特許第5790099号(P5790099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5790099
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 9/03 20060101AFI20150917BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G05B9/03
   B64D47/00
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-84061(P2011-84061)
(22)【出願日】2011年4月5日
(65)【公開番号】特開2012-221067(P2012-221067A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 賢治
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−002102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 9/03
B64D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出信号をそれぞれ出力する第一主センサと第一従センサとからなる第一センサと、検出信号をそれぞれ出力する第二主センサと第二従センサとからなる第二センサとを有するセンサ部と、
制御信号が入力される第一駆動機構と、制御信号が入力される第二駆動機構とを有する駆動部と、
前記第一センサと前記第二従センサ及び前記駆動部に接続されている第一コントローラと、
前記第二センサと前記第一従センサ及び前記駆動部に接続されている第二コントローラとを備える制御システムであって、
前記第一コントローラ及び前記第二コントローラは相互に通信可能に接続されており、
前記第一主センサに異常が発生した場合に、前記第二コントローラに出力された、前記第一従センサの検出信号が、前記第二コントローラから前記第一コントローラに送信されるか、
又は、前記第一コントローラに異常が発生した場合には、前記第二コントローラに出力された、前記第一従センサの検出信号に基づいて、前記第二コントローラが前記第一駆動機構に駆動信号を出力することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記第二主センサに異常が発生した場合に、前記第一コントローラに出力された、前記第二従センサの検出信号が、前記第一コントローラから前記第二コントローラに送信されることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
航空機の空調システム、抽気システム、又は、防氷システムに用いられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関し、特に航空機の空調システム、抽気システム、防氷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の空調システムに用いられる冗長性を有する2ユニットの制御システムとして、複数のセンサを有するセンサ部と、複数の駆動機構を有する駆動部とに接続されているコントローラを備えるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような制御システムは、図5に示すように、第一センサ11a〜11dと第二センサ21a〜21dとを有するセンサ部と、第一駆動機構12a、12bと第二駆動機構22a、22bとを有する駆動部とに接続されているコントローラ30を備える。このような制御システムでは、通常時には、1ユニットとして、第一センサ11a〜11dの検出信号により第一駆動機構12a、12bを運転するとともに、他の1ユニットとして、第二センサ21a〜21dの検出信号により第二駆動機構22a、22bを運転している。これにより、例えば、第一センサ11aに異常が発生し、第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができなくなった場合にも、第二センサ21a〜21dの検出信号により第二駆動機構22a、22bを運転することができる。つまり、許容し得る範囲で継続的に運転することができる。
しかし、コントローラ30に異常が発生した場合には、駆動部12a、12b、22a、22bを全く運転することができなくなっていた。
【0003】
そこで、図6に示すように、第一センサ11a〜11d及び第一駆動機構12a、12bに接続されている第一コントローラ13と、第二センサ21a〜21d及び第二駆動機構22a、22bに接続されている第二コントローラ23とを備える2ユニット/2コントローラの制御システムが開示されている。このような制御システムによれば、例えば、第一コントローラ13に異常が発生し、第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができなくなった場合に、第二コントローラ23により、第二センサ21a〜21dの検出信号で第二駆動機構22a、22bを運転することができる。つまり、許容し得る範囲で継続的に運転することができる。
しかし、例えば、第一センサ11aに異常が発生した場合には、第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができなくなり、その結果、第二コントローラ23のみにより、第二センサ21a〜21dの検出信号で第二駆動機構22a、22bを運転することになる。よって、許容し得る範囲で継続的に運転することはできるが、完全な状態での運転を行えなかった。すなわち、1個のセンサに異常が発生しただけで、完全な状態で第一駆動機構12a、12b及び第二駆動機構22a、22bを運転することができなくなっていた。
【0004】
そこで、図7に示すように、それぞれ2つの検出信号を出力することができるセンサ11a〜11d、11A〜11D、21a〜21d、21A〜21Dを備える2ユニット/2コントローラの制御システムが開示されている。このような制御システムによれば、例えば、第一センサ11aに異常が発生した場合でも、第一センサ11aと同様の測定を行う第一センサ11Aの検出信号により第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができる。つまり、1個のセンサに異常が発生しても、完全な状態で第一駆動機構12a、12b及び第二駆動機構22a、22bを運転することができる。
しかしながら、例えば、第一コントローラ13に異常が発生した場合には、第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができなくなり、その結果、第二コントローラ23のみにより、第二センサ21a〜21dの検出信号で第二駆動機構22a、22bを運転することになる。つまり、1個のコントローラに故障が発生すると、完全な状態で運転することができなくなっていた。
【0005】
そこで、各コントーラの最低限の機能を有するバックアップコントーラを備える2ユニット/2コントローラの制御システムが開示されている。このような制御システムは、図8に示すように、第一センサ11a〜11dと第一駆動機構12a、12bとに接続されている第一コントローラ13と、第一センサ11A〜11Dと第一駆動機構12a、12bとに接続されている第一バックアップコントローラ14と、第二センサ21a〜21dと第二駆動機構22a、22bとに接続されている第二コントローラ23と、第二センサ21A〜21Dと第二駆動機構22a、22bとに接続されている第二バックアップコントローラ24とを備える。
このような制御システムによれば、例えば、第一コントローラ13に異常が発生した場合には、第一バックアップコントローラ14により、第一センサ11A〜11Dの検出信号により第一駆動機構12a、12bを正常に運転することができる。つまり、1個のコントローラに異常が発生しても、完全な状態で第一駆動機構12a、12b及び第二駆動機構22a、22bを運転することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−034299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図8に示すような制御システムでは、各コントーラの最低限の機能を有するバックアップコントーラを設置しなければならないため、コストが高くなっていた。
そこで、本発明は、コストを抑え、1個のセンサに異常が発生したり、1個のコントローラに異常が発生しても、完全な状態で運転可能な制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の制御システムは、検出信号をそれぞれ出力する第一主センサと第一従センサとからなる第一センサと、検出信号をそれぞれ出力する第二主センサと第二従センサとからなる第二センサとを有するセンサ部と、制御信号が入力される第一駆動機構と、制御信号が入力される第二駆動機構とを有する駆動部と、前記第一センサと前記第二従センサ及び前記駆動部に接続されている第一コントローラと、前記第二センサと前記第一従センサ及び前記駆動部に接続されている第二コントローラとを備える制御システムであって、前記第一コントローラ及び前記第二コントローラは相互に通信可能に接続されており、前記第一主センサに異常が発生した場合に、前記第二コントローラに出力された、前記第一従センサの検出信号が、前記第二コントローラから前記第一コントローラに送信されるか、又は、前記第一コントローラに異常が発生した場合には、前記第二コントローラに出力された、前記第一従センサの検出信号に基づいて、前記第二コントローラが前記第一駆動機構に駆動信号を出力するようにしている
【0009】
本発明の制御システムによれば、第一コントローラは、第一センサ及び第一駆動機構に接続されているとともに、第二センサ及び第二駆動機構に接続されており、さらに、第二コントローラに通信可能に接続されている。また、第二コントローラは、第二センサ及び第二駆動機構に接続されているとともに、第一センサ及び第一駆動機構に接続されており、さらに、第一コントローラに通信可能に接続されている。
これにより、例えば、通常時は、第一コントローラが、第一センサの検出信号に基づいて、第一駆動機構に制御信号を出力し、第二コントローラが、第二センサの検出信号に基づいて、第二駆動機構に制御信号を出力する。その後、第一センサに異常が発生した場合には、第二コントローラに出力された第一センサの検出信号が、第二コントローラから第一コントローラに送信される。また、第一コントローラに異常が発生した場合には、第二コントローラに出力された第一センサの検出信号に基づいて、第二コントローラが第一駆動機構に制御信号を出力する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の制御システムによれば、各コントーラの最低限の機能を有するバックアップコントーラを設けないため、コストが抑えられる。
また、1個のセンサに異常が発生したり、1個のコントローラに異常が発生しても、完全な状態で運転することができる。
【0011】
(その他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明の制御システムにおいては、前記第二主センサに異常が発生した場合に、前記第一コントローラに出力された、前記第二従センサの検出信号が、前記第一コントローラから前記第二コントローラに送信されるようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明の制御システムにおいては、航空機の空調システム、抽気システム、又は、防氷システムに用いられるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態である2ユニット/2コントローラの制御システムの構成を示す図である。
図2】制御システムの一部の構成を示すブロック図である。
図3a】第一コントローラが実行するデータの入力制御の方法について説明するためのフローチャートである。
図3b】第一コントローラが実行するデータの入力制御の方法について説明するためのフローチャートである。
図4】第一コントローラが実行するデータの出力制御の方法について説明するためのフローチャートである。
図5】従来の2ユニットの制御システムを示す図である。
図6】従来の2ユニット/2コントローラの制御システムを示す図である。
図7】従来の2ユニット/2コントローラの制御システムを示す図である。
図8】従来の2ユニット/2コントローラの制御システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態である航空機の空調システムに用いられる2ユニット/2コントローラの制御システムの構成を示す図であり、図2は、制御システムの一部の構成を示すブロック図である。
制御システムは、第一センサ11a〜11d(第一主センサ)、11A〜11D(第一従センサ)と第二センサ21a〜21d(第二主センサ)、21A〜21D(第二従センサ)とを有するセンサ部と、第一駆動機構12a、12bと第二駆動機構22a、22bとを有する駆動部と、第一コントローラ16と、第二コントローラ26とを備える。
【0016】
第一センサ11a〜11d、11A〜11D及び第二センサ21a〜21d、21A〜21Dは、例えば、温度センサ、圧力センサ、スイッチ等である。
第一センサ11a〜11dは、第一コントローラ16に接続されるとともに、第一センサ11A〜11Dは、第二コントローラ26に接続されている。よって、第一センサ11a〜11dは、第一コントローラ16に、検出信号を出力し、第一センサ11A〜11Dは、第二コントローラ26に、検出信号を出力する。なお、第一センサ11Aは、第一センサ11aと同様の測定を行う。また、第一センサ11B〜11Dも、それぞれ第一センサ11b〜11dと同様の測定を行う。
第二センサ21a〜21dは、第二コントローラ26に接続されるとともに、第二センサ21A〜21Dは、第一コントローラ16に接続されている。よって、第二センサ21a〜21dは、第二コントローラ26に、検出信号を出力し、第二センサ21A〜21Dは、第一コントローラ16に、検出信号を出力する。なお、第二センサ21Aは、第二センサ21aと同様の測定を行う。また、第二センサ21B〜21Dも、それぞれ第二センサ21b〜21dと同様の測定を行う。
【0017】
第一駆動機構12a、12b及び第二駆動機構22a、22bは、例えば、バルブ等である。
第一駆動機構12a、12bは、第一コントローラ16に接続されるとともに、第二コントローラ26に接続されている。よって、第一駆動機構12a、12bは、第一コントローラ16及び第二コントローラ26により制御することができる。
第二駆動機構22a、22bは、第二コントローラ26に接続されるとともに、第一コントローラ16に接続されている。よって、第二駆動機構22a、22bは、第一コントローラ16及び第二コントローラ26により制御することができる。
【0018】
第一コントローラ16は、第一センサ11a〜11d及び第一駆動機構12a、12bに接続されるとともに、第二センサ21A〜21D及び第二駆動機構22a、22bに接続されており、さらに、第二コントローラ26に通信可能に接続されている。
第二コントローラ26は、第二センサ21a〜21d及び第二駆動機構22a、22bに接続されるとともに、第一センサ11A〜11D及び第一駆動機構12a、12bに接続されており、さらに、第一コントローラ16に通信可能に接続されている。
【0019】
第一コントローラ16においては、CPU16aを備え、さらに、緊急時に用いるための固定データ等を記憶するメモリ16bと、相互通信回路16cと、入力処理回路16dと、機器駆動回路16eとを有する。
また、CPU16aが処理する機能をブロック化して説明すると、センサ部異常判定部31と、センサ部選択部32と、コントローラ異常判定部33と、コントローラ補助部34と、駆動部異常判定部35と、駆動部選択部36と、駆動部補助部37とを有する。
【0020】
入力処理回路16dは、第一センサ11a〜11dに接続されるとともに、第二センサ21A〜21Dに接続されている。よって、第一センサ11a〜11d及び第二センサ21A〜21Dの検出信号が入力され、変換されることにより、自入力データとしてCPU16aに出力される。
機器駆動回路16eは、第一駆動機構12a、12bに接続されるとともに、第二駆動機構22a、22bに接続されている。よって、CPU16aからのデータに基づいて、第一駆動機構12a、12b及び第二駆動機構22a、22bに、制御信号を出力する。
相互通信回路16cは、第二コントローラ26に通信可能に接続されており、第二コントローラ26とのデータの送受信を実行する。具体的には、相互通信回路16cで、第二コントローラ26に自入力データや後述する故障信号が送信され、第二コントローラ26から他入力データ(第一センサ11A〜11D及び第二センサ21a〜21dの検出信号)や故障信号が受信される。
【0021】
センサ部異常判定部31は、第一センサ11a〜11d、11A〜11Dのそれぞれについて異常であるか否かを判定して、その結果をセンサ部選択部32に出力する制御を行うものである。
センサ部選択部32は、第一センサ11aが異常でないと判定した結果が入力された場合には、第一センサ11aの検出信号(自入力データ)を採用し、また、第一センサ11aが異常であり、かつ、第一センサ11Aが異常でないと判定した結果が入力された場合には、第二コントローラ26から送信された第一センサ11Aの検出信号(他入力データ)を採用し、さらに、第一センサ11aが異常であり、かつ、第一センサ11Aも異常であると判定した結果が入力された場合には、メモリ16bに記憶された固定データを採用するというように、各第一センサ11a〜11d、11A〜11Dにおいて採用するデータを選択する制御を行うものである。
【0022】
コントローラ異常判定部33は、第二コントローラ26が異常であるか否かを判定して、第二コントローラ26が異常であると判定した場合には、コントローラ補助部34に第二コントローラ26の異常信号を出力する制御を行うものである。
コントローラ補助部34は、コントローラ異常判定部33から第二コントローラ26の異常信号が入力された場合には、第二センサ21A〜21Dの検出信号(自入力データ)を採用するとともに、第二駆動機構22a、22bに制御信号を出力する制御を行うものである。
【0023】
駆動部異常判定部35は、第一駆動機構12a、12bのそれぞれについて制御信号が入力できるか否かを判定して、その結果を駆動部選択部36に出力する制御を行うものである。
駆動部選択部36は、第一駆動機構12a、12bの全てに制御信号が入力できると判定した結果が入力された場合には、第一駆動機構12a、12bに制御信号を出力し、一方、第一駆動機構12a、12bのいずれかに制御信号が入力できないと判定した結果が入力された場合には、相互通信回路16eを介して第二コントローラ26に入力できない第一駆動機構12a、12bの故障信号を送信する制御を行うものである。
駆動部補助部37は、相互通信回路16eを介して第二コントローラ26から入力できない第二駆動機構22a、22bの故障信号を受信したときには、第二コントローラ26から入力できない第二駆動機構22a、22bに制御信号を出力する制御を行うものである。
【0024】
ここで、第一コントローラ16が実行するデータの入力制御の方法の一例について説明する。図3は、第一コントローラ16が実行するデータの入力制御の方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、データ入力基本処理が実行される。具体的には、第一センサ11a〜11d及び第二センサ21A〜21Dから入力処理回路16dに検出信号が入力され、入力処理回路16dを介してCPU16aに自入力データとして入力される。また、第二コントローラ26から相互通信回路16cを介してCPU16aに他入力データ(第一センサ11A〜11D及び第二センサ21a〜21dの検出信号)が入力される。なお、このとき、第二コントローラ26から相互通信回路16cを介してCPU16aに他入力データが入力されなければ、コントローラ異常判定部33は、第二コントローラ26に異常が発生したと判定する。
【0025】
次に、ステップS102の処理において、センサ部異常判定部31は、第一センサ11aの自入力データが正常であるか否かを判定する。
第一センサ11aの自入力データが正常であると判定した場合には、ステップS103の処理に進むことにより、第一センサ11aの自入力データを採用する。
一方、第一センサ11aの自入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS104の処理に進むことにより、センサ部異常判定部31は、第一センサ11Aの他入力データが正常であるか否かを判定する。
第一センサ11Aの他入力データが正常であると判定した場合には、ステップS105の処理に進むことにより、第一センサ11Aの他入力データを採用する。
一方、第一センサ11Aの他入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS106の処理に進むことにより、メモリ16bに記憶された固定データを採用する。
【0026】
次に、ステップS107の処理において、センサ部異常判定部31は、第一センサ11bの自入力データが正常であるか否かを判定する。
第一センサ11bの自入力データが正常であると判定した場合には、ステップS108の処理に進むことにより、第一センサ11bの自入力データを採用する。
一方、第一センサ11bの自入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS109の処理に進むことにより、センサ部異常判定部31は、第一センサ11Bの他入力データが正常であるか否かを判定する。
第一センサ11Bの他入力データが正常であると判定した場合には、ステップS110の処理に進むことにより、第一センサ11Bの他入力データを採用する。
一方、第一センサ11Bの他入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS111の処理に進むことにより、メモリ16bに記憶された固定データを採用する。
【0027】
なお、ステップS112〜S121の処理において、第一センサ11c、11C、11d、11Dについても、上述したステップS102〜S111の処理と同様な処理が実行されるので、ここでは説明を省略する。
次に、ステップS122の処理において、センサ部異常判定部31は、第二センサ21Aの自入力データが正常であるか否かを判定する。
第二センサ21Aの自入力データが正常であると判定した場合には、ステップS123の処理に進むことにより、第二センサ21Aの自入力データを採用する。
【0028】
一方、第二センサ21Aの自入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS124の処理に進むことにより、センサ部異常判定部31は、第二センサ21aの他入力データが正常であるか否かを判定する。
第二センサ21aの他入力データが正常であると判定した場合には、ステップS125の処理に進むことにより、第二センサ21aの他入力データを採用する。
一方、第二センサ21aの他入力データが正常でないと判定した場合には、ステップS126の処理に進むことにより、メモリ16bに記憶された固定データを採用する。
【0029】
なお、ステップS127〜S141の処理において、第二センサ21B、21b、21C、21c、21D、21dについても、上述したステップS122〜S126の処理と同様な処理が実行されるので、ここでは説明を省略する。
最後に、ステップS138、S140又はS141の処理が終了した場合には、本フローチャートを終了させることになる。
【0030】
次に、第一コントローラ16が実行するデータの出力制御の方法の一例について説明する。図4は、第一コントローラ16が実行するデータの出力制御の方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS201の処理において、駆動部異常判定部35は、第一駆動機構12aに制御信号が入力できるか否かを判定する。
第一駆動機構12aに制御信号が入力できると判定した場合には、ステップS202の処理に進むことにより、第一駆動機構12aに制御信号を出力する。
一方、第一駆動機構12aに制御信号が入力できないと判定した場合には、ステップS203の処理において、第一駆動機構12aの故障信号を第二コントローラ26に送信する。
【0031】
次に、ステップS204の処理において、駆動部異常判定部35は、第二駆動機構12bに制御信号が入力できるか否かを判定する。
第一駆動機構12bに制御信号が入力できると判定した場合には、ステップS205の処理に進むことにより、第一駆動機構12bに制御信号を出力する。
一方、第一駆動機構12bに制御信号が入力できないと判定した場合には、ステップS206の処理に進むことにより、第一駆動機構12bの故障信号を第二コントローラ26に送信する。
【0032】
次に、ステップS207の処理において、コントローラ補助部34は、コントローラ異常判定部33から第二コントローラ26の異常信号が入力されたか否かを判定する。
第二コントローラ26の異常信号が入力された場合には、ステップS208の処理において、第二駆動機構22aに制御信号を出力する。
次に、ステップS209の処理において、第二駆動機構22bに制御信号を出力する。
【0033】
一方、ステップS207の処理において、第二コントローラ26の異常信号が入力されていない場合には、ステップS210の処理に進むことにより、駆動部補助部37は、第二コントローラ26から第二駆動機構22aの故障信号を受信したか否かを判定する。
第二駆動機構22aの故障信号を受信した場合には、ステップS211の処理において、第二駆動機構22aに制御信号を出力する。
【0034】
次に、ステップS212の処理において、駆動部補助部37は、第二コントローラ26から第二駆動機構22bの故障信号を受信したか否かを判定する。
第二駆動機構22bの故障信号を受信した場合には、ステップS213の処理において、第二駆動機構22bに制御信号を出力する。
最後に、ステップS209、S213の処理が終了した場合、又は、ステップS212の処理において故障信号を受信しなかった場合には、本フローチャートを終了させることになる。
【0035】
そして、第二コントローラ26においても、第一コントローラ16と同様に、CPUを備え、さらに、固定データ等を記憶するメモリと、相互通信回路と、入力処理回路と、機器駆動回路とを有する。
また、CPUが処理する機能を説明すると、センサ部異常判定部と、センサ部選択部と、コントローラ異常判定部と、コントローラ補助部と、駆動部異常判定部と、駆動部選択部と、駆動部補助部とを有する。
なお、第二コントローラ26においても、上述した第一コントローラ16と同様な処理が実行されるので、ここでは説明を省略する。
【0036】
以上のように、本発明の制御システムによれば、第一コントーラ16及び第二コントローラ26の最低限の機能を有するバックアップコントーラを設けないため、コストが抑えられる。
また、1個のセンサに故障が発生したり、1個のコントローラに故障が発生しても、完全な状態で運転することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、例えば、航空機の空調システム、抽気システム、防氷システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
11a〜11d: 第一主センサ
11A〜11D: 第一従センサ
12a、12b: 第一駆動機構
16: 第一コントローラ
21a〜21d: 第二主センサ
21A〜21D: 第二従センサ
22a、22b: 第二駆動機構
26: 第二コントローラ
31: センサ部異常判定部
32: センサ部選択部
33: コントローラ異常判定部
34: コントローラ補助部
35: 駆動部異常判定部
36: 駆動部選択部
37: 駆動部補助部
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8