特許第5789969号(P5789969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5789969
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】詰替え容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20150917BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20150917BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   B65D33/38
   B65D30/16 C
   B65D33/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-271344(P2010-271344)
(22)【出願日】2010年12月6日
(65)【公開番号】特開2012-121583(P2012-121583A)
(43)【公開日】2012年6月28日
【審査請求日】2013年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】仁科 正行
(72)【発明者】
【氏名】栄 賢治
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−133003(JP,A)
【文献】 特開2010−228770(JP,A)
【文献】 特開2008−018991(JP,A)
【文献】 特開平11−059704(JP,A)
【文献】 特開2010−001042(JP,A)
【文献】 特開2000−177756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00−33/38
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏1対のフィルムの上辺、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部を形成し、前記上辺と前記左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように上側及び下側をシールして注出用ノズルを形成してなる詰替え容器において、
前記注出用ノズルの表側フィルム及び裏側フィルムの相対する位置には、前記注出用ノズルの先端部から前記収納部方向に向かう経路に、前記注出用ノズルの下側シール部に隣接または重なるように形成され、かつ平行に形成された内側に窪んだ第一凹状部と、前記第一凹状部の上側に隣接して形成された外側に膨らんだ凸状部とを有し、
前記第一凹状部の凸状部側の傾斜面と、前記凸状部の第一凹状部側の傾斜面が連続して形成されていることを特徴とする詰替え容器。
【請求項2】
1枚のフィルムの上辺を2つ折りして、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部を形成し、前記上辺と前記左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように下側のみシールして注出用ノズルを形成してなる詰替え容器において、
前記注出用ノズルの表側フィルム及び裏側フィルムの相対する位置には、前記注出用ノズルの先端部から前記収納部方向に向かう経路に、前記注出用ノズルの下側シール部に隣接または重なるように形成され、かつ平行に形成された内側に窪んだ第一凹状部と、前記第一凹状部の上側に隣接して形成された外側に膨らんだ凸状部とを有し、
前記第一凹状部の凸状部側の傾斜面と、前記凸状部の第一凹状部側の傾斜面が連続して形成されていることを特徴とする詰替え容器。
【請求項3】
前記凸状部の上側に隣接して形成された内側に窪んだ第二凹状部を有し、
前記第二凹状部の凸状部側の傾斜面が、前記凸状部の第二凹状部側の傾斜面と連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の詰替え容器。
【請求項4】
前記凸状部に筋状の突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の詰替え容器。
【請求項5】
前記表側フィルム及び裏側フィルムに形成された前記筋状の突起が、対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の詰替え容器。
【請求項6】
前記表側フィルム及び裏側フィルムに形成された前記筋状の突起が、非対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の詰替え容器。
【請求項7】
前記凸状部周縁形状が、第一凹状部と隣接する箇所よりも収納部側で屈折していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の詰替え容器。
【請求項8】
前記注出用ノズルに、注出口を形成する切れ目線を設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の詰替え容器。
【請求項9】
1枚のフィルムを折り曲げて底テープとし、前記表側フィルム及び裏側フィルムの間に挿入して周辺部をシールしてなるスタンディングパウチ形状としたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の詰替え容器。
【請求項10】
前記2つ折りした上辺の一部を切り開き、内容物充填用開口部としたことを特徴とする請求項2に記載の詰替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗剤、柔軟剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品等を収納する詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤や柔軟仕上げ剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品は、それぞれ使いやすいような形状の専用容器に収納されている。専用容器は、構造もしっかりしており、従って高価であることから、内容物が無くなった段階で、繰り返し使用することができるように、内容物のみを詰替える詰替え容器入りの製品が別途販売されていることが多い。
【0003】
例えば液体洗剤の容器は、洗剤を使用する時にその都度適切な量を計量して取り出す必要があるため、軽量カップに注ぎやすいように、注出口にノズルを備えた剛性のあるプラスチック容器が、繰り返し使用する容器として用いられている。
【0004】
繰り返し使用する剛性の容器は、もっぱら注出し易いように設計されているため、繰り返し使用する容器に対して、詰替え容器から内容物を補充する詰替え操作の利便性を考慮したものでは必ずしもなかった。
【0005】
この繰り返し使用する剛性の容器に対して、内容物を補充するための詰替え用の容器としては、コストの面から軟包装フィルムからなる柔軟な容器を用いることが一般的であるが、軟包装フィルムからなる柔軟な容器は、注出口が閉塞しやすく、内容物を注出するのに時間がかかるといった問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、包装袋を構成するフィルムを折り曲げて、注出口の上辺を形成し、注出口のシール部を側辺だけとする包装袋が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1に記載の包装袋は、上辺の折り曲げたフィルムの戻ろうとする弾性の働きにより、注出口が円弧状に膨らみ偏平になり難い。つまり、形成した注出口の表裏のフィルムが密着して閉塞し難い構造になっている。
【0008】
また、注出口部付近のフィルムを膨らませて立体形状とすることで、開口面積を確保したりするものが提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
特許文献1、2に示されたような包装袋の場合、注出口が閉塞する問題はある程度解消されるが、注出に要する時間や注ぎ勝手においては、まだ十分とは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−18991号公報
【特許文献2】特開2004−168333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は、特定された単純なエンボスを注出用ノズル部分に形成することによって、注出口を容易かつ確実に形成でき、詰替え操作が容易かつ迅速で確
実にできる詰替え容器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、表裏1対のフィルムの上辺、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部を形成し、前記上辺と前記左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように上側及び下側をシールして注出用ノズルを形成してなる詰替え容器において、
前記注出用ノズルの表側フィルム及び裏側フィルムの相対する位置には、前記注出用ノズルの先端部から前記収納部方向に向かう経路に、前記注出用ノズルの下側シール部に隣接または重なるように形成され、かつ平行に形成された内側に窪んだ第一凹状部と、前記第一凹状部の上側に隣接して形成された外側に膨らんだ凸状部とを有し、
前記第一凹状部の凸状部側の傾斜面と、前記凸状部の第一凹状部側の傾斜面が連続して形成されていることを特徴とする詰替え容器である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、1枚のフィルムの上辺を2つ折りして、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部を形成し、前記上辺と前記左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように下側のみシールして注出用ノズルを形成してなる詰替え容器において、
前記注出用ノズルの表側フィルム及び裏側フィルムの相対する位置には、前記注出用ノズルの先端部から前記収納部方向に向かう経路に、前記注出用ノズルの下側シール部に隣接または重なるように形成され、かつ平行に形成された内側に窪んだ第一凹状部と、前記第一凹状部の上側に隣接して形成された外側に膨らんだ凸状部とを有し、
前記第一凹状部の凸状部側の傾斜面と、前記凸状部の第一凹状部側の傾斜面が連続して形成されていることを特徴とする詰替え容器である。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記凸状部の上側に隣接して形成された内側に窪んだ第二凹状部を有し、
前記第二凹状部の凸状部側の傾斜面が、前記凸状部の第二凹状部側の傾斜面と連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の詰替え容器である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記凸状部に筋状の突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の詰替え容器である。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、前記表側フィルム及び裏側フィルムに形成された前記筋状の突起が、対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の詰替え容器である。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、前記表側フィルム及び裏側フィルムに形成された前記筋状の突起が、非対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の詰替え容器である。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、前記凸状部周縁形状が、第一凹状部と隣接する箇所よりも収納部側で屈折していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の詰替え容器である。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、前記注出用ノズルに、注出口を形成する切れ目線を設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の詰替え容器である。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、1枚のフィルムを折り曲げて底テープとし、前記表側フィルム及び裏側フィルムの間に挿入して周辺部をシールしてなるスタンディングパウチ
形状としたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の詰替え容器である。
【0021】
また、請求項10に記載の発明は、前記2つ折りした上辺の一部を切り開き、内容物充填用開口部としたことを特徴とする請求項2に記載の詰替え容器である。
【発明の効果】
【0022】
本発明における実施態様では、特定された単純なエンボスを注出用ノズル部分に形成することによって、注出口を容易かつ確実に形成でき、詰替え操作が容易かつ迅速で確実に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明に係る詰替え容器の一実施態様を示した模式図である。
図2図2(1)は、図1の詰替え容器の周辺部をシールする前のX−X’断面を示した断面模式図である。また図2(2)は、図1の詰替え容器の周辺部をシールした後のX−X’断面を示した断面模式図である。
図3図3は、本発明に係る詰替え容器の一実施態様を示した模式図である。
図4図4(1)は、図3の詰替え容器の周辺部をシールする前のY−Y’断面を示した断面模式図である。また図4(2)は、図3の詰替え容器の周辺部をシールした後のY−Y’断面を示した断面模式図である。
図5図5は、本発明の一実施態様における詰替え容器の周辺部をシールする前の注出用ノズルの断面模式図である。
図6図6(1)は、本発明の一実施態様における詰替え容器の周辺部をシールする前の注出用ノズルの断面模式図である。図6(2)は、図6(1)における注出用ノズルの断面模式図の裏側フィルム11の拡大図である。
図7図7は、本発明に係る詰替え容器の一実施態様を示した模式図である。
図8図8(1)は、図7の詰替え容器の周辺部をシールする前のZ−Z’断面を示した断面模式図である。また図8(2)は、図7の詰替え容器の周辺部をシールした後のZ−Z’断面を示した断面模式図である。
図9図9は、図3に示した詰替え容器の注出用ノズル部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明に係る詰替え容器について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1及び図3は、本発明に係る詰替え容器の一実施態様を示した模式図である。また図2(1)は、図1の詰替え容器の周辺部をシールする前のX−X’断面を示した断面模式図であり、図2(2)は、図1の詰替え容器の周辺部をシールした後のX−X’断面を示した断面模式図である。また、図4(1)は、図3の詰替え容器の周辺部をシールする前のY−Y’断面を示した断面模式図であり、図4(2)は、図3の詰替え容器の周辺部をシールした後のY−Y’断面を示した断面模式図である。
【0026】
本発明に係る詰替え容器1は、図1に示したように、表裏1対のフィルムの上辺、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部2を形成し、上辺と左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように上側、下側をシールして注出用ノズル3を形成してなる。
【0027】
本発明における詰替え容器1では、図2(1)に示したように、注出用ノズル3の下側シール部4に平行して内側に窪んだ第一凹状部5を設けているため、図2(2)に示したように、相対する表側フィルム10と裏側フィルム11の第一凹状部5同士は周辺部をシールすることで互いに接触する。
【0028】
このとき、下側シール部4と第一凹状部5は互いに平行に設けられているため、第一凹状部の頂点5aより下側(側シール部4側)の部分は力点として、接触した第一凹状部の頂点5aは支点として、第一凹状部の頂点5aより上側(凸状部6側)の部分は作用点として機能することになる。図2(2)の矢印Aはシールする際に力点に加える力の方向を、矢印Bは作用点に加わる力の方向を示すものである。
【0029】
これにより、注出用ノズル3は第一凹状部の頂点5aより上側で外側へ屈曲するよう力が加わり、第一凹状部の頂点5aを基点として注出用ノズル3に膨らみを付与することができる。
【0030】
なお、図2における破線Cは第一凹状部5及び凸状部6を形成する前の表側フィルム10の内面位置を示し、破線Dは第一凹状部5及び凸状部6を形成する前の裏側フィルム11の内面位置を示すものである。また、破線Eは第一凹状部5の凸状部6と逆側の端部位置を示し、破線Fは第一凹状部5と凸状部6との境界位置を示し、破線Gは凸状部6の第一凹状部5との逆側の端部位置を示すものである。
【0031】
図2(2)において、第一凹状部5の凸状部6と逆側の傾斜面5cと下側シール部4とが重なっていないことで表しているように、図1及び図2に示す詰替え容器1では、下側シール部4が第一凹状部5に重ならないように形成されている。しかし、下側シール部4の際から注出用ノズル3に膨らみを付与するためには、膨らみの基点となる凹第一状部の頂点5a付近に下側シール部4を形成することが有効である。この場合、下側シール部4は傾斜面5cに重なっていることを意味する。
【0032】
また、第一凹状部5の上側には外側に膨らんだ凸状部6が隣接して形成されている。これにより、注出用ノズル3に立体形状としての膨らみを付与することができ、開封した際の注出用ノズル3の開口面積を確保することができる。
【0033】
さらに、第一凹状部5の凸状部側6の傾斜面5bと、凸状部6の第一凹状部5側の傾斜面6aは、連続して形成されている。
【0034】
上述したように、下側シール部4をシールすることで第一凹状部の頂点5aより上側で外側へ屈曲するよう力を加えることができる。凸状部6と第一凹状部5の傾斜面(5b、6a)を連続して形成することにより、この力を凸状部6の傾斜面6aに直接加えることができるため、第一凹状部の頂点5aを基点に膨らみを付与するとともに、凸状部6の膨らみをより大きいものとすることができる。
【0035】
連続して形成された傾斜面とは、傾斜面5bと傾斜面6aが一枚の面として形成されていることを意味している。つまり、それぞれの傾斜面が接続する部分において屈曲していない状態を意図するものである。
【0036】
次に、図3及び図4に示す実施態様における詰替え容器1は、1枚のフィルムの上辺を2つ折りして、左右の側辺および底辺を巡る周辺部をシールして内部に収納部2を形成し、上辺と左右側辺の一方の側辺との上隅部に斜め上方に向くように下側のみシールして注出用ノズル3を形成してなる。
【0037】
本実施態様における詰替え容器1では、上辺を2つ折りすることで形成される折り曲げ部7と、折り曲げ部7の下部に設けた下側シール部4と、一枚のフィルムからなる表側フィルム10及び裏側フィルム11により注出用ノズル3が形成されている。折り曲げ部7におけるフィルムの戻ろうとする弾性の働きにより、注出用ノズル3の開口断面は、常に上部の折り曲げ部7が膨らんだ状態となる。このため、注出口の断面積を広く確保することが可能となり、一度に大量の内容物を排出することが可能となる。
【0038】
なお、本実施態様では、一枚のフィルムから詰替え容器1が形成されているが、折り曲げ部7を境に表側のフィルムを表側フィルム10、裏側のフィルムを裏側フィルム11と呼ぶものとする。また、図4(1)における破線Hは第一凹状部5及び凸状部6を形成する前の表側フィルム10及び裏側フィルム11の内面位置を示すものである。破線E、F、Gに関しては、図2と共通であるため説明を省略する。
【0039】
本実施態様では、図4(1)に示したように、表側フィルム10の凸状部6と裏側フィルム11の凸状部6に挟まれた部分(折り曲げ部7を含む部分)が、破線Hで示される標準状態よりも外側に膨らむよう形成することが好ましい。
【0040】
折り曲げ部7を有する詰替え容器1では、折り曲げ部7がフィルムの弾性を利用して膨らみを付与している。
【0041】
凸状部6の折り曲げ部7側の傾斜面6bの深さが深すぎると、詰替え容器1の周辺部をシールした際に凸状部6の折り曲げ部7側の端部6c同士が互いに接近し、端部6cにおいて注出用ノズル3が閉塞してしまうことがある。したがって、凸状部6の折り曲げ部7側の傾斜面6bは、凹状部5側の傾斜面6a程深く設計しないことが好ましい。
【0042】
また、図4(2)に示したように、凹状部の頂点5aの下側の傾斜面5cに重なるよう下側シール部4を形成することで、凹状部の頂点5aを基点として下側シール部4の際から注出用ノズル3に膨らみを付与することができる。
【0043】
図5は、本発明の一実施態様における詰替え容器の周辺部をシールする前の注出用ノズルの断面模式図である。本実施態様における模式図は省略する。
【0044】
図5に示したように、凸状部6の上側部分に内側に窪んだ第二凹状部8を形成してもよい。
【0045】
図5における破線Iは凸状部6と第二凹状部8との境界位置を示し、破線Jは第二凹状部8の凸状部6と逆側の端部位置を示すものである。なお、破線C、D、E、Fに関しては、図2と共通であるため説明を省略する。
【0046】
このとき、第二凹状部8の凸状部側6の傾斜面8bと、凸状部6の第二凹状部8側の傾斜面6bは、連続して形成されている。
【0047】
上述したように、下側シール部4をシールすることで第一凹状部の頂点5aより上側で外側へ屈曲するよう力を加えることができる。これと同様に、注出用ノズル3の上側をシールすることで、第二凹状部の頂点8aより下側で外側へ屈曲するよう力を加えることができる。これにより、注出用ノズル3に膨らみを付与することができる。
【0048】
さらに、凸状部6と第二凹状部8の傾斜面(6b、8b)を連続して形成することにより、この力を凸状部6の傾斜面6bに直接加えることができるため、第二凹状部の頂点8aを基点に膨らみを付与するとともに、凸状部6の膨らみをより大きいものとすることができる。
【0049】
連続して形成された傾斜面とは、傾斜面6bと傾斜面8bとが一枚の面として形成されていることを意味している。つまり、それぞれの傾斜面が接続する部分において屈曲して
いない状態を意図するものである。
【0050】
図6(1)は、本発明の一実施態様における詰替え容器の周辺部をシールする前の注出用ノズルの断面模式図である。本実施態様における模式図は省略する。
【0051】
図6(1)に示したように、1枚のフィルムの上辺を2つ折りする場合においても、凸状部6の上側部分に内側に窪んだ第二凹状部8を形成することができる。第二凹状部8を形成することで、凹状部の頂点5aから凸状部6の折り曲げ部7側の端部における膨らみを強調する効果がある。
【0052】
ただし、この実施態様においては、表側フィルム10の第二凹状部8と裏側フィルム11の第二凹状部8に挟まれた部分(折り曲げ部7を含む部分)が、破線Hで示される標準状態よりも外側に膨らむよう形成することが好ましい。詰替え容器1の周辺部をシールした後に第二凹状部8の頂点8a同士が接近しすぎると、頂点8aにおいて注出用ノズル3が閉塞する恐れがあるためである。なお、この膨らみの高さを破線Kで示す。
【0053】
図6(2)は、図6(1)における注出用ノズルの断面模式図の裏側フィルム11の拡大図である。
【0054】
ここで、本実施態様の詰替え容器1では、図6(2)に示すように、第二凹状部8の深さMは、第一凹状部5の深さLよりも、深くないことが好ましい。
【0055】
図6(2)に示すように、1枚のフィルムの上辺を2つ折りする場合においては、前述の通り、第二凹状部8の頂点8aを接近させすぎると頂点8aにおいて注出用ノズル3が閉塞する恐れがある。したがって、第二凹状部8の深さMは、下側シール部の際から凸状部6の折り曲げ部7側の端部における膨らみを強調する程度に設けることが好ましい。
【0056】
図7及び図8に示したように、凸状部に筋状の突起9を形成してもよい。
【0057】
図7は、本発明に係る詰替え容器の一実施態様を示した模式図である。図8(1)は、図7の詰替え容器の周辺部をシールする前のZ−Z’断面を示した断面模式図であり、図2(2)は、図7の詰替え容器の周辺部をシールした後のZ−Z’断面を示した断面模式図である。
【0058】
本発明の筋状の突起9は、注出用ノズル3を補強するものであり、注出口が折れ曲がり、詰替え操作中に注出口が繰り返し使用する容器から外れてしまうことを防止するものである。したがって、本発明における筋状の突起9は、注出用ノズル3の先端部から収納部2方向に向かう経路に形成することが好ましい。
【0059】
また、ノズルの凸状部6は、軟らかいフィルムを成形して凸状にしていることから、梱包や搬送時などに、凸状部6が押し潰されることがある。突起を設けることで、凸状部6の凹みも防止することができる。
【0060】
筋状の突起9は表裏で対称となる位置に配置されていてもよいが、非対称の位置に形成されていてもよい。表裏の筋状の突起9が、対称となる位置に配置されている場合には、一方向に対する補強効果が見込めるが、表裏の筋状の突起が非対称である場合には、二方向に対する補強効果が見込める。ここで、非対称とは、表裏の筋状の突起が、交差、ハの字、並列するよう配置した状態を意味する。また、筋状の突起9は、1本でもよく、また2本以上でもよい。
【0061】
また、図7で示したように、本発明の詰替え容器1では、凸状部6周縁形状を第一凹状部5と隣接する箇所よりも収納部2側で屈折するよう設計することが好ましい。図7の実施態様では、屈曲部12においてV字状に凸状部6周縁形状が屈折している。これにより、注出用ノズルの補強効果を更に向上させることができる。これは筋状の突起と凸状部が平行である場合、一方向しか補強効果が見込めないが、筋状の突起と交差する方向に凸状部を屈折させることで、その他の方向に対する補強効果を付与することができるためである。ここでは、V字状の屈曲部を挙げているが、それがU字状やW字状であってもよく、これらの形状に限定されるものではない。
【0062】
また、本発明における第一凹状部5、凸状部、第二凹状部8の断面形状や周縁形状は、図に記載の形状に限られるものではなく、断面形状としては、例えば三角形状、円弧形状、四角形状、多角形状等を挙げることができ、周縁形状としては、例えば四角形状、多角形状、半円形状、楕円形状等を挙げることができる。
【0063】
図9は、図3に示した詰替え容器の注出用ノズル部分の拡大図である。
【0064】
本発明の詰替え容器1では、図9に示したように、注出用ノズル3に、注出口を形成する切れ目線13を設けることで、切れ目線13に沿って容易に開封することが可能となる。さらに、切れ目線13の一端には、V字型やU字型のノッチや切込み線14を設けたり、広巾の開封つまみ15を設けたりすることにより、開封のし易さが向上する。
【0065】
図9に示した実施態様においては、下側シール部に設けられた開封つまみ形成用の切込み線14によって開封つまみ15が切り出されている。開封つまみ形成用の切込み線14は、切れ目線13に達するように形成されている。このため開封つまみ15を手で持って上方に引き上げることにより、切れ目線13に沿って開封が行われる。
【0066】
なお、切れ目線13は、開封位置を示す仮想的な線であるが、開封位置を明らかにするために、実際に印刷表示等を行っても良い。また、切れ目線13は、表裏フィルムに連続して設けたハーフカット線であることが好ましい。このようにすることにより、切れ目線13の部分を手で引き裂いて注出口を容易に形成することが可能となる。ハーフカット線は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法の方が均一で安定した切れ目を形成できるので好ましい。レーザーの種類としては、炭酸ガスレーザーがより好ましい。
【0067】
また、本発明では、折り曲げた底テープ16を、表裏フィルムの間に挿入して周縁をシールしてなるスタンディングパウチ形状としてもよい。図1図3及び図7の実施態様では、いずれもスタンディングパウチ形状となっている。スタンディングパウチ形状の容器は、底テープ16が広がるため、大容量の容器とすることが容易に可能である。従って、本発明に係る詰替え容器における注出時間が短くて済むという特徴を十分に生かすことができる。
【0068】
図3図7及び図9に示したように、1枚のフィルムの上辺を2つ折りする場合には、2つ折りした上辺(折り曲げ部7)の一部を切り開き、内容物充填用開口部17とする。このように、容器の天部に充填用の開口部が存在すると、内容物の充填操作がやり易くなる利点がある。さらに、2つ折りした上辺の一部を切り開いて内容物充填用開口部17を形成する際には、内容物充填用開口部17の端部にポイントシール部18を設けることが有効である。ポイントシール部18を設けることで、充填の際、内容物充填用開口部17を開いても、内容物充填用開口部17の端部から2つ折りした上辺が破けたり、伸びたりすることがない。
【0069】
図3図7及び図9に示した詰替え容器を製造するには、容器の高さに相当する巾のほぼ2倍の巾にスリットしたフィルムをシーラント層面を内側にして上部で折り曲げて対向させ、表側フィルム及び裏側フィルムとし、これを連続的に供給し、この間にシーラント層面が外側になるように二つ折りにした底テープを連続的に供給し、必要なシールを行った後に、打ち抜いて容器とする。
【0070】
本発明に係る詰替え容器に使用するフィルムとしては、通常軟包装袋に使用されるフィルムを用いることができる。本発明におけるフィルムは、少なくとも基材とシーラント層とを積層してなるものである。
【0071】
基材としては、1層ないしは数層からなる紙や金属箔や合成樹脂フィルムを使用する。一例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルムおよび紙、金属箔等が単体または、複合して使用される。基材には、必要に応じて印刷層や接着剤層が含まれる。
【0072】
紙としては、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などを用いることができる。環境配慮の点からも、紙を用いることは有効である。
【0073】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用される。またこれらの樹脂を複合した多層フィルムが使用されることもある。
【0074】
フィルムの具体的な構成例としては、PET/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム(以下ONYと略す)/接着剤層/LLDPEからなる構成のフィルムや、ONY/接着剤層/LLDPE、ONY/接着剤層/ONY/接着剤層/LLDPE、紙/LDPE/アルミニウム箔/LDPE、紙/LDPEなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0075】
1・・・詰替え容器
2・・・収納部
3・・・注出用ノズル
4・・・下側シール部
5・・・第一凹状部
5a・・第一凹状部5の頂点
5b・・第一凹状部5の凸状部6側の傾斜面
5c・・第一凹状部5の凸状部6と逆側の傾斜面
6・・・凸状部
6a・・凸状部6の凹状部5側の傾斜面
6b・・凸状部6の凹状部8側の傾斜面
6c・・凸状部6の折り曲げ部7側の端部
7・・・折り曲げ部
8・・・第二凹状部
8a・・第二凹状部8の頂点
8b・・第二凹状部8の凸状部6側の傾斜面
9・・・筋状の突起
10・・・表側フィルム
11・・・裏側フィルム
12・・・屈曲部
13・・・切れ目線
14・・・切込み線
15・・・開封つまみ
16・・・底テープ
17・・・内容物充填用開口部
18・・・ポイントシール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9