(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源断処理部(24)は、前記異常温度用温度検出部(23)で検出した前記温度値が、前記異常温度判別用閾値を下回ったと判断すると、前記測定用電圧変換部(21)に対する電源断処理を停止し、電源断処理前の電源供給状態に復帰させることを特徴とする請求項3記載の測定システム。
電源モジュール(30)からの電源を駆動に必要な電源電圧に変換する測定用電圧変換部(21)を有し、該測定用電圧変換部からの電源供給によって被測定対象に対する測定を行う測定モジュール(20)と、
前記測定モジュールとの間で配線される供給制御線(1c)を介して前記測定用電圧変換部からの電源供給を制御する供給制御信号を出力する制御モジュール(10)と、
を備えた測定システム(1)における電源制御方法であって、
前記制御モジュールの不具合発生時に前記測定モジュールに搭載されるハードウェア部品近傍の温度を異常温度用温度検出部(23)で検出し、この検出した温度に基づく温度値を出力するステップと、
前記異常温度用温度検出部から出力された前記温度値が、前記ハードウェア部品の保証温度を超える異常温度であると判断したときに、前記測定モジュールに搭載される電源断処理部(24)が前記測定用電圧変換部(21)からの電源供給を強制的に電源断するステップと、
を含むことを特徴とする電源制御方法。
電源モジュール(30)からの電源を駆動に必要な電源電圧に変換する測定用電圧変換部(21)を有し、該測定用電圧変換部からの電源供給によって被測定対象に対する測定を行う複数の測定モジュール(20)と、
複数の前記測定モジュールが供給制御線(1c)を介して並列接続され、前記電源モジュール(30)からの電源供給を制御するための供給制御信号を前記供給制御線を通じて出力する制御モジュール(10)と、
を備えた測定システム(1)における電源制御方法であって、
前記制御モジュールの不具合発生時に複数の前記測定モジュールの何れかに搭載されるハードウェア部品近傍の温度を異常温度用温度検出部(23)で検出し、この検出した温度に基づく温度値を出力するステップと、
前記異常温度用温度検出部から出力された前記温度値が、前記ハードウェア部品の保証温度を超える異常温度であると判断したときに、前記温度値が異常温度と判断された前記測定モジュールに搭載される電源断処理部(24)が、前記供給制御線を通じて接続される全ての前記測定モジュールの前記測定用電圧変換部に対し、電源供給を強制的に電源断するステップと、
を含むことを特徴とする電源制御方法。
電源断前に、前記測定用電圧変換部(21)から供給される電荷を前記測定モジュール(20)に具備されるモジュール用蓄電部(22)のキャパシタ(22a)に蓄電するステップと、
電源断後は、前記キャパシタに蓄電した前記電荷を前記異常温度用温度検出部(23)及び前記電源断処理部(24)に供給することによって前記電源断を継続するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項5又は6記載の電源制御方法。
さらに、前記電源断処理部(24)が前記異常温度用温度検出部(23)で検出した前記温度値が前記異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、前記測定用電圧変換部(21)に対する電源断処理を停止して電源断処理前の電源供給状態に復帰させるステップを含むことを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の電源制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の装置のような複数の測定モジュールを制御モジュールに接続した測定装置では、商用電源とバッテリーとを併用して無瞬断切り替えを可能とする電源モジュールを備え、この電源モジュールから制御モジュールと測定モジュールに対して常時電源供給される構成である。
【0008】
従って、測定モジュールに搭載される各種ハードウェア部品の保護を目的として、制御モジュールが正常に動作している場合、制御モジュールに搭載されるハードウェア部品近傍の温度が保証温度を超える温度が検出された時点で測定モジュールに対する電源供給信号をONからOFFに切り替えて電源モジュールからの電源供給を停止している。
【0009】
しかしながら、制御モジュールに何らかの不具合(例えば、制御モジュールに搭載されるCPU(Central Processing Unit )の暴走、同じく制御モジュールに搭載されるFPGA(Field Programmable Gate Array )に設定されたロジックの初期化、測定時に起動するソフトウェアの未起動)が生じた場合、電源供給信号による電源制御が正常に行えないことがある。そのため、測定モジュールに対する電源供給信号がON状態のままになると、電源モジュールからの電源供給が継続されることで搭載されるハードウェア部品の異常発熱を起因とする様々な故障(例えば、ハードウェア部品の物理的な破壊、装置の起動不良、動作の不安定化、測定データの損失等)が発生するという問題があった。
【0010】
また、特許文献1の装置は、例えば光ファイバの敷設工事や保守作業を行う場合に被測定対象が屋外に設置されている現場や測定箇所が複数あるような現場で使用することがあるため、ユーザが自由に持ち運び出来るように装置の仕様として可搬型であることが多い。
【0011】
そのため、測定先となる施設内の室温や、炎天下での作業により装置内温度が通常の使用状態よりも急激に上昇する環境で作業を行った際、制御モジュールの不具合が生じたとしても装置が保護できる装置の開発が求められている。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、制御モジュールの不具合により電源供給が制御不能に陥った際の装置内のハードウェアを保護するための電源制御機能を有する測定システム及び該システムにおける電源制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の測定システムは、電源モジュール30からの電源を所定の電源電圧に変換する測定用電圧変換部21を有し、被測定対象に対する測定を行う測定モジュール20と、
前記測定モジュールとの間で配線される供給制御線1cを介して前記測定用電圧変換部からの電源供給を制御する供給制御信号を出力する制御モジュール10と、
を備えた測定システム1において、
前記測定モジュールは、搭載するハードウェア部品近傍で前記制御モジュールの不具合発生時に検出した温度値が、当該ハードウェア部品の保証温度を超える異常温度であると判断すると、前記測定用電圧変換部からの電源供給を強制的に電源断する異常温度時電源断手段26を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の測定システムは、請求項1記載の測定システムにおいて、前記制御モジュール20に対し複数の前記測定モジュール20が前記供給制御線1cを介して並列接続され、
複数の前記測定モジュールの何れかの前記異常温度時電源断手段26において前記温度値が異常温度であると判断すると、前記温度値を異常温度と判断した前記測定モジュールに搭載される前記異常温度時電源断手段が、前記供給制御線を介して接続される全ての前記測定モジュールの前記測定用電圧変換部21に対し、電源供給を強制的に電源断する処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の測定システムは、請求項1又は2記載の測定システムにおいて、前記異常温度時電源断手段26は、
前記測定モジュールに搭載されるハードウェア近傍で検出した温度に基づく温度値を出力する異常温度用温度検出部23と、
該異常温度用温度検出部で検出した前記温度値と予め設定された異常温度判別用閾値とを比較し、前記温度値が前記異常温度判別用閾値を超えたと判断すると、前記測定用電圧変換部21からの電源供給を強制的に電源断する電源断処理部24と、
前記電源断前に前記測定用電圧変換部から供給される電荷を蓄電するキャパシタ22aを有し、電源断後は前記キャパシタに蓄電した前記電荷を前記異常温度用温度検出部及び前記電源断処理部に供給するモジュール用蓄電部22と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の測定システムは、請求項3記載の測定システム前記電源断処理部24は、前記異常温度用温度検出部23で検出した前記温度値が、前記異常温度判別用閾値を下回ったと判断すると、前記測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止し、電源断処理前の電源供給状態に復帰させることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の電源制御方法は、電源モジュール30からの電源を駆動に必要な電源電圧に変換する測定用電圧変換部21を有し、該測定用電圧変換部からの電源供給によって被測定対象に対する測定を行う測定モジュール20と、
前記測定モジュールとの間で配線される供給制御線1cを介して前記測定用電圧変換部からの電源供給を制御する供給制御信号を出力する制御モジュール10と、
を備えた測定システム1における電源制御方法であって、
前記制御モジュールの不具合発生時に前記測定モジュールに搭載されるハードウェア部品近傍の温度を異常温度用温度検出部23で検出し、この検出した温度に基づく温度値を出力するステップと、
前記異常温度用温度検出部から出力された前記温度値が、前記ハードウェア部品の保証温度を超える異常温度であると判断したときに、前記測定モジュールに搭載される電源断処理部24が前記測定用電圧変換部21からの電源供給を強制的に電源断するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の電源制御方法は、電源モジュール30からの電源を駆動に必要な電源電圧に変換する測定用電圧変換部21を有し、該測定用電圧変換部からの電源供給によって被測定対象に対する測定を行う複数の測定モジュール20と、
複数の前記測定モジュールが供給制御線1cを介して並列接続され、前記電源モジュール30からの電源供給を制御するための供給制御信号を前記供給制御線を通じて出力する制御モジュール10と、
を備えた測定システム1における電源制御方法であって、
前記制御モジュールの不具合発生時に複数の前記測定モジュールの何れかに搭載されるハードウェア部品近傍の温度を異常温度用温度検出部23で検出し、この検出した温度に基づく温度値を出力するステップと、
前記異常温度用温度検出部から出力された前記温度値が、前記ハードウェア部品の保証温度を超える異常温度であると判断したときに、前記温度値が異常温度と判断された前記測定モジュールに搭載される電源断処理部24が、前記供給制御線を通じて接続される全ての前記測定モジュールの前記測定用電圧変換部に対して電源供給を強制的に電源断するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の電源制御方法は、請求項5又は6記載の電源制御方法において、電源断前に、前記測定用電圧変換部21から供給される電荷を前記測定モジュール20に具備されるモジュール用蓄電部22のキャパシタ22aに蓄電するステップと、
電源断後は、前記キャパシタに蓄電した前記電荷を前記異常温度用温度検出部23及び前記電源断処理部24に供給することによって前記電源断を継続するステップと、
をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の電源制御方法は、請求項5〜7の何れかに記載の電源制御方法において、さらに、前記電源断処理部24が前記異常温度用温度検出部23で検出した前記温度値が前記異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、前記測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止して電源断処理前の電源供給状態に復帰させるステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、測定モジュールに対する測定用電圧変換部からの電源供給を制御する制御モジュールに何らかの不具合が生じて電源制御不能となった場合であっても、測定モジュール自身で異常温度を検出すると測定用電圧変換部からの電源供給を強制的に電源断するため、電源供給に基づく異常発熱によって引き起こる物理的な破壊、装置の起動不良、動作の不安定化、測定データの損失等の様々な故障を未然に防止することができる。
【0022】
また、強制的に電源断状態となった場合でも、モジュール用蓄電部から異常温度用温度検出部及び電源断処理部に対して電源供給されるため、電源断処理の後もキャパシタに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部及び電源断処理部の動作限界を下回るか異常温度用温度検出部で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回るまで電源断を継続させることができる。
【0023】
さらに、制御モジュールに対し供給制御線を介して複数の測定モジュールが並列接続されている構成の場合であっても、複数の測定モジュールの何れかで異常温度が検出されたときは、異常温度を検出した測定モジュールの電源断処理部が供給制御線を介して接続される全ての測定モジュールの測定用電圧変換部に対して強制的に電源断処理をするため、複数の測定モジュールが接続される制御モジュールに不具合が発生したときに起こり得る異常発熱を起因とする様々な故障を未然に防止することができる。
【0024】
また、電源断処理部が異常温度用温度検出部で検出した温度値が異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止して電源断処理前の電源供給状態に復帰させることで、緊急時には電源供給に基づく様々な故障を未然に防止しつつ、検出した温度値が異常温度判別用閾値を下回ったときは電源断処理前の状態に自己復帰することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【0027】
本発明は、例えばインターネットや各種LANや例えばIP/SDH等といった通信ネットワーク(有線・無線問わず)構築時における敷設工事や既存の通信設備の保守・点検の際に被測定対象(伝送装置や光ファイバ等の部品やネットワーク自体)に対する測定を行う測定システム1において、システムを統括制御する制御モジュール10に何らかの不具合が生じて電源制御が制御不能となった際に、制御モジュール10と接続される測定モジュール20で異常な温度上昇が検出されると電源モジュール30からの電源供給を測定用電圧変換部21において強制的に電源断して測定モジュールに搭載されるハードウェア部品の保護、延いては測定モジュール周辺の他のモジュールの保護を目的としている。
【0028】
[システム構成について]
まず、本発明に係る測定システム1の構成について説明する。
図1に示すように、本例の測定システム1は、制御モジュール10と、測定モジュール20(図例では2つ)と、電源モジュール30とを備えて概略構成されている。測定システム1では、被測定対象に応じた測定に関する測定データの通信を行うため、制御モジュール10と測定モジュール20との間がデータバス1aを介して接続されている。また、電源モジュール30からは、制御モジュール10と測定モジュール20に対して常時電源供給するための電源供給線1bが配線接続されている。
【0029】
さらに、本例の測定システム1は、測定内容やシステムの駆動プログラムの異常発生した際に、電源モジュール30から供給される電源を後述する測定用電圧変換部21を制御して適宜電源供給のON/OFF制御をするため、制御モジュール10に対して電源供給制御用の共通制御線である供給制御線1cを介して各測定モジュール20が並列接続されている。
【0030】
なお、以下の説明では、システム構成例として
図2に示すような各モジュールをバスコネクタや各種専用線でスタック式に接続して1つの筐体内に収納した装置(このような複数のモジュールをスタック式に接続する装置としては、ネットワーク測定装置、スペクトラムアナライザ、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer )、パワーメータ、エラーディテクタ等がある)を例に挙げて説明するが、これに限定されず、各モジュールを別体構成としてモジュール間を上記のように接続したシステム構成でもよい。
【0031】
また、本例では、複数の被測定対象に対して複数の測定が同時に行えるようにするため、被測定対象に応じた測定が実施可能な機能を有する複数の測定モジュール20(図例では2つ)を制御モジュール10に接続した構成例であるが、測定モジュール20の数は単数、複数を問わない。
【0032】
<制御モジュールについて>
制御モジュール10は、制御用電圧変換部11と、制御部12と、保証温度用温度検出部13、操作表示部14と、入力部15とを備えてモジュール化されている。
【0033】
制御用電圧変換部11は、DC/DCコンバータ等の変圧回路で構成され、電源モジュール30から電源供給線1bを介して常時供給される電源を、制御モジュール10の各部を駆動するのに必要な電源電圧に変換し、制御部12からの供給制御信号(供給ON信号、供給OFF信号)に応じてモジュール内の各部に対する電源供給が制御される。
【0034】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit )やROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)又はこれらの機能を具備するMPU(Micro-Processing Unit )、FPGA(Field Programmable Gate Array )等のハードウェア部品を任意に組み合わせた構成である。
【0035】
制御部12は、被測定対象に応じて予め設定された測定処理プログラムや駆動処理プログラム等の各種制御プログラム、システムを構成する各部から出力される信号、測定モジュール20からの測定データ等に基づき、システム全体の駆動制御や被測定対象に対して実施する測定内容に応じた測定処理プログラムの実行・解析処理等を行っている。
【0036】
また、制御部12は、供給制御線1cを介して接続される測定モジュール20に対して必要なタイミングで電源供給を行うための供給制御信号を出力している。
【0037】
さらに、制御部12は、温度上昇によるハードウェア部品を保護するための機能として、保証温度用温度検出部13で検出された温度値が、制御モジュール10に搭載されるハードウェア部品毎に設定された保証温度(約80℃前後)及びシステム全体として保証温度を超えたときに電源供給を停止させる供給停止処理手段12aを備えている。
【0038】
供給停止処理手段12aは、制御モジュール10に搭載される各ハードウェア部品の保証温度を閾値として設定した第1の閾値である保証温度判別用閾値と、保証温度用温度検出部13で検出した温度値とを比較し、検出された温度値が保証温度判別用閾値を超えたと判断すると、制御用電圧変換部11及び供給制御線1cを介して接続される測定モジュール20の測定用電圧変換部21に対して供給OFF信号を出力している。これにより、制御モジュール10及び測定モジュール20に対する電源供給を停止している。
【0039】
保証温度用温度検出部13は、例えばサーミスタや温度センサIC(Integrated Circuit)等の温度センサで構成され、制御モジュール10に搭載されるハードウェア部品近傍(特に制御部12近傍)の温度を検出し、この検出した温度に基づく温度値を制御部12に出力している。
【0040】
操作表示部14は、周知のようにLCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスの表示面に抵抗膜方方式や静電容量方式等の透明な面状押圧センサを設けたタッチパッドを組み合わせたタッチパネルで構成され、表示デバイスに表示されたソフトウェアキーをユーザが指やペンタブレットのようなポインティングデバイス等で押圧すると、面状押圧センサが押圧位置(押圧座標)を示す操作信号を制御部12に出力している。また、操作表示部14は、測定データやシステム運用時の各種表示内容の表示も行っている。
【0041】
入力部15は、ハードウェアキーとして物理的に備えられた操作キーであり、具体的には電源キー、スタートキー、操作内容を取り消すクリアキー、数字に関する指示を入力するテンキー等がある。入力部15は、ユーザが行うキー操作に応じた操作信号を制御部12に出力している。
【0042】
なお、入力部15を構成する操作キーは、操作表示部14に表示されるソフトウェアキーと連動させてもよいし、ソフトウェアキーと別機能として構成してもよい。
【0043】
<測定モジュールについて>
測定モジュール20は、測定用電圧変換部21と、モジュール用蓄電部22と、異常温度用温度検出部23と、電源断処理部24と、測定部25とを備えてモジュール化され、試験内容に応じて単数又は複数接続される。
【0044】
また、
図1中の一点鎖線で囲まれた各部(モジュール用蓄電部22と、異常温度用温度検出部23と、電源断処理部24)は、異常温度検出時において自己のモジュールを含む全ての測定モジュール20の電源供給を強制的に電源断にする異常温度時電源断手段26として機能する。
【0045】
測定用電圧変換部21は、DC/DCコンバータ等の変圧回路で構成され、電源モジュール30から電源供給線1bを介して常時供給される電源を、測定モジュール20の各部を駆動するのに必要な電源電圧に変換し、制御モジュール10からの供給制御信号(供給ON信号、供給OFF信号)に応じてモジュール内の各部に対する電源供給が制御される。
【0046】
また、測定用電圧変換部21は、電源断処理部24の電源断処理により、供給ON信号が供給OFF信号に変換されると、強制的に測定モジュール20内の各部に対する電源供給を停止する。つまり、電源断処理後は、測定用電圧変換部21に対して電源モジュール30からの電源供給は継続されるが、測定用電圧変換部21から測定モジュール20の各部に対する電源電圧の供給は停止されることになる。
【0047】
モジュール用蓄電部22は、逆流防止ダイオード22aと、キャパシタ22bとを備えている。モジュール用蓄電部22には、電源モジュール30からの電源が測定用電圧変換部21を介して供給され、この電源の供給に伴う電荷が逆流防止ダイオード22aを介してキャパシタ22bに蓄電される。
【0048】
モジュール用蓄電部22の蓄電手段としてキャパシタ22bを用いる理由としては、一次電池(例えばリチウム電池)や二次電池(例えばリチウムイオン蓄電池)が法的に規制対象化されていること、また一次電池や二次電池に比較するとエネルギー密度が低いが、メンテナンスフリーで且つ長寿命であること、短時間停電やピークの平準化に有効なこと等が挙げられ、これらを満足するものとして電気二重層コンデンサを用いることが好ましい。
【0049】
また、キャパシタ22bとしては、異常温度用温度検出部23が検出したハードウェア部品近傍の温度値が異常温度と判断されてから後述する異常温度判別用閾値を下回るまでの一定時間(使用環境にもよるが、凡そ十数分〜30分程度)は電源の継続が見込める静電容量のものを選択することが好ましい。
【0050】
ここで、モジュール用蓄電部22の電源供給の流れについて説明すると、
図1に示すように、制御モジュール10からの電源ON制御されているときは、電源モジュール30から測定用電圧変換部21を通じて供給される電源に伴う電荷を逆流防止ダイオード22aを介してキャパシタ22bに蓄電しつつ、異常温度用温度検出部23、電源断処理部24に供給される(図中の実線矢印)。
一方、電源断処理部24による電源断処理時は、電源モジュール30からの電源供給が測定用電圧変換部21を介して電源断され、キャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給される(図中の点線矢印)。
【0051】
このように、本システムでは、制御モジュール10が正常に機能しているときは制御モジュール10からの供給制御信号に応じて電源供給制御され、制御モジュール10に何らかの不具合が生じて正常に機能しないときに異常温度が検出されると電源断処理部24により電源モジュール30からの電源供給を測定用電圧変換部21を介して電源断し、キャパシタ22bに蓄電された電荷を供給して異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24を駆動している。
【0052】
これにより、測定用電圧変換部21からの電源供給を停止した後は、キャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給されるため、ハードウェア部品近傍の温度値が後述する異常温度判別用閾値を下回るまでの一定時間は電源断処理部24により電源断の状態を継続させることができる。また、一定時間は強制的に電源断状態が継続されることで、異常温度用温度検出部23と電源断処理部24の回路が電源断になることで電源のON/OFFが発振してしまう発振動作を防止する効果にもつながる。
【0053】
異常温度用温度検出部23は、例えばサーミスタや温度センサIC(Integrated Circuit)等の温度センサで構成され、測定モジュール20に搭載されるハードウェア部品近傍の温度を検出し、この検出した温度に基づく温度値を電源断処理部24に出力している。
【0054】
電源断処理部24は、異常温度用温度検出部23で検出した温度値と、搭載されるハードウェア部品の保証温度を超えるような異常温度(例えば90〜100℃)を判別するために設定された第2の閾値であるヒステリシス特性を有する異常温度判別用閾値とを比較し、検出された温度値が異常温度判別用閾値を超えたと判断すると、電源断処理として自己のモジュールや供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20に出力される供給ON信号を供給OFF信号に切り替えて、測定用電圧変換部21からの電源供給を強制的に電源断している。
【0055】
電源断処理について詳述すると、本形態では電源断処理部24にオープンドレイン若しくはオープンコレクタバッファを備えた回路構成とし、測定用電圧変換部21における電源供給のON/OFF制御を、供給制御信号の電圧レベルの高低(H信号:供給ON信号、L信号:供給OFF信号)によって区別する形態である。
【0056】
よって、電源断処理の際に電源断処理部24が供給制御線1cを介して強制的に所定電圧を引き込んで供給制御信号の電圧レベルを低くすることにより、制御モジュール10から測定モジュール20に対して出力されている供給ON信号が強制的に供給OFF信号へと変換されることで電源断状態となる。
【0057】
また、異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24は、電源断処理後にキャパシタ22bに蓄電された電荷が供給されるため、キャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回るか異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回るまで電源断の状態が継続される。
【0058】
なお、異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回る前に、キャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回ったときは、測定用電圧変換部21からの電源供給を一時的に行ってキャパシタ22bに蓄電し、このキャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給され、再度電源断の状態に戻る。このとき、測定用電圧変換部21からの電源供給を一時的に行ってキャパシタ22bに蓄電したとしても、キャパシタ22bが短時間で充電可能なため、短時間で電源断処理前の状態から電源断状態に戻すことができる。
【0059】
なお、電源断処理部24は、電源断処理後に異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止して電源断処理前の状態(つまり、電源断処理前に制御モジュール20から出力される供給制御信号のON/OFF状態)に戻す電源供給復帰制御を、自己のモジュールや供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20の測定用電圧変換部21に対して行うことで、電源断処理前の電源供給状態に自己復帰させることができる。
【0060】
測定部25は、被測定対象に応じた測定処理が実施可能な構成を備えており、測定用電圧変換部21を介して電源モジュール30からの電源供給を受け、制御部12からの制御によって被測定対象に対する測定を行う。よって、使用環境や被試験対象に応じた測定部25を具備する測定モジュール20を組み合わせることでユーザが所望する測定が可能となる。
【0061】
<電源モジュールについて>
電源モジュール30は、周知の蓄電池で構成されるバッテリー部31と、商用電源からの交流(AC)電源(例えば、実効値100V)を所定の直流(DC)電源に変換するAC/DC電源部32と、バッテリー部31とAC/DC電源部32からの電源供給を供給状態に応じて切り替えて瞬断を防止する電源切替部33とを備えてモジュール化されている。
【0062】
電源モジュール30は、制御モジュール10からの制御により、商用電源から電源供給が可能な場合は商用電源からの電源供給によってシステムを駆動し、屋外等の使用で商用電源が使用できない場合はバッテリー部31から電源供給を行ってシステムを駆動するように電源切替部33が切り替わる。
【0063】
また、電源モジュール30は、商用電源からの電源供給時にバッテリー部31に蓄電しておき、交流電源の電圧低下時及び停電時に瞬断無しで電源供給元をバッテリー部31に切り替えることで、安定した電源供給を実現している。
【0064】
[処理動作について]
次に、上述した測定システム1による電源制御に関する一連の処理動作について説明する。ここでは、制御モジュール10が正常に駆動しているときに電源モジュール30から受ける電源供給を測定用電圧変換部21を制御して停止する際の処理動作と、制御モジュール10に何らかの不具合が生じたときに電源モジュール30から受ける電源供給を測定用電圧変換部21を制御して停止する際の処理動作について説明する。
【0065】
<正常時の電源停止制御について>
制御モジュール10が正常に駆動しているときは、制御モジュール10が具備する保証温度用温度検出部13で制御モジュール10に搭載されるハードウェア部品近傍の温度検出を行い、検出した温度値と予め設定した保証温度判別用閾値とを比較する。
【0066】
比較した結果、検出した温度値が保証温度判別用閾値を超えたと判断すると、接続される測定モジュール20に供給OFF信号を出力して測定用電圧変換部21を制御して電源供給を停止する。
【0067】
<不具合発生時の電源停止制御について>
制御モジュール10に何らかの不具合が発生したときは、測定モジュール20が具備する異常温度用温度検出部23で測定モジュール20に搭載されるハードウェア部品近傍の温度検出を行い、検出した温度値と予め設定した異常温度判別用閾値とを比較する。
【0068】
比較した結果、検出した温度値が異常温度判別用閾値を超えたと判断すると、電源断処理部24が供給制御線1cを介して強制的に所定電圧を引き込み、供給制御信号の電圧レベルを低くして供給ON信号を供給OFF信号に切り替えて測定用電圧変換部21からの電源供給を停止し、自己のモジュール及び供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20を強制的に電源断する。
【0069】
また、電源断処理後は、モジュール用蓄電部22のキャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23と電源断処理部24に供給される。このため、キャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回るか異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回るまでは、電源断処理部24によって電源断処理された測定用電圧変換部21及び供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20に対する電源供給の停止状態が維持される。
【0070】
さらに、電源断処理部24は、電源断処理後に異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止して電源断処理前の状態に戻す電源供給復帰制御を、自己のモジュールや供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20の測定用電圧変換部21に対して行う。これにより、異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回ったときは、電源断処理前の電源供給状態に自己復帰する。
【0071】
また、異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回る前に、キャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回ったときは、測定用電圧変換部21からの電源供給を一時的に行ってキャパシタ22bに蓄電し、このキャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給して再度電源断の状態に戻す。
【0072】
以上説明したように、上述した測定システム1は、制御モジュール10が正常に駆動しているときは、供給制御線1cを介して各測定モジュール20の測定用電圧変換部21に供給制御信号を出力して電源供給のON/OFF制御を行う。そして、制御モジュール10に何らかの不具合が生じたときに、測定モジュール20の異常温度用温度検出部23が検出した温度値が異常温度判別用閾値を超えたと判断すると、電源断処理として自己のモジュール及び供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20の測定用電圧変換部21に出力される供給ON信号を供給OFF信号に切り替えて強制的に電源断している。
【0073】
これにより、制御モジュール10に何らかの不具合が生じて測定モジュール20に対する電源制御が制御不能となっても、測定モジュール20で検出した温度値が異常温度であると判断された時点で強制的に供給制御線1cを介して全ての測定モジュール20の電源断が行なえるため、不要な電源供給に基づく異常発熱によって引き起こる物理的な破壊、装置の起動不良、動作の不安定化、測定データの損失等の様々な故障を防止することができる。
【0074】
また、電源断処理部24で強制的に電源断状態となった場合でも、モジュール用蓄電部22で蓄電された電荷を異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給するため、電源断処理の後もキャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回るか異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回るまで電源断を継続させることができる。
【0075】
さらに、電源断処理部24は、電源断処理後に異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回ったと判断したときに、測定用電圧変換部21に対する電源断処理を停止して電源断処理前の状態に戻す電源供給復帰制御を、自己のモジュールや供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20の測定用電圧変換部21に対して行うことで、異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回ったときは、電源断処理前の電源供給状態に自己復帰させることができる。
【0076】
また、キャパシタ22bが短時間で充電可能なため、異常温度用温度検出部23で検出される温度値が異常温度判別用閾値を下回る前に、キャパシタ22bに蓄電された電荷が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24の動作限界を下回ったときは、測定用電圧変換部21からの電源供給を一時的に行ってキャパシタ22bに蓄電し、このキャパシタ22bに蓄電された電荷の放電に伴う電圧が異常温度用温度検出部23及び電源断処理部24に供給することができるので、短時間で電源断処理前の状態から電源断状態に戻して再度電源断状態を継続することができる。
【0077】
ところで、上述した形態では、制御モジュール10、測定モジュール20及び電源モジュール30が1つの筐体内に収容された構成例で説明したため、保証温度用温度検出部13を制御モジュール10内に搭載した例で説明したが、これに限定されることはない。例えば、各モジュールが別筐体に分かれて本システムを構成している場合は、保証温度用温度検出部13を測定モジュール20にも搭載し、測定モジュール20を構成するハードウェア部品近傍(特に測定部25の近傍)の温度を検出してその温度値を制御モジュール10に出力すれば、別体構成となった測定モジュール20に対し保証温度による電源供給制御も可能となる。
【0078】
また、上述した形態では、測定モジュール20において異常温度を検出したときに、電源断処理として供給制御線1cを介して強制的に所定電圧を引き込んで異常温度を検出した自己のモジュール及び供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20に出力される供給ON信号を供給OFF信号に変換して測定用電圧変換部21からの電源供給を強制的に電源断する構成で説明したが、これに限定されることはない。例えば、電源断処理部24において異常温度用温度検出部23で検出した温度値が異常温度判別用閾値を超えたと判断したとき、自己のモジュール及び供給制御線1cを介して接続される全ての測定モジュール20の測定用電圧変換部21に対して電源供給を停止させるための制御信号である電源断制御信号(制御モジュールの10から出力される供給OFF信号に相当)を出力して電源供給を強制的に電源断する構成とすることもできる。