特許第5789727号(P5789727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5789727ハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5789727
(24)【登録日】2015年8月7日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   H05B37/02 N
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-32385(P2015-32385)
(22)【出願日】2015年2月23日
【審査請求日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0042216
(32)【優先日】2014年4月9日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515049741
【氏名又は名称】スターデココリア カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515049752
【氏名又は名称】ジェイエヌエイチ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100115831
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】セオ サン ホ
【審査官】 米山 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−129512(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/078090(WO,A1)
【文献】 特開2013−051140(JP,A)
【文献】 特表2013−543642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDランプモジュール、
前記LEDランプモジュールの照度を調節するために交流ニュートラルラインのゼロクロスを基準としてトライアックの駆動時点を移動させ交流電源の位相を制御して出力するAC位相制御モジュール、
前記AC位相制御モジュールの入力電源を整流及び平滑して前記LEDランプモジュールに印加するLEDランプ駆動モジュール、
前記LEDランプモジュールの照度を調節するために外部管理者によって伝送されるランプ制御情報を受信するDMX512受信モジュール、
前記AC位相制御モジュールで実質的に位相制御がなされていない状態ならば前記DMX512受信モジュールに受信したランプ制御情報に従って前記LEDランプ駆動モジュールを制御して前記LEDランプモジュールの照度を調節するランプ駆動制御モジュール、
ボタンスイッチを利用してPWM信号の照度設定値を前記マイコンに印加する第1設定器、
回転ノブを利用してDCレベルの照度設定値を前記マイコンに印加する第2設定器
を含み、
前記ランプ駆動制御モジュールは、ブリッジ整流器で全波整流された電源の位相を検出して矩形波の検出信号を出力する位相検出部と、前記位相検出部によって検出された矩形波の検出信号によって前記AC位相制御モジュールでの位相制御動作を判断するマイコンと、前記マイコンの駆動制御信号を前記LEDランプ駆動モジュールのPWM駆動部に伝達する第1フォトカプラと、前記位相検出部と前記マイコンとの間に連結された第2フォトカプラを含み、
前記マイコンは、前記位相検出部の検出信号によって判断した結果、入力電源が位相制御されている状態ならば、デジタル制御方式である前記第1及び第2設定器を利用した現場照度設定方式と前記DMX512受信モジュールを利用した遠隔照度設定方式を適用せず無視し、
前記位相検出部の検出信号によって判断した結果、入力電源が位相制御されていなければ、デジタル制御方式である前記第1及び第2設定器を利用した現場照度設定方式と前記DMX512受信モジュールを利用した遠隔照度設定方式のうちいずれか一つの照度設定方式を適用するが、前記現場照度設定方式と前記遠隔照度設定方式が同時に活性化された状態ならば、あらかじめ設定した優先順位に従っていずれか一つの方式を適用することを特徴とするハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明の照度制御装置。
【請求項2】
前記LEDランプ駆動モジュールは、保護回路及びEMIフィルタ、ブリッジ整流器、フリッカ防止回路を含み、
前記フリッカ防止回路は、抵抗とキャパシタによって決定される時定数を設定して、サイリスタのオンタイムを調節することにより前記LEDランプモジュールで発生するフリッカ現象を防止することを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明の照度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置に関する。さらに詳しくは、位相制御方式とデジタル制御方式を選択的に利用してLEDランプの照度を制御することができるようにした、ハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に放送局、公演場で舞台装置の視覚的効果を高めるために設置したハロゲンランプ等のような白色照明ランプは、位相制御方式により光の明るさを調節するように照度制御装置が構成されることができる。このような制御方式の典型的な例として、図1でのように、撮影セット場や舞台に設置された多数の白色照明ランプに対して個別的に照度調節する多数の照度制御器(L1、L2、...、Ln)を備える。各々の照度制御器(L1、L2、...、Ln)は、AC位相制御モジュール10と白色照明ランプ30との間にドライバー20を連結構成するが、AC位相制御モジュール10が望みの明るさに合うように入力交流電源の位相を制御して出力し、これに従ってドライバー20により白色照明ランプ30の照度を制御することができる。
【0003】
ハロゲンランプ等のような白色照明ランプのエネルギー効率が低くて過多な消費電力が発生する問題を解決するために、舞台照明システムの光源としてLEDランプを採用しデジタル制御方式で照度調節する技術が開発されている。そのような例として、図2に示したように、DMXコンソール40に多数のDMXスプリッタ51、52、53、54を通信線で連結し、各DMXスプリッタ51、52、53、54にマルチLEDランプ60を配線連結して国際標準規格であるDMX512プロトコルを使用して、DMXコンソール40によってLEDランプ60に対するOn、Off及び照度調節が制御されるようになる。
【0004】
舞台照明装置が大型するに伴い、広範囲に設備する場合、遠隔制御が可能なデジタル制御方式を適用するためには莫大な費用が所要される。また、各々の現場に設置されたLEDランプについて照度調節したり、一時的に不要で個別的な設定が要求されても、DMXコンソールのみに依存してLEDランプの動作を制御するほかない問題がある。
【0005】
したがって、現場ではAC位相制御コントローラを利用した位相制御方式でLEDランプの照度を調節し、また遠隔制御のためにはDMXコンソールを利用したデジタル制御方式でLEDランプを制御する技術が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1293465号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一側面は、舞台照明の光源としてLEDランプを設置し、位相制御方式とデジタル制御方式を選択的に適用してLEDランプの照度調節が可能なようにして、現場の使用者のみでなくDMXコンソールを利用して外部管理者が遠隔でLEDランプの照度を調節するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような本発明の実施例によるハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明の照度制御装置は、LEDランプモジュール、前記LEDランプモジュールの照度を調節するために交流ニュートラルラインのゼロクロスを基準としてトライアックの駆動時点を移動させ交流電源の位相を制御して出力するAC位相制御モジュール、前記AC位相制御モジュールの入力電源を整流及び平滑して前記LEDランプモジュールに印加するLEDランプ駆動モジュール、前記LEDランプモジュールの照度を調節するために外部管理者によって伝送されるランプ制御情報を受信するDMX512受信モジュール、前記AC位相制御モジュールで実質的に位相制御がなされていない状態ならば前記DMX512受信モジュールで受信したランプ制御情報に従って前記LEDランプ駆動モジュールを制御して前記LEDランプモジュールの照度を調節するランプ駆動制御モジュール、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記LEDランプ駆動モジュールは、保護回路及びEMIフィルタとブリッジ整流器を含み、前記ランプ駆動制御モジュールは、前記ブリッジ整流器で全波整流された電源の位相を検出して矩形派の検出信号を出力する位相検出部と、前記位相検出部によって検出された矩形派の検出信号によって前記AC位相制御モジュールでの位相制御動作を判断するマイコンを含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記ランプ駆動制御モジュールは、前記マイコンの駆動制御信号を前記LEDランプ駆動モジュールのPWM駆動部に伝達する第1フォトカプラと、前記位相検出部と前記マイコンとの間に連結された第2フォトカプラをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記LEDランプモジュールが設置された現場の使用者が照度設定するための制1設定器と第2設定器をさらに含み、前記第1設定器は、ボタンスィッチの操作による照度設定値をPWM信号として前記マイコンに印加し、前記第2設定器は、回転ノブの動作によってDCレベルの照度設定値を前記マイコンに印加することを特徴とする。
【0012】
また、前記マイコンは、前記位相検出部の検出信号によって判断した結果、位相制御されている状態ならば、前記DMX512受信モジュールを利用した遠隔照度設定方式を適用せず無視することを特徴とする。
【0013】
また、前記位相検出部の検出信号によって判断した結果、位相制御されている状態でなければ、前記マイコンが駆動制御信号を前記第1フォトカプラを介して前記PWM駆動部に印加することを特徴とする。
【0014】
また、前記LEDランプ駆動モジュールは前記ブリッジ整流器の後端に連結されたフリッカ防止回路をさらに含み、前記フリッカ防止回路は抵抗とキャパシタによって決定される時定数を設定して、サイリスタのオンタイムを調節することにより前記LEDランプモジュールで発生するフリッカ現象を防止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明は、既存の位相制御方式によってLEDランプの照度を調節する方式以外に、外部管理者によって遠隔で照度調節が容易であるのみならず、現場の使用者がボタンスィッチや回転ノブを利用して照度設定値を簡便に設定して照度調節が可能であるため、多様な設定方式を適用して使用者の便宜性を高めることができる。
【0016】
また、本発明は、DMX512プロトコルを利用したデジタル制御方式のみで構成せず、位相制御方式の基本装備としてAC位相制御モジュールを活用して照明システムを構成することにより製造費用を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来のAC位相制御方式を利用した公演舞台用白熱照明ランプの照度制御装置のブロック図である。
図2】従来のデジタル制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置のブロック図である。
図3】本発明によるハイブリッド方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置の全体ブロック図である。
図4】LEDランプ駆動モジュールと、ランプ駆動制御モジュールの詳細構成を説明するためのブロック図である。
図5図4の詳細回路図である。
図6】本発明によるハイブリッド方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施例を添付された図面を参照して詳しく説明することにする。
【0019】
図3に示したように、本発明によるハイブリッド方式の照度制御器Lm−1、Lm−2...Lm−nが放送局や公演場の広範囲に分散設置されることができる。
【0020】
照度制御器Lm−1、Lm−2...Lm−nは、AC位相制御モジュール100とLEDランプ駆動モジュール200、ランプ駆動制御モジュール300を共通的に備える。ここで望む明るさに合わせて入力交流電源の位相を制御して出力するAC位相制御モジュール100を備える構成は従来技術と同一であり、特徴的にLEDランプ駆動モジュール200とランプ駆動制御モジュール300を備える。
【0021】
照度制御器Lm−1、Lm−2...Lm−nは、AC位相制御モジュール100とLEDランプ駆動モジュール200を介してLEDランプモジュールJを個別的に駆動させることができる。
【0022】
また照度制御器Lm−1、Lm−2...Lm−nは、DMX512受信モジュールOを介して図示しないDMXコンソールからランプ制御情報(DMX512)の伝達を受けてLEDランプモジュールJを対象として照度制御することができる。ここでDMX512受信モジュールOは、有線または無線でDMXコンソールと通信してランプ制御情報(DMX512)の提供を受けることができる。
【0023】
図4は、LEDランプ駆動モジュールとランプ駆動制御モジュールの詳細構成を説明するためのブロック図で、図5図4の詳細回路図である。
【0024】
LEDランプ駆動モジュール200は、AC位相制御モジュール100とLEDランプモジュールJとの間に連結されて、ランプ駆動制御モジュール300のマイコンNの駆動制御信号によってPWM制御方式で照度調節することができる。LEDランプモジュールJは、複数のLEDランプを配線してグループ単位で光を発生することができ、PWM制御方式はLEDランプに流れる矩形波形態の電流のデューティを可変して照度を制御する。
【0025】
LEDランプ駆動モジュール200は、入力端Aと保護回路及びEMIフィルタB、及びブリッジ整流器Cを一般的に備えることができる。
【0026】
入力端Aは、AC位相制御モジュール100の入力電源を保護回路及びEMIフィルタBに伝達する。この際、入力電源は、AC位相制御モジュール100のトライアックを利用して位相制御された110〜220ACであることができる。
【0027】
保護回路及びEMIフィルタBは、電源ラインの交流ノイズ(サージ電圧)を除去するためにバリスタZNR1、キャパシタC1、C15、インダクタL1を備えることができる。また過電流が入力された場合、これを遮断するためのヒューズF1をさらに含むことができる。
【0028】
保護回路及びEMIフィルタBでノイズが除去された交流電源は、ブリッジ整流器Cを介して直流電源として整流平滑される。実施例ではブリッジ整流器Cがブリッジダイオードで構成したが、全波整流された電源を平滑するためのキャパシタ素子がさらに使用されることもできる。
【0029】
全波整流された電源は、その後端に連結された力率補償部(PFC)Eに伝達される。力率補償部Eは、ブリッジ整流器Cで発生する損失を補償するために構成する。力率補償部Eの回路構成と動作は、公知となった技術であるため、これについての具体的な説明は本明細書では省略することにする。
【0030】
電流と電圧の変化によってLEDランプで光の明るさが変わり続けて発生するフリッカ(ちらつき)現象を防止するために、実施例でのように、ブリッジ整流器Cと力率補償部Eとの間にフリッカ防止回路Dを追加で設置することができる。
【0031】
フリッカ防止回路Dは、抵抗R5、R8、キャパシタC2、サイリスタU3を備えることができる。抵抗R5とキャパシタC2によって決定される時定数を適切に設定して、サイリスタU3のオンタイム(on time)を調節してLEDランプでのフリッカ現象を防止することができる。
【0032】
力率補償部EとトランスフォーマGの一次巻線との間にPWM駆動部Fが連結される。PWM駆動部Fは、後述するマイコンNの駆動制御信号に従って力率補償部Eの出力端からトランスフォーマGの一次巻線に入力される電圧を変化させる。すなわち、PWM駆動部Fの出力に従って力率補償部Eの出力電圧が変化してトランスフォーマGの一次巻線に入力され、トランスフォーマGは力率補償部Eの出力の入力を受けて巻線比に応じて降圧して整流器Hに出力するようになっている。
【0033】
整流器Hは、降圧された出力電源を整流及び平滑化された電源をLEDランプモジュールJに出力するようにダイオードD12とキャパシタC16で構成することができる。
【0034】
整流器Hで整流及び平滑化されてLEDランプモジュールJに印加される電流を検出する電流検出器Iが追加で備えられることができる。電流検出器Iによって検出された電流は、後述するマイコンNに提供されるようになっている。
【0035】
上述したように、LEDランプ駆動モジュール200がAC位相制御モジュール100からの入力電源によってLEDランプモジュールJを駆動させることができる。AC位相制御モジュール100で位相制御された入力電源の提供を受けた場合、その位相制御された入力電源でLEDランプモジュールJに対して照度調節することができる。調節可能な照度範囲は、AC位相制御モジュール100のスイッチング素子(トライアック)がオン/オフ状態でトグルされる動作によって0゜〜180゜の範囲で位相制御されるが、通常は交流ニュートラルラインのゼロクロスを基準としてトライアックの通電時間に比例してLEDランプのオンタイムが決定され、事前に設定照度値によってこのようなトライアックの駆動される時点が180゜からN回移動して0゜になれば、トライアックの駆動時点が漸次遅くなり、最終的にLEDランプに供給される電源が遮断される。この際、N分割と関連してN等分することが一般的であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
一方、AC位相制御モジュール100で実質的に位相制御をせず交流電源を出力することも可能であり、この場合、トライアックの駆動時点が移動せずにトライアックが常にオン状態で通電するようにすることができる。AC位相制御モジュール100によって実質的に位相制御がなされない状態で外部の管理者がDMXコンソールを利用して照度調節するためのランプ制御情報(DMX512)を伝送し、DMX512受信モジュールOがランプ制御情報(DMX512)をランプ駆動制御モジュール300のマイコンNに提供して遠隔でLEDランプモジュールJのLEDランプについての照度を調節することができる。
【0037】
また、実施例でのように、AC位相制御モジュール100により位相制御がなされない状態で照度制御器Lm−1、Lm−2...Lm−nの第1設定器P又は第2設定器Qを追加で備え、第1設定器P又は第2設定器Qを利用して舞台現場に位置した使用者が望む照度設定値を決定することができる。第1設定器Pは、ボタンスィッチの操作による照度設定値をPWM信号としてマイコンNに印加し、第2設定器Qは回転ノブ(knob)の動作によってDCレベルの照度設定値をマイコンNに印加する。
【0038】
ランプ駆動制御モジュール300は、位相検出部K、第1及び第2フォトカプラL、M、マイコンNで構成する。ここで第1フォトカプラLは、マイコンNの駆動制御信号をPWM駆動部Fに伝達する媒介体であり、第2フォトカプラMは、位相検出部Kの検出信号をマイコンNに伝達する媒介体である。第1及び第2フォトカプラL、Mは、トランスフォーマGとともに絶縁線S−Sを基準として前端と後端の間を電気的に絶縁させる役割をする。
【0039】
位相検出部Kは、一側がブリッジ整流器Cとフリッカ防止回路D間に連結され、他側が第2フォトカプラMの発光ダイオードのアノードに連結される。位相検出部Kは、抵抗R26、R27、R28、キャパシタC24、npnトランジスタQ3で構成することができる。位相検出部Kは、ブリッジ整流器Cで全波整流された電源の位相を検出して矩形波の検出信号を第2フォトカプラMを介してマイコンNに印加する。
【0040】
マイコンNは、第2フォトカプラMを介して印加された検出信号によって、入力電源が位相制御されている状態なのか、それとも位相制御がなされていない状態なのかを判断することができる。位相制御されている状態ならば、マイコンNは、第1及び第2設定器P、Qを利用した現場での照度設定方式とDMX512受信モジュールOを利用した遠隔照度設定方式を適用しない。これとは異なり、第2フォトカプラMの検出信号に根拠して判断した結果、位相制御されていなければ、第1及び第2設定器P、Qを利用した現場での照度設定方式とDMX512受信モジュールOを利用した遠隔照度設定方式のうちいずれか一つの方式を適用することができる。もし現場照度設定方式と遠隔照度設定方式が同時に活性化された状態ならば、あらかじめ設定した優先順位によっていずれか一つの方式を適用するように構成することができる。
【0041】
照度設定方式が決定されたら、マイコンNは、電流検出器Iによって検出された電流と設定照度値によってトランスフォーマGの一次巻線に印加される入力電圧を変化するための駆動制御信号を、第1フォトカプラLを介してPWM駆動部Fに印加する。これによってPWM駆動部Fが力率補償部EからトランスフォーマGの一次巻線に入力される電圧を変化させるようになり、LEDランプに流れる電流が変化して光の明るさを調節することができる。
【0042】
前記構成された本発明によるハイブリッド制御方式を利用したLED舞台照明システムの照度制御装置の動作を説明する。
【0043】
図6を参考して、AC位相制御モジュール100でトライアックの駆動時点に依存する位相制御方式または外部管理者によるDMXコンソールを利用したデジタル制御方式に従ってLEDランプの照度を設定する(S100)。
【0044】
AC位相制御モジュール100で位相制御された入力電源は、LEDランプ駆動モジュール200の入力端Aに印加された後、保護回路及びEMIフィルタBでノイズが除去され、次にブリッジ整流器Cを介して直流電源として整流平滑される。ブリッジ整流器Cで全波整流された電源は、力率補償部Eによって損失補償されてからトランスフォーマGの一次巻線に印加される。トランスフォーマGによって降圧された出力電源は、整流器Hで整流及び平滑化された後LEDランプモジュールJに出力する。
【0045】
実施例ではブリッジ整流器Cと力率補償部Eとの間にフリッカ防止回路Dを追加で設置することができる。フリッカ防止回路Dは、電流と電圧の変化によってLEDランプで光の明るさが変わり続けて発生するフリッカ現象を防止するためのものである。このようなフリッカ防止回路Dは、抵抗R5、R8、キャパシタC2、サイリスタU3を備えることができる。抵抗R5とキャパシタC2によって決定される時定数を適切に設定してサイリスタU3のオンタイム(on time)を調節してLEDランプでのフリッカ現象を防止することができる。
【0046】
実施例では力率補償部EとトランスフォーマGの一次巻線の間にPWM駆動部Fを備える。PWM駆動部Fは、マイコンNの駆動制御信号によって力率補償部Eの出力端からトランスフォーマGの一次巻線に入力される電圧を変化させる。
【0047】
実施例では整流器Hで整流及び平滑化されてLEDランプモジュールJに印加される電流を検出する電流検出器Iが追加で備えられることができる。電流検出器Iによって検出された電流はマイコンNに提供される(S200)。
【0048】
ランプ駆動制御モジュール300の位相検出部Kは、ブリッジ整流器Cで全波整流された電源の位相を検出して矩形波の検出信号を第2フォトカプラMを介してマイコンNに印加する(S300)。
【0049】
マイコンNは、位相検出部Kの検出信号によってAC位相制御モジュール100で実質的に位相制御がなされているかを判断する(S400)。例えば、検出信号のパルス幅によって位相制御状態を判断することができる。
【0050】
位相検出部Kの検出信号によって判断した結果、位相制御されている状態ならば、マイコンNはDMX512受信モジュールOを利用した遠隔照度設定方式を適用せず無視する。また実施例では、現場の使用者が第1及び第2設定器P、Qを利用した照度設定についても無視する(S500)。
【0051】
一方、位相検出部Kの検出信号によって判断した結果、位相制御されている状態でなければ、マイコンNはDMX512受信モジュールOを利用した遠隔照度設定方式でマイコンNが駆動制御信号を第1フォトカプラLを介してPWM駆動部Fに印加する。これによりPWM駆動部Fが、力率補償部EからトランスフォーマGの一次巻線に入力される電圧の変化によってLEDランプに流れる電流が変化して光の明るさを調節することができる(S600)。また実施例では、第1及び第2設定器P、Qを利用した現場での照度設定方式でLEDランプの照度を調節することもできる。ここでもし現場照度設定方式と遠隔照度設定方式が同時に活性化された状態ならば、あらかじめ設定した優先順位によっていずれか一つの方式を選択的に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
100 : AC位相制御モジュール
200 : LEDランプ駆動モジュール
300 : ランプ駆動制御モジュール


【要約】      (修正有)
【課題】位相制御方式とデジタル制御方式を選択的に適用してLEDランプの照度調節が可能なようにして、現場の使用者のみでなくDMXコンソールを利用して外部管理者が遠隔でLEDランプの照度を調節できる安価な照明システムを提供する。
【解決手段】AC位相制御モジュール100の入力電源を整流及び平滑してLEDランプモジュールに印加するLEDランプ駆動モジュール200と、LEDランプモジュールの照度を調節するために外部管理者によって伝送されるランプ制御情報を受信するDMX512受信モジュールOと、AC位相制御モジュールで実質的に位相制御がなされていない状態ならばDMX512受信モジュールで受信したランプ制御情報によってLEDランプ駆動モジュールを制御してLEDランプモジュールの照度を調節するランプ駆動制御モジュール300と、を含む。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6