収庫62と、装填・回収庫81と、紙幣搬送路501a〜h、501j〜q及び切替ゲート502〜507とを備えている。また、下部紙幣機構101Lには、入金庫60と、リジェクト庫63と、出金庫70と、リサイクル庫80と、紙幣搬送路501i、901a〜e及び902a〜eと、振分けゲート903a〜eとを備えている。
【0022】
下部紙幣機構101Lは、約50mm程度の厚い鉄板で構成される金庫筐体101bの中に実装されており、上部紙幣機構101Uと下部紙幣機構101Lとの搬送路は、連結搬送路501hおよび501iで接続されている。
【0023】
紙幣入出金機101の紙幣搬送路について説明する。上述の通り、紙幣搬送路501a〜q、901a〜e及び902a〜eは、入出金口機構20と、紙幣判別部30と、一時保管庫40と、入金庫60と、取忘回収庫61と、偽券回収庫62と、リジェクト庫63と、出金庫70と、リサイクル庫80と、装填・回収庫81とを接続している。紙幣搬送路501a〜q、901a〜e及び902a〜eを示す矢印は、紙幣の搬送方向である。矢印が片方向である場合、紙幣がその矢印方向にのみ搬送される一方向紙幣搬送路である。一方、矢印が両方向である場合、紙幣が双方向に搬送される双方向搬送路である。
【0024】
これらの紙幣搬送路501a〜q、901a〜e及び902a〜eは、駆動モータ(図示せず)により駆動され、取引動作毎にモータの回転方向を切り替える。また、紙幣搬送路501a〜q、901a〜e及び902a〜eの分岐点には、切替ゲート502〜507及び903a〜eを備えている。これらの切替ゲートは、取引動作に応じて、実線又は点線で示すように紙幣搬送方向を切り替える。
【0025】
下部紙幣機構101Lとの連結搬送路501hは、紙幣搬送路501gに連結する位置に設けられる。また、上部紙幣機構101Uとの連結搬送路501iは、紙幣搬送路901aに連結する位置に設けられる。これらの連結搬送路501h及び連結搬送路501iは、相互に連結する位置に設けられている。金庫筐体101bの上面鉄板に設けられたスリットは、紙幣が通過するための長さと該スリットに搬送されてきた紙幣を挟持して繰り出すよう取り付けられたに搬送プーリの幅の大きさを有する。なお、下部紙幣機構101Lを金庫筐体101bで囲わない構成を取る場合、下部紙幣機構101L上に直接上部紙幣機構101Uが載置されていれば良い。搬送路の駆動源(モータ)は、上部紙幣機構101Uの搬送路と下部紙幣機構101Lの搬送路で別々に設けても良いが、単一の駆動源を用い、駆動力を搬送路501g−501h−501i−901a間に設けられたギヤで伝達するようにしても良い。
【0026】
入金庫60、出金庫70、及びリサイクル庫80のいずれかと接続し、これら入金庫60、出金庫70、及びリサイクル庫80の上面に設けている紙幣搬送路903a〜eは開閉可能な構成であり、入金庫60、出金庫70、及びリサイクル庫80の装置外部への取出しや、ジャム紙幣の除去が容易となる。また、装填・回収庫81は任意であり、運用次第では設けなくても良い。
【0027】
以上のような構成により、紙幣入出金機101は、紙幣の入出金動作、装填・回収動作、取忘れ紙幣の回収動作を実施する。以下、それぞれの動作について説明する。
【0028】
最初に、紙幣の入出金動作について説明する。紙幣の入出金動作は、利用者により投入された紙幣を紙幣入出金機に入金する動作(入金動作)と、紙幣入出金機に収納された紙幣を利用者に対して出金する動作(出金動作)とに分けられる。また、入金動作は、利用者により投入された紙幣を計数する動作(入金計数動作)と、計数された紙幣を入金庫60、リジェクト庫63、及びリサイクル庫80に収納する動作(入金収納動作)とに分けられる。
【0029】
以下、入金計数動作について説明する。紙幣入出金機101は、入出金口機構20に投入された紙幣を、一枚ずつ分離する。その後、分離した紙幣を、紙幣搬送路501a〜dを経由させ、紙幣判別部30で金種及び真偽を判別する。紙幣の金種及び真偽が判別できた場合は、切替ゲート503の切替え等により、紙幣搬送路501e、fを経由させ、紙幣を一時保管庫40に一時的に収納する。紙幣の金種及び真偽が判別できなかった場合や、傾き異常や紙幣同士の間隔異常となった場合は、一時保管庫40に搬送せず、当該紙幣を入金リジェクト紙幣として処理する。このとき、切替ゲート503の切替え等により、紙幣搬送路501e、jを経由させ、紙幣を入出金口機構20に搬送し、利用者に返却する。また、紙幣を偽券と判別した場合は、切替ゲート503の切替え等により、紙幣搬送路501e、m、o、pを経由させ、紙幣を偽券回収庫62に収納する。
【0030】
以下、入金収納動作について詳細に説明する。入金計数動作の後に取引が確定された場合、一時保管庫40に収納された紙幣を、切替ゲート503の切替え等により、紙幣搬送路501f、e、dを経由させ、紙幣判別部30を通過させる。その後、切替ゲート502の切替え等により、紙幣搬送路501c、b、g、h、iを経由させ、紙幣を入金庫60、リジェクト庫63、及びリサイクル庫80のいずれかに収納する。このとき、紙幣搬送路901a〜e及び902a〜e及び切替ゲート903a〜eを制御し、紙幣判別部30の判別結果に対応した収納庫に紙幣を収納する。なお、偽券回収庫62に収納された偽券を、入金収納動作時にリジェクト庫63に収納しても良い。これらの入金収納動作の完了により、入金動作が終了する。
【0031】
以下、出金動作について説明する。紙幣入出金機101は、出金庫70及びリサイクル庫8から所定枚数の紙幣を繰り出し、紙幣搬送路901a〜e及び902a〜e、501i、h、g、b、c、dを経由させ、紙幣判別部30で金種を判別する。その後、切替ゲート503の切替え等により、紙幣を入出金口機構20に搬送し、利用者に対して紙幣を出金する。このとき、後述するように、搬送ユニットAを経由した出金紙幣は、自動取引装置100の上部正面板100aよりも突出させた状態とすることにより、キャッシュディスペンサーにおける出金紙幣の状態と類似させることを可能としている。
【0032】
次に、紙幣の装填・回収動作について説明する。紙幣の装填・回収動作は、係員により装填・回収庫81に一括して装填された紙幣をリサイクル庫80に収納する動作(装填動作)と、リサイクル庫80が満杯になったとき等に、リサイクル庫80に収納された所定枚数の紙幣を装填・回収庫81に回収する動作(回収動作)とに分けられる。装填動作における紙幣の搬送と、回収動作における紙幣の搬送とは、互いに逆方向のルートであるが、詳細な説明は省略する。なお、装填動作・回収動作においてリジェクト紙幣が発生した場合、当該リジェクト紙幣をリジェクト庫63に収納しても良いし、装填・回収庫81に設けられた装填リジェクト部に収納しても良い。
【0033】
次に、取忘れ紙幣の回収動作について説明する。取忘れ紙幣の回収動作とは、入金動作における入金リジェクト紙幣や出金紙幣が、入出金口機構20に残った場合(利用者による取り忘れが発生した場合)に、当該紙幣を回収する動作である。入金リジェクト紙幣や出金紙幣が入出金口機構20に収納された状態のまま、所定時間が経過した場合、入出金口機構20に収納された紙幣を一枚ずつ分離する。その後、分離した紙幣を、紙幣搬送路501a〜e、m、nを経由させ、取忘回収庫61に収納する。
【0034】
以下、本実施形態における入出金口機構20の構成を詳細に説明する。紙幣端面が整列されていない様々なサイズの紙幣を一括で投入した場合、紙幣の分離時に、スキューした状態となり、搬送路に配置されている振り分けゲートに衝突するジャムや、収納部での集積不良による、次出金取引時の繰り出し不良、金種や真贋などの識別不能によるリジェクト等が発生する。また、紙幣束に硬貨などの異物が挟まれていた場合、紙幣と一緒に収納部まで搬送され、装置内の詰まりの原因となる。上記の問題を解消すべく、入出金口機構20は、図5〜7で示したような構成を採用する。
【0035】
図5は、入出金口機構20の全体を示す内部構成図である。
入出金口機構20の上部には、搬送ユニットAを設けている。この搬送ユニットAは、入出金口機構20の下部と図示しない連結部材により連結されており、当該連結部材を外すことにより、着脱可能な構成である。
【0036】
入出金口機構20は、上部正面板100aの紙幣スロット101aの内側に設けられている。入出金口機構20の出入口には、開口部20aが設けられており、当該開口部20aを介して、紙幣を装置の前後方向(図5の左右方向)に入出金可能となるように構成されている。開口部20aの後方には、アクチュエータM1によって、装置の上下方向(図5の上下方向、矢印参照)へスライドして開閉するシャッタ201が設けられている。
【0037】
シャッタ201の後方には、入金紙幣を受け止めるストッパ202を設けている。ストッパ202は、アクチュエータM2によって、装置の上下方向(矢印参照)へスライドして開閉するように構成する。これにより、ストッパ202を使用しない場合に、搬送された紙幣と衝突しない位置に退避する事が可能である。また、シャッタ201とストッパ202との距離を、装置が取扱可能な紙幣の短手方向の長さより短く構成することにより、利用者が入金紙幣を投入する際に、手指を差し入れる不安を排除することが可能である。
【0038】
また、シャッタ201の後方には、装置後方下側に紙幣を搬送する紙幣搬送路203を設けている。紙幣搬送路203は、後述する収納部205との間で紙幣を搬送する。紙幣搬送路203は、上ベルト203aと下ベルト203bとから構成されており、それぞれ装置幅方向に複数のベルトが配置される。
【0039】
図6は、搬送ユニットAの装置前方からの斜視図である。紙幣搬送路203を構成する上ベルト203aは、装置幅方向に3本設けている。一方、紙幣搬送路203を構成する下ベルト203bは、装置幅方向に2本設けている。これらの上ベルト203a及び下ベルト203bは、互いに対向しない位置となるように配置される。なお、上ベルト203a及び下ベルト203bの本数は上記に限られることは無いが、装置幅方向に対称となるように設けることが望ましい。
【0040】
また、上ベルト203a及び下ベルト203bは、フレーム203eに取り付けられた回転軸に設けた搬送ローラを介して、駆動力が伝達される。また、前ローラ203cを設けた回転軸は、下ベルト203bに駆動力を伝達する搬送ローラを設けた回転軸と同軸である。
【0041】
以下、搬送ユニットAの内部構成について、詳細に説明する。搬送する紙幣束が厚過ぎる場合、搬送ベルトのテンションが一時的に高くなることで負荷が大きくなり、搬送ベルトを駆動するモータがロックしてしまい、紙幣が搬送できない可能性がある。また、紙幣束が厚過ぎない場合であっても、装置幅方向の紙幣束の厚さに偏りがある場合、厚さが薄い箇所で適度な張力を付与することができず、スキューを誘発する可能性もある。また、紙幣束が、局所的な屈曲部を通過するとき、屈曲部の半径差により周速差が生じ、屈曲半径の小さい側の紙幣の搬送速度は遅く、屈曲半径の大きい側の紙幣の搬送速度は速くなり、結果的に紙幣束先端が搬送途中でずれる可能性がある。この場合、出金時に装置から紙幣を放出する場合は利用者がその紙幣束をつかみにくいといった問題が生じ、また、入金の場合は、不揃いのまま分離することになるので、スキューが発生しやすくなるといった問題が発生する。
【0042】
上記の問題を解消すべく、搬送ユニットAは、図7で示したような構成を採用する。搬送ユニットAは、上ベルト203a及び下ベルト203bの近傍に、紙幣束が通過する空間を形成する搬送ガイド203fを設けている。また、搬送ユニットAは、可動ローラ203gを設けており、可動ローラ203gが移動することにより、上ベルト203aの張力を変更することが可能となる。可動ローラ203gは、可動ローラ保持部材203hによって保持され、支点203iを中心に回転する。可動ローラ保持部材203hは、ばね等の弾性部材203jにより、上ベルト203aに対して所定の張力を付与する方向に可動する。また、弾性部材203jの一端は、フレーム203eに固定された支点203kにより、保持されている。
【0043】
紙幣が搬送路を通過する際に、上ベルト203aは、張力が掛かる方向に膨らむ。そのため、可動ローラ203gは、上ベルト203aに掛かる張力を緩和する方向に移動する。これにより、装置幅方向に紙幣の厚さのばらつきがあったとしても、個々の可動ローラ203gが独立して駆動することにより、紙幣のスキューを低減させる。
【0044】
なお、図7では、単一の可動ローラ203gを用いて説明しているが、上ベルト203aの全てのローラを可動ローラとすることにより、上ベルト203aに掛かる張力を分散して緩和することが可能となる。従って、単一の可動ローラを設けた倍に比べ、更なる紙幣のスキュー低減が可能となる。
【0045】
図5に戻り、紙幣搬送路203の装置前側には、ばね等の弾性部材により矢印方向に付勢され、図示しないアクチュエータで開閉可能な前ローラ203cが配置されている。また、紙幣搬送路203の装置後側には、ばね等の弾性部材により矢印方向に付勢され、図示しないアクチュエータで開閉可能な後ローラ203dが配置されている。いずれのローラも、閉状態である場合に弾性部材の弾性力による搬送力を紙幣に付与し、開状態である場合に紙幣を受け取ることが可能である。
【0046】
紙幣搬送路203の後方下側には、後板204a、前板204b、底板204cで構成される収納部205が設けられている。後板204aは、紙幣を受け入れる時の位置(図中実線、以下入金位置とする)、装置内からの出金紙幣を集積する時の位置(図中破線、以下取込位置とする)があり、図示しないアクチュエータで矢印213方向に動く。また、前板204bも同様に、入金位置(図中実線)及び取込位置(図中破線)があり、図示しないリンク等で移動する。後板204a及び前板204bを任意の位置まで動作、停止するように制御することにより、収納部205内の紙幣に対して、適度な押圧力を掛けることが可能となる。また、底板204cには、スリットが設けられている。このスリットを通過した異物は、底板204cの下側に設けられた異物受箱206に集積される。
【0047】
後板204a及び前板204bにより適度な押圧力を掛けられた紙幣は、ピックローラ207aに一枚ずつピックされ、分離ローラ207bにより、矢印X方向に取り込まれ、紙幣搬送路501aに搬送される。ゲートローラ207cは、分離ローラ207bとオーバーラップすることにより、繰出時における紙幣の重送を防止している。また、スタックローラ208は、矢印Y方向から搬送された入金リジェクト紙幣及び出金紙幣を収納部205に搬送するローラである。
【0048】
入金計数処理時において、入金リジェクト紙幣が発生した場合、収納部205の内部において、未計数の紙幣(分離前の紙幣)と入金リジェクト紙幣とを分離する必要がある。仕切板209は、収納部205を仕切る板であり、当該仕切板209の前後で、未計数の紙幣と入金リジェクト紙幣とが分離される。仕切板209は、後板204aの移動方向と同じ方向に、図示しないアクチュエータで動作可能である。
【0049】
以下、挟持手段である前クランプ210及び後クランプ211の構成について説明する。
前クランプ210は、アクチュエータM1を駆動源として、駆動ベルトを介して、搬送プーリと同期して駆動される。前クランプの駆動ベルトは、装置幅方向に2本のベルトにて構成されている。また、前クランプ210は、紙幣の取込位置(図中実線)と退避位置(図中破線)との間を、図示しないアクチュエータにより回転駆動される。
【0050】
後クランプ211は、紙幣の取込位置(図中実線)と退避位置(図中破線)との間を、図示しないアクチュエータにより装置の前後方向にスライド駆動される。図示しないアクチュエータを駆動源として、また、後クランプ210の下側の搬送プーリは、上側の搬送プーリの軸を支点として矢印方向に動くことが可能である。後クランプ211は、紙幣と接触していない場合、図示しないばね等の弾性部材により、装置前方に付勢されている。一方、紙幣と接触している場合、接触している紙幣の厚さに応じて、装置後方に移動し、紙幣束に対して押圧力を付与する。
【0051】
また、入出金口機構20は、各々複数対で構成される光学式センサS1〜S6を設けており、センサ光軸を遮ったダーク状態を検出することにより、紙幣の位置を検出する。
【0052】
以下、図8図15を用いて、本実施形態における入出金口機構20の動作を詳細に説明する。入出金口機構20は、入金計数動作の際は、図8図10に示す動作及び処理を行い、出金動作(又は入金紙幣の返却動作)の際は、図11図15に示す動作及び処理を行う。
【0053】
図8及び図9は、入金計数動作における入出金口機構20の状態を示す図である。また、図10は、入金計数動作における入出金口機構20のフローチャートである。
最初に、制御部35は、後板204a及び前板204bを入金位置に移動させる(S101、S102)。なお、S101及びS102の順序は逆としても良い。続いて、制御部35は、前クランプ210及び後クランプ211を退避位置に移動させる(S103、S104)。なお、S103及びS104の順序は逆としても良い。続いて、制御部35は、ストッパ202を入金位置(装置上方)に移動させ(S105)、前ローラ203cを開位置にした後(S106)、シャッタ201を開位置となるように装置下方に移動させる(S107)。図8は、S107まで完了後、利用者により紙幣が入金された状態を示す図である。
【0054】
図8に示した状態の後、制御部35は、センサS4により紙幣を検出後(S108:YES)、紙幣搬送路203を、図8で示す矢印方向に駆動させる(S109)。続いて、センサS5により搬送された紙幣を検出後(S110:YES)、制御部35は、紙幣搬送路203の駆動を一旦停止させる(S111)。また、制御部35は、前ローラ800を閉位置に移動させ(S112)、ストッパ202を退避位置となるように装置下方に移動させる(S113)。その後、制御部35は、紙幣搬送路203を再駆動させることにより、紙幣218を収納部205方向に搬送させる(S114)。後ローラ203は、紙幣搬送路203側に閉じた状態であるが、紙幣そのまま搬送され、収納部205に投入される。センサS1〜S3により収納部205に紙幣が到達したことを検出後(S115:YES)、制御部35は、紙幣搬送路203の駆動を停止させる(S116)。図9は、S116まで完了後、紙幣が収納部205に収納された状態を示す図である。その後、制御部35は、ピックローラ207a、分離ローラ207b及びゲートローラ207cによる紙幣の分離を開始させ、図9で示す矢印X方向に紙幣を搬送させる(S117)。
【0055】
利用者によって投入された紙幣は、ストッパ202により姿勢を補正される。また、搬送途中に紙幣がスキューした状態になったとしても、収納部205において、紙幣が立位状態で集積されるため、収納部205の底板204cに突き当たった時にはスキューは修正される。さらに、紙幣内に硬貨等の異物が紛れ込んでいたとしても、その異物は垂直方向に配置された異物受箱206に重力によって集積される。
【0056】
図11図14は、出金動作における入出金口機構20の状態を示す図である。また、図15は、出金動作における入出金口機構20のフローチャートである。
最初に、制御部35は、後板204aを取込位置(装置前方)に移動させ(S301)、前クランプ210及び後クランプ210を収納部205の外側に退避した状態に、後ローラ203dを開位置(紙幣搬送路203から離れた側)に、前ローラ203cを閉位置(紙幣搬送路203側)に、ストッパ202を退避位置(装置下側)に、それぞれ移動させる(S302、303、304、305、306)。なお、S301〜306の順序は任意とする。
【0057】
その後、図11で示すように、制御部35は、矢印Y方向から搬送された出金紙幣を、収納部205に集積する(S307)。出金紙幣の集積後、制御部35は、前クランプ210、後クランプ211、及び後板203aを移動させ(S308、S309)、紙幣を挟持する(S310)。なお、S308及びS309の順序は逆としても良い。図12は、S310まで完了後、紙幣が挟持された状態を示す。
【0058】
前クランプ210及び後クランプ211により挟持された紙幣は、前後クランプ各々のクランプベルトにより、紙幣を収納部205より突き出し、紙幣搬送路203に搬送される(S311)。図13は、S311まで完了後、紙幣が紙幣搬送路203に搬送された状態を示す。
【0059】
センサS6により、紙幣搬送路203への紙幣が到達したこと検出後(S312:YES)、制御部35は、前クランプ210及び後クランプ211の駆動を停止させる(S313)。その後、制御部35は、後ローラ203dを閉位置に移動させ(S314)、前クランプ210、後クランプ211及び紙幣搬送路203を駆動させ、紙幣をシャッタ201及びストッパ202方向に搬送させる(S315)。センサS4により紙幣を検出後(S316:YES)、制御部35は、前クランプ210、後クランプ211及び紙幣搬送路203を停止させ(S317)、シャッタ201を開く(S318)。その後、制御部35は、紙幣搬送路203を再度駆動させ(S319)、紙幣を開口部20aから突出させ、搬送路203を停止させる(S320)。図14は、S320まで完了後、紙幣が開口部20aから突出した状態を示す。センサS4により紙幣が抜き取られたこと(センサがライト状態になること)を検出後(S321:YES)、制御部35は、シャッタ201を閉じる(S322)。
【0060】
なお、入金リジェクト紙幣が発生した場合も出金動作と同様の処理を行う。入金リジェクト紙幣が発生し、何らかの理由で紙幣の分離が停止した場合、入金リジェクト紙幣と未分離の紙幣が仕切り板209の前後に存在することになる。この場合、仕切板209を跨いだ状態で、前クランプ210及び後クランプ211により挟持された紙幣は、収納部205から突出させた状態で紙幣搬送路203に受け渡され、開口部20aまで搬送される。
【0061】
以上のように、紙幣を立位方向で分離、集積する収納部の上側に紙幣束を一括で搬送する搬送路を設け、その搬送路は利用者操作面に水平に突出させることで、利用者の操作性がよく、かつ、様々なサイズ、姿勢でセットされた紙幣束の端面を整列させ、スキューを防止させて取り込むことができるので、その後の分離、搬送、識別、集積といった各動作において、ジャムやリジェクトを防止することができ、信頼性の高い装置を提供することができる。また、紙幣束に入り込んだ硬貨などの除去性のよい装置を提供することができる。
【0062】
また、紙幣投入前は、ストッパで紙幣束を整列させることができるので、スキューを防止することができ、搬送性能のよい装置を提供することができる。
【0063】
また、本装置を採用することで、キャッシュディペンサーから放出される紙幣、カード、レシート等の媒体の授受の方向と、本装置の紙幣の入出金紙幣の授受の方向が同じになり、利用者によって、操作性の良い装置を提供することができる。
【0064】
さらに、収納部上側の搬送ユニットは収納部から取り外しができるため、水平に紙幣を授受する必要のない場合は、搬送ユニットを取り外すことで、収納部内のクランプにおいて利用者と紙幣を授受することが可能となり、よりコンパクトで信頼性の高い装置を提供できる。
【符号の説明】
【0065】
20:入出金口機構、101:紙幣入出金機、101a:紙幣スロット、101b:金庫筐体、101U:上部紙幣機構、101L:下部紙幣機構、201:シャッタ、202:ストッパ、203:紙幣搬送路、203a:上ベルト、203b:下ベルト、203c:前ローラ、203d:後ローラ、203e:フレーム、205:収納部、206:異物受箱、209:仕切板、210:前クランプ、211:後クランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15