【文献】
小柴正則,有限要素法による光・マイクロ波導波路シミュレーション,電子情報通信学会誌,社団法人電子情報通信学会,2000年11月25日,第83巻,第11号,pp.860−865
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部は、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果について高い周波数成分に比べて低い周波数成分が多いことを規定する条件を用いて、前記条件が満たされる場合に前記フィールド分布の計算結果の解がスプリアス解ではなく正常解であると判定する、
請求項1に記載の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[処理装置の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る処理装置1は、入力部11と、出力部12と、記憶部13と、制御部14を備える。
制御部14は、フィールド分布計算部21と、フーリエ変換部22と、判定用パラメータ取得部23と、判定部24と、判定結果処理部25を備える。
一構成例として、処理装置1は、コンピュータを用いて構成されており、この場合、制御部14はCPU(Central Processing Unit)などから構成されて、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0018】
入力部11は、ユーザにより操作される操作部を有し、操作部に対してユーザにより行われる操作に従って、各種の指示や、各種の文字など、様々な情報を受け付けて入力する。操作部は、様々な構成であってもよく、例えば、キーやマウスなどを用いて構成される。
出力部12は、各種の情報を出力する。出力部12は、様々な構成であってもよく、例えば、各種の文字や画像などを表示する画面や、各種の音(音声)を出力するスピーカなどを用いて構成される。
記憶部13は、各種の情報を記憶する。記憶部13は、例えば、メモリを用いて構成される。記憶部13は、例えば、制御部14により行われる処理で使用されるプログラムの情報や、パラメータの情報や、閾値の情報や、各種のデータの情報などを記憶する。
制御部14は、処理装置1における各種の処理を実行する。
【0019】
本実施形態に係る処理装置1の制御部14において行われる処理の例を示す。本実施形態では、光ファイバの製造を例とする。
フィールド分布計算部21は、有限要素法を使用して、所定のフィールドの分布を計算し、本実施形態では、光ファイバの内部における電界のフィールドの分布(空間的な分布)を計算する。
ここで、本実施形態では、処理装置1において所定のフィールドの分布を計算する構成としたが、他の構成例として、外部の装置(処理装置1以外の装置)において所定のフィールドの分布を計算し、その計算の結果を処理装置1に入力して取得する構成とすることも可能である。
【0020】
図2は、有限要素法を使用して計算された光ファイバにおける波長1.3μmに関する電界のフィールド分布の例(A)、(B)、(C)を示す図である。
図2(A)は、基本モードのフィールド分布の計算結果の例を示す。
図2(B)は、2次モードのフィールド分布の計算結果の例を示す。
図2(C)は、スプリアスモードのフィールド分布の計算結果の例を示す。これらにおいて、横軸は光ファイバの中心軸から垂直外側へ向かう半径方向の距離r[μm]を表し、縦軸は電界強度[単位は任意で良いが、
図2(A)、
図2(B)、
図2(C)で同じ単位]を表す。
図2(A)に示される基本モードの解及び
図2(B)に示される2次モードの解は正常解(物理的に正しい解)であり、
図3(C)に示されるスプリアスモードの解はスプリアス解(物理的に誤った解)である。
正常解の場合には、径方向の距離rに対して各モードに応じた数のフィールドのピークが現れるがその変化は穏やかであり、ピークは少なくとも波長の数倍の拡がりを持つ。一方、スプリアス解の場合には、非常に激しく変化したピークが現れる。
なお、各モード(スプリアスモードを除く)のフィールドは、計算の対象とした光ファイバの中に存在し得るものである。また、スプリアスモードは、1つ又は複数発生し得る。
【0021】
フーリエ変換部22は、フィールド分布計算部21により計算された電界のフィールド分布の二乗成分に対して高速フーリエ変換(FFT)の処理を行い、周波数成分へ変換する。本実施形態では、フーリエ変換部22は、0.05μmの間隔で径方向の距離rについて、r=0から256個の複素振幅絶対値をサンプリングし、周波数成分に変換している。
【0022】
ここで、本実施形態では、フィールド分布に対する高速フーリエ変換の好ましい一例として、フィールド分布の任意の軸上(本実施形態では、光ファイバの径方向の軸上)における計算対象波長(計算の対象とする波長)の10倍以上の領域で、且つ、サンプル間隔が波長の1/2以下のフィールド振幅二乗成分を高速フーリエ変換(FFT)しているが、他の態様が用いられてもよい。なお、一般に、この領域が大きい方が細かい部分を見ることができ、サンプル数が大きい方が細かい部分を見ることができる。
また、本実施形態では、フーリエ変換の一例として、高速フーリエ変換(FFT)を用いるが、他の態様が用いられてもよい。
また、本実施形態では、フィールド分布の二乗成分に対してフーリエ変換を行うが、他の構成例として、フィールド分布そのままの成分(一乗の成分)に対してフーリエ変換を行う構成が用いられてもよく、或いは、他の構成が用いられてもよい。
【0023】
図3は、電界のフィールド分布に対するFFTの計算結果の例(A)、(B)、(C)を示す図である。
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)は、それぞれ、
図2(A)、
図2(B)、
図2(C)に示される電界のフィールド分布に対するFFTの計算結果の例を示す。
図3(A)は基本モードに対応し、
図3(B)は2次モードに対応し、
図3(C)はスプリアスモードに対応する。これらにおいて、横軸は距離rの逆数[1/μm]を表し、縦軸は規格化パワー[単位は任意で良いが、
図2(A)、
図2(B)、
図2(C)で同じ単位]を表す。
【0024】
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)では、それぞれのモードにおける径方向の距離rに対する周波数成分(FFT計算結果)が示される。
図3(A)及び
図3(B)に示される正常解の場合には、周波数成分は、ほとんど、DC(Direct Current)の周辺すなわちゼロ(0)の周辺に存在する。一方、
図3(C)に示されるスプリアス解の場合には、周波数成分は、高周波数の成分の割合が多くなる。
【0025】
そこで、本実施形態では、電界のフィールド分布に対するFFTの計算結果が有するこのような特性を利用して、それぞれのモードの電界のフィールド分布がスプリアス解であるか否かを判定する。判定用パラメータ取得部23が判定用のパラメータを取得(例えば、計算により取得)し、この取得結果(例えば、計算結果)に基づいて判定部24がそれぞれのモードの電界のフィールド分布がスプリアス解であるか否かを判定する。
【0026】
判定結果処理部25は、判定部24により判定された結果に基づいて、予め定められた処理を行う。一例として、判定結果処理部25は、フィールド分布計算部21により計算された1つ以上のモードの電界のフィールド分布の情報を、スプリアス解に対応するものを(例えば、ユーザに知らせずに、自動的に)除去して、画面に表示する。他の例として、判定結果処理部25は、フィールド分布計算部21により計算された1つ以上のモードの電界のフィールド分布について、スプリアス解に対応するものを画面に表示し、又は、正常解(スプリアス解ではないもの)に対応するものを画面に表示する。
【0027】
ここで、判定用パラメータ取得部23及び判定部24により行われる処理の例として、<判定処理の第1の例>〜<判定処理の第3の例>を示す。
<判定処理の第1の例>
判定用パラメータ取得部23は、判定用のパラメータとして、各モードのFFT計算結果について、モード毎に、全ての周波数成分(全周波数成分)のパワーの総和P
aと、低い周波数成分(低周波数成分)のパワーP
Lを計算して取得する。
ここで、全周波数成分のパワーの総和P
aは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、横軸の0から無限大(又は、無限大の代わりに、予め定められた大きい所定の閾値Th0でもよい)までの積分値に相当する。本実施形態では、全周波数成分のパワーの総和P
aは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が0)からr=(サンプル数が最大値)までの積分(パワーの総和)とする。
また、低周波数成分のパワーP
Lは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、横軸の0から所定の閾値Th1(Th1<Th0<無限大)までの積分値に相当する。本実施形態では、低周波数成分のパワーP
Lは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が0)からr=(サンプル数が2)までの積分(パワーの総和)とする。
【0028】
図4は、判定処理の第1の例における判定の手法を示す図である。
判定処理の第1の例では、モード毎に、全周波数成分のパワーの総和P
aと低周波数成分のパワーP
Lとの比であるP
L/P
aの値と所定の閾値J1との大小の関係により、判定部24は、P
L/P
aの値が閾値J1より大きい場合には正常解であると判定(判別)し、P
L/P
aの値が閾値J1以下である場合にはスプリアス解であると判定(判別)する。ここで、閾値J1としては、様々な値が設定されてもよい。
図4の例では、閾値J1=0.25である。そして、
図2(A)及び
図3(A)に対応するフィールド分布では、P
L/P
aの値が0.40であり、正常解と判定される。また、
図2(B)及び
図3(B)に対応するフィールド分布では、P
L/P
aの値が0.75であり、正常解と判定される。また、
図2(C)及び
図3(C)に対応するフィールド分布では、P
L/P
aの値が0.10であり、スプリアス解と判定される。
【0029】
図5は、判定処理の第1の例に係る制御部14において正常解とスプリアス解を判定する処理の手順の一例を示すフローチャート図である。この処理は、モード毎に、全てのモードについて行う。
まず、モード毎に、フィールド分布計算部21が、フィールド分布を計算し、そして、フーリエ変換部22が、フィールド分布の計算結果を取得する(ステップS1)。
次に、フーリエ変換部22が、フィールド分布の二乗成分のFFTを行う(ステップS2)。
次に、判定用パラメータ取得部23が、全周波数成分のパワーの総和P
aと低周波数成分のパワーP
Lを計算により算出する(ステップS3)。
次に、判定部24が、全周波数成分のパワーの総和P
aと低周波数成分のパワーP
Lとの比であるP
L/P
aの値を計算により算出し、P
L/P
aの値が所定の閾値J1より大きいか否かを判定する(ステップS4)。この結果、P
L/P
aの値が所定の閾値J1より大きい場合には、判定部24は、正常解であると判定し(ステップS5)、一方、P
L/P
aの値が所定の閾値J1以下である場合には、判定部24は、スプリアス解であると判定する(ステップS6)。
【0030】
<判定処理の第2の例>
判定用パラメータ取得部23は、判定用のパラメータとして、各モードのFFT計算結果について、モード毎に、全ての周波数成分(全周波数成分)のパワーの総和P
aと、高い周波数成分(高周波数成分)のパワーP
Hを計算して取得する。
ここで、全周波数成分のパワーの総和P
aは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、横軸の0から無限大(又は、無限大の代わりに、予め定められた大きい所定の閾値Th0でもよい)までの積分値に相当する。本実施形態では、全周波数成分のパワーの総和P
aは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が0)からr=(サンプル数が最大値)までの積分(パワーの総和)とする。
また、高周波数成分のパワーP
Hは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、所定の閾値Th2(例えば、Th2は、Th1と同じ値又はTh1とは異なる値であり、Th0より小さい値)から無限大(又は、無限大の代わりに、予め定められた大きい所定の閾値Th0でもよい)までの積分値に相当する。本実施形態では、高周波数成分のパワーP
Hは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が2)からr=(サンプル数が最大値)までの積分(パワーの総和)とする。
【0031】
図6は、判定処理の第2の例における判定の手法を示す図である。
判定処理の第2の例では、モード毎に、全周波数成分のパワーの総和P
aと高周波数成分のパワーP
Hとの比であるP
H/P
aの値と所定の閾値J2との大小の関係により、判定部24は、P
H/P
aの値が閾値J2より小さい場合には正常解であると判定(判別)し、P
H/P
aの値が閾値J2以上である場合にはスプリアス解であると判定(判別)する。ここで、閾値J2としては、様々な値が設定されてもよい。
図6の例では、閾値J2=0.75である。そして、
図2(A)及び
図3(A)に対応するフィールド分布では、P
H/P
aの値が0.60であり、正常解と判定される。また、
図2(B)及び
図3(B)に対応するフィールド分布では、P
H/P
aの値が0.25であり、正常解と判定される。また、
図2(C)及び
図3(C)に対応するフィールド分布では、P
H/P
aの値が0.90であり、スプリアス解と判定される。
【0032】
図7は、判定処理の第2の例に係る制御部14において正常解とスプリアス解を判定する処理の手順の一例を示すフローチャート図である。この処理は、モード毎に、全てのモードについて行う。
まず、モード毎に、フィールド分布計算部21が、フィールド分布を計算し、そして、フーリエ変換部22が、フィールド分布の計算結果を取得する(ステップS11)。
次に、フーリエ変換部22が、フィールド分布の二乗成分のFFTを行う(ステップS12)。
次に、判定用パラメータ取得部23が、全周波数成分のパワーの総和P
aと高周波数成分のパワーP
Hを計算により算出する(ステップS13)。
次に、判定部24が、全周波数成分のパワーの総和P
aと高周波数成分のパワーP
Hとの比であるP
H/P
aの値を計算により算出し、P
H/P
aの値が所定の閾値J2より小さいか否かを判定する(ステップS14)。この結果、P
H/P
aの値が所定の閾値J2より小さい場合には、判定部24は、正常解であると判定し(ステップS15)、一方、P
H/P
aの値が所定の閾値J2以上である場合には、判定部24は、スプリアス解であると判定する(ステップS16)。
【0033】
<判定処理の第3の例>
判定用パラメータ取得部23は、判定用のパラメータとして、各モードのFFT計算結果について、モード毎に、低い周波数成分(低周波数成分)のパワーP
Lと、高い周波数成分(高周波数成分)のパワーP
Hを計算して取得する。
ここで、低周波数成分のパワーP
Lは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、横軸の0から所定の閾値Th1(Th1<Th0<無限大)までの積分値に相当する。本実施形態では、低周波数成分のパワーP
Lは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が0)からr=(サンプル数が2)までの積分(パワーの総和)とする。
また、高周波数成分のパワーP
Hは、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)に示されるそれぞれのグラフについて、所定の閾値Th2(例えば、Th2は、Th1と同じ値又はTh1とは異なる値であり、Th0より小さい値)から無限大(又は、無限大の代わりに、予め定められた大きい所定の閾値Th0でもよい)までの積分値に相当する。本実施形態では、高周波数成分のパワーP
Hは、rのサンプル数について、r=(サンプル数が2)からr=(サンプル数が最大値)までの積分(パワーの総和)とする。
【0034】
図8は、判定処理の第3の例における判定の手法を示す図である。
判定処理の第3の例では、モード毎に、低周波数成分のパワーP
Lと高周波数成分のパワーP
Hとの比であるP
H/P
Lの値と所定の閾値J3との大小の関係により、判定部24は、P
H/P
Lの値が閾値J3より小さい場合には正常解であると判定(判別)し、P
H/P
Lの値が閾値J3以上である場合にはスプリアス解であると判定(判別)する。ここで、閾値J3としては、様々な値が設定されてもよい。
図8の例では、閾値J3=3である。そして、
図2(A)及び
図3(A)に対応するフィールド分布では、P
H/P
Lの値が1.50であり、正常解と判定される。また、
図2(B)及び
図3(B)に対応するフィールド分布では、P
H/P
Lの値が0.33(正確には、1/3)であり、正常解と判定される。また、
図2(C)及び
図3(C)に対応するフィールド分布では、P
H/P
Lの値が9.00であり、スプリアス解と判定される。
【0035】
図9は、判定処理の第3の例に係る制御部14において正常解とスプリアス解を判定する処理の手順の一例を示すフローチャート図である。この処理は、モード毎に、全てのモードについて行う。
まず、モード毎に、フィールド分布計算部21が、フィールド分布を計算し、そして、フーリエ変換部22が、フィールド分布の計算結果を取得する(ステップS21)。
次に、フーリエ変換部22が、フィールド分布の二乗成分のFFTを行う(ステップS22)。
次に、判定用パラメータ取得部23が、低周波数成分のパワーP
Lと高周波数成分のパワーP
Hを計算により算出する(ステップS23)。
次に、判定部24が、低周波数成分のパワーP
Lと高周波数成分のパワーP
Hとの比であるP
H/P
Lの値を計算により算出し、P
H/P
Lの値が所定の閾値J3より小さいか否かを判定する(ステップS24)。この結果、P
H/P
Lの値が所定の閾値J3より小さい場合には、判定部24は、正常解であると判定し(ステップS25)、一方、P
H/P
Lの値が所定の閾値J3以上である場合には、判定部24は、スプリアス解であると判定する(ステップS26)。
【0036】
<処理装置についてのまとめ>
以上のように、本実施形態に係る処理装置1は、有限要素法を使用した電界の計算において、計算結果として得られたフィールド分布に対するフーリエ変換の結果(一例として、任意の軸上における計算対象波長の10倍以上の領域で、且つ、サンプル間隔が波長の1/2以下のフィールド振幅二乗成分を高速フーリエ変換した結果)に基づいて、予め定められた判定の条件に従って、低周波数成分の方が高周波数成分よりも多いことを示す所定の条件(前記した判定の条件)が満たされた場合に、得られた計算結果が正しい(正常解である)と判定する一方、他の場合にスプリアス解であると判定する。
【0037】
一構成例(判定処理の第1の例)では、処理装置1は、フーリエ変換の結果について、その振幅二乗成分の総和P
aを求めるとともに、サンプル総数N以下で0でない数nを設定して、周波数が0からn個の振幅二乗成分の総和P
Lを求め、その比P
L/P
aが、0より大きく1より小さい特定の値J1より大きい場合に、得られた計算結果が正しい(正常解である)と判定する一方、他の場合にスプリアス解であると判定することで、計算結果の良否を判定する。
一構成例(判定処理の第2の例)では、処理装置1は、フーリエ変換の結果について、その振幅二乗成分の総和P
aを求めるとともに、サンプル総数N以下で0でない数nを設定して、周波数がn個目からN個目までの振幅二乗成分の総和P
Hを求め、その比P
H/P
aが、0より大きく1より小さい特定の値J2より小さい場合に、得られた計算結果が正しい(正常解である)と判定する一方、他の場合にスプリアス解であると判定することで、計算結果の良否を判定する。
一構成例(判定処理の第3の例)では、処理装置1は、フーリエ変換の結果について、サンプル総数N以下で0でない数nを設定し、周波数が0からn個の振幅二乗成分の総和P
Lと、周波数がn個目からN個目までの振幅二乗成分の総和P
Hを求め、その比P
H/P
Lが特定の値J3より小さい場合に、得られた計算結果が正しい(正常解である)と判定する一方、他の場合にスプリアス解であると判定することで、計算結果の良否を判定する。
【0038】
ここで、フーリエ変換の結果について、判定用パラメータ取得部23により取得する判定用のパラメータや、その判定用のパラメータに基づいて判定部24により解が正常解であるか又はスプリアス解であるかを判定する条件としては、それぞれ、様々な態様が用いられてもよい。
本実施形態とは異なる構成例として、フーリエ変換の結果について、最大のピークが存在する周波数を判定用のパラメータとして、周波数が0のところに最大のピークが存在する場合に正常解であると判定する一方で他の場合にスプリアス解であると判定する条件を用いることができる。他の例として、フーリエ変換の結果について、最大のピークが存在する周波数を判定用のパラメータとして、周波数が所定の閾値以下のところに最大のピークが存在する場合に正常解であると判定する一方で他の場合にスプリアス解であると判定する条件を用いることができる。
なお、判定で用いられる条件(例えば、条件自体の内容、又は、条件中で用いられる閾値など)は、例えば、予め固定的に設定されてもよく、又は、ユーザや装置などにより変更することが可能であってもよい。
【0039】
以上のように、本実施形態に係る処理装置1によると、例えば、特定の電界モードを有する媒体について、有限要素法を使用してその媒体の電界のフィールドを理論計算するときに発生し易いスプリアス解を除去することができる。これにより、例えば、光ファイバなどの製造において、有限要素法を使用する解析で発生するスプリアス解を除去することを可能とすることができる。
一例として、本実施形態に係る処理装置1により行われる処理のアルゴリズムとして、比較的簡易なアルゴリズムを用いて、有限要素法を使用して得られた各モードの解について、正しい解(正常解)であるか又は誤った解(スプリアス解)であるかの判断を行うことができる。
【0040】
ここで、本実施形態では、媒体として、光ファイバに適用した場合を示したが、他の構成例として、様々な媒体に適用されてもよく、例えば、同軸、又は、導波管などに適用することもできる。
また、本実施形態では、フィールドとして、電界のフィールドに適用した場合を示したが、他の構成例として、様々なフィールドに適用されてもよく、例えば、磁界又は温度などの物理量のフィールドに適用することもできる。
【0041】
また、本実施形態では、フィールドの情報(本実施形態では、
図2(A)、
図2(B)、
図2(C)に示される情報)として、1次元(一方向による直線)のフィールドの情報を用いたが、他の構成例として、2次元(二方向による平面)のフィールドの情報、又は、3次元(三方向による空間)のフィールドの情報などを用いることもできる。
一例として、本実施形態では、光ファイバの断面の円の中心に対して点対称であるフィールド分布を用いて、1次元のフーリエ変換の計算によりフィールド分布の情報をフーリエ変換したが、他の構成例として、対称性がないフィールド分布を用いる場合に、2次元などに拡張することもできる。
【0042】
なお、本実施形態に係る処理装置1により行う処理の対象とするフィールド分布の軸(任意の軸)としては、様々な軸が用いられてもよい。一例として、光ファイバが曲げられると、その断面の円の半径方向の軸毎に、曲げによって受ける影響(例えば、屈折率の歪みによる影響)が異なり得るため、フィールド分布が異なり得る。
【0043】
[製造システムの説明]
図10は、本発明の一実施形態に係る製造システム101の構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る製造システム101は、処理装置201と、加工装置202と、これらの装置を接続する回線203を備える。なお、回線203としては、例えば、有線の回線が用いられてもよく、又は、無線の回線が用いられてもよい。
処理装置201は、入力部211と、出力部212と、記憶部213と、制御部214と、通信部215を備える。制御部214は、フィールド分布計算部221と、フーリエ変換部222と、判定用パラメータ取得部223と、判定部224と、判定結果処理部225と、通信制御部226を備える。
加工装置202は、通信部301と、記憶部302と、制御部303と、加工部304を備える。制御部303は、加工制御部311と、通信制御部312を備える。
【0044】
処理装置201について説明する。
処理装置201に備えられた入力部211、出力部212、記憶部213の機能は、それぞれ、例えば、
図1に示される処理装置1に備えられた入力部11、出力部12、記憶部13の機能と同様である。
処理装置201の制御部214に備えられたフィールド分布計算部221、フーリエ変換部222、判定用パラメータ取得部223、判定部224の機能は、それぞれ、例えば、
図1に示される処理装置1の制御部14に備えられたフィールド分布計算部21、フーリエ変換部22、判定用パラメータ取得部23、判定部24の機能と同様である。
【0045】
通信部215は、回線203を介して、加工装置202(その通信部301)との間で通信を行う。
判定結果処理部225は、例えば、
図1に示される処理装置1の制御部14に備えられた判定結果処理部25と同様な機能を有し、また、判定結果に関する情報を通信制御部226に通知する機能を有する。一例として、判定結果処理部225は、判定部224により判定された結果に基づいて、フィールド分布計算部221により計算された1つ以上のモードの電界のフィールド分布の情報を、スプリアス解に対応するものを(例えば、ユーザに知らせずに、自動的に)除去して、判定結果に関する情報として、通信制御部226に通知する。
通信制御部226は、通信部215により行われる通信を制御し、例えば、判定結果に関する情報を通信部215により加工装置202(その通信部301)へ送信する。
【0046】
加工装置202について説明する。
通信部301は、回線203を介して、処理装置201(その通信部215)との間で通信を行い、例えば、処理装置201(その通信部215)から判定結果に関する情報を受信する。
記憶部302は、各種の情報を記憶する。記憶部302は、例えば、メモリを用いて構成される。記憶部302は、例えば、制御部303により行われる処理で使用されるプログラムの情報や、パラメータの情報や、閾値の情報や、各種のデータの情報などを記憶する。
制御部303は、加工装置202における各種の処理を実行する。
加工部304は、光ファイバの製造に関して、様々な加工の作業を行う。
加工制御部311は、加工部304により行われる加工の作業を制御する。
通信制御部312は、通信部301により行われる通信を制御する。
【0047】
ここで、加工制御部311は、処理装置201から受信された判定結果に関する情報に基づいて、加工部304により行われる加工の作業の内容を変更することができる。加工の作業の内容の変更としては、例えば、判定結果に関する情報に基づいて、加工の作業で用いるパラメータなどの値を調整することなどができる。
また、一例として、加工装置202と処理装置201との間で情報をやりとりしながら加工装置202により加工の作業を行うことも可能である。例えば、加工装置202の加工制御部311が所望の処理(計算や判定)の内容を示す情報を通信部301から処理装置201へ送信し、処理装置201の制御部214が受信した当該情報により示される処理を行ってその処理の結果に関する情報(例えば、判定結果に関する情報)を通信部215から加工装置202へ送信し、加工装置202の加工制御部311が受信した当該情報に基づいて加工の作業を制御するようなことができる。
【0048】
光ファイバの製造に関して、具体例を示す。
一般に、ガラス製の光ファイバは、母材の製造と、線引きの2工程で製造される。
本実施形態に係る加工装置202は、VAD(Vapor−phase Axial Desposition)法やOVD(Outside vapor desposition)法などのスート法で作製されたガラス多孔質体を焼結し透明ガラス化することで石英ガラス系光ファイバ母材を作製する。必要に応じて、更にクラッドの一部若しくは全部となるガラスをOVD法やロッドインチューブ法などにより付加することもある。
【0049】
クラッドを付与する前及び後には、作製した光ファイバ母材の屈折率分布を測定する。この屈折率分布を元に、電界のフィールド分布を計算し、この計算結果に基づいて、線引き(ガラスの塊から細くして切ること)をした後における光ファイバの伝送特性を推定する。そして、フィールド分布の計算に有限要素法を使用する場合に、解の正否(正常解であるか、又は、スプリアス解であるか)を判定する機能(例えば、プログラムなど)を組み込んだ処理装置201を用いると、光ファイバの伝送特性を推定することを高精度に行うことができる。
【0050】
また、推定された特性の値が目標となる特性の値に対して違う(例えば、所定の閾値を超えて違う)場合には、所望の特性となるように調整される。この調整の例として、クラッド部が全部付与された場合には、外周を研削することを行う調整方法などがあり、また、後工程で更にクラッドを付与する場合には、付与するクラッドの厚さや屈折率を変更することを行う調整方法や、外周を研削してからクラッドを付与することを行う調整方法などがある。
ここで、外径(外周)の研削としては、例えば、機械研削、火炎研磨、プラズマやフッ酸によるエッチングなどを用いることができる。クラッドの厚さの調整としては、例えば、OVD法では、付着させるガラス微粒子の量の調整を用いることができ、また、ロッドインチューブ法では、使用するガラス管の厚さを調整することができる。クラッドの屈折率の調整としては、例えば、付与するクラッドのドーパント材や量の調整を用いることができる。
【0051】
<製造システムについてのまとめ>
以上のように、本実施形態に係る製造システム101では、処理装置201が有限要素法を使用してフィールド分布を計算することやスプリアス解に関する所定の判定を行い、それに関する情報(例えば、判定結果に関する情報)を加工装置202に通知し、加工装置202がその情報に基づいて光ファイバの製造を行うことができる。これにより、良質な光ファイバの製造を図ることができる。
【0052】
一構成例として、本実施形態に係る製造システム101では、加工装置202において光ファイバ母材の屈折率分布を測定する工程を持ち、測定された屈折率分布を元に、処理装置201において、電界のフィールド分布を計算し、その計算結果についてスプリアス解を判定して除去し、そして、加工装置202において、スプリアス解が除去された計算結果に基づいて、光ファイバの伝送特性を推定し、その推定結果が所望の特性となるように、光ファイバ母材を調整することで、光ファイバ母材を製造する。光ファイバ母材を調整する方法としては、例えば、光ファイバ母材を外周研削する方法や、後工程で付与するガラスの厚さを調整する方法や、後工程で付与するガラスの屈折率を調整する方法などを用いることができる。
なお、屈折率分布の測定や、光ファイバの伝送特性の推定や、推定結果と所望の特性との比較は、それぞれ、例えば、処理装置201において行われてもよく、或いは、加工装置202において行われてもよい。
【0053】
ここで、本実施形態では、製造システム101における各装置(処理装置201、加工装置202)が予め定められた手順に従って自動的に全ての処理を実行する構成を示したが、他の構成例として、一部の処理(例えば、任意の処理)をユーザ(人)が実行する構成を用いることもできる。
一例として、ユーザが加工装置202を操作して加工装置202により光ファイバを製造する際に、処理装置201の画面に表示される(又は、他の出力の態様でもよい)フィールド分布の計算結果(スプリアス解を除去したもの、又は、スプリアス解である解が判定されているもの)をユーザが見て、それを考慮してユーザが加工装置202を操作して、製造の後工程(製品を完成させる仕上げの工程)において、光ファイバのコアやクラッドを加工(例えば、微調整の加工など)して、品質の精度を向上させることができる。
【0054】
また、例えば、
図1に示される処理装置1(例えば、単体の処理装置1)の画面に表示される(又は、他の出力の態様でもよい)フィールド分布の計算結果(スプリアス解を除去したもの、又は、スプリアス解である解が判定されているもの)をユーザが見て、それを考慮してユーザが光ファイバの製造に関する設計や加工の調整などを行ってもよい。
なお、本実施形態では、光ファイバの製造システム101を示したが、他の構成例として、製造する対象となる製品としては、様々なものであってもよく、例えば、同軸の製造システム、又は、導波管の製造システムなどに適用することもできる。
【0055】
[以上の実施形態に係る構成例]
以下に構成例を示すが、これに限られず、他の様々な構成が用いられてもよく、また、カテゴリとしても、装置、方法、プログラム、システムなど、様々なものが用いられてもよい。
【0056】
<構成例1−1>
有限要素法を使用して計算された所定のフィールド分布についてフーリエ変換を行うフーリエ変換部(
図1の例では、フーリエ変換部22)と、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果に基づいて判定用のパラメータを取得する判定用パラメータ取得部(
図1の例では、判定用パラメータ取得部23)と、前記判定用パラメータ取得部により取得された判定用のパラメータに基づいて前記フィールド分布の計算結果におけるモード毎の解がスプリアス解であるか否かを判定する判定部(
図1の例では、判定部24)と、を備える処理装置(
図1の例では、処理装置1)、である。
【0057】
<構成例1−2>
<構成例1−1>に記載の処理装置において、前記判定部は、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果について高い周波数成分に比べて低い周波数成分が多いことを規定する条件(例えば、
図4及び
図5、
図6及び
図7、
図8及び
図9のぞれぞれに示される正常解の条件)を用いて、前記条件が満たされる場合に前記フィールド分布の計算結果の解がスプリアス解ではなく正常解であると判定する。
【0058】
<構成例1−3>
<構成例1−1>又は<構成例1−2>に記載の処理装置において、有限要素法を使用して前記所定のフィールド分布を計算するフィールド分布計算部(
図1の例では、フィールド分布計算部21)を備え、前記フーリエ変換部は、前記フィールド分布計算部により計算されたフィールド分布についてフーリエ変換を行う。
【0059】
<構成例1−4>
<構成例1−1>から<構成例1−3>のいずれか1つに記載の処理装置において、前記判定部により判定された結果に基づいて予め定められた処理を行う判定結果処理部(
図1の例では、判定結果処理部25)を備える。
【0060】
<構成例1−5>
<構成例1−1>から<構成例1−4>のいずれか1つに記載の処理装置において、前記所定のフィールド分布は、光ファイバにおける電界のフィールド分布である。
【0061】
<構成例1−6>
フーリエ変換部が、有限要素法を使用して計算された所定のフィールド分布についてフーリエ変換を行い、判定用パラメータ取得部が、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果に基づいて判定用のパラメータを取得し、判定部が、前記判定用パラメータ取得部により取得された判定用のパラメータに基づいて前記フィールド分布の計算結果におけるモード毎の解がスプリアス解であるか否かを判定する、処理方法(
図1の例では、処理装置1において行われる処理方法)、である。
【0062】
<構成例1−7>
フーリエ変換部が、有限要素法を使用して計算された所定のフィールド分布についてフーリエ変換を行うステップと、判定用パラメータ取得部が、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果に基づいて判定用のパラメータを取得するステップと、判定部が、前記判定用パラメータ取得部により取得された判定用のパラメータに基づいて前記フィールド分布の計算結果におけるモード毎の解がスプリアス解であるか否かを判定するステップと、をコンピュータ(
図1の例では、処理装置1を構成するコンピュータ)に実行させるためのプログラム(処理プログラム)、である。
【0063】
<構成例2−1>
処理装置(
図10の例では、処理装置201)と加工装置(
図10の例では、加工装置202)を有し、前記処理装置は、有限要素法を使用して計算された所定のフィールド分布についてフーリエ変換を行うフーリエ変換部(
図10の例では、フーリエ変換部222)と、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果に基づいて判定用のパラメータを取得する判定用パラメータ取得部(
図10の例では、判定用パラメータ取得部223)と、前記判定用パラメータ取得部により取得された判定用のパラメータに基づいて前記フィールド分布の計算結果におけるモード毎の解がスプリアス解であるか否かを判定する判定部(
図10の例では、判定部224)と、前記判定部により判定された結果に関する情報を前記加工装置へ送信する通信部(
図10の例では、通信部215)と、を備え、前記加工装置は、製造対象(例えば、光ファイバなど)の製造に関して加工の作業を行う加工部(
図10の例では、加工部304)と、前記処理装置から送信される前記判定された結果に関する情報を受信する通信部(
図10の例では、通信部301)と、前記通信部により受信された前記判定された結果に関する情報に基づいて前記加工部により行われる加工の作業を制御する加工制御部(
図10の例では、加工制御部311)と、を備える、製造システム(
図10の例では、製造システム101)、である。
【0064】
<構成例2−2>
処理装置では、フーリエ変換部が、有限要素法を使用して計算された所定のフィールド分布についてフーリエ変換を行い、判定用パラメータ取得部が、前記フーリエ変換部により得られたフーリエ変換の結果に基づいて判定用のパラメータを取得し、判定部が、前記判定用パラメータ取得部により取得された判定用のパラメータに基づいて前記フィールド分布の計算結果におけるモード毎の解がスプリアス解であるか否かを判定し、通信部が、前記判定部により判定された結果に関する情報を加工装置へ送信し、前記加工装置では、加工部が、製造対象の製造に関して加工の作業を行い、通信部が、前記処理装置から送信される前記判定された結果に関する情報を受信し、加工制御部が、前記通信部により受信された前記判定された結果に関する情報に基づいて前記加工部により行われる加工の作業を制御する、製造方法(
図10の例では、製造システム101において行われる製造方法)、である。
【0065】
[以上の実施形態のまとめ]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
また、以上に示した実施形態に係る各装置(例えば、処理装置1、201、加工装置202)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
【0067】
なお、ここで言う「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを言う。
【0068】
更に、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、或いは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことを言う。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。