(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
(1)ファクシミリ装置の概要
以下、
図1を参照して、本実施形態におけるファクシミリ装置1を説明する。
図1は、本実施形態のファクシミリ装置の全体構成を示すブロック図である。ファクシミリ装置1は、コピー機能、ファクシミリ通信機能、スキャナ機能及びネットワークプリンタ機能を有するいわゆる複合機である。
【0013】
ファクシミリ装置1は、基本ブロック10、サブ制御ユニット30、機能ブロック40、電力供給装置50及び電力供給コントローラ60を備える。ファクシミリ装置1は、さらにシステムバス70を備えており、ファクシミリ装置1内の各部はシステムバス70によって互いに接続されている。
ファクシミリ装置1は、さらに鳴動規定回数記憶部100(
図2参照)を備える。さらに、ファクシミリ装置1には、図示しないケーブルを介して電話機90が接続され、この電話機90によって、相手側との間で音声データの送受信、すなわち電話動作を行うことができる。
【0014】
ファクシミリ装置1には、通常モード及び省エネルギーモードが設定されている。ファクシミリ装置1の状態は、後述するメイン制御ユニット11のCPU(Central Processing Unit)12の制御のもと、通常モード及び省エネルギーモードの間を移行できる。通常モードとは、何らかの動作指示があった場合には、ファクシミリ装置1がその動作指示に基づいて直ぐに処理を実行できる状態をいう。省エネルギーモードとは、通常モードの消費電力よりも消費電力が低い状態をいう。例えば、省エネルギーモードでは、ファクシミリ装置1においてメイン制御ユニット11への電力供給が下げられてメイン制御ユニット11の各部はスリープ状態となる。また、省エネルギーモードでは、機能ブロック40への電力供給が下げられ、機能ブロック40の操作部42及び表示部45は非表示状態となり、記録部46における待機温度を下げた状態等となる。
【0015】
ファクシミリ装置1は、操作部42及び表示部45からの操作入力が一定時間ない場合又は画像データの入力が一定時間ない場合に、CPU12の制御により通常モードから省エネルギーモードに移行される。また、ファクシミリ装置1は、操作部42及び表示部45から通常モードへの復帰操作の入力を受け付けた場合に、CPU12の制御により省エネルギーモードから通常モードへと復帰する。また、本実施形態では、ファクシミリ装置1は、サブ制御ユニット30からの復帰リクエストを受け付ければ、CPU12の制御により省エネルギーモードから通常モードへと復帰するが、詳細は後述する。
【0016】
基本ブロック10は、ファクシミリ装置1の基本動作を制御し、また公衆回線網(図中、PSTN:Public Switched Telephone Network)80を介した通信の送受信の制御をする。基本ブロック10は、メイン制御ユニット11及びNCU(Network Control Unit)20を有する。
【0017】
ファクシミリ装置1の図示しない主電源がONであり、ファクシミリ装置1が通常モードの場合には、基本ブロック10に対して電力供給装置50から電力供給コントローラ60を介して電力が常に供給される。
また、ファクシミリ装置1が省エネルギーモード中は、電力供給コントローラ60によってメイン制御ユニット11への電力供給は低減され、メイン制御ユニット11はスリープ状態となる。一方、NCU20に対しては、ファクシミリ装置1が省エネルギーモード中であっても、電力供給コントローラ60により一定の電力が供給され、NCU20は、通常モードと同様に公衆回線網80を介した信号を検知できる。基本ブロック10及びNCU20の詳細は後述する。
【0018】
サブ制御ユニット30は、ファクシミリ装置1が省エネルギーモードの状態である又は省エネルギーモードから通常モードへ復帰している際に、メイン制御ユニット11に代わって、公衆回線網80を介した通信に関する着信の制御をする。ファクシミリ装置1の主電源がONの場合には、ファクシミリ装置1が通常モード及び省エネルギーモードのいずれの状態であっても、サブ制御ユニット30には電力供給装置50から一定の電力が供給される。サブ制御ユニット30の詳細は後述する。
【0019】
機能ブロック40は、コピー機能、ファクシミリ通信機能、スキャナ機能及びネットワークプリンタ機能を実行する。機能ブロック40には、電力供給コントローラ60を介して、通常モード及び省エネルギーモードに応じた電力が電力供給装置50から供給される。機能ブロック40は、読取部41と、操作部42と、画像メモリ43と、コーデック44と、表示部45と、記録部46と、LANインターフェース(図中、I/F)47とを有する。
【0020】
読取部41は、原稿の画像データを読み取り、読み取った2値化データ等をメイン制御ユニット11のCPU12の指示により所定の出力先へ出力する。
操作部42は、ワンタッチダイヤルにより宛先を指定するためのワンタッチキー、ファクシミリ装置1に対して送信開始指示を与えるためのスタートキー、電話番号等の入力を行うテンキー及び表示部45内の反転表示の移動等を行うための矢印キー等を具備する。ユーザによる操作指示は、操作部42によって受け付けられる。
【0021】
画像メモリ43は、受信する画像データと、読取部41で読み取られて白黒2値に変換され、コーデック44で符号化された画像データとを一時的に記憶する。
コーデック44は、所定のプロトコルに対応して画像データを符号化及び復号化する。具体的にコーデック44は、読取部41から受け取った画像データを送信のためにMH(Modified Huffman)及びMR(Modified READ)方式等により符号化し、外部装置から受信した画像データを復号化する。また、コーデック44は、電子メールに添付可能なファイルとして一般的に利用される画像フォーマットであるTIFF方式等にも対応して画像データを符号化及び復号化する。
【0022】
表示部45は、表示パネル等からなり、ファクシミリ装置1の状態に関する情報、各種操作指示画面及びファクシミリ装置1の状態を表示する。
記録部46は、例えば電子写真方式のものからなり、受信した画像データを用紙上に画像形成し、用紙を排出する。例えば、読取部41で読み取った原稿の画像データ、ファクシミリ受信した画像データ、及びLANを介して受信した画像データ等を用紙上に印刷する。
【0023】
LAN I/F47は、同じLAN上に設置された他の機器との間で、SLP又はTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)を利用してデータの送受信を行う。
【0024】
電力供給装置50は、交流の商用電源を直流に変換しファクシミリ装置1へ供給する電源装置である。電力供給装置50は、主電源がオンの状態では、電力供給コントローラ60の制御のもと、通常モード又は省エネルギーモードに応じた電力をファクシミリ装置1の各部に供給する。
【0025】
電力供給コントローラ60は、電磁リレー及びFET(電界効果トランジスタ)等を含み、ファクシミリ装置1の各部と電力供給ライン61を介して接続される。電力供給コントローラ60は、メイン制御ユニット11のCPU12からの制御命令に従って、電力供給ライン61の接続及び遮断を行い、通常モード又は省エネルギーモードに応じた電力をファクシミリ装置1の各部に供給する。
鳴動規定回数記憶部100は、規定された電話機90の着信ベルの鳴動回数を記憶する。本実施形態において、鳴動規定回数記憶部100は、第1鳴動規定回数記憶部18及び第2鳴動規定回数記憶部35を有するが、詳細は後述する。
【0026】
(2)基本ブロックの機能構成
次に基本ブロック10の機能構成について
図2を参照して説明する。
図2は、基本ブロック及びサブ制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。基本ブロック10は、前述のとおりメイン制御ユニット11及びNCU20を有する。
【0027】
(2−1)NCU
NCU20は、公衆回線網80に接続されており、電話回線29を介して発呼及び着呼を含む通信を制御する。本実施形態におけるNCU20は、電話回線29において所定のレベルを超えた信号を検出し電話回線29の回線変化を検出すれば、メイン制御ユニット11のCPU12又はサブ制御ユニット30のサブCPU31に対して電話回線29の回線変化を通知する。その後NCU20は、メイン制御ユニット11のCPU12又はサブ制御ユニット30のサブCPU31によって制御される。以下のNCU20の説明では、ファクシミリ装置1が通常モードであって、NCU20がメイン制御ユニット11のCPU12によって制御されている例を挙げて説明する。
【0028】
NCU20は、CMLリレー21、第1トランス22、信号検出回路23、オフフック検出回路24、着信鳴動部27、第2トランス28及び電話回線29を有する。
【0029】
CMLリレー21は、電話回線29を、モデム16と信号検出回路23とに選択的に接続するために設けられている。CPU12の制御により、CMLリレー21がa接点側に切り換えられたときには、電話回線29が信号検出回路23に接続される。一方、CPU12の制御により、CMLリレー21がb接点側に切り換えられたときには、電話回線29が第1トランス22を介してモデム16に接続される。ファクシミリ装置1が外部装置からの着信を待機している状態では、CMLリレー21はa接点側に接続されている。
【0030】
信号検出回路23は、CMLリレー21のa接点側に接続されるように配置され、電話回線29を介して外部装置から送信されてくる信号を検出して、信号の検知をCPU12に通知する。信号検出回路23は、例えばCI(Call Indicator)信号を検出する。
【0031】
オフフック検出回路24は、電話機90に接続される。オフフック検出回路24は、電話機90のオフフック状態を検出して、検出結果をCPU12に出力する。オフフック状態とは、電話機90のハンドセットを取り上げた状態をいう。
【0032】
着信鳴動部27は、着信ベルを鳴動させるための着信ベル信号を出力する。着信鳴動部27は、呼出電圧発生回路25及びHリレー26によって構成される。
呼出電圧発生回路25は、一般的なCI信号と同様の信号である着信ベル信号としての擬似ベル信号を発生して電話機90を鳴動させ、ユーザに着信を知らせる機能を有する。擬似ベル信号とは、外部装置からのCI信号の受信に対して電話機90を鳴動させるための信号である。呼出電圧発生回路25は、信号検出回路23によってCI信号が検出されれば、擬似ベル信号を発生する。
また、呼出電圧発生回路25は、電話機90のオフフック状態の検出時に、電話機90に所定電流を供給する。具体的に呼出電圧発生回路25は、電話機90のオフフック状態を検出するために、電話機90に所定電流を供給する。
【0033】
Hリレー26は、電話機90を電話回線29と呼出電圧発生回路25とに選択的に接続するために設けられている。CPU12の制御により、Hリレー26が接点a側に切り換えられたときには、電話機90が電話回線29側に接続され、Hリレー26が接点b側に切り換えられたときには、電話機90が呼出電圧発生回路25側に接続される。なお、ファクシミリ装置1において外部装置からの着信を待機している状態では、Hリレー26がb接点側に接続されて、電話機90と呼出電圧発生回路25とが接続されている。また、呼出電圧発生回路25において発生した擬似ベル信号は、Hリレー26の配置状態に応じて電話機90へと出力される。
第2トランス28は、電話機90とモデム16との間に接続されている。
【0034】
(2−2)メイン制御ユニット
メイン制御ユニット11は、ファクシミリ装置1の基本動作を制御し、またNCU20の制御を行う。メイン制御ユニット11は、前述のとおり省エネルギーモード又は通常モードで動作する。メイン制御ユニット11は、CPU12、モデム16及び記憶部17を有する。
【0035】
CPU12は、所定のプログラムに従って、ファクシミリ装置1を構成する各部を制御する。また、ファクシミリ装置1が通常モードである場合にのみ、着信鳴動部27を制御する。具体的にCPU12は、信号検出部13、受信制御部14及びモード通知部15を含み、ファクシミリ装置1が通常モードである場合にのみ以下の動作を行う。
【0036】
信号検出部13は、電話回線29に回線変化があった場合に信号検出回路23がCI信号を検出したかどうか判断する。
【0037】
受信制御部14は、信号検出部13がCI信号を検出したと判断された場合にNCU20を制御する。具体的には、受信制御部14は、NCU20のリレー制御及び鳴動の制御を行う。例えば、受信制御部14は、Hリレー26を接点b側に接続させて呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号によって、電話機90において着信ベルを鳴動させる制御を行う。このとき受信制御部14は、後述する第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された規定の鳴動回数に従って電話機90で着信ベルを鳴動させるために、呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号をカウントする。その後受信制御部14は、電話機90で着信ベルを規定の鳴動回数分鳴動させるための擬似ベル信号が呼出電圧発生回路25から出力されれば、Hリレー26を接点a側に切り換えて、呼出電圧発生回路25から電話機90への擬似ベル信号の出力を停止させる。また、受信制御部14は、ファクシミリ受信の指示を受け付ければ、CMLリレー21を電話機90からモデム16側に切り換えてファクシミリ受信の処理を行う。
【0038】
モード通知部15は、ファクシミリ装置1におけるモードの移行があれば、モードの移行をサブ制御ユニット30へ通知する。例えば、ファクシミリ装置1が通常モードから省エネルギーモードへ移行を開始する場合、又は省エネルギーモードから通常モードへ復帰した場合に、モードの移行の通知をサブ制御ユニット30へと出力する。
【0039】
モデム16は、デジタル信号とアナログ信号を相互変換する変復調装置であり、ファクシミリ通信用のファクシミリモデムの機能を有する。モデム16は、NCU20と直接接続されている。
【0040】
記憶部17は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMは、CPU12に読み込まれる各種プログラムを記憶している。RAMは、予め登録された各種設定情報を記憶するCPU11の主メモリであり、各種プログラムを実行するワークエリアとして機能する。また、本実施形態の記憶部17は、鳴動規定回数記憶部100を構成する第1鳴動規定回数記憶部18を含む。
第1鳴動規定回数記憶部18は、電話機90の着信ベルの鳴動回数を記憶する。本実施形態では、電話機90の着信ベルの鳴動回数を予め規定でき、規定された鳴動回数が第1鳴動規定回数記憶部18に記憶されている。
【0041】
このような基本ブロック10において、NCU20に対して電話回線29に回線変化があり、信号検出回路23によるCI信号の検出が判断されれば、呼出電圧発生回路25により擬似ベル信号が出力される。ここでHリレー26はb接点側に接続されており、Hリレー26を介して呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号は電話機90へと出力され、電話機90が鳴動する。
【0042】
このとき、CPU12の受信制御部14は、第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された鳴動回数分電話機90にて着信ベルが鳴動されるように、着信鳴動部27を制御する。具体的に受信制御部14は、呼出電圧発生回路25から出力される擬似ベル信号をカウントし、規定の鳴動回数までの擬似ベル信号が出力された段階でHリレー26を接点a側に切り換え、電話機90と呼出電圧発生回路25との接続を解消させる。これにより、電話機90の着信ベルが第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された規定の鳴動回数分だけ鳴動する。その後CPU12は、CMLリレー21をb接点側に切り換え、電話回線29とモデム16とを接続され、ファクシミリ装置1がファクシミリ受信の処理を実行するための制御を行う。
【0043】
(3)サブ制御ユニットの機能構成
サブ制御ユニット30は、ファクシミリ装置1が省エネルギーモード又は省エネルギーモードから通常モードへの復帰の際に、メイン制御ユニット11に代わって、電話回線29を介した通信に関する着信の制御を行う。サブ制御ユニット30について、再び
図2を参照して説明する。
【0044】
上記のとおり、ファクシミリ装置1が通常モードで動作している場合には、メイン制御ユニット11がNCU20を制御する。すなわち、メイン制御ユニット11のCPU12が、信号検出回路23によるCI信号の検出後、規定の鳴動回数分電話機90にて着信ベルが鳴動されるように着信鳴動部27を制御する。しかし、メイン制御ユニット11が省エネルギーモードである場合又は省エネルギーモードから通常モードへ復帰している場合には、上記のとおりの着信の制御を行えない。
そこで、ファクシミリ装置1が省エネルギーモード又は省エネルギーモードから通常モードへの復帰の際には、サブ制御ユニット30がNCU20を制御する。
【0045】
サブ制御ユニット30は、サブCPU31及び第2鳴動規定回数記憶部35を有する。
サブCPU31は、モード通知部15から、ファクシミリ装置1が通常モードから省エネルギーモードへ移行する移行通知を受信した後、省エネルギーモードから通常モードへの復帰の通知を受信するまで、着信鳴動部27を制御する。具体的に、サブCPU31は、サブ信号検出部32、サブ受信制御部33及び結果通知部34を含み、以下の動作を行う。
【0046】
サブ信号検出部32は、電話回線29に回線変化があった場合に信号検出回路23がCI信号を検出したかどうか判断する。また、サブ信号検出部32は、CI信号を検出したと判断した場合には、メイン制御ユニット11のCPU12に対して省エネルギーモードから通常モードへの復帰のリクエストを送信する。
【0047】
サブ受信制御部33は、信号検出回路23がCI信号を検出したと判断した場合に、NCU20における着信鳴動部27のリレー制御及び擬似ベル信号の出力の制御を開始する。例えば、サブ受信制御部33は、Hリレー26を接点b側に接続させて、呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号によって、電話機90で着信ベルを鳴動させる制御を行う。このときサブ受信制御部33は、第2鳴動規定回数記憶部35に記憶された鳴動回数に従って電話機90で着信ベルを鳴動させるために、呼出電圧発生回路25から出力された擬似ベル信号をカウントする。サブ受信制御部33は、電話機90で着信ベルを規定の鳴動回数分鳴動させるための擬似ベル信号が呼出電圧発生回路25から出力されれば、Hリレー26を接点a側に切り換えて、呼出電圧発生回路25から電話機90への擬似ベル信号の出力を停止させる。
【0048】
結果通知部34は、モード通知部15からファクシミリ装置1の通常モードへの復帰通知を受信した場合に、サブ受信制御部33による制御の結果をメイン制御ユニット11のCPU12へと通知する。例えば、結果通知部34は、Hリレー26に関する制御及び呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号の出力の停止等、着信鳴動部27に対する制御結果をCPU12へ通知する。
【0049】
第2鳴動規定回数記憶部35は、電話機90の着信ベルの鳴動回数を記憶する記憶部である。第2鳴動規定回数記憶部35には、第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された鳴動回数と同じ鳴動回数が格納される。
【0050】
(4)メイン制御ユニット及びサブ制御ユニットによるNCUの制御
次に、メイン制御ユニット11及びサブ制御ユニット30によるNCU20の制御の流れを、
図3を参照して説明する。
図3は、メイン制御ユニット11、サブ制御ユニット30及びNCU20間における信号の流れを示すフローチャートである。
以下、通常モードから省エネルギーモードに移行するファクシミリ装置1におけるメイン制御ユニット11及びサブ制御ユニット30によるNCU20の制御の流れを説明する。
【0051】
まず、メイン制御ユニット11のCPU12は、ファクシミリ装置1を通常モードから省エネルギーモードへと移行させる(ステップS101)。続いて、CPU12のモード通知部15は、省エネルギーモードへの移行をサブ制御ユニット30のサブCPU31に通知する(ステップS102)。省エネルギーモードへの移行の通知を受ければ、サブCPU31のサブ信号検出部32は、第1メイン制御ユニット11に代わってNCU20の制御を開始する(ステップS103)。
NCU20において、電話回線29の回線変化が検出されると(ステップS104でYes)、NCU20は、回線変化の通知をサブ制御ユニット30のサブCPU31へと通知する(ステップS105)。
NCU20から回線変化の通知を受信すれば、サブCPU31のサブ信号検出部32は、信号検出回路23がCI信号を検出しているかどうか判断する。信号検出回路23がCI信号を検出していると判断されれば(ステップS106でYes)、サブ信号検出部32は、メイン制御ユニット11のCPU12に対して省エネルギーモードから通常モードへの復帰リクエストを送信する(ステップS107)。
【0052】
その後、サブCPU31のサブ受信制御部33は、NCU20の着信の鳴動制御を開始する(ステップS108)。具体的には、サブ受信制御部33は、第2鳴動規定回数記憶部35に記憶された鳴動回数分電話機90で着信ベルを鳴動させるために、呼出電圧発生回路25から出力される擬似ベル信号をカウントする。その後、所定の鳴動回数分、電話機90で着信ベルを鳴動させるための擬似ベル信号が呼出電圧発生回路25から出力されれば、Hリレー26を接点a側に切り換えて、電話機90への呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号の出力を停止する制御をする。
【0053】
一方、サブ信号検出部32から省エネルギーモードから通常モードへの復帰リクエストを受信すれば、メイン制御ユニット11のCPU13は、ファクシミリ装置1を通常モードへと復帰させる(ステップS109)。
その後、ファクシミリ装置1が通常モードへと復帰すれば(ステップS111でYes)、CPU15のモード通知部15は、通常モードへの復帰通知をサブ制御ユニット30のサブCPU31へと通知する(ステップS111)。
通常モードへの復帰通知を受信した後、サブ制御ユニット30の結果通知部34は、サブ受信制御部33によるNCU20の着信鳴動部27に対する制御結果をメイン制御ユニット11へと通知する(ステップS112)。
【0054】
また、通常モードへの復帰通知を受信した後は、サブ制御ユニット30によるNCU20の制御は終了し、メイン制御ユニット11によってNCU20が制御される。すなわち、その後電話回線29の回線変化が検出されると(ステップS113でYes)、NCU20は、回線変化の通知をメイン制御ユニット11のCPU12へと通知する(ステップS114)。その後、メイン制御ユニット11がNCU20を制御してファクシミリ受信の処理を実行する(ステップS115)。
【0055】
上記のとおり、メイン制御ユニット11の状態が省エネルギーモード又は省エネルギーモードから通常モードへの復帰中であっても、メイン制御ユニット11に代わってサブ制御ユニット30が着信鳴動部27を制御できる。従って、ファクシミリ装置1において、メイン制御ユニット11の状態に関係なく、着信鳴動部27による着信ベル信号の発生を制御でき、着信ベルが必要以上に鳴動し続けることを防止できる。
【0056】
(5)特徴
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
(A)ファクシミリ装置1は、着信鳴動部27と、CPU12と、サブCPU31とを備える。着信鳴動部27は、公衆回線網を介した着信が検出された場合に着信ベルを鳴動させるための着信ベル信号を出力する。CPU12は、省エネルギーモード又は通常モードで動作し、通常モードで動作している場合にのみ着信鳴動部27を制御する。サブCPU31は、CPU12が省エネルギーモード又は省エネルギーモードから通常モードへの復帰中である場合に着信鳴動部27を制御する。
【0057】
(B)ファクシミリ装置1は、規定された着信ベルの鳴動回数を記憶する鳴動規定回数記憶部100をさらに備える。サブCPU31は、鳴動規定回数記憶部100に記憶された鳴動回数に基づいて着信鳴動部27を制御する。
(C)鳴動規定回数記憶部100は、規定された着信ベルの鳴動回数を記憶する第1鳴動規定回数記憶部18と、規定された着信ベルの鳴動回数を記憶する第2鳴動規定回数記憶部35と、を有している。CPU12は、第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された鳴動回数に基づいて、着信鳴動部27を制御し、サブCPU31は、第2鳴動規定回数記憶部35に記憶された鳴動回数に基づいて、着信鳴動部27を制御する。
(D)着信鳴動部27は、規定された着信ベルの鳴動回数に基づき着信ベル信号を出力する。
【0058】
(E)サブCPU31は、CPU12が通常モードへ復帰した後にサブCPU31による着信鳴動部27に対する制御結果をCPU12に通知する結果通知部34を有する。
(F)サブCPU31は、サブCPU31が着信鳴動部27を制御している間にCPU12が通常モードへ復帰した場合に、CPU12が通常モードへ復帰するまでの着信鳴動部27に対するサブCPU31による制御結果をCPU12に通知する結果通知部34を有する。
【0059】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0060】
(a)上記の例では、鳴動規定回数記憶部100が、メイン制御ユニット11に配置された第1鳴動規定回数記憶部18及びサブ制御ユニット30に配置された第2鳴動規定回数記憶部35を有する例を挙げた。しかし、規定された電話機90の着信ベルの鳴動回数を記憶できる記憶部であれば、鳴動規定回数記憶部100は上記の例に限定されない。例えば、鳴動規定回数記憶部100は、CPU内部にある記憶部から構成されていてもよい。
また、鳴動規定回数記憶部100として、ファクシミリ装置1は、メイン制御ユニット11に配置された第1鳴動規定回数記憶部18のみを有していていてもよい。この場合、サブ制御ユニット30は、第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された鳴動回数に従って着信鳴動部27を制御して電話機90で着信ベルを鳴動させてもよい。
【0061】
(b)結果通知部34は、サブ受信制御部33による擬似ベル信号のカウント回数をメイン制御ユニット11のCPU12へと通知してもよい。
例えば、サブ受信制御部33が呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号のカウントを行っていて着信ベルが鳴動している最中にモード通知部15からファクシミリ装置1の通常モードへの復帰通知を受信する場合がある。この場合、結果通知部34は、それまでの擬似ベル信号のカウント回数をメイン制御ユニット11のCPU12へと通知し、NCU20に対する制御を終了してもよい。
その後、メイン制御ユニット11の受信制御部14によって、引き続き呼出電圧発生回路25からの擬似ベル信号のカウント及び呼出電圧発生回路25から電話機90への擬似ベル信号の出力の停止が制御されてもよい。その結果、第1鳴動規定回数記憶部18に記憶された鳴動回数を超えて着信ベルが鳴動することを防止できる。
【0062】
(c)上記の実施形態では、サブCPU31のサブ信号検出部32がメイン制御ユニット11へ復帰リクエストを送信した後に、サブ受信制御部33がNCU20の制御を開始する例を挙げた。しかし、サブCPU31における復帰リクエストの送信及びNCU20の制御のタイミングはこの例に限定されず、復帰リクエストの送信とNCU20の受信制御の開始は同時のタイミングであってもよい。また、NCU20の受信制御の開始された後に復帰リクエストの送信が実行されてもよい。