【文献】
Emmanuel P. Baltsavias,PHOTOGRAMMETRIC SACANNERS -SURVEY,TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS AND REQUIREMENTS,IAPRS,1998年 1月 1日,vol. 32, no. 1,pages 1-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
経時的に変化するルミネッセンスを有する、前記サンプルベッド上のルミネッセンスのサンプルをさらに含み、前記ピクセル読み取り値の第1および第2のセットの間でそれぞれの位置のピクセル読み取り値を合計するための動作が、前記ルミネッセンスのサンプルの変化するルミネッセンスを補償する、請求項1記載の装置。
前記メモリ装置が、前記画像を構築するために、前記合計するための動作を用いて、前記ピクセル読み取り値の第1および第2のセットの間でそれぞれの位置のピクセル読み取り値を平均するための命令をさらに含む、請求項1記載の装置。
前記サンプルベッドと前記一つまたは複数の画像センサアレイとの間に設けられた屈折率分布型(GRIN)レンズアレイをさらに含み、前記GRINレンズアレイは、0.10以上の作動開口数(NA)を有し、かつ前記検出器バーとともに移動するように構成されている、請求項1記載の装置。
【背景技術】
【0004】
背景
1.発明の分野
一般的に、本願は、光学測定または試験手段を含む、分子生物学および微生物学の化学処理および装置に関する。ある特定の態様は、ケミルミネッセンスまたは他のルミネッセンスを示すアッセイを撮像するためのデバイス、システム、および方法に関する。
【0005】
2.背景
ある特定の生体分子を検出および識別することは、植物および動物といった生物システムを研究する際に重要であり得る。そのようなシステムは、いくつかの例ではハイエンドの実験室グレードの機器および処理によってしか精確に測定されることのできない、タンパク質のようなごく少量の生体分子を示し得る。そのような測定値を精確に取得するために、過去10年にわたり、数多くのアッセイ手法が開発されてきた。
【0006】
さまざまなアッセイは、少量の生体分子を検出するために、エンハンストケミルミネッセンス(CL)を使用する。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)またはウェスタンブロットを使用する手法がしばしば、
存在量がわずかであるタンパク質を検出するために使用される。
【0007】
ケミルミネッセンス手法は、外部の励起光が必要とされない点で、蛍光とは異なる。したがって、ケミルミネッセンス反応が起こっていないアッセイの領域からの光の放射は実質的にないので、非常に低い光学的バックグラウンドが存在する。これは、CLアッセイにおいて低量の光学放射を検出する能力の主要な理由の一つである。
【0008】
ケミルミネッセンス放射光学信号は典型的に、1)弱いこと、および2)経時的に一定でないこと、によって特徴づけられる。光学信号の弱さは、高信号対ノイズ検出方法の必要を余儀なくさせる。高効率の撮像光学部品および極めて低ノイズの検出器の使用が、ケミルミネッセンスを測定する技術において教示されている。典型的なケミルミネッセンス基質の光の放射の一定でない性質は、全画像取り込み方法を使用することを必然的に意味する。そのような撮像は、放射しているアッセイの全領域から等量の光を、同時におよび長い積分時間にわたって、収集することを可能にする。
【0009】
従来、CLアッセイからの光学放射を取り込むための最も一般的な方法の一つは、写真用フィルムの使用であった。たとえば、光を放射しているウェスタンブロットのすぐ近くで写真用フィルムを曝露させていた。しかしながら、フィルムの使用には制限枚数がある。しばしば、フィルムは、衝突するフォトンへの非線形応答を示し、限られたダイナミックレンジを有する。現像されていないフィルムの慎重な取り扱い、特別な暗室設備、フィルムを現像および処理するための化学物質もまた必要とされる。
【0010】
さらに、しばしば、後に参照できるようアッセイの画像を蓄積するために、それをデジタルで取り込む必要もある。これを達成するために、フィルムのユーザはしばしば、デジタルカメラまたはフラットベッドスキャナを使用して、現像されたフィルムの画像を取り込む。このアプローチは、追加の撮像機器を必要とし、非定量的であり得、画像の取り込みおよび再生における誤差を被りやすい。
【0011】
デジタル電荷結合素子(CCD)カメラを使用してCLアッセイの光学放射を直接撮像することは、写真用フィルムを使用することに関連づけられた難題の多くを克服することができる。CCDカメラは、広いダイナミックレンジにわたる、衝突するフォトンへの線形応答を提供し、化学物質が現像のために必要とされず、デジタルデータが、デジタルカメラから直接読み出され、さらなる分析および定量化のために容易に蓄積されることができる。非常に暗い室内で長い時間にわたりウェスタンブロットに高品質の極低温に冷却されたCCDアレイを曝露させることが、当該技術において教示されている。フィルムに匹敵する感度を達成する多数のそのようなCCDに基づいたイメージャーが、現在の市場に存在する。CCDに基づいたイメージャーの例は、LI-CORのOdyssey(登録商標)Fc imagerである。CCDに基づいたイメージャーは、光に対する感度の高い、深冷却されたチップを有する。
【0012】
相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサが、CCDセンサと並行して開発されてきた。CCDのものとは異なり、CMOS画像センサにおける各ピクセルは、それ独自の電荷電圧変換コンポーネントを有する。これは、CCD画像センサよりも低い均一性を結果としてもたらし得る。しかしながら、リソグラフィの、および他の、製造工程が向上するにつれ、CMOS画像センサの均一性は、さほど問題にならなくなってきている。技術が向上するにつれ、CMOS画像センサアレイが、多くの市場でCCD画像センサアレイの代わりに使用され得る。
【0013】
同一のまたはより良好な感度を達成する、小型で、安価で、デジタルの、フィルムによるCL撮像に取って代わるものに対する当該技術における必要性が存在する。
【発明の概要】
【0014】
簡潔な概要
本願は、深冷却されたCCDの必要なしに、アッセイからの非常に薄暗いケミルミネッセンスまたは他のルミネッセンスの画像を取り込む、コンパクトなフラットベッドスキャナに関する。態様における光を通さないカバーの下で、リニアCCDの検出器バーおよび高い作動開口数(NA)の光学部品が、光を取り込むために、ケミルミネッセンスを示すサンプルのすぐ近くでスイープされる。検出器バーは次に、より多くの光を取り込むために、反対方向に戻るようにスイープされる。ケミルミネッセンスからの極めて低い光、およびCCDがとらえるフォトンの相応の不足ゆえに、各スイープまたはパスは、数分を要し得る。最終画像は、それがスキャンに要する数分にわたって変化するルミネッセンスを補償するように、第1および第2のパスからの各ポイントでの2つ(またはそれ以上)のピクセル読み取り値の平均をとること、または別の方法でそれらを組み合わせることによって、構築される。より多くのパスが使用されることもできる。
【0015】
検出器バーは、低コストの非冷却リニアCCD集積回路(IC)のジグザグ配置された列を有し得る。複数の検出器バーが、サンプルを端から端までスイープするために使用されることができ、それは、サンプルの経時的に変化するルミネッセンスの影響を最小化しながら、スキャン時間を短縮することができる。オンチップビニングが、複数のピクセル読み取り値を、それらがCCDチップから読み取られる前に、共に組み合わせることができ、新規なクロッキングメカニズムが、クリーンなデータの収集を容易にすることができる。いくつかの態様では、検出器バーが移動し、サンプルは静止したままである一方で、他の態様では、その逆が生じる。
【0016】
本発明のいくつかの態様は、ルミネッセンススキャナ装置に関する。この装置は、ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、一つまたは複数の画像センサアレイを含む検出器バーであって、各センサアレイは、複数のピクセル素子を有し、各センサアレイのピクセル素子は、互いに同時にフォトンを検出するように適合され、検出器バーは、サンプルベッドに対し移動するように構成される、検出器バーと、検出器バーをサンプルベッドに対し第1のパスで第1の方向に移動させ、次に、検出器バーをサンプルベッドに対し第2のパスで第1の方向と反対の第2の方向に移動させるように構成されたモータと、第1のパスにおけるある位置からのピクセル読み取り値を、第2のパスにおける該位置からのピクセル読み取り値と、組み合わせるように適合された回路と、組み合わせられたピクセル読み取り値から二次元画像を構築するように適合された回路とを含む。
【0017】
態様は、第1および第2(またはそれ以上)のパスからの各場所でのピクセル読み取り値を平均することによってピクセル読み取り値を組み合わせることができる。一つまたは複数の画像センサアレイは、検出器バーに沿って互いに対しジグザグ配置されたリニアCCD集積回路(IC)を含むことができ、それらは、長軸方向に重複するようになっている。
【0018】
態様は、一つまたは複数の画像センサアレイを含む第2の検出器バーであって、サンプルベッドに対し移動するように構成された第2の検出器バーを含むことができ、ここで、検出器バーは、主としてサンプルベッドの異なる非重複領域にわたりスキャンするように構成され、態様は、両方の検出器バーからのピクセル読み取り値から二次元画像を構築するように構成された回路を含み得る。最小の重複が、画像の位置決めおよび再構築を容易にするために用いられ得る。
【0019】
屈折率分布型(GRIN)レンズアレイがサンプルベッドと一つまたは複数のリニア画像センサアレイとの間に設けられることができ、GRINレンズアレイは、0.10、0.20、0.25、またはそれ以上よりも大きいか、またはそれらと等しい、作動開口数(NA)を有する。GRINレンズアレイは、サンプルベッドによって位置付けられたサンプルの1〜100ミリメートルの間に設けられることができる。
【0020】
いくつかの態様は、ルミネッセンススキャナ装置に関する。この装置は、ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、複数のピクセル素子を有する集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイであって、ピクセル素子は、フォトンによって誘導された電荷を互いに同時に蓄積するように適合され、画像センサアレイは、サンプルベッドに対し移動するように構成される、集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイと、画像センサアレイをサンプルベッドに対し移動させるように構成されたモータと、隣接したCCDピクセル素子からCCD画像センサアレイの読み出しコンデンサへの複数の光電荷を合計するように適合された回路と、読み出しコンデンサから合計された光電荷を読み取って、合計された光電荷を使用して画像を構築するように適合された回路とを含む。
【0021】
この方法の装置はさらに、一つまたは複数の集積回路CCD画像センサアレイの各々の入力に2つ以上の別個のCCDクロック周波数を適用するように適合された回路を含むことができ、入力は、ピクセル素子からのフォトンによって誘導された電荷を集積回路CCD画像センサアレイの出力へとシフトさせるように適合される。
【0022】
いくつかの態様は、ルミネッセンススキャナ装置に関する。この装置は、ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、複数のピクセル素子を有する集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイであって、ピクセル素子は、フォトンによって誘導された電荷を互いに同時に蓄積するように適合され、画像センサアレイは、サンプルベッドに対し移動するように構成される、集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイと、画像センサアレイをサンプルベッドに対し移動させるように構成されたモータと、集積回路CCD画像センサアレイの、たとえばピンのような、入力に、2つ以上の別個のCCDクロック周波数を適用するように適合された回路であって、入力は、ピクセル素子からのフォトンによって誘導された電荷を集積回路CCD画像センサアレイの出力へとシフトするように適合される、回路と、集積回路CCD画像センサアレイの出力から画像を構築するように適合された回路とを含む。
【0023】
いくつかの態様は、ルミネッセンスの媒体の画像を取得するための方法に関する。この方法は、スキャニングデバイスの筐体内にルミネッセンスの媒体を配置する工程と、第1のパスでルミネッセンスの媒体に対し第1の方向に、ルミネッセンスの媒体の端から端まで、画像センサアレイを移動させる工程であって、画像センサアレイは、互いに同時にフォトンを検出するように適合された複数のピクセル素子を有する、移動させる工程と、第1のパス中にピクセル素子を使用してルミネッセンスを検出する工程と、第2のパスでルミネッセンスの媒体に対し第2の方向に、ルミネッセンスの媒体の端から端まで、画像センサアレイを移動させる工程であって、第2の方向は、第1の方向と反対である、移動させる工程と、第1のパスにおけるある位置からのピクセル読み取り値を、第2のパスにおける該位置からのピクセル読み取り値と、組み合わせる工程と、第1および第2のパスからの組み合わせられたピクセル読み取り値から画像を構築する工程とを含む。
【0024】
いくつかの態様は、ルミネッセンスの媒体から画像を取得するための方法に関する。この方法は、ターゲット生体分子を空間パターンでサンプル媒体に固定する工程であって、パターンは、ターゲット生体分子のアイデンティティについての情報を含む、固定する工程と、ターゲット生体分子に対し結合親和性を有するプライマリプローブ生体分子を用いてターゲット生体分子を探索する工程と、プライマリプローブ生体分子に対し結合親和性を有するセカンダリプローブ生体分子を用いてプライマリプローブ生体分子を探索する工程であって、セカンダリプローブ生体分子は、基質生体分子の変化による検出可能なエネルギーの発生をトリガする酵素活性を有し、基質生体分子は、セカンダリプローブ生体分子の酵素活性のための基質である、探索する工程とを含み得る。この方法はさらに、第1のパスで少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端まで画像センサアレイを移動させる工程と、第1のパス中に画像センサアレイによってルミネッセンスを読み取る工程と、画像センサアレイによって読み取られたルミネッセンスから画像を構築する工程とを含む。
【0025】
この方法はさらに、第2のパスで少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端まで画像センサアレイを移動させる工程と、第2のパス中に画像センサアレイによってルミネッセンスを読み取る工程と、第1および第2のパスからのある位置で得られたルミネッセンス読み取り値を組み合わせる工程と、第1および第2のパスからの該位置で得られた組み合わせられた読み取り値から画像を構築する工程とを含み得る。
【0026】
態様は、膜(たとえば、ナイロンまたはニトロセルロース)、プレート、ガラス、またはプラスチック表面、等を含む、さまざまなサンプル媒体を使用し得る。
【0027】
[本発明1001]
ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、
一つまたは複数の画像センサアレイを含む検出器バーであって、各画像センサアレイは、複数のピクセル素子を有し、前記ピクセル素子は、互いに同時にフォトンを検出するように適合され、前記検出器バーは、前記サンプルベッドに対し移動するように構成される、検出器バーと、
前記検出器バーを前記サンプルベッドに対し第1のパスで第1の方向に移動させ、次に、前記検出器バーを前記サンプルベッドに対し第2のパスで前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させるように構成されたモータと、
前記第1のパスにおける位置からのピクセル読み取り値を、前記第2のパスにおける前記位置からのピクセル読み取り値と、組み合わせるように適合された回路と、
前記組み合わせられたピクセル読み取り値から画像を構築するように適合された回路と
を含む、ルミネッセンススキャナ装置。
[本発明1002]
ピクセル読み取り値を組み合わせることは、第1のパスにおける位置からのピクセル読み取り値と、第2のパスにおける同一の位置からのピクセル読み取り値とを、平均することを含む、本発明1001の装置。
[本発明1003]
画像センサアレイが、電荷結合素子(CCD)画像センサアレイを含む、本発明1001の装置。
[本発明1004]
CCD画像センサアレイが、集積回路(IC)内に組み込まれ、
隣接したCCDフォトダイオードから前記CCD画像センサアレイの読み出しコンデンサへの複数の光電荷を合計することによって、前記CCD画像センサアレイの信号対ノイズ比を増大させるように適合された回路をさらに含む、
本発明1003の装置。
[本発明1005]
一つまたは複数の画像センサアレイが深冷却されない、本発明1001の装置。
[本発明1006]
検出器バーが、前記検出器バーに沿って互いに対しジグザグ配置された複数のリニア画像センサアレイ集積回路(IC)を含む、本発明1001の装置。
[本発明1007]
リニア画像センサアレイICが、検出器バー上で長軸方向に互いに重複する、本発明1006の装置。
[本発明1008]
一つまたは複数の画像センサアレイを含む第2の検出器バーであって、サンプルベッドに対し移動するように構成された第2の検出器バーと、
前記検出器バーの両方からのピクセル読み取り値から画像を構築するように構成された回路と
をさらに含み、ここで、前記検出器バーは、前記サンプルベッドの異なる非重複領域にわたりスキャンするように構成される、
本発明1001の装置。
[本発明1009]
検出器バーがさらに、それらのそれぞれの非重複領域に加え、サンプルベッドの共通の重複部分にわたりスキャンするように構成される、本発明1008の装置。
[本発明1010]
検出器バーが移動させられるように構成され、かつサンプルベッドは物理的に動かないように構成される、本発明1001の装置。
[本発明1011]
検出器バーが物理的に動かないように構成され、かつサンプルベッドは移動させられるように構成される、本発明1001の装置。
[本発明1012]
ルミネッセンスのサンプル媒体が、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、およびウェルプレートから選択される、本発明1001の装置。
[本発明1013]
サンプルベッドと一つまたは複数の画像センサアレイとの間に設けられた屈折率分布型(GRIN)レンズアレイをさらに含み、前記GRINレンズアレイは、0.10以上の作動開口数(NA)を有する、本発明1001の装置。
[本発明1014]
GRINレンズアレイが、サンプルベッドの1〜100ミリメートルの間に設けられる、本発明1013の装置。
[本発明1015]
サンプルベッドを囲い込むように構成された、光を通さない筐体をさらに含む、本発明1001の装置。
[本発明1016]
ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、
複数のピクセル素子を有する集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイであって、前記ピクセル素子は、フォトンによって誘導された電荷を互いに同時に蓄積するように適合され、前記画像センサアレイは、前記サンプルベッドに対し移動するように構成される、集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイと、
前記画像センサアレイを前記サンプルベッドに対し移動させるように構成されたモータと、
隣接したCCDピクセル素子から前記CCD画像センサアレイの読み出しコンデンサへの複数の光電荷を合計するように適合された回路と、
前記読み出しコンデンサから前記合計された光電荷を読み取って、かつ前記合計された光電荷を使用して画像を構築するように適合された回路と
を含む、ルミネッセンススキャナ装置。
[本発明1017]
一つまたは複数の集積回路CCD画像センサアレイの各々の入力に2つ以上の別個のCCDクロック周波数を適用するように適合された回路
をさらに含み、前記入力は、ピクセル素子からのフォトンによって誘導された電荷を前記集積回路CCD画像センサアレイの出力へとシフトさせるように適合される、本発明1016の装置。
[本発明1018]
ルミネッセンスのサンプル媒体を保持するように構成されたサンプルベッドと、
複数のピクセル素子を有する集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイであって、前記ピクセル素子は、フォトンによって誘導された電荷を互いに同時に蓄積するように適合され、前記画像センサアレイは、前記サンプルベッドに対し移動するように構成される、集積回路(IC)電荷結合素子(CCD)画像センサアレイと、
前記画像センサアレイを前記サンプルベッドに対し移動させるように構成されたモータと、
前記集積回路CCD画像センサアレイの入力に2つ以上の別個のCCDクロック周波数を適用するように適合された回路であって、前記入力は、前記ピクセル素子からのフォトンによって誘導された電荷を前記集積回路CCD画像センサアレイの出力へとシフトさせるように適合される、回路と、
前記集積回路CCD画像センサアレイの前記出力から画像を構築するように適合された回路と
を含む、ルミネッセンススキャナ装置。
[本発明1019]
ルミネッセンスの媒体の画像を取得するための方法であって、
スキャニングデバイスの筐体内にルミネッセンスの媒体を配置する工程と、
第1のパスで前記ルミネッセンスの媒体に対し第1の方向に、前記ルミネッセンスの媒体の端から端まで、画像センサアレイを移動させる工程であって、前記画像センサアレイは、互いに同時にフォトンを検出するように適合された複数のピクセル素子を有する、工程と、
前記第1のパス中に前記ピクセル素子を使用してルミネッセンスを検出する工程と、
第2のパスで前記ルミネッセンスの媒体に対し第2の方向に、前記ルミネッセンスの媒体の端から端まで、前記画像センサアレイを移動させる工程であって、前記第2の方向は、前記第1の方向と反対である、工程と、
前記第1のパスにおける位置からのピクセル読み取り値を、前記第2のパスにおける前記位置からのピクセル読み取り値と、組み合わせる工程と、
前記第1および第2のパスからの前記組み合わせられたピクセル読み取り値から画像を構築する工程と
を含む、方法。
[本発明1020]
ルミネッセンスの媒体の画像を取得するための方法であって、
ターゲット生体分子を空間パターンでサンプル媒体に固定する工程であって、前記パターンは、前記ターゲット生体分子のアイデンティティについての情報を含む、工程と、
前記ターゲット生体分子に対し結合親和性を有するプライマリプローブ生体分子を用いて前記ターゲット生体分子を探索する工程と、
前記プライマリプローブ生体分子に対し結合親和性を有するセカンダリプローブ生体分子を用いて前記プライマリプローブ生体分子を探索する工程であって、前記セカンダリプローブ生体分子は、基質生体分子の変化による検出可能なエネルギーの発生をトリガする酵素活性を有し、前記基質生体分子は、前記セカンダリプローブ生体分子の前記酵素活性のための基質である、工程と、
第1のパスで少なくとも一つの空間次元で前記サンプル媒体の端から端まで画像センサアレイを移動させる工程と、
前記第1のパス中に前記画像センサアレイによってルミネッセンスを読み取る工程と、
前記画像センサアレイによって読み取られた前記ルミネッセンスから画像を構築する工程と
を含む、方法。
[本発明1021]
第2のパスで少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端まで画像センサアレイを移動させる工程と、
前記第2のパス中に前記画像センサアレイによってルミネッセンスを読み取る工程と、
第1および第2のパスからの位置で得られたルミネッセンス読み取り値を組み合わせる工程と、
前記第1および第2のパスからの前記位置で得られた前記組み合わせられた読み取り値から画像を構築する工程と
をさらに含む、本発明1020の方法。
[本発明1022]
読み取る工程が、0.10以上の作動開口数(NA)を有する光学部品を使用する、本発明1020の方法。
[本発明1023]
画像センサアレイが、サンプル媒体の10%未満の前記サンプル媒体の瞬間視野を有する、本発明1020の方法。
[本発明1024]
ルミネッセンスがケミルミネッセンスである、本発明1020の方法。
[本発明1025]
ターゲット生体分子がタンパク質である、本発明1020の方法。
[本発明1026]
ターゲット生体分子がデオキシリボ核酸(DNA)である、本発明1020の方法。
[本発明1027]
サンプル媒体が、膜、ガラス、およびプラスチックからなる群より選択される、本発明1020の方法。
[本発明1028]
サンプル媒体が、ナイロン膜またはニトロセルロース膜である、本発明1027の方法。
[本発明1029]
ゲル中のゲル電気泳動によって空間パターンを発生させる工程と、
前記ゲルから前記サンプル媒体に前記空間パターンを転写する工程と
をさらに含む、本発明1020の方法。
[本発明1030]
プライマリプローブ分子が抗体であり、セカンダリプローブ分子が抗体であり、かつ基質生体分子がケミルミネッセンスの基質である、本発明1020の方法。
図面および請求の範囲を含む、本明細書の残りの部分を参照して、当業者は、本発明の他の特徴および利点を実現するだろう。本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明のさまざまな態様の構造および動作が、添付図面に関し以下に詳細に説明される。図面において、同じ参照番号は、同一のまたは機能的に同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
本明細書に提示されるのは、新規な撮像方法と、ハイエンドCCDイメージャーの感度を達成するが、極めてより小さいサイズを有し、冷却の必要のない装置である。したがって、この撮像装置は、従来よりもはるかに低いコストで生産され、維持されることができる。
【0030】
従来技術のケミルミネッセンスイメージャーにおいては、CCD、そのパッケージング、およびその電子部品の選択は、主に、低い合計ノイズの必要性によって推進されることが多い。これは典型的に、ハイエンドの科学的なCCDの使用を必要とする。これらの科学的なCCDは典型的に、サイズが小さく、1センチメートル(cm)×1cmの範囲内である。典型的なウェスタンブロットのサイズは、およそ10cm×10cmである。したがって、低いNAのレンズおよび他の撮像光学部品が、適切な焦点距離でサンプル領域をより小さいCCD領域上に投影するために必要とされる。そのような撮像は、数百ミリメートル(mm)の合計光学経路を必要とし、それは、物理的に大きいイメージャーを結果としてもたらす。
【0031】
サンプルが大きいほど、作動距離は長い。作動距離が長いほど、レンズの収集効率は低い。これは、より長い時間期間にわたって光を収集する必要をもたらし、これはまた、内部の暗(熱)ノイズを制御し続けるために、低ノイズの科学的なCCDにさえも冷却されることを常に要求する。これらの状況は、従来技術のCCDに基づいたケミルミネッセンスイメージャーの相対的に高いコストの理由の一つである。
【0032】
用語
「検出限界(LOD)」は、システムノイズレベルの標準偏差の3倍大きい信号を生成する、確実に検出され得るサンプルの最低濃度を含み、またはそうでなければ当該技術で周知のとおりである。
【0033】
「画像センサアレイ」は、複数のピクセルにおいて同時に光または他の電磁放射を検出することができるCCD、CMOS、および他の技術のセンサを含み、そのピクセルは、一次元、二次元、または他のアレイで配列され、およびそうでなければ当該技術で周知のとおりである。一次元(すなわち、線)で配列されたピクセルを有する画像センサアレイは、たとえば、リニアCCDまたはリニアCMOSセンサを含み得る。
【0034】
「リニアCCD」は、一つの方向が、別の直交方向よりも実質的に長く、多くの素子を有する、電荷結合素子を含み、またはそうでなければ当該技術で周知のとおりである。広く入手可能なリニアCCDの例は、ToshibaのCCD Linear Image Sensor model TCD1205DGである。それは、2048ピクセルを有し、各ピクセルは、(アレイの長軸方向の長さ、y軸に沿って)14μmの長さであり、(アレイの横方向の幅、x軸に沿って)200μmの幅である。
【0035】
「ルミネッセンス」は、白熱に起因しない光の放射を含み、またはそうでなければ当該技術で周知のとおりである。ルミネッセンスは、ケミルミネッセンス、バイオルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス、燐光、および撮像中に光学的な照明を必要としない他の発光を含む。ケミルミネッセンスは、化学反応に起因し、
存在量がわずかであるタンパク質を検出するために使用される最も一般的なタイプのルミネッセンスの一つである。バイオルミネッセンスは、生体によって自然に誘発される。エレクトロルミネッセンスは、電気的に誘導された光の放射である。燐光は、光の放射の前の光学的な充電によって誘導される。
【0036】
「ルミネッセンスのサンプル媒体」は、ルミネッセンスのサンプルを支持するかまたは含むように適合された媒体を含み、またはそうでなければ当該技術で周知のとおりである。そのような媒体は、典型的にはウェスタンブロットアッセイのために使用される、ナイロン膜またはニトロセルロース膜といった膜を含む。そのような媒体は、典型的にはELISAアッセイのために使用される、MICROTITER(登録商標)のマイクロウェルプレートおよびマイクロプレート、または異なる形状およびサイズの他のウェルプレート、といったウェルを含み得る。そのような媒体はまた、ガラス、プラスチック等といった平らな表面を含み得る。
【0037】
「深冷却」は、摂氏10度(℃)、0℃、または、極低温および非極低温の温度を含む他の低温、を下回る能動冷却を含む。
【0038】
ピクセルの「ビニング」は、2つ以上のピクセルを組み合わせて一つの有効により大きいピクセルとすることを含む。たとえば、14μmの長さの3つのピクセルが組み合わせられて、約3×14μm=42μmの長さの一つの有効なピクセルが作り出されることができる。ピクセルが大きいほど、それが収集する光は多くなる。より大きいピクセルは典型的に、長い(たとえば、100秒より長い)曝露のためにより多くの冷却を必要とする。「オンチップビニング」は後に説明される。
【0039】
「屈折率分布型(GRIN)レンズ」は、可変の屈折率を有するレンズを含む。GRINレンズの例は、米国においてGo! Foton Corp. of Somerset, New Jerseyが流通させている、Nippon Sheet Glass Ltd. Co.(NSG Group)のSELFOC(登録商標)マイクロレンズアレイモデル、SLA-20BG-138-570-2Rである。SELFOC(登録商標)マイクロレンズは、撮像レンズロッドである。それらは典型的に、導光ファイバー(たとえば、光ファイバーケーブル)よりも、長さがはるかに短く、直径が大きい。それらはしばしば、放射状に変わる屈折率といった、ファイバーガイドが有しない特性を有する。SLA-20BGモデルのマイクロレンズは集光に役立つ高いNAを有し、それは長さが短い。それは、6.89mmの長さの2列の1:+1の撮像GRINロッドレンズ、3.46mmの作動距離、および570ナノメートル(nm)の光波長で約0.5の有効ライン撮像NAを有する。各SLAレンズの直径は、約1mmである。
【0040】
「サンプルベッド」は、サンプルを収容するための領域を含み、そうでなければ当該技術で周知のとおりである。サンプルベッドの例は、サンプルがスキャンされている間にそれを支持するガラスまたはプラスチックのプレートの真上の領域、マイクロウェルプレートまたはマイクロプレートがトレイスロットまたはドロワベアリングによって中にスライドさせられるように構成された空間、または当該技術で周知のとおりの他のサンプル領域を含む。
【0041】
技術的利点
従来技術に対する本発明の態様の技術的利点がいくつかある。レンズによって一度にサンプル全体を撮像する代わりに、サンプルにわたり近接してスキャンすることは、より多くの光が薄暗いルミネッセンスから収集されることを可能にする。高いNAの光学部品および大きい有効ピクセルサイズが、収集されるフォトンの量を最大化するために使用され得る。いくらかの深さを有するウェルを有するプレートを撮像するために、サンプルにわたり近接してスキャンすることは、広領域イメージャーと比較して、追加の利点を提供する。領域イメージャーは、撮像光学部品が異なる角度からウェルを見る事実の結果としてもたらされる、パララックス
(視差)として知られる、歪みアーチファクトを有することが知られている。近接してスキャンすることは、パララックス
(視差)の問題を回避し、最小の歪みとともに、同一の手法で、すべてのウェルの画像を生成する。
【0042】
たとえCCDにおいてほぼ完璧な光受容器を用いてサンプルにわたりごく近接してスキャンしたとしても、典型的なケミルミネッセンスからのフォトンはなおも、素早くスキャンするには少なすぎる。10cmスキャンし、十分な光を収集するには、数分を要し得る。しかしながら、この時間に、ケミルミネッセンスの強度は変化する。異なるベースラインのフォトンが、スキャンの始まりと終わりとの間で収集されるであろうし、結果として生じる画像は、一端で他端よりも不適切に薄暗いであろう。少なくともこの理由のために、経時的にスキャンすることは、ケミルミネッセンスを撮像するための明らかな選択ではなかろう。それにも関わらず、本発明者は、2つのパスのスキャン(すなわち、一方向にスキャンしてから他方向にスキャンすること)、そして次にそれらのスキャンからのポイントを平均することまたは別の方法で組み合わせることが、典型的なケミルミネッセンスの変動を十分に補償し得ると判断した。
【0043】
CCDの冷却に関し、低照度CCDセンサのための設計をしばしば複雑にするものは、深冷却である。CCDのための深冷却は、0℃をはるかに下回る温度におけるものであり得る。結露なしにその種の温度を達成するために、CCDは、密封メカニズムによってパッケージされるべきである。密封メカニズムは、カメラのコストおよびサイズを跳ね上がらせるだけでなく、メンテナンスおよび耐久性の問題をも追加し得る。100秒より長く光を収集する必要のあるカメラまたは広領域イメージャーのために、天文学的、科学的、またはそれ以外の、ほぼいずれのCCDも、そのノイズレベルを理にかなった範囲に保つために、0℃をはるかに下回るように冷却される必要がある。しかしながら、本発明者は、非冷却CCDまたは深冷却されないCCDが、コストを下げ、メンテナンスを単純にし続けながら、現実的な室温の態様において使用され得ることを見出した。
【0044】
図面
図1A〜
図1Bは、態様に係るコンパクトな撮像スキャナを示す。ルミネッセンススキャナ装置100は、フラットベッドの紙文書スタイルのスキャナのような形状であり、蓋101、基部102、およびサンプルベッド103を含む。サンプルベッド103は、支持体としての透明なガラスまたはプラスチックを含み、湿った膜を保持することができる。2つの撮像スキャニングバー、検出器バー104および検出器バー105が、スキャニングのために利用可能である。検出器バー104が、サンプル領域の上側に置かれる一方で、検出器バー105は、サンプル領域の中央に置かれる。
【0045】
トレイシステムを実現することができ、ここで、技師がトレイをスキャニング領域にわたる位置にスライドさせるかまたは慎重に下ろし得る。高感度スキャンバーとルミネッセンスの材料との間の距離およびガラスまたはプラスチックの量を最小化するために、プレートは、ガラスの底面なしに側面で表面を支えることによって、支持され得る。ウェルプレートは、検出器バーにわたり、ちょうど適切な焦点/作動距離のところにつるされ得る。
【0046】
図2は、態様に係る検出器バーを示す。検出器バー204は、GRINレンズ212であって、慣例的にそれらを取り囲む共形ブロックなしに示されたGRINレンズ212と、集積回路(IC)チップとしてパッケージされたリニアCCD画像センサ213とを含む。スキャナのアセンブリ中、リニアCCD画像センサ213は、印刷回路板(PCB)214にはんだ付けされ、リボンケーブル218によって他の回路と電気的に接続される。ICは、ガラスウィンドウ216によって保護されたCCDピクセル素子217を収納する。CCDピクセル素子は、CCDフォトダイオード、CCD転送アレイに接続された導体のマトリクス、およびCCD内に見出される他の素子を含む。
【0047】
ガイド215は、サンプルをスキャンするために検出器バー204が横方向のx方向を往来することを可能にする。保護ウィンドウ211は、湿った膜からGRINレンズ212をシールドし、GRINレンズの作動焦点距離のところでサンプルを固定する。
【0048】
検出器バー204は、複数のCCD画像センサIC 213を含む。複数のCCD画像センサ213は、所望の合計スキャン幅をカバーする、より長い連続した撮像線を実現するように、両方向にジグザグ配置される。たとえば、各々が28.67mmの長さの線を撮像する4つのリニアCCDチップは、それらの長さに沿って27.5mm、垂直方向に沿って10mmで、ジグザグ配置され、4×27.5=110mmの幅をスキャンすることを可能にし得る。各ICチップのパッケージングは、そのCCDフォトダイオードセンシングアレイよりも常に大きい。横方向の10mmのオフセットは、ラインイメージャーを、それらのセンサアレイが長軸方向に沿っていくらかの重複を有するように、配置することを可能にする。
【0049】
リニアCCD画像センサIC 213は、検出器バーに沿って長軸方向に互いに対しジグザグに221配列される。それらは、一つのチップからのピクセルの線217の終わりが次のチップからのピクセルの線217の始まりとアラインメントされるかまたはわずかに重複するように、距離220だけ長軸方向(y方向)に互いに重複する。本明細書で特定されているToshibaのTCD1205DGリニアCCDチップについて、距離220は、少なくとも6.46±0.8mmであるべきである。
【0050】
図3は、態様に係る単一の検出器バーを有するサンプルベッドの上面図を示す。単一の検出器バーのスキャンシステム300は、サンプルベッド303と、(GRINレンズ312の頂部が図に示された)検出器バー304と、検出器バー304に結合され、それをx方向に沿って精確かつ精密に移動させる、ステッピングモータ324とを含む。オプションの光学エンコーダ327が、任意のポイントでの検出器バーの精密な位置を決定するために使用され得る。
【0051】
スキャンのために、検出器バー304は、端325から始動し、ピクセルを検出しながら反対端326へと移動し、次にピクセルを検出しながら移動して端325へと戻る。端325から端326への移動(およびそれらの間の任意の停止)は、「第1のパス」と呼ばれることができ、端326から端325へと戻る移動(およびそれらの間の任意の停止)は、「第2のパス」と呼ばれることができる。第1および第2のパスの組み合わせは、「コントラディレクショナルスキャン」と呼ばれることができる。
【0052】
パス中のピクセルの検出は、検出器バーがパス中に、実際に動いているか、または、続いて起こる動きの合間に小規模に足踏み状態で停止している間、行われ得る。
【0053】
第1のパス中の各特定の(x, y)位置で、光の量a
x, yが検出され、蓄積される。第1のパスからのすべての(x, y)位置からの合計画像が、マトリクスA(たとえば、二次元アレイ)として蓄積され得る。第2のパス中の各特定の(x, y)位置で、光の量b
x, yが検出され、蓄積される。第2のパスからのすべての(x, y)位置からの合計画像が、マトリクスBとして蓄積され得る。最終画像は、Aマトリクスの各ポイントとBマトリクスの各ポイントとを平均することによって作成されることができ、すなわち、マトリクス表記法においてC=(A+B)/2である。平均することは、両方の画像が完全に得られた後か、または、各第2の測定値が得られる小ステップにおいて、行われ得る。
【0054】
異なるパスからの各ポイントを「組み合わせること」は、平均すること、合計すること(すなわち、パスの数で除算しない)、または複数のパスからのポイントからの読み取り値に依存した関数に供することによって、達成され得る。数学的に、パス1〜Nでの各場所(x, y)での強度Iは、汎用関数的な関係、I
x, ycombined=f(I
x, ypass 1,...,I
x, ypass N)で組み合わせられることができる。
【0055】
組み合わせることは、回路328において達成され得る。回路は、専用のハードウェアまたはファームウェア回路であることができ、または、それは、デバイスの他の機能とともに使用されるより汎用のメモリおよびプロセッサであることができる。回路328は、第1のパスにおけるある位置からのピクセル読み取り値を、第2のパスにおける該位置からのピクセル読み取り値と組み合わせるようにプログラムされ、または別の方法で適合される。回路329もまた、ソフトウェアを実行する汎用処理回路、またはより専用の回路であることができるが、組み合わせられたピクセル読み取り値から二次元画像を構築するようにプログラムされる。出力画像は、パーソナルコンピュータまたは他のコンピューティングデバイスによって読み取られ得るフォーマットのものであることができる。
【0056】
複数のコントラディレクショナルスキャンが、画像をさらに精密化するために実行され得る。すなわち、4、6、8つ、またはそれ以上のパスが使用されることができ、それらの(x, y)ピクセルが平均され、または別の方法で組み合わせられる。後のコントラディレクショナルスキャンからの画像は、経時的に薄暗くなるサンプルから後に収集されるより少ないフォトンを統計的に補償するために、前のコントラディレクショナルスキャンからの画像とは異なるように重み付けされ得る。奇数のパス、すなわち、3、5、7つ、またはそれ以上のパスが、使用されることもできる。たとえば、3つのパスのシステムにおいては、第1および第3のパスが共に平均されることができ、次に、その平均が第2のパスと組み合わせられる。
【0057】
図4は、態様に係る複数の検出器バーを有するサンプルベッドの上面図を示す。
【0058】
デュアル検出器バースキャンシステム400は、サンプルベッド403と、検出器バー404および405と、ラインイメージャー404および405に結合され、それらをx方向に沿って精確かつ精密に移動させる、ステッピングモータ424とを含む。モータの中に入れられ得る光学エンコーダ427が、任意のポイントでのラインイメージャーの精密な位置を決定するために使用され得る。
【0059】
第1のパスのために、ラインイメージャー404は、端425から始動し、ピクセルを検出しながら移動してサンプルベッド403の真ん中を少し通り越し、次に、ピクセルを検出しながら移動して端425へと戻る。同様に、ラインイメージャー405は、サンプルベッド403の真ん中の少し手前から始動し、ピクセルを検出しながら端426へと移動し、次に、ピクセルを検出しながら移動して、それがもと来た場所である真ん中の位置へと戻る。
【0060】
両方のラインイメージャーは機械的に、x軸に沿って共にスキャンされ得る。10cmのスキャン長をカバーするために、スキャナは、5cm間隔をあけられたラインイメージャーを有することができ、両者は、x方向に沿って5cm+10mmスキャンされる。余分の10mmは、ラインイメージャーの位置付けにおけるxオフセットを考慮するためのものであり得る。このように、両方のスキャンヘッドは、共通の5cmの長さをカバーする。
【0061】
読み取られる線あたりの所与の曝露時間のために、1つではなく2つのスキャンヘッドを使用することは、半分の距離をスキャンすることを可能にするので、単一のスキャンヘッドによって達成可能であろう速さの2倍の速さで同一の領域をカバーする。文書または本のスキャニングまたは他の外部から照明されたスキャニングは、ターゲットを照明する光の量を制御し、安定した状態で保つことができるので、速度のための複数のスキャンバーが必要とされない。経時的に変化するケミルミネッセンスおよび他の薄暗いルミネッセンスのために、複数のスキャンバーは、非線形的に薄暗くなることの結果としてもたらされる誤差を減じることができる。
【0062】
より速い撮像が、x軸に沿ってより一層多くのスキャンヘッドを追加することにより得られることができる。たとえば、3、4、5つ、またはそれ以上のラインイメージャーがサンプルをスキャンし得る。イメージャー上のCCDは、スキャンの前または後に互いにキャリブレートされ得る。y軸に沿ってより多くのCCDを追加することは、より広いスキャン領域をスキャンすることを可能にする。
【0063】
スキャンを実現するための代替の手法は、慣性系(すなわち、地面)に対しスキャンヘッドの代わりにサンプルを移動させることである。すなわち、検出器バーが静止したままである一方で、モータがサンプル媒体を往来させるように移動させることができる。他の態様では、サンプルとスキャンヘッドの両方が、互いに反対方向に移動させられ得る。
【0064】
図5は、2回のスイープでの時間に対するケミルミネッセンスのグラフである。位置0から位置10へのスキャナの第1の機械的なパス530(0〜225秒)で、信号は経時的に低下する。位置10から位置0へと戻るスキャナの第2の機械的なパス531(225〜450秒)で、信号は経時的にさらに低下する。時間における各ポイントで、またはより精確には各xの場所で、2つのパスを共に平均することは、個々の信号よりも一定の、相対的に平坦で水平な平均の信号532を生成する。
【0065】
パスあたりおよそ数分のスキャン時間は、今日のウェスタンブロットケミルミネッセンス市場において使用される多くのCL基質の経時的変化と比較すると、相対的に短い。ケミルミネッセンスは、(たとえば、第2の生体分子を用いて探索した後、)開始と同時に急速に増加していき、約10分以内にその最大ルミネッセンスまで増加していく。ルミネッセンス強度は、次の時間の間に線形的に減少し始め、その後弱まり続ける。
【0066】
2、3、4、または5分のスキャン時間がケミルミネッセンス強度の変化のレートと比較して十分に短いことが分かっている。たとえそのようなウィンドウ内でいくらかの変化があったとしても、その変化は相対的に線形的である。2つのコントラディレクショナルスキャンを共に平均または合計することは、その変化の大半を除去することができ、結果は、図に示すようにスキャン位置にわたってほとんど一定である。したがって、イメージャーの変動ではなくサンプルの実際の濃度に基づいた定量化が可能にされ得る。
【0067】
コントラディレクショナルな平均の後の残余誤差の推定値が計算され得る。スキャン方向xに沿った位置0から位置Lまでの一定の放射される光学パワーP
0と、各パス中のゆっくりと変わる変化とを仮定すると、第1のパスのためのパワーレベルP
1(x)および第2のパスのためのパワーレベルP
2(x)は、関数、
によって表され得る。ここで、aおよびbは、含まれるCL基質のタイプに基づいた定数であり、Lは、x方向の合計の長さである。パワーレベルと平均との間の差(誤差ε)は、
として、導出され得る。a=0.05およびb=0.5の値(すなわち、平方根依存性)を仮定すると、コントラディレクショナルな平均は、誤差を5%から補正なしに1.5%未満まで減じる。スキャン時間が短いほど、変化はより線形的であり、補正はより精確である。
【0068】
図6は、態様に係る高いNAの光学部品の配置の立面横断図を示す。CLウェスタンブロット膜のようなサンプル640が、スキャンウィンドウ611の上に配置される。さまざまなポイントから発散する放射された光が、GRINレンズアレイ612によって収集され、リニアCCDピクセル素子617上に投影される。後者は、ガラスウィンドウ616によって密封される。光を通さない筐体がシステム600を取り囲み、周辺光がスキャナの内部に入って測定を妨害することを防ぐ。
【0069】
膜640が載っているスキャンウィンドウ611の上面は、GRINレンズ612からの距離642のところに位置付けられ、それらの前方の作動距離のところにある。レンズの他方の側では、CCDピクセル素子が、GRINレンズ612からの距離643のところに位置付けられ、それらの後方の作動距離のところにある。合計作動距離641が低いNAのレンズを使用する全サンプルイメージャーよりもはるかに小さいものであり得ることが分かっている。
【0070】
広いピクセルサイズ(たとえば、200μm)が、より多くの光を効率よく収集するのに役立ち得る。光の収集をさらに増やし、両方向で等しい解像度を得るために、ピクセル電荷が共にビニングされ得る。
【0071】
図7は、態様に係るCCDピクセルを上から見下ろした図である。複数の隣接したCCDピクセル717a〜717cによって収集された光電荷が、ビン744において共にビニングされ、ピクセル717d〜717fによって収集された光電荷が、ビン745において共にビニングされる。
【0072】
14μmの長さと200μmの幅のピクセルを有する(上述した)ToshibaのTCD1205DGのために、一列に並んだ14個のピクセルをビニングすること、すなわち、14個ずつビニングすることは、14×14μm=196μmの有効ピクセルサイズを結果としてもたらし、それは、ピクセルの200μmの幅のサイズに近接する。196μm×200μmの有効ピクセルサイズは、ほぼ正方形である。他のビニングレベルが適用されることができ、スキャンステップサイズが変化させられて、より高いまたはより低い解像度のスキャンを生成する。たとえば、7個ずつのビニングおよび98μmのスキャンステップは、両方向で98μmのスキャニング解像度を結果としてもたらす。
【0073】
有効ピクセルサイズを2倍にすることは、収集される光の量を4倍にし、解像度を半分に減じる。バンドが複数ミリメートルのサイズであるCLウェスタンブロットのために、200μmの解像度による態様は、合理的に良好な品質の画像を生成する。
【0074】
態様によると、広領域撮像のために必要とされるものよりも短い長さのオーダーの曝露によって、匹敵するLODが達成可能である。たとえば、読み取られる線あたり0.5秒の曝露時間は、商用の広領域CCDイメージャーが2分の曝露時間で与えることができるものと同様のLODを与える。この短い0.5秒の曝露は、リニアスキャニングによって複数の線を読み取って、匹敵する合計撮像時間で同一の領域サイズの画像を得ることを可能にする。
【0075】
オンチップビニング
典型的なリニアCCDは、直線で配列された撮像ダイオードのアレイを有する。光がこれらのダイオード上に当たると、各ダイオードは、そのフォトダイオード上に当たった光の量に比例した光電荷を作り出す。曝露時間と呼ばれる、ある長さの時間の後、ダイオード転送としばしば呼ばれる信号が使用されて、フォトダイオードにおける光電荷をCCD転送アレイへと転送する。CCD転送アレイは、CCD転送アレイの一端に向けて個々の光電荷を移動させる。CCD転送アレイは、段階的に光電荷を移動させる。CCD転送アレイは普通、少なくとも一つのクロック信号、多くのケースで2つ以上のクロック信号によって制御される。必要とされるクロック数は、含まれるCCDの設計によって決定される。典型的には、CCD転送アレイは、CCD転送アレイをドライブするクロック信号の各クロックの立ち上がりのために一段階で光電荷を移動させるだろう。
【0076】
CCD転送アレイの端には読み出しコンデンサがある。CCDが光電荷をCCD転送アレイに沿ってシフトさせると、それらは最終的に、この読み出しコンデンサに到達し、この読み出しコンデンサへと移動する。CCDの読み出し処理の一部として、このコンデンサは定期的にプリチャージされる。普通、このコンデンサは、CCD転送アレイが一つのフォトダイオードからの光電荷においてシフトする直前に、プリチャージされる。光電荷が読み出しコンデンサへと移動させられる直前にそれがプリチャージされる場合、読み出しコンデンサの電圧の変化は、CCD転送アレイによってそれに注入される光電荷の量に比例する。読み出しコンデンサの電圧は典型的に、CCD IC上の増幅器によってバッファされ、出力ピン上で提示される。出力ピンでの電圧は典型的に、さらに、撮像システムにおける他の電子部品によって、増幅され、ローパスフィルタリングされ、デジタル化される。通常、ピクセルは、一度に一つ、リニアCCDから読み出される。したがって、電子部品は通常、読み出しコンデンサをプリチャージすることと、プリチャージ電圧を測定して蓄積することと、CCD転送アレイをクロッキングして一つのフォトダイオード電荷を読み出しコンデンサへと移動させることと、そして、リニアCCDアレイICの出力ピンで提示される電圧を読み出すことと、を交互に行いながら、交互にフォトダイオード電荷を読み出す。そのポイントで、フォトダイオード電荷が計算され得る。光電荷は、読み出しコンデンサのプリチャージ電圧と、注入される光電荷による電圧との間の、それの電圧の変化に比例する。
【0077】
残念ながら、読み出しコンデンサの電圧を測定する処理は、ノイズの多い処理である。測定される電圧にそれら自身を追加するさまざまな形態の電気ノイズが存在する。このノイズは、読み出しコンデンサから読み出されている所望の信号を不明瞭にし得る。読み出しコンデンサから読み出される電圧を歪めるこれらのノイズ源はしばしば、「読み出しノイズ」と呼ばれる。
【0078】
読み出しノイズの存在下で信号対ノイズ比を増大させるための手法は、「オンチップビニング」と呼ばれる読み出しシーケンスを実行することである。オンチップビニングでは、CCDアレイの読み出しシーケンスが変更される。この変更されたシーケンスでは、読み出しコンデンサがプリチャージされ、次に、CCDアレイが、複数の隣接したフォトダイオードからの光電荷が読み出しコンデンサへと移動させられるように、クロッキングされる。読み出しコンデンサの電圧の変化、したがって出力ピンは、複数のフォトダイオードから読み出しコンデンサへと移動させられた光電荷の合計に比例する。複数のピクセルからのフォトダイオード電荷が共にひとまとめにされるので、リニア撮像システムの空間解像度は減じられるが、電圧の変化が典型的に増大する一方で読み出しノイズは相対的に一定のままであるので、信号対ノイズ比は典型的に改善される。
【0079】
オンチップビニングは、CCDの読み出しピンを制御することによって達成され得る。オンチップビニングのために制御されるべきToshibaのTCD1205DGの読み出しピンは、リセット(RS)、ブースト(BT)、フェーズ1(φ1)、およびフェーズ2(φ2)を含む。これは、1/fノイズ(すなわち、フリッカーノイズ)の著しい増加なしに行われ得る。
【0080】
可変CCDクロッキング
いくつかの態様の局面は、リニアCCD読み出しクロックの速度を変えることである。これは、画像の信号対ノイズ比を改善することができる。前述したように、リニアCCDアレイの出力増幅器によって提示される電圧を歪めるいくつかのノイズ源が存在する。ノイズ源の2つは、しばしば1/fノイズと呼ばれるフリッカーノイズ、およびホワイトノイズである。
【0081】
多くの撮像CCDアレイは、フリッカーノイズを減じるための方法を実現する。この方法は、CCDアレイの読み出しコンデンサに固定のプリセット電圧を印加することである。撮像システムは、撮像CCDアレイの出力ピンからドライブされたプリセット電圧の値をサンプリングし、蓄積するだろう。プリセット電圧が測定された後、撮像システムは、CCDアレイにおけるいくつかの数の光電荷を読み出しコンデンサへと移動させるようにCCD信号を操作するだろう。光電荷が読み出しコンデンサへと移動させられた後、撮像システムは、CCD ICの出力で提示された電圧をサンプリングするだろう。測定され蓄積されたプリセット電圧が、光電荷電圧から減算される。この減算は、フリッカーノイズを除去する傾向がある。
【0082】
フリッカーノイズの最大限の減少を提供するために、プリセット電圧および光電荷電圧を、可能な限り時間的に共に素早く、サンプリングすることが有利である。オンチップビニングが使用される場合には、プリセット電圧および光電荷電圧が時間的に共に近接してサンプリングされるようにするために、ビニングが可能な限り素早く行われるべきである。最大ビニング速度を達成するために、CCDアレイにおける光電荷が読み出しコンデンサへと移動させられるようにする信号は、高いレートで動作させられるべきである。多くのケースにおいて、この高いレートは、撮像CCDアレイのためのデータシートにおける最大推奨レートである。高速ビニングの別の利点は、読み出し時間、したがって画像を生成するための合計時間の全体的な短縮である。
【0083】
2つ目の読み出しノイズ源はホワイトノイズである。ホワイトノイズは、広範囲の周波数にわたって均一なノイズパワーを有する。読み出しノイズを減じる一つの方法は、CCDアレイの出力信号を電子的にローパスフィルタリングすることである。信号の帯域幅をそれがサンプリングされる前に適切に制限することにより、信号のほとんどが測定されることを可能にしながら、ホワイトノイズの大半が排除されることができる。これは、信号対ノイズ比を増大させるのに役立つ。ローパスフィルタリングは、CCD ICからの撮像システムに提示される読み出し信号のスルーレートを減じる。
【0084】
提示されるプリセット電圧をCCDによって精確に測定するために、CCDは、それに、そのプリセット電圧をCCDの出力で提示させるように、動作させられるべきであり、そして、プリセット電圧は、ローパスフィルタ中の伝搬を可能にさせられなくてはならない。いくらかの長さの時間の後、プリセット電圧は、その最終値に非常に近接して整定しているだろう。時間におけるこのポイントで、撮像システムは、プリセット電圧をサンプリングし、それを、後にフリッカーノイズを除去するために蓄積するだろう。プリセット電圧レベルがホワイトノイズを除去するローパスフィルタの出力で整定するのを撮像システムが待っている間、それは、CCDアレイを通る光電荷のクロッキングを中止すべきである。プリセット電圧のサンプリング後、撮像システムは、高いレートで読み出しコンデンサへの光電荷をクロッキングして、オンチップビニングを達成するだろう。ピクセルがビニングされた後、撮像システムは、CCDアレイのためのクロック信号を動作させることを停止するだろう。CCDアレイの出力での光電荷電圧は、電圧がその最終値のいくらかの所望のパーセンテージ内に整定するまで、ホワイトノイズを除去するローパスフィルタ中の伝搬を可能にされるだろう。このポイントで、撮像システムは、光電荷電圧をサンプリングするだろう。
【0085】
いくつかの態様において実現されるビニングの方法は、CCDアレイの少なくとも3つのクロッキングレートを結果としてもたらす。プリセット電圧が整定し、次いで測定される間に、CCDクロック信号が動作させられない、一つのレートが存在する。CCDクロック信号が急速オンチップビニングを達成するために高いレートで動作させられる、第2のレートが存在する。そして、ビニングされた光電荷の光電荷電圧が整定し、次いで測定される間に、CCDクロックが一時停止させられる、第3のレートが存在する。ピクセルのオンチップビニングに関連する複数のクロックアウトレートが、結果として生じる画像の信号対ノイズ比を最大化することができる。
【0086】
図8は、態様に係る処理のフローチャートである。動作801において、ルミネッセンスの媒体が、スキャニングデバイスの筐体内に配置される。動作802において、画像センサアレイが、第1のパスでルミネッセンスの媒体に対し第1の方向に、ルミネッセンスの媒体の端から端まで、移動させられ、画像センサアレイは、互いに同時にフォトンを検出するように適合された複数のピクセル素子を有する。動作803において、ルミネッセンスが、第1のパス中にピクセル素子を使用して検出される。動作804において、画像センサアレイが、第2のパスでルミネッセンスの媒体に対し第2の方向に、ルミネッセンスの媒体の端から端まで、移動させられ、第2の方向は、第1の方向と反対である。動作805において、第1のパスにおけるある位置からのピクセル読み取り値が、第2のパスにおける該位置からのピクセル読み取り値と組み合わせられる。動作806において、画像が、第1および第2のパスからの組み合わせられたピクセル読み取り値から構築される。
【0087】
図9は、態様に係る処理のフローチャートである。動作901において、ターゲット生体分子が、空間パターンでサンプル媒体に固定され、パターンは、ターゲット生体分子のアイデンティティについての情報を含む。動作902において、ターゲット生体分子が、ターゲット生体分子に対し結合親和性を有するプライマリプローブ生体分子を用いて探索される。動作903において、プライマリプローブ分子が、プライマリプローブ生体分子に対し結合親和性を有するセカンダリプローブ生体分子を用いて探索され、セカンダリプローブ生体分子は、基質生体分子の変化による検出可能なエネルギーの発生をトリガする酵素活性を有し、基質生体分子は、セカンダリプローブ生体分子の酵素活性のための基質である。動作904において、電荷結合素子(CCD)検出器を用いて少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端までスキャンし、CCD検出器は、サンプル媒体から1ミリメートルと100ミリメートルとの間の固定の距離のところで、サンプル媒体の端から端までスキャンする。動作905において、画像センサアレイが、第1のパスで少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端まで移動させられる。動作906において、ルミネッセンスが、第1のパス中に画像センサアレイによって読み取られる。動作907において、画像センサアレイが、第2のパスで少なくとも一つの空間次元でサンプル媒体の端から端まで移動させられる。動作908において、ルミネッセンスが、第2のパス中に画像センサアレイによって読み取られる。動作909において、第1および第2のパスからのある位置で得られたルミネッセンス読み取り値が組み合わせられる。動作910において、画像が、第1および第2のパスからの該位置で得られた組み合わせられた読み取り値から構築される。動作911において、ターゲット生体分子の強度が、検出された検出可能なエネルギーを空間パターンと相互に関連づけることによって決定される。
【0088】
本発明は、例として、および、特定の態様の観点で、説明されているが、本発明が開示された態様に限定されないことが理解されるべきである。対照的に、それは、当業者に明らかであるように、さまざまな変更および同様の配列をカバーすることを意図している。したがって、添付の請求項の範囲は、そのようなすべての変更および同様の配列を含むように、最も広い解釈を与えられるべきである。