(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術において、排紙部上に積載されたシート枚数を検出するために、検出片を備えたアクチュエータが配置されることがある。検出片は、排紙部に開口された開口部から出没可能とされる。検出片上に積載されたシートの重みによってアクチュエータが回動され、光センサなどの検出部によってアクチュエータの一端が検出される。
【0006】
しかしながら、上記のような検出片によって、排紙部上にシートが1枚だけ排出された状態を検出する場合、アクチュエータが回動する荷重がシート1枚分の重さに対応して小さく設定される必要がある。この場合、同じ検出片によって、シートの満載状態を検知することが困難となり、1枚検出用の検出片とは別に、満載検出用の検出片が必要となってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、シート積載装置、およびこれを備えた画像形成装置において、排紙部上に少量のシートが積載された場合と、多量のシートが積載された場合とを、共通の検出片によって検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明0の一の局面に係るシート積載装置は、筐体と、シートを排出するシート排出部と、前記筐体0に配置され、前記シート排出部から排出された前記シートが積載されるシート積載部と、前記シート積載部に開口された開口部と、前記開口部から前記シート積載部に出没可能な検出片を含み、前記検出片の上に前記シートが載置されていない第1の状態と、前記シート排出部から排出された前記シートが第1の枚数をもって前記検出片の上に載置された第2の状態と、前記シートが前記第1の枚数よりも多い第2の枚数をもって前記検出片の上に載置された第3の状態と、を検出可能なシート検出部と、を有
し、前記シート検出部は、前記検出片を含むアクチュエータを備え、前記第1の状態と前記第2の状態とを検出可能な第1シート検出部と、前記第1シート検出部を支持し、前記第3の状態を検出可能な第2シート検出部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本構成によれば、開口部から出没可能な検出片の上に載置されるシートの枚数に応じて、シート検出部が、第1の状態、第2の状態、第3の状態を検出することが可能となる。
【0011】
また、本構成によれば、シート検出部は、第1シート検出部と、第2シート検出部とを備える。第1シート検出部は第1の状態と第2の状態とを検出する。更に、第2シート検出部は第1シート検出部を支持し、第3の状態を検出する。このため、単一の検出片の上に載置されるシートの枚数に応じて、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とを検出することが可能となる。
【0012】
上記の構成において、前記第1シート検出部は、第1支点部と、前記第1支点部から延設され、前記検出片を備えた第1アーム部と、前記第1アーム部とは異なる方向で前記第1支点部から延設された第2アーム部と、を備え、前記第1支点部まわりに回転可能な前記アクチュエータと、前記アクチュエータの回転に伴って前記第2アーム部を検出可能な第1検出部と、を有し、前記第2シート検出部は、前記筐体に支持された第2支点部と、前記第2支点部から延設される第3アーム部と、前記第2支点部に対して前記第3アーム部とは異なる方向で前記第1支点部および前記第1検出部を支持するケーシングとを備え、前記第2支点部まわりに回転可能なハウジングと、前記筐体に配置され、前記ハウジングの回転に伴って、前記第3アーム部を検出可能な第2検出部と、前記ハウジングの前記第3アーム部と前記筐体との間に配置され、前記ハウジングを付勢する付勢手段と、を有することが望ましい。
【0013】
本構成によれば、第1シート検出部は、アクチュエータと第1検出部とから構成される。アクチュエータは、第1支点部と、第1アーム部と、第2アーム部とを備える。また、第2シート検出部は、ハウジングと第2検出部と付勢手段とから構成される。ハウジングは、第2支点部と第3アーム部とケーシングとを備え、第1支点部と第1検出部とを支持する。第1シート検出部では、第2アーム部を第1検出部が検出することによって、第1の状態と第2の状態とが検出される。また、第2シート検出部では、第3アーム部を第2検出部が検出することによって、第3の状態が検出される。
【0014】
上記の構成において、前記第1の状態において、前記第2アーム部は前記第1検出部から離間され、前記第2の状態において、前記付勢手段の付勢力によって前記第3アーム部が前記第2検出部に検出されず、かつ、前記第1の枚数の前記シートが前記検出片にもたらす押圧力によって、前記アクチュエータが回転され、前記第2アーム部が前記第1検出部によって検出され、前記第3の状態において、前記第2の枚数の前記シートが前記検出片にもたらす押圧力によって、前記第2アーム部が前記ハウジングに当接されることで前記ハウジングが回転され、前記第3アーム部が前記第2検出部によって検出されることが望ましい。
【0015】
本構成によれば、第1の状態では、検出片にシートが載置されていないため、アクチュエータは回転されない。このため、第2アーム部が第1検出部から離間され、第1検出部によって検出されない。また、検出片に第1の枚数のシートが載置されると、アクチュエータが回転され、第2アーム部が第1検出部によって検出される。このため、第2の状態が検出される。更に、検出片の上に第2の枚数のシートが載置されると、第2アーム部がハウジングに当接されることで、アクチュエータとハウジングとが一体的に回転される。この結果、第3アーム部が第2検出部によって検出され、第3の状態が検出される。したがって、単一の検出片によって、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とが好適に検出される。
【0016】
上記の構成において、前記シート排出部は、第1の方向に前記シートを排出し、
前記アクチュエータおよび前記ハウジングは、前記第1の方向と交差する第2の方向を含む断面において、前記回転可能とされることが望ましい。
【0017】
本構成によれば、アクチュエータおよびハウジングは、第1の方向と交差する第2の方向を含む断面において回転される。したがって、シートの排出方向において、シート検出部が占有する幅が可及的に縮小される。
【0018】
上記の構成において、前記第1の枚数は1枚であって、前記第2の枚数は前記シート積載部に積載される最大シート数であることが望ましい。
【0019】
本構成によれば、シート検出部において、シート積載部に1枚のシートが載置されたことと、シート積載部が満載状態になったこととが、単一の検出片によって好適に検出される。
【0020】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、
前記シートが排出される上記の何れかに記載のシート積載装置と、を有することを特徴とする。
【0021】
本構成によれば、開口部から出没可能な検出片の上に載置されるシートの枚数に応じて、シート検出部が、第1の状態、第2の状態、第3の状態を検出することが可能となる。したがって、画像形成部において画像が形成されたシートがシート積載部に排出された状態を好適に検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、シート積載装置、およびこれを備えた画像形成装置において、排紙部上に少量のシートが積載された場合と、多量のシートが積載された場合とを、共通の検出片によって検出することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観斜視図である。また、
図2は、画像形成装置1の内部断面図である。また、
図3および
図4は、定着装置130において定着処理が施されたシートの排紙経路を拡大した断面図である。
図1および
図2に示される画像形成装置1は、いわゆるモノクロ複合機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラー複合機、カラープリンター、ファクシミリ装置など、トナー画像やインク画像などをシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
【0025】
画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2を含む。主筐体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設される略直方体形状の上部筐体22と、下部筐体21と上部筐体22とを連結する連結筐体23(筐体)とを含む。連結筐体23は、主筐体2の右縁及び背面縁に沿って延びる。下部筐体21、上部筐体22及び連結筐体23で囲まれる排出空間24に印刷処理が施与されたシートが排出される。特に、本実施形態では、下部筐体21の上面部に配置された排紙部241、および排紙部241の上方に配置される排紙トレイ242に、シートが排紙される。
【0026】
上部筐体22の正面方向に配置される操作部221は、例えば、LCDタッチパネル222を含む。操作部221は、画像形成処理に関する情報を入力可能に形成される。使用者は、例えば、LCDタッチパネル222を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。上部筐体22内には、主に原稿の画像を読み取るための機器や画像形成装置1の全体の制御を司る電子回路が収容される。
【0027】
上部筐体22の上に配設される押さえカバー223は、原稿を押さえるために用いられる。押さえカバー223は、上部筐体22に上下に回動可能に取り付けられる。使用者は、押さえカバー223を上方に回動させ、上部筐体22上に原稿を載置する。その後、使用者は操作部221を操作して、原稿の画像を上部筐体22内に配設された機器に読み取らせることができる。
【0028】
下部筐体21の右側面には、手差トレイ240(
図2)が配設される。手差トレイ240は、下端240Aを支点として、上端240B側が上下に回動可能である。手差トレイ240が下方に回動され、手差トレイ240が下部筐体21の右方に突出する位置にあるとき、ユーザーは手差トレイ240上にシートを載置可能である。手差トレイ240上のシートは、操作部221を通じてユーザーによって入力された指示に基づき、下部筐体21内に引き込まれた後、画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。また、下部筐体21の内部には、後記の各種装置が配置される内部空間Sが形成される(
図2)。
【0029】
画像形成装置1は、内部空間Sに、カセット110と、給紙部11と、第2給紙ローラー114と、レジストローラー対116と、画像形成部120とを備える。給紙部11は、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、を備える。給紙部11は、シート搬送路PPにシートPを送り出す。シート搬送路PPは、給紙部11から、レジストローラー対116を介して、画像形成部120内に配設された転写位置TPを通過するように配設された搬送路である。
【0030】
カセット110は、内部にシートPを収容する。カセット110は、下部筐体21から正面方向(
図1の紙面手前方向)に引出可能である。カセット110内に収容されたシートPは、下部筐体21内で上方に送り出される。その後、シートPは、操作部221を通じて使用者によって入力された指示に基づき、下部筐体21内で画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。カセット110は、シートPを支持するリフト板111を備える。リフト板111は、シートPの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。
【0031】
ピックアップローラー112は、リフト板111によって上方に押し上げられたシートPの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートPはカセット110から引き出される。
【0032】
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112のシート搬送方向下流側に配設される。第1給紙ローラー113は、シートPを更にシート搬送方向の下流側に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ240の下端240Aの内側に配設される。第2給紙ローラー114は、手差トレイ240上のシートPを下部筐体21内に搬送する。使用者は、カセット110に収容されたシートP、または手差トレイ240の上に載置されたシートPを選択的に使用することができる。
【0033】
レジストローラー対116は、シート搬送方向と直交する方向のシートの位置を規定する。これにより、シートP上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、ローラー間にニップ部を形成する。レジストローラー対116は、画像形成部120において、シートPにトナー画像が転写されるタイミングに合わせて、シートPを画像形成部120に搬送する。また、レジストローラー対116は、シートPの斜行(スキュー)を補正する機能を備える。
【0034】
画像形成部120は、感光体ドラム121と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置124と、トナーコンテナ125と、転写ローラー126と、クリーニング装置35と、除電器50と、を備える。なお、感光体ドラム121と、帯電器122と、クリーニング装置35とは、後記のドラムユニット31Hに一体的に配置される。
【0035】
感光体ドラム121は、略円筒体の形状を有する。感光体ドラム121は、周面に静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー画像を担持する。
【0036】
帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、画像形成装置1に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータといった外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0037】
現像装置124は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124へトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124に順次又は必要に応じてトナーを供給する。現像装置124がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像が形成されることとなる。現像装置は、周面にトナーを担持する現像ローラー124Aを備える。現像ローラー124Aは、現像位置において、感光体ドラム121に対向して配置される。現像ローラー124Aは、回転駆動され、感光体ドラム121にトナーを供給する。
【0038】
転写ローラー126は、転写位置TPにおいて、感光体ドラム121の周面に対向して配設される。転写ローラー126は、転写位置TPにおいて、感光体ドラム121と同方向に回転駆動される。転写位置TPにおいて、感光体ドラム121の周面に形成されたトナー画像が、シートPに転写される。
【0039】
クリーニング装置35は、シートPへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。除電器50は、クリーニング装置35によって、周面が清浄化された感光体ドラム121に所定の除電光を照射する。この結果、感光体ドラム121の周面の電位が、均一化される。
【0040】
クリーニング装置35によって、清浄化された後、除電器50によって、除電された感光体ドラム121の周面は、再度、帯電器122の下方を通過し、一様に帯電される。その後、上述のトナー画像の形成が新たに行われる。
【0041】
画像形成装置1は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に、シートP上のトナー画像を定着させる定着装置130を更に備える。定着装置130は、シートP上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートPを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。シートPが加熱ローラー131と圧力ローラー132との間を通過すると、トナー画像は、シートPに定着される。
【0042】
図3および
図4を参照して、画像形成装置1は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された切り替え部136と、下排出ローラー対134と、上排出ローラー対135と、を更に備える。搬送ローラー対133は、定着装置130によって、定着処理が施されたシートPを、シート搬送方向下流側に搬送する。切り替え部136は、搬送ローラー対133のシート搬送方向下流側において、シートPの搬送方向を切り替える機能を備える。下排出ローラー対134は、切り替え部136の左方に配置され、搬送ローラー対133によって搬送されたシートPを、排紙部241に排出する(
図3の矢印P1)。上排出ローラー135は、下排出ローラー134の上方に配置され、搬送ローラー対133によって搬送されたシートPを、排紙部241の上方に装着された排紙トレイ242に排出する(
図3および
図4の矢印P2)。なお、
図3および
図4では、下排出ローラー対134および上排出ローラー対135のうち、下方に配置される第1下排出ローラー134Aおよび第1上排出ローラー135Aがそれぞれ示されている。
【0043】
なお、上排出ローラー対135からシートPが排出される上排出面26(シート積載部)は、上記の排紙トレイ242および上方プレート251から構成される。上方プレート251は、連結筐体23の一部を構成する。また、排紙トレイ242は上方プレート251の左端部に着脱可能に連結される。排紙トレイ242の上面部には、排出リブ242Aが配置される(
図5参照)。排出リブ242Aは、略三角形状からなるリブ部材であり、前後方向に間隔をおいて複数配置される。排出リブ242Aは、上排出ローラー対135から排出された複数のシートPの後端部を揃える機能を備える。
【0044】
本実施形態では、上排出ローラー対135、上排出面26および後記のシート検出部7によって、上方排出部25(
図2、シート積載装置)が構成される。上方排出部25は、いわゆるジョブセパレータとして機能することが可能である。すなわち、両面印刷時に、シートPの裏面に画像が形成される場合、表面の定着処理が終了したシートPが一時的に上方排出部25に排紙された後スイッチバックされ、再度、画像形成部120に搬送される。また、コピー、プリント機能において画像が形成されたシートPが排紙部241に排紙される一方、FAX機能において画像が形成されたシートPが、選択的に上方排出部25に排紙されることも可能である。
【0045】
次に、
図5および
図6を参照して、上方排出部25に配置されたシート検出部7について詳述する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置1の上方排出部25を示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係るシート検出部7を示す(A)斜視図および(B)断面図である。シート検出部7は、シート検出片721B(検出片)を含み、上排出面26に排出されたシートPの状態を検出する。シート検出片721Bは、上方プレート251に開口された開口部252から上排出面26に出没可能とされる。シート検出部7は、シート検出片721Bの上にシートPが載置されていない第1の状態と、上排出ローラー対135から排出されたシートPが第1の枚数をもってシート検出片721Bの上に載置された第2の状態と、シートPが第1の枚数よりも多い第2の枚数をもってシート検出片721Bの上に載置された第3の状態と、を検出する。なお、本実施形態では、第1の枚数は1枚であり、第2の枚数は、上排出面26の最大積載可能量(50枚)に設定されている。
【0046】
シート検出部7は、上方プレート251の下方に配置される。すなわち、上方プレート251の上面部には、前述のシート検出片721Bだけが現れ、シート検出部7のその他の部分は上方プレート251の内部に配置される。
図6を参照して、シート検出部7は、第1シート検出部7Aおよび第2シート検出部7Bを備える。
【0047】
第1シート検出部7Aは、アクチュエータ72と、第1検出部73とを備える。第1シート検出部7Aは、第1の状態と第2の状態とを検出する。
【0048】
アクチュエータ72は、第1アーム部721と、第2アーム部722と、アクチュエータ軸部723(第1支点部)とを備える。
図6(A)を参照して、アクチュエータ軸部723は左右方向に延設される軸部である。アクチュエータ軸部723は、アクチュエータ72の回転における回転軸となる。
【0049】
第1アーム部721は、アクチュエータ軸部723の左右方向の中央部から前方かつ上方に向かって延設されるアーム部である。第1アーム部721は、アクチュエータ軸部723から延設される第1支持部721Aと、第1支持部721Aの先端部に配置される前述のシート検出片721Bとから構成される。シート検出片721Bは、前述の第1の状態において、前後方向に面される板状部材である。なお、シート検出片721Bの上端縁は、左方から右方にかけて僅かに下方に向かって傾斜している。シート検出片721Bの上にシートPが載置されると、アクチュエータ72はアクチュエータ軸部723まわりに回転される。
【0050】
図6(B)を参照して、第2アーム部722は、第1アーム部721とは反対側でアクチュエータ軸部723から延設されるアーム部である。なお、第2アーム部722は、後記のハウジング71の中に収容されているため、
図6(A)では現れていない。第2アーム部722は、第21支持部722A、第22支持部722B、第1遮蔽部722Cから構成される。前述の第1の状態において、第21支持部722Aは、アクチュエータ軸部723から後方かつ下方に向かって延設される。第22支持部722Bは、第21支持部722Aの先端部に連設され、後方に向かって延設される。第1遮蔽部722Cは、第22支持部722Bの先端部に連設され、上方に向かって延設される。
【0051】
第1検出部73は、後記のハウジング71の内部に収容される。第1検出部73は、第2アーム部722の第1遮蔽部722Cに対向して配置される。第1検出部73は、一対の壁部に配置された光透過式のセンサからなり、一対の壁部に発光部と受光部とが配置される。この結果、前記一対の壁部の間に第1光透過部731が形成される。第2アーム部722の第1遮蔽部722Cが第1検出部73の第1光透過部731から離間され、第1遮蔽部722Cが第1光透過部731を遮光していない場合、第1検出部73は不図示の制御部に対してLOW信号を出力する。また、第1遮蔽部722Cが第1光透過部731を遮光している場合、第1検出部73は、不図示の制御部に対してHIGH信号を出力する。
【0052】
第2シート検出部7Bは、ハウジング71と、第2検出部255と、圧縮ばね80とを備える。第2シート検出部7Bは、前述の第3の状態を検出する。
【0053】
ハウジング71は、ケーシング711と、ハウジングアーム部712(第3アーム部)と、ハウジング軸部713(第2支点部)とを備える。
図6(A)を参照して、ハウジング軸部713は、左右方向に延設される軸部である。ハウジング軸部713は、連結筐体23のうち、上方プレート251の下方に配置された不図示の軸受に挿通される。ハウジング軸部713は、ハウジング71の回転における回転軸となる。
【0054】
ハウジングアーム部712は、ハウジング軸部713から後方に向かって延設される。ハウジングアーム部712は、プレート部712Aと、延出部712Bと、第2遮蔽部712Cとを備える。プレート部712Aは、ハウジング軸部713から後方に向かって延設される板状部材である。延出部712Bは、プレート部712Aの左右方向の中央部から後方に向かって延設される。延出部712Bはプレート部712Aよりも狭い幅を持って延設される。第2遮蔽部712Cは、延出部712Bの先端部が上方に屈曲されることで形成される。
【0055】
ケーシング711は、ハウジング軸部713よりも前方に配置され、箱型形状からなる。すなわち、ケーシング711は、ハウジング軸部713に対して、ハウジングアーム部712とは反対側に配置される。ケーシング711は、左右方向においてプレート部712Aと略同じ幅をもって配置される。
図6(B)を参照して、ケーシング711は、前述のアクチュエータ72および第1検出部73を支持する。すなわち、ケーシング711の前端部に形成された軸受部714に、アクチュエータ72のアクチュエータ軸部723が挿通される。この結果、アクチュエータ72がハウジング71に回転可能に支持される。また、第1検出部73は、ケーシング711のケーシング天井部711Aに固定される。
【0056】
第2検出部255は、上方プレート251の裏面部に相当する上方プレート下面部251Aに固定される(
図6(B))。第2検出部255は、ハウジングアーム部712の第2遮蔽部712Cに対向して配置される。第2検出部255は、第1検出部73と同様に、一対の壁部に配置された光透過式のセンサからなり、一対の壁部に発光部と受光部とが配置される。この結果、前記一対の壁部の間に第2光透過部255Aが形成される。ハウジングアーム部712の第2遮蔽部712Cが第2検出部255の第2光透過部255Aから離間されている場合、第2遮蔽部712Cは第2光透過部255Aを遮光していない。この際、第2検出部255は、不図示の制御部に対してLOW信号を出力する。一方、後記の動作によって、第2遮蔽部712Cが第2光透過部255Aを遮光している場合、第2検出部255は、不図示の制御部に対してHIGH信号を出力する。
【0057】
圧縮ばね80は、上方プレート251の上方プレート下面部251Aとハウジング71のハウジングアーム部712との間に、圧縮して配置される。詳しくは、圧縮ばね80の上端部が、上方プレート251の上方プレート下面部251Aから下方に向かって突設された突起部251Bに嵌合され、圧縮ばね80の下端部は、ハウジング71のハウジングアーム部712のプレート部712Aに当接される。ハウジング71がハウジング軸部713を支点として、連結筐体23に回動可能に支持されるにあたり、圧縮ばね80は、ハウジング71のハウジングアーム部712を下方に向かって付勢する。
【0058】
次に、
図7乃至
図12を参照して、シート検出部7の動作について詳述する。
図7は、上排出面26にシートPが排出されていない状態、すなわち第1の状態の上方排出部25の斜視図である。また、
図8は、上排出面26にシートが1枚だけ排出された状態、すなわち第2の状態の上方排出部25の斜視図である。更に、
図9は、上排出面26にシートが50枚排出され、上排出面26が満載の状態、すなわち第3の状態の上方排出部25の斜視図である。
図10乃至
図12は、
図7乃至
図9における上方排出部25を左方から見た断面図である。なお、上記の図では、シートPは図示を省略されている。
【0059】
図6、
図7および
図10を参照して、シートPが上排出面26に排出されていない場合、アクチュエータ72のシート検出片721Bは、上方プレート251の開口部252から上方に突出している。この場合、ハウジング71の内部では、
図6(B)のように、第2アーム部722の第1遮蔽部722Cは、第1検出部73の第1光透過部731から下方に離間した位置に配置される。換言すれば、第1検出部73は、第1遮蔽部722Cを検出していない。この結果、第1検出部73から出力されるLOW信号が不図示の制御部に入力されることによって、前記制御部は上排出面26上にシートが載置されていないと判断することができる。すなわち、第1の状態が検出される。更に、ハウジング71のハウジングアーム部712は、圧縮ばね80の付勢力によって下方に向かって付勢されている。このため、ハウジングアーム部712の第2遮蔽部712Cは、第2検出部255の第2光透過部255Aから下方に離間した位置に配置される。換言すれば、第2検出部255は、第2遮蔽部712Cを検出していない。
【0060】
一方、上排出ローラー対135から1枚のシートPが排紙され、上排出面26に載置されると、該1枚のシートがシート検出片721Bを下方に向かって押圧する。このため、アクチュエータ72は、アクチュエータ軸部723を支点として、
図6(B)において時計回りに回転される(
図6(A)の矢印DA)。この結果、シート検出部7は、
図8および
図11に示す状態となる。アクチュエータ72が回転されると、第2アーム部722の第1遮蔽部722Cが、第1検出部73の第1光透過部731を遮光する。この結果、第1検出部73が第1遮蔽部722Cを検出し、前記制御部にHIGH信号を出力する。したがって、前記制御部は上排出面26上にシートPが1枚載置されたと判断することができる。すなわち、第2の状態が検出される。
【0061】
アクチュエータ72の回転に伴って、第1遮蔽部722Cが第1光透過部731を遮光すると同時に、第22支持部722Bが第1検出部73の壁部732に当接する。なお、第1遮蔽部722Cが
図6(B)よりも上方に長く延設され、第1遮蔽部722Cがケーシング天井部711Aに当接する態様であってもよい。第22支持部722Bが第1検出部73の壁部732に当接すると、アクチュエータ72およびハウジング71が、一体的にハウジング軸部713を支点として回転可能とされる。なお、第2の状態では、1枚のシートがシート検出片721Bを下方に向かって付勢する力よりも、圧縮ばね80がプレート部712Aを下方に向かって付勢する力のほうが大きい。このため、依然として、第2遮蔽部712Cは第2検出部255から離間した位置に配置される。
【0062】
更に、上排出ローラー対135からシートが排紙されると、上排出面26の上に複数のシートが積載される。この結果、複数のシートの重量によって、シート検出片721Bが更に下方に押圧される。そして、上排出面26上に載置されるシート枚数が、第2の枚数に至るまで、ハウジング71はアクチュエータ72を支持したまま、圧縮ばね80を圧縮させながらハウジング軸部713まわりに回転される。この結果、シート検出部7は、
図8および
図11に示す状態となる。本実施形態では、上排出面26に最大シート積載量の50枚のシートが積載された際に、第2遮蔽部712Cが第2光透過部255Aを遮光する。この結果、第2検出部255が第2遮蔽部712Cを検出し、前記制御部にHIGH信号を出力する。すなわち、前記制御部は、上排出面26上に50枚のシートが載置され、上排出面26が満載状態に至ったと判断し、第3の状態が検出される。
【0063】
以上、上記の実施形態によれば、開口部252から出没可能なシート検出片721Bの上に載置されるシートの枚数に応じて、シート検出部7が、第1の状態、第2の状態、第3の状態を検出することが可能となる。
【0064】
また、上記の実施形態によれば、シート検出部7は、第1シート検出部7Aと、第2シート検出部7Bとを備える。第1シート検出部7Aは第1の状態と第2の状態とを検出する。更に、第2シート検出部7Bは第1シート検出部7Aを支持し、第3の状態を検出する。このため、単一のシート検出片721Bの上に載置されるシートの枚数に応じて、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とを検出することが可能となる。
【0065】
また、上記の実施形態によれば、第1シート検出部7Aは、アクチュエータ72と第1検出部73とから構成される。アクチュエータ72は、アクチュエータ軸部723と、第1アーム部721と、アクチュエータ72とを備える。また、第2シート検出部7Bは、ハウジング71と第2検出部255と圧縮ばね80(付勢手段)とから構成される。ハウジング71は、ハウジング軸部713とハウジングアーム部712とケーシング711とを備え、アクチュエータ軸部723と第1検出部73とを支持する。第1シート検出部7Aでは、第1検出部73が第1遮蔽部722Cを検出することによって、第1の状態と第2の状態とが検出される。また、第2シート検出部7Bでは、第2検出部255が第2遮蔽部712Cを検出することによって、第3の状態が検出される。
【0066】
また、上記の実施形態によれば、第1の状態では、シート検出片721Bにシートが載置されていないため、アクチュエータ72は回転されない。このため、第1遮蔽部722Cが第1検出部73から離間されることで、第1検出部73によって検出されない。また、シート検出片721Bに第1の枚数のシートが載置されると、アクチュエータ72が回転され、第1遮蔽部722Cが第1検出部73によって検出される。このため、第2の状態が検出される。更に、シート検出片721Bの上に第2の枚数のシートが載置されると、第1遮蔽部722Cがハウジング71に当接されることで、アクチュエータ72とハウジング71とが一体的に回転される。この結果、第2遮蔽部712Cが第2検出部255によって検出され、第3の状態が検出される。したがって、単一のシート検出片721Bによって、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とが好適に検出される。
【0067】
また、上記の実施形態によれば、上排出ローラー対135は、第1の方向(左右方向、
図6(A)の矢印DP)にシートを排出する。また、アクチュエータ72およびハウジング71は、第1の方向と交差する第2の方向(前後方向)を含む断面において回転される。したがって、シートの排出方向において、シート検出部7が占有する幅が可及的に縮小される。特に、上記の実施形態では、上排出面26を構成する上方プレート251の内部にシート検出部7が配置される。したがって、シート排出方向(左右方向)において、上方プレート251の幅を縮小することが可能となる。換言すれば、左右方向において、下排出ローラー対134と上排出ローラー対135を可及的に近づけて配置することが可能となる。この結果、画像形成装置1の左右方向の幅が可及的に縮小される。
【0068】
また、1枚のシートと満載状態のシート束とでは、シートの総重量が大きく異なる。このような場合であっても、上記の実施形態によれば、シート検出部7において、上排出面26に1枚のシートが載置されたことと、上排出面26が満載状態になったこととが、単一のシート検出片721Bによって好適に検出される。
【0069】
以上、本発明の実施形態に係る上方排出部25(シート積載装置)および画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0070】
(1)上記の実施形態では、ハウジング71およびアクチュエータ72は、シートの排紙方向と交差する断面において回転される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ハウジング71およびアクチュエータ72は、シートの排紙方向を含む断面などにおいて回転されてもよい。
【0071】
(2)更に、上記の実施形態では、第1検出部73および第2検出部255は、光透過式のセンサから構成される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の態様において、第1検出部73および第2検出部255は、圧電素子などの他の検出手段によって、第1遮蔽部722Cおよび第2遮蔽部712Cを検出する態様であってもよい。
【0072】
(3)更に、上記の実施形態では、第1検出部73から出力される信号によって、第1の状態と第2の状態が検出され、第2検出部255から出力される信号によって第3の状態が検出される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の変形実施形態において、第1検出部73がLOW信号を出力し、第2検出部255がHIGH信号を出力している場合、何れかの検出部に故障が生じていることが制御部によって判断されてもよい。
【0073】
(4)上記の実施形態では、第2の状態はシート1枚が上排出面26に載置された状態であり、第3の状態は、上排出面26に最大積載枚数のシートが載置された状態として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、シート検出部7は、シート検出片721Bの上にシートが載置されていない第1の状態と、シートが第1の枚数をもってシート検出片721Bの上に載置された第2の状態と、シートが第1の枚数よりも多い第2の枚数をもってシート検出片721Bの上に載置された第3の状態と、を検出する態様であってもよい。