(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789657
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】共有無線チャネルを通じた生命上重要な警報の信頼性の高い配信システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20150917BHJP
G06Q 50/24 20120101ALI20150917BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
A61B5/00ZDM
G06Q50/24 100
G08B25/04 K
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-503191(P2013-503191)
(86)(22)【出願日】2011年3月9日
(65)【公表番号】特表2013-529096(P2013-529096A)
(43)【公表日】2013年7月18日
(86)【国際出願番号】IB2011050990
(87)【国際公開番号】WO2011124993
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月7日
(31)【優先権主張番号】61/321,166
(32)【優先日】2010年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】スームロ,アムジャド エイ
(72)【発明者】
【氏名】コトフィラ,マーク エス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ルーディガー
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド,フィリップ
【審査官】
増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−520657(JP,A)
【文献】
特表2006−519626(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0213600(US,A1)
【文献】
特開2005−152401(JP,A)
【文献】
特開2000−271097(JP,A)
【文献】
特表2010−503471(JP,A)
【文献】
米国特許第06659947(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0206535(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/05
G08B 23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報を送信する方法であって:
マルチモード患者監視装置と1つ以上のネットワーク上の1つ以上のアクセスポイントとの間の通信リンクを確立し、これにより、前記患者監視装置は、前記1つ以上のアクセスポイントを介して病院のインターネットプロトコルネットワークを使用して通信するステップと;
患者の状況が警報を生成することを認めるか否かを判定するために、前記患者監視装置により収集された生理的データを処理するステップと;
前記患者監視装置と前記1つ以上のアクセスポイントとの間でプライマリリンクを使用して前記警報を送信するステップと;
前記プライマリリンクを使用して前記警報を送信する試みが失敗したことに応じて、前記プライマリリンクを再び使用して前記警報を送信しつつ、前記患者監視装置と前記1つ以上のアクセスポイントとの間でセカンダリリンクを使用して前記警報を送信するステップと;
を有する方法。
【請求項2】
前記プライマリリンクを使用した前記警報の送信は、警報送信の許容可能な待ち時間未満の第1の所定の持続時間又は第1の所定の回数の最大値まで試みられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プライマリリンクを使用した送信が成功したか否かを判定するために、前記プライマリリンクを使用して前記警報を送信する試みに応じて受信確認メッセージが受信されたか否かを判定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プライマリリンクは、IEEE802.11、Wi-Fiネットワーク及び無線周波数の特定の帯域のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セカンダリリンクは、無線周波数の特定の帯域、資産管理タグに使用される1つ以上のリンク、IEEE802.11ネットワークで資産管理タグに使用される通信プロトコル、RFIDタグに使用される1つ以上のリンク、Bluetooth(登録商標)無線機に使用される1つ以上のリンク及びセルラネットワーク技術に使用される1つ以上のリンクのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つ以上のプロセッサが請求項1に記載の方法を構成して実行するように制御するソフトウェアを保持するコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
患者についてのデータを収集する複数の監視装置と;
前記収集されたデータから患者の状況を判定し、前記患者の状況が適切な医療応答器に通知することを認める場合、警報を生成する評価ユニットと;
病院のインターネットプロトコルネットワーク上の1つ以上のアクセスポイントに前記警報を送信する通信ユニットであり、プライマリリンクを使用して前記警報を送信する第1の送信機と、セカンダリリンクを使用して前記警報を送信する第2の送信機とを含む通信ユニットと;
を有し、
前記プライマリリンクを使用した送信が失敗したことに応じて、前記第1の送信機が前記プライマリリンクを再び使用して前記警報を送信しつつ、前記第2の送信機が前記セカンダリリンクを使用して前記警報を送信する患者モニタ。
【請求項8】
前記プライマリリンクを使用した前記警報の送信は、警報送信の許容可能な待ち時間未満の第1の所定の持続時間又は第1の所定の回数の最大値まで試みられる、請求項7に記載の患者モニタ。
【請求項9】
前記プライマリリンクは、IEEE802.11、Wi-Fiネットワーク及び無線周波数の特定の帯域のうち少なくとも1つである、請求項7に記載の患者モニタ。
【請求項10】
前記セカンダリリンクは、無線周波数の特定の帯域、資産管理タグに使用される1つ以上のリンク、IEEE802.11ネットワークで資産管理タグに使用される通信プロトコル、RFIDタグに使用される1つ以上のリンク、Bluetooth(登録商標)無線機に使用される1つ以上のリンク及びセルラネットワーク技術に使用される1つ以上のリンクのうち少なくとも1つである、請求項7に記載の患者モニタ。
【請求項11】
前記患者モニタは、電池式携帯型患者装着モニタである、請求項7に記載の患者モニタ。
【請求項12】
請求項7に記載の複数の前記患者モニタと;
病院のIPネットワークと通信し、送信された警報を表示して格納する患者情報サーバと;
を有し、
前記患者モニタは、プライマリリンクを使用して前記警報を送信し、前記プライマリリンクを使用した送信が失敗したことに応じて、前記プライマリリンクを再び使用して前記警報を送信しつつ、セカンダリリンクを使用して前記警報を送信する患者監視システム。
【請求項13】
前記プライマリリンクは、IEEE802.11、Wi-Fiネットワーク及び無線周波数の特定の帯域のうち少なくとも1つである、請求項12に記載の患者監視システム。
【請求項14】
前記セカンダリリンクは、無線周波数の特定の帯域、資産管理タグに使用される1つ以上のリンク、IEEE802.11ネットワークで資産管理タグに使用される通信プロトコル、RFIDタグに使用される1つ以上のリンク、Bluetooth(登録商標)無線機に使用される1つ以上のリンク及びセルラネットワーク技術に使用される1つ以上のリンクのうち少なくとも1つである、請求項12に記載の患者監視システム。
【請求項15】
前記プライマリリンクを使用した前記警報の送信は、警報送信の許容可能な待ち時間未満の第1の所定の持続時間又は第1の所定の回数の最大値まで試みられる、請求項12に記載の患者監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は医療分野、通信分野及び関連する分野に関する。病院、応急手当センタ、家庭、個人病院、支援介護施設、緊急医療運搬用車両及びシステム等における基礎となるネットワークを通じた医療監視システム、医療警報システム等における通信を改善することに、特に用途がある。
【背景技術】
【0002】
現在では、患者監視システムは、例えば集中治療室(ICU:intensive care unit)において患者の生理的状況を絶えず監視している。患者から収集された生理的データは、例えばベッド脇のモニタ又は患者情報サーバで分析される。分析は、患者の状況が警報を生成することにより適切な医療応答器(medical responder)に通知されることを認める(保証する)か否かを示す。警報が医療装置により生成された場合、これらは通信チャネルを渡って、適切な医療応答器に配信される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線リンクでのリアルタイム携帯型患者監視のような生命上重要な医療データ用途では、患者は、移動ECG装置を装着する心臓病患者のように、しばしば電池式又は移動監視装置を装着する。監視装置により生成された警報は、典型的には規制当局により指定された通りにタイムリーに医療応答器に通信されることが求められる。しかし、生命上重要な医療用途のデータを含む医療データを伝達するために、医療施設でIEEE802.11ネットワークのような既存の無線インフラストラクチャを使用することが望まれる。しかし、無線チャネルは、本質的に、雑音、ネットワークの輻輳から誤りを受ける傾向がある。
【0004】
この出願は、前述の問題及び他の問題を克服する新たな改善した医療監視システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、警報を送信する方法が提供される。マルチモード患者監視装置とネットワーク上のアクセスポイントとの間の通信リンクが確立され、これにより、患者監視装置は、アクセスポイントを介して病院のインターネットプロトコルネットワークを使用して通信する。患者監視装置により収集された生理的データは、患者の状況が警報を生成することを認めるか否かを判定するために処理される。警報は、患者モニタとアクセスポイントとの間でプライマリチャネルを使用して送信される。プライマリチャネルを使用して警報を送信する試みが失敗したことに応じて、警報は、患者モニタとアクセスポイントとの間でセカンダリチャネルを使用して送信される。
【0006】
他の態様によれば、患者モニタが提供される。複数の監視装置は、患者についてのデータを収集する。評価ユニットは、収集されたデータから患者の状況を判定し、患者の状況が適切な医療応答器に通知することを認める場合、警報を生成する。病院のインターネットプロトコル(IP:Internet protocol)ネットワーク上のアクセスポイントに警報を送信する通信ユニットは、プライマリチャネルを使用して警報を送信する第1の送信機と、プライマリチャネルを使用した送信が失敗したことに応じて、セカンダリチャネルを使用して警報を送信する第2の送信機とを含む。
【発明の効果】
【0007】
1つの利点は、既存の無線インフラストラクチャを使用した適切な医療応答器への医療警報の安定した配信にある。
【0008】
他の利点は、患者監視装置の節電にある。
【0009】
本発明の更に他の利点は、以下の詳細な説明を読んで理解することにより、当業者に認識される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】患者監視装置/患者情報サーバの関係の概略図
【
図3】本発明による患者監視装置の動作のフローチャート
【
図4】本発明による患者監視装置の動作のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置の形式を採用してもよく、様々なステップ及びステップの配置の形式を採用してもよい。図面は、好ましい実施例を例示する目的に過ぎず、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
図1を参照すると、患者(図示せず)は、患者の生理的パラメータを測定し、それを示す生理的データを生成する様々な医療監視装置(MMD:medical monitoring device9又はセンサ10により監視されている。これらの医療監視装置10は、ECG電極を備えた心電図(ECG:electrocardiographic)計器と、血圧、血中酸素(SpO
2)、脈拍、又は1つ以上の他の生理的パラメータを測定するように構成され得る手首型の医療モニタとを含んでもよい。他の医療監視装置10が患者に関連付けられてもよく、前述の医療監視装置10の全てがいずれか所与の時間に患者に関連付けられる必要はない。2つの医療監視装置10のみが示されているが、より多くの医療監視装置が考えられることが分かる。ここで使用される医療監視装置は、患者の健康状態を示すデータソース等を意味する。医療監視装置から信号を受信し、任意選択でこのような信号で信号処理を実行する電子機器は、図示の実施例において、多機能患者監視装置(PMD:patient monitor device)12として具現される。或いは、部分的に又は全体的に1つ以上の医療監視装置10に配置された回路基板上の電子機器等として具現されてもよい。医療監視装置10及びPMD12が単一の装置に具現されてもよいことも分かる。例えば、PMD12は、携帯型患者装着監視システムの送信機等のような患者と共に移動するモニタでもよい。
【0013】
医療監視装置10は、測定された生理的データ又は他の生理的データをPMD12に報告する。PMD12は、医療監視装置により測定された生理的データの収集点として機能し、データの一時記憶を提供する。収集された生理的データは、共にPMD12のコントローラ14に送信される。PMDの生理的評価ユニット16又はコンピュータプログラムは、患者から収集された生理的データを評価し、患者の状況が警報信号を生成することにより適切な医療応答器に通知することを認めるか否かを判定する。例えば、PMD12は、それぞれ測定されたパラメータが閾値に近づいているか否か、いずれかのパラメータの傾向が閾値に近づいているか否か、いずれかのパラメータが安定性を欠いているか否か或いはあまりにも変動しすぎているか否か、パラメータの組み合わせが閾値に近づいているか、及び患者が多かれ少なかれ医療監視又は支援を必要としているという他の指標を検査する。閾値は、時間、重大性、深刻化等に基づく制限を超える値又は制限より下がる値を含む。
【0014】
PMD12はまた、病院のネットワーク20を通じて警報信号を患者情報サーバ22に無線で送信する通信ユニット18を含む。患者監視サーバ22において、患者の警報が表示されて格納される。患者の警報信号はまた、病院のネットワーク20を通じて移動患者情報表示システム24に送信されてもよい。例えば、看護士は、ナースステーション24’、患者のベッド脇のモニタ24’’、他の患者のベッド脇のモニタ、中央監視ステーション、PDA等で患者の警報を閲覧又は聴取してもよい。3つの移動患者情報ディスプレイ24のみが示されているが、より多くの移動患者情報ディスプレイが考えられることが分かる。通信ユニット18は、病院のネットワーク20へのプライマリ及びセカンダリチャネルで、コントローラ14により受信した生理的データを送信し、受信データの受信確認を受信する第1の送信機26及び第2の送信機28を含む。まず、第1の送信機26は、プライマリチャネルを使用して、警報信号を病院のネットワーク20に送信することを試みる。プライマリチャネルは、患者監視システムが通常通り動作しているときに使用されるように予めプログラムされたチャネルである。例えば、プライマリチャネルは、IEEE802.11又はWi-Fiネットワーク技術を使用した共有無線チャネルでもよい。プライマリチャネルはまた、IEEE802.11又はWi-Fiネットワークを使用した利用可能な無線チャネルのリストから選択されてもよい。プライマリチャネルは、無線周波数の特定の帯域又は通信プロトコルでもよい。プライマリチャネルの選択は、ユーザ設定により実行されてもよく、例えばPMD又はシステムの他のエンティティ(例えば、インフラストラクチャのアクセスポイント又は無線チャネル管理機能)でチャネル選択アルゴリズムを実行することにより、システムで動的に行われてもよい。
【0015】
第1の送信機26を用いてプライマリチャネルで警報信号を送信する試みが失敗した場合、通信ユニット18は、警報信号の配信確率を最大化するために、第2の送信機28が第1の送信機26と共にセカンダリチャネルで警報信号を送信するように制御する。セカンダリチャネルでの送信は、ブロードキャストモードで送信されることが好ましい。或いは、セカンダリチャネルでの送信は、セカンダリチャネルの受信機の所定のリストにユニキャストで送信される。セカンダリチャネルでの送信は、プライマリチャネルでの送信が成功しなかった後、且つ、このような判定の直後に、セカンダリチャネルの無線ネットワークの関連付けプロトコル(association protocol)を実行せずに生じることが好ましい。セカンダリチャネルは、無線周波数の特定の帯域、通信プロトコル(具体的には、資産管理タグに使用される1つ以上のチャネル、IEEE802.11ネットワークで資産管理タグに使用される通信プロトコル、RFIDタグに使用される1つ以上のチャネル、IEEE802.15.4無線機に使用される1つ以上のチャネル、ZigBee無線機に使用される1つ以上のチャネル、Bluetooth(登録商標)無線機に使用される1つ以上のチャネル、IEEE802.11ネットワークのビーコン期間内の1つ以上の所定の持続時間及び位置、IEEE802.11ネットワークのTBTT(target beacon transmission time)の直前の期間のような高い利用可能性の確率を有することが想定されるビーコン期間内の1つ以上の期間、プライマリチャネルで送信する試みが失敗した場合に送信に確保された1つ以上の専用のIEEE802.11無線チャネル、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)、GPRS、UMTS、CDMA2000、IS-95、GSM(登録商標)、CDMA、CDMA 1x、CDMA 1X EV-DO、UMTS over W-CDMA、UMTS over TDD、CDMA 3X EV-DO、HSPA D、HSPA U、EDGEのようなセルラネットワーキング技術に使用される1つ以上のチャネル、IEEE802.16、WiMAX、IEEE802.22のようなブロードバンド無線アクセスに使用される1つ以上のチャネル)等のうち1つ以上になることが提案される。
【0016】
警報信号は、PMD12と無線アクセスポイント(WAP:wireless access point)32との間で無線通信リンク30を介して病院のネットワーク20に通信される。通信リンク30は、一般的にここでは802.11-QoSプロトコルとして示されるサービス品質(QoS)の拡張を含むIEEE802.11プロトコルを使用する。或る実施例では、802.11-QoSプロトコルは、IEEE802.11e標準に準拠する。或る実施例では、802.11-QoSプロトコルは、IEEE802.11EDCA標準に準拠する。略語“EDCA”は、“enhanced distributed channel access”を表す。802.11-QoSプロトコルはまた、標準のIEEE802.11eプロトコルのサブセットを使用してもよく(すなわち、いくつかの機能は実装されない)、標準のIEEE802.11eプロトコルのスーパーセットを使用してもよく(すなわち、更なる機能が追加される)、いくつかの機能が標準に追加されていくつかの機能が実装されないIEEE802.11eに基づく変更されたプロトコルを使用してもよい。通信リンク30は例示であり、典型的には、802.11-QoSプロトコルに準拠した通信システムは、複数の、数十の又は更に多くのこのような通信リンクをサポートしてもよい。同様に、単一のWAP32が示されているが、典型的には、802.11-QoSプロトコルに準拠した通信システムは、通信システムの所望のカバレッジエリアを提供するために、病院又は他の医療施設を通じて分配された1つ、2つ、3つ、4つ、10個、20個又は更に多くの無線アクセスポイントを含んでもよい。更に、単一の病院のネットワーク20が示されているが、通信システムは、通信システムの所望のカバレッジエリアを提供するために、病院又は他の医療施設を通じて分配された1つ、2つ、3つ、4つ、10個又は更に多くのネットワークを含んでもよい。或る実施例では、第2の送信機28は、無線周波数の異なる帯域で又は異なる無線プロトコルを通じて、第1の送信機26とは異なるアクセスポイント32’を介して病院のネットワーク20と通信する。他の実施例では、第1の送信機26及び第2の送信機28は、同じ周波数帯域及び無線プロトコルで通信するが、異なる論理無線ネットワークに属する。
【0017】
図2に示すように、PMD12は、警報信号40を患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24に送信する。PMD12から警報信号40を受信したことに応じて、患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24は、ACKメッセージのような受信確認メッセージ42を送信側PMD12に送信し、警報信号40が患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24により受信されたことをPMD12に通知する。
【0018】
一実施例では、PMD12の第1の送信機26は、プライマリチャネルを使用して、病院のネットワーク20を通じて警報信号を患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24に無線で送信する。警報信号の送信が成功した場合、PMD12の通信ユニット18は、受信確認メッセージを受信し、患者の状況が警報を生成することを認めるか否かを判定するために、患者の生理的データを処理し続ける。PMD12が予め選択された試行回数の後にプライマリチャネルを使用した送信から受信確認メッセージ42を受信していない場合、PMD12は、受信確認メッセージがチャネルの1つを介して受信されるまで、プライマリチャネルでの警報信号の送信と共に、第2のチャネルセットのサブセットで警報信号を送信する。
【0019】
他の実施例では、PMD12は、IEEE802.11APSDプロトコル等のような自動節電配信モードを使用するように自ら構成する。PMD12の第1の送信機26は、所定の期間又は所定の回数だけ、病院のネットワーク20を通じてIEEE802.11APSDプロトコルを使用してプライマリチャネルで警報信号を患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24に無線で送信する。警報信号の送信が成功した場合、PMD12は、受信確認メッセージを受信し、患者の状況が警報を生成することを認めるか否かを判定するために、患者の生理的データを処理し続ける。PMD12が所定の期間又は所定の回数内にプライマリチャネルを使用した送信から受信確認メッセージ42を受信していない場合、PMD12は、プライマリチャネルでIEEE802.11APSDプロトコルを使用しつつ/使用すると共に、所定の期間又は所定の回数だけ、セカンダリチャネルプロトコルのサブセットで警報信号を送信する。PMD12が所定の期間又は所定の回数内にセカンダリチャネルを使用した送信から受信確認メッセージ42を受信していない場合、PMD12は、所定の期間又は所定の回数だけ、IEEE802.11APSDプロトコルを使用したプライマリチャネルでの警報信号の送信に戻る。これは、受信確認メッセージがPMD12により受信されるまで繰り返される。
【0020】
ここでは、様々な実施例及び図面に記載するPMD12、WAP32、病院のIPネットワーク20、患者情報サーバ22及び移動患者情報表示システム24のそれぞれは、ここに記載した様々な機能、動作、ステップ、方法等を実行するコンピュータ実行可能命令を格納するメモリ又はコンピュータ可読媒体(図示せず)と、コンピュータ実行可能命令を実行する1つ以上のプロセッサ(図示せず)とを含むことが分かる。メモリは、制御プログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体(ディスク、ハードドライブ等)でもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形式は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ若しくは他の磁気記憶媒体、CD-ROM、DVD若しくは他の光学媒体、RAM、ROM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、その変形、他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又はプロセッサが読み取って実行することができる他の具体的な媒体を含む。これに関して、ここに記載するシステムは、1つ以上の汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、デジタルシグナルプロセッサ、個別素子回路のような配線電子回路又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、グラフィックカードCPU(GPU)又はPALのようなプログラム可能論理装置等に実装されてもよく、1つ以上のこのようなものとして実装されてもよい。
【0021】
図3を参照すると、PMDの動作のフローチャートが示されている。ステップ100において、PMDは、プライマリチャネルの好適な無線技術(IEEE802.11等)を使用して、プライマリチャネルでアクセスポイントと接続する。PMDは、関連する患者から生理的データを収集し、ステップ102において、データを分析し、警報の生成を認める状況が存在するか否かを判定する。ステップ104において、警報の状況が検出されたか否かが判定される。検出された場合、ステップ106において、警報を送信するためにプライマリチャネルで1回以上の試みが行われる。ステップ106において、プライマリチャネルを通じた警報の送信が、警報送信の許容可能な待ち時間未満の第1の所定の持続時間又は第1の所定の回数の最大値まで試みられる。ステップ108において、警報の送信が成功したか否かが判定される。第1の所定の持続時間内に又は第1の所定の試行回数の後に警報の送信が成功していない場合、ステップ110において、第2の所定の持続時間又は第2の所定の回数の最大値までセカンダリチャネルセットのサブセットで警報を送信する試みが行われる。第2の所定の持続時間の終了時に又は第2の所定の試行回数の後に、ステップ112において、警報の送信の受信確認が受信機から受信されたか否かを検出するために、プライマリチャネルで検査が行われる。或いは、ステップ110は、プライマリチャネルからの各送信又はセカンダリチャネルでの1つ以上の送信後に受信確認メッセージを検査してもよい。送信の受信確認が受信された場合、ステップ102において、PMDは、更なる警報の状況を検出するために生理的データを処理し続ける。しかし、送信の受信確認が受信されなかった場合、ステップ112において、PMDは、第2の所定の持続時間又は第2の所定の試行回数の最大値までセカンダリチャネルセットのサブセットで警報を1回以上送信する試みを続ける。
【0022】
図4を参照すると、PMDの動作のフローチャートが示されている。他の実施例では、ステップ120において、PMDは、プライマリチャネルのIEEE802.11無線技術を使用して、プライマリチャネルでアクセスポイントと接続する。ステップ122において、PMDは、IEEE802.11APSDプロトコルを使用するように自ら構成する。ステップ124において、PMDは、関連する患者から生理的データを収集し、データを分析し、警報の生成を認める状況が存在するか否かを判定する。ステップ126において、警報の状況が検出されたか否かが判定される。検出された場合、警報を送信するためにプライマリチャネルで1回以上の試みが行われる。ステップ128において、プライマリチャネルを通じた警報の送信が、警報送信の許容可能な待ち時間未満の第1の所定の持続時間又は第1の所定の回数の最大値まで試みられる。第1の所定の持続時間の終了時に又は第1の所定の送信試行回数の後に、ステップ130において、PMDは、送信の受信に対する受信確認が受信されたか否かを検査する。一実施例では、PMDは、各送信の試行後に受信確認を検査する。送信の受信確認が受信された場合、ステップ124において、PMDは、警報の状況を検出するために、生理的データを処理し続ける。しかし、送信の受信に対する受信確認が受信されなかった場合、ステップ132において、第2の所定の持続時間又は第2の所定の回数の最大値までセカンダリチャネルセットのサブセットで警報を送信する1回以上の試みが行われる。第2の所定の持続時間の終了時に又は第2の所定の試行回数の後に、ステップ128において、PMDは、プライマリチャネルで警報を送信する試みを続ける。送信の受信に対する受信確認が受信されるまで、処理自体が繰り返される。処理は、警報の状況のリセットのような手動のユーザ介入により終了されてもよい。
【0023】
本発明について好ましい実施例を参照して説明した。変更及び変形は、前述の詳細な説明を読んで理解することにより、他人に思い浮かぶことがある。本発明は、特許請求の範囲内又はその均等内に入る限り、全てのこのような変更及び変形を含むものとして解釈されることを意図する。