(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物
において、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であって、l+mは30〜200の整数である。特に、エラストマー性高分子材料の主原料として用いる場合には、硬化後十分な機械的強度を有する成形物を得るために、l+mは50〜150であることが好ましい。R
1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、分子間水素結合の形成を避けるためには炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特に製造のし易さの点からはメチル基であることが好ましい。
【0014】
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物は、例えば以下のような一連の工程を経て製造することができる。
注) HFPO:ヘキサフルオロプロペンオキシド
HFP:ヘキサフルオロプロペン
【0015】
第二工程の含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物〔II〕とω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕との反応において、R
1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R
2は水素原子またはトリメチルシリル基である。また、ω-ヨードパーフルオロアルキル基 I(CF
2)
n-のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基(-NR
1-)に対してo-、m-またはp-位である。
【0016】
ω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕の具体例としては、2-(6-ドデカフルオロヘキシル)アニリン、2-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)アニリン、3-(6-ドデカフルオロヘキシル)アニリン、3-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)アニリン、4-(6-ドデカフルオロヘキシル)アニリン、4-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)アニリン、2-(6-ドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアニリン、2-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)-N-メチルアニリン、3-(6-ドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアニリン、3-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)-N-メチルアニリン、4-(6-ドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアニリン、4-(8-ヘキサデカフルオロオクチル)-N-メチルアニリンまたはこれらのN-トリメチルシリル誘導体等が挙げられる。
【0017】
ω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕は、一般式
(ここで、R
1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、Xはヨウ素原子または臭素原子である)で表わされる、ハロゲン基がヨウ素基または臭素基であるハロゲノアセトアニリドまたは炭素数1〜3のアルキル基で置換されたそのN-モノアルキル置換体と一般式
で表わされる、炭素数4〜10のパーフルオロアルキレン基を有するω,ω′-ジヨードパーフルオロアルカン化合物とを、銅触媒の存在下でカップリング反応(U11mann反応)させて得られた、一般式
で表わされる化合物を加水分解することによって、ω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III;R
2=H〕を得ることができる。
【0018】
ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕としては、2-ヨードアセトアニリド、2-ヨード-N-メチルアセトアニリド、3-ヨードアセトアニリド、3-ヨード-N-メチルアセトアニリド、4-ヨードアセトアニリド、4-ヨード-N-メチルアセトアニリド、2-ブロモアセトアニリド、2-ブロモ-N-メチルアセトアニリド、3-ブロモアセトアニリド、3-ブロモ-N-メチルアセトアニリド、4-ブロモアセトアニリド、4-ブロモ-N-メチルアセトアニリド等が挙げられる。反応性の面からは、2-ヨードアセトアニリド、2-ヨード-N-メチルアセトアニリド、3-ヨードアセトアニリド、3-ヨード-N-メチルアセトアニリド、4-ヨードアセトアニリド、4-ヨード-N-メチルアセトアニリドが好ましい。
【0019】
ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕との反応に用いられるω,ω′-ジヨードパーフルオロアルカン化合物〔V〕としては、1,4-ジヨードオクタフルオロブタン、1,6-ジヨードドデカフルオロヘキサン、1,8-ジヨードヘキサデカフルオロオクタン、1,10-ジヨードイコサフルオロデカン等が挙げられる。ω,ω′-ジヨードパーフルオロアルカン化合物〔V〕は、ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕に対して1.0〜3.0モル当量用いられる。特に、カップリング反応生成物〔VI〕の収率面から、1.5〜3.0モル当量用いるのが好ましい。
【0020】
この反応に際しては、市販の銅粉、EDTA・2Na水溶液によって活性化された銅粉、硫酸銅と亜鉛粉末から生成したGattermann銅等の銅触媒を用いることができる。銅触媒は、ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕に対して、1.5〜2.5モル当量用いられる。1.5モル当量以下では、ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕の反応率が低下し、結果的にカップリング反応生成物〔VI〕の収率が低下する。一方、2.5モル当量以上では、意図しない反応による副生成物の生成により、カップリング反応生成物〔VI〕の収率が低下する。
【0021】
ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕とω,ω′-ジヨードパーフルオロアルカン化合物〔V〕とのカップリング反応は、非プロトン性極性溶媒中で行われる。用いられる非プロトン性極性溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジグライム等、スルホラン等が挙げられ、特にジメチルスルホキシドが好ましい。反応は約50℃〜200℃、好ましくは約80〜150℃で行われる。なお、このカップリング反応は、銅触媒に加えて、2,2′-ビピリジルのような触媒の存在下で行っても良い。
【0022】
ハロゲノアセトアニリド化合物〔IV〕は、一般式
で表わされるハロゲノアニリン化合物を、氷酢酸または無水酢酸によりアセチル化することによって容易に得ることができる。
【0023】
N-モノアルキルハロゲノアニリン化合物(R
1:炭素数1〜3のアルキル基の場合)は、ハロゲノアニリン化合物を、N-モノアルキル化することによって得られる。モノアルキル化は、ヨウ化アルキル、ジアルキル硫酸等のアルキル化剤により行うことができる。ただし、この反応では生成物がモノアルキル体、ジアルキル体および未反応の原料の混合物となるので、蒸留、液体クロマトグラフィー等によって、反応混合物からモノアルキル体を分離する操作が必要になる。この分離操作において、モノアルキル体をアセチル化した後分離操作を行い、次いで加水分解して、モノアルキル体を単離することもできる。
【0024】
N-モノアルキルアニリン化合物を製造するに際しては、選択的なN-アルキル化反応を用いることが収率面でより好ましい。例えば、非特許文献1または2に記載されているスルホンアミドを経由する方法が挙げられる。具体的には、ハロゲノアニリン化合物(R
1:水素原子の場合)を、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリドまたは2,4-ジニトロベンゼンスルホニルクロリドによりスルホンアミド化した後、ハロゲン化アルキルによりN-モノアルキル化する。次いで、塩基性条件下でチオフェノールまたはメルカプト酢酸を作用させることにより、N-モノアルキルハロゲノアニリン化合物を得ることができる。
【0025】
また、ω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕のR
2基はN-トリメチルシリル基であってもよく、かかるトリメチルシリル誘導体は、該アニリン誘導体〔III;R
2=H〕にトリメチルシリルクロリドまたはヘキサメチルジシラザンを反応させることにより、容易に得ることができる。
【0026】
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物〔I〕は、含フッ素ジカルボン酸フルオリド〔II〕をω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕と反応させることにより得ることができる。
【0027】
含フッ素ジカルボン酸フルオリド〔II〕とω-ヨードパーフルオロアルキル置換アニリン誘導体〔III〕との反応は、ピリジン等の活性水素を有しない塩基性含窒素複素環式化合物またはトリエチルアミン等の3級アミン化合物の存在下で、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等の含フッ素溶媒、またはこれらの含フッ素溶媒と非プロトン性非フッ素系溶媒との混合溶媒中で、-50〜150℃、好ましくは0〜100℃の反応温度で行われる。含フッ素溶媒の具体例としては、HCFC-225、HFE-449(住友3M製品HFE7100)、HFE-569(住友3M製品HFE-7200)、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。非プロトン性非フッ素系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。アニリン化合物〔III〕の溶解性を考慮すると、含フッ素溶媒と非プロトン性非フッ素系溶媒の混合溶媒を用いるのがより好ましい。
【0028】
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物の具体例として、
等が例示される。
【0029】
本発明に係る含フッ素ポリエーテル化合物は、有機過酸化物またはアゾ化合物によって架橋せしめることができる。架橋に際しては、多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
【0030】
有機過酸化物としては、例えば2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、ジ第3ブチルパーオキシド、第3ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、第3ブチルパーオキシベンゼン、1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキシド等が、含フッ素ポリエーテル化合物100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0031】
架橋に際しては、有機過酸化物の代りにアゾ化合物を用いることもできる。アゾ化合物としては、例えば2,2′-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等が、含フッ素ポリエーテル化合物100重量部当り約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0032】
また、多官能性不飽和化合物としては、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート等が、含フッ素ポリエーテル化合物100重量部に対し約1〜20重量部、好ましくは約5〜15重量部の割合で用いられる。
【0033】
含フッ素ポリエーテル化合物の硬化は、これに有機過酸化物またはアゾ化合物、好ましくは有機過酸化物またはアゾ化合物と多官能性不飽和化合物の両者を加え、さらに必要に応じてカーボンブラック、シリカ等の補強剤または充填剤その他を加え、約100〜180℃で約5〜30分間圧縮成形し、必要に応じて約150〜250℃で約5〜24時間程度オーブン加硫することにより行われる。なお、成形は、RIM成形によっても可能である。
【実施例】
【0034】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0035】
参考例1
含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物の調製
攪拌装置、温度センサ、ガス導入口およびドライアイス/エタノール冷却凝縮器を備えた、内容量1Lのガラス製反応容器を低温恒温槽に設置し、ジアルコキシド化合物 CsOCF
2CF(CF
3)OCF
2CF
2OCF(CF
3)CF
2OCs を32ミリモルを含むテトラグライム溶液60gを仕込んだ。内温を-33〜-30℃に調整した後、ガス導入口よりヘキサフルオロプロペンを40g仕込んだ。次に、ヘキサフルオロプロペンオキシドを10g/hr、ヘキサフルオロプロペンを4g/hrの供給速度で反応容器内に仕込んだ。46時間経過後、ガスの供給を停止し(ヘキサフルオロプロペンオキシド総仕込量546g)、さらに1時間-33〜-30℃に内温を保った。減圧下でヘキサフルオロプロペンを反応系内より除去した後、室温までゆっくり昇温した。さらに100℃まで昇温し、減圧下でヘキサフルオロプロペンオリゴマーを反応混合物より除去した。このようにして、フッ化セシウム、テトラグライムおよび含フッ素ジカルボン酸フルオリドからなる混合物を淡黄色粘稠な懸濁液として600g得た。これを精製せずに、次の工程に用いた。
【0036】
また、上記混合物の一部をメタノールによりジエステル体〔A〕とした後、
19F-NMRによりヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度および二官能性比(ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマー〔B〕とのモル分率)を求めた。
ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマー:
s=F
a(-131ppm)ピーク積分値
t=F
b(-133ppm)ピーク積分値
u=F
c(-146ppm)ピーク積分値
注) ケミカルシフトはCFCl
3基準
二官能性比=(t/s-0.5)/(t/s+0.5)=0.79
ヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度=4u/(2t+s)=80
【0037】
参考例2
(1) 4-ヨードアニリン36.9g(169ミリモル)、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド43.0g(194ミリモル)およびピリジン(228ミリモル)を、300mlのクロロホルム中、室温条件下で3時間反応させた。得られた反応溶液に400mlのジクロロメタンを加え、これらの混合物よりなる有機相を水で数回洗浄した。水洗された有機相を硫酸マグネシウムで脱水した後溶媒を留去し、茶色の固体としてN-(4-ヨードフェニル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミドを58.6g得た(収率85%)。
(2) N-(4-ヨードフェニル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド58.6g(145ミリモル)、ヨードメタン25.7g(181ミリモル)および炭酸カリウム100g(725ミリモル)を、300mlのN,N′-ジメチルホルムアミド〔DMF〕中、室温条件下で4時間反応させた。得られた反応溶液に600mlの水を加えた後、水-DMF混合物相についてジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン相を水で数回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した後溶媒を留去し、黄色の固体としてN-(4-ヨードフェニル)-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミドを56.3g得た(収率93%)。
(3) N-(4-ヨードフェニル)-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド10g(24ミリモル)、メルカプト酢酸4.4g(48ミリモル)および水酸化リチウム・一水和物4.0g(96ミリモル)を、80mlのN,N′-ジメチルホルムアミド中、室温条件下で3時間反応させた。得られた反応溶液に300mlの水を加えた後、水-DMF混合物相についてジクロロメタン抽出を行った。ジクロロメタン相を3重量%の炭酸カリウム水溶液で数回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した後溶媒を留去し、茶褐色の液体として4-ヨード-N-メチルアニリンを5.3g得た(収率95%)。
(4) 4-ヨード-N-メチルアニリン7.7g(33ミリモル)、無水酢酸3.9g(38ミリモル)およびピリジン3.0g(38ミリモル)を、室温条件下で1時間反応させた後、反応混合物に水50mlを加え、クロロホルムで生成物を抽出した。反応後通常の後処理を行い、黄色固体8.6gを得た。この黄色固体について、ジエチルエーテル:エタノール=5:1(v/v)混合溶媒を用いて再結晶を行い、黄色の固体として4-ヨード-N-メチルアセトアニリド7.6g(収率84%)を得た。
(5) 4-ヨード-N-メチルアセトアニリド1.80g(6.55ミリモル)、1,6-ジヨードドデカフルオロヘキサン7.26g(13.1ミリモル)、銅粉0.83g(13.1ミリモル)および2,2′-ビピリジル132mg(0.85ミリモル)を、90mlのジメチルスルホキシド中、窒素雰囲気下で、120℃で9時間反応させた。反応終了後、水300mlおよびジクロロメタン200mlを加え、不溶物をろ別した後有機相を分取した。分取した有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、次いでジクロロメタンを留去して、反応混合物を得た。反応混合物について、ジエチルエーテル:ヘキサン=2:1(v/v)混合液を流出液とするカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-300)による分離操作を行い、目的とする4-(6-ヨードドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアセトアニリドを1.84g得た(収率49%)。これをジエチルエーテル:n-ヘキサン=1:1(v/v)混合液で再結晶し、無色の固体として精製物1.58gを得た(収率42%)。
(6) 上記手法に従い計2回合成した4-(6-ヨードドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアセトアニリド2.70gを、濃塩酸30mlおよびメタノール60mlの混合液中、90℃で5時間反応させた。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、ジエチルエーテルで抽出操作を行った。抽出液を硫酸マグネシウムで脱水した後溶媒を留去し、黄色の油状物を2.45g得た。この油状物について、ジクロロメタン:ヘキサン=1:2(v/v)を流出液とするカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-300)による分離操作を行い、目的とする4-(6-ヨードドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアニリンを無色の固体として1.82g得た(収率73%)。
融点
:42〜44℃
1H-NMR(CDCl
3、300MHz)δ(TMS基準):
2.87ppm (singlet、3H、N
b3)
4.05ppm (brs、1H、H
a)
6.61ppm (doublet、2H
c、H
c)
7.36ppm (doublet、2H
d、H
d)
19F-NMR(CDCl
3、300MHz)δ(CFCl
3基準):
-59.7ppm (s、2F、F
f)
-110.3ppm (s、2F、F
a)
-114.1ppm (s、2F、F
e))
-122.1ppm (s、2F、F
b)
-122.4ppm (s、2F、F
c)
-123.1ppm (s、2F、F
d)
IR(neat)γ:
3,420cm
-1
1,610cm
-1
1,150cm
-1
【0038】
実施例
参考例1で得られた、少量のフッ化セシウムおよびテトラグライムを含む含フッ素ジカルボン酸フルオリド(l+m=80)18g(約1.3ミリモル)を、含フッ素系溶媒(住友3M製品HFE-7100)50mlに溶解し、トリエチルアミン0.40g(3.9ミリモル)およびジエチルエーテル10mlを加えた。そこに、参考例2で得られた4-(6-ヨードドデカフルオロヘキシル)-N-メチルアニリン1.8g(3.4ミリモル)を加え、室温条件下で4時間反応を行った。得られた反応混合物を飽和食塩水に加え、分離した有機相を水で数回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。減圧下でろ液から含フッ素系溶媒およびジエチルエーテルを留去した後、得られた粘稠な液体をジエチルエーテルで数回洗浄し、次いで減圧下でジエチルエーテルを完全に留去した。このようにして、含フッ素ポリエーテル化合物
を、僅かに黄色味を帯びた透明な液体として15g得た。E型粘度計(東機産業製TEV-22)により粘度を測定したところ、12Pa・s(25℃)であった。
19F-NMR(ケミカルシフトはCFCl
3基準): -124ppm(F
a)
-147ppm(F
b)
-110ppm(F
c)
-122ppm(F
d~
f)
-110ppm(F
g)
-60ppm(F
h)
1H-NMR(ケミカルシフトはTMS基準): 7.5ppm(H
a)
6.6ppm(H
b)
3.1ppm(H
c)
IR(neat): 1704cm
−1(C=O)
1610cm
−1(Ar)
【0039】
参考例3
実施例で得られた含フッ素ポリエーテル化合物 100重量部
2,2′-アゾビス(イソブチロニトリル) 3重量部
トリアリルイソシアヌレート 12重量部
1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 400重量部
以上の各成分を窒素雰囲気下、室温条件下で10分間混合し、次いで減圧下で揮発性成分を留去した。
【0040】
得られた混合物に、
アセチレンカーボンブラック 13重量部
をプラネタリーミキサを用いて混合し、硬化性組成物を調製した。
【0041】
この硬化性組成物について、モンサントディスクレオメーターを使用して、130℃、30分間の硬化挙動を測定し、次のような結果を得た。
ML 0.4 dN・m
MH 17.9 dN・m
t10 0.6 分
t50 1.3 分
t90 12.9 分
【0042】
さらに、130℃で30分間圧縮成形してP24 Oリングを成形し、次いで100℃、5時間および230℃、10時間のオーブン加硫(二次加硫)を、窒素雰囲気下で行った。これについて、圧縮永久歪(ASTM D395 Method B準拠;200℃、70時間)の測定を行い、30%という値を得た。
【0043】
また、このP24 Oリングのガラス転移温度Tgを、示差走査熱量分析計(SIIナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定すると、-55℃という値が得られた。