【実施例】
【0059】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお諸特性は以下の方法により測定、評価した。
【0060】
1.結晶化度、可動非晶量、ガラス転移温度、融点、微小吸熱ピーク
TA Instruments社製Q100を用いて測定した。二軸延伸ポリエステルフィルム試料5mgを、窒素雰囲気下、0℃で5分間保持後10℃/min.の昇温速度で300℃まで測定した。このDSC曲線から極点(符号の決め方により極小点または極大点)の温度を融点とし、ピーク面積を融解熱量とした。また、熱処理に起因するサブ吸熱ピークを微小吸熱ピークとした。同様にガラス転移温度もDSC曲線から求めた。温度・熱量校正にはインジウムを用いた。
【0061】
また、温度変調DSC法を用いて0℃から150℃まで2℃/min.の昇温速度、温度変調振幅±1℃、温度変調周期60秒で測定した。ガラス転移温度での比熱差を求め、
結晶化度(%)=(融解熱量)/(ポリエステル完全結晶物の融解熱量理論値)×100
可動非晶量(%)=(比熱差)/(ポリエステル完全非晶物の比熱差理論値)×100
とした。
【0062】
温度・熱量校正にはインジウム、比熱校正にはサファイアを用いた。
【0063】
2.ヤング率、F100
引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT−100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、温度25℃、湿度65%RHの条件下で、引張速度300mm/分で引張試験を行った。ヤング率は、引張試験で記録した応力−歪み曲線の、立ち上がり部分の接線より求めた。
【0064】
また、温度150℃、湿度65%RH、引張速度300mm/分で引張試験を行い、100%伸張時の応力をF100とした。これにより成形性を以下のように判定した。
【0065】
75MPa未満:◎
75MPa以上85MPa未満:○
85MPa以上:×
◎は非常に良好であり、○は良好である。×は不適である。
【0066】
3.長周期、ピーク半値幅
X線発生装置として理学電気(株)社製 RU−200(回転対陰極型)を用いて測定した。X線源はCuKα線(Niフィルター使用)、出力50kV、200mA、スリット1.0−1.0−0.5−0.8mmφとした。撮影条件は、カメラ半径約360mm、露出時間3時間とし、イメージングプレートにはFUJIFILM BAS−SRを使用した。
【0067】
フィルムの長手方向に平行な側面から入射した場合の長手方向からの散乱をedge方向の散乱とする。このedge方向の散乱角からBraggの式により求められる長周期をedge方向の長周期とする。半値幅は、長周期のピーク最大値の1/2の高さにおけるピークの幅とする。
【0068】
4.寸法安定性
二軸延伸ポリエステルフィルムを幅1cm、長さ15cmの短冊状に切りだし、長さ方向の両端からそれぞれ2.5cm内側に幅方向と平行な線を引き、2本の平行線間の距離L0を正確に測定した。次いでその短冊状サンプルに3gのおもりをつけて150℃の熱風オーブン中に吊るして30分間熱処理し、冷却後、2本の平行線間の距離L1を正確に測定した。処理前の寸法と処理後の寸法から下記式にて熱収縮率(%)を求めた。
【0069】
熱収縮率(%)=(L0−L1)/L0×100
なお、測定は短冊の長さ方向がフィルム長手方向に平行な場合、フィルム幅方向に平行な場合、それぞれについて各5サンプル測定を実施し、それぞれの平均値でもって長手方向の熱収縮率、幅方向の熱収縮率とした。
【0070】
得られた長手方向、幅方向の熱収縮率の平均でもって、二軸延伸ポリエステルフィルムの熱収縮率とし、寸法安定性を以下のように判定した。
【0071】
−0.1%以上0.85%未満:◎
0.85%以上1.0%未満:○
−0.1%未満または1.0%以上:×
◎は寸法安定性が非常に良好であり、○は良好である。×の場合は不適である。
【0072】
5.環状三量体の析出量
二軸延伸ポリエステルフィルムを150℃のオーブン中で30分間静置した後、フィルム表面を面積が72cm
2になるよう枠で囲い、枠内を10mlのエタノールで洗浄し、溶液をすべて回収した。回収した溶液の365nmにおける吸光度を、日立製作所製分光光度計U3010を用いて測定した。環状三量体の標準エタノール溶液との比較により環状三量体の析出量を求めた。
【0073】
6.表面自由エネルギー
測定液としては、水、エチレングリコール、ホルムアミドおよびジヨードメタンの4種類を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA−D型)を用いて各液体のフィルム表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について5回測定し、その平均接触角(θ)と測定液(j)の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、4つの式からなる連立方程式をγ
L、γ
+、γ
−について解いた。
【0074】
(γ
Lγj
L)
1/2+2(γ
+γj
−)
1/2+2(γj
+γ
−)
1/2
=(1+cosθ)[γj
L+2(γj
+γj
−)
1/2]/2
ただし、γ=γ
L+2(γ
+γ
−)
1/2
γj=γj
L+2(γj
+γj
−)
1/2
ここで、γ、γ
L、γ
+、γ
−は、それぞれフィルム表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、また、γj、γj
L、γj
+、γj
−は、それぞれ用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを示す。また、ここで用いた各液体の表面張力は、Oss("fundamentals of Adhesion", L. H. Lee(Ed.), p153, Plenum ess, New York (1991).)によって提案された値を使用した。
また、フィルムの表層にコーティングなどが施されている場合は、コーティング層をカッターや紙やすりで削り取り、表層を露出させて測定を行った。
【0075】
7.Δヘイズ、熱質量分析(TGA)
150℃で30分間熱処理する前後のフィルムのヘイズについて、日本電色株式会社製HAZE METER NDH−5000を用いて測定し、その変化量をΔヘイズとした。Δヘイズは以下の式により求めた。
【0076】
Δヘイズ=(150℃、30分加熱後のヘイズ)−(加熱前のヘイズ)
また、サンプルを秤量し、島津製作所社製熱重量分析装置(TGA−50)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で、室温から400℃まで昇温させ、吸湿分の影響を考慮し、100℃時点をゼロ点とし、300℃での質量減少量を求めた。
【0077】
ΔヘイズとTGAについて、以下のように判定した。
【0078】
Δヘイズが1.0%未満、かつ質量減少量が0.25%未満:◎
Δヘイズが2.0%未満、かつ質量減少量が0.4%未満、かつ◎の条件を満たしていない:○
Δヘイズが2.0%以上、もしくは重量減少量が0.4%以上:×
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル101.0質量部、エチレングリコール64.6質量部(ジカルボン酸成分の2倍モル)の割合でそれぞれ計量し、エステル交換反応装置に仕込んだ。内容物を150℃で溶解した後、触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.06質量部、三酸化二アンチモンを0.02質量部添加し撹拌した。
【0079】
次に、60分かけて190℃まで昇温し、さらに60分かけて200℃まで昇温した後、さらに90分かけて240℃まで昇温しながらメタノールを留出させた。所定量のメタノールが留出した後、触媒の失活剤としてトリエチルホスホノアセテート0.02質量部含んだエチレングリコール溶液を加え、5分間撹拌してエステル交換反応を終了した。
【0080】
その後、反応物を重合装置に仕込み、重合装置内温度を90分かけて235℃から290℃まで昇温しながら、重合装置内圧力を常圧から真空へ徐々に減圧しエチレングリコールを留出させると、重合反応の進行に伴い反応物の粘度が上昇した。IV0.57に到達した段階で、重合装置内圧力を窒素ガスにて常圧にし、モンタン酸ナトリウム0.2質量部を添加した。常圧で5分間撹拌した後、重合装置内圧力を徐々に減圧し減圧下で重合反応を行った。終了目標トルクに到達した段階で重合反応を終了とし、重合装置内を窒素ガスにて常圧に戻し、重合装置下部を開けガット状のポリエステル樹脂を水槽へ吐出した。吐出されたポリエステル樹脂は水槽にて急冷後、カッターにてカッティングしポリエステルチップAとした。
【0081】
ポリエステルチップAを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0082】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0083】
(実施例2)
コンパウンドには、同方向回転2軸押出機(株)日本製鋼所製TEX3を使用した。この押出機に対して、ポリエステルチップB(東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート樹脂“F20G”)を一定供給し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数200rpmで、まず樹脂のみで押出を行った。樹脂が完全に溶融していることを確認した後、モンタン酸ナトリウムが全体量に対し5質量%となるように添加した。押出されたガットは、冷却槽で冷却し、7mm長に切断してペレット化し、ポリエステルチップCを得た。
【0084】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0085】
(実施例3)
実施例2と同様にポリエステルチップBとステアリン酸ナトリウムをコンパウンドし、ポリエステルチップDを得た(ステアリン酸ナトリウムはチップ全体量に対し5質量%含有)。
【0086】
ポリエステルチップBとポリエステルチップDを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップD=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0087】
(実施例4)
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0088】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0089】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度225℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0090】
(実施例5)
実施例1と同様にしてポリエステルチップAを得た。
【0091】
ポリエステルチップAを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0092】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に2.8倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に2.8倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0093】
(実施例6)
実施例2と同様にポリエステルチップBとエチレンビスラウリン酸アミドをコンパウンドし、ポリエステルチップEを得た(エチレンビスラウリン酸アミドはチップ全体量に対し5質量%含有)。
【0094】
ポリエステルチップBとポリエステルチップEを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップE=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0095】
(実施例7)
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0096】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップC=80:20の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0097】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0098】
(実施例8)
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0099】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0100】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0101】
(実施例9)
Y/X/Yの3層積層フィルムとした。
【0102】
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0103】
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸カルシウム0.09質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチル0.2質量部および5質量%濃度のエチレングリコールスラリーとして分散させた数平均粒子径が1.2μmの湿式シリカ凝集粒子を2質量%になるように添加して、290℃、1hPaの減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度が0.65、副生したジエチレングリコール2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート粒子マスター、ポリエステルチップMを得た。
【0104】
ポリエステルチップB、ポリエステルチップCとポリエステルチップMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、X層はポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるように、Y層はポリエステルチップB:ポリエステルチップC:ポリエステルチップM=79:20:1の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてY/X/Yの厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0105】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0106】
(実施例10)
実施例2と同様にポリエステルチップBとモンタン酸カルシウムをコンパウンドし、ポリエステルチップGを得た(モンタン酸カルシウムはチップ全体量に対し5質量%含有)。
【0107】
ポリエステルチップBとポリエステルチップGを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップG=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0108】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0109】
(実施例11)
Y/X/Yの3層積層フィルムとした。
【0110】
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0111】
実施例9と同様にしてポリエステルチップMを得た。
【0112】
ポリエステルチップB、ポリエステルチップCとポリエステルチップMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、X層はポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるように、Y層はポリエステルチップB:ポリエステルチップM=99:1の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてY/X/Yの厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0113】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0114】
(比較例1)
ポリエステルチップBを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給し、実施例1と同様にしてフィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0115】
(比較例2)
実施例1と同様にしてポリエステルチップAを得た。
【0116】
ポリエステルチップAを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0117】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度200℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0118】
(比較例3)
実施例1と同様にしてポリエステルチップAを得た。
【0119】
ポリエステルチップAを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0120】
次いで、予熱温度を80℃、延伸温度を90℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度200℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0121】
(比較例4)
実施例1と同様にしてポリエステルチップAを得た。
【0122】
ポリエステルチップAを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0123】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に4.4倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度120℃で幅方向に4.4倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0124】
(比較例5)
ポリエステルチップF(イーストマン・ケミカル・ジャパン(株)社製1,4−シクロへキサンジメタノール共重合ポリテレフタレート“GN001”)を用いた。1,4−シクロへキサンジメタノールの共重合割合は、33モル%で、融点190℃、固有粘度0.72dl/gであった。
【0125】
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0126】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、ポリエステルチップB:ポリエステルチップF:ポリエステルチップC=56:40:4の質量比になるようにブレンドし、単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0127】
次いで、予熱温度を80℃、延伸温度を90℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0128】
(比較例6)
実施例2と同様にポリエステルチップBとステアリン酸バリウムをコンパウンドし、ポリエステルチップHを得た(ステアリン酸バリウムはチップ全体量に対し5質量%含有)。
【0129】
ポリエステルチップBとポリエステルチップHを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップH=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
【0130】
次いで、予熱温度を105℃、延伸温度を110℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに25℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度245℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0131】
(比較例7)
実施例2と同様にしてポリエステルチップCを得た。
【0132】
ポリエステルチップBとポリエステルチップCを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、ポリエステルチップB:ポリエステルチップC=96:4の質量比になるようにブレンドして単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ、フィルム厚み50μmの未延伸フィルムを得た。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】