特許第5789815号(P5789815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789815
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】交換管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   A63F7/02 329
   A63F7/02 353
   A63F7/02 332B
   A63F7/02 334
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-271936(P2012-271936)
(22)【出願日】2012年12月13日
(62)【分割の表示】特願2008-31030(P2008-31030)の分割
【原出願日】2008年2月12日
(65)【公開番号】特開2013-48969(P2013-48969A)
(43)【公開日】2013年3月14日
【審査請求日】2013年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100152803
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】野口 哲
(72)【発明者】
【氏名】園田 邦義
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−226232(JP,A)
【文献】 特開2002−052224(JP,A)
【文献】 特開2002−191848(JP,A)
【文献】 実開平07−027667(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、
前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、
前記管理装置が、前記遊技台の遊技データに基づき、所定の異常データを生成して記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する異常データを検索して前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する異常データが前記管理装置から送信されると、当該異常データを所定の表示手段に表示する
ことを特徴とする交換管理システム。
【請求項2】
遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、
前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、
前記管理装置が、前記遊技台の遊技データに基づき、所定の遊技履歴データを生成して記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する遊技履歴データを検索して前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する遊技履歴データが前記管理装置から送信されると、当該遊技履歴データを所定の表示手段に表示する
ことを特徴とする交換管理システム。
【請求項3】
遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、
前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、
前記管理装置が、前記遊技台を特定する遊技台番号データを記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する遊技台番号データを検索して前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する遊技台番号データが前記管理装置から送信されると、当該遊技台番号データを所定の表示手段に表示する
ことを特徴とする交換管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されている景品に交換する交換管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコホール,パチスロホール等の遊技場には、遊技球やメダルを計数するとともに、計数された計数値をレシートや磁気カード等の記録媒体に記録して発行する計数装置と、遊技台からの遊技データを収集・管理するホールコンピュータと、記録媒体に記録された計数値を読み込み、当該計数値に対応する景品を選定するPOS端末装置と、を備える交換管理システムが設置されている。
【0003】
POS端末装置は、多種多彩な景品が陳列されている景品交換カウンタ内に設置され、遊技を終了した遊技客が、所望する景品と交換することができるようになっている。
例えば、記録媒体に記録された計数値が読み込まれると、この計数値に対応する景品が選定され、現金と交換可能な特殊景品等が自動的に排出されるようになっている。
このようにPOS端末装置は、遊技の終了を最後に確認可能な役割に位置付けられている。
【0004】
このようなPOS端末装置の役割を利用して、遊技客に、遊技台番号を計数装置に入力させるとともに、当該計数装置が、計数された計数値とともに遊技台番号及び発行日時が記録された記録媒体を発行し、この遊技台番号及び発行日時に基づき、当該遊技台番号に対応する遊技台の過去の出玉数の来歴と、計数値を比較することで、計数値の妥当性を判定する交換管理システムの発明が開示されている(特許文献1)。特に、この交換管理システムでは、POS端末装置において、比較結果が表示されるようになっている。これにより、計数値を書替え、増大させる不正行為を発見することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−46725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、以下のような問題を解決できなかった。
近年の遊技場においては、遊技客が獲得した遊技媒体を玉箱等に収容して、運搬することが無いように、獲得した遊技媒体数や貸し出し可能な遊技媒体数が記憶されたICカードやICコインなどのIC記録媒体を利用した交換管理システムが設置されている。
このようなIC記録媒体を利用した交換管理システムには、計数装置が遊技台毎に設けられ、獲得された遊技媒体が計数されるとともに、遊技を終了する場合には、所定のボタン操作によって、獲得された遊技媒体数が記録されたIC記録媒体が発行される。
これにより、遊技客は、発行されたIC記録媒体を持って、遊技を行う遊技台を変更したり、景品交換カウンタに提出して、所望する景品と交換したりできる。
【0007】
一方、特許文献1に記載された発明は、遊技台と離れて設置された計数装置を想定しているため、遊技客が遊技を行い、遊技媒体を獲得した遊技台番号を、遊技客自らが、計数装置に入力するようになっている。そして、この入力に基づき、該当する遊技台の出玉数の来歴と計数値を比較し、妥当性を判定する構成となっているため、仮に、遊技客が不正行為者である場合には、計数値と遊技台番号を改ざんし、例えば、計数値を増大させるとともに、遊技台番号を大当りが多く発生している遊技台番号に書き替えられる虞があった。
このように、遊技を行った遊技台番号の入力を遊技客自身に依存することは、不正される余地を残すことになり、不正行為を完全に排除できるものではなかった。
【0008】
また、遊技場におけるすべての遊技台からの遊技データを収集・管理するホールコンピュータ(管理装置)は、単に出玉の来歴を記憶するのみならず、遊技データから種々の遊技異常を判定することもできる。
例えば、遊技台から払出された遊技媒体数を遊技台に投入された遊技媒体数で除したベース値からベース異常や、一遊技毎に入力されるスタート信号からスタート異常、大当り時の大当り出玉から大当り出玉異常を判定することもできる。
そして、このような遊技異常は、不正行為によって発生する場合もあるが、遊技台に起因するトラブルによっても、発生する場合もある。
【0009】
パチンコ機において遊技台に起因するトラブルでは、例えば、遊技球を遊技盤に発射するハンドルが装備された発射装置の動作不良や、遊技台に遊技球を補給する補給装置の動作不良があり、このような動作不良が発生したときには、遊技球が発射できず、大当り時の出玉が極端に少なくなる大当り出玉異常が発生することがある。
また、大当り時には、遊技球が入賞する大入賞口が開放することで、大量の出玉を獲得できるが、この大入賞口に係る特別電動役物が動作不良の場合には、大当り時の出玉が極端に少なくなり、同様に大当り出玉異常が発生する。
【0010】
また、パチンコ機において、大当りの確率がアップする確率変動中は、電動チューリップ(役物)の開放頻度もアップさせて、手持ちの遊技球が減らないようにするが、この電動チューリップ役物が動作不良の場合、上記のベース値や単位時間に入力されるスタート信号の入力回数(スタート回数)が極端に小さくなり、ベース異常やスタート異常が発生することもある。
また、役物の動作不良だけでなく、遊技球が遊技釘に絡まり、遊技盤の一部が遊技球で覆われる「玉詰まり」もしばしば発生するが、このときにも、ベース値やスタート回数の高低に拘わらずベース異常やスタート異常が発生することもある。
【0011】
ホールコンピュータでは、このような遊技台のトラブルを、遊技異常として捉えることができる。
ところが、ホールコンピュータでは、トラブルの原因が、ハンドル不良なのか、それとも役物不良なのか、はたまた玉詰まりなのか、遊技異常の原因までは特定することはできなかった。
そのために、実際遊技を行った遊技客から、強い主張や進言がない限り、最終的な確認がなされないまま、トラブルが放置されてしまうこともあった。そのため、トラブルが発生した遊技台で遊技を行う遊技客が入れ替わるたびに、同一のトラブルが発生し、遊技客の心象を損ねることになり、遊技場の信用を低下させる要因にもなっていた。
そして、このようなトラブルは、遊技客にとっては不利益となり、損失となるが、このような損失に対して、なんら補填がなされていなかった。
【0012】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり景品交換時に、遊技台で発生した遊技情報等を表示することができる交換管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の交換管理システムは、遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、前記管理装置が、前記遊技台の遊技データに基づき、所定の異常データを生成して記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する異常データを検索して前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する異常データが前記管理装置から送信されると、当該異常データを所定の表示手段に表示する構成としてある。
【0031】
また、本発明の交換管理システムは、遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、前記管理装置が、前記遊技台の遊技データに基づき、所定の遊技履歴データを生成して記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する遊技履歴データを検索して前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する遊技履歴データが前記管理装置から送信されると、当該遊技履歴データを所定の表示手段に表示する構成とすることができる。
【0036】
また、本発明の交換管理システムは、遊技媒体数を示す数値を所定の記録媒体に記録して発行する発行装置と、遊技台の遊技データを収集・管理する管理装置と、前記記録媒体に記録された前記遊技媒体数を示す数値を読み込んで所定の景品処理を行う端末装置と、を備える交換管理システムであって、前記発行装置が、所定の特定情報を備えた前記記録媒体を発行し、前記管理装置が、前記遊技台を特定する遊技台番号データを記憶し、前記端末装置から送信される前記特定情報に基づいて、当該記録媒体に対応する遊技台番号データを検索して前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記景品処理を行う際に、前記記録媒体が備える特定情報を読み込んで前記管理装置に送信し、当該特定情報に対応する遊技台番号データが前記管理装置から送信されると、当該遊技台番号データを所定の表示手段に表示する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0065】
本発明の交換管理システムによれば、景品交換時に、遊技台で発生した遊技情報等を確認でき
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの全体構成を模式的に示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの判定される遊技異常と判定基準値との関係を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの一の遊技台で発生した遊技異常と記録媒体(ICコイン)の発行とのタイミングを示すタイムチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの一の遊技台における発行信号入力時間単位で区分された異常データを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの表示手段に記録媒体毎に表示された遊技台毎に発生した異常データを示し、図(a)は、一の識別情報を有する記録媒体(コインA)に関する遊技台毎に発生した異常データであり、図(b)は、他の識別情報を有する記録媒体(コインB)に関する遊技台毎に発生した異常データである。
図6】本発明の一実施形態に係る交換管理システムの表示手段に遊技異常の原因を入力する入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明に係る交換管理システムの好ましい実施形態について、図1図6を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る交換管理システムの全体構成を模式的に示す説明図であり、図2は、本発明の交換管理システムの判定される遊技異常と判定基準値との関係を示す図である。
また、図3は、本発明の交換管理システムの一の遊技台で発生した遊技異常と記録媒体(ICコイン)の発行とのタイミングを示すタイムチャートであり、図4は、本発明の交換管理システムの一の遊技台における発行信号入力時間単位で区分された異常データを示す図である。
また、図5は、本発明の交換管理システムの表示手段に記録媒体毎に表示された遊技台毎に発生した異常データを示し、図(a)は、一の識別情報を有する記録媒体(コインA)に関する遊技台毎に発生した異常データであり、図(b)は、他の識別情報を有する記録媒体(コインB)に関する遊技台毎に発生した異常データである。
また、図6は、本発明の交換管理システムの表示手段に遊技異常の原因を入力する入力画面を示す図である。
【0068】
これらの図に示すように、本実施形態に係る交換管理システムは、パチンコ機等が多数設置されている遊技場に備えられる交換管理システムである。
本実施形態に係る交換管理システム1は、図1に示す例では、計数値が記録されるICコイン60と、遊技台100毎に設置され、遊技球を計数するとともに、計数された計数値をICコイン60に記録して発行する計数装置10と、遊技台100毎に設置され、遊技台100からの遊技データ及び計数装置10からの発行信号等が入力される台コンピュータ20と、台コンピュータ20に入力された遊技データ及び発行信号等を中継して、管理装置50に出力する島コンピュータ30と、島コンピュータ30から入力された遊技データ及び発行信号等を、収集・管理する管理装置50と、景品交換カウンタ内に設けられ、遊技客から提出されたICコイン60に記録された計数値を読み取り、計数値に対応した景品を選定して、提示するPOS端末装置40と、から構成されている。
【0069】
台コンピュータ20、島コンピュータ30、管理装置50及びPOS端末装置40は、各々CPUやROM,RAMなどの記憶手段及び入出力ポート、及び外部通信用インターフェイスなどが搭載されたコンピュータで構成されるとともに、各装置は、LANケーブル等で双方向通信可能に接続され、上記の遊技データ及び発行信号等や、後述する異常データ等の情報を共有することができるようになっている。
【0070】
そして、管理装置50が、遊技台100毎に発生する遊技異常を、ICコイン60が発行される遊技台100及び発行時間に対応付けて記憶・管理し、POS端末装置40において、ICコイン60に記憶された遊技台100の番号及び発行時間や、ICコイン毎に有する固有の識別情報を読取ることで、遊技台100及び発行時間に対応した異常データをPOS端末装置40の表示モニタ42の画面において確認することができるようになっている。
【0071】
本実施形態では、遊技台100として、遊技球を遊技媒体とする公知のパチンコ機が対象となっている。
遊技台100から出力される遊技データには、遊技台100が大当り状態のときに入力される「大当り信号」、大当り確率かアップした確率変動中に出力される「確率変動信号」、所定の可変図柄装置の変動・停止に伴い一遊技毎に出力される「スタート信号」、所定数(例えば、10個)の遊技球が遊技盤に投入される毎に出力される「アウト信号」や、所定数(例えば、10個)の遊技球が遊技台から払出される毎に出力される「セーフ信号」があり、後述する台コンピュータ20に入力されるようになっている。
【0072】
ICコイン60は、ICコイン毎に異なる固有の識別情報と、計数された計数値などの貸し出し可能な遊技球数と、計数された計数装置10に対応する遊技台100の番号と、発行された発行時間と、が書き込まれ、記録される記憶領域を有し、本発明の記録媒体として機能するようになっている。
【0073】
計数装置10は、遊技台100毎に設けられ、本発明に係る発行手段として機能するようになっている。
計数装置10には、遊技台100から払出された遊技球を、取り出し可能に貯留した状態で保持したり、計数して、取り出し不能に取り込む玉投入口11が設けられている。
計数された遊技球は、一旦、計数値として内部メモリに記憶され、所定のボタン操作により、図示しないノズル等を介して遊技台100に投入することができるようになっている。
【0074】
また、ICコイン60が投入、返却されるコイン投入/返却口12が設けられている。
計数装置10は、ICコイン60が投入、返却されるたびに、投入信号又は発行信号を、ICコイン60の固有の識別情報とともに台コンピュータ20に出力し、特に、ICコイン60の返却(発行)に際して、内部メモリに記憶された計数値がある場合には、当該計数値をICコイン60の記憶領域に書込むとともに、当該計数装置10に対応する遊技台100の番号及び発行時間も書込み、記録して、発行するようになっている。
【0075】
台コンピュータ20は、図1に示すように、本実施形態では、遊技台100毎に設けられ、各遊技台100及び計数装置10と接続されることで、遊技台100からは、上記の「大当り信号」、「確率変動信号」、「スタート信号」、「アウト信号」、「セーフ信号」などの遊技データが入力されるとともに、計数装置10からは、ICコイン60の「固有の識別情報」、「投入信号」、「発行信号」が、入力される。
入力されたこれらの信号は、入力された時間とともに、順次記憶され、島コンピュータ30からの要求に基づき、そのまま送信することもできるし、所定の演算を行い、加工された信号として、送信することもできる。
【0076】
例えば、本実施形態では、処理を分散させ、島コンピュータ30及び管理装置50の処理負担を軽減させるために、単位時間毎に累積された「スタート信号」の入力回数を「スタート回数」として記憶している。
この場合、「大当り信号」及び「確率変動信号」の入力がない場合は、通常遊技中の「スタート回数」として記憶し、「確率変動信号」が入力されている場合は、確率変動中の「スタート回数」として記憶している。
【0077】
また、単位時間毎に累積された「セーフ信号」の入力回数を累積された「アウト信号」の入力回数で除した値を算出するとともに、この値に所定数(例えば、10)を積算した値を「ベース値」として記憶している。
この場合も、「大当り信号」及び「確率変動信号」の入力がない場合は、通常遊技中の「ベース値」として記憶し、「確率変動信号」が入力されている場合は、確率変動中の「ベース値」として記憶している。
【0078】
また、「大当り信号」が入力されている場合は、この間に累積された、「セーフ信号」の入力回数から、「アウト信号」の入力回数を減算するとともに、この値に所定数(例えば、10)を積算した値を「大当り出玉数」として記憶している。
また、「大当り信号」の入力回数を累積し「大当り回数」として記憶している。
【0079】
そして、島コンピュータ30からの要求信号に基づき、通常遊技中又は確率変動中の「スタート回数」と、通常遊技中又は確率変動中の「ベース値」と、「大当り出玉数」と、「大当り回数」とを、島コンピュータ30に送信するようになっている。
なお、「固有の識別情報」、「投入信号」、「発行信号」が入力され、記憶されているときには、これらの信号とともに、上記の「スタート回数」と「ベース値」と「大当り出玉数」と「大当り回数」を送信する。
【0080】
島コンピュータ30は、複数の遊技台100が設置される図示しない遊技機島毎に設置され、台コンピュータ20から送信された演算加工された遊技データや「発行信号」等を、後述する管理装置50に中継して送信するように構成されている。
すなわち、島コンピュータ30は、台コンピュータ20から入力された上記の信号等を、送信元を示す遊技台100を特定する遊技台100の番号と入力された時間とともに記憶し、管理装置50の要求に応じて、管理装置50に送信するようになっている。
【0081】
管理装置50は、ワークステーション等のコンピュータからなり、キーボードやマウス等の入力装置、台コンピュータ20から島コンピュータ30を介して送信された前述の信号等を遊技機100毎に収集して、記憶・管理するコンピュータ本体、モニタやスピーカ、遊技場の各店員が所持するインカム等に出力可能な出力装置とで構成されている。
そして、本実施形態では、管理装置50は、本発明に係る異常判定手段、異常管理手段及び異常データ出力手段として機能するようになっている。
【0082】
[遊技異常判定]
遊技異常の判定(異常判定手段)は、前述の島コンピュータ30から送信された遊技台100毎の各遊技状態中の「スタート回数」及び「ベース値」、「大当り出玉数」、「大当り回数」を、各々予め設定された基準値と比較することで、判定するようになっている。
判定される遊技異常と予め設定された基準値との関係を図2に示す。
本実施形態で判定される遊技異常は、例えば、「ベース異常」、「スタート異常」、「大当り出玉異常」、「大当り連続異常」が設定されている。
【0083】
「ベース異常」は、島コンピュータ30から送信された「ベース値」を、予め設定された基準値と比較することで判定される。
図2では、通常遊技中の「ベース異常」を判定する例を示している。
この例によれば、島コンピュータ30から送信された通常遊技中の「ベース値」が、予め設定された上限基準値(50)を超える場合には、管理装置50が、「ベース値」が極端に高い遊技異常と判定し、「高ベース」異常データとして記憶する。そして、このように「ベース値」が、極端に高い場合は、大当り状態でもなく、通常遊技中に拘わらず、単位時間当りに大量の遊技球が払出される遊技客にとって有利な状態と判断できるため、不正行為による遊技異常として区分し、「不正」異常データとして記憶するようになっている。
【0084】
さらに、「高ベース」と判定された場合に想定される遊技異常の原因を、店員が遊技客に問い合わせて確認できるように、後述するPOS端末装置40に設けられた表示モニタ42に、「高ベース」及び「不正」異常データと同時に表示される、店員によって遊技客に確認すべき「確認表示内容」として、例えば、「玉詰まり」、「役物不良」等を予め入力して記憶することができるようになっている。
【0085】
反対に、「ベース値」が、予め設定された下限基準値(10)に満たない場合には、「ベース値」が、極端に低い遊技異常と判定し、「低ベース」異常データとして記憶する。そして、このように「ベース値」が、極端に低い場合は、単位時間当りに少量の遊技球しか払出されない遊技客にとって不利な状態と判断できるため、遊技客に不利益な遊技異常と区分し「サービス」異常データとして記憶するようになっている。
【0086】
さらに、「低ベース」と判定された場合に想定される遊技異常の原因を、店員が遊技客に問い合わせて確認できるように、POS端末装置40に設けられた表示モニタ42に、「低ベース」及び「サービス」異常データと同時に表示される、店員によって遊技客に確認すべき「確認表示内容」として、例えば、「ハンドル不良」、「玉詰まり」等を予め入力して記憶することができるようになっている。
【0087】
同様に、通常遊技中のスタート異常と、大当り出玉異常も、島コンピュータ30から送信された通常遊技中の「スタート回数」と、「大当り出玉数」を、各々上限基準値及び下限基準値と比較し、遊技異常と判定することで、対応する異常データとして記憶するとともに、これに応じて不正行為による遊技異常か、又は遊技客に不利な遊技異常かを区分し、「不正」又は「サービス」異常データとして記憶するようになっている。
そして、判定結果に対応した「確認表示内容」も、予め入力して記憶することができるようになっている。
【0088】
さらに、本実施形態では、遊技異常として「大当り連続異常」を判定することができる
ようになっている。
「大当り連続異常」は、大当りが短時間に集中する、いわゆる「連ちゃん」を監視するために設けられた遊技異常であって、送信された「スタート回数」が、所定回数増加する毎に、この間に発生した大当りの回数を、送信された「大当り回数」から算出し([今回判定時の「大当り回数」]−[前回判定時の「大当り回数」])、この算出した値を、予め設定された基準値と比較することで判定される。
【0089】
本実施形態では、「スタート回数」が、100回増加する間に、5回(基準値)以上の大当りが発生した場合には、管理装置50が、極端に大当りが集中する遊技異常と判定し、「連ちゃん」異常データとして記憶する。そして、このように大当りが極端に集中する場合は、遊技台100を制御する基板に不正ROMなどが装着されている可能性が高く、遊技客にとって有利な状態と判断できるため、不正行為による遊技異常として区分し、「不正」異常データとして記憶するようになっている。
この場合においても、判定結果に対応した「確認表示内容」も、予め入力して記憶することができるようになっている。
【0090】
このように、管理装置50では、遊技台100から出力される遊技データ等に基づき、予め設定された基準値と比較することで、不正行為による遊技異常か、又は、遊技客に不利益な遊技異常か、が判定され、不正行為による遊技異常と判定された場合には、「不正」異常データとし、又、遊技客に不利益な遊技異常と判定された場合には、「サービス」異常データとして、各々記憶・管理するようになっている。
【0091】
その結果、店員が、POS端末装置40に設けられた表示モニタ42において、表示された異常データに基づき、該当する遊技台100で発生した遊技異常の詳細内容を遊技客に問い合わせる場合、不正行為に基づく異常データなのか、ハンドルや役物などの動作不良に基づく異常データなのか、瞬時に判断することができる。
【0092】
なお、上記の各基準値、「大当り連続異常」を判定する「スタート回数」の間隔、「不正」又は「サービス」の区分け、「確認表示内容」等は、各々個別に設定可能であり、管理装置50に備える、キーボードやマウス等の入力装置を用いて、入力することで、所定の内部メモリ装置等に設定・記憶されるようになっている。
【0093】
[異常データ管理]
次に、管理装置50では、遊技台毎に、「発行信号」入力間に発生した遊技異常を、区分し、異常データとして記憶・管理している(異常管理手段)。
具体的には、一の遊技台(遊技台100)において発生した遊技異常と、当該遊技台に設けられた計数装置10から出力される発行信号とのタイミングを示す、図3のタイムチャートを例に説明する。
この例では、遊技台100は、「通常遊技1」を経て、「大当り1」が発生した後に、再び「通常遊技2」を経て、「大当り2」が発生した場合を示している。
【0094】
具体的には、一の遊技客が、「通常遊技1」において遊技を開始し、「大当り1」が発生した後に、遊技をやめ、更に、他の遊技客が「通常遊技2」において、遊技を開始し、「大当り2」が発生した後に、遊技をやめた場合を示している。
すなわち、一の遊技客が、ICコインAを投入し、「大当り1」を発生させるとともに、獲得された出玉が計数されたICコインAを返却させた後に、他の遊技客が、ICコインBを投入し、「大当り2」を発生させるとともに、獲得された出玉が計数されたICコインBを返却させた場合の例である。
この場合、計数装置10では、「発行0」、「発行1」、「発行2」のタイミング(時間)において、「発行信号」と発行されたICコインの固有の識別情報(ICコインA、ICコインB)を出力するとともに、「発行1」のタイミングでは、ICコインAに、発行時間である「発行1」と当該計数装置10に対応する遊技台の番号である「遊技台100番」と計数された計数値を、「発行2」のタイミングでは、ICコインBに、「発行2」と「遊技台100番」と計数された計数値を、各々書込み、記録する。
【0095】
一方、管理装置50では、「遊技台100番」の遊技異常を判定しており、上記の例では、「通常遊技1」において「高ベース」、「大当り1」において「出玉大」、「通常遊技2」において「低ベース」、「大当り2」において「出玉小」を各々判定し、異常データとして記憶している。
このとき、管理装置50は、異常データを、島コンピュータ30から送信される「発行信号」の発行時間単位に区分し、記憶・管理している。
具体的には、図4に示すように、遊技異常として判定された異常データを「発行信号」の入力時間毎に区分して、記憶している。同時に、ICコインの固有の識別情報も「発行信号」に対応付けて記憶している。
【0096】
このように、管理装置50が、遊技台100毎に発生した遊技異常を、「発行信号」の発行時間単位で記憶・管理するとともに、ICコイン60には、遊技台100の番号と、発行時間が記録されているため、遊技台の番号と発行時間が、「鍵」となり、当該遊技台の番号における発行時間に対応する異常データを正確に特定できる。
また、本実施形態では、管理装置50が、ICコインの固有の識別情報も、「発行信号」の発行時間単位で記憶・管理しているため、このICコインの固有の識別情報が、「鍵」となり、当該遊技台の番号と発行時間が特定され、これに対応する異常データも正確に特定できる。
【0097】
[異常データ出力]
そして、管理装置50では、上記のように遊技台毎、発行時間毎に区部して記憶・管理された異常データを、後述するPOS端末装置40から送信される、本発明の特定情報である「遊技台の番号」及び「発行時間」(発行情報)、又は「ICコインの固有の識別情報」が受信されると、この特定情報に対応する異常データを検索して出力するようになっている(異常データ出力手段)。
【0098】
POS端末装置40は、ICコイン60に記録された計数値に対応する景品と交換しようとする遊技客が訪れる景品交換カウンタ内に設置され、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から構成されている。
POS端末装置40には、キーボードやマウス等の入力装置、ICコインに記録された特定情報(「遊技台の番号」及び「発行時間」、「ICコインの固有の識別情報」)及び計数値を読取る読取装置41、読取った結果や、管理装置50から送信された特定情報に対応する異常データ、遊技者に確認すべき遊技異常の原因である「確認表示内容」等が表示される表示モニタ42(表示手段)などが設けられている。
そして、POS端末装置40は、本発明に係る特定情報出力手段、表示手段、増加演算手段及び原因情報出力手段として機能するようになっている。
【0099】
[特定情報出力]
ICコイン60が、遊技客によって提出されると、店員が、読取装置41を操作し、ICコイン60に記録された特定情報(「遊技台の番号」及び「発行時間」、「ICコインの固有の識別情報」)及び計数値を読取る。
読取られた特定情報は、前述の管理装置50に送信され(特定情報出力手段)、管理装置50が、送信された特定情報に基づき、「遊技台の番号」及び「発行時間」、又は「ICコインの固有の識別情報」に対応した異常データを検索し、該当する異常データを返送するようになっている(異常データ出力手段)。
このように、特定情報が「鍵」となり、正確に、「遊技台の番号」及び「発行時間」、又は「ICコインの固有の識別情報」に対応した異常データを特定することができる。
【0100】
[異常データ表示]
管理装置50から送信された異常データは、表示手段として機能する表示モニタ42の画面に表示される。
図5は、ICコイン別の表示モニタ42の表示例を示す図であり、図(a)は、コインAに関する表示例であり、図(b)は、コインBに関する表示例である。
本実施形態では、各ICコインには、複数の「遊技台の番号」及び「発行時間」が、記録できるようになっており、これにより、各「遊技台の番号」及び「発行時間」に対応した異常データが特定され、「遊技台履歴」が表形式で、表示されるようになっている。
そして、図5(a)及び(b)における「遊技台100番」に注目すると、図4で既に示した、管理装置50において、発行時間毎に記憶・管理された「異常データ」及び「区分」と同じ種別の「異常データ」及び「区分」が表示されている。
【0101】
さらに、表示モニタ42の下部には、管理装置50において、「異常データ」及び「区分」に対応して予め設定した「確認表示内容」が表示されている(図2参照)。
これにより、店員が、表示モニタ42に表示された「異常データ」に基づき、該当する「遊技台100番」で発生した遊技異常の詳細内容を、ICコインA及びICコインBを提出した遊技客に対して、各々問い合わせ、確認することができる。
【0102】
さらに、「異常データ」が表示された場合には、「不正」又は「サービス」の「区分」も同時に表示されるため、「区分」に応じて、適切な接客ができる。
すなわち、「区分」が「不正」の場合は、当該遊技客が、不正行為者である可能性が高いため、このような遊技客には、厳しく口調で接したり、遊技異常の原因を執拗に追求したりなど、不正行為を監視していることを積極的に知らしめ、不正行為者に圧力を掛けることもできる。これにより、不正行為を抑止することもできる。
また、「区分」が「サービス」の場合は、当該遊技客は、遊技台の動作不良等に損失を蒙った可能性が高いため、このような遊技客には、いわゆる「おまけ」的なサービスを行うこともできる。
【0103】
[増加演算]
そこで、本実施形態のPOS端末装置40では、「区分」が「サービス」の場合に、遊技客の損失を補填すべく、図5(b)に示すように、コインBを提出した遊技客に対して、読込まれた計数値(2889玉)の「百の位」を切上げる演算を行い、演算された結果を、実際に景品と交換可能な景品数(3000玉)として、取り扱うようになっている(増加演算手段)。
この例では、判定された遊技異常が「出玉小」、すなわち「大当り出玉」が、下限基準値に満たない場合であり、遊技客が蒙る損失も大きいため、補填する景品数も多くなるように設定されている。
これにより、遊技客の心象が良くなり、サービスの充実が図られる。
【0104】
なお、本実施形態では、読込まれた計数値における所定の位を切上げる演算により、遊技客の損失を補填したが、「出玉小」と判定された遊技台における過去の大当り出玉数を累積するとともに、当該累積値を、累積した大当たり数で除した値である大当り出玉平均値から「出玉小」と判定された「大当り出玉数」を減算した不足分を、計数値に加算し、加算された計数値を、実際に景品と交換可能な景品数とすることもできる。
【0105】
[原因情報出力]
また、POS端末装置40では、遊技客に問い合わせ、確認した結果、特定された異常遊技の原因を、店員が、表示モニタ42を目視しつつ、入力するとともに、入力された異常遊技の原因を、「原因情報」として、管理装置50に送信するようになっている(原因情報出力手段)。
【0106】
具体的には、表示モニタ42に表示された、図6に示すような、表示画面上で、キーボードやマウス等の入力装置を用いて、異常遊技の原因を特定して入力するとともに、「登録」操作することで、「原因情報」が管理装置50に送信される。
図6の例は、異常遊技の原因として、「ハンドル不良」が入力され、「ハンドル不良」が「原因情報」として、管理装置50に送信された場合である。
そして、管理装置50に備える前述したスピーカやインカム等の出力装置によって、該当する遊技台の番号(遊技台100番)の「原因情報」である「ハンドル不良」が、他の店員に、報知されるようになっている。
これにより、他の店員が、該当する遊技台(遊技台100番)の「ハンドル不良」を迅速に修理することができる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の交換管理システム1によれば、遊技異常が判定された遊技台100で遊技を行った遊技客を、景品交換する際に、特定することができるとともに、店員が、表示モニタ42において、異常データを視認しつつ、実際に起こった遊技異常の原因を遊技客に問い合わせることができる。
【0108】
具体的には、計数値が記録されたICコイン60を発行する計数装置10が、遊技台100毎に設けられるため、遊技が行われた遊技台100を確実に特定することができる。
さらに、計数装置10は、ICコイン60の発行に際して、発行信号を出力するため、ICコイン60が発行された時間を正確に特定することができる。
【0109】
一方、管理装置50が、遊技台100から入力される遊技データに基づき、遊技異常を判定するとともに、発行信号が入力されるたびに、遊技台100毎の発行信号入力間に判定された遊技異常を入力時間単位に区分し、「異常データ」として記憶・管理するため、遊技台100毎の発行信号の入力時間に対応した「異常データ」を正確に特定することができる。
【0110】
さらに、ICコイン60には、ICコイン60が発行された計数装置10に対応する遊技台100及び発行された時間が特定可能な特定情報(「遊技台の番号」及び「発行時間」、又は「ICコインの固有の識別情報」)が記録されている。そして、POS端末装置40が、ICコイン60に記録された特定情報を読み込み、出力することで、管理装置50が、当該特定情報に基づき、該当する遊技台100と当該遊技台100の発行信号の入力時間に対応する「異常データ」を検索して、POS端末装置40に出力する。
その結果、POS端末装置40に設けられた表示モニタ42に、当該ICコイン60が発行された計数装置10に対応する遊技台100及び発行された時間に対応した「異常データ」を表示することができる。
【0111】
そして、POS端末装置40は、遊技場における景品交換カウンタに設けられている。
すなわち、景品交換カウンタは、遊技を終了した後に、所定の景品と交換しようとする遊技客が、最後に訪れる場所であるため、店員が、表示モニタ42に表示された異常データに基づき、当該遊技台100で発生した遊技異常の詳細内容を問い合わせ、確認することができる。
これにより、確認した遊技異常から、他の店員に指示して、該当する遊技台の不具合を迅速に修理させることもできる。
【0112】
また、不正行為に起因する蓋然性が高い「不正」異常データが表示された場合には、遊技異常の詳細内容を問い合わせることで、遊技客に対して、不正行為を監視していることを積極的に知らしめることができ、不正行為を抑止することもできる。
さらに、遊技台の動作不良等に起因する蓋然性が高い「サービス」異常データが表示された場合には、問い合わせた遊技異常と整合を図ることで、遊技客に対して、例えば、計数された計数値の一の位や、十の位や、百の位や、千の位などを、発生した遊技異常の重みに応じて、切上げた景品数としたり、余分な景品を提供したりする、いわゆる「おまけ」的なサービスを行うこともできる。これにより、遊技客の心象が良くなり、サービスの充実が図られる。
【0113】
このように、遊技球を計数するとともに、計数値が記録されたICコイン60を発行する計数装置10が、遊技台100毎に設けられることで、ICコイン60が発行された計数装置10に対応する遊技台100及び発行時間における遊技異常を正確に特定することができる。
すなわち、発行されたICコイン60には、遊技台100の番号と発行時間が特定される特定情報が記録されているため、この特定情報が「鍵」となり、遊技異常が判定された遊技台100で遊技を行った遊技客を、景品交換する際に、正確に特定することができるとともに、店員が、表示モニタ42において、当該遊技台100で発生した「異常データ」を視認しつつ、実際に起こった遊技異常の原因を遊技客に問い合わせることができる。
【0114】
また、計数装置10が、ICコイン60の発行に際して、遊技台100の番号と発行時間を直接書込んで、記録するため、従来の発明のように、遊技客に遊技を行った遊技台の番号の入力を依存することないため、遊技客が偽りの遊技台の番号の入力する、いわゆる改ざん行為を排除することができ、ICコイン60に記録された遊技台100の番号と発行時間の信頼性を確保することができる。
【0115】
以上、本発明の交換管理システムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る交換管理システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0116】
例えば、本実施形態では、管理装置50を、本発明に係る異常判定手段、異常管理手段及び異常データ出力手段として機能させたが、台コンピュータ20や島コンピュータ30を異常判定手段、異常管理手段及び異常データ出力手段として機能させるようにすることもできる。
【0117】
また、台コンピュータ20、島コンピュータ30、管理装置50は、LANケーブル等の通信回線により双方向通信可能に接続されているため、異常判定手段、異常管理手段及び異常データ出力手段のそれぞれの機能を、台コンピュータ20、島コンピュータ30、管理装置50に分散させるとともに、LANケーブル等を介して、各情報の遣り取りを行うこともできる。
【0118】
また、本発明を適用する遊技機は、上述した実施形態で示した遊技球を遊技媒体とするパチンコ機に限定されるものではない。例えば、スロットマシン(パチロット,パロットを含む)など、いずれの遊技機も本発明の適用対象とすることができる。
【符号の説明】
【0120】
1 交換管理システム
10 計数装置
20 台コンピュータ
30 島コンピュータ
40 POS端末装置
50 管理装置
60 ICコイン
100 遊技機(パチンコ機)
図1
図2
図3
図4
図5
図6