(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の光量制御部は、前記(b)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する請求項1に記載の光ビーム制御装置。
前記受光信号をモニターしながら前記駆動電流生成部に生成させる前記駆動電流の大きさを制御して、前記光ビームの光量を前記目標光量にする第2のAPCを、前記第1のAPCの終了後に前記駆動電流生成部が前記駆動電流の生成中に所定期間実行する第2の光量制御部を備え、
前記第1の光量制御部は、(c)前記(b)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了し、
前記第2の光量制御部は、(d)前記(c)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(a)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、
前記駆動電流判定部は、前記(d)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、
前記第2の光量制御部は、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する請求項1に記載の光ビーム制御装置。
前記第1の光量制御部は、前記(e)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、又は、前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なると判定された場合、前記受光部を異常と判定する請求項4に記載の光ビーム制御装置。
前記第1の光量制御部は、(g)前記(e)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、又は、前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なると判定された場合、前記第1のAPCを終了し、
前記第2の光量制御部は、(h)前記(g)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(a)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、
前記駆動電流判定部は、前記(h)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、
前記式算出部は、前記(h)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたとき、前記第2のAPCの実行中に得られた前記受光信号のデータと前記駆動電流のデータとを利用して、前記受光信号と前記駆動電流との関係を示す前記式を算出し、
前記バイアス電流判定部は、前記(h)の前記第2のAPCの実行で得られた前記式を用いて求められた前記予測バイアス電流である第2のAPC予測バイアス電流が、前記目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定し、
前記第2の光量制御部は、(i)前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(j)前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定し、(k)前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記第2のAPC駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と同じと判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(l)前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定されたが、前記第2のAPC駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なり、かつ前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する請求項4に記載の光ビーム制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デジタル方式のLDドライバーでは、サンプリング周期中にフォトダイオードから出力される受光信号をモニターして、レーザーダイオードから照射される光ビームの光量が目標光量に到達したかを判断する処理をし、光ビームの光量が目標光量に到達していなければ、駆動電流を上げて上記処理を実行することを繰り返して、光ビームの光量を目標光量にする駆動電流の初期値を決定する。
【0009】
フォトダイオードの個体差により、同じ種類のフォトダイオードでも応答速度が遅いものや速いものがある。また、同じフォトダイオードでも経時劣化により応答速度が遅くなることがある。応答速度が遅いフォトダイオードの場合、光ビームの光量が実際に目標光量に到達しても、受光信号は目標光量を示す値より低く、実際の光ビームの光量が目標光量を超えた段階で、受光信号は目標光量を示す値となる。このため、光ビームの光量が目標光量を超える駆動電流の初期値が決定されてしまう。レーザーダイオードから照射される光ビームの光量が目標光量を超えると、画像データで示される濃度よりも高い濃度の画像が形成されてしまう。
【0010】
本発明の目的は、光源から照射される光ビームの光量をモニターする受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御できる光ビーム制御装置及びこれを備える画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の一局面に係る光ビーム制御装置は、光源と、前記光源の駆動電流を生成する駆動電流生成部と、前記光源から照射された光ビームを受光して、受光信号を出力する受光部と、前記受光信号を所定のサンプリング周期で検出して前記光ビームの光量が予め定められた目標光量に到達したかを判断する処理を、前記サンプリング周期中に実行し、前記サンプリング周期中に前記光ビームの光量が前記目標光量に到達しなければ、前記駆動電流を上げて前記処理を次の前記サンプリング周期中に実行することを繰り返して、前記光ビームの光量を前記目標光量にする第1のAPCを、前記駆動電流の供給が停止されている前記光源に前記駆動電流の供給を開始するときに実行して、前記駆動電流の初期値を決定する第1の光量制御部と、前記第1の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流であり、前記初期値の候補となる候補駆動電流が、予め定められた目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定する駆動電流判定部と、を備え、前記第1の光量制御部は、(a)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了し、(b)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了せずに、前記第1のAPCの再実行前よりも前記サンプリング周期を長くして前記第1のAPCを再実行し、前記(b)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了する。
【0012】
本発明の一局面に係る光ビーム制御装置は、受光部の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、サンプリング周期を長くして第1のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。すなわち、本発明の一局面では、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合(光ビームの光量を目標光量に制御できない場合)でも、直ちに、受光部を異常と判定しない。(b)のように、サンプリング周期を長くして第1のAPCを再実行することにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合(候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定された場合)、受光部を正常と判定して第1のAPCを終了する。これにより、応答速度が遅い程度が比較的小さい受光部については、異常とせず、使用を継続できるようにしている。
【0013】
以上のとおり、本発明の一局面に係る光ビーム制御装置によれば、光源から照射される光ビームの光量をモニターする受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御できる。
【0014】
上記構成において、前記第1の光量制御部は、前記(b)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0015】
なお、次に説明する構成では、上記場合に、直ちに、受光部を異常と判定せずに、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行して、受光部が異常か否かを判定する。
【0016】
上記構成において、前記受光信号をモニターしながら前記駆動電流生成部に生成させる前記駆動電流の大きさを制御して、前記光ビームの光量を前記目標光量にする第2のAPCを、前記第1のAPCの終了後に前記駆動電流生成部が前記駆動電流の生成中に所定期間実行する第2の光量制御部を備え、前記第1の光量制御部は、(c)前記(b)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了し、前記第2の光量制御部は、(d)前記(c)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(a)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、前記駆動電流判定部は、前記(d)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記第2の光量制御部は、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0017】
この構成は、受光部の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。この構成によれば、第1のAPCを再実行しても、光ビームの光量を目標光量に制御できないが、第2のAPCの期間を長くすることにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合、受光部を正常と判定する。よって、受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御することができる。
【0018】
上記構成において、前記駆動電流生成部は、前記光源が光ビームを照射可能な電流のしきい値より低いバイアス電流を含む前記駆動電流を生成し、前記第1の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたとき、前記第1のAPCの実行中に得られた前記受光信号のデータと前記駆動電流のデータとを利用して、前記受光信号と前記駆動電流との関係を示す式を算出する式算出部と、前記式を用いて求められた、前記バイアス電流の予測値である予測バイアス電流が、予め定められた目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定するバイアス電流判定部と、を備え、前記第1の光量制御部は、(e)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了せずに、前記第1のAPCの再実行前よりも前記サンプリング周期を長くして前記第1のAPCを再実行し、前記(e)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定され
た場合、前記受光部を正常と判定し、前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了し、(f)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定された場合、前記第1のAPCを終了せずに、前記第1のAPCの再実行前よりも前記サンプリング周期を長くして、前記第1のAPCを再実行し、(f−1)前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了し、(f−2)前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と同じと判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第1のAPCで得られた前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了する。
【0019】
この構成は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外であるが、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内であれば、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外となった原因が受光部でなく、光源の個体差の可能性がある点に着目している。
【0020】
(f−2)の「前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と同じと判定された場合」とは、サンプリング周期を異ならせて、第1のAPCを2回実行し、いずれの第1のAPCでも、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外であるが、候補駆動電流が変化せず、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内の場合をいう。受光部の応答速度が遅ければ、サンプリング周期を変化させると、候補駆動電流が変化する。上記場合、候補駆動電流は変化しないので、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外の原因は、受光部の応答速度が遅いことでなく、光源の個体差と見なし、受光部を正常と判定して第1のAPCを終了する。
【0021】
なお、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定され、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合を規定していない。予測バイアス電流は式から求めるので、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内であれば、通常、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内に入るからである。
【0022】
上記構成において、前記第1の光量制御部は、前記(e)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、又は、前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なると判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0023】
受光部の応答速度が遅ければ、サンプリング周期を変化させると、候補駆動電流が変化する。そこで、「前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なると判定された場合」は、受光部の応答速度が遅いと見なして受光部を異常と判定する。
【0024】
なお、次に説明する構成では、上記場合に、直ちに、受光部を異常と判定せずに、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行する。
【0025】
上記構成において、前記第1の光量制御部は、(g)前記(e)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、又は、前記(f)の前記第1のAPCの再実行で得られた前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記候補駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なると判定された場合、前記第1のAPCを終了し、前記第2の光量制御部は、(h)前記(g)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(a)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、前記駆動電流判定部は、前記(h)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記式算出部は、前記(h)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたとき、前記第2のAPCの実行中に得られた前記受光信号のデータと前記駆動電流のデータとを利用して、前記受光信号と前記駆動電流との関係を示す前記式を算出し、前記バイアス電流判定部は、前記(h)の前記第2のAPCの実行で得られた前記式を用いて求められた前記予測バイアス電流である第2のAPC予測バイアス電流が、前記目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記第2の光量制御部は、(i)前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(j)前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定し、(k)前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記第2のAPC駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と同じと判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(l)前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定されたが、前記第2のAPC駆動電流が前記第1のAPCの再実行前に得られた前記候補駆動電流と異なり、かつ前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0026】
この構成は、受光部の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。この構成によれば、第1のAPCを再実行しても、光ビームの光量を目標光量に制御できないが、第2のAPCの期間を長くすることにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合、受光部を正常と判定する。よって、受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御することができる。
【0027】
本発明の他の局面に係る光ビーム制御装置は、光源と、前記光源の駆動電流を生成する駆動電流生成部と、前記光源から照射された光ビームを受光して、受光信号を出力する受光部と、前記受光信号を所定のサンプリング周期で検出して前記光ビームの光量が予め定められた目標光量に到達したかを判断する処理を、前記サンプリング周期中に実行し、前記サンプリング周期中に前記光ビームの光量が前記目標光量に到達しなければ、前記駆動電流を上げて前記処理を次の前記サンプリング周期中に実行することを繰り返して、前記光ビームの光量を前記目標光量にする第1のAPCを、前記駆動電流の供給が停止されている前記光源に前記駆動電流の供給を開始するときに実行して、前記駆動電流の初期値を決定する第1の光量制御部と、前記第1の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流であり、前記初期値の候補となる候補駆動電流が、予め定められた目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定する駆動電流判定部と、前記受光信号をモニターしながら前記駆動電流生成部に生成させる前記駆動電流の大きさを制御して、前記光ビームの光量を前記目標光量する第2のAPCを、前記第1のAPCの終了後に前記駆動電流生成部が前記駆動電流の生成中に所定期間実行する第2の光量制御部と、を備え、前記第1の光量制御部は、(m)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記候補駆動電流を前記初期値として前記第1のAPCを終了し、(n)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了し、前記第2の光量制御部は、(o)前記(n)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(m)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、前記駆動電流判定部は、前記(o)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記第2の光量制御部は、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0028】
上述した本発明の一局面に係る光ビーム制御装置は、第1のAPCで光量を制御できい場合、サンプリング周期を長くして第1のAPCを再実行する。これに対して、本発明の他の局面に係る光ビーム制御装置は、第1のAPCを再実行することなく、第2のAPCを実行する。
【0029】
本発明の他の局面に係る光ビーム制御装置は、受光部の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。本発明の他の局面に係る光ビーム制御装置によれば、第1のAPCを実行しても、光ビームの光量を目標光量に制御できないが、第2のAPCの期間を長くすることにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合、受光部を正常と判定する。よって、受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御することができる。
【0030】
上記構成において、前記駆動電流生成部は、前記光源が光ビームを照射可能な電流のしきい値より低いバイアス電流を含む前記駆動電流を生成し、前記第1の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたとき、前記第1のAPCの実行中に得られた前記受光信号のデータと前記駆動電流のデータとを利用して、前記受光信号と前記駆動電流との関係を示す式を算出する式算出部と、前記式を用いて求められた、前記バイアス電流の予測値である予測バイアス電流が、予め定められた目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定するバイアス電流判定部と、を備え、前記第1の光量制御部は、(p)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、前記第1のAPCを終了し、(q)前記候補駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定された場合も、前記第1のAPCを終了し、前記第2の光量制御部は、(r)前記(p)又は前記(q)の処理で前記第1のAPCが終了した場合、前記(m)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記第2のAPCの期間より長くして前記第2のAPCを実行し、前記駆動電流判定部は、前記(r)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたときの前記駆動電流である第2のAPC駆動電流が、前記目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記式算出部は、
前記(q)の処理で前記第1のAPCが終了した場合に実行される前記(r)の前記第2のAPCにおいて、前記第2の光量制御部によって前記受光信号が前記目標光量を示すと判断されたとき、前記第2のAPCの実行中に得られた前記受光信号のデータと前記駆動電流のデータとを利用して、前記受光信号と前記駆動電流との関係を示す前記式を算出し、前記バイアス電流判定部は、前記(r)の前記第2のAPCの実行で得られた前記式を用いて求められた前記予測バイアス電流である第2のAPC予測バイアス電流が、前記目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定し、前記第2の光量制御部は、(s)前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲内と判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(t)前記第1のAPCの終了が前記(p)であって、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定し、(u)前記第1のAPCの終了が前記(q)であって、前記第2のAPC駆動電流が前記目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定し、(v)前記第1のAPCの終了が前記(q)であって、前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記第2のAPC駆動電流が前記候補駆動電流と同じと判定された場合、前記受光部を正常と判定し、(w)前記第1のAPCの終了が前記(q)であって、前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定されたが、前記第2のAPC駆動電流が前記候補駆動電流と異なり、かつ前記目標駆動電流の範囲外と判定された場合、前記受光部を異常と判定する。
【0031】
この構成は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外であるが、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内であれば、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外の原因が受光部でなく、光源の個体差の可能性がある点に着目している。
【0032】
「前記第2のAPC予測バイアス電流が前記目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ前記第2のAPC駆動電流が前記候補駆動電流と同じと判定された場合」とは、第2のAPC駆動電流及び候補駆動電流は目標駆動電流の範囲外であるが、これらの駆動電流が同じであり、かつ第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内の場合をいう。受光部の応答速度が遅ければ、第2のAPC駆動電流と候補駆動電流とは異なる。上記場合、これらの駆動電流が同じなので、これらの駆動電流が目標駆動電流の範囲外の原因は、受光部の応答速度が遅いことでなく、光源の個体差と見なし、受光部を正常と判定する。
【0033】
第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定され、かつ第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合を規定していない。第2のAPC予測バイアス電流は式から求めるので、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内であれば、通常、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内に入るからである。
【0034】
上記構成において、表示部と、表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記受光部が異常と判定されると、前記受光部が異常であることを前記表示部に表示させる。
【0035】
この構成によれば、第1のAPCを再実行しても、光ビームの光量を制御できない場合や、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行しても、光ビームの光量を制御できない場合に、受光部を異常と判定する。そして、その旨を表示部に表示させることにより、ユーザーやサービースマンに受光部の異常を報知する。
【0036】
本発明のさらに他の局面に係る画像形成装置は、像担持体と、前記光ビーム制御装置を含み、前記光源が照射した前記光ビームを主走査方向に走査させることを繰り返して前記像担持体に静電潜像を描画する露光部と、を備える。
【0037】
本発明のさらに他の局面に係る画像形成装置によれば、上述した光ビーム制御装置を備えるので、この光ビーム制御装置と同様の作用効果を有する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、光源から照射される光ビームの光量をモニターする受光部の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光ビーム制御装置を適用した画像形成装置1の内部構造の概略図である。画像形成装置1は例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリーの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された原稿給送部300及び装置本体100の上部前面に配置された操作部400を備える。
【0041】
原稿給送部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
【0042】
原稿読取部200は露光ランプ等を搭載したキャリッジ201、ガラス等の透明部材により構成された原稿台203、不図示のCCD(Charge Coupled Device)センサー及び原稿読取スリット205を備える。原稿台203に載置された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿台203の長手方向に移動させながらCCDセンサーにより原稿を読み取る。これに対して、原稿給送部300から給送された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿読取スリット205と対向する位置に移動させて、原稿給送部300から送られてきた原稿を、原稿読取スリット205を通してCCDセンサーにより読み取る。CCDセンサーは読み取った原稿を画像データとして出力する。
【0043】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる用紙トレイ107を備える。用紙トレイ107に貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラー109の駆動により、用紙搬送路111へ向けて送出される。用紙は用紙搬送路111を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0044】
画像形成部103は搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する。画像形成部103は感光体ドラム113、露光部115、現像部117及び転写部119を備える。露光部115は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリー受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射する。これにより、感光体ドラム113の周面には画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム113の周面に現像部117からトナーを供給することにより、周面には画像データに対応するトナー画像が形成される。このトナー画像は転写部119によって先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
【0045】
トナー画像が転写された用紙は定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー画像は用紙に定着される。用紙はスタックトレイ121又は排紙トレイ123に排紙される。
【0046】
操作部400は操作キー部401と表示部403を備える。表示部403はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0047】
操作キー部401にはハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的にはスタートキー405、テンキー407、ストップキー409、リセットキー411、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリーを切り換えるための機能切換キー413等が設けられている。
【0048】
スタートキー405はコピー、ファクシミリー送信等の動作を開始させるキーである。テンキー407はコピー部数、ファクシミリー番号等の数字を入力するキーである。ストップキー409はコピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキー411は設定された内容を初期設定状態に戻すキーである。
【0049】
機能切換キー413はコピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリー送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
【0050】
図2は、
図1に示す画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500及び通信部600がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300及び操作部400に関しては既に説明したので、説明を省略する。
【0051】
制御部500はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び画像メモリー等を備える。CPUは画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1の上記構成要素に対して実行する。ROMは画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。画像メモリーは画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリー受信の画像データ等)を一時的に記憶する。
【0052】
制御部500は表示部403の表示を制御する表示制御部501の機能を有する。
【0053】
通信部600はファクシミリー通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリー通信部601は相手先ファクシミリーとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリー通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリー通信部601は電話回線605に接続される。
【0054】
ネットワークI/F部603はLAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603はLAN607に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
【0055】
本実施形態に係る光ビーム制御装置は、露光部115、回路(電気回路、電子回路)及びマイクロコンピューター等で構成される。
図3は、露光部115を構成する光学部品の配置関係を示す図である。
【0056】
露光部115は、レーザーダイオード31、ポリゴンミラー10、及び二つの走査レンズ33,35等を備える。
【0057】
レーザーダイオード31は、光ビームLBを前方に照射する第1の端面31a及び光ビームLBを後方に照射する第2の端面31bを有する半導体レーザーである。レーザーダイオード31は、光ビームLBを前方と後方とに同時に照射する。
【0058】
ポリゴンミラー10はモーター(図示せず)で回転させられる。レーザーダイオード31の第1の端面31aから照射された光ビームLBは、ポリゴンミラー10で反射されて、感光体ドラム113に主走査ライン(走査ラインの一例)を描画する。ポリゴンミラー10の替わりに、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いることもできる。
【0059】
レーザーダイオード31の第2の端面31bから照射された光ビームLBは、フォトダイオード45で受光される。フォトダイオード45の役割については後で説明する。
【0060】
レーザーダイオード31とポリゴンミラー10との光路上には、コリメーターレンズ37及びシリンドリカルレンズ39が配置されている。コリメーターレンズ37は、レーザーダイオード31の第1の端面31aから照射された光ビームLBを平行光にする。シリンドリカルレンズ39は、平行光にされた光ビームLBを線状に集光する。線状に集光された光ビームLBは、ポリゴンミラー10に入射される。
【0061】
ポリゴンミラー10と感光体ドラム113との光路上には、走査レンズ33と走査レンズ35が配置されている。ポリゴンミラー10の偏向面に入射された光ビームLBは、その偏向面で反射、偏向されて、走査レンズ33,35により感光体ドラム113に結像される。すなわち、感光体ドラム113の一方の側部113aから他方の側部113bへ向けて、光ビームLBを感光体ドラム113に走査することにより、感光体ドラム113に静電潜像が形成される。感光体ドラム113の有効走査範囲Rの主走査ラインが、有効な画像として扱われる。感光体ドラム113は像担持体の一例である。
【0062】
露光部115はさらに、BD(Beam Detect)レンズ41及びBDセンサー43を備える。BDセンサー43は、ポリゴンミラー10で反射された光ビームLBが、BDセンサー43、感光体ドラム113の一方の側部113a、感光体ドラム113の他方の側部113bの順番で到達する箇所に配置されている。
【0063】
BDレンズ41はポリゴンミラー10で反射された光ビームLBを集光する。集光された光ビームLBはBDセンサー43で受光される。
【0064】
図4は、本実施形態に係る光ビーム制御装置3の構成を示すブロック図である。レーザーダイオード31と感光体ドラム113との間の光学部品(
図3に示すコリメーターレンズ37、シリンドリカルレンズ39、ポリゴンミラー10等)の図示は、省略されている。光ビーム制御装置3は、レーザーダイオード31、フォトダイオード45、駆動電流生成部11、第1の光量制御部13、第2の光量制御部15、式算出部17、バイアス電流判定部19及び駆動電流判定部21を備える。
【0065】
レーザーダイオード31は光源の一例であり、フォトダイオード45は受光部の一例である。レーザーダイオード31から照射された光ビームは、フォトダイオード45で受光され、フォトダイオード45は受光量に応じた受光信号を出力する。
【0066】
図5は、レーザーダイオード31に印加される電圧の一例の波形図である。縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示す。電圧の波形は矩形波であり、電圧V1と電圧V2とが交互に繰り返される。電圧V1は電圧V2より大きく、レーザーダイオード31は電圧V1のときに発光し、電圧V2のときに消灯する。
【0067】
図6及び
図7は、
図5に示す電圧が印加されているレーザーダイオード31から照射された光ビームを受光したフォトダイオード45から出力された受光信号の波形図である。
図6は応答速度が正常なフォトダイオード45の受光信号を示し、
図7は応答速度が遅いフォトダイオード45の受光信号を示している。
図6及び
図7において、縦軸はフォトダイオード45の電圧降下の値を示し、横軸は時間を示している。時間は
図5と同様に、0μs、5μs、10μs、15μs、20μs、25μsの間隔で示されている。
【0068】
図6に示す応答速度が正常なフォトダイオード45において、受光信号が−0.16V以下であればレーザーダイオード31の発光を示し、受光信号が−0.02V以上であればレーザーダイオード31の消灯を示す。
図7に示す応答速度が遅いフォトダイオード45において、受光信号が−0.14V以下であればレーザーダイオード31の発光を示し、受光信号が−0.02V以上であればレーザーダイオード31の消灯を示す。
【0069】
応答速度が正常なフォトダイオード45では、
図6に示すように、レーザーダイオード31が消灯から発光に切り替えられた後、発光を示す受光信号(即ち、−0.16V以下の受光信号)が直ちに出力される。これに対して、応答速度が遅いフォトダイオード45では、
図7に示すように、レーザーダイオード31が消灯から発光に切り替えられた後、発光を示す受光信号(即ち、−0.14V以下の受光信号)が直ちに出力されず、少し遅れて出力される。
【0070】
図4の説明に戻る。駆動電流生成部11は、駆動電流を生成してレーザーダイオード31に供給する。駆動電流生成部11は、バイアス電流生成部23とパルス電流生成部25とを含む。
【0071】
バイアス電流生成部23はバイアス電流を生成する。バイアス電流とは、レーザーダイオード31が光ビームを照射可能(発光可能)な電流のしきい値より低い電流である。
【0072】
パルス電流生成部25はパルス電流を生成する。パルス電流とは、感光体ドラム113に描画される静電潜像を示す画像データ信号を変調した電流である。パルス電流は、スイッチング電流や変調電流とも称される。駆動電流生成部11は、バイアス電流とパルス電流とを加算した駆動電流をレーザーダイオード31に供給する。
【0073】
第1の光量制御部13は、駆動電流の供給が停止されているレーザーダイオード31に駆動電流の供給を開始するとき(例えば、画像形成装置1の電源をオンしたとき、スリープモードから通常モードに移行したとき)、第1のAPCを実行する。即ち、第1の光量制御部13は、フォトダイオード45から出力された受光信号を所定のサンプリング周期で検出して光ビームの光量が予め定められた目標光量に到達したか否かを判断する処理を、そのサンプリング周期中に実行し、サンプリング周期中に光ビームの光量が目標光量に到達しなければ、駆動電流を上げてその処理を次の前記サンプリング周期中に実行することを繰り返して、光ビームの光量を目標光量にする駆動電流の初期値を決定する。
【0074】
図8は、第1のAPCが実行されてフォトダイオード45から出力された受光信号の一例の波形図である。縦軸が受光信号の値を示し、横軸が時間を示す。受光信号はフォトダイオード45が受光した光ビームの光量と対応しており、受光信号から光ビームの光量が特定される。
【0075】
波形1は応答速度が正常なフォトダイオード45の例を示しており、波形2は応答速度が遅いフォトダイオード45の例を示している。点線は駆動電流の設定値を示している。駆動電流は段階的に大きく設定される。
【0076】
波形1で示すように、応答速度が正常なフォトダイオード45の受光信号は、駆動電流に対する追従性がよく、目標受光信号(目標光量)を得られる駆動電流を正しく設定できる(設定値1)。
【0077】
これに対して、波形2で示すように、応答速度が遅いフォトダイオード45の受光信号は、駆動電流に対する追従性が悪く、目標受光信号(目標光量)を得られる正しい駆動電流よりも、駆動電流が大きく設定される(設定値2)。駆動電流を設定値2にして、感光体ドラム113に静電潜像を描画し、トナーで現像すると、画像データで示される濃度よりも高い濃度の画像が形成されてしまう。
【0078】
図4の説明に戻る。第2の光量制御部15は、第2のAPCを、第1のAPCの終了後に駆動電流生成部11が駆動電流の生成中に所定期間実行する。第2のAPCは、フォトダイオード45から出力された受光信号をモニターしながら駆動電流生成部11に生成させる駆動電流の大きさを制御して、レーザーダイオード31から照射される光ビームの光量を目標光量に制御する。
図9は、第2のAPCが実行されて、目標受光信号(目標光量)に制御される受光信号の一例の波形図である。受光信号は第2のAPCの期間内に目標受光信号に制御されている。
【0079】
式算出部17は、第1の光量制御部13によって、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量(目標受光信号)を示すと判断されたとき、第1のAPCの実行中に得られた受光信号のデータと駆動電流のデータとを利用して、受光信号と駆動電流との関係を示す式を算出する。また、式算出部17は、第2の光量制御部15によって、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量を示すと判断されたとき、第2のAPCの実行中に得られた受光信号のデータと駆動電流のデータとを利用して、受光信号と駆動電流との関係を示す式を算出する。
【0080】
図10は、応答速度が正常なフォトダイオード45の一例(グラフ1)、応答速度が遅いフォトダイオード45の一例(グラフ2)のそれぞれについての式を示すグラフである。式算出部17は、目標光量を示す受光信号(つまり、目標受光信号)が得られたときの駆動電流と、目標受光信号以外の任意の受光信号が得られたときの駆動電流とを用いて、受光信号と駆動信号との関係を示す式を算出する。
【0081】
応答速度が正常なフォトダイオード45の場合、式算出部17は、点P1(目標受光信号が得られたときの駆動電流)と点P2(目標受光信号以外の任意の受光信号が得られたときの駆動電流)とを用いて、点P1と点P2とを通る一次直線であるグラフ1を示す数式を算出する。駆動電流はバイアス電流とパルス電流とを加算したものなので、式算出部17は、グラフ1が駆動電流の値を示す軸(x軸)と交差する点P3を、バイアス電流の予測値である予測バイアス電流(第2のAPCの場合は、第2のAPC予測バイアス電流)と決定する。
【0082】
応答速度が遅いフォトダイオード45の場合、式算出部17は、点P4(目標受光信号が得られたときの駆動電流)と点P5(目標受光信号以外の任意の受光信号が得られたときの駆動電流)とを用いて、点P4と点P5とを通る一次直線であるグラフ2を示す数式を算出する。式算出部17は、グラフ2が駆動電流の値を示す軸(x軸)と交差する点P6を、予測バイアス電流(第2のAPCの場合は、第2のAPC予測バイアス電流)と決定する。グラフ1やグラフ2を示す数式は、例えば、回帰直線の方程式を用いて求めることもできる。
【0083】
図4の説明に戻る。バイアス電流判定部19は、受光信号と駆動電流との関係を示す式(グラフ1やグラフ2)を用いて求められた、予測バイアス電流が予め定められた目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定する。また、バイアス電流判定部19は、第2のAPCの実行で得られた上記式を用いて求められた予測バイアス電流である第2のAPC予測バイアス電流が、目標バイアス電流の範囲内か範囲外かを判定する。
【0084】
駆動電流判定部21は、候補駆動電流が、予め定められた目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定する。候補駆動電流とは、第1の光量制御部13によって、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標駆動信号(目標光量)を示すと判断されたときの駆動電流であって、駆動電流の初期値の候補となる駆動電流である。
図10の点P1や点P4を示す駆動電流が候補駆動電流となる。また、駆動電流制御部は、第2の光量制御部15によって、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標駆動信号(目標光量)を示すと判断されたときの駆動電流である第2のAPC駆動電流が、目標駆動電流の範囲内か範囲外かを判定する。
【0085】
応答速度が遅いフォトダイオード45でも、第1のAPCのサンプリング周期を長くしたり、第2のAPCの期間を長くしたりすれば、レーザーダイオード31から照射される光ビームの光量を目標光量に制御することが可能である。まず、第1のAPCのサンプリング周期を長くする場合から説明する。
図11は、
図8のサンプリング周期と比べてサンプリング周期を長くして第1のAPCが実行されて、フォトダイオード45から出力された受光信号の一例の波形図である。縦軸が受光信号の値を示し、横軸が時間を示す。波形3は応答速度が遅いフォトダイオード45の例を示している。比較のために、
図8の波形1を示している。
【0086】
応答速度が遅いフォトダイオード45では、サンプリング周期が短いと、駆動電流に対応した受光信号より低い受光信号が出力された状態でサンプリング周期が終わるので、目標受光信号(目標光量)を得られる駆動電流を正しく設定できない。サンプリング周期を長くすることにより、波形3に示すように、フォトダイオード45の応答速度が遅くても、駆動電流に対応した受光信号が出力されるので、目標受光信号(目標光量)を得られる駆動電流を正しく設定できる(設定値1)。
【0087】
図12は、
図9の第2のAPCの期間より第2のAPCの期間を長くして、第2のAPCが実行されて、目標受光信号(目標光量)に制御される受光信号の一例の波形図である。波形1(
図8)や波形3(
図11)のように、目標光量が得られる駆動電流が正しく設定されていれば(設定値1)、第2のAPCを実行した場合、
図9に示すように、第2のAPCの期間が短くても、受光信号を目標受光信号に制御できる。
【0088】
これに対して、波形2(
図8)のように、目標光量が得られる駆動電流が正しい値より大きく設定されている場合(設定値2)、
図12に示すように、受光信号は目標受光信号を超える。しかし、フォトダイオード45の応答速度が遅いだけなので、第2のAPCの期間を長く設定することにより、受光信号を目標受光信号に制御することができる。但し、フォトダイオード45の応答速度が遅すぎると、第2のAPCの期間が経過し、光量を目標光量に制御することができない場合がある。
【0089】
本実施形態では、応答速度が遅いフォトダイオード45であれば、直ちに、フォトダイオード45を異常と判定しない。応答速度が少し遅い程度のフォトダイオード45については、第1のAPCでのサンプリング周期を長くしたり、第2のAPCの期間を長くしたりして、光ビームの光量を制御できる場合、正常と判定するようにしている。
【0090】
応答速度がかなり遅いフォトダイオード45でも、サンプリング周期をそれに応じて長くすれば、目標受光信号を得られる駆動電流を正しく設定でき、光ビームの光量を制御できる。しかし、サンプリング周期を長くしすぎると、第1のAPCに時間がかかりすぎ、その結果、画像形成動作の開始が遅れる。これを考慮して、サンプリング周期の長さが決定される。
【0091】
同様に、応答速度がかなり遅いフォトダイオード45でも、第2のAPCの期間をそれに応じて長くすれば、光ビームの光量を制御できる。しかし、第2のAPCの期間を長くしすぎると、レーザーダイオード31の点灯時間が長くなるので、レーザーダイオード31の劣化が早くなる等の問題が生じる。これを考慮して、第2のAPCの期間の長さが決定される。
【0092】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例の動作を説明する。
図13及び
図14はその動作を説明するフローチャートである。
【0093】
第1の光量制御部13は、レーザーダイオード31に駆動電流の供給が停止されている状態から駆動電流の供給を開始するときに、
図8で説明した第1のAPCを実行する(ステップS1)。
【0094】
第1の光量制御部13は、第1のAPCの実行中に、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量を示すか否かを判定する(ステップS2)。受光信号が目標光量を示すと判定されたときの駆動電流は、駆動電流の初期値の候補となる候補駆動電流となる(例えば、
図10の点P1や点P4で示す駆動電流)。第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定しなければ(ステップS2でNo)、ステップS2の処理を繰り返す。
【0095】
第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定すれば(ステップS2でYes)、駆動電流判定部21は、上記候補駆動電流が予め定められた目標駆動電流の範囲内かを判定する(ステップS3)。候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内であれば、光ビームの光量は目標光量に制御されていることになる。
【0096】
駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれば(ステップS3でYes)、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内か否かの判定処理(ステップS9)はされない。予測バイアス電流は式から求めるので、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内であれば、通常、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内に入るからである。
【0097】
第1の光量制御部13は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれた場合(ステップS3でYes)、フォトダイオード45を正常と判定し、ステップS2で説明した候補駆動電流を、駆動電流の初期値として第1のAPCを終了する(ステップS4:処理(a))。
【0098】
第2の光量制御部15は、第2のAPCを実行するか否かを判定する(ステップS5)。第2の光量制御部15は、レーザーダイオード31から光ビームを照射させて感光体ドラム113に複数本の主走査ラインを描画する毎に第2のAPCを実行する。第2の光量制御部15が、第2のAPCを実行すると判定しなければ(ステップS5でNo)、ステップS5の処理が繰り返される。
【0099】
第2の光量制御部15が、第2のAPCを実行すると判定すれば(ステップS5でYes)、予め設定された第1の期間を第2のAPCの期間として第2のAPCを実行する(ステップS6)。
【0100】
一方、ステップS3において、駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定しなければ(ステップS3でNo)、即ち、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外(例えば、
図10の点P4)と判定すれば、式算出部17は、
図10で説明したように、第1のAPCの実行中に得られた受光信号のデータと駆動電流のデータとを利用して、受光信号と駆動電流との関係を示す式を算出する(ステップS7)。
【0101】
式算出部17は、ステップS7で算出された式を用いて予測バイアス電流を決定する(ステップS8)。
【0102】
バイアス電流判定部19は予測バイアス電流が予め定められた目標バイアス電流の範囲内か否かを判定する(ステップS9)。
【0103】
バイアス電流判定部19が、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定しなければ(ステップS9でNo)、即ち、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外(例えば、
図10の点P6)と判定すれば、第1の光量制御部13は、第1のAPCを終了しない。第1の光量制御部13は、ステップS1で実行された第1のAPCよりも(第1のAPCの再実行前よりも)、サンプリング周期を長くして、第1のAPCを再実行する(ステップS10)。
【0104】
第1の光量制御部13は、第1のAPCの再実行中に、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量を示すか否かを判定する(ステップS11)。受光信号が目標光量を示すと判断されたときの駆動電流は、駆動電流の初期値の候補となる候補駆動電流となる。第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定しなければ(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を繰り返す。
【0105】
第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定すれば(ステップS11でYes)、駆動電流判定部21は、ステップS3と同様に、ステップS11の候補駆動電流が、予め定められた目標駆動電流の範囲内か否かを判定する(ステップS12)。目標駆動電流の範囲は、ステップS3の目標駆動電流の範囲と同じである。
【0106】
駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれば(ステップS12でYes)、第1の光量制御部13は、フォトダイオード45を正常と判定し、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流を初期値として第1のAPCを終了する(ステップS4:処理(b)、処理(e))。
【0107】
駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定しなければ(ステップS12でNo)、すなわち、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定されると、第1の光量制御部13は、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS13)。表示制御部501は、表示部403にフォトダイオード45が異常である旨を表示させる。
【0108】
一方、バイアス電流判定部19が、予測バイアス電流が
図10に示す目標バイアス電流の範囲内と判定すれば(ステップS9でYes)、第1の光量制御部13は、ステップS10と同様に、サンプリング周期をステップS1で実行される第1のAPCのサンプリング周期より長くして、第1のAPCを再実行する(ステップS14:処理(f))。即ち、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定されたが、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定された場合、第1のAPCを終了せずに、第1のAPCの再実行前よりもサンプリング周期を長くして、第1のAPCが再実行される。
【0109】
第1の光量制御部13は、ステップS2と同様にして、第1のAPCの再実行中に、受光信号が目標光量を示すか否かを判定する(ステップS15)。受光信号が目標光量を示すと判定されたときの駆動電流は、駆動電流の初期値の候補となる候補駆動電流となる。第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定しなければ(ステップS15でNo)、ステップS15の処理を繰り返す。
【0110】
第1の光量制御部13が、受光信号が目標光量を示すと判定すれば(ステップS15でYes)、駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内か否かを判定する(ステップS16)。
【0111】
駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれば(ステップS16でYes)、第1の光量制御部13はフォトダイオード45を正常と判定し、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流(ステップS15の候補駆動電流)を初期値として第1のAPCを終了する(ステップS4:処理(f−1))。
【0112】
駆動電流判定部21が、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定しなければ(ステップS16でNo)、すなわち、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定すれば、式算出部17は、ステップ7と同様にして、第1のAPCの再実行中に得られた受光信号のデータと駆動電流のデータとを利用して、受光信号と駆動電流との関係を示す式を算出する(ステップS17)。
【0113】
式算出部17は、ステップS8と同様にして、ステップS17で算出された式を用いて、予測バイアス電流を決定する(ステップS18)。
【0114】
バイアス電流判定部19は、ステップS18で決定された予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内か否かを判定する(ステップS19)。
【0115】
バイアス電流判定部19が、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定しなければ(ステップS19でNo)、すなわち、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定されると、第1の光量制御部13は、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS21)。表示制御部501は、表示部403にフォトダイオード45が異常である旨を表示させる。
【0116】
一方、バイアス電流判定部19が、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定すれば(ステップS19でYes)、駆動電流判定部21は、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流(ステップS15で得られた候補駆動電流)が、第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流(ステップS2で得られた候補駆動電流)と同じか否かを判定する(ステップS20)。
【0117】
駆動電流判定部21が、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流が、第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流と同じと判定しなければ(ステップS20でNo)、ステップS21へ進む。即ち、第1のAPCの再実行で得られた予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定され(ステップS19でYes)、かつ候補駆動電流が第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流と異なると判定された場合(ステップS20でNo)、フォトダイオード45を異常と判定する。
【0118】
駆動電流判定部21が、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流が、第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流と同じと判定すれば(ステップS20でYes)、第1の光量制御部13は、フォトダイオード45を正常と判定し、第1のAPCで得られた候補駆動電流を初期値として第1のAPCを終了する(ステップS4:処理(f−2))。この場合、第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流(ステップS2の候補駆動電流)と、第1のAPCの再実行で得られた候補駆動電流(ステップS15の候補駆動電流)とは同じ値である。
【0119】
以上が本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例の動作である。この第1例による主な効果を説明する。
【0120】
光ビーム制御装置3の第1例は、フォトダイオード45の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、サンプリング周期を長くして第1のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合(ステップS3でNo)、即ち、光ビームの光量を目標光量に制御できない場合でも、直ちに、フォトダイオード45を異常と判定しない。サンプリング周期を長くして第1のAPCを再実行することにより(ステップS10)、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合(ステップS12でYes)、フォトダイオード45を正常と判定して第1のAPCを終了する。これにより、応答速度が遅い程度が比較的小さいフォトダイオード45については、異常とせず、使用を継続できるようにしている。
【0121】
以上のとおり、本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例によれば、レーザーダイオード31から照射される光ビームの光量をモニターするフォトダイオード45の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御できる。
【0122】
また、本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外であるが(ステップS3でNo)、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内であれば(ステップS9でYes)、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外の原因がフォトダイオード45でなく、レーザーダイオード31の個体差の可能性がある点に着目している。
【0123】
ステップ20のYesは、サンプリング周期を異ならせて、第1のAPCを2回実行し(ステップS1,S14)、いずれの第1のAPCでも、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外であるが、候補駆動電流が変化せず、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内の場合をいう。フォトダイオード45の応答速度が遅ければ、サンプリング周期を変化させると、候補駆動電流が変化する。上記場合、候補駆動電流は変化しないので、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外の原因は、フォトダイオード45の応答速度が遅いことでなく、レーザーダイオード31の個体差と見なし、フォトダイオード45を正常と判定して第1のAPCを終了する。
【0124】
なお、ステップS16のYesの後に、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定され、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合を規定していない。予測バイアス電流は式から求めるので、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内であれば、通常、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内に入るからである。
【0125】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例は、予測バイアス電流を用いない変形例が可能である。この変形例では、ステップS7〜S9,S14〜S21が不要となる。
【0126】
次に、本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第2例の動作について説明する。
図15はその動作を説明するフローチャートである。第1例では、第1のAPCの再実行において、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合(
図13のステップS12でNo)、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合(
図14のステップS19でNo)や、候補駆動電流が第1のAPCの再実行前の候補駆動電流と異なると判定された場合(
図14のステップS20でNo)、第1の光量制御部13はフォトダイオード45を異常と判定する。第2例では、そのような場合に、直ちにフォトダイオード45を異常と判定せずに、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行して、フォトダイオード45が異常か否かを判定する。
【0127】
第1の光量制御部13は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合(ステップS12でNo)、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合(ステップS19でNo)、又は、候補駆動電流が第1のAPCの再実行前の候補駆動電流と異なると判定された場合(ステップS20でNo)、第1の光量制御部13は第1のAPCを終了する(処理(c)、処理(g))。
【0128】
第1のAPCの終了後、第2の光量制御部15は、
図13のステップS6の処理での第2のAPCの期間より、第2のAPCの期間を長く設定する(ステップS31:処理(d)、処理(h))。即ち、第1の期間より長い第2の期間を第2のAPCの期間として設定する。例えば、第2のAPCの期間として設定可能な最大の期間を、第2の期間として設定する。
図12で説明したように、第2のAPCの期間を長くすることにより、フォトダイオード45の応答速度が遅くても、受光信号を目標光量に制御できる可能性があるからである。
【0129】
第2の光量制御部15は、第2の期間を第2のAPC期間として第2のAPCを実行する(ステップS32)。ここでの第2のAPCは、第1のAPCの終了後、直ちに実行してもよいし、静電潜像を形成する段階での実行でもよい。
【0130】
第2の光量制御部15は、第2のAPCの実行中に、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量を示すか否かを判定する(ステップS33)。第2の光量制御部15によって受光信号が目標光量を示すと判定されたときの駆動電流が、第2のAPC駆動電流である(例えば、
図10の点P1や点P4)。第2の光量制御部15が、受光信号が目標光量を示すと判定しなければ(ステップS33でNo)、ステップS33の処理を繰り返す。
【0131】
第2の光量制御部15が、受光信号が目標光量を示すと判定すれば(ステップS33でYes)、駆動電流判定部21は、第2のAPC駆動電流が、
図10に示す目標駆動電流の範囲内かを判定する(ステップS34)。目標駆動電流の範囲は、
図13のステップS3の目標駆動電流の範囲と同じである。
【0132】
駆動電流判定部21が、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれば(ステップS34でYes)、第2の光量制御部15はフォトダイオード45を正常と判定する(ステップS35:処理(i))。第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内とは、例えば、
図10に示す点P1である。
【0133】
駆動電流判定部21が、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定しなければ(ステップS34でNo)、すなわち、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定すれば(例えば、
図10の点P4)、式算出部17は、ステップ7と同様にして、第2のAPCの実行中に得られた受光信号のデータと駆動電流のデータとを利用して、受光信号と駆動電流との関係を示す式を算出する(ステップS36)。
【0134】
式算出部17は、ステップS8と同様にして、ステップS36で算出された式を用いて、第2のAPCでの予測バイアス電流である第2のAPC予測バイアス電流を決定する(ステップS37)。
【0135】
バイアス電流判定部19は、ステップS37で決定された第2のAPC予測バイアス電流が
図10に示す目標バイアス電流の範囲内か否かを判定する(ステップS38)。目標バイアス電流の範囲は、ステップS9の目標バイアス電流の範囲と同じである。
【0136】
バイアス電流判定部19が、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定しなければ(ステップS38でNo)、すなわち、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定されると(例えば、
図10の点P6)、第2の光量制御部15は、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS39:処理(j))。表示制御部501は、表示部403にフォトダイオード45が異常である旨を表示させる。
【0137】
一方、バイアス電流判定部19が、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定すれば(ステップS38でYes)、駆動電流判定部21は、第2のAPCの実行で得られた第2のAPC駆動電流(ステップS33で得られた第2のAPC駆動電流)が、第1のAPCの再実行前に得られた候補駆動電流(ステップS2で得られた候補駆動電流)と同じか否かを判定する(ステップS40)。
【0138】
駆動電流判定部21が、ステップS33で得られた第2のAPC駆動電流が、ステップS2で得られた候補駆動電流と同じと判定しなければ(ステップS40でNo)、ステップS39へ進む。即ち、第2のAPCの実行で得られた第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定されたが(ステップS38でYes)、第2のAPC駆動電流が第1のAPCで得られた候補駆動電流と異なり、かつ目標駆動電流の範囲外と判定された場合、第2の光量制御部15は、フォトダイオード45を異常と判定する(処理(l))。
【0139】
駆動電流判定部21が、ステップS33で得られた第2のAPC駆動電流が、ステップS2で得られた候補駆動電流と同じと判定すれば(ステップS40でYes)、第2の光量制御部15は、フォトダイオード45を正常と判定する(ステップS41:処理(k))。
【0140】
以上が本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第2例の動作である。この第2例による主な効果を説明する。
【0141】
第2例は、フォトダイオード45の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。第2例によれば、第1のAPCを再実行しても、光ビームの光量を目標光量に制御できないが、第2のAPCの期間を長くすることにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合、フォトダイオード45を正常と判定する。よって、フォトダイオード45の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御することができる。
【0142】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第2例は、予測バイアス電流を用いない変形例が可能である。この変形例では、ステップS36〜S38、ステップS40及びステップS41が不要となる。
【0143】
この変形例において、第2の光量制御部15は、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定された場合(ステップS34でYes)、フォトダイオード45を正常と判定し(ステップS35)、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合(ステップS34でNo)、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS39)。
【0144】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第3例の動作を説明する。
図16はその動作を説明するフローチャートである。第1例では、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外の場合(
図13のステップS3でNo)、第1のAPCの再実行する(
図13のステップS10、
図14のステップS14)。第3例では、第1のAPCを再実行せずに、第2例で説明した第2のAPCを実行する。
【0145】
図16のステップS1〜ステップS9までは、
図13のステップS1〜ステップS9までの同じであり、簡単に説明する。
【0146】
図16を参照して、第1の光量制御部13は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定された場合(ステップS3でYes)、フォトダイオード45を正常と判定し、候補駆動電流を初期値として第1のAPCを終了する(ステップS4:処理(m))。
【0147】
第1の光量制御部13は、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定されない場合(ステップS9でNo)、第1の光量制御部13は第1のAPCを終了する。即ち、第1の光量制御部13は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定され(ステップS3でNo)、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合(ステップS9でNo)、第1のAPCを終了する(処理(n)、処理(p))。
【0148】
第1のAPCの終了後、第2の光量制御部15は、
図15のステップS31と同様に、ステップS6の処理での第2のAPCの期間より、第2のAPCの期間を長く設定する(ステップS51:処理(o)、処理(r))。即ち、第1の期間より長い第2の期間を第2のAPCの期間として設定する。
【0149】
第2の光量制御部15は、
図15のステップS32と同様に、第2の期間を第2のAPC期間として第2のAPCを実行する(ステップS52)。
【0150】
第2の光量制御部15は、
図15のステップS33と同様に、第2のAPCの実行中に、フォトダイオード45から出力された受光信号が目標光量を示すか否かを判定する(ステップS53)。第2の光量制御部15によって受光信号が目標光量を示すと判定されたときの駆動電流が、第2のAPC駆動電流である。第2の光量制御部15が、受光信号が目標光量を示すと判定しなければ(ステップS53でNo)、ステップS53の処理を繰り返す。
【0151】
第2の光量制御部15が、受光信号が目標光量を示すと判定すれば(ステップS53でYes)、駆動電流判定部21は、第2のAPC駆動電流が、
図10に示す目標駆動電流の範囲内かを判定する(ステップS54)。目標駆動電流の範囲は、ステップS3の目標駆動電流の範囲と同じである。
【0152】
駆動電流判定部21が、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定すれば(ステップS54でYes)、第2の光量制御部15はフォトダイオード45を正常と判定する(ステップS55:処理(s))。第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内とは、例えば、
図10に示す点P1である。
【0153】
駆動電流判定部21が、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定すれば(ステップS54でNo)、第2の光量制御部15はフォトダイオード45を異常と判定する(ステップS56)。即ち、第1のAPCの終了が上記(p)であって、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定された場合、フォトダイオード45を異常と判定する(処理(t))。
【0154】
第1の光量制御部13は、予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定された場合(ステップS9でYes)、第1の光量制御部13は第1のAPCを終了する。即ち、第1の光量制御部13は、候補駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定され(ステップS3でNo)、かつ予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定された場合(ステップS9でYes)、第1のAPCを終了する(処理(q))。そして、
図15のステップS31へ進む。
【0155】
ステップS31以降の処理を簡単に説明する。
図15に示すように、第2の光量制御部15は、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定された場合(ステップS34でYes)、フォトダイオード45を正常と判定する(ステップS35:処理(s))。
【0156】
第2の光量制御部15は、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定されず(ステップS34でNo)、かつ第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定されない場合(ステップS38でNo)、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS39)。即ち、第1のAPCの終了が上記処理(q)であって、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲外と判定され、かつ第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲外と判定された場合、フォトダイオード45を異常と判定する(処理(u))。
【0157】
第2の光量制御部15は、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定されないが(ステップS34でNo)、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定され(ステップS38でYes)、かつ第2のAPC駆動電流が候補駆動電流と同じ場合(ステップS40でYes)、フォトダイオード45を正常と判定する(ステップS41)。即ち、第1のAPCの終了が上記処理(q)であって、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定され、かつ第2のAPC駆動電流が候補駆動電流と同じと判定された場合、フォトダイオード45を正常と判定する(処理(v))。
【0158】
第2の光量制御部15は、第2のAPC駆動電流が目標駆動電流の範囲内と判定されないが(ステップS34でNo)、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定され(ステップS38でYes)、かつ第2のAPC駆動電流が候補駆動電流と異なる場合(ステップS40でNo)、フォトダイオード45を異常と判定する(ステップS39)。即ち、第1のAPCの終了が上記処理(q)であって、第2のAPC予測バイアス電流が目標バイアス電流の範囲内と判定されたが、第2のAPC駆動電流が候補駆動電流と異なり、かつ目標駆動電流の範囲外と判定された場合、フォトダイオード45を異常と判定する(処理(w))。
【0159】
以上が本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第3例の動作である。この第3例による主な効果を説明する。
【0160】
第3例は、フォトダイオード45の応答速度が遅くてもその程度が比較的小さい場合、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行すれば、光ビームの光量を目標光量に制御できる点に着目している。第3例によれば、第1のAPCを実行しても、光ビームの光量を目標光量に制御できないが、第2のAPCの期間を長くすることにより、光ビームの光量を目標光量に制御できる場合、フォトダイオード45を正常と判定する。よって、フォトダイオード45の応答速度が遅くても、光ビームの光量を目標光量に制御することができる。
【0161】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第3例は、予測バイアス電流を用いない変形例が可能である。この変形例では、
図16のステップS7〜S9が不要となる。
【0162】
本実施形態に係る光ビーム制御装置3の第1例〜第3例によれば、第1のAPCを再実行しても、光ビームの光量を制御できない場合や、第2のAPCの期間を長くして第2のAPCを実行しても、光ビームの光量を制御できない場合に、フォトダイオード45を異常と判定する。そして、その旨を表示部403に表示させることにより、ユーザーやサービースマンにフォトダイオード45の異常を報知している。
【0163】
なお、本発明は画像形成装置に限らず、APC制御を用いる電子機器(例えば、光ディスク駆動装置)に適用できる。