(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を回胴式遊技機に適用した実施例について説明する。
【0020】
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、本実施例の回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す正面図である。
図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域(2ma,2mb)と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
【0021】
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカー14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカー14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
【0022】
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、遊技機1の内部に回転可能に設けられた3つの回胴20a,20b,20cを視認可能となっている。後述するように各回胴の外周面には複数種類の図柄が描かれており、本実施例の表示窓20の大きさは、各回胴あたり図柄が3つずつ表示される大きさに設定されている。従って、3つの回胴20a,20b,20bが停止すると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が停止表示される。そして、表示窓20内には、これら9つの図柄が停止表示される位置に複数本の入賞ラインが設定されている。
図1に示した例では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上向きの入賞ラインL4と、右斜め下向きの入賞ラインL5の合計5本の入賞ラインが設定されている。また、表示窓20の左右および下方には、遊技機1の種々の状態を表示する各種の表示パネル22が設けられている。
【0023】
前面扉2の中段下部に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面には、遊技メダルを投入するための投入口30や、投入ボタン34などが設けられている。図示は省略するが遊技機1の内部には、投入口30から投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106や、遊技メダルを受け入れるホッパーが設けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダルを主に寸法に基づいて選別する機能を有しており、規格寸法に適合した遊技メダルだけがホッパー内に受け入れられる。さらにメダルセレクタ106にはメダルセンサが内蔵されており、遊技メダルが通過するとメダルセンサによって検出される。また、遊技者は、投入ボタン34を押すことにより、クレジットとして貯留されている遊技メダルを、1回の遊技に要する枚数だけ投入(ベット)することができる。尚、遊技メダルの貯留とは、投入口30から遊技機1に投入された遊技メダルの枚数が規定数(1回の遊技に要する遊技メダル枚数の上限)を超えた場合に、その超えた分をデータとして記憶しておくこと、あるいは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの払出枚数をデータとして記憶しておくことをいう。
【0024】
また、操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36や、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。尚、本実施例の回胴停止ボタン38a,38b,38cは、本発明の「停止操作部」に相当している。
【0025】
加えて、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられている。精算ボタン40は、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。遊技メダルの投入後も、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cの回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作することによって払い出すことが可能である。
【0026】
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50や、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
【0027】
図2は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴の外周面は21コマの領域に区画されており、各コマに図柄が描かれている。また、何れの回胴についても、描かれている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴毎に異なる配列に設定されている。
【0028】
A−2.電気的構成 :
図3は、本実施例の遊技機1の電気的構成を示す説明図である。
図3に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。これら各種制御基板および基板は、遊技機1の内部に搭載されている。
【0029】
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行制御を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されている。主制御基板200のCPU201は、扉基板240から、スタートレバー36や回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
【0030】
サブ制御基板220は、演出の制御を司る基板であり、CPU221や、ROM222、RAM223に加えて、演出用のデータを記憶する演出ROM224などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、スピーカー14、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで、回胴バックライト20Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄(
図2参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づいて、各種ランプ類12、スピーカー14、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を送信することにより、各種の演出を行っている。
【0031】
扉基板240には、メダルセレクタ106や、投入ボタン34、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、精算ボタン40、各種の表示パネル22などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、スタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、投入ボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に送られるようになっている。また、メダルセレクタ106に内蔵のメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に送られる。
【0032】
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モーター24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モーター24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを所望の位置で停止させることが可能となっている。尚、本実施例の遊技機1では、回胴モーター24a,24b,24cとして、いわゆるステッピングモーターが使用されている。
【0033】
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、遊技メダルを払い出す動作を行う。
【0034】
これら各種制御基板および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。
図3では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。また、電源基板280には、遊技機1の内部に設けられた電源スイッチ120sが接続されており、遊技ホールの管理者が前面扉2を開けて電源スイッチ120sを操作すると、遊技機1に電源が入る。
【0035】
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、遊技機1で行われる遊技の概要を説明しておく。
【0036】
遊技を開始するにあたっては、投入口30に遊技メダルを入れて、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルの投入(ベット)を行う。本実施例の遊技機1では、規定数が「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルを投入すれば、スタートレバー36の操作が有効化される。また、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留(記憶)されている場合は、投入ボタン34を押すことによって3枚の遊技メダルを投入することも可能である。
【0037】
規定数の遊技メダルを投入して、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。
図2を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、
図1を用いて前述したように、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると、操作された回胴停止ボタンに対応する回胴が回転を停止する。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、表示窓20に設定された入賞ライン(L1〜L5)上には、何らかの図柄組合せが得られる。このとき、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役が成立して、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
【0038】
図4は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役を成立させる図柄組合せ、および遊技役が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。
図4では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄には遊技役を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には遊技役が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上部に示した再遊技役と呼ばれる遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せと、「赤7」の図柄で揃った図柄組合せとが設定されている。以下では、「リプレイ」の図柄組合せが対応付けられた再遊技役を「再遊技役A」と表記し、「赤7」の図柄組合せが対応付けられた再遊技役を「再遊技役B」と表記して区別する。これら再遊技役の成立(再遊技役に対応付けられた図柄組合せが揃うこと)に対する特典としては、新たな遊技メダルを投入することなく、もう一度、遊技を行う権利が付与される。すなわち、再遊技役が成立した遊技の次の遊技では、遊技メダルが投入されたものとして、遊技を行うことが可能となる。
【0039】
また、ベル役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、ベル役の成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に付与されるように設定されている。次に、スイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、このスイカ役の成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に付与されるように設定されている。さらに、チェリー役という遊技役には、左回胴20aが「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが付与されるように設定されている。
【0040】
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止したときに、
図4に示した何れかの遊技役が必ず成立するとは限らない。何れの遊技役も成立していない場合は、再び規定数の遊技メダルを投入した後、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cを回転させることによって、次の遊技を行う。
【0041】
C.第1実施例の遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図5および
図6は、第1実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理である。
【0042】
図5に示すように、遊技制御処理を開始すると、先ず初めに投入操作確認処理を行う(S102)。投入操作確認処理では、規定数の遊技メダルが投入(ベット)されたか否かを判断して、規定数の遊技メダルが投入された場合には、スタートレバー36の操作を有効化する処理を行う。前述したように主制御基板200のCPU201は、メダルセレクタ106に内蔵されたメダルセンサの検出信号や、投入ボタン34の操作信号に基づいて、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを判断することができる。尚、投入ボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルを投入した場合には、遊技メダルの貯留数から規定数を減算する処理も同時に行われる。
【0043】
投入操作確認処理でスタートレバー36の操作を有効化したら、次に、精算ボタン40が操作されたか否かの確認を行う(S104)。スタートレバー36の操作が検出される前であれば、投入した遊技メダルも含めてメダルを精算することが可能となっている。そして、精算ボタン40が操作された場合には(S104:yes)、精算処理を行うことにより、データとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す(S106)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200のCPU201からメダル払出装置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を送信することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態(S102)に戻って、以降の処理を行う。
【0044】
一方、精算ボタン40が操作されていない場合は(S104:no)、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S108)。前述したように、主制御基板200のCPU201は、スタートレバー36の操作信号に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判断することができる。スタートレバー36が操作されていない場合は(S108:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S104)、スタートレバー36が操作されるまで待機する。そして、スタートレバー36が操作された場合は(S108:yes)、内部抽選処理を開始する(S110)。
【0045】
内部抽選処理では、
図4を用いて前述した遊技役の中から成立を許容する遊技役(当選役)を、抽選によって決定する処理を行う。但し、この抽選で何れかの遊技役に当選した(成立が許容された)としても、直ちに遊技役が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ遊技役を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役でなければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えることはできないようになっている。そうした意味で、この抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」と呼ばれている。また、内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(あるいは単に、内部当選)と呼ばれている。
【0046】
この内部抽選は、役抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われており、抽選テーブルには、遊技役と内部抽選用乱数値との対応関係が設定されている。ここで、内部抽選用乱数値とは、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受け取った際に取得する乱数の値である。内部抽選用乱数値を2バイトデータとすれば、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。尚、この抽選用の乱数値は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもできるし、乱数発生用のプログラムを用いてソフトウェア的に生成することも可能である。
【0047】
図7は、役抽選テーブルの例を概念的に示した説明図である。
図7(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数値の範囲が示されている。また、
図7(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数値の範囲の大まかな比率が模式的に示されている。図示した役抽選テーブルでは、「ベル役」に対しては0〜19999の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、ベル役に内部当選することを表している。
【0048】
また、「スイカ役」に対しては20000〜21999の乱数値が設定され、「チェリー役」には22000〜23999の乱数値が設定されている。さらに、「再遊技役A」には24000〜43999の乱数値が設定され、「再遊技役B」には24000〜28999の乱数値が設定されている。尚、44000〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
【0049】
ここで、24000〜28999の乱数値に注目すると、「再遊技役A」および「再遊技役B」の2つの遊技役が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、2つの遊技役に重複して内部当選することを表しており、「再遊技役B」に内部当選する場合は「再遊技役A」にも内部当選する。また、本実施例の遊技機1では、再遊技役Bに内部当選した場合に、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cを、最初に右側の回胴停止ボタン(右停止ボタン)38c、2番目に中央の回胴停止ボタン(中停止ボタン)38b、3番目に左側の回胴停止ボタン(左停止ボタン)38aの操作順序(以下、このような操作順序を「右→中→左」と表記する)で操作すると、「赤7」の図柄を揃えて再遊技役Bを成立させることが可能であるものの、それ以外の操作順序では、「リプレイ」の図柄が揃い重複当選の再遊技役Aが成立するようになっている。
【0050】
また、本実施例の遊技機1では、「ベル役」がベル役A〜ベル役Dの4種類で構成されており、対応付けられている図柄組合せ(3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せ)は共通であるものの、内部当選は個別に判定される。
【0051】
図8は、ベル役に対して設定された乱数値の詳細な割り当てを示した説明図である。前述したようにベル役に対しては0〜19999の乱数値が設定されており、このうち0〜4999の乱数値を取得した場合はベル役Aに内部当選する。同様に、5000〜9999の乱数値を取得した場合はベル役Bに内部当選し、10000〜14999の乱数値を取得した場合はベル役Cに内部当選し、15000〜19999の乱数値を取得した場合はベル役Dに内部当選する。
【0052】
さらに、第1実施例の遊技機1では、4種類のベル役(A〜D)に、それぞれ異なる回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序が予め対応付けられており、4種類のベル役の何れかに内部当選したとしても、内部当選したベル役に対応する操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作しない限り、ベル役の図柄組合せが入賞ライン上に揃わない(ベル役が成立しない)ようになっている。
図8には、4種類のベル役の各々に対応する操作順序が合わせて示されており、ベル役Aに対しては、「中→左→右」の操作順序が設定されている。同様に、ベル役Bに対しては「中→右→左」の操作順序が設定されており、ベル役Cに対しては「右→左→中」の操作順序が設定されており、ベル役Dに対しては「右→中→左」の操作順序が設定されている。このようにベル役A〜Dには、左停止ボタン38a以外の回胴停止ボタンから始まる操作順序が互いに異ならせて設定されている。
【0053】
内部抽選処理(
図5のS110)では、以上のように、スタートレバー36が操作された際に取得した内部抽選用乱数値と、抽選テーブルとを参照することによって、何れの遊技役に内部当選したか、若しくはハズレであるかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、内部当選した遊技役に対応する内部当選フラグをONに設定する。ここで、内部当選フラグとは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスには、
図4に示した遊技役の各々に対応する内部当選フラグが設定されている。尚、内部抽選の結果が「ハズレ」である場合には、何れの内部当選フラグもONに設定されることはない。
【0054】
内部抽選処理(S110)を終了すると、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S112)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S110)で行われた内部抽選の結果を示す情報(何れかの遊技役に内部当選したか、若しくはハズレであるかの情報や、内部当選した遊技役の種類の情報など)が含まれている。
【0055】
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信すると(S112)、回胴回転始動処理を実行する(S114)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満たされているか否かを判断して、条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の遊技機1では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始させることとして、各回胴20a,20b,20cにそれぞれ設けられた回胴モーター24a,24b,24cに対して駆動信号を送信することにより、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる。
【0056】
こうして3つの回胴20a,20b,20cの回転を開始したら、主制御基板200のCPU201は、回胴20a,20b,20cの回転を停止させるための処理(回胴停止制御処理)を行う(S120)。回胴停止制御処理の詳細については後述するが、この処理では、先に行われた内部抽選の結果(S110)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作が行われたタイミングおよび操作順序に基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で回胴を停止させる処理を行う。
【0057】
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると、その停止位置に基づいて何れかの遊技役が成立したか否かを判断する(S130)。ここで、「遊技役が成立する」とは、遊技役に対応する図柄組合せ(
図4参照)が入賞ライン(L1〜L5)に揃って停止表示されることをいう。前述したように、内部抽選処理(S110)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作が行われるタイミングや操作順序によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200のCPU201は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役が成立しているか否かを判断する。
【0058】
S130の判断の結果、何れの遊技役も成立していない場合は(S130:no)、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S132)。遊技終了コマンドは、1回の遊技が終了したことを示すコマンドである。そして、遊技終了コマンドを送信したら遊技制御処理の先頭に戻って、投入操作確認処理(S102)以降の上述の処理を行う。
【0059】
尚、先の内部抽選処理(S110)で何れかの遊技役に内部当選しても、その遊技で当選した遊技役を成立させることができなければ、内部当選が次回の遊技に持ち越されることはなくリセットされてしまう。
【0060】
一方、S130の判断の結果、何れかの遊技役が成立したと判断された場合は(S130:yes)、再遊技役が成立したか否かを判断する(S140)。そして、再遊技役が成立した場合は(S140:yes)、再遊技フラグをONに設定する(S142)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役が成立したことを記憶しておくためのフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。再遊技フラグがONに設定された状態で遊技制御処理の先頭に戻ると、次回の投入操作確認処理(
図5のS102)では、遊技者によって遊技メダルが投入されなくてもスタートレバー36の操作が有効化される。尚、再遊技フラグは、次回の遊技でスタートレバー36の操作が有効化された際にOFFに設定される。
【0061】
再遊技フラグをONに設定したら、成立した再遊技役が「再遊技役B」であるか否かを判断する(S144)。前述したように再遊技役として、「リプレイ」の図柄が揃って成立する再遊技役Aと、「赤7」の図柄が揃って成立する再遊技役Bとが設けられており、このうち、再遊技役Bが成立した場合は(S144:yes)、再遊技役Bの成立を示すコマンド(再遊技役B成立コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S146)。これに対して、再遊技役Aが成立した場合は(S144:no)、再遊技役B成立コマンドを送信することなく、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信すると(S132)、遊技制御処理の先頭に戻って、投入操作確認処理(
図5のS102)以降の上述した処理を行う。
【0062】
一方、S140の判断において、再遊技役が成立していない場合は(S140:no)、成立した遊技役は、遊技メダルが付与される遊技役(いわゆる小役)の何れかであると判断される。そこで、成立した小役に応じて遊技メダルを付与する処理を行う(S150)。すなわち、成立した遊技役がベル役であれば15枚の遊技メダルを付与し、スイカ役であれば10枚の遊技メダルを付与し、チェリー役であれば2枚の遊技メダルを付与する処理を行う。この処理は、主制御基板200のCPU201が払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、メダル払出装置118に対して制御信号を送信することによって行われる。こうして遊技メダルを付与したら、遊技制御処理の先頭に戻り、投入操作確認処理(
図5のS102)以降の上述した処理を行う。
【0063】
C−2.回胴停止制御処理 :
図9は、遊技制御処理の中で実行される回胴停止制御処理を示すフローチャートである。尚、回胴停止制御処理を実行する第1実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「停止制御手段」に相当している。回胴停止制御処理を開始すると、先ず初めに回胴20a,20b,20cの回転速度が所定値に達したか否かを判断する(S200)。回胴20a,20b,20cが回転を開始した直後は、回転速度が上昇中であり、未だ回転速度が所定値に達していないと判断されるので(S200:no)、回転速度が所定値に達するまで、判断を繰り返しながら待機状態となる。そして、回転速度が所定値に達したと判断すると(S200:yes)、以下に説明するオンエッジ検知処理(S202)を開始する。
【0064】
図10は、第1実施例のオンエッジ検知処理を示すフローチャートである。オンエッジ検知処理を開始すると、先ず初めに左停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S220)。停止操作済フラグとは、回胴を停止させるために操作が既に行われたことを示すフラグであり、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれに対応してフラグが設けられている。また、第1実施例の遊技機1では、回胴停止ボタン38a,38b,38cの非操作状態から操作状態への変化(オンエッジ)が検知されたことに基づいて、その検知された回胴停止ボタンに対応する回胴を停止させるようになっている。そして、左回胴20aに対応する左停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S220:no)、左停止ボタン38aのオンエッジが検知されたか否かを判断する(S222)。
【0065】
図11は、回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作によって主制御基板200に供給される操作信号を示したタイミングチャートである。回胴停止ボタン38a,38b,38cを遊技者が押すと、操作信号がOFF状態(非操作状態)からON状態(操作状態)に切り換わり、オンエッジが検知される。また、第1実施例の遊技機1では、何れかの回胴停止ボタンがON状態であっても、他の回胴停止ボタンのオンエッジが検知可能となっている。例えば、
図11に示したように、左停止ボタン38aを押したまま、中停止ボタン38bを押すと、操作信号がOFF状態からON状態に切り換わって、中停止ボタン38bのオンエッジが検知される。さらに続けて右停止ボタン38cを押すと、右停止ボタン38cのオンエッジが検知される。
【0066】
また、遊技者が押していた回胴停止ボタンを離すと、操作信号がON状態からOFF状態に切り換わり、オフエッジが検知される。何れの回胴停止ボタンについても、他の回胴停止ボタンがON状態であるかOFF状態であるかに拘らずオフエッジが検知可能となっている。また、オフエッジの検知は、オンエッジが検知された順序とは独立して行われる。
図11に示した例のように、回胴停止ボタン38a,38b,38cを「左→中→右」の順序で押して、そのまま押し続け、最初に右停止ボタン38cを離すと、操作信号がON状態からOFF状態に切り換わって、右停止ボタン38cのオフエッジが検知される。次に左停止ボタン38aを離すと、左停止ボタン38aのオフエッジが検知され、最後に中停止ボタン38bを離すと、中停止ボタン38bのオフエッジが検知される。
【0067】
尚、第1実施例の遊技機1では、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと操作信号がOFF状態からON状態に切り換わり、離すと操作信号がON状態からOFF状態に切り換わるようになっているが、これとは逆に、押すと操作信号がON状態からOFF状態に切り換わり、離すと操作信号がOFF状態からON状態に切り換わるようにしてもよい。この場合でも、操作信号のON状態とOFF状態とが切り換わることに基づいて、回胴停止ボタン38a,38b,38cの非操作状態から操作状態への変化、あるいは操作状態から非操作状態への変化を検知可能である。
【0068】
図10のS222の判断の結果、左停止ボタン38aのオンエッジが検知された場合は(S222:yes)、左停止操作済フラグをONに設定する(S224)。そして、左停止ボタン38aのオンエッジが検知された時点での左回胴20aの回転位置に基づいて、左回胴20aの停止位置を決定する(S226)。第1実施例の遊技機1では、回胴の停止位置を、回胴停止ボタンのオンエッジの検知時における回転位置から図柄にして4コマ分回胴が回転する範囲(オンエッジの検知から190msecの間に回胴が回転する範囲)以内で決定するようになっている。
【0069】
ここで、回胴の停止位置を決定するに際しては、先に行われた内部抽選の結果が参照され、内部当選していない遊技役については、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを押しても、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃わないように各回胴20a,20b,20cの停止位置を決定する。逆に、内部当選している遊技役については、適切なタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うように各回胴20a,20b,20cの停止位置を決定する。つまり、何れかの遊技役に内部当選している状態で、その遊技役に対応する図柄を表示窓20内に狙って遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すこと(いわゆる目押し)により、当選した遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃う可能性を高めることができる。
【0070】
また、再遊技役Bまたはベル役に内部当選している場合は、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知された順序が考慮される。すなわち、再遊技役Bに内部当選していても、前述したように「右→中→左」の操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知されなければ、「赤7」の図柄組合せが入賞ライン上に揃わないように各回胴20a,20b,20cの停止位置を決定する。また、前述したように4種類のベル役(A〜D)には、それぞれ異なる操作順序が予め対応付けられており、内部当選したベル役に対応する操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知されない限り、「ベル」の図柄組合せが入賞ライン上に揃わないように各回胴20a,20b,20cの停止位置を決定する。
【0071】
一方、S220の判断において、左停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S220:yes)、S222の判断において、左停止ボタン38aのオンエッジが検知されていない場合は(S222:no)、S224〜S226の処理を省略する。
【0072】
続いて、左停止ボタン38aについて行った上述の処理(S220〜S226)と同様の処理を、中停止ボタン38bおよび右停止ボタン38cについて行う。以下、簡単に説明すると、中回胴20bに対応する中停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断し(S228)、中停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S228:no)、中停止ボタン38bのオンエッジが検知されたか否かを判断する(S230)。そして、中停止ボタン38bのオンエッジが検知された場合は(S230:yes)、中停止操作済フラグをONに設定し(S232)、中停止ボタン38bのオンエッジが検知された時点での中回胴20bの回転位置に基づいて、中回胴20bの停止位置を決定する(S234)。一方、中停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S228:yes)、中停止ボタン38bのオンエッジが検知されていない場合は(S230:no)、S232〜S234の処理を省略する。
【0073】
また、右回胴20cに対応する右停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断し(S236)、右停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S236:no)、右停止ボタン38cのオンエッジが検知されたか否かを判断する(S238)。そして、右停止ボタン38cのオンエッジが検知された場合は(S238:yes)、右停止操作済フラグをONに設定し(S240)、右停止ボタン38cのオンエッジが検知された時点での右回胴20cの回転位置に基づいて、右回胴20cの停止位置を決定する(S242)。一方、右停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S236:yes)、右停止ボタン38cのオンエッジが検知されていない場合は(S238:no)、S240〜S242の処理を省略する。
【0074】
こうして3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれについて処理を行うと、
図10に示したオンエッジ検知処理を終了して、
図9の回胴停止制御処理に復帰する。そして、回胴停止制御処理では、オンエッジ検知処理(S202)から復帰すると、続いて、以下に説明するオフエッジ検知処理(S204)を開始する。
【0075】
図12は、第1実施例のオフエッジ検知処理を示すフローチャートである。オフエッジ検知処理では、先ず初めに、左停止ボタン38aのオフエッジ(操作状態から非操作状態への変化)が検知されたか否かを判断する(S250)。そして、左停止ボタン38aのオフエッジが検知された場合は(S250:yes)、左停止ボタン38aのオフエッジが検知されたこと示すコマンド(左オフエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S252)。詳しくは後述するが、第1実施例の遊技機1では、所定の条件が成立すると、回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれのオフエッジが検知される度に進行する連続演出を実行するようになっており、サブ制御基板220のCPU221は、オフエッジ検知コマンドを受信することによって連続演出を進行させる。
【0076】
一方、左停止ボタン38aのオフエッジが検知されていない場合は(S250:no)S252の処理を省略して、次に、中停止ボタン38bのオフエッジが検知されたか否かを判断する(S254)。そして、中停止ボタン38bのオフエッジが検知された場合は(S254:yes)、中停止ボタン38bのオフエッジが検知されたことを示すコマンド(中オフエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S256)。
【0077】
これに対して、中停止ボタン38bのオフエッジが検知されていない場合は(S254:no)、S256の処理を省略して、次に、右停止ボタン38cのオフエッジが検知されたか否かを判断する(S258)。そして、右停止ボタン38cのオフエッジが検知された場合は(S258:yes)、右停止ボタン38cのオフエッジが検知されたことを示すコマンド(右オフエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S260)。一方、右停止ボタン38cのオフエッジが検知されていない場合は(S258:no)、S260の処理を省略する。
【0078】
尚、第1実施例の遊技機1では、主制御基板200のCPU201が回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれのオフエッジを検知すると、オフエッジ検知コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する構成としたが、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作信号をサブ制御基板220に供給可能な回路構成として、サブ制御基板220のCPU221が回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジを直接的に検知することとしてもよい。
【0079】
こうして回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれについてオフエッジが検知されたか否かを確認すると、
図12のオフエッジ検知処理を終了して、
図9の回胴停止制御処理に復帰する。そして、回胴停止制御処理では、オフエッジ検知処理(S204)から復帰すると、続いて、以下に説明する回胴回転停止処理(S206)を開始する。
【0080】
図13は、第1実施例の回胴回転停止処理を示すフローチャートである。回胴回転停止処理では、先ず初めに、左回胴20aが回転中であるか否かを判断し(S270)、左回胴20aが回転中である場合は(S270:yes)、左停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S272)。左停止操作済フラグがONに設定されている場合は(S272:no)、既に左停止ボタン38aのオンエッジが検知されて、左回胴20aの停止位置が決定されている場合に該当する。そこで、左回胴20aの回転位置が停止位置に達したか否かを判断する(S274)。前述したように、回胴の停止位置は、回胴停止ボタンのオンエッジの検知時における回転位置から4コマ分回胴が回転する範囲以内で決定される。そして、左回胴20aが停止位置まで回転した場合は(S274:yes)、左回胴20aを停止させる(S276)。
【0081】
一方、S270の判断において、左回胴20aが回転中ではない(既に停止している)場合は(S270:no)、S272〜S276の処理を省略する。また、左回胴20aは回転中であるものの(S270:yes)、S272の判断において、左停止操作済フラグがONに設定されていない場合や(S272:no)、S274の判断において、左回胴20aの回転位置が停止位置に達していない場合は(S274:no)、S276の処理を省略して左回胴20aを回転させたままにする。
【0082】
続いて、左回胴20aについて行った上述の処理(S270〜S276)と同様の処理を、中回胴20bおよび右回胴20cについて行う。以下、簡単に説明すると、中回胴20bが回転中か否かを判断し(S278)、中回胴20bが回転中である場合は(S278:yes)、中停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S280)。中停止操作済フラグがONに設定されている場合は(S280:yes)、中回胴20bの回転位置が停止位置に達したか否かを判断する(S282)。そして、中回胴20bが停止位置まで回転した場合は(S282:yes)、中回胴20bを停止させる(S284)。一方、中回胴20bが既に停止している場合は(S278:no)、S280〜S284の処理を省略する。また、中停止操作済フラグがONに設定されていない場合や(S280:no)、中回胴20bの回転位置が停止位置に達していない場合は(S282:no)、S284の処理を省略する。
【0083】
また、右回胴20cが回転中か否かを判断し(S286)、右回胴20cが回転中である場合は(S286:yes)、右停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S288)。右停止操作済フラグがONに設定されている場合は(S288:yes)、右回胴20cの回転位置が停止位置に達したか否かを判断する(S290)。そして、右回胴20cが停止位置まで回転した場合は(S290:yes)、右回胴20cを停止させる(S292)。一方、右回胴20cが既に停止している場合は(S286:no)、S288〜S292の処理を省略する。また、右停止操作済フラグがONに設定されていない場合や(S288:no)、右回胴20cの回転位置が停止位置に達していない場合は(S290:no)、S292の処理を省略する。
【0084】
こうして3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれについて処理を行うと、
図13に示した回胴回転停止処理を終了して、
図9の回胴停止制御処理に復帰する。そして、回胴停止制御処理では、回胴回転停止処理(S206)から復帰すると、3つの回胴20a,20b,20cの全てが停止したか否かを判断する(S208)。未だ回転中の回胴がある場合は(S208:no)、S202の処理に戻って、上述したオンエッジ検知処理(S202)、オフエッジ検知処理(S204)、回胴回転停止処理(S206)の各処理を再び実行する。
【0085】
尚、前述したように、対応する回胴停止ボタンのオンエッジが検知されて、既に停止位置が決定された回胴であっても、回転位置が停止位置に達するまでは回転させたままであり、その間に他の回胴についても同様の処理(停止制御)が行われる。このため、複数の回胴停止ボタンを短期間のうちに押してもよく(先の回胴停止ボタンに対応する回胴が停止する前に後の回胴停止ボタンを押すことができ)、それにより、複数の回胴をほぼ同時に停止させることも可能である。
【0086】
こうした処理を繰り返すうちに、3つの回胴20a,20b,20cの全てが停止した場合は(S208:yes)、続いて、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cの全てがOFF状態になっているか否かを判断する(S210)。前述したように、第1実施例の遊技機1では、回胴停止ボタンのオンエッジが検知されたことに基づいて、対応する回胴を停止させるようになっている。また、何れかの回胴停止ボタンがON状態(押されたまま)であっても、他の回胴停止ボタンのオンエッジが検知可能であることから、回胴20a,20b,20cの全てが停止した後でも、回胴停止ボタンがON状態となっていることがある。そして、ON状態の回胴停止ボタンがある場合は(S210:no)、S202の処理に戻って、以降の上述した処理を行う。尚、第1実施例の遊技機1では、S210にて回胴停止ボタン38a,38b,38cの全てがOFF状態になっていると判断されるまで、オンエッジ検知処理(S202)、オフエッジ検知処理(S204)、回胴回転停止処理(S206)の各処理が、所定時間(例えば4msec)毎のタイマ割り込み処理として行われるようになっている。
【0087】
一方、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cの全てがOFF状態になっている場合は(S210:yes)、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれに対応する停止操作済フラグをOFFに設定して(S212)、
図9に示した回胴停止制御処理を終了し、
図5および
図6の遊技制御処理に復帰する。
【0088】
主制御基板200のCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1での遊技を進行させる。ここで、本実施例の遊技機1では、所定の条件が成立すると、アシストタイム期間(以下、AT期間)と呼ばれる遊技者にとって有利な期間が開始されるようになっている。AT期間中は、内部当選したベル役(A〜D)に対応付けられた操作順序(
図8参照)を遊技者に報知する演出(ナビ演出)が実行されるので、ナビ演出に従って回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すことにより、ベル役を成立させて15枚の遊技メダルの付与を受けることができる。このようなAT期間は、サブ制御基板220のCPU221による制御で実行されている。以下では、サブ制御基板220のCPU221がAT期間を実行するために行う処理(AT期間関連処理)について説明する。
【0089】
C−3.AT期間関連処理 :
図14は、第1実施例のAT期間関連処理を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、AT期間関連処理を開始すると、先ず初めに、主制御基板200から内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S300)。前述したように内部抽選結果伝達コマンドは、内部抽選の結果(内部当選した遊技役の種類など)を示す情報が含まれるコマンドであり(
図5のS112参照)、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S300:no)、受信するまで待機状態となる。
【0090】
そして、内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合は(S300:yes)、ATフラグがONに設定されているか否かを判断する(S302)。ATフラグとは、AT期間中であることを示すフラグであり、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスに設定されている。ATフラグがONに設定されていない場合は(S302:no)、S300で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、スイカ役に内部当選しているか否かを判断する(S304)。第1実施例の遊技機1では、AT期間中ではないときにスイカ役に内部当選すると、AT期間を開始させるか否かを決定するための抽選(AT開始抽選)を行うようになっており、そのAT開始抽選にて所定の確率(例えば80%)で当選することでAT期間を開始させることが可能となる。そこで、スイカ役に内部当選している場合は(S304:yes)、AT開始抽選を行って(S306)、AT開始抽選に当選したか否かを判断する(S308)。
【0091】
AT開始抽選に当選した場合は(S308:yes)、AT待機フラグをONに設定する(S310)。AT待機フラグとは、AT期間の開始を待機している状態であることを示すフラグである。第1実施例の遊技機1では、AT開始抽選に当選しても、直ちにAT期間を開始させるわけではなく、AT開始抽選の当選後に再遊技役Bが成立すると、AT期間を開始させるようになっているため、再遊技役Bが成立するまではAT待機フラグをONに設定してAT期間の開始を待機している状態となる。一方、AT開始抽選に当選しなかった場合は(S308:no)、S310の処理を省略して、前述した連続演出を実行するための処理(連続演出実行処理)を開始する(S312)。
【0092】
図15は、第1実施例の連続演出実行処理を示すフローチャートである。尚、第1実施例の連続演出は、本発明の「演出」に相当しており、連続演出実行処理を実行する第1実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「演出実行手段」に相当している。連続演出実行処理では、先ず初めに、主制御基板200から1つ目のオフエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S340)。前述したようにオフエッジ検知コマンドは、回胴停止ボタンのオフエッジが検知されたことを示すコマンドであり、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれに対応するコマンドが主制御基板200のCPU201から送信される(
図12参照)。ただし、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジの検知順序は様々な順序を取り得ることから、S340の処理では、1つ目のオフエッジ検知コマンドの受信を確認し、コマンドを受信していない場合は(S340:no)、受信するまで待機する。
【0093】
そして、1つ目のオフエッジ検知コマンドを受信した場合は(S340:yes)、単位演出Aを進行させる(S342)。回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジが検知される度に進行する第1実施例の連続演出は、互いに内容が関連する3つの単位演出A〜Cで構成されており、1つ目のオフエッジが検知されると、先ず単位演出Aを進行させる。サブ制御基板220に搭載された演出ROM224には、様々な演出に対応する画像データ(スプライトデータ、動画データなど)や音声データが格納されており、S342の処理では、単位演出Aに対応する画像データや音声データを演出ROM224から読み出して単位演出Aを進行させる。単位演出Aとしては、例えば、主人公が宝を探して旅をする様子を示す演出が設定されている。
【0094】
単位演出Aを進行させると、続いて、2つ目のオフエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断し(S344)、コマンドを受信していない場合は(S344:no)、受信するまで待機する。そして、2つ目のオフエッジ検知コマンドを受信した場合は(S344:yes)、1つ目のオフエッジ検知コマンドを受信してから2つ目のオフエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断する(S346)。この所定間隔は、単位演出を完了可能な長さに設定されており、オフエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔よりも短い場合は(S346:yes)、連続演出を終了させる(S360)。これにより、先の単位演出が完了する前に次の単位演出を進行させることを回避して、連続演出の展開が途中で飛んでしまうことを防止することができる。こうして連続演出を終了させると、
図15に示した連続演出実行処理を終了して、
図14のAT期間関連処理に復帰する。
【0095】
これに対して、オフエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S346:no)、単位演出Aに続く単位演出Bを進行させる(S348)。単位演出Bとしては、例えば、主人公が宝箱を発見する様子を示す演出が設定されている。
【0096】
単位演出Bを進行させると、続いて、3つ目のオフエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断し(S350)、コマンドを受信していない場合は(S350:no)、受信するまで待機する。そして、3つ目のオフエッジ検知コマンドを受信した場合は(S350:yes)、2つ目のオフエッジ検知コマンドを受信してから3つ目のオフエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断し(S352)、所定間隔よりも短い場合は(S352:yes)、連続演出を終了させて(S360)、
図15に示した連続演出実行処理を終了する。
【0097】
一方、3つ目のオフエッジ検知コマンドを受信した際の受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S352:no)、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断する(S354)。前述したようにAT待機フラグは、AT開始抽選に当選してAT期間の開始を待機している状態であることを示すフラグであり、AT待機フラグがONに設定されている場合は(S354:yes)、単位演出Bに続く単位演出C−1を進行させる(S356)。単位演出C−1としては、例えば、主人公が宝箱を開けて中から宝を取り出す様子を示す演出が設定されている。これに対して、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S354:no)、単位演出Bに続く単位演出C−2を進行させる(S358)。単位演出C−2としては、例えば、主人公が宝箱を開けて中からガラクタを取り出す様子を示す演出が設定されている。このようにAT待機フラグの設定に応じて連続演出の結果を異ならせておけば、AT期間の開始を待機している状態であるか否かを遊技者は連続演出の結果から把握できるので、連続演出に注目させて遊技興趣を高めることが可能となる。こうして単位演出C−1または単位演出C−2を進行させると、
図15に示した連続演出実行処理を終了して、
図14のAT期間関連処理に復帰する。
【0098】
以上では、
図14のS304の判断において、スイカ役に内部当選している場合の処理について説明したが、スイカ役に内部当選していない場合は(S304:no)、S306〜S312の処理を省略する。尚、第1実施例の遊技機1では、スイカ役に内部当選している場合に連続演出を実行することとしたが、スイカ役に内部当選していない場合でも連続演出を実行することとしてもよい。例えば、スイカ役に内部当選していない場合は、連続演出を実行するか否かの抽選を行うこととして、所定の確率(例えば20%)で連続演出を実行するようにしてもよい。もちろん、スイカ役に内部当選していない場合は、AT開始抽選が行われず、AT待機フラグはOFFになっているので、連続演出では最終的に単位演出C−2を進行させる。
【0099】
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、S300で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、再遊技役Bに内部当選しているか否かを判断する(S314)。そして、再遊技役Bに内部当選していない場合は(S314:no)、AT期間関連処理の先頭に戻って、再び内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S300)。
【0100】
一方、再遊技役Bに内部当選している場合は(S314:yes)、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断する(S316)。前述したようにAT待機フラグは、AT開始抽選の当選後から再遊技役Bが成立するまでONに設定されている。そして、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S316:no)、AT期間関連処理の先頭に戻って、内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S300)。
【0101】
これに対して、AT待機フラグがONに設定されている場合は(S316:yes)、「赤7」の図柄組合せを入賞ライン上に揃えて再遊技役Bを成立させることを催促する演出(赤7催促演出)を実行する(S318)。前述したように再遊技役Bに内部当選している場合は、「右→中→左」の操作順序(いわゆる逆押し)で回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、「赤7」の図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能である。そこで、S318の赤7催促演出では、例えば「赤7を狙って逆押し」等の表示を演出表示装置10にて行う。尚、AT待機フラグがONに設定されていない場合に、逆押しで回胴停止ボタン38a,38b,38cが押されたら、遊技者に対して罰則を与える構成としてもよい。例えば、逆押しされてから所定回数の遊技が行われるまではAT開始抽選を行わない構成としてもよい。こうすることで、AT待機フラグがONに設定されていない場合に、遊技者が逆押しすることを防止して、「赤7」の図柄組合せが揃うことを抑制できる。
【0102】
赤7催促演出を実行したら、主制御基板200から再遊技役B成立コマンドを受信したか否かを判断する(S320)。再遊技役B成立コマンドを受信しなかった場合は(S320:no)、赤7催促演出を実行したものの、遊技者が「赤7」の図柄組合せを揃えることができなかったと判断されるので、AT期間を開始させることなく、AT期間関連処理の先頭に戻って、内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S300)。
【0103】
一方、再遊技役B成立コマンドを受信した場合は(S320:yes)、AT期間を開始させるべく、AT待機フラグをOFFに設定するとともに、ATフラグをONに設定し(S322)、更に、ATカウンタに「50」を設定する(S324)。ATカウンタは、AT期間が終了するまでの遊技回数を示すカウンタであり、本実施例のAT期間は、AT期間が開始されてから50回の遊技が行われるまで継続される設定となっている。続いて、AT期間が開始されることを示すファンファーレ演出を実行すると(S326)、AT期間関連処理の先頭に戻る。ファンファーレ演出では、例えば「AT開始」等の表示を演出表示装置10にて行う。
【0104】
こうしてATフラグがONに設定された状態でAT期間関連処理の先頭に戻り、内部抽選結果伝達コマンドを受信すると(S300:yes)、S302の判断では、ATフラグがONに設定されているので(S302:yes)、S300で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、ベル役に内部当選しているか否かを判断する(S328)。ベル役に内部当選している場合は(S328:yes)、ベル役のナビ演出を実行する(S330)。このナビ演出では、内部当選したベル役(A〜D)に対応付けられた操作順序(
図8参照)を演出表示装置10などに表示する。
【0105】
これに対して、ベル役に内部当選していない場合は(S328:no)、S330の処理を省略する。続いて、ATカウンタから「1」を減算し(S332)、ATカウンタが「0」になったか否かを判断する(S334)。そして、ATカウンタが「0」になった場合は(S334:yes)、AT期間を終了させるべく、ATフラグをOFFに設定する(S336)。一方、ATカウンタが「0」になっていない場合は(S334:no)、S336の処理を省略してAT期間関連処理の先頭に戻り、再び内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S300)。
【0106】
図16は、第1実施例の遊技機1において、回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作によって、回胴20a,20b,20cを停止させたり、連続演出を進行させたりする様子を示したタイムチャートである。先ず、スタートレバー36が操作されると、内部抽選が行われ、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。また、内部抽選でスイカ役に当選した場合は、AT開始抽選が行われる。
【0107】
そして、第1実施例の遊技機1では、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれのオンエッジが検知されたことに基づいて、対応する回胴を停止させるようになっている。また、先にオンエッジが検知された回胴停止ボタンに対応する回胴を停止させる前であっても、後にオンエッジが検知された回胴停止ボタンに対応する回胴の停止制御を実行可能であるため、短期間のうちに複数の回胴停止ボタンのオンエッジが検知される(遊技者が複数の回胴停止ボタンを一斉に押す)ことにより、複数の回胴をほぼ同時に停止させることも可能である。
【0108】
また、何れかの回胴停止ボタンがON状態(押されたまま)であっても、他の回胴停止ボタンのオンエッジが検知可能であり、その検知に基づいて対応する回胴の停止制御を行うようになっている。そのため、遊技者は、3つ回胴停止ボタン38a,38b,38cを押し続けたまま、3つの回胴20a,20b,20cの停止によって入賞ライン上に揃った図柄組合せを確認することができる。
【0109】
図16に示した例では、回胴20a,20b,20cの停止により「スイカ」の図柄組合せが揃って、スイカ役が成立している。その後、押し続けていた回胴停止ボタン38a,38b,38cを離す度に、連続演出の単位演出が進行する。すなわち、回胴停止ボタン38a,38b,38cの1つ目を離すと、単位演出Aが進行し、2つ目を離すと単位演出Bが進行し、3つ目を離すと単位演出Cが進行する。尚、
図16の例では、AT開始抽選に当選しているので、単位演出C−1が進行する。このように連続演出の進行制御を回胴20a,20b,20cの停止制御とは切り離して実行することができるので、「回胴停止ボタン38a,38b,38cを押して回胴20a,20b,20cの停止により揃った図柄組合せを確認した後、回胴停止ボタン38a,38b,38cを離しながら進行する連続演出を楽しむ」という従来の遊技機1にはない遊技形態を実現することができ、これにより、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
【0110】
特に、第1実施例の遊技機1では、スイカ役に内部当選するとAT開始抽選が行われ、その抽選結果が連続演出の単位演出Cで示されるようになっているため、3つの回胴20a,20b,20cの停止によって「スイカ」の図柄組合せが揃う(スイカ役が成立する)と、AT開始抽選に当選している(単位演出C−1が進行する)のではないかと連続演出の展開に期待させて、遊技興趣を高めることができる。
【0111】
また、前述したように、複数の回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジが短期間に(所定間隔よりも短い間隔で)検知されると、連続演出が強制的に終了してしまうので、先の単位演出の完了を待って(所定間隔を保って)回胴停止ボタンを離すことで、連続演出の進行を楽しむことができる。一方、回胴20a,20b,20cの停止により揃った図柄組合せを確認した後、連続演出を早く終わらせたい(連続演出に興味がない)遊技者は、回胴停止ボタン38a,38b,38cを一斉に離す(所定間隔よりも短い間隔で離す)ことで、連続演出を終了させることが可能である。
【0112】
以上、第1実施例の遊技機1について説明したが、実施形態はこれに限定されるわけではない。例えば、上述した第1実施例の遊技機1では、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジの検知順序に拘わらず、検知される度に単位演出A〜Cを順に進行させるようになっていた。しかし、回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれに対して、進行させる単位演出A〜Cを予め対応付けておいてもよい。
【0113】
図17は、回胴停止ボタン38a,38b,38cと単位演出A〜Cとを予め対応付けておく場合の連続演出実行処理を示したフローチャートである。図示した例では、左停止ボタン38aに単位演出Aが対応付けられており、中停止ボタン38bに単位演出Bが対応付けられており、右停止ボタン38cに単位演出Cが対応付けられている。図示されるように、先ず、主制御基板200から左オフエッジ検知コマンド(
図12のS252)を受信したか否かを判断し(S370)、受信した場合は(S370:yes)、単位演出Aを選択する(S372)。
【0114】
一方、左オフエッジ検知コマンドを受信していない場合は(S370:no)、中オフエッジ検知コマンド(
図12のS256)を受信したか否かを判断し(S374)、受信した場合は(S374:yes)、単位演出Bを選択する(S376)。これに対して、中オフエッジ検知コマンドを受信していない場合は(S374:no)、右オフエッジ検知コマンド(
図12のS260)を受信したか否かを判断し(S378)、受信していない場合、すなわち、何れのオフエッジ検知コマンドも受信していない場合は(S378:no)、連続演出実行処理の先頭に戻って、左オフエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S370)。
【0115】
一方、右オフエッジ検知コマンドを受信した場合は(S378:yes)、続いて、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断する(S380)。そして、AT待機フラグがONに設定されている場合は(S380:yes)、単位演出C−1を選択し(S382)、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S380:no)、単位演出C−2を選択する(S384)。
【0116】
こうして何れかのオフエッジ検知コマンドを受信した場合に、受信したオフエッジ検知コマンドに応じて単位演出を選択したら、前回のオフエッジ検知コマンドを受信してから今回のオフエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断し(S386)、受信間隔が所定間隔よりも短い場合は(S386:yes)、連続演出を終了させて(S388)、
図17に示した連続演出実行処理を終了する。
【0117】
これに対して、オフエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S386:no)、選択した単位演出を進行させて(S390)、全てのオフエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S392)。未だ受信していないオフエッジ検知コマンドがある場合は(S392:no)、連続演出実行処理の先頭に戻って、以降の上述した処理を行う。そして、全てのオフエッジ検知コマンドを受信した場合は(S392:yes)、
図17に示した連続演出実行処理を終了して、
図14のAT期間関連処理に復帰する。
【0118】
図18は、
図17の連続演出実行処理に従って、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジが検知される度に連続演出が進行する様子を示したタイムチャートである。先ず、
図18(a)には、「左→中→右」の順で回胴停止ボタン38a,38b,38cを離した場合が示されている。この場合は、単位演出A、単位演出B、単位演出C−1の順で連続演出が進行し、前述した単位演出(A〜C)の例では、主人公が宝を探して旅をし、発見した宝箱を開けると、中から宝が出てくるといった展開で連続演出が進行する。
【0119】
一方、
図18(b)には、「右→左→中」の順で回胴停止ボタン38a,38b,38cを離した場合が示されている。この場合は、単位演出C−1、単位演出A、単位演出Bの順で連続演出が進行して、前述した単位演出(A〜C)の例では、主人公が宝箱を開けて宝を取り出す場面が先に進行し、宝を探して旅をする場面が後から進行する。このように、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを離す順序によって、連続演出の進行順序に変化を付けることができることから、連続演出の結果を先に見てからどのような展開であったかを楽しむといったことが可能であり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0120】
また、前述した第1実施例の遊技機1では、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオフエッジの検知を、オンエッジが検知された順序とは独立して行っていたが、オフエッジの検知順序がオンエッジの検知順序と一致しないと、連続演出を進行させない(連続演出を終了させる)ようにしてもよい。この場合は、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押した順序を遊技者に報知する演出を行うようにしてもよい。尚、前述した第1実施例のように、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押した順序と、離した順序とを独立して検知することとすれば、遊技の進行(回胴の停止)および演出の進行の双方で遊技者の自由度を高めることができる。また、遊技者が一斉に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押して回胴20a,20b,20cを停止させた場合でも、回胴停止ボタン38a,38b,38cを遊技者が任意のタイミングおよび順序で離して連続演出の進行を楽しむことが可能となる。
【0121】
D.第2実施例の遊技機の制御内容 :
前述した第1実施例では、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知されたことに基づいて、対応する回胴を停止させ、オフエッジが検知される度に連続演出を進行させるようになっていた。これとは逆に、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知される度に連続演出を進行させ、オフエッジが検知されたことに基づいて、対応する回胴を停止させるようにしてもよい。以下では、このような第2実施例について説明する。尚、第2実施例の説明に際しては、第1実施例と共通する部分については、同じ符号を用いることとして説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0122】
D−1.オンエッジ検知処理 :
図19は、第2実施例のオンエッジ検知処理を示すフローチャートである。このオンエッジ検知処理は、
図9の回胴停止制御処理の中(S202)で実行される。第2実施例のオンエッジ検知処理では、先ず、左停止ボタン38aのオンエッジが検知されたか否かを判断し(S400)、左停止ボタン38aのオンエッジが検知された場合は(S400:yes)、左停止ボタン38aのオンエッジが検知されたこと示すコマンド(左オンエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S402)。
【0123】
一方、左停止ボタン38aのオンエッジが検知されていない場合は(S400:no)S402の処理を省略して、次に、中停止ボタン38bのオンエッジが検知されたか否かを判断し(S404)、中停止ボタン38bのオンエッジが検知された場合は(S404:yes)、中停止ボタン38bのオンエッジが検知されたことを示すコマンド(中オンエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S406)。
【0124】
これに対して、中停止ボタン38bのオンエッジが検知されていない場合は(S404:no)、S406の処理を省略して、次に、右停止ボタン38cのオンエッジが検知されたか否かを判断し(S408)、右停止ボタン38cのオンエッジが検知された場合は(S408:yes)、右停止ボタン38cのオンエッジが検知されたことを示すコマンド(右オンエッジ検知コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S410)。一方、右停止ボタン38cのオンエッジが検知されていない場合は(S408:no)、S410の処理を省略する。
【0125】
こうして回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれについてオンエッジが検知されたか否かを確認すると、
図19のオンエッジ検知処理を終了して、
図9の回胴停止制御処理に復帰し、続いて、以下に説明するオフエッジ検知処理(S206)を開始する。
【0126】
D−2.オフエッジ検知処理 :
図20は、第2実施例のオフエッジ検知処理を示すフローチャートである。第2実施例のオフエッジ検知処理では、先ず、左停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S420)。第2実施例の停止操作済フラグは、回胴停止ボタンのオフエッジが既に検知されたことを示すフラグである。そして、左回胴20aに対応する左停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S420:no)、左停止ボタン38aのオフエッジが検知されたか否かを判断し(S422)、左停止ボタン38aのオフエッジが検知された場合は(S422:yes)、左停止操作済フラグをONに設定する(S424)。また、左停止ボタン38aのオフエッジが検知された時点での左回胴20aの回転位置に基づいて、左回胴20aの停止位置を決定する(S426)。尚、回胴の停止位置の決定は、前述した第1実施例と同様に行う。
【0127】
一方、S420の判断において、左停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S420:yes)、S422の判断において、左停止ボタン38aのオフエッジが検知されていない場合は(S422:no)、S424〜S426の処理を省略する。
【0128】
続いて、左停止ボタン38aについて行った上述の処理(S420〜S426)と同様の処理を、中停止ボタン38bおよび右停止ボタン38cについて行う。以下、簡単に説明すると、中回胴20bに対応する中停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断し(S428)、中停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S428:no)、中停止ボタン38bのオフエッジが検知されたか否かを判断する(S430)。そして、中停止ボタン38bのオフエッジが検知された場合は(S430:yes)、中停止操作済フラグをONに設定し(S432)、中停止ボタン38bのオフエッジが検知された時点での中回胴20bの回転位置に基づいて、中回胴20bの停止位置を決定する(S434)。一方、中停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S428:yes)、中停止ボタン38bのオフエッジが検知されていない場合は(S430:no)、S432〜S434の処理を省略する。
【0129】
また、右回胴20cに対応する右停止操作済フラグがONに設定されているか否かを判断し(S436)、右停止操作済フラグがONに設定されていない場合は(S436:no)、右停止ボタン38cのオフエッジが検知されたか否かを判断する(S438)。そして、右停止ボタン38cのオフエッジが検知された場合は(S438:yes)、右停止操作済フラグをONに設定し(S440)、右停止ボタン38cのオフエッジが検知された時点での右回胴20cの回転位置に基づいて、右回胴20cの停止位置を決定する(S442)。一方、右停止操作済フラグがONに設定されている場合や(S436:yes)、右停止ボタン38cのオフエッジが検知されていない場合は(S438:no)、S440〜S442の処理を省略する。
【0130】
こうして3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれについて処理を行うと、
図20に示したオフエッジ検知処理を終了して、
図9の回胴停止制御処理に復帰し、続いて、回胴回転停止処理(S206)を開始する。尚、第2実施例の回胴回転停止処理は、前述した第1実施例と共通であるため、説明を省略する。そして、回胴停止制御処理では、回胴回転停止処理を終了すると、3つの回胴20a,20b,20cの全てが停止したか否かを判断し(S208)、未だ回転中の回胴がある場合は(S208:no)、S202の処理に戻る。
【0131】
一方、第2実施例の遊技機1では、3つの回胴20a,20b,20cの全てが停止している場合は(S208:yes)、回胴停止ボタン38a,38b,38cが全てOFF状態となっているので、S210を省略し、停止操作済フラグをOFFに設定すると(S212)、
図9の回胴停止制御処理を終了する。
【0132】
D−3.AT期間関連処理 :
図21は、第2実施例のAT期間関連処理を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、第2実施例のAT期間関連処理を開始すると、主制御基板200から内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断し(S500)、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S500:no)、受信するまで待機状態となる。
【0133】
そして、内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合は(S500:yes)、ATフラグがONに設定されているか否かを判断し(S502)、ATフラグがONに設定されていない場合は(S502:no)、S500で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、スイカ役に内部当選しているか否かを判断する(S504)。そして、第2実施例の遊技機1においても、前述した第1実施例と同様に、スイカ役に内部当選している場合は(S504:yes)、AT開始抽選を行って(S506)、AT開始抽選に当選したか否かを判断する(S508)。
【0134】
AT開始抽選に当選した場合は(S508:yes)、AT待機フラグをONに設定する(S510)。第2実施例の遊技機1においても、前述した第1実施例と同様に、AT開始抽選の当選後に再遊技役Bが成立するまではAT期間の開始を待機している状態となる。一方、AT開始抽選に当選しなかった場合は(S508:no)、S510の処理を省略する。また、S504の判断において、スイカ役に内部当選していない場合は(S504:no)、S506〜S510の処理を省略する。
【0135】
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、S500で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、再遊技役Bに内部当選しているか否かを判断し(S514)、再遊技役Bに内部当選していない場合は(S514:no)、AT期間関連処理の先頭に戻って、再び内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S500)。一方、再遊技役Bに内部当選している場合は(S514:yes)、連続演出実行処理を開始する(S516)。
【0136】
図22は、第2実施例の連続演出実行処理を示すフローチャートである。第2実施例の連続演出実行処理では、先ず、主制御基板200から1つ目のオンエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S540)。前述したようにオンエッジ検知コマンドは、回胴停止ボタンのオンエッジが検知されたことを示すコマンドであり、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれに対応するコマンドが主制御基板200のCPU201から送信される(
図19参照)。ただし、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジの検知順序は様々な順序を取り得ることから、S540の処理では、1つ目のオンエッジ検知コマンドの受信を確認し、コマンドを受信していない場合は(S540:no)、受信するまで待機する。
【0137】
そして、1つ目のオンエッジ検知コマンドを受信した場合は(S540:yes)、単位演出Aを進行させる(S542)。回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知される度に進行する第2実施例の連続演出は、前述した第1実施例の連続演出と同様に、互いに内容が関連する3つの単位演出A〜Cで構成されており、1つ目のオンエッジが検知されると、先ず単位演出A(例えば、主人公が宝を探して旅をする様子を示す演出)を進行させる。
【0138】
単位演出Aを進行させると、続いて、2つ目のオンエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断し(S544)、コマンドを受信していない場合は(S544:no)、受信するまで待機する。そして、2つ目のオンエッジ検知コマンドを受信した場合は(S544:yes)、1つ目のオンエッジ検知コマンドを受信してから2つ目のオンエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断する(S546)。この所定間隔は、単位演出を完了可能な長さに設定されており、オンエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔よりも短い場合は(S546:yes)、連続演出を終了させる(S562)。これにより、先の単位演出が完了する前に次の単位演出を進行させることを回避して、連続演出の展開が途中で飛んでしまうことを防止することができる。こうして連続演出を終了させると、
図22に示した連続演出実行処理を終了して、
図21のAT期間関連処理に復帰する。
【0139】
これに対して、オンエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S546:no)、単位演出Aに続く単位演出B(例えば、主人公が宝箱を発見する様子を示す演出)を進行させる(S348)。
【0140】
単位演出Bを進行させると、続いて、3つ目のオンエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断し(S550)、コマンドを受信していない場合は(S550:no)、受信するまで待機する。そして、3つ目のオンエッジ検知コマンドを受信した場合は(S550:yes)、2つ目のオンエッジ検知コマンドを受信してから3つ目のオンエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断し(S552)、所定間隔よりも短い場合は(S552:yes)、連続演出を終了させて(S562)、
図22に示した連続演出実行処理を終了する。
【0141】
一方、3つ目のオンエッジ検知コマンドを受信した際の受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S552:no)、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断する(S554)。そして、AT待機フラグがONに設定されている場合は(S554:yes)、単位演出Bに続く単位演出C−1(例えば、主人公が宝箱を開けて中から宝を取り出す様子を示す演出)を進行させる(S356)。また、単位演出C−1に続いて、「赤7」の図柄組合せを入賞ライン上に揃えて再遊技役Bを成立させることを催促する演出(赤7催促演出)を実行する(S558)。第2実施例の遊技機1では、再遊技役Bに内部当選していれば、「右→中→左」の順で回胴停止ボタン38a,38b,38cを離すと、「赤7」の図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能である。そこで、S558の赤7催促演出では、例えば「赤7狙いで右→中→左」等の表示を演出表示装置10にて行う。
【0142】
これに対して、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S554:no)、単位演出Bに続く単位演出C−2(例えば、主人公が宝箱を開けて中からガラクタを取り出す様子を示す演出)を進行させると(S560)、赤7催促演出(S558)を行うことなく、
図22に示した連続演出実行処理を終了して、
図21のAT期間関連処理に復帰する。このようにAT待機フラグの設定に応じて連続演出の結果を異ならせておけば、AT期間の開始を待機している状態であるか否かを遊技者は連続演出の結果から把握できるので、連続演出に注目させて遊技興趣を高めることが可能となる。
【0143】
図21のAT期間関連処理では、連続演出実行処理から復帰すると(S516)、主制御基板200から再遊技役B成立コマンドを受信したか否かを判断する(S518)。再遊技役B成立コマンドを受信しなかった場合は(S518:no)、再遊技役Bに内部当選したものの、遊技者が「赤7」の図柄組合せを揃えることができなかったと判断されるので、AT期間を開始させることなく、AT期間関連処理の先頭に戻って、内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S500)。
【0144】
一方、再遊技役B成立コマンドを受信した場合は(S518:yes)、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断し(S520)、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S520)、AT期間を開始させることなく、AT期間関連処理の先頭に戻って、内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S500)。これに対して、AT期間待機フラグがONに設定されている場合は(S520:yes)、AT期間を開始させるべく、AT待機フラグをOFFに設定するとともに、ATフラグをONに設定する(S522)。さらに、ATカウンタに「50」を設定して(S524)、ファンファーレ演出を実行すると(S526)、AT期間関連処理の先頭に戻る。
【0145】
こうしてATフラグがONに設定された状態でAT期間関連処理の先頭に戻り、内部抽選結果伝達コマンドを受信すると(S500:yes)、S502の判断では、ATフラグがONに設定されているので(S502:yes)、S500で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づいて、ベル役に内部当選しているか否かを判断する(S528)。ベル役に内部当選している場合は(S528:yes)、ベル役のナビ演出を実行する(S530)。このナビ演出では、内部当選したベル役(A〜D)に対応付けられた操作順序(
図8参照)を演出表示装置10などに表示する。第2実施例のAT期間中は、ナビ演出で報知された順序に従って回胴停止ボタン38a,38b,38cを離すことにより、ベル役を成立させて15枚の遊技メダルの付与を受けることができる。
【0146】
これに対して、ベル役に内部当選していない場合は(S528:no)、S530の処理を省略する。続いて、ATカウンタから「1」を減算して(S532)、ATカウンタが「0」になったか否かを判断し(S534)、ATカウンタが「0」になった場合は(S534:yes)、AT期間を終了させるべく、ATフラグをOFFに設定する(S536)。一方、ATカウンタが「0」になっていない場合は(S534:no)、S536の処理を省略してAT期間関連処理の先頭に戻り、再び内部抽選結果伝達コマンドを受信するまで待機する(S500)。
【0147】
図23は、第2実施例の遊技機1において、回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作によって、回胴20a,20b,20cを停止させたり、連続演出を進行させたりする様子を示したタイムチャートである。先ず、スタートレバー36が操作されると、内部抽選が行われ、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図示した例では、内部抽選で再遊技役Bに内部当選している。
【0148】
そして、第1実施例の遊技機1では、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれのオンエッジが検知される度に、連続演出の単位演出が進行する。すなわち、回胴停止ボタン38a,38b,38cの1つ目を押すと、単位演出Aが進行し、2つ目を押すと単位演出Bが進行し、3つ目を押すと単位演出Cが進行する。尚、
図23の例では、AT待機フラグがONに設定されている(AT期間の開始を待機している状態である)ので、単位演出C−1が進行する。
【0149】
また、何れかの回胴停止ボタンがON状態(押されたまま)であっても、他の回胴停止ボタンのオンエッジが検知可能であることから、遊技者は、3つ回胴停止ボタン38a,38b,38cを押し続けたまま、連続演出の結果(単位演出C−1および単位演出C−2の何れが進行するか)を確認することができる。
【0150】
図23に示した例では、連続演出の単位演出C−1に続いて、赤7催促演出が実行される。その後、押し続けていた回胴停止ボタン38a,38b,38cを離すことにより、それぞれのオフエッジが検知されたことに基づいて、対応する回胴の停止制御が行われる。このとき、何れの回胴停止ボタンについても、他の回胴停止ボタンがON状態であるかOFF状態であるかに拘らずオフエッジが検知可能となっており、回胴停止ボタン38a,38b,38cを「右→中→左」の順で離すと、「赤7」の図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能である。そして、「赤7」の図柄組合せを揃えて再遊技役Bが成立することにより、ファンファーレ演出が実行され、AT期間が開始される。
【0151】
このように第2実施例の遊技機1では、連続演出の進行制御とは切り離して回胴20a,20b,20cの停止制御を実行することができるので、「回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すことで単位演出を進行させて連続演出の結果を確認した後、回胴停止ボタン38a,38b,38cを離しながら回胴20a,20b,20cを停止させる」という従来の遊技機1にはない遊技形態を実現することができ、これにより、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
【0152】
特に、第2実施例の遊技機1では、AT期間の開始が待機されている状態であると、連続演出の単位演出Cで示されることから、連続演出に注目させることができる。そして、連続演出で単位演出C−1が進行した場合には、「赤7」の図柄組合せが揃うように遊技者は回胴停止ボタン38a,38b,38cを離すタイミングを計りながら回胴20a,20b,20cの停止に集中できるので、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0153】
また、前述したように、先にオフエッジが検知された回胴停止ボタンに対応する回胴を停止させる前であっても、後にオフエッジが検知された回胴停止ボタンに対応する回胴の停止制御を実行可能である。そのため、連続演出で単位演出C−2が進行した場合(「赤7」の図柄組合せを揃えなくてもよい場合)には、遊技者が複数の回胴停止ボタンを一斉に離す(短期間のうちに複数の回胴停止ボタンのオフエッジが検知される)ことにより、複数の回胴をほぼ同時に停止させることができる。
【0154】
さらに、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押した順序と、離した順序とを独立して検知していることから、連続演出の進行および遊技の進行(回胴の停止)の双方で遊技者の自由度を高めることができる。また、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作状態にして連続演出を進行させた後、回胴停止ボタン38a,38b,38cを一斉に非操作状態とする(回胴20a,20b,20cを一斉に停止させる)か、任意のタイミングおよび順序で非操作状態とする(回胴20a,20b,20cを個別に停止させる)かを遊技者が選択することができる。
【0155】
また、前述したように、複数の回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが短期間に(所定間隔よりも短い間隔で)検知されると、連続演出が強制的に終了してしまうので、先の単位演出の完了を待って(所定間隔を保って)回胴停止ボタンを押すことで、連続演出の進行を楽しむことができる。
【0156】
以上、第2実施例の遊技機1について説明したが、実施形態はこれに限定されるわけではない。例えば、上述した第2実施例の遊技機1では、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジの検知順序に拘わらず、検知される度に単位演出A〜Cを順に進行させるようになっていた。しかし、回胴停止ボタン38a,38b,38cのそれぞれに対して、進行させる単位演出A〜Cを予め対応付けておいてもよい。
【0157】
図24は、回胴停止ボタン38a,38b,38cと単位演出A〜Cとを予め対応付けておく場合の連続演出実行処理を示したフローチャートである。図示した例では、左停止ボタン38aに単位演出Aが対応付けられており、中停止ボタン38bに単位演出Bが対応付けられており、右停止ボタン38cに単位演出Cが対応付けられている。図示されるように、先ず、主制御基板200から左オンエッジ検知コマンド(
図19のS402)を受信したか否かを判断し(S570)、受信した場合は(S570:yes)、単位演出Aを選択する(S572)。
【0158】
一方、左オンエッジ検知コマンドを受信していない場合は(S570:no)、中オンエッジ検知コマンド(
図19のS406)を受信したか否かを判断し(S574)、受信した場合は(S574:yes)、単位演出Bを選択する(S576)。これに対して、中オンエッジ検知コマンドを受信していない場合は(S574:no)、右オンエッジ検知コマンド(
図19のS410)を受信したか否かを判断し(S578)、受信していない場合、すなわち、何れのオンエッジ検知コマンドも受信していない場合は(S578:no)、連続演出実行処理の先頭に戻って、左オンエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S570)。
【0159】
一方、右オンエッジ検知コマンドを受信した場合は(S578:yes)、続いて、AT待機フラグがONに設定されているか否かを判断する(S580)。そして、AT待機フラグがONに設定されている場合は(S580:yes)、単位演出C−1を選択し(S582)、AT待機フラグがONに設定されていない場合は(S580:no)、単位演出C−2を選択する(S584)。
【0160】
こうして何れかのオンエッジ検知コマンドを受信した場合に、受信したオンエッジ検知コマンドに応じて単位演出を選択したら、前回のオンエッジ検知コマンドを受信してから今回のオンエッジ検知コマンドを受信するまでの受信間隔が所定間隔よりも短いか否かを判断し(S586)、受信間隔が所定間隔よりも短い場合は(S586:yes)、連続演出を終了させて(S588)、
図24に示した連続演出実行処理を終了する。
【0161】
これに対して、オンエッジ検知コマンドの受信間隔が所定間隔以上であった場合は(S586:no)、選択した単位演出を進行させて(S590)、全てのオンエッジ検知コマンドを受信したか否かを判断する(S592)。未だ受信していないオンエッジ検知コマンドがある場合は(S592:no)、連続演出実行処理の先頭に戻って、以降の上述した処理を行う。
【0162】
そして、全てのオンエッジ検知コマンドを受信した場合は(S592:yes)、単位演出C−1を実行したか否かを判断し(S594)、単位演出C−1を実行した場合は(S594:yes)、赤7催促演出を実行する(S596)。一方、単位演出C−1を実行しなかった場合は(S594:no)、赤7催促演出(S596)を行うことなく、
図24に示した連続演出実行処理を終了して、
図21のAT期間関連処理に復帰する。
【0163】
図25は、
図24の連続演出実行処理に従って、回胴停止ボタン38a,38b,38cのオンエッジが検知される度に連続演出が進行する様子を示したタイムチャートである。先ず、
図25(a)には、「左→中→右」の順で回胴停止ボタン38a,38b,38cを押した場合が示されている。この場合は、単位演出A、単位演出B、単位演出C−1の順で連続演出が進行し、前述した単位演出(A〜C)の例では、主人公が宝を探して旅をし、発見した宝箱を開けると、中から宝が出てくるといった展開で連続演出が進行する。
【0164】
一方、
図25(b)には、「右→左→中」の順で回胴停止ボタン38a,38b,38cを押した場合が示されている。この場合は、単位演出C−1、単位演出A、単位演出Bの順で連続演出が進行して、前述した単位演出(A〜C)の例では、主人公が宝箱を開けて宝を取り出す場面が先に進行し、宝を探して旅をする場面が後から進行する。このように、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを押す順序によって、連続演出の進行順序に変化を付けることができることから、連続演出の結果を先に見てからどのような展開であったかを後から楽しむといったことが可能であり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0165】
以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。