(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1熱交換器(20)と、前記第1熱交換器(20)の第1タンク(23)内に収容される第2熱交換器(30)と、前記第1熱交換器(20)の上側又は下側に設けられる第3熱交換器(40)とを備え、前記第1タンク(23)内を流れる第1冷媒と前記第2熱交換器(30)内を流れる第2冷媒とが熱交換し、熱交換された前記第2冷媒が前記第3熱交換器(40)の第3タンク(42)に流入する複合型熱交換器(1)であって、
前記第2熱交換器(30)は、前記第2冷媒が流入する冷媒流入部(37)と、前記第2冷媒が流出する冷媒流出部(38)とを有し、
前記冷媒流入部(37)及び前記冷媒流出部(38)は、前記第1タンク(23)の互いに対向する位置に設けられ、
前記冷媒流出部(38)は、前記第3タンク(42)と接続され、
前記第2熱交換器(30)は、前記第1熱交換器(20)の上側挿入口(23A1)から下方に向かって挿入されることで、前記第1タンク(23)内に収容され、
前記第2熱交換器(30)が収容された前記第1タンク(23)は、前記第3タンク(42)よりも外側に配置され、
前記冷媒流出部(38)は、前記第1熱交換器(20)の下方であって前記第3タンク(42)の外側に形成されたスペース(S)内に配置され、前記第3タンク(42)と連通した中継配管(50)を介して、前記第3タンク(42)と接続され、
前記中継配管(50)は、第1の部位とこの第1の部位よりも長い第2の部位とで「L」字状に形成されており、前記第1の部位の一端がろう付けによって前記第3タンク(42)に接続されており前記第2の部位が前記第1の部位の他端から上方に延出しており、前記第2の部位の上端部が、前記第2熱交換器(30)の下端に露出している前記冷媒流出部(38)に接続されていることを特徴とする複合型熱交換器(1)。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に搭載された複合型熱交換器は、様々な提案がなされている。この種の複合型熱交換器の一例として、
図12〜
図14を参照しながら説明する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12及び
図13に示すように、複合型熱交換器100は、エンジン用冷却水を冷却するメインラジエータ(不図示)と、水冷チャージエアクーラ用の水冷用冷却水を冷却するサブラジエータ110と、サブラジエータ110から流出される水冷用冷却水と空調用冷媒との間で熱交換を行う水冷コンデンサ120と、水冷コンデンサ120から流出される空調用冷媒を冷却する空冷コンデンサ130とを備えている。
【0004】
サブラジエータ110は、空冷コンデンサ130の上方に位置し、冷却風の流れと直交する方向に沿って空冷コンデンサ130とほぼ同一面上に配置されている。水冷コンデンサ120は、サブラジエータ110の流出側タンク111内に設けられている。水冷コンデンサ120は、
図14に示すように、空調用冷媒が流入する冷媒流入部121と、空調用冷媒が流出する冷媒流出部122とを有している。
【0005】
これらの冷媒流入部121及び冷媒流出部122がサブラジエータ110の流出側タンク111に形成された孔部111A,111Bからそれぞれ突出した状態で、冷媒流入部121及び冷媒流出部122に、締結部材(ナットNやワッシャーW、パッキンP等)を介して流入配管121A及び中継配管122Aがそれぞれ取り付けられる。この流入配管121A及び中継配管122Aは、
図12及び
図13に示すように、サブラジエータ110の流出側タンク111から車両幅方向の外側に突出した状態で設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る複合型熱交換器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0019】
(複合型熱交換器の構成)
まず、本実施形態に係る複合型熱交換器1の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る複合型熱交換器1を示す全体斜視図である。
図2は、本実施形態に係る複合型熱交換器1を示す正面図である。
図3は、本実施形態に係る複合型熱交換器1が適用される熱交換システムを示す構成図である。
図4〜
図7は、本実施形態に係るサブラジエータ20の流出側タンク23の近傍を示す図である。
【0020】
図1〜
図3に示すように、複合型熱交換器1は、メインラジエータ10(
図3参照)と、第1熱交換器としてのサブラジエータ20と、サブラジエータ20の第1タンクとしての流出側タンク23内に収容される第2熱交換器としての水冷コンデンサ30と、サブラジエータ20の下側に設けられる第3熱交換器としての空冷コンデンサ40とを備えている。そして、複合型熱交換器1では、流出側タンク23内を流れる第1冷媒としての水冷用冷却水と水冷コンデンサ30内を流れる第2冷媒としての空調用冷媒とが熱交換し、熱交換された空調用冷媒が空冷コンデンサ40の第3タンクとしての流入側タンク42に流入するようになっている。
【0021】
具体的には、メインラジエータ10は、エンジン2のエンジン用冷却水を冷却するものである。メインラジエータ10は、
図3に示すように、モータファン4の冷却風の上流側に設けられている。メインラジエータ10は、その内部をエンジン用冷却水が流れる複数のチューブ(不図示)を有しており、このチューブの外側を流れる冷却風との間で熱交換している。エンジン用冷却水は、ポンプ5によって循環される(
図3参照)。
【0022】
サブラジエータ20は、水冷チャージエアクーラ3(水冷CAC)用の水冷用冷却水を冷却するものである。サブラジエータ20は、
図1〜
図3に示すように、メインラジエータ10の冷却風の上流面側で、且つ、上部分領域に配置されている。サブラジエータ20は、水冷用冷却水が通過してその外側を流れる冷却風との間で熱交換する複数のサブラジチューブ21と、複数のサブラジチューブ21の両側端がそれぞれ連結される一対のサブラジタンク(以下、流入側タンク22及び流出側タンク23)とを備えている。水冷用冷却水は、ポンプ6によって循環される(
図3参照)。
【0023】
流入側タンク22には、水冷用冷却水が流入する流入部22inが形成されている。一方、流出側タンク23は、水冷用冷却水が流出する流出部23outが形成されている。この流出側タンク23は、
図1及び
図2に示すように、空冷コンデンサ40の後述する流入側タンク42よりも外側に配置されている。流出側タンク23には、
図4〜
図7に示すように、水冷コンデンサ30が収容される断面矩形状の収容室23Aが設けられている。
【0024】
収容室23Aの上側には、水冷コンデンサ30を内部に挿入する上側挿入口23A1が設けられている。
図5〜
図7に示すように、上側挿入口23A1の周縁には、水冷コンデンサ30の後述するOリング34が配置される段差部23Bが形成されている。また、上側挿入口23A1の周囲には、水冷コンデンサ30の後述するキャップ36が取り付けられる取付部23Tが設けられている。この取付部23Tには、水冷コンデンサ30の後述するキャップ36の回転をロック位置までガイドするガイド部23Cが設けられている。
【0025】
収容室23Aの下側には、上側挿入口23A1と対向する位置に形成された下側開口部23A2が設けられている。下側開口部23A2は、円筒状の筒部によって形成され、水冷コンデンサ30の後述する冷媒流出部38が挿入される。
【0026】
水冷コンデンサ30は、サブラジエータ20から流出される水冷用冷却水と空調用冷媒との間で熱交換を行うものである。水冷コンデンサ30は、
図4〜
図7に示すように、サブラジエータ20の流出側タンク23内に収容され、この水冷コンデンサ30及び空冷コンデンサ40は、水冷コンデンサ30を上流として冷凍サイクル内に直列に接続されている。水冷コンデンサ30の詳細については、後述する。
【0027】
空冷コンデンサ40は、水冷コンデンサ30から流出される空調用冷媒を冷却するものである。空冷コンデンサ40は、
図1〜
図3に示すように、メインラジエータ10の冷却風の上流面側で、且つ、サブラジエータ20の下側の下部分領域に配置されている。空冷コンデンサ40は、冷却風の流れと直交する方向に沿ってサブラジエータ20とほぼ同一面上に配置されている。空冷コンデンサ40は、空調用冷媒が通過してその外側を流れる冷却風との間で熱交換する空冷チューブ41と、空冷チューブ41の両側端がそれぞれ連結される空冷タンク(以下、流入側タンク42及び流出側タンク43)とを備えている。
【0028】
流入側タンク42は、
図1及び
図2に示すように、サブラジエータ20の流出側タンク23よりも内側に配置されている。つまり、流入側タンク42の外側で且つサブラジエータ20の下側には、下側開口部23A2が配置可能なスペースSが設けられている。
【0029】
流入側タンク42には、空冷コンデンサ40で熱交換される前の空調用冷媒が流入する流入部42Aと、空冷コンデンサ40で熱交換された後の空調用冷媒が流出する流出部42Bとが形成されている。流入部42A及び流出部42Bは、互いに離間した位置に設けられ、流入部42Aが流入側タンク42の上側で流出部42Bが流入側タンク42の下側に設けられている。流入部42Aには、流入側タンク42と連通した中継配管50が接続されている(
図1〜
図2及び
図8参照)。中継配管50の一端は、水冷コンデンサ30の後述する冷媒流出部38と接続され、中継配管50の他端は、流入側タンク42にロウ付けされている。
【0030】
また、流出側タンク43の側部には、空冷コンデンサ40の上部領域を流れた空調用冷媒が滞留するリキッドタンク60(滞留部)が設けられている(
図1及び
図2)。つまり、リキッドタンク60は、空調用冷媒が流入する流入側タンク42と反対側に設けられた流出側タンク43に接続されている。このリキッドタンク60内の空調用冷媒は、空冷コンデンサ40の下部領域を通過して流出部42Bから流出する。
【0031】
(水冷コンデンサの構成)
次に、上述した水冷コンデンサ30の構成について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る水冷コンデンサ30を示す分解斜視図である。
【0032】
図9に示すように、水冷コンデンサ30は、複数の水冷チューブ31と、一対の水冷タンク32,33と、Oリング34と、円盤状のシーリングプレート35と、キャップ36と、冷媒流入部37と、冷媒流出部38と、2つの軸シール39とを備えている。
【0033】
各水冷チューブ31は、内部を通過する空調用冷媒と、その外側の流出側タンク23を通過する水冷用冷却水との間で熱交換する。各水冷チューブ31は、一対の水冷タンク32,33の間に設けられている。各水冷チューブ31は、例えば押し出し成形によって形成されている。
【0034】
各水冷タンク32,33には、各水冷チューブ31の両端がそれぞれ連結されている。各水冷タンク32,33は、各水冷チューブ31の両端が嵌合する嵌合孔32A1,33A1が形成された内側プレート32A,33Aと、各内側プレート32A,33Aに装着されて空調用冷媒が通過可能な冷媒通過部32B1,33B1が形成された外側プレート32B,33Bとによって構成されている。
【0035】
Oリング34は、流出側タンク23の上面に形成された段差部23B(
図5〜
図7参照)に配置される。このOリング34の上側には、シーリングプレート35が配置される。
【0036】
シーリングプレート35は、Oリング34の上側で且つ流出側タンク23の上側挿入口23A1の周縁に当接して上側挿入口23A1を塞ぐことで、流出側タンク23内を通過する水冷用冷却水の流出を防止している。シーリングプレート35には、空調用冷媒が通過する冷媒通過孔35Aと、キャップ36側に向かって突出して円周方向に沿ったビード部35Bとが設けられている。このようなシーリングプレート35をOリング34に向かって押し付けるように、流出側タンク23の上面にキャップ36が装着される。
【0037】
キャップ36は、流出側タンク23の上部の外周面に形成されたガイド部23C(
図5及び
図6参照)に沿って回転してロック位置でロックされる爪部36Aを有している。キャップ36は、流出側タンク23に装着されることで、水冷コンデンサ30を流出側タンク23に固定している。
【0038】
冷媒流入部37及び冷媒流出部38は、水冷タンク32,33にそれぞれ固定されており、流出側タンク23の互いに対向する位置(上面及び下面)に設けられている。
【0039】
具体的には、冷媒流入部37は、水冷コンデンサ30へ空調用冷媒が流入する入口となっており、シーリングプレート35を挟んで上側の外側プレート32B(冷媒通過部32B1の周面)と固定される。そして、この冷媒流入部37及び上述した水冷タンク32が設けられた水冷コンデンサ30の一側(上側)は、上側挿入口23A1の位置で固定され、冷媒流入部37が上側挿入口23A1の外部に露出されている。
【0040】
一方、冷媒流出部38は、水冷コンデンサ30へ空調用冷媒が流出する出口となっており、下側の外側プレート33B(冷媒通過部33B1の周面)と固定される。冷媒流出部38は、円筒状の筒部によって形成されており、サブラジエータ20の流出側タンク23における円筒状の下側開口部23A2の内周に配置される。そして、この冷媒流出部38及び上述した水冷タンク33が設けられた水冷コンデンサ30の他側(下側)は、上側挿入口23A1と異なる下側開口部23A2の位置で固定され、冷媒流出部38が下側開口部23A2の外部に露出されている。この露出された冷媒流出部38は、中継配管50を介して流入側タンク42に接続されている。
【0041】
このような冷媒流出部38の外周には、軸シール39が挿入される軸シール溝38Aが形成されている。冷媒流出部38は、下側開口部23A2内に挿入されて支持されるようになっており、スペースS(
図2参照)に配置される。
【0042】
軸シール39は、冷媒流出部38の軸シール溝38Aに挿入されることによって、冷媒流出部38が下側開口部23A2内を貫通した状態で下側開口部23A2の外周と下側開口部23A2の内周との間に介在されている。
【0043】
(冷媒の流れ)
次に、上述した複合型熱交換器1での各冷媒の流れについて、
図3を参照しながら説明する。
【0044】
図3に示すように、エンジン2に供給する空気(吸気)は、排気を利用してターボ部7で圧縮されて高温になる。このため、この高温の圧縮された空気(吸気)は、水冷チャージエアクーラ3によって冷却されている。これにより、エンジン2に供給される空気(吸気)の密度が向上されて、エンジン2の燃焼効率が向上する。
【0045】
そして、水冷チャージエアクーラ3は、エンジン2に供給される空気(吸気)と冷却水の間で熱交換し、該エンジン2に供給される空気(吸気)を冷却している。水冷チャージエアクーラ3内の水冷用冷却水は、サブラジエータ20内を循環しており、流出側タンク23内で水冷コンデンサ30を通過する空調用冷媒との熱交換を行なった後、水冷チャージエアクーラ3に流入するようになっている。
【0046】
一方、冷凍サイクルの圧縮機(コンプレッサ)8によって高温高圧とされた空調用冷媒は、まず、水冷コンデンサ30に流入し、その後、空冷コンデンサ40へ流出する。そして、空冷コンデンサ40へ流入した空調用冷媒は、空冷コンデンサ40の上半領域及びリキッドタンク60を通過した後、空冷コンデンサ40の下半領域を通過して流出部42Bから流出するようになっている。
【0047】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態では、水冷コンデンサ30の冷媒流入部37及び冷媒流出部38がサブラジエータ20の流出側タンク23の互いに対向する位置に設けられ、冷媒流出部38が流入側タンク42に接続される。これにより、冷媒流入部37及び冷媒流出部38がサブラジエータ20の車両幅方向の外側に突出することなく、冷媒流入部37及び冷媒流出部38(特に、冷媒流入部37に接続される流入配管(不図示)及び冷媒流出部38に接続される中継配管50)のレイアウト性が向上する。その上、従来の複合型熱交換器と比べて、冷媒流出部38に接続される中継配管50の経路を短くでき、中継配管50の形状を簡素化できる。
【0048】
ところで、複合型熱交換器1は、エンジンルームの限られた設置領域Y(
図2参照)内に配置する必要がある。上述したように、冷媒流入部37及び冷媒流出部38がサブラジエータ20の車両幅方向の外側に突出しないため、流出側タンク23から突出した流出部23outを設置領域Y(
図2参照)の外部に確保さえできれば、サブラジエータ20のサブラジチューブ21における熱交換領域X(
図2参照)を広げることも可能となる。なお、流出部23outは、必ずしも流出側タンク23の側壁に設けられる必要はなく、流出側タンク23の上面や底面に設けられていてもよく、この場合、サブラジチューブ21における熱交換領域X(
図2参照)を確実に広げることができる。
【0049】
また、通常、サブラジエータ20の流出側タンク23は、水冷コンデンサ30が設けられるため、空冷コンデンサ40の流入側タンク42よりも大きい。すなわち、流出側タンク23は、流入側タンク42よりも外側に配置されている。このため、サブラジエータ20の流出側タンク23の下側のスペースSに、水冷コンデンサ30の冷媒流出部38や中継配管50を配置することで、当該スペースSを有効に利用できる。
【0050】
本実施形態では、リキッドタンク60は、空調用冷媒が流入する流入側タンク42と反対側に設けられている。これにより、水冷コンデンサ30が設けられた流出側タンク23の反対側のスペースを有効に利用でき、エンジンルームの限られた容積の中でのレイアウト性が向上する。
【0051】
本実施形態では、空冷コンデンサ40の流入側タンク42に設けられた流入部42A及び流出部42Bは、互いに離間した位置に設けられている。このため、空冷コンデンサ40の下部領域を通過して空冷コンデンサ40の流出部42Bから流出される空調用冷媒(既に冷却された冷媒)が、流入部42Aから流入されて空冷コンデンサ40の上部領域を通過する空調用冷媒(未だ冷却されてない冷媒)の温度影響を受け難く、空調用冷媒の熱交換をより効率的に行うことができる。
【0052】
本実施形態では、第2熱交換器が水冷コンデンサ30であることで、空冷コンデンサ40に流入する前の空調用冷媒を予備冷却でき、空冷コンデンサ40のコンパクト化に寄与する。
【0053】
本実施形態では、中継配管50は、流入側タンク42にロウ付けされることで、従来のような中継配管50を流入側タンク42に取り付ける必要がなくなり、複合型熱交換器1の組立作業が軽減する。
【0054】
(変更例)
次に、上述した実施形態に係る空冷コンデンサ40の流入側タンク42の変更例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態に係る空冷コンデンサ40と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0055】
(変更例1)
まず、変更例1に係る空冷コンデンサ40の構成について、図面を参照しながら説明する。
図10は、変更例1に係るサブラジエータ20の流出側タンク23及び空冷コンデンサ40の流入側タンク42の近傍を示す図である。
【0056】
変更例1では、上述した実施形態の流入側タンク42の構成が異なっている。具体的には、
図10に示すように、流入側タンク42には、中継配管50と接続されるコネクタ部70(配管連結部)が設けられている。コネクタ部70の内部には、一端が上面に開口されて他端が流入側タンク42に開口される内部流路71が形成されている。コネクタ部70は、流入側タンク42とロウ付けによって一体に形成されていてもよく、加締め等の固定手段によって流入側タンク42に固定されるものであってもよい。
【0057】
以上説明した変更例1では、上述した実施形態と同様の作用・効果に加えて、流入側タンク42にコネクタ部70が設けられることによって、中継配管50を直線状に形成することができ、中継配管50の形状をより簡素化できる。
【0058】
ここで、変更例1では、コネクタ部70には、中継配管50が連結されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、水冷コンデンサ30の冷媒流出部38が直接連結されるものであってもよい。
【0059】
(変更例2)
次に、変更例2に係る空冷コンデンサ40の構成について、図面を参照しながら説明する。
図11は、変更例2に係るサブラジエータ20の流出側タンク23及び空冷コンデンサ40の流入側タンク42の近傍を示す図である。
【0060】
変更例2では、変更例1と同様に、上述した実施形態の流入側タンク42の構成が異なっている。具体的には、
図11に示すように、冷媒流出部38は、上述した実施形態の中継配管50や変更例1で説明したコネクタ部70を経由せずに、流入側タンク42に直接連結されている。ここで、冷媒流出部38が直接挿入される孔部(不図示)の周囲には、空調用冷媒の流出を防止するためにシール部材等が設けられていてもよい。
【0061】
以上説明した変更例2では、上述した実施形態と同様の作用・効果に加えて、流入側タンク42に直接連結されることによって、上述した実施形態の中継配管50や変更例1で説明したコネクタ部70が不要となる。
【0062】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0063】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、サブラジエータ20及び空冷コンデンサ40は、冷却風の流れと直交する方向に沿ってほぼ同一面上に配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、多少ずれた位置に配置されていてもよい。
【0064】
また、サブラジエータ20が空冷コンデンサ40の上側に配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、空冷コンデンサ40がサブラジエータ20の上側に配置されるものであってもよい。
【0065】
また、サブラジエータ20は、水冷チャージエアクーラ3用の水冷用冷却水を冷却するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、車両に搭載された各種電子機器に用いられる冷媒(例えば、インバーター等に用いられる冷却水)を冷却するものであってもよい。
【0066】
また、第2熱交換器としては、水冷コンデンサ30であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、オイルクーラなどであってもよい。
【0067】
また、水冷コンデンサ30は、サブラジエータ20の流出側タンク23内に収容されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、サブラジエータ20の流入側タンク22内に収容されるものであってもよい。すなわち、水冷コンデンサ30は、サブラジエータ20の流入側タンク22に流入される水冷用冷却水と空調用冷媒との間で熱交換を行うものであってもよい。
【0068】
また、水冷コンデンサ30は、サブラジエータ20の流出側タンク23における上側挿入口23A1から挿入されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、設計の変更等により流出側タンク23の下側から挿入されるものであってもよい。
【0069】
さらに、水冷チューブ31は、押し出し成形によって形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、押し出し成形以外の方法によって形成されていてもよく、例えば、インナーフィンチューブや、冷媒通路を有するチューブ、管体などであってもよい。
【0070】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。