特許第5789813号(P5789813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789813
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】コインホッパ
(51)【国際特許分類】
   G07D 1/00 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   G07D1/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-174519(P2011-174519)
(22)【出願日】2011年8月10日
(65)【公開番号】特開2013-37597(P2013-37597A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】武内 徹
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4217789(JP,B2)
【文献】 特開2000−339525(JP,A)
【文献】 実開昭63−072671(JP,U)
【文献】 特開2001−143124(JP,A)
【文献】 特開2004−348368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側壁と、前記第1側壁に相対する第2側壁と、前記第1および第2側壁に接続された第3側壁と、前記第3側壁に相対すると共に前記第1および第2側壁に接続された第4側壁とを有し、前記第1乃至第4側壁に垂直な断面形状が矩形であって、底部に円形の底孔が形成された、コインをバラ積み状態で保留するホッパーヘッドと、
前記ホッパーヘッドの底孔に回転可能に配置された、上下方向に貫通する通孔が形成された回転ディスクと、を備え、
前記回転ディスクの回転に伴って前記ホッパーヘッドに貯留されたコインを前記通孔に落下させて一つずつ払い出すコインホッパであって、
前記ホッパーヘッドは、前記回転ディスクの上方において前記第1側壁から前記第2側壁に向かって下向きに傾斜する第1傾斜板と、前記第1傾斜板よりも上側において前記第2側壁から前記第1側壁に向かって下向きに傾斜する第2傾斜板と、を有し、
前記第1傾斜板は平板状であり、前記第2傾斜板は前記第3および第4側壁に対向する一対の側縁を含む平面から中央部が下方に突出する樋状であり、
前記第1乃至第4側壁に平行な方向から見て前記第1傾斜板の下向き先端と前記第2傾斜板の下向き先端との間に所定の隙間が形成されるように前記第1および第2傾斜板の下向き方向の長さが設定されており、
前記回転ディスクの回転によるコインの上下動を前記第1傾斜板の下向き先端よりも上方に波及させると共に、前記第2傾斜板上においてその幅方向に並列する横倒し姿勢のコイン同士を干渉させるようにしたことを特徴とするコインホッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインをバラ積み状態で保留するホッパーヘッド内に傾斜板を配置して、コインを一枚ずつ区分けして払い出す回転ディスクに加わるコインの重量を低減するコインホッパに関する。
特に、コインをバラ積み状態で保留するホッパーヘッド内に傾斜板を配置して、回転ディスクに加わるコインの重量を低減するコインホッパにおいて、当該傾斜板に起因するコインジャムを生じさせないコインホッパに関する。
詳しくは、コインをバラ積み状態で保留するホッパーヘッド内に傾斜板を配置して、回転ディスクに加わるコインの重量を低減するコインホッパにおいて、当該傾斜板を樋状に形成することによりコインジャムを生じないようにしたコインホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として本出願人が提案した、コインを一つずつ区分けして放出するための回転ディスクと、前記回転ディスクの上方に配設されて払い出されるコインをバラ積み状態で収納するための筒形の主タンクと、前記回転ディスクの真上に位置する固定的に配置された下向きの傾斜板を有し、該傾斜板の下端の側方に上方の大きな開口より小さな開口が形成され、前記小さな開口が前記主タンクの上端の開口と連絡するように前記主タンクの上に積層関係に配置される筒型の補助タンクと、前記主タンクの底壁を上方に伸びるように貫通し、かつ前記回転ディスクの駆動手段によって回転する攪拌軸とを有し、この攪拌軸の先端に前記補助タンクの前記小さな開口を通って前記傾斜板の側方に位置すると共に、前記攪拌軸に対して偏心した螺旋状の攪拌部材が取り付けられていることを特徴とするコインホッパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、コインを一時保留するためのコイン収納庫と、前記コイン収納庫の底部に回転可能に設けられ、取り扱いコインの径よりも大きな径の孔がその回転方向に沿って複数形成されたコイン繰出しディスクと、前記コイン繰出しディスクの回転駆動源となる駆動モータと、前記駆動モータを制御する制御部と、前記コイン収納庫の上部に設置され、前記コイン収納庫に連通してそのコイン収容量を補足する補助収納庫とを備え、前記補助収納庫を介して前記コイン収納庫に導入され前記孔に捕捉されたコインを、前記コイン繰出しディスクの回転により搬送して所定のコイン投出部に導くコイン投出装置であって、前記補助収納庫にて所定の金銭処理装置に固定され、前記コイン収納庫の内壁における前記コイン繰出しディスクの上方に、投入されたコインを載置可能に構成されるとともに下方に向かって傾斜する載置部材が設けられたことを特徴とするコイン投出装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに第3の従来技術として、メダル収納部とメダル収納部の下に配設されたメダル払い出し部とを有し、投入した金額に応じて所定枚数のメダルを払い出すようにしたメダル貸し機であって、前記メダル収納部内に前側減圧板と後側減圧板とが設けられ、前側減圧板は、メダル収納部に収納されたメダルをメダル払い出し部に誘導すべく鉛直に対して後傾状の傾斜板に形成され、前記後側減圧板は、メダル収納部に収納されたメダルをメダル払い出し部に誘導すべく水平に対して下傾状の傾斜板に形成されると共に、その前端部にメダル落下用の切り欠きが設けられたメダル詰まり防止機構が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4217789号(図1図4、0009〜0029)
【特許文献2】特開2004-348368(図1図4、0008〜0036)
【特許文献3】特開2000-202090(図2図5、0003〜0021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の従来技術においては、傾斜板の下端の側方に位置する小さな開口に配置された偏心した螺旋状の攪拌部材の回転によって、当該小さな開口におけるコインジャムを防止できる。しかし、当該傾斜板上において発生するコインジャムを完全に防止することができない問題がある。攪拌部材による攪拌効果が傾斜板上のコインに及ばないことがあるからである。
第2の従来技術においても、傾斜板が上下に揺動可能になっている構造以外は第1の従来技術と同様である。したがって、傾斜板の揺動によってコインジャムを解消できるので、第1の従来技術よりもコインジャムが発生する頻度は減少するが、傾斜板が揺動されな場合には傾斜板上において発生するコインジャムを防止できない問題がある。
第3の従来技術においては、傾斜板の先端に切り欠きを設けることにより当該先端をジグザグ状に形成したことから、第1の従来技術に対しコインジャムの発生は減少するが、第1の従来技術と同様に傾斜板上において発生するコインジャムは防止することができない問題がある。
【0005】
次に第1〜第3の従来技術において共通する傾斜板上において発生するコインジャムを図11図15を参照して説明する。
まずコインホッパ10の概要を説明する。
コインホッパ10は、フレーム12、ベース14、回転ディスク16、及び標準ホッパーヘッド18を備える。
フレーム12は、直角三角形体を横置きにして所定の長さで切断した立体形を呈し、中空の内部空間には回転ディスク16を駆動するための電気モータ(図示せず)等が配置される。したがって、フレーム12の上面22は一方向に傾けられた大凡正方形に形成される。
ベース14は、矩形厚板状に成型され、上面22に宛われてフレーム12の内部空間を閉止するようにフレーム12の上端に固定される。
したがって、ベース14はフレーム12の上面22に対し、同一角度で同一方向に傾斜している。
ベース14には浅い円形の収納穴24が形成され、当該収納穴24よりも僅かに小径の回転ディスク16の下端部が配置され、当該回転ディスク16はフレーム12内に配置された電気モータによって所定の速度で正転又は逆転される。
【0006】
回転ディスク16は、円盤状であって、回転中心に対し偏心した位置にコインCが上から下へ通過可能な通孔26が形成されている。
【0007】
標準ホッパーヘッド18は、全体としては筒状体であるが、下端部30が円形筒状であって、ベース14に対し垂立する軸線Lに沿って円形の底孔28が形成され、底孔28から所定距離以上の上方においては水平断面が矩形の矩形部32に、そして底孔28の上端と矩形部32の下端とはそれらが滑らかに接続されるように直線又は曲線よりなるつなぎ部34が形成されている。
詳述すれば、回転ディスク16に面する後つなぎ部34Bは、水平線に対し約30度の角度で傾斜し、回転ディスク16に対し前側に位置する前つなぎ部34Fは、回転ディスク16と大凡平行に、換言すれば、水平線に対し約40度の角度で傾斜している。
後つなぎ部34Bの端部から垂立する平板状の後側壁36が設けられ、前つなぎ部34Fの端部から垂立する平板状の前側壁38が設けられ、それら後側壁36と前側壁38とを平板状の左側壁42と右側壁44とで接続することにより、矩形部32を形成してある。
【0008】
上部を矩形部32にするのは限られた空間におけるコインCの保留量を可及的に増加するためである。
矩形部32の高さは、電気モータの出力と保留コイン量との兼ね合いを考慮して定められる。換言すれば、保留されるコインCの量によって加わる回転ディスク16の回転抵抗を超えないようにその標準ホッパーヘッド18の高さが定められる。
【0009】
標準ホッパーヘッド18の高さを超えてコインCを保留する場合、標準ホッパーヘッド18の上端部に水平断面が矩形筒状の補助ホッパーヘッド48を接続することによって対応している。この場合、標準ホッパーヘッド18と補助ホッパーヘッド48の組み合わせが増量ホッパーヘッド52である。
補助ホッパーヘッド48は、標準ホッパーヘッド18に相対して補助後側壁54、補助前側壁56、補助左側壁58及び補助右側壁62によって水平断面が矩形に形成されている。
補助ホッパーヘッド48を標準ホッパーヘッド18の上に装着した場合、回転ディスク16上に積み上がるコインCの量が増加することから、標準の電気モータでは回転ディスク16を回転駆動できない事態が想定される。
この場合、前記電気モータを高出力型に変更することが考えられるが、コスト上昇及び消費電力が増加するため、俄に採用し難い。
【0010】
そこで、前述の第1〜3の従来技術のように、回転ディスク16の上方に傾斜板64を配置し、傾斜板64の上に載っているコインCの重量は傾斜板64で支え、回転ディスク16には傾斜板64の下方のコイン重量のみが加わるようにして前記電気モータの出力を変えずに保留コインを増量できるようしている。
しかし、傾斜板64を用いる場合には、傾斜板64上においてコインジャムが発生する問題があることが新たに判明した。
【0011】
コインホッパ10は原則として全てのコインCに対し同一仕様が適用される。例えば、ユーロコインに対応する場合、1セントから2ユーロまでの8金種の全てに対して同一のコインホッパ10が採用され、唯一変更されるのは、通孔26の大きさを金種毎或いは直径が近接する金種群毎に適したものとする回転ディスク16のみである。
具体的には、補助左側壁58と補助右側壁62との内法間の第1距離L1、コインCの直径Dに対し2.5以上3.0以下の場合、傾斜板64上においてコインジャムが発生し、ジャムしたコインCが回転ディスク16の回転によって払い出されない問題が生じる。
【0012】
次に傾斜板64上においてコインジャムが発生するメカニズムを図13図15を参照して説明する。
コインジャムは、バラ積みされたコインCが補助ホッパーヘッド48内における複雑なコインCの動きによって、コインCが傾斜板64に面接触した、寝た状態で一方の補助側壁、例えば補助左側壁58に周面を接して寝ている第1の寝たコインLC1の上に積み上がった第1の寝たコイン群LC1Gと、複数枚が立った状態で一方の壁、例えば補助右側壁62に面接触して立ったコインSCを起点として補助左側壁58へ向かって棒状に整列した立ったコイン群SCGが存在し、第1の寝たコイン群LC1Gと立ったコイン群SCGとの間に傾斜板64に面接触した第2の寝たコインLC2の上に積み上がった第2の寝たコイン群LC2Gが進入しようとしてクサビ状に食い込んだ場合に発生する。
【0013】
すなわち、図15(A)に示すように、第2の寝たコイン群LC2Gには自重及び傾斜板64の傾斜方向に対し上流側に位置する第2の寝たコイン群LC2Gに作用する他のメダルの押力によって、第1の寝たコイン群LC1Gに対し第1の力F1が第2の寝たコインLC2の中心からそれらの接点に向かう方向に作用する。したがって、第1の力F1の分力として、補助左側壁58に直角に作用する第1押し力F1Vによって補助左側壁58に押し付ける。
一方、立ったコインSCには、第1の力F1の反力F2に対する分力である第2の押し力F2Vが立ったコインSCの面に対し直角に作用し、棒状をなす立ったコインSCを順次伝播して補助右側壁62を押す。
このとき、第2の寝たコイン群LC2Gが立ったコインSCの直径に対し、少なくとも半径程度積み上がっている場合、立ったコイン群SCGは倒れることができない。
これらによって、第1の寝たコイン群LC1G、第2の寝たコイン群LC2G及び立ったコイン群SCGがバランスすることにより、傾斜板64上を重力によって滑落することができずにコインジャムを生じるものと考えられる。
【0014】
詳述すれば、コインジャムは、第1の押し力F1Vによる寝たコインLC1群の周面と補助左側壁58との間の摩擦力、及び第2の押し力F2Vによる立ったコインSCの面と補助右側壁62との間の摩擦力が、傾斜板64の傾斜によってそれらのコイン群に対し作用する重力によって発生する下方へ向かう力よりも大きくなった場合に発生する。
なお、コインジャムの発生は、上記に限らず、第1の寝たコインLC1及び第2の寝たコインLC2が1枚である場合にも発生しうるが、さらに多くの要因が加わるので、発生頻度は低い。
なお、本発明は、補助左側壁58及び補助右側壁62の第1距離L1が、コイン直径の2倍以上、3倍以下に限定されるものではない。
また、第1の従来技術のように、傾斜板の側方に回転する攪拌体を配置し、発生頻度を減少することもできるが、攪拌装置を付加することはコスト上昇及び消費電力の増加を招くことから、俄に採用し難い。
【0015】
本発明の第1の目的は、傾斜板上におけるコインジャムを生じないコインホッパを提供することである。
本発明の第2の目的は、追加の部品等を使用することなく、傾斜板上におけるコインジャムを生じないコインホッパを提供することである。
本発明の第3の目的は、傾斜板上におけるコインジャムを生じないコインホッパを安価に提供することである。
なお、本明細書において、「コイン」には、通貨であるコインの他、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣または類似のものを包含する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するため、本発明の好ましい第1の態様は以下のように構成されている。
第1側壁と、前記第1側壁に相対する第2側壁と、前記第1および第2側壁に接続された第3側壁と、前記第3側壁に相対すると共に前記第1および第2側壁に接続された第4側壁とを有し、前記第1乃至第4側壁に垂直な断面形状が矩形であって、底部に円形の底孔が形成された、コインをバラ積み状態で保留するホッパーヘッドと、前記ホッパーヘッドの底孔に回転可能に配置された、上下方向に貫通する通孔が形成された回転ディスクと、を備え、前記回転ディスクの回転に伴って前記ホッパーヘッドに貯留されたコインを前記通孔に落下させて一つずつ払い出すコインホッパであって、前記ホッパーヘッドは、前記回転ディスクの上方において前記第1側壁から前記第2側壁に向かって下向きに傾斜する第1傾斜板と、前記第1傾斜板よりも上側において前記第2側壁から前記第1側壁に向かって下向きに傾斜する第2傾斜板と、を有し、前記第1傾斜板は平板状であり、前記第2傾斜板は前記第3および第4側壁に対向する一対の側縁を含む平面から中央部が下方に突出する樋状であり、前記第1乃至第4側壁に平行な方向から見て前記第1傾斜板の下向き先端と前記第2傾斜板の下向き先端との間に所定の隙間が形成されるように前記第1および第2傾斜板の下向き方向の長さが設定されており、前記回転ディスクの回転によるコインの上下動を前記第1傾斜板の下向き先端よりも上方に波及させると共に、前記第2傾斜板上においてその幅方向に並列する横倒し姿勢のコイン同士を干渉させるようにしたことを特徴とするコインホッパである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第2傾斜板が樋状に形成されている。換言すれば、第2傾斜板の断面は凹状になっている。断面が凹状の場合、寝たコインは自重によって樋状の中央に移動しようとするから、斜面板上に二枚並列して隣接位置する機会は大幅に減少する。
仮に寝たコインが二枚並列して傾斜板上に並んだとしても、寝たコインの中心線の延長線は凹状の内方において重なることになり、寝たコイン上にコインが順次積み上がろうとしても、上に載ったコインが隣接するコインと干渉するため、積み上がることが困難になり、仮に二・三枚、積み上がったとしても、隣接するコインによって崩される。また、立ったコインは彎曲面上に点接触することになり、原則、立っていることを継続する条件は成立しない。したがって、立ったコイン群を構成することは極めて困難である
以上のことから、コインジャムを生じる条件が整うのは極めて希であることから、実質的にコインジャムを生じることはない。
【0024】
本発明によれば、回転ディスクに加わるコイン荷重は主に最下の第1傾斜板よりも下方のコイン量に依存するので、この位置を適宜設定することにより、電気モータの出力を増加せずにホッパーヘッドのコインの保留容量を増加できる利点がある。
【0025】
本発明によれば、最下の第1傾斜板は平板である。
最下の傾斜板は、回転ディスクによって攪拌されたコインによって下方から突き上げられる。
第1傾斜板が樋状になっている場合、三角形空間が形成されるため、コインがこの三角形の空間に詰まる恐れがある。しかし、第1傾斜板が平板である場合、三角形空間が形成されないのでコインが詰まる恐れを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明にかかる実施例1のコインホッパの一部透視斜視図である。
図2図2は、本発明にかかる実施例1のコインホッパの平面図である。
図3図3は、図2におけるX―X線断面図である。
図4図4は、本発明にかかる実施例1のコインホッパの傾斜板の斜視図である。
図5図5は、本発明にかかる実施例1のコインホッパの作用説明図である。
図6図6は、本発明にかかる実施例2のコインホッパの傾斜板の断面図である。
図7図7は、本発明にかかる実施例3のコインホッパの傾斜板の断面図である。
図8図7は、本発明にかかる実施例4のコインホッパの傾斜板の断面図及び作用説明図である。
図9図9は、本発明にかかる実施例5のコインホッパの斜視図である。
図10図10は、本発明にかかる実施例5のコインホッパの図3と同様の断面図である。
図11図11は、従来のコインンホッパの一部透視斜視図である。
図12図12は、従来のコインンホッパの断面図である。
図13図13は、従来のコインンホッパの平面図である。
図14図14は、従来のコインンホッパの傾斜板上にコインジャムの発生を説明するための断面図である。
図15図15は、従来のコインンホッパの傾斜板上におけるコインジャムの発生を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の最良の形態は、底部に形成された円形の底孔から垂立方向に立ち上がり、底孔から所定の高さにおいては水平断面が矩形である矩形部を有するホッパーヘッドを備え、前記底孔には上下方向に貫通する通孔を有する回転ディスクを配置し、前記矩形部には前記回転ディスクの上方に前下がりの傾斜板を配置し、回転ディスクの回転によって前記ホッパーヘッド内にバラ積み状態で保留したコインを前記通孔に落下させて一つずつ払出すようにしたコインホッパにおいて、前記ホッパーヘッドの幅はコイン直径の2倍以上3倍以下であり、前記傾斜板は、前記傾斜板の傾斜方向線に対し直角な平面内の断面形状が下向きに円弧状の樋状に形成され、前記傾斜板は前記ホッパーヘッドの垂立方向においてずらして複数配置されると共に上位と下位とに隣接配置される傾斜板は互いに異なる向きに傾斜され、最下の傾斜板は平板状であって、かつ、前記回転ディスクの直上に配置されていることを特徴とするコインホッパである。
【実施例1】
【0028】
従来装置と同一部位には同一符号を付し、異なる構造を説明する。
本発明の一実施例であるコインホッパ100は、所定金種のコインを一つずつ払い出す機能を有する。
コインホッパ100は、ベース14の傾斜の上端部には回転ディスク16によって連れ回りされたコインCが図示しない弾出装置によってベース14に沿って弾き出される払出口102が形成される。したがって、コインCは斜め上向きに弾き出されて払い出される。
払出口102の直近下流のコイン通路に相対してコインセンサ104が配置され、払出口102から払い出されたコインCを検知する。コインセンサ104は、光電式センサ、磁気センサ、機械的センサ等が使用条件等に応じて選択され、当該コインセンサ104からの検知信号は、払い出したコインCのカウントに用いられる。
【0029】
コインホッパ100は、標準ホッパーヘッド18の上方に角筒型の補助ホッパーヘッド48の下端部を密に挿入し、標準ホッパーヘッド18の四側面から補助ホッパーヘッド48の下端部の補助左側壁58、補助右側壁62及び補助前側壁56、補助後側壁54へ平ビス等を用いて固定してある。しかし、補助ホッパーヘッド48を標準ホッパーヘッド18に対し、容易に着脱できるように構成することができる。
例えば、俗称パチン錠を用いることにより容易に着脱可能に構成できる。
また、標準ホッパーヘッド18と補助ホッパーヘッド48とを一体に構成することができる。しかし、万が一コインジャムが発生した場合に備え、補助ホッパーヘッド48を標準ホッパーヘッド18に容易に着脱できるように構成することが好ましい。
【0030】
まず、補助ホッパーヘッド48を詳細に説明する。
補助ホッパーヘッド48は、本実施例1においてはステンレス製平板を折り曲げて水平断面が矩形に形成され、所定の長さ(高さ)を有する角筒型である。
補助ホッパーヘッド48の補助左側壁58と補助右側壁62との第1距離L1は、コインCの直径に対し、2.5倍以上3.0倍以下に形成されている。
なお、補助ホッパーヘッド48は原則として全ての金種に同一のものを使用するので、小径コインの場合は上記条件を満たすことはないが、所定直径以上の大径コインが使用された場合、希に上記条件に当てはまることになる。
【0031】
次に傾斜板64を説明する。
傾斜板64は、回転ディスク16に加わるコインCの荷重を低減する機能を有する。換言すれば、傾斜板64上に載ったコインCの荷重を傾斜板64によって支えることにより、回転ディスク16には、傾斜板64よりも下方のコインCの荷重のみを受けるようする機能を有する。
傾斜板64は、回転ディスク16上方の異なる距離に複数配置することができ、この場合、互い違いに配置される。
可及的にコインCの荷重を回転ディスク16に付加しないためである。
本実施例1においては、下側傾斜板106及び上側傾斜板108が配置されている。
しかし、下側傾斜板106又は上側傾斜板108の何れか一つを配置し、樋形にすることができる。また、上側傾斜板108の上方にさらに樋形の傾斜板を一つ以上、互い違いに配置することができる。
【0032】
まず下側傾斜板106を説明する。
図3に示すように、下側傾斜板106は、従来と同様に金属製平板状の傾斜板であって、約30度の角度で前下がり傾斜している。換言すれば、補助前側壁56から補助後側壁54側へ向かって約30度の角度で前下がりに傾斜している。
下側傾斜板106の先端106Tと補助後側壁54との間に形成される下側落下口118の水平方向の最短の第2距離L2は、コインCの直径の二倍以上になるように設定してある。
下側傾斜板106は、その左右端部を下方へ直角に折り曲げて左耳片112及び右耳片114が形成され、それら左耳片112、右耳片114は補助左側壁58及び補助右側壁62との間に密に挿入され、それら左耳片112、右耳片114に補助左側壁58及び補助右側壁62を貫通してねじ込まれるスクリュウ116によって固定される。
【0033】
このように構成することにより、回転ディスク16の回転によって、標準ホッパーヘッド18の標準保留部20にバラ積み状態保留されたコインCが通孔26に立った状態で落ち込むことにより生じる図3における上下方向の動きがバラ積み状態で積み上がっているコインCに順次伝播し、下側傾斜板106の先端106Tと補助後側壁54との間に形成された下側落下口118に位置するコインCも上下方向に動かされる。これにより、下側落下口118の第2距離L2がコインCの直径の二倍程度であっても、コインCがブリッジ状になって滞留するコインジャムを生じさせない利点がある。
なお、下側傾斜板106も上側傾斜板108と同様に樋状に形成することができるが、回転ディスク16の回転によって上方に動かされるコインCが補助左側壁58又は補助右側壁62と下側傾斜板106とにより構成される三角形状の凹部空間に挟まれないような形状及び取付構造にする必要がある。
【0034】
次に上側傾斜板108が主に図4を参照して説明される。
上側傾斜板108は、下側落下口118の上方に配置され、その上に載っているコインCの荷重を支えて、回転ディスク16に加わるコインCの荷重を低減する機能を有する。
上側傾斜板108は、概略的に説明すれば、本実施例1では補助後側壁54側から補助前側壁56側へ向けて前下がりに傾斜して配置され、その傾斜方向線SDLに対し、直交する平面Pにおける断面が樋122状に形成されている。詳細には、樋122は下向きに凸形状の樋状に形成されている。
【0035】
詳細には、中央部に下向き凸形状の樋122、その両側に狭幅の左平坦部124並びに右平坦部126が形成され、それら左平坦部124並びに右平坦部126の外端部を下向きに直角に折り曲げて左取付耳部128並びに右取付耳部132が形成してあり、左取付耳部128並びに右取付耳部132の外面間距離は補助ホッパーヘッド48の補助左側壁58、補助右側壁62の内法間距離である第1距離L1よりも、僅かに小さくあるいは同一に形成される。左取付耳部128並びに右取付耳部132には、それぞれ二個の取付用の貫通孔134が形成されている。
【0036】
換言すれば、上側傾斜板108は、補助左側壁58と補助右側壁62の間に挿入され、下側傾斜板106に対し所定距離上方において、下側傾斜板106の傾斜方向に対し逆向きの傾斜状態において、補助左側壁58、補助右側壁62に形成された貫通孔を介して左取付耳部128並びに右取付耳部132の貫通孔134に挿通させたボルトの先端にナット(図示せず)を螺込むことにより固定される。
【0037】
左取付耳部128並びに右取付耳部132は、ネジ孔に構成し、ボルトを直接にねじ込むことが出来る。この場合、ボルトの先端に回り止めのための接着剤等を付着させた後、ねじ込むことができる。また、左取付耳部128並びに右取付耳部132を補助左側壁58と補助右側壁62にそれぞれ溶接等によって固定することにより、貫通孔134を設けなくともよい。
即ち、左平坦部124並びに右平坦部126を設けず、左取付耳部128並びに右取付耳部132の間を断面が凹状の凹状板136により接続してもよい。
上側傾斜板108は、平面視した場合、図2に示すように回転ディスク16の補助後側壁54側の周縁と大凡一致するようその長さが設定されるのが好ましい。
【0038】
また、下側傾斜板106の先端106Tと上側傾斜板108の先端108Tとは、平面視で第3距離L3の隙間を設けることが好ましい。
換言すれば、下側傾斜板106の先端106T及び上側傾斜板108の先端108Tどうしは平面視した場合、重ならないよう設定するのが好ましい。
更に換言すれば、図2に示すように平面視した場合、回転ディスク16の下端部がうかがい見ることができるように構成することが好ましい。
回転ディスク16の回転によるコインCの上下動を下側傾斜板106の先端106Tよりも上方の保留部に波及させることにより、更にコインジャムを可及的に防止するためである。
【0039】
次に凹状板136の形状について説明する。
凹状板136は、傾斜方向線SDLに沿って凹状であれば良い。換言すれば、平面Pにおける断面が、図5に示すように下向きに弧状である弧状樋136Aに形成することができる。
【0040】
本実施例1において樋122の溝の深さは、コインCの直径が約28ミリの場合、10〜15ミリに設定されることが好ましい。
図5を参照して説明すれば、樋122(凹状136)の溝の深さD2は、弧状樋136Aの左右端を結んだ第4距離L4と最深部の深さD2をいう。
深さD2が小さい場合、換言すれば樋122の深さD2が浅い場合、隣接するコインCに対する重力による押力が小さく、コインジャムの解消力が不十分になり、深すぎると樋ではなく溝状になってしまい、その溝部においてコインジャムが発生しやすくなるからである。
【0041】
次に本発明に係る上側傾斜板108上においてコインジャムが発生しないメカニズムが図5を参照して説明される。
まず、コインCが立った状態で整列しようとする場合、弧状樋136Aにおいては、弧面に対し側壁側の周面が1点P1〜Pnおいて、点接触状態で接触するので、立ったコインSCは自重によって弧状樋136Aの中央側に向かって倒れようとする力PRが作用し、立った状態で安定することが無く、他のコインCとのバランスが崩れた場合、寝た状態へ倒れやすくなる。
【0042】
また、寝たコインLC1は自重によって弧状樋136Aの中央に移動しようとするから、弧状樋136A上に二枚並列して隣接位置する機会は大幅に減少する。
弧状樋136A上に寝たコインLCが隣接して積み上がろうとした場合、それらコインCは弧状の弧状樋136Aに対し直角な第1垂線PL1又は第2垂線PL2に沿って積み上がろうとする。それら第1垂線PL1と第2垂線PL2とは正面視交差する関係に有る。換言すれば、上方程、干渉量が大きくなる。したがって、隣接するコインCどうしが干渉しあうので、整列した状態で積み上がることは極めて困難である。
【0043】
さらに、図5に示すように、仮に立ったコインSCが棒状に整列して立ったコイン群SCGを構成し、第1の寝たコインLC1が整列して積み上がって第1の寝たコイン群LC1Gを構成した場合であっても、第2の寝たコインLC2の積み上がった第2の寝たコイン群LC2Gを構成した場合であっても、第2の寝たコイン群LC2Gが立ったコイン群SCGと第1の寝たコイン群LC1Gとの間に進入しようとした場合、第1の寝たコイン群LC1Gの積み上がり部と第2の寝たコイン群LC2Gの積み上がり部とが干渉範囲ITにおいて干渉し、第1の寝たコイン群LC1Gの積み上がり部又は第2の寝たコイン群LC2Gの積み上がり部を崩しつつ進入するので、コインCが補助左側壁58と補助右側壁62との間に詰まってジャムすることはない。
【0044】
なお、上側傾斜板108は、図3に示すように、更に上方に互い違いに第2上側傾斜板142、第3上側傾斜板144を配置することができる。
第2上側傾斜板142及び第3上側傾斜板144も前述した上側傾斜板108と同様の構成及び作用を有する。
【実施例2】
【0045】
実施例2として、図6に示すように、上側傾斜板108は、平面Pにおける断面形状が多角形状の多角形樋136Bに形成することができる。本実施例2の場合も実施例1と同様に作用し、コインCの積み上がりが抑制される。
【実施例3】
【0046】
また、実施例3として、図7に示すように、上側傾斜板108は、平面Pにおける断面形状がV字状のV字形樋136Cに構成することができる。本実施例3の場合も実施例1と同様に作用し、コインCの積み上がりが抑制される。
【実施例4】
【0047】
次に実施例4が図8を参照して説明される。
図8に示すように、実施例1における弧状樋136Aを倒立させて上向きに凸とした凸形の倒立弧状樋146Dに構成することができる。
【0048】
実施例4は、樋122の凸方向を実施例1〜3に対し、逆方向の上方に向かって凸状に形成した凸状板146と補助左側壁58及び補助右側壁62によって形成されている例である。
実施例4において、凸状板146は図5におけると同様に滑らかな弧状であって、かつ、上向きに形成されている。
実施例4の場合、立ったコインSCは立ったコイン群SCGを形成し、右側壁62に寄りかかって安定し易い。
また、第1の寝たコインLC1も第1の寝たコイン群LC1Gを発生し易い。
しかし、第2の寝たコイン群LC2Gがそれらの間に進入する際、第1の寝たコイン群LC1Gが斜めになっていることから、見かけ上直径が増加し、第2の寝たコイン群LC2Gの周面との間に第2干渉範囲IT2が生じる。この第2干渉範囲IT2における干渉によって、第1の寝たコイン群LC1Gを押し出す。さらに、無理にそれらの間に進行した場合、第1の寝たコイン群LC1Gは斜めになっていることから、第2の寝たコイン群LC2Gによって上方へ押し上げられ、斜めの角度がより大きくなる。換言すれば、第1の寝たコイン群LC1Gが逃げ運動をすることから、第2の寝たコイン群LC2Gが第1の寝たコイン群LC1Gと立ったコイン群SCGとの間を通過でき、第1の寝たコイン群LC1Gと立ったコイン群SCGとの間に挟まってジャムすることがない。
【実施例5】
【0049】
次に、本発明の好ましい例である図9及び図10に示す実施例5を説明する。
実施例5は、平板状の下側傾斜板106が、補助ホッパーヘッド48の上下方向に移動可能された例である。下側傾斜板106が上下方向に移動可能にされることで、回転ディスク16の回転によって攪拌されたコインCが下側傾斜板106を突き上げた際、下側傾斜板106は逃げ運動をすることができ、回転ディスク16に無用な負荷を与えないので、消費電力の低減、装置の耐久性向上、更には、万が一発生した下側傾斜板106上のコインジャムの解消をすることができる利点がある。
【0050】
第2下側傾斜板148は、矩形平板状であり、その一端は補助前側壁56の下端部に水平線に沿って形成したスリット152に挿入されている。スリット152は、第2下側傾斜板148の端部の上下方向及び左右方向の移動は実質的に許容しないが、第2下側傾斜板148の先端148Tは上下方向に約10ミリの移動を許容する大きさに形成されている。
第2下側傾斜板148の先端148Tの近傍の左右側端からそれぞれ左ネジ耳片(図示せず)及び右ネジ耳片156が下向きに折り曲げて形成してある。
左ネジ耳片及び右ネジ片156の側方の補助左側壁58には、スリット152を中心とする弧状の左長孔(図示せず)が形成され、補助右側壁62には同様に弧状の右長孔158が形成されている。
【0051】
左長孔を貫通するストッパとしてのスクリュウ(図示せず)が左ネジ耳片にねじ込まれ、左長孔の下端部に係合することにより停止される。右長孔158を貫通するスクリュウ162を右ネジ耳片156にねじ込み、同様に右長孔158の下端部に係止させることにより、通常時における待機位置を定めている。
この構造により、常態において、第2下側傾斜板148はストッパとしてのスクリュウ162が左長孔(図示せず)及び右長孔158の下端部に係止されて静止状態に保たれ、待機位置に位置される。
回転ディスク16の回転によるコインCの攪拌によって第2下側傾斜板148が突き上げられた場合、スクリュウ162が左長孔及び右長孔158の上端に係止されるまで、回動し、第2下側傾斜板148は逃げ運動が可能である。突き上げが終了した場合、第2下側傾斜板148の自重により、又はその上に載っているコインCの荷重も加わって下方へ回動され、スクリュウ162が左長孔及び右長孔158の下端部に係止されて静止される。
これにより、回転ディスク16に対する負荷は大幅に減少する。
【符号の説明】
【0052】
C コイン
P 平面
SDL 傾斜方向線
16 回転ディスク
26 通孔
28 底孔
32 矩形部
52 ホッパーヘッド
64 傾斜板
106 下側傾斜板
108 上側傾斜板
122 樋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15