(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789638
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】電解水生成装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/46 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
C02F1/46 A
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-107357(P2013-107357)
(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-226594(P2014-226594A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2013年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】591201686
【氏名又は名称】株式会社日本トリム
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橘 孝士
(72)【発明者】
【氏名】谷口 速男
【審査官】
金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−087766(JP,A)
【文献】
特開平07−042948(JP,A)
【文献】
特開2007−268436(JP,A)
【文献】
実開平02−027770(JP,U)
【文献】
特開2001−340857(JP,A)
【文献】
特表2006−505382(JP,A)
【文献】
特開2004−114036(JP,A)
【文献】
特開2003−043959(JP,A)
【文献】
特開2000−166669(JP,A)
【文献】
特開2006−198500(JP,A)
【文献】
特開平07−039876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46− 1/48
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に電解槽が収容された電解水生成装置であって、
前記ハウジングは、互いに対向して配置された対向パネルと、前記両対向パネルの一端部同士を接続する接続パネルとを有しており、
前記ハウジングには、
前記接続パネルを正面から見たときないし前記両対向パネルの正面から見たときに視認可能であってかつ前記ハウジング内から外部空間に対して当該電解水生成装置の吐水状態を示す光を透過させる複数の透光部と、
使用者が当該電解水生成装置に所定の作動をさせるための複数の操作部とが設けられており、
前記透光部と前記操作部とは、水の種別数が互いに同じになるように設けられ、
前記複数の操作部は、前記両対向パネルのそれぞれの外側から前記吐水状態の選択が可能に構成されており、
前記各操作部は、それぞれ、該操作部で選択された吐水状態を示す前記透光部と上下方向の高さ位置が揃うように配置されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の電解水生成装置において、
前記複数の操作部は、前記対向パネルにおける前記接続パネル寄りの部位に配置されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の電解水生成装置において、
前記接続パネルは、前記ハウジングの外方に向かって突出する断面円弧形状に形成されており、
前記透光部は、少なくとも前記接続パネルの幅方向における中央の両側部に設けられている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項4】
請求項3記載の電解水生成装置において、
前記接続パネルの中央の両側部に設けられた前記透光部同士は、該接続パネルの幅方向において互いに連続している
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちの少なくともいずれか1項に記載の電解水生成装置において、
前記ハウジング内において、前記透光部に近接して配置され、かつ前記電解水生成装置の吐水状態に応じて発光して吐水状態を表示する発光部を有する
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電解水生成装置において、
前記透光部は、前記発光部の光を外部空間へ導く導光部によって構成されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項7】
請求項5記載の電解水生成装置において、
前記ハウジング内に、前記発光部が取り付けられた回路基板を備え、該回路基板は、前記接続パネルに近接しかつ対向するように配置されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項8】
請求項1または2記載の電解水生成装置において、
商用電源からの電源供給を受けて、前記電解槽に供給する電解用電源を生成するトランスを有する電源回路を備えており、
前記操作部は、少なくとも2つのセンサ素子を有する静電容量型のタッチセンサであり、
前記電源回路は、前記接続パネルから離間して配置されている一方、前記各センサ素子は、前記ハウジング内において、前記電源回路よりも前記接続パネルに近い位置の前記対向パネルに配置されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項9】
請求項8記載の電解水生成装置において、
少なくともいずれか一方の前記センサ素子と前記電源回路との間にシールドが設けられている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項10】
請求項8記載の電解水生成装置において、
前記ハウジング内において、前記透光部に近接して配置され、かつ前記電解水生成装置の吐水状態に応じて発光して吐水状態を表示する発光部を有し、
前記タッチセンサは、該タッチセンサを制御するセンサコントローラに接続されており、
前記発光部および前記センサコントローラが取り付けられた回路基板を備え、該回路基板は、前記接続パネルに近接しかつ対向するように配置されている
ことを特徴とする電解水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を電気分解することによって電解水を生成する電解槽を備えた電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電解槽に電圧を印加して電解イオン水を生成するためのイオン水生成装置において、本体ケースの表面に設けられた本体操作パネルにpH切り替えスイッチ等を設け、使用者の目的に応じたイオン水や浄水を吐水する技術が開示されている。この特許文献1では、使用者は本体操作パネルに表示される表示部分の点灯によってpHの度合いを視認することができる。
【0003】
特許文献2には、電解イオン水の表示を用途別に分け、その用途別の表示をさらに細分化して表示することにより、使用者にわかりやすく表示する技術が開示されている。
【0004】
特許文献3には、薄型の箱形状のイオン水生成器において、本体における幅狭の長手側面に操作部が配置されている技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−132041号公報
【特許文献2】特開2006−223940号公報
【特許文献3】特開2003−334556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の一般的なキッチンにおいては、電解水生成装置は、装置の背面に壁があるような場所に設置されている。しかしながら、近年の対面型のカウンターキッチンやアイランドキッチン等の普及により、背面に壁がないような場所への電解水生成装置の設置が望まれるようになった。
【0007】
しかしながら、特許文献1から3に開示されているような従来の電解水生成装置では、所定の一面のみ(例えば表面や幅狭の長手側面)に操作パネルが設けられ、吐水状況を確認する表示も操作部と同一面のみに設けられている。特許文献3では、操作部の表示シールを前側の側面に貼り付け、操作部が見えなくても表示シールを手がかりに操作ボタンが操作できるようにしている。しかしながら、表示の確認は幅狭の長手側面側から行う必要があり、操作においても実際に操作を行うのは幅狭の長手側面側からに限定されていた。
【0008】
このため、背面に壁がないような場所に上述のような従来の電解水生成装置を設置した場合、吐水されている水の状態を確認するためには回り込んで確認する必要があった。また、特許文献3のイオン水生成器において、表示シールを手がかりに操作ボタンを操作したとしても、正しく操作されたか否かを確認するためには、やはり回り込んで表示部分(特許文献3ではランプ)を確認する必要があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、設置場所に関わらず、使用者にとって表示の確認がしやすい電解水生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電解水生成装置の互いに対向して配置された両対向パネル、およびその対向パネルの一端部同士を接続する接続パネルのそれぞれの正面から見ても吐水状態を視認可能に構成したものである。
【0011】
すなわち、本発明の第1態様では、ハウジング内に電解槽が収容された電解水生成装置において、ハウジングは、互いに対向して配置された対向パネルと、両対向パネルの一端部同士を接続する接続パネルとを有している。そして、ハウジングには、接続パネルの正面から見たときないし両対向パネルの正面から見たときに視認可能であってかつハウジング内から外部空間に対して電解水生成装置の吐水状態を示す光を透過させる
複数の透光部と、使用者が電解水生成装置に所定の作動をさせるための
複数の操作部とが設けられており、
前記透光部と前記操作部とは、水の種別数が互いに同じになるように設けられ、複数の操作部は、両対向パネルのそれぞれの外側から
吐水状態の選択が可能に構成されて
おり、各操作部は、それぞれ、該操作部で選択された吐水状態を示す透光部と上下方向の高さ位置が揃うように配置されている。
【0012】
この態様によると、電解水生成装置の吐水状態を示す透光部が、接続パネルの正面および両対向パネルの正面(以下、3面ともいう)から見たときに視認可能であるため、3面から電解水生成装置の吐水状態を確認することができる。これにより、例えばアイランドキッチンのような場所に電解水生成装置を設置した場合においても、使用者は回り込んで表示を確認する必要がなく、3面から吐水状態が容易に確認できる。すなわち、使用者にとって吐水状態を示す表示の確認がしやすい電解水生成装置を提供することができる。さらに、操作部は、両対向パネルのそれぞれの外側から操作可能であるため、使用者は対向パネルの両側において、透光部の吐水状態の確認と、例えば吐水状態の変更操作とを行うことができる。これにより、例えば吐水用の吐水管が両対向パネルの外側で動かせるフレキシブル性を有する場合、電解水生成装置の配置を変えることなく、使用者は、電解水生成装置の両側において、操作部の操作をしかつ
該操作位置と上下方向の高さ位置が揃った透光部
で吐水状態を確認しながら取水することができる。
【0013】
本発明の第2態様では、第1態様記載の電解水生成装置において、前記複数の操作部は、前記対向パネルにおける前記接続パネル寄りの部位に配置されている。
【0014】
この態様によると、使用者にとってより表示が確認しやすい電解水生成装置を提供することができる。
【0015】
本発明の第
3態様では、第1
または第2態様記載の電解水生成装置において、接続パネルは、ハウジングの外方に向かって突出する断面円弧形状に形成されており、透光部は、少なくとも接続パネルの幅方向における中央の両側部に設けられている。
【0016】
この態様によると、透光部は、断面円弧形状に形成された接続パネルの幅方向における少なくとも中央の両側部に設けられているため、透光部は、接続パネルの正面および両対向パネルの正面から見たときに視認可能である。また、視認可能な3面に対し、透光部は少なくとも2つ設ければよいため、例えば、発光素子を用いて透光部を介して電解水生成装置の吐水状態を表示する場合には、視認可能な3面のすべてに透光部を設ける場合と比較して、その発光素子の必要数を削減することができる。
【0017】
本発明の第
4態様では、第
3態様記載の電解水生成装置において、接続パネルの中央の両側部に設けられた透光部同士は、接続パネルの幅方向において互いに連続している。
【0018】
この態様によると、接続パネルの中央の両側部に設けられた透光部同士は、接続パネルの幅方向において互いに連続しているため、視認可能な3面に対し、透光部は少なくとも1つ設ければよい。そのため、例えば、発光素子を用いて透光部を介して電解水生成装置の吐水状態を表示する場合には、視認可能な3面のすべてに透光部を設ける場合と比較して、さらにその発光素子の必要数を削減することができる。
【0019】
本発明の第
5態様では、第1態様から第
4態様のうちの少なくともいずれか一態様に記載の電解水生成装置において、ハウジング内において、透光部に近接して配置され、かつ電解水生成装置の吐水状態に応じて発光して吐水状態を表示する発光部を有する。
【0020】
この態様によると、使用者は発光部によって表示された吐水状態を、透光部を介して視認することができる。これにより、例えば少し暗いような室内においても、使用者は吐水状態を明確に視認することができる。
【0021】
本発明の第
6態様では、第
5態様記載の電解水生成装置において、透光部は、発光部の光を外部空間へ導く導光部によって構成されている。
【0022】
この態様によると、使用者は発光部によって表示された吐水状態を、導光部を介して視認することができる。これにより、第4態様と同様に、使用者は吐水状態をより明確に視認することができるとともに、同じ視認効果を得るための必要な光量を削減することができるため、発光部に使用する発光素子の選択肢が広がる。
【0023】
本発明の第
7態様では、第
5態様記載の電解水生成装置において、ハウジング内に、発光部が取り付けられた回路基板を備え、その回路基板は、接続パネルに近接して、かつ接続パネルと対向するように配置されている。
【0024】
この態様によると、回路基板は接続パネルに近接した場所に配置されており、この場所は、構造上対向パネルの外側面から加えられる押力に強い位置である。これにより、発光部の発光面を接続パネルに対向させるために、回路基板を接続パネルに対向するように配置したとしても、回路基板が両側面外方からの力を受けて損傷したりすることを防ぐことができる。これにより、回路基板の厚さを薄くしたとしても、対向パネルの幅方向内側のぎりぎりまで回路基板の幅を広げることができる。
【0025】
本発明の第
8態様では、第1
または2態様記載の電解水生成装置において、商用電源からの電源供給を受けて、電解槽に供給する電解用電源を生成するトランスを有する電源回路を備えており、操作部は、少なくとも2つのセンサ素子を有する静電容量型のタッチセンサであり、電源回路は、接続パネルから離間して配置されている一方、各センサ素子は、ハウジング内において、電源回路よりも接続パネルに近い位置の対向パネルに配置されている。
【0026】
この態様によると、各センサ素子は、電解槽に電解用電源を供給する電源回路よりも接続パネルに近い位置に配置され、すなわち電源回路と各センサ素子とが離間して配置されている。これにより、各センサ素子の検出信号に電源回路からのノイズの影響が出ることを防ぐことができる。
【0027】
本発明の第
9態様では、第
8態様記載の電解水生成装置において、少なくともいずれか一方のセンサ素子と電源回路との間にシールドが設けられている。
【0028】
この態様によると、少なくともいずれか一方のセンサ素子と電源回路との間にシールドが設けられているため、各センサ素子の検出信号に電源回路からのノイズの影響が出ることをより確実に防ぐことができる。
【0029】
本発明の第
10態様では、第
8態様記載の電解水生成装置において、ハウジング内において、透光部に近接して配置され、かつ電解水生成装置の吐水状態に応じて発光して吐水状態を表示する発光部を有し、タッチセンサは、タッチセンサを制御するセンサコントローラに接続されている。そして、電解水生成装置は、発光部およびセンサコントローラが取り付けられた回路基板を備え、その回路基板は、接続パネルに近接しかつ対向するように配置されている。
【0030】
この態様によると、回路基板は接続パネルに近接した場所に配置されており、この場所は、構造上対向パネルの外側面から加わる押力に強い位置である。これにより、発光部を接続パネルと対向させるために回路基板を接続パネルと対向するように配置したとしても、回路基板が両側面外方からの力を受けることを防ぐことができる。これにより、例えば、回路基板の側方にタッチセンサのセンサ素子を配置しても、回路基板の幅の確保と、センサ素子が回路基板に接触してタッチセンサが誤作動することの防止とを両立することができる。さらに、回路基板を薄板化することが可能になる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、電解水を生成する電解槽を備えた電解水生成装置において、両対向パネルおよびその対向パネルの端部同士を接続する接続パネルのそれぞれの正面から見たときに電解水生成装置の吐水状態を示す透光部が視認可能であるため、使用者にとって表示の確認がしやすい電解水生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施形態に係る電解水生成装置を斜め前方上側から見た斜視図である。
【
図2】実施形態に係る電解水生成装置の右側面図である。
【
図3】実施形態に係る電解水生成装置の左側面図である。
【
図4】実施形態に係る電解水生成装置の内部構成を示す概略図である。
【
図5】実施形態に係る電解水生成装置の平面図を示す、
図4のX−X線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0034】
図1〜5は、実施形態に係る電解水生成装置Aを示した図であり、電解水生成装置Aは装置本体40を収容するためのハウジング10を備える。
【0035】
ハウジング10は、
図1および
図4に示すように、互いに対向して配置された上下方向に延びる対向パネル11,12と、両対向パネル11,12の上端および下端間をそれぞれ一体に接続する上パネル14および底パネル16と、両対向パネル11,12の前端(
図1で左側)間を一体に接続し、かつハウジング10の外方に向かって断面円弧形状に突出するように形成された接続パネル13とを備えている。このハウジング10には、電解水生成装置Aの後方に配置された収容カバー15が、装置本体40に装着される浄水カートリッジ80を収容するように接続されており、装置本体40に取り外し可能に取り付けられている。なお、以下の説明において、「前」とは接続パネル13側を、「後」とは収容カバー15側を指すものとする。
【0036】
電解水生成装置Aは、さらに、ハウジング10の上パネル14の上面から上方に突出する円筒状のキャップ21と、キャップ21の外周側面に水平方向に向かって延びるように接続され、かつ吐水方向が変更可能なフレキシブル管からなる吐水管22と、吐水管22の先端に取り付けられた吐水ノズル23と、ハウジング10の底面に取り付けられた二対の支持足24,24…と、ハウジング10内から外部空間に対して電解水生成装置Aの吐水状態を示す光を透過させる導光部としての導光板43,43,…,44,45,45とを備えている。
【0037】
接続パネル13には、上端寄りの部分に、接続パネル13の幅方向に延びてハウジング10内と外部空間とを連通する4つの貫通孔31,31,…が開口され、各貫通孔31の上下には、接続パネル13からハウジング内を前後方向に延びる導光支持部47が接続パネル13と一体に形成されている。導光板43,43,…は、接続パネル13の外には突出しないように、ハウジング10内から導光支持部47に嵌め込んで固定されて電解水生成装置Aの吐水状態を示す光をハウジング10の外部空間へ導いている。
【0038】
同様に、接続パネル13には、貫通孔31,31,…の下側に幅方向に延びる貫通孔32,33,33が開口され、貫通孔32,33,33の上下にはそれぞれハウジング内を前後方向に延びる導光支持部48,49が接続パネル13と一体に形成されている。導光板44は、接続パネル13の外には突出しないように、ハウジング10内から導光支持部48に嵌め込んで固定され、同様に導光板45,45は、ハウジング10内から導光支持部49に嵌め込んで固定されて電解水生成装置Aの吐水状態を示す光を外部空間へ導いている。
【0039】
吐水状態としては、例えば、水素水(還元水)、酸性水および浄水のように吐水ノズル23から吐水する水の種別等が表示される。また、吐水状態の表示として、例えば
図1において、導光板43,43,…は水素水の相対的なpHを光の点灯数で表示(例えば点灯数が多いほどpHが高い)している。同様に、導光板45,45は酸性水の相対的なpHを光の点灯数で表示(例えば点灯数が多いほどpHが低い)している。なお、上記のように光による吐水状態の表示に加えて、またはその表示に代えて、音によって吐水状態を使用者に報知するようにしてもよい。
【0040】
一方の対向パネル11の内面には、
図2に示すように、それぞれ操作部としてのタッチセンサ34を構成するセンサ素子34a〜34dが設けられており、使用者はハウジング10の対向パネル11外側から操作が可能である。具体的には、センサ素子34a〜34cのいずれかを操作(タッチ)することにより、吐水ノズル23から吐水する水の種別を選択することができる。なお、タッチセンサ34による操作は、水の種別の選択操作に限定されない。例えば、吐水状態を音で報知する場合における音量、音種等を調整できるようにしてもよい。本実施形態では、光による表示および音での報知の両方で吐水状態を使用者に報知する例を示しており、センサ素子34dを操作(タッチ)することによって音による報知音量の調節が可能である。
【0041】
同様に、他方の対向パネル12の内面には、
図3に示すように、それぞれ操作部としてのタッチセンサ35を構成するセンサ素子35a〜35dが設けられており、使用者は対向パネル12の外側から操作が可能である。具体的には、センサ素子35a〜35cのいずれかを操作(タッチ)することにより、吐水ノズル23から吐水する水の種別を選択することができ、センサ素子35dを操作(タッチ)することにより、音による報知音量の調節が可能である。
【0042】
このように、両対向パネル11,12内面にタッチセンサ34,35のセンサ素子34a〜34d,35a〜35dを設けることによって、使用者は両対向パネル11,12のそれぞれの外側から操作(タッチ)することができる。すなわち、電解水生成装置Aの両側面から吐水状態および報知音量の変更操作を行うことができる。
【0043】
装置本体40は、
図4に示すように、水道水を浄水する浄水カートリッジ80と、浄水カートリッジ80で浄水した水を電気分解することによって電解水を生成する電解槽70と、電解槽70に電解用電源を供給する電源回路52等が搭載された制御基板50と、発光部としてのLED61,62,63や、タッチセンサ34,35を制御するセンサコントローラ66等が取り付けられた回路基板60とを備えている。電解槽70で生成された電解水は、流水管26、接続部25およびハウジング10のキャップ21を介して吐水管22に接続されている。具体的には、流水管26の一端は、電解槽70のケースに取り付けられ、流水管26の他端は、接続部25の一端に接続されている。また、接続部25の他端は、キャップ21を介して吐水管22に接続されている。接続部25は、フレーム41によって装置本体40に固定されている。
【0044】
制御基板50には、商用電源(例えば、AC100V)を受けて、制御基板50および回路基板60に搭載された電気回路や素子等に電源を供給するトランス51と、トランス51からの電源供給を受けて、所定の電圧の電解用電源を生成して、電解槽70に供給する電源回路52とが設けられている。電源回路52は、トランス51からの電源供給を受けて、所定の電圧の電解用電源を生成するトランス52aを有し、例えば、使用者からのタッチセンサ34,35への操作に基づいて電圧、周波数等が制御された電解用電源を供給する。トランス51および電源回路52は、接続パネル13から離間して配置されている。具体的には、電源回路52は、制御基板50の上方後端寄りの部分に取り付けられている。また、トランス51は、制御基板50の中程前側に取り付けられている。
【0045】
回路基板60は、対向パネル11,12内面側間の距離よりも短い幅を有する縦長の基板であり、接続パネル13に近接しかつ接続パネル13と対向するように配置され、接続パネル13内面に突設した前後方向内方に延びる固定部材42,42,…に対して、ネジ等によって固定されている。
【0046】
回路基板60には、
図5に示すように、2個のLED62,62が、その発光面を貫通孔32と対向させた状態で取り付けられている。導光板44は、接続パネル13の内周面に沿うような円弧形状に形成され、その回路基板60と対向する後面は回路基板60と平行になるように形成されている。また、導光板44においてその幅方向中央のLED62,62と対向した位置は、LED62,62と近接するように部分的に後側に突出しており、導光板44とLED62,62とは近接して配置されている。なお、導光板43,45についても導光板44と同様に形成され、LED61,61,63,63についてもLED62,62と同様に回路基板60に取り付けられている。このように導光板に部分的に突出する部位を設けることにより、光の拡散による損失が低減され、外部空間に対し効率よく光を伝えることができる。
【0047】
タッチセンサ34のセンサ素子34bは、
図5に示すように、対向パネル11の内面に一体的に貼り付けられて固定されており、導線64bを介してセンサコントローラ66と接続されている。同様に、タッチセンサ35のセンサ素子35bは、対向パネル12の内面に貼り付け固定されており、導線65bを介してセンサコントローラ66と接続されている。センサ素子34a,34c,34d,35a,35c,35dも上記と同様に、対向パネル11,12の内面に貼り付け固定され、それぞれ導線を介してセンサコントローラ66と接続されている。
【0048】
これにより、各センサ素子34a〜34d,35a〜35dは電源回路52よりも接続パネル13に近い位置に配置される。すなわち、各センサ素子34a〜34d,35a〜35dとトランス51および電源回路52とは離間して配置されている。具体的には、トランス51および電源回路52は、センサ素子34a〜34d,35a〜35dにノイズによる影響が出ない程度に離間して配置されている。より具体的には、電源回路52は、トランス51と比較して、供給する電圧および電流の大きさが大きいため、トランス51よりも各センサ素子34a〜34d,35a〜35dから離間させて配置されている。
【0049】
以上のように、本実施形態の電解水生成装置Aは、断面円弧形状に形成された接続パネル13に幅方向へと延びる貫通孔31,32,33を形成し、その後方に導光板43,44,45およびLED61,62,63を設け、LED61,62,63が吐水状態を発光して報知することによって、接続パネル13の正面ないし両対向パネル11,12の正面から吐水状態を視認することができる。
【0050】
また、本実施形態によると、回路基板60は、接続パネル13と近接した位置に接続パネル13と対向するように配置され、この場所は、構造上対向パネル11,12の外側面から加わる押力(例えば、使用者が電解水生成装置Aを持ち上げて移動させる場合や作業者が組立工程において作業する場合に両対向パネル11,12の両側から把持する力)に強い位置である。したがって、LED61,62,63の発光面が接続パネル13と対向するように回路基板60を接続パネル13と対向させて配置した構造であっても、回路基板60がその両側面方向からの力を受けることを防ぐことができる。さらに、
図4に示すように、回路基板60の側方にタッチセンサ34,35のセンサ素子34a〜34d,35a〜35dを配置したとしても、限られたハウジング10内の空間において、回路基板60の幅を広くとることと、センサ素子34a〜34d,35a〜35dや導線等が回路基板60の側面やハウジング10の内面等に接触することによるタッチセンサ34,35の損傷、故障および誤作動の防止との両立を図ることができ、使い勝手が大幅に向上する。
【0051】
また、吐水管22が柔軟に形成されているため、対向パネル11,12の両側どちらにおいても吐水させることができる。したがって、使用者は、電解水生成装置Aを回転させることなく、対向パネル11,12の両側において、吐水操作をし、かつ吐水状態の表示を確認しながら、取水することができる。
【0052】
[その他の実施形態]
以上、本発明を好ましい実施形態により説明してきたが、種々の改変が可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態に加えて、
図5に示すように、タッチセンサ34,35のセンサ素子34a〜34d,35a〜35dと電源回路52との間にシールド90,90を設けてもよい。これにより、シールド90を設けない場合と比較して、例えば電源回路52からタッチセンサ34,35へのノイズの影響を低減することができる。また、電源回路52とタッチセンサ34,35との間の距離を近づけることができる。また、例えば電源回路52の配置によって、タッチセンサ34,35のうちのいずれか一方に対してノイズの影響が大きい場合等には、タッチセンサ34,35のうちのいずれか一方と電源回路52との間にシールド90を設けるようにしてもかまわない。
【0054】
また、例えば、電源回路52(例えば交流電源)のノイズの影響を受けて、タッチセンサ34,35が誤認識をする(例えば、タッチされていない状態にも拘らずタッチされたと判断する)ような場合には、センサコントローラ66の制御を工夫して誤認識を避けるようにしてもよい。例えば、センサコントローラは、電解用電源の電圧の周期よりも十分に長い期間継続してセンサ素子が操作(タッチ)された場合に、操作(タッチ)されたことを認識するように構成されていてもよい。
【0055】
また、貫通孔31,32,33は接続パネル13の幅方向全体において延びているものとしたが、一方の対向パネル11から接続パネル13を介して他方の対向パネル12まで延びるようにしてもよい。これにより、
図1と比較して、対向パネル11,12のより後ろ側まで透光部の視認範囲が一層広がる。
【0056】
また、貫通孔31,32,33は接続パネル13の幅方向において、連続しているものとして説明したが、貫通孔31,32,33が幅方向において2つ以上に仕切られ、接続パネル13および/または対向パネル11,12の幅方向において透光部が2つ以上並ぶように構成されていてもよい。
【0057】
また、接続パネル13はハウジング10の外方に向かって突出する断面円弧形状であるものとしたが、平板であってもよい。その場合には、貫通孔31,32,33は一方の対向パネル11から接続パネル13を介して他方の対向パネル12まで延びるように形成する。これにより、接続パネルを平板にした場合においても、接続パネルの正面および両対向パネルの正面から吐水状態を視認することができる。
【0058】
また、各パネル(対向パネル11,12、上パネル14、底パネル16)は、平板に限定されず、例えば、3面から見たときの視認を阻害しない範囲において、凹凸や段差等を含んでいてもよい。また、接続パネル13においても、3面から見たときの視認を阻害しない範囲において、凹凸や段差等を含んでいてもよい。
【0059】
また、透光部として、導光板43,44,45が設けられているものとしたが、導光板を設けずに、LED61,62,63からの光を直接貫通孔31,32,33から透過させて、視認するように構成してもよい。
【0060】
また、透光部として、貫通孔31,32,33を設けずに、接続パネル13や対向パネル11,12を例えば部分的に薄く削る等して薄板化した部位を形成し、LED61,62,63からの光をその薄板化した部位から透過させて、吐水状態が視認できるように構成してもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、各導光板43,44,45と対応する位置にLED61,62,63を各2個ずつ設けるものとしたが、発光部として各導光板43,44,45に対して、各1個のLEDを設けるようにしてもかまわない。
【0062】
また、上記の実施形態では、吐水状態を示す光はLEDの発光によって得られるものとしたが、LED以外の発光素子を用いてもかまわない。また、発光以外の方法、例えばカラーパネルなどを用いて、吐水状態を示してもかまわない。
【0063】
また、操作部は、静電容量型のタッチセンサ34,35であるものとしたが、他の操作スイッチであってもよい。例えば、抵抗膜型のタッチセンサやメンブレンスイッチを用いてもかまわない。ただし、タッチする力が弱くても操作が可能な点で、タッチセンサを用いるのが好ましい。
【0064】
また、タッチセンサ34,35のセンサ素子34a〜34d,35a〜35dは、対向パネル11,12における接続パネル13寄りの部位に配置したが、接続パネル13から離間して配置してもよい。ただし、電源回路52は電解槽70近傍に設けられることが多く、電源回路52からより離間させるためには、対向パネル11,12における接続パネル13寄りの部位に配置するのが好ましい。また、このように配置することにより、接続パネル13に近接して配置されるLED61,62,63と同じ基板にセンサコントローラ66を設けた場合に、センサ素子34a〜34d,35a〜35dからセンサコントローラ66までの距離を短くすることができ、外乱ノイズ等の影響を低減することができる。
【符号の説明】
【0065】
A 電解水生成装置
10 ハウジング
11,12 対向パネル
13 接続パネル
34,35 タッチセンサ(操作部)
34a,34b,34c,34d,35a,35b,35c,35d センサ素子
43,44,45 導光板(導光部、透光部)
52 電源回路
52a トランス
60 回路基板
61,62,63 LED(発光部)
66 センサコントローラ
70 電解槽
90 シールド