特許第5789658号(P5789658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5789658遠心力作用により飲料を調製するためのカプセル、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789658
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】遠心力作用により飲料を調製するためのカプセル、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20150917BHJP
   A47J 31/34 20060101ALI20150917BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   A47J31/06
   A47J31/34
   A47J31/44 100
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-509569(P2013-509569)
(86)(22)【出願日】2011年5月12日
(65)【公表番号】特表2013-526317(P2013-526317A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011057670
(87)【国際公開番号】WO2011141535
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】10169374.5
(32)【優先日】2010年7月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】10162741.2
(32)【優先日】2010年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ヤリシュ, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ペロント, アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ケーザー, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】マグリ, カルロ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバウレ, アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ケーザー, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アベグレン, ダニエル
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭62−048878(JP,B1)
【文献】 特表2010−526359(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/134910(WO,A1)
【文献】 特開2007−257439(JP,A)
【文献】 特開2000−094838(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/026053(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0048621(US,A1)
【文献】 米国特許第06527181(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0078480(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01764015(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0189362(US,A1)
【文献】 実開平02−108873(JP,U)
【文献】 特表2004−525829(JP,A)
【文献】 特表2012−501199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/34
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器及び該容器内に収容された飲料原材料を備える飲料調製用のカプセルであって、前記カプセルは少なくとも1つの支持体を備え、
前記支持体は、前記カプセルが回転軸に沿って回転駆動される間に外部デバイスの読取機構により各記号を逐次的に読み取ることが可能となるように記号のシーケンスが複数表示されたセクションを備え、各シーケンスが前記カプセルに関する情報セットをコード化したものであって、
複数の前記シーケンスは、それぞれ前置シーケンスを明示する記号を備え、
前記前置シーケンスを明示する記号は、保存されたビットシーケンスをコード化したものであって、シーケンスの位置を区別することができ、
前記容器が、フランジ状リムを備えた本体と、該本体に連結された蓋とを備え、前記セクションが前記リムにおける前記蓋とは反対側の底部に存在する、カプセル。
【請求項2】
少なくとも1つの前記シーケンスの前記情報セットが、前記カプセルに関連付けられるタイプを認識するための情報を含む、請求項1に記載のカプセル
【請求項3】
少なくとも1つの前記シーケンスの前記情報セットが、該情報セットのエラーを検出するための、及び/又はエラーを訂正するための情報を含む、請求項1又は2に記載のカプセル
【請求項4】
前記前置シーケンスを明示する記号が、前記情報セットを認定するための情報を含む、請求項に記載のカプセル
【請求項5】
各記号が、前記読取機構により読取り可能な計測可能な特徴を有する実体により前記セクションに表示され、前記計測可能な特徴が、前記記号により伝達される値に応じて変更される、請求項1〜のいずれか一項に記載のカプセル
【請求項6】
各記号が、当該支持体の前記セクションに印刷され及び/又はエンボスされ、及び/又は1つ又は複数の不連続な多角形面若しくは楕円形面から形成される、請求項に記載のカプセル
【請求項7】
当該支持体の前記セクションが外周部であり、各記号が、際立って線形であり実質的に前記外周部の少なくとも一部に沿って延在するセグメントにより前記セクションに表示される、請求項に記載のカプセル
【請求項8】
前記記号が前記読取機構内に備えられた光学センサにより読取り可能であり、各記号の色及び/又は形状が前記記号の値に応じて選択される、請求項のいずれか一項に記載のカプセル
【請求項9】
前記記号が、自然光下において人間の眼による視認が不可能なインクにより印刷される、請求項のいずれか一項に記載のカプセル
【請求項10】
前記記号が、光に対して異なる反射特性及び/又は吸収特性を有する複数の表面を有するパターンにより印刷され又はエンボスされる、請求項のいずれか一項に記載のカプセル
【請求項11】
前記パターンが、光に対して傾斜ミラー特性又は吸収特性を有する第1の面と、光に対して平坦ミラー特性又は平坦反射特性を有する第2の面とを有する、請求項10に記載のカプセル
【請求項12】
前記支持体が、当該カプセルに恒久的に装着若しくは配置されるか、又は取外し自在に連結される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項13】
外周部を有し、前記セクションが前記外周部のアーチ状経路又は円形経路に沿って前記容器に構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項14】
各シーケンスが前記外周部の少なくとも8分の1に沿って配置される、請求項13に記載のカプセル。
【請求項15】
飲料調製デバイスと、請求項1〜14のいずれか一項に記載のカプセルから飲料を調製するためのシステムであって、前記飲料調製デバイスが、前記カプセルを保持するためのカプセル保持手段と、前記回転軸に沿って前記保持手段及び前記カプセルを回転駆動するための回転駆動手段と、前記カプセルが前記回転軸に沿って回転される際に前記セクション内の記号のシーケンスを読み取るように構成された読取り手段とを備える、システム。
【請求項16】
前記読取り手段が光エミッタと、光センサ又は誘導センサとを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記光センサ又は前記誘導センサが、前記カプセルのリムの前記シーケンスを読み取るように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記回転軸に沿って前記カプセルを回転させることにより前記飲料が前記カプセルから抽出される、請求項1517のいずれか一項に記載のシステムから飲料を調製するための方法。
【請求項19】
前記記号が第1の回転速度で読み取られ、前記飲料が第2の回転速度で前記カプセルから抽出される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に飲料調製用の原材料を収容したカプセルを使用する、飲料調製マシンの分野に関する。特に、本発明は、カプセルに関する情報を記憶するように構成されたコーディング支持体、コーディング支持体に関連付けられた又はコーディング支持体を組み込んだカプセル、並びに飲料を調製するためにかかる情報を読み取り利用するための読取/処理機構に関する。
【0002】
本説明において、「飲料」は、コーヒー、紅茶、ホットチョコレート若しくはコールドチョコレート、牛乳、スープ、又は離乳食等、人間が摂取することが可能な任意の液体物質を包含するように意図される。「カプセル」は、原材料を収容した軟性ポッド又は剛性カートリッジを含む、プラスチック、アルミニウム、再利用可能及び/又は生分解性の材料、及びそれらの組合せ等の任意の適切な材料からなる密封パッケージ内の任意の事前小分けされた飲料原材料又は飲料原材料の組合せ(以降においては「原材料」と呼ぶ)を包含するように意図される。
【背景技術】
【0003】
いくつかの飲料調製マシンは、抽出すべき若しくは溶解すべき原材料及び/又はマシン内に保管され自動的に分注されるか若しくは飲料調製時に添加される原材料を収容したカプセルを使用する。いくつかの飲料マシンは、通常は水である液体用のポンプを備えた液体充填手段を有し、この液体充填手段は、冷温の、又は例えばサーモブロック等の加熱手段により加熱された液体を水供給源からポンプ供給する。いくつかの飲料調製マシンは、遠心力作用抽出プロセスを利用することにより飲料を調製するように構成される。この原理は、カプセルの容器内に飲料原材料を用意し、この容器内に液体を送出し、この容器を高速で回転させて、容器内において液体に圧力勾配をもたらしつつ粉末と液体との相互作用を確実に生じさせることから主になる。かかる圧力は、容器の中央部から外周部の方向へと漸増したものとなる。液体がコーヒー層を縦断するにつれて、コーヒー混合物の抽出が行われ、液体抽出物が得られ、これが容器の外周部にて流出する。
【0004】
カプセルを識別することが、例えば液体又は飲料の流量、圧力、回転速度、温度、及びそれらの組合せ等の、飲料調製デバイスにおけるパラメータを制御するため等に望ましい場合がある。
【0005】
欧州特許第0451980号は、飲料調製用の食用品を収容したパッケージに関する。認識手段が、パッケージの本体に貼付された、適切な磁気センサによる読取りが可能な1つ又は複数の磁気製ストリップを備えることが可能である。1つ又は複数の形状設定された又は分割された金属フォイルエリアが、パッケージ本体に付加され、このエリアによりマシン内におけるパッケージの移動に対して誘導効果が引き起こされ、この誘導効果が感知され得るか、又は、電気的に感知され得る1つ又は複数の導電性エリアが、パッケージの本体上に形成される。
【0006】
国際公開第02/28241号パンフレットは、空洞部を画成するフィルタと、空洞部内の淹出原材料とを備える、高温飲料又は冷温飲料の調製において使用するための密封コーヒーパケットに関する。このパケットは、フィルタ上に位置する、色、形状、グリフ、テキスト文字列、バーコード、又は電子透かし等の機械解釈可能な特徴をさらに備える。
【0007】
国際公開第02/078498号パンフレットは、エスプレッソマシン用の挽粒コーヒーを収容した小分けパッケージ上の機械読取り可能な識別子に関する。この識別子は、カプセルがカルーセル内に保管される際等、カプセルの外周部の外部に位置する軸を中心として回転する際に読み取られる同心状バーコードであることが可能である。
【0008】
国際公開第2005044067号パンフレットは、UV光下において視認可能なコードが印刷された、又はリボンもしくラベル等の磁気コードを有する、カプセルを識別するためのシステムに関する。このコードは、回転式の磁気読取りヘッドにより読み取られてもよい。しかし、かかるシステムは、飲料を抽出するために遠心力を利用するデバイスにおいてカプセルを検出するようには構成されていない。
【0009】
国際公開第2009007292号パンフレットは、淹出チャンバが開位置から閉位置へと閉鎖されつつある際に飲料マシンにおいてバーコードを読み取るための方法に関する。
【0010】
国際公開第2010/026053号パンフレットは、遠心力を利用した制御式の飲料製造デバイスに関する。カプセルは、カプセルの外面上に設けられたバーコードを備えてもよく、このバーコードにより、カプセルのタイプ及び/又はカプセル内に用意された原材料の性質の検出が可能となり、それにより調製すべき飲料に関する所定の抽出プロファイルの適用が可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
飲料調製マシンにおけるカプセルの識別に関する問題は、カプセルからの情報の取得又は読取りが、常に確実又は好都合とはならない点である。さらに、この情報の読取りのために感知デバイスに割り当てられる、マシンにおいて利用できる空間が非常に限定され、これにより、比較的大量のデータの読取りを行うことが困難になる場合がある。本発明は、これらの問題に対する解決をもたらす。
【0012】
本発明の1つの目的は、カプセルに関する情報を、より具体的には製造マシン内におけるカプセルの位置を特定するための情報を記憶、読取り、及び処理するための、並びに、このマシンの動作パラメータを調節するための及び/又はカプセルを用いて飲料を調製するためのパラメータを制御するための情報を検索又は読み取るための手段を提供することである。
【0013】
もう1つの目的は、飲料を調製するために最適な条件を制御することである。
【0014】
もう1つの目的は、利用できる空間が非常に限定されて過酷な環境である(材料の痕跡、蒸気及び液体の存在、・・・)場合に、例えばマシンの処理モジュール/淹出ユニット内等、マシン内に配設されたセンサを用いてカプセルに関する情報を確実に読み取るための解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的の1つ又は複数は、独立請求項(又は複数の独立請求項)に記載の支持体、カプセル、デバイス、又は方法により達成される。これらの独立請求項は、これらの目的及び/又は追加の利点に向けて解決策をさらに提供する。
【0016】
より具体的には、第1の態様によれば、本発明は、飲料調製用のカプセルと関連付けられるか又はカプセルの一部となるように構成された支持体に関する。この支持体は、カプセルが回転軸に沿って回転駆動される間に外部デバイスの読取機構により各記号を逐次的に読み取ることが可能となるように記号の少なくとも1つのシーケンスが表示されたセクションを備える。各シーケンスは、このカプセルに関する情報セットをコード化したものである。外部デバイスは、このマシンの処理モジュール/淹出ユニット内に組み込まれてもよい。カプセルが回転駆動される間に逐次的に読取り可能な記号を設けることにより、コード化されるデータ量を増加させることができ、及び/又は各記号により覆われたエリアを拡張することができ、これにより、読取りの確実性が全体的に向上する。「逐次的に」とは、例えば、各記号が、個別に又は読取機構の能力に応じて読み取られ得る、例えば36個の記号を含むシーケンスの場合には一度に3つの記号等、複数の記号が一度に読み取られ得る等、(各シーケンス内に含まれる記号数未満の)1つ又は限定数の記号が、所与の時間で読み取られることを意味する点を理解されたい。その結果、支持体内の全てのシーケンスに含まれる全ての記号の少なくとも1回の読取りが、カプセルの回転軸を中心としたカプセルの360度回転後に読取機構によって実施され得る。
【0017】
一実施形態においては、支持体は、カプセル自体の一部であることが可能である。特に、支持体は、カプセルの外周部又は外周部の一部に沿って延在してもよい。さらに、支持体は、カプセルの最外円形ラインとして定義されるカプセルの周縁の付近に位置することが可能である。これらの位置は、記号を配設するための広いエリアを提供すること、処理モジュールにより、特にピラミッド形状プレートにより引き起こされる損傷並びに材料の放出を被りにくいことの両方の理由によって、特に有利である。その結果、コード化される情報量及び読取りの確実性が共に向上する。
【0018】
支持体は、カプセルの本体の一部であるか、又はカプセルの本体に直接形成することが可能である。また、支持体は、カプセルのリムの底部側に配設することも可能である。典型的には、周縁から支持体までの距離は、10mm未満であり、より好ましくは8mm未満である。特に、支持体は、塗料及び/又はラッカーから構成することが可能であり、及び/又はカプセル自体の材料からなるエンボス層であることが可能である。
【0019】
一実施形態においては、支持体は、カプセルと回転結合されるように構成された別個の部品であることが可能である。例えば、支持体は、記号の少なくとも1つのシーケンスが表示された外周部を有するリングであることが可能であり、これにより、ユーザは、飲料マシンの淹出ユニット内にカプセルを導入する前にカプセルの外周部にリングを位置決めすることが可能となる。その結果、支持体の取付けにより情報を追加することによって、情報を記憶するための組み込まれた手段を有さないカプセルを改変することが可能となる。読取機構の構成に応じて、支持体は、記号のシーケンスを含むセクションが、カプセルの本体の外周部若しくは外周部の一部に沿って、又はカプセルのリムの底部側に延在するように、位置決めすることが可能である。支持体は、追加の固定手段を用いずにカプセルに対して簡単に配設されてもよく、これにより、ユーザは、支持体が淹出ユニットに入る際の正確な位置決めを確保でき、又は支持体が一度取り付けられると支持体の形態及び寸法によってカプセルに対する移動が防止される。あるいは、支持体は、一度取り付けられた場合にカプセルに対して固定された状態に支持体が留まるのを補助するための、膠剤又は機械的手段等の固定手段を備えてもよい。
【0020】
特に、少なくとも1つのシーケンスの情報セットが、カプセルに関連付けられるタイプ、及び/又は以下のリストの項目の1つ若しくは組合せを認識するための情報を含んでもよい。
最適な回転速度、カプセルに入る水の温度、カップセル外部の飲料収集器の温度、カプセルに入る水の流量、調製プロセス中の動作シーケンス等、カプセルを用いて飲料を調製するためのパラメータに関する情報
例えばカプセルのタイプの認識を可能にする識別子等、カプセルを用いて飲料を調製するためにパラメータを局所的に取得及び/又は遠隔的に取得するための情報
製造バッチ識別子、製造日、推奨賞味期限、有効期限等、カプセルの製造に関する情報
カプセルの製造に関する情報を局所的に取得及び/又は遠隔的に取得するための情報
【0021】
少なくとも1つのシーケンスの各情報セットは、冗長情報を含んでもよい。したがって、エラー確認が比較により実施されてもよい。また、エラー確認により、シーケンスのいくつかの部分が読取り不能である場合におけるシーケンスの連続読取り能力が向上する。また、少なくとも1つのシーケンスの情報セットは、エラーを検出するための、及び/又は情報セットのエラーを訂正するための情報を含んでもよい。エラーを検出するための情報は、反復コード、奇偶検査ビット、チェックサム、巡回冗長チェック、暗号学的ハッシュ関数データ等を含んでもよい。エラーを訂正するための情報は、エラー訂正コード、順方向エラー訂正コード、及び特に畳み込みコード又はブロックコードを含んでもよい。
【0022】
シーケンスに配置される記号は、カプセルに関する情報セットを伝達するデータを表すために使用される。例えば、各シーケンスは、ビット整数を表してもよい。各記号は、1つ又は複数のバイナリビットをコード化してもよい。また、データは、記号間の推移により表されてもよい。記号は、例えばマンチェスターコーディングのような線形コード化等の変調方式を用いてシーケンスに配置されてもよい。
【0023】
各記号は、計測機構により読取り可能な計測可能な特徴を有する実体により前述のセクションに表されてもよく、この計測可能な特徴は、記号により伝達される値に応じて変更される。各記号は、印刷されても及び/又はエンボスされてもよい。記号の形状は、次の非限定的なリスト、すなわちアーチ状セグメント、個別に直線を成すがセクションの少なくとも一部に沿って延在するセグメント、点、多角形、幾何学的形状から選択されてもよい。記号は、読取機構内に備えられる光学センサにより読取り可能であってもよく、各記号の色及び/又は形状は、記号の値に応じて選択される。記号は、例えばUV下において視認可能なインク等、自然光下において人間の眼による視認が不可能なインクにより印刷されてもよい。記号は、光に対して異なる反射特性及び/又は吸収特性を有する複数の面を有するパターンにより印刷されても又はエンボスされてもよい。このパターンは、光に対して傾斜ミラー特性又は吸収特性を有する第1の面と、光に対して平坦ミラー特性又は平坦反射特性を有する第2の面とを有してもよい。各記号を区別するために、例えば色、反射率、不透過率、光吸収レベル、磁場、誘導磁場、抵抗率、容量等の他の可変的な物理特徴が選択されてもよい。例えば、シーケンスは、4つのデータセット「00」、「01」、「10」、「11」の中の1つをそれぞれコード化する4つの異なる記号により構成することが可能であり、各記号は、点又は正方形の形状、及び黒色又は25%グレー色を有する。この例においては、黒色点が「00」をコード化し、グレー色点が「01」をコード化し、黒色正方形が「10」をコード化し、グレー色正方形が「11」をコード化してもよい。
【0024】
一実施形態においては、記号の各シーケンスが同一の固定長を有し、より具体的には固定数の記号を有する。シーケンスの構造が判明している場合には、読取機構による各シーケンスの認識が容易になり得る。
【0025】
一実施形態においては、少なくとも1つの前置記号が、セクションにおける各シーケンスの開始位置及び/又は終了位置の判定を可能にするためにセクションに表示される。前置記号は、他の記号とは別個に識別されるように選択される。前置記号は、他の記号と比較して異なる形状特徴及び/又は物理特徴を有してもよい。2つの隣り合うシーケンスが、あるシーケンスの終了及び他のシーケンスの開始を表す共通前置記号を有してもよい。
【0026】
一実施形態においては、少なくとも1つのシーケンスが、そのカプセルに関する情報セットをコード化した、シーケンスの記号の位置の判定を可能にするために、前置シーケンスを明示する記号を備える。前置を明示する記号は、例えば「10101010」等、既知の保存されたビットシーケンスをコード化したものであってもよい。
【0027】
一実施形態においては、前置記号及び/又は前置シーケンスは、例えばハッシュコード又は暗号化シグネチャ等の、情報セットを認定するための情報を含む。
【0028】
読取機構は、記号を逐次的に読み取るように、すなわち限定された記号サブセットを個別に読み取るように構成されてもよく、記号のシーケンス全体は、カプセルが完全に回転することにより、読取機構によって読取り可能である。例えば、読取機構は、一度に1つの記号を読み取るように構成されてもよく、記号は、カプセルの外周部の少なくとも8分の1、好ましくは少なくとも4分の1以上に沿って延在する。この構成により、読取りの確実性を改善することが可能となる。その理由は、一度に1つの記号を読み取ることが、一度に全ての記号を読み取ることよりも容易であり、確実であり、読取りエラーの発生が少ないからである。さらに、記号がアーチ状ラインに沿って位置することにより、抽出チャンバ内における利用可能な空間が限定されること、読み取るべきエリアが広いこと、及び期待される確実性を考慮した場合に、走査ビームによる読取りが適切なものとはならない場合がある。カプセルを回転させることにより、センサ又はその読取エリアを変位させる必要を伴わずに、各記号を逐次的に読み取ることが可能となる。
【0029】
第2の態様によれば、本発明は、容器及びこの容器内に収容された飲料原材料を備える飲料調製用のカプセルに関する。この容器は、第1の態様による少なくとも1つの支持体を備える。
【0030】
カプセルは、外周部を有してもよく、前述のセクションは、この外周部のアーチ状経路又は円形経路に沿って容器に構成される。各シーケンスは、外周部の少なくとも8分の1に沿って配置されてもよい。
【0031】
容器は、例えば本体と、この本体に連結された蓋とを備え、支持体の前述のセクションは、容器の蓋に存在する。
【0032】
支持体の前述のセクションは、カプセルのリムに、特にカプセルの蓋又はフォイルの反対側のカプセルのリムの底部に存在してもよい。
【0033】
第3の態様によれば、本発明は、飲料調製デバイスと、第2の態様によるカプセル、又はカプセルと第1の態様による支持体の組合せとから飲料を調製するためのシステムに関する。このデバイスは、カプセルを保持するためのカプセル保持手段と、回転軸に沿って保持手段及びカプセルを回転駆動するための回転駆動手段と、カプセルが回転軸に沿って回転される際に前述のセクションの記号のシーケンスを読み取るように構成された読取り手段とを備える。この読取り手段は、光エミッタと、光センサ又は誘導センサとを備えてもよい。光学読取り手段又は誘導センサは、カプセルのリムのシーケンスを読み取るように構成されてもよい。
【0034】
第4の態様によれば、本発明は、第3の態様によるシステムから飲料を調製するための方法に関する。この飲料は、回転軸に沿ってカプセルを回転させることによりカプセルから抽出される。シーケンスは、第1の回転速度で読み取られてもよく、飲料は、第2の回転速度でカプセルから抽出されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態の非限定的な例として提示される以下の詳細な説明及び添付の図面により、本発明がよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】遠心力作用による抽出の基本原理を示す図である。
図2】本発明による支持体を示す図である。
図3】カプセルの蓋面上の記号の読取り方法を示す図である。
図4】カプセルの蓋面上の記号の読取り方法を示す図である。
図5】カプセル上のシーケンスの代替位置、特に、抽出デバイスのカプセルホルダ内に取り付けられたカプセルのリムの下側の代替位置を示す図である。
図6】例えば図5のシーケンスの代替位置の場合の、正検出及び負検出におけるレーザ源及び検出器の組合せを示す図である
図7】例えば図5のシーケンスの代替位置の場合の、カプセル上の色記号の検出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明のカプセルを使用し得る、国際公開第2010/026053号パンフレットに記載されているような飲料調製システム1の一例を図示する。
【0038】
遠心力作用ユニット2は、遠心力作用セル3を備える。このセル3は、カプセルホルダと、カプセルホルダ内に受けられるカプセルとを備え得る。遠心力作用ユニットは、回転モータ等の駆動手段5に連結される。遠心力作用ユニットは、収集部分及び出口35を備える。レセプタクル48が、抽出された飲料を収集するために出口の下方に配設され得る。このシステムは、水リザーバ6及び流体回路4等の液体供給手段をさらに備える。また、加熱手段31がリザーバ内に又は流体回路に沿って設けられてもよい。液体供給手段は、リザーバに連結されたポンプ7をさらに備えてもよい。流体制限手段19が、遠心力作用を受けてカプセルを出る液体流を制限するために設けられる。このシステムは、セル3内に供給される水の流量を制御可能にするために流量計用タービン8等の流量計をさらに備えてもよい。生成されたインパルスデータ10の分析を可能にするために、流量計用タービン8に計数器11が接続され得る。次いで、分析されたデータは、プロセッサ12に転送される。したがって、流体回路4内の液体の正確な実流量をリアルタイムで計算することが可能となる。制御ユニット9に転送される情報をユーザが入力し得るようにユーザインターフェース13が設けられてもよい。本システムのさらなる特徴は、国際公開第2010/026053号パンフレットにおいて確認することができる。
【0039】
以下の例(図を参照)においては、カプセルは、フランジ状リム73が延在したカップ状本体69を備える。(液密の又は液体透過性の)フォイル又は膜等の蓋60が、例えばリム上に封止される等、本体に連結される。カプセルは、挽粒コーヒー等の飲料原材料で充填される。
【0040】
カプセルは、軸Aを中心として回転するように設計される。この軸Aは、ディスクの形態をなす膜の中心を垂直方向に横断する。この軸Aは、本体の底部の中心にて外に抜ける。この軸Aは、カプセル上に位置し基準軸として軸Aを有する円形経路である「外周部」の概念の規定を助ける。この外周部は、例えば膜等の蓋に位置すること又はフランジ状リム等本体部に位置することが可能である。蓋は、デバイス内に挿入する前には液体不透過性であってもよく、又は蓋の中央部及び/又は外周部に設けられた小さな開口又は孔を通して液体を透過させるものであってもよい。
【0041】
図2を参照すると、支持体20が図示されている。支持体20は、飲料調製用のカプセルと関連付けられるように、又はカプセルの一部となるように構成される。支持体20は、カプセルが回転軸Aに沿って回転駆動される間に外部デバイスの読取機構により各記号が逐次的に読取り可能となるように、記号24の少なくとも1つのシーケンスS1、S2、S3、S4が表示されたセクション22を備える。各シーケンスは、カプセルに関する情報セットをコード化したものである。特に、少なくとも1つのシーケンスの情報セットは、カプセルに関連付けられるタイプ及び/又は以下のリストの項目の1つ若しくは組合せを認識するための情報を含んでもよい。
最適な回転速度、カプセルに入る水の温度、カップセル外部の飲料収集器の温度、カプセルに入る水の流量、調製プロセス中の動作シーケンス等、カプセルを用いて飲料を調製するためのパラメータに関する情報
例えばカプセルのタイプの認識を可能にする識別子等、カプセルを用いて飲料を調製するためにパラメータを局所的に取得及び/又は遠隔的に取得するための情報
製造バッチ識別子、製造日、推奨賞味期限、有効期限等、カプセルの製造に関する情報
カプセルの製造に関する情報を局所的に取得及び/又は遠隔的に取得するための情報
【0042】
少なくとも1つのシーケンスの各情報セットは、冗長情報を含んでもよい。したがって、エラー確認が比較により実施されてもよい。また、エラー確認により、シーケンスのいくつかの部分が読取り不能である場合におけるシーケンスの連続読取り能力が向上する。また、少なくとも1つのシーケンスの情報セットは、情報セットのエラーを検出するための及び/又はエラーを訂正するための情報を含んでもよい。エラーを検出するための情報は、反復コード、奇偶検査ビット、チェックサム、巡回冗長チェック、暗号学的ハッシュ関数データ等を含んでもよい。エラーを訂正するための情報は、エラー訂正コード、順方向エラー訂正コード、及び特に畳み込みコード又はブロックコードを含んでもよい。
【0043】
シーケンスに配置される記号は、カプセルに関する情報セットを伝達するデータを表すために使用される。例えば、各シーケンスは、ビット整数を表してもよい。各記号は、1つ又は複数のバイナリビットをコード化してもよい。また、データは、記号間の推移により表されてもよい。記号は、例えばマンチェスターコーディングのような線形コード化等の変調方式を用いてシーケンスに配置されてもよい。
【0044】
各記号は、計測機構により読取り可能な計測可能な特徴を有する実体により前述のセクションに表されてもよく、この計測可能な特徴は、記号により伝達される値に応じて変更される。各記号は、印刷されても及び/又はエンボスされてもよい。記号の形状は、次の非限定的なリスト、すなわちアーチ状セグメント、個別に直線を成すがそのセクションの少なくとも一部に沿って延在するセグメント、点、多角形、幾何学的形状から選択されてもよい。記号は、読取機構内に備えられる光学センサにより読取り可能であってもよく、各記号の色及び/又は形状は、記号の値に応じて選択される。記号は、例えばUV下において視認可能なインク等、自然光下において人間の眼による視認が不可能なインクにより印刷されてもよい。記号は、光に対する様々な反射特性及び/又は吸収特性を有する面を有するパターンにより印刷されても又はエンボスされてもよい。このパターンは、光に対して傾斜ミラー特性又は吸収特性を有する第1の面と、光に対して平坦ミラー特性又は平坦反射特性を有する第2の面とを有してもよい。各記号を区別するために、例えば色、反射率、不透過率、光吸収レベル、磁場、誘導磁場、抵抗率、容量等の他の可変的な物理特徴が選択されてもよい。例えば、シーケンスは、4つのデータセット「00」、「01」、「10」、「11」の中の1つをそれぞれコード化する4つの異なる記号により構成することが可能であり、各記号は、点又は正方形の形状、及び黒色又は25%グレー色を有する。この例においては、黒色点が「00」をコード化し、グレー色点が「01」をコード化し、黒色正方形が「10」をコード化し、グレー色正方形が「11」をコード化してもよい。
【0045】
一実施形態においては、記号の各シーケンスが、同一の固定長を有し、より具体的には固定数の記号を有する。シーケンスの構造が判明している場合には、読取機構による各シーケンスの認識が容易になり得る。
【0046】
一実施形態においては、少なくとも1つの前置記号が、セクションにおける各シーケンスの開始位置及び/又は終了位置の判定を可能にするために、セクションに表示される。前置記号は、他の記号とは別個に識別されるように選択される。前置記号は、他の記号と比較して異なる形状特徴及び/又は物理特徴を有してもよい。2つの隣り合うシーケンスが、あるシーケンスの終了及び他のシーケンスの開始を表す共通前置記号を有してもよい。
【0047】
一実施形態においては、少なくとも1つのシーケンスが、そのカプセルに関する情報セットをコード化した、シーケンスの記号の位置の判定を可能にするために、前置シーケンスを明示する記号を有する。前置を明示する記号は、例えば「10101010」等、既知の予約されたビットシーケンスをコード化したものであってもよい。
【0048】
一実施形態においては、前置記号及び/又は前置シーケンスは、例えばハッシュコード又は暗号化シグネチャ等の、情報セットを認定するための情報を含む。
【0049】
一実施形態においては、支持体は、カプセル自体の一部であることが可能である。特に、支持体は、カプセルの外周部又は外周部の一部に沿って延在してもよい。さらに、支持体は、カプセルの最外円形ラインとして定義されるカプセルの周縁の付近に位置することが可能である。これらの位置は、記号を配設するための広いエリアを提供することと、処理モジュールにより、特にピラミッド状プレートにより引き起こされる損傷並びに原材料の放出を被りにくいこととの両方の理由によって、特に有利である。その結果、コード化される情報量及び読取りの確実性が共に向上する。
【0050】
支持体は、カプセルの本体の一部であるか、又はカプセルの本体に直接形成することが可能である。また、支持体は、カプセルのリムの底部側に配設することも可能である。典型的には、周縁から支持体までの距離は、10mm未満であり、より好ましくは8mm未満である。特に、支持体は、塗料及び/又はラッカーから構成することが可能であり、及び/又はカプセル自体の材料からなるエンボス層であることが可能である。
【0051】
一実施形態においては、支持体は、カプセルと回転結合されるように構成された別個の部品であることが可能である。例えば、支持体は、記号の少なくとも1つのシーケンスが表示された外周部を有するリングであることが可能であり、これにより、ユーザは、飲料マシンの淹出ユニット内にカプセルを導入する前にカプセルの外周部にリングを位置決めすることが可能となる。その結果、支持体の取付けにより情報を追加することによって、情報を記憶するための組み込み手段を有さないカプセルを改変することが可能となる。読取機構の構成に応じて、支持体は、記号のシーケンスを含むセクションが、カプセルの本体の外周部若しくは外周部の一部に沿って、又はカプセルのリムの底部側に延在するように、位置決めすることが可能である。支持体は、追加の固定手段を用いずにカプセルに対して簡単に配設されてもよく、これにより、ユーザは、支持体が淹出ユニットに入る際の正確な位置決めを確保でき、又は支持体が一度取り付けられると支持体の形態及び寸法によってカプセルに対する移動が防止される。あるいは、支持体は、一度取り付けられた場合にカプセルに対して固定された状態に支持体が留まるのを補助するための、膠剤又は機械的手段等の固定手段を備えてもよい。
【0052】
記号は、支持体の外周部又は外周部の一部に沿って延在する。コードは、連続するアーチ状セグメントを有してもよい。また、記号は、個々に線形であるが外周部の少なくとも一部に沿って延在する連続セグメントを有してもよい。一実施形態によれば、センサは、カプセルを回転させずに記号を読み取ることができない。より具体的には、センサは、カプセルを回転させずに各シーケンスに含まれる全ての記号を読み取ることができない。これは、記号が外周部の少なくとも8分の1、好ましくは少なくとも4分の1以上に沿って延在する場合に該当する。記号がアーチ状ラインに沿って位置することにより、走査ビームによる読取りが非常に困難になる。このため、カプセルの回転は、重要な役割を果たす。コードが本体に位置する例においては、シーケンスからなる記号セット全体にセンサをアクセスさせるために、カプセルを回転させることが必要となる。さらに、記号は、カプセルの周縁の付近に配置される。周縁は、カプセルの最外円形ラインとして定義される。好ましくは、この周縁からコードまでの距離は、10mm未満であり、より好ましくは8mm未満である。
【0053】
一実施形態によれば、記号は、自然光下において人間の眼による視認が不可能なインク(例えばUV下において視認可能なインク等)により印刷されてもよい。この例においては、センサは、UV光線源及びUV検出器をさらに備える。
【0054】
好ましくは、シーケンスは、確実な読取りを確保するために外周部に沿って反復される。シーケンスは、外周部において少なくとも2回反復される。好ましくは、シーケンスは、外周部において3〜6回反復される。シーケンスの反復は、同一のシーケンスが複製され、連続したシーケンスが外周部に沿って連続的に位置決めされることにより、カプセルが360度回転された場合に、同一のシーケンスが2回以上検出又は読取りされ得ることを意味する。
【0055】
[実施例]
1)支持体が直接形成されたカプセルの頂部側リム上のそれぞれのフォイルの光学読取り
図3において図示されるように、光線が、例えば膜又はフォイル60等、カプセルの蓋の上に投射される。
【0056】
カプセルフォイル60の上に直接的に、シーケンス61を形成する複数の記号が円形経路又はアーチ形状経路に沿って付加される。
【0057】
好ましくは、支持体は、蓋の平坦部分の上に、及びカプセルの周縁の付近に配置又は形成される。好ましくは、支持体は、カプセルのフランジ状リムにより支持されるか又はリムと重畳する蓋の上に配置される。したがって、支持体が機械的な拘束により歪まされず、より確実にシーケンスを読み取ることが可能となる。
【0058】
記号は、
2進値「0」をコード化したミラー面又は吸収面、並びに
2進値「1」をコード化するための拡散面及び反射面
によって表されてもよい。
これらの値「0」及び「1」は、任意に選択され、逆にすることが可能である。
【0059】
シーケンスは、中心軸A(図1)に沿ってカプセルを回転させることにより読み取られる。
【0060】
読取器又はセンサ62は、遠心力作用ユニット2の一部であり、
集束レンズを有する又は有さない光源、及び
集束レンズを有する又は有さない光センサ
からなる。
【0061】
光は、
非偏光、又は
偏光(レーザ)、又は
任意の、好ましくは赤外線のスペクトル
であることが可能である。
【0062】
支持体は、
視認可能、視認不可能な印刷(吸収/反射+拡散)、又は
エンボス(ミラー+粗反射+拡散)、又は
レーザ彫刻
によりカプセル上に形成することが可能である。
【0063】
また、随意に、記号は、色読取りデバイスと組み合わされる様々な色パターンにより表されてもよい。種々の色及び特定の回転速度での読取りを組み合わせることにより、明確に定義された「混色」が得られる。一例としては、外周部の半分が青色であり他の半分が黄色であるカプセルは、回転中には緑色の読取り結果をもたらす。同様に、3分の1が青色であり、残りの部分が黄色である場合には、別の色をもたらす。この例においては、光は、特定の収斂手段を用いずに単純な光源であることが可能である。
【0064】
図3に図示するように、センサ62の光源により送出された光線63が記号65の1つに当ると、反射ビーム64として反射され、これはセンサにより受光されない。
【0065】
カプセルが回転される際には、光線63は、拡散反射面(小さな矩形部同士の間の面)により示される別の記号に当り、部分的にセンサへと反射される。反射ビーム66は、センサにより受光されるが、他のビーム67、68は、センサの外部に拡散又は反射される。
【0066】
2)カプセルのリム底部側の光学読取り(図〜図
カプセル7は、少なくとも1つのシーケンス70を有してカプセルのリム73の底部側72に取り付けられた支持体を備えてもよい。記号は、光ミラー特性を有する小さな矩形面と、平坦ミラー特性及び/又は平坦拡散特性を有する中間面とにより表される。これらの面は、円形パターンで、又は少なくともリムの角部分に沿って配置される。
【0067】
光線74は、カプセルのリム73に投射される。
【0068】
記号は、
2進値「0」をコード化した傾斜ミラー面又は(平坦)吸収面、並びに
2進値「1」をコード化するための平坦ミラー面及び平坦反射(拡散)面
によって表されてもよい。
【0069】
シーケンスは、カプセルの中心軸Aに沿ってカプセルを回転させることにより読み取られる。
【0070】
読取器は、
集束レンズを有する/有さない光源、及び
集束レンズを有する/有さない光センサ
からなるものであってもよい。
【0071】
光は、
非偏光、又は
偏光(レーザ)、又は
任意の、好ましくは赤外線のスペクトル
であることが可能である。
【0072】
コードは、
視認可能、視認不可能な印刷(吸収/反射+拡散)、又は
(例えば吸収/反射−拡散用)面のレーザ彫刻、又は
平坦ミラー面及び傾斜ミラー面のエンボス
によりカプセル上に付加することが可能である。
【0073】
図5の実施形態においては、光源は、遠心力作用セル3の底部に配置される。このセルは、導光性であり、ビームをリム73の底部側72に到達させ得る。反射光は、透明(又は導光性)の遠心力作用セル3により伝達されて、センサ62に到達する。センサ62を遠心力作用セル3の透明部分と位置合わせすることができない例においては、図5に図示するように、順方向ビーム及び逆方向ビームを偏光するために鏡を配置することが可能である。
【0074】
においては、光源「L」からの光線74は、記号81のミラー面に当り、反射ビーム76として高強度でセンサ「S」へと反射される。これにより、「0」又は「1」等のビットが制御ユニットに供給される。
【0075】
においては、光源「L」からの光線74は、拡散面又は吸収面(記号82)に当る。センサに到達した光線77は、低強度を有する。ビーム78等の他のビームは、この面の拡散特性によりセンサSの外部に拡散される。
【0076】
「0」又は「1」等のビットが制御ユニットに供給される。
【0077】
したがって、記号の個数は、ミラー面(例えば矩形部)及び拡散面又は吸収面(例えば矩形部間のゾーン)の個数及び特定の構成に応じて決定される。シーケンスは、リムの外周部上において複数回反復されてもよい。この反復により、冗長性がもたらされ、読取りがより確実になる。
【0078】
随意に(図)、記号は、色読取りデバイスと組み合わされる様々な色パターンにより表される。種々の色及び特定の回転速度での読取りを組み合わせることにより、明確に定義された「混色」が得られる。一例としては、「点」の半分が青色であり他の半分が黄色であるカプセルは、回転中には緑色の読取り結果をもたらす。
【0079】
3)カプセル上への支持体の取付け
支持体は、
形成済みのカプセルに対する印刷若しくは機械的変形、又は
容器形成前のカプセル原材料(フォイル)に対する印刷若しくは機械的変形、又は
情報支持体としてカールを使用した、カプセル容器の外面に対する印刷若しくはカプセル容器の内面に対する印刷(アルミニウムカプセル技術)
によって等、様々な方法によりカプセル上に直接形成することが可能である。
【0080】
また、支持体は、カプセルと回転取付け/結合されるように構成された別個の部品であることが可能である。支持体は、飲料マシンの淹出ユニット内にカプセルを導入する前にカプセルの外周部のリングに位置決めすることが可能である。支持体は、追加の固定手段を用いずにカプセルに対して簡単に配設されてもよく、これにより、ユーザは、支持体が淹出ユニットに入る際の正確な位置決めを確保でき、又は支持体が一度取り付けられると支持体の形態及び寸法によってカプセルに対する移動が防止される。また、支持体は、一度取り付けられた場合にカプセルに対して固定された状態に支持体が留まるのを補助するための、膠剤又は機械的手段等の固定手段を使用して取り付けられてもよい。
【0081】
4)誘導シーケンス読取り
別の実施形態においては、支持体の金属面上に設けられた記号は、誘導センサを使用して感知される。これらの記号は、金属面上のレリーフ又は凹部により形成される。例えば、支持体は、一連の不連続なスロット及び/又はバンプを備える円周方向の金属リムを備える。カプセルが、その中心軸を中心として回転されると、リムは、これらのスロット及び/又はバンプが検出されるように、センサに対して移動される。シーケンスは、飲料調製デバイスのCPUのタイムベースに基づき読み取ることが可能である。シーケンスを読み取るための最高回転速度は、使用されるセンサ及びデバイスの内部CPUにより決定される。
【0082】
5)全ての実施形態に関する他の一般的特徴
例えば、読取り速度は、0.1〜1000rpmであることが可能である。
【0083】
シーケンスの読取り時には、飲料原材料の事前湿潤を可能にするために、カプセル内に液体を事前に送出することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7