(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の給湯装置では、配管内に滞留した気泡により水位センサが実際よりも低い水位を検出する場合、誤った水位に基づく不必要な注湯によって、浴槽内の湯面が設定水位よりも上昇したり浴槽から湯が溢れ出したりするという問題が依然としてある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、不必要な注湯によって浴槽内の湯面が設定水位よりも上昇したり浴槽から湯が溢れ出したりするのを防止できる給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明の給湯装置は、
浴槽内に湯を供給するための給湯回路と、
上記浴槽内の湯を循環させるための循環回路と、
上記給湯回路または上記循環回路に配設され、上記浴槽内の現在水位を検出する水位センサと、
上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位に基づいて、上記浴槽内の水位が設定水位になるように上記給湯回路を介して上記浴槽内に注湯するための注湯運転を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が、上記浴槽に上記給湯回路と上記循環回路が接続される接続口よりも上側に予め設定された基準水位未満であってかつ上記接続口よりも上側であるか、上記基準水位以上であるかを判定する現在水位判定部と、
上記注湯運転の開始時に上記現在水位判定部が上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が上記基準水位未満であってかつ上記接続口よりも上側であると判定すると、予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行う一方、上記注湯運転の開始時または上記第1注湯動作の終了時に、上記現在水位判定部が上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が上記基準水位以上であると判定すると、上記設定水位と上記現在水位との差分に相当する湯量を注湯する第2注湯動作を行う注湯制御部と
を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、注湯運転とは、浴槽内の湯面が設定水位になるように注湯する「湯張り運転」、および、浴槽内の湯面が設定水位になるように注湯して一旦湯張り運転を完了した後、浴槽内の湯が使用されて湯面が設定水位よりも下がったときに現在水位と設定水位との差分を補うように注湯する「足し湯運転」を含むものとする。
【0008】
上記構成によれば、例えば、浴槽内に残湯がある状態から「湯張り運転」としての注湯運転を行う場合、制御装置の注湯制御部は、この注湯運転の開始時に現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位未満であってかつ接続口よりも上側であると判定すると、予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行う。この第1注湯動作により、水位センサが配設された給湯回路内または循環回路内に滞留した気泡を排出できる。そうして、浴槽内の湯面が基準水位を越えると、現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位以上であると判定し、注湯制御部は、設定水位と現在水位との差分に相当する湯量を注湯する第2注湯動作を行うことにより、浴槽内の湯面を設定水位にする。
【0009】
また、上記「湯張り運転」が終了した後に水位を保持する「足し湯運転」としての注湯運転を行う場合、制御装置の注湯制御部は、この注湯運転の開始時に現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位未満であってかつ接続口よりも上側であると判定すると、予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行う。これにより、水位センサが配設された給湯回路内または循環回路内に滞留した気泡を排出できる。そうして、現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位以上であると判定すると、注湯制御部は、設定水位と現在水位との差分に相当する湯量を注湯する第2注湯動作を行う。
【0010】
このように、水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位未満で実際よりも低い水位が検出される可能性があるときは、設定水位と現在水位との差分に相当する湯量を一度に注湯する第2注湯動作を行わずに、予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行うことにより、浴槽内の水位が基準水位を越えて初めて設定水位と現在水位との差分に相当する湯量を注湯する第2注湯動作を行う。これにより、不必要な注湯によって浴槽内の湯面が設定水位よりも上昇したり浴槽から湯が溢れ出したりするのを防止できる。
【0011】
また、一実施形態の給湯装置では、
上記第1注湯動作における上記予め設定された湯量は、上記第1注湯動作を数回行うことで上記浴槽内の水位が上記基準水位以上になるように設定されている。
【0012】
上記実施形態によれば、第1注湯動作を数回行うことで浴槽内の水位が基準水位を越えるように、第1注湯動作の湯量が予め設定されていることによって、時間をかけずに短時間で浴槽内の湯面を基準水位以上の水位にすることが可能になり、注湯運転の時間を短縮できる。
【0013】
また、一実施形態の給湯装置では、
上記浴槽内の湯を上記循環回路を介して循環させる循環ポンプを備え、
上記制御装置は、
上記注湯運転の開始時に上記注湯制御部によって上記予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、上記循環ポンプを予め設定された時間動作させる循環ポンプ制御部を有する。
【0014】
上記実施形態によれば、注湯制御部によって予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、循環ポンプ制御部により循環ポンプを予め設定された時間動作させることによって、循環回路の配管内に滞留した気泡を排出でき、気泡による水位センサの検出誤差を少なくできる。
【0015】
また、一実施形態の給湯装置では、
上記循環回路内の水流の有無を検知する水流センサを備え、
上記注湯制御部は、
上記注湯運転の開始時に、上記現在水位判定部が上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が上記基準水位未満であってかつ上記接続口よりも上側であると判定して上記予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、上記循環ポンプ制御部による上記循環ポンプの動作時に上記水流センサが上記循環回路内に水流があると検知した場合、上記現在水位判定部が上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が上記基準水位以上であると判定するまで、上記予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を繰り返す。
【0016】
上記実施形態によれば、現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位未満であってかつ接続口よりも上側であると判定して予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、循環ポンプ制御部による循環ポンプの動作時に水流センサが循環回路内に水流があると検知した場合、現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位以上であると判定するまで、予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を繰り返す。これにより、浴槽の接続口よりも上側に湯面があることで浴槽内の現在水位が基準水位以上であることが確実に判別できる。さらに、水流センサが循環回路内に水流があると検知することで、給湯回路と循環回路が接続される浴槽の接続口よりも上側に湯面があると判別することが可能になり、浴槽の栓抜けなどで注湯不要な場合に無駄に注湯し続けることを防止できる。
【0017】
また、一実施形態の給湯装置では、
上記循環回路内の水流の有無を検知する水流センサを備え、
上記注湯制御部は、
上記注湯運転の開始時に、上記現在水位判定部が上記水位センサにより検出された上記浴槽内の現在水位が上記基準水位未満であってかつ上記接続口よりも上側であると判定して上記予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、上記循環ポンプ制御部による上記循環ポンプの動作時に上記水流センサが上記循環回路内に水流がないと検知した場合、上記注湯運転を終了する。
【0018】
上記実施形態によれば、現在水位判定部が水位センサにより検出された浴槽内の現在水位が基準水位未満であってかつ接続口よりも上側であると判定して予め設定された湯量を注湯する第1注湯動作を行った後、循環ポンプ制御部による循環ポンプの動作時に水流センサが循環回路内に水流がないと検知した場合、注湯運転を終了するので、排水などで注湯不要な場合に無駄に注湯し続けることを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
以上より明らかなように、この発明によれば、不必要な注湯によって浴槽内の湯面が設定水位よりも上昇したり浴槽から湯が溢れ出したりするのを防止できる給湯装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の給湯装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0022】
図1はこの発明の実施の一形態のヒートポンプ式の給湯装置の配管系統図を示している。
【0023】
この給湯装置は、
図1に示すように、貯湯タンク1と、上記貯湯タンク1内の水を沸き上げるためのヒートポンプユニット2とを備えている。上記貯湯タンク1の下部に配管L1の一端を接続し、配管L1の他端をヒートポンプユニット2の熱交換部2aの一端に接続している。また、上記ヒートポンプユニット2の熱交換部2aの他端を配管L2の一端に接続し、配管L2の他端を三方弁10の入力側に接続している。上記三方弁10の一方の出力側に配管L3の一端を接続し、配管L3の他端を貯湯タンク1の上部に接続している。一方、三方弁10の他方の出力側に配管L4の一端を接続し、配管L4の他端を貯湯タンク1の下部に接続している。上記配管L1,L2,L3,L4で貯湯タンク1とヒートポンプユニット2との間の沸き上げ用循環回路を構成している。また、上記配管L1に沸き上げ用循環ポンプP1を配設している。この配管L1の沸き上げ用循環ポンプP1よりも貯湯タンク1側に排水用三方弁25を配設している。この排水用三方弁25は、通常、貯湯タンク1の下部と沸き上げ用循環ポンプP1と連通させる切換位置になっており、メンテナンスなどにより貯湯タンク1内の水を排水するとき、貯湯タンク1の下部と排水口とを連通させる切換位置に排水用三方弁25を切り換える。
【0024】
上記沸き上げ用循環ポンプP1により、貯湯タンク1内の湯水を、配管L1,ヒートポンプユニット2の熱交換部2a,配管L2,三方弁10,配管L3(またはL4)を介して循環させる。
【0025】
次に、上記貯湯タンク1の下部に配管L11を介して外部の給水管を接続している。この配管L11に、ストレーナ11と、給水管側から貯湯タンク1側への流れのみを許容する逆止弁12と、減圧弁13と、給水管側から貯湯タンク1側への流れのみを許容する逆止弁14とを上流側から順に配設している。
【0026】
また、上記貯湯タンク1の上部に配管L21の一端を接続し、配管L21の他端を風呂用混合弁5の一方の入力側に接続している。上記配管L21に、貯湯タンク1側から反対側への流れのみを許容する逆止弁4を配設している。上記風呂用混合弁5の他方の入力側に、分岐配管L12の一端を接続し、その分岐配管L12の他端を、配管L11の減圧弁13と逆止弁14との間に接続している。また、上記風呂用混合弁5の出力側に配管L22の一端を接続し、配管L22の他端を、浴槽3に設けられた接続アダプタ9の給湯口9aに接続している。この配管L22の風呂用混合弁5側から順に、流量調整用電磁弁6と、水量センサ7と、風呂用混合弁5側から浴槽3への流れのみを許容する逆止弁8を配設している。
【0027】
ここで、浴槽3に設けられた接続アダプタ9は、後述する風呂給湯回路(配管L21と配管L22)および風呂循環回路(配管L24,追い焚き用熱交換器20(2次側),分岐配管L23,配管L22)が接続された接続口である。
【0028】
上記流量調整用電磁弁6と水量センサ7と逆止弁8で複合水弁30を構成している。また、上記配管L21と配管L22で、貯湯タンク1と浴槽3との間の風呂給湯回路を構成している。
【0029】
上記接続アダプタ9の追い焚き用吸水口9bに配管L24の一端を接続し、配管L24の他端を追い焚き用熱交換器20の2次側の入力に接続している。上記配管L24に風呂用循環ポンプP3を配設している。また、配管L22の逆止弁8よりも下流側に分岐配管L23の一端を接続し、分岐配管L23の他端を追い焚き用熱交換器20の2次側の出力に接続している。
【0030】
上記風呂用循環ポンプP3により、浴槽3内の湯水を、配管L24,追い焚き用熱交換器20(2次側),分岐配管L23,配管L22を介して循環させる。
【0031】
上記配管L24,追い焚き用熱交換器20(2次側),分岐配管L23,配管L22で風呂循環回路を構成している。上記流量調整用電磁弁6は、風呂循環回路を介して貯湯タンク1内の温水を浴槽3内に流す経路を開閉する開閉弁である。
【0032】
また、上記配管L21の逆止弁4よりも下流側に分岐配管L25の一端を接続し、分岐配管L25の他端を追い焚き用熱交換器20の1次側の入力に接続している。上記追い焚き用熱交換器20の1次側の出力に配管L26の一端を接続し、配管L26の他端を貯湯タンク1の上部に接続している。上記配管L26に追い焚き用循環ポンプP2を配設している。
【0033】
上記追い焚き用循環ポンプP2により、貯湯タンク1内の湯を、配管L21,分岐配管L25,追い焚き用熱交換器20(1次側),配管L26を介して循環させる。
【0034】
また、上記貯湯タンク1の上部に配管L31の一端を接続し、配管L31の他端を給湯用混合弁22の一方の入力側に接続している。上記配管L31に、貯湯タンク1側から給湯用混合弁22への流れのみを許容する逆止弁21を配設している。また、風呂用混合弁5の他方の入力側に、分岐配管L13の一端を接続し、分岐配管L13の他端を、分岐配管L12の給湯用混合弁22の他方の入力側に接続している。上記分岐配管L13に、分岐配管L12側から給湯用混合弁22への流れのみを許容する逆止弁23を配設している。上記給湯用混合弁22の出力側に配管L32の一端を接続し、配管L32の他端を給湯部26(この実施形態では蛇口)に接続している。上記配管L32に水量センサ24を接続している。
【0035】
また、上記貯湯タンク1には、下側から上側に向かって略等間隔に6つの温度センサT1〜T6を設けている。また、給湯部26に接続された配管L32には、水量センサ24よりも下流側に給湯温度を検出する温度センサT11を設けている。また、浴槽3に接続された配管L24には、浴槽3側の接続アダプタ9と風呂用循環ポンプP3との間に、水位センサLSと、水流センサの一例としての水流スイッチSWと、温度センサT12を接続アダプタ9側から順に設けている。また、配管L11の減圧弁13と逆止弁14との間かつ配管L11に分岐配管L12が接続された接続点よりも下流側に、給水温度を検出する温度センサT13を設けている。さらに、浴槽3に接続された配管L22の逆止弁8の下流側、かつ、配管L22に分岐配管L23が接続された接続点よりも上流側に、浴槽3に供給される湯温を検出する温度センサT14を設けている。
【0036】
さらに、上記ヒートポンプユニット2は、熱交換部2aからの戻り水の出湯温度を検出する出湯温度センサT21と、外気温度を検出する外気温度センサT22とを有する。また、このヒートポンプユニット2は、冷媒として炭酸ガス(CO
2)を用いており、出湯温度を例えば65℃〜90℃の範囲で制御することが可能である。
【0037】
また、上記給湯装置は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置100と、上記制御装置100との間で信号を送受信するリモートコントローラ200とを備えている。上記制御装置100は、温度センサT1〜T14と水位センサLSと水流スイッチSWと水量センサ7,24と出湯温度センサT21と外気温度センサT22およびリモートコントローラ200からの信号を受けて、ヒートポンプユニット2と沸き上げ用循環ポンプP1と追い焚き用循環ポンプP2と風呂用循環ポンプP3と風呂用混合弁5と給湯用混合弁22と三方弁10を制御する。
【0038】
また、上記制御装置100は、浴槽3内の水位を判定する水位判定部100aと、水流スイッチSWの検出結果に基づいて風呂循環回路内に流れる水流の有無を判定する水流判定部100bと、「風呂湯張り運転」などを含む注湯運転を制御する注湯制御部100cと、沸き上げ用循環ポンプP1と追い焚き用循環ポンプP2と風呂用循環ポンプP3を制御する循環ポンプ制御部100dとを有する。上記水位判定部100aと水流判定部100bで現在水位判定部を構成している。
【0039】
〔沸き上げ運転〕
上記構成の給湯装置において、ヒートポンプユニット2により貯湯タンク1内の湯を沸き上げる「沸き上げ運転」では、沸き上げ用循環ポンプP1を運転して、貯湯タンク1内の湯を、配管L1,ヒートポンプユニット2の熱交換部2a,配管L2,三方弁10,配管L3(またはL4)を介して循環させる。
【0040】
上記制御装置100は、沸き上げ運転時にヒートポンプユニット2の出湯温度が目標出湯温度TSになるように、ヒートポンプユニット2を制御する。ここで、目標出湯温度TSは、貯湯タンク1から給湯される湯量などに基づいて制御装置100で算出される。例えば、使用される湯量が多い場合、目標出湯温度TSは例えば85℃と高くなり、湯量が少ない場合、目標出湯温度TSは例えば65℃と低くなる。
【0041】
次に、貯湯タンク1から風呂の浴槽3内に給湯する「風呂湯張り運転」を行う場合、ユーザーがリモートコントローラ200を操作して、設定水位と設定温度を自動的に保つ風呂自動運転モードを選択する。この風呂自動運転モードが選択されると、貯湯タンク1から風呂の浴槽3内に給湯する「風呂湯張り運転」を行った後、浴槽3内の湯面水位を設定水位に保つと共に湯温を設定温度に保つように浴槽3内の湯の状態を監視する「風呂監視運転」を行う。
【0042】
〔風呂湯張り運転〕
上記貯湯タンク1から風呂の浴槽3内に給湯する「風呂湯張り運転」を行う場合、制御装置100により流量調整用電磁弁6を開いて、貯湯タンク1内の温水が、配管L21,風呂用混合弁5,配管L22を介して浴槽3内に供給される。このとき、制御装置100は、風呂用混合弁5を制御して、目標設定温度に基づいて、貯湯タンク1からの温水と外部からの給水とを混合すると共に、水位センサLSにより検出された浴槽3内の水位が設定水位になると、流量調整用電磁弁6を閉じる。
【0043】
図2,
図3は上記給湯装置の制御装置100の「風呂湯張り運転」の動作を説明するためのフローチャートを示している。
【0044】
まず、「風呂湯張り運転」の動作がスタートすると、
図2に示すステップS1に進み、循環ポンプ制御部100dにより風呂用循環ポンプP3をオンする。
【0045】
次に、ステップS2に進み、水流スイッチSWにより風呂循環回路内の水流の有無を検知する。
【0046】
次に、ステップS3に進み、循環ポンプ制御部100dにより風呂用循環ポンプP3をオフする。
【0047】
次に、ステップS4において、ステップS2における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流ありと水流判定部100bが判定すると、ステップS5に進む。
【0048】
一方、ステップS4において、ステップS2における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流なしと水流判定部100bが判定すると、ステップS9に進み、基準湯量を注湯した後、ステップS7に進む。ここで、基準湯量とは、浴槽3内が湯なしの空の状態から基準水位S
0になる湯量である。
【0049】
次に、ステップS5で水位センサLSにより浴槽3内の現在水位Sを検出する。
【0050】
次に、ステップS6に進み、水位判定部100aによりステップS1で水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上か否かを判定する。ここで、基準水位S
0とは、浴槽3に設けられた接続アダプタ9よりも上側に予め設定された水位である。
【0051】
そして、ステップS6で浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると水位判定部100aが判定すると、ステップS7に進み、設定水位Ssetと現在水位Sとの差分に相当する追加湯量Qを算出する。
【0052】
次に、ステップS8に進み、ステップS3で算出された追加湯量Qを注湯する(第2注湯動作)。この後、
図4,
図5に示す「風呂監視運転」に進む。
【0053】
一方、ステップS6で浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満であると水位判定部100a判定すると、
図3に示すステップS11に進み、追加湯量Qを予め設定された湯量Q
1に設定する。
【0054】
次に、ステップS12に進み、注湯制御部100cによってステップS11で設定された追加湯量Qを注湯する(第1注湯動作)。
【0055】
次に、ステップS13に進み、循環ポンプ制御部100dにより風呂用循環ポンプP3をオンする。
【0056】
次に、ステップS14に進み、水流スイッチSWにより風呂循環回路内の水流の有無を検知する。
【0057】
次に、ステップS15に進み、風呂用循環ポンプP3をオンしてから予め設定された時間経過した後に風呂用循環ポンプP3をオフする。
【0058】
次に、ステップS16において、ステップS14における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流ありと水流判定部110bが判定すると、ステップS17に進む一方、ステップS14における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流なしと水流判定部110bが判定すると、浴槽3の栓抜けなどの理由で湯張り不要と判断して、「風呂湯張り運転」を終了させる。
【0059】
次に、ステップS17に進み、水位センサLSにより浴槽3内の現在水位Sを検出する。
【0060】
次に、ステップS18に進み、水位判定部100aによりステップS17で水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上か否かを判定する。
【0061】
そして、ステップS18で現在水位が基準水位以上であると水位判定部100aが判定すると、
図2に示すステップS7に進む一方、現在水位Sが基準水位S
0未満であると水位判定部100aが判定すると、ステップS11に戻る。
【0062】
また、上記基準水位S
0の設定は次のように行う。すなわち、給湯装置の設置時の試運転において、空の状態の浴槽3に10リットルずつ注水しながら、風呂用循環ポンプP3をオンして風呂循環回路内の水流の有無を確認する。そうして注水を繰り返し、浴槽3内の水面が接続アダプタ9を越えて風呂循環回路内に水流が生じると、水流スイッチSWがオンするので、その後に20リットルを注水し、接続アダプタ9よりも上側に水面を上昇させる。このときの水位センサLSにより検出される水位を基準水位S
0とする。これにより、浴槽3の接続アダプタ9よりも上側に基準水位S
0が設定される。
【0063】
〔風呂監視運転〕
上記「風呂湯張り運転」の終了後、浴槽3内の湯の設定水位,設定温度に保つように浴槽3内の湯の状態を監視する「風呂監視運転」において、制御装置100は、所定の間隔毎に水位センサLSにより浴槽3内の現在水位を検出し、流量調整用電磁弁6を制御して、水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位が設定水位になるように浴槽3内に注湯を行う。
【0064】
また、制御装置100は、所定の間隔毎に風呂用循環ポンプP3を動作させて、浴槽3内の湯を風呂循環回路(配管L24,追い焚き用熱交換器20(2次側),分岐配管L23,配管L22)を介して循環させ、温度センサT12により湯温を検出する。この湯温検出は、上記現在水位の検出と同じタイミングで行うが、異なるタイミングで行ってもよい。
【0065】
そして、制御装置100は、追い焚き用循環ポンプP2を動作させて、貯湯タンク1内の湯を、配管L21,分岐配管L25,追い焚き用熱交換器20(1次側),配管L26を介して循環させる。これにより、風呂循環回路を流れる湯を追い焚き用熱交換器20で加熱して、温度センサT12により検出された湯温が設定温度になるまで、追い焚き用循環ポンプP2と風呂用循環ポンプP3を動作させる。
【0066】
上記「風呂監視運転」は、リモートコントローラ200で停止操作したときか、一定時間が経過したときに終了する。または、上記湯温を設定温度に保つために風呂用循環ポンプP3を動作させたときに、水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流なしと検知すると、「風呂監視運転」を終了する。
【0067】
図4,
図5は上記給湯装置の制御装置100の「風呂監視運転」の動作を説明するためのフローチャートを示している。
【0068】
まず、「風呂監視運転」の動作がスタートすると、
図4に示すステップS21で水位センサLSにより浴槽3内の現在水位Sを検出する。
【0069】
次に、ステップS22で現在水位Sが(設定水位Sset−α)未満であると水位判定部100aが判定すると、ステップS23に進む一方、現在水位Sが(設定水位Sset−α)以上であると水位判定部100aが判定すると、ステップS26に進み、保温運転を行う。
【0070】
次に、ステップS23に進み、水位判定部100aによりステップS1で水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上か否かを判定する。
【0071】
そして、ステップS23で浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると水位判定部100aが判定すると、ステップS24に進む。
【0072】
次のステップS24では、設定水位Ssetと現在水位Sとの差分に相当する追加湯量Qを算出する。
【0073】
次に、ステップS25に進み、注湯制御部100cによってステップS3で算出された追加湯量Qを注湯する(第2注湯動作)。
【0074】
そして、ステップS26に進み、保温運転を行った後、ステップS27に進み、風呂監視運転が終了か否かを判定する。
【0075】
ステップS27で風呂監視運転が終了であると判定すると、この処理を終了する一方、風呂監視運転が終了していないと判定すると、ステップS21に戻る。
【0076】
一方、ステップS23で浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満であると判定すると、
図5に示すステップS31に進み、追加湯量Qを予め設定された湯量Q
1に設定する。
【0077】
次に、ステップS32に進み、ステップS31で設定された追加湯量Qを注湯する(第1注湯動作)。
【0078】
次に、ステップS33に進み、循環ポンプ制御部100dにより風呂用循環ポンプP3をオンする。
【0079】
次に、ステップS34に進み、水流スイッチSWにより風呂循環回路内の水流の有無を検知する。
【0080】
次に、ステップS35に進み、風呂用循環ポンプP3をオンしてから予め設定された時間経過した後に風呂用循環ポンプP3をオフする。
【0081】
次に、ステップS36に進み、ステップS34における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流ありと水流判定部100bが判定すると、ステップS37に進む一方、ステップS34における水流スイッチSWの検知結果が風呂循環回路内の水流なしと水流判定部100bが判定すると、排水と判別して「風呂監視運転」を終了する。
【0082】
次に、ステップS37において、水位センサLSにより浴槽3内の現在水位Sを検出する。
【0083】
次に、ステップS38に進み、水位判定部100aによりステップS36で水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上か否かを判定する。
【0084】
そして、ステップS38で現在水位Sが基準水位S
0以上であると水位判定部100aが判定すると、
図4に示すステップS22に進む一方、現在水位Sが基準水位S
0未満であると水位判定部100aが判定すると、ステップS31に戻る。
【0085】
上記構成の給湯装置によれば、例えば、浴槽3内に残湯がある状態から「風呂湯張り運転」を行う場合、制御装置100の注湯制御部100cは、この「風呂湯張り運転」の開始時に、現在水位判定部(水位判定部100a,水流判定部100b)が水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満であってかつ接続アダプタ9よりも上側であると判定すると、予め設定された湯量Q
1(この実施の形態では10リットル)を注湯する第1注湯動作を行う。ここで、風呂用循環ポンプP3をオンした状態で水流スイッチSWが風呂循環回路内に水流ありと検知したとき、水流判定部100bは、浴槽3内の現在水位Sが接続アダプタ9よりも上側であると判断する。
【0086】
これにより、風呂循環回路内に滞留した気泡を排出できる。そうして、浴槽3内の湯面が基準水位S
0を越えると、水位判定部100aが水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると判定し、注湯制御部100cは、設定水位Ssetと現在水位Sとの差分に相当する追加湯量Qを注湯する第2注湯動作を行うことにより、浴槽3内の湯面を設定水位Ssetにする。
【0087】
また、上記「風呂湯張り運転」が終了した後に「風呂監視運転」を行う場合、制御装置100の注湯制御部100cは、この「風呂監視運転」の開始時に現在水位判定部(水位判定部100a,水流判定部100b)が、水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満であってかつ接続アダプタ9よりも上側であると判定すると、予め設定された湯量Q
1を注湯する第1注湯動作を、水位判定部100aが水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると判定するまで繰り返し行う。
【0088】
これにより、風呂循環回路内に滞留した気泡を排出できる。そうして、水位判定部100aが水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると判定すると、注湯制御部100cは、設定水位Ssetと現在水位Sとの差分に相当する追加湯量Qを注湯する第2注湯動作を行う。
【0089】
このように、水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満で実際よりも低い水位が検出される可能性があるときは、設定水位Ssetと現在水位Sとの差分に相当する追加湯量Qを一度に注湯する第2注湯動作を行わずに、予め設定された湯量Q
1を注湯する第1注湯動作を繰り返すことにより、浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0を越えて初めて設定水位Ssetと現在水位Sとの差分(Sset−S)に相当する追加湯量Qを注湯する第2注湯動作を行うので、不必要な注湯によって浴槽3内の湯面が設定水位Ssetよりも上昇したり浴槽3から湯が溢れ出したりするのを防止できる。
【0090】
また、上記第1注湯動作を数回行うことで浴槽3内の水位が基準水位S
0を越えるように、第1注湯動作の湯量Q
1が予め設定されていることによって、時間をかけずに短時間で浴槽3内の湯面を基準水位S
0以上の水位にすることができ、注湯運転の時間を短縮できる。
【0091】
また、上記制御装置100の循環ポンプ制御部100dは、注湯制御部100cによって予め設定された湯量Q
1を注湯する第1注湯動作を行った後、風呂用循環ポンプP3を予め設定された時間動作させることによって、風呂循環回路の配管内に滞留した気泡を排出でき、気泡による水位センサLSの検出誤差を少なくできる。
【0092】
また、上記現在水位判定部(水位判定部100a,水流判定部100b)が、水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0未満であってかつ接続アダプタ9よりも上側であると判定して予め設定された湯量Q
1を注湯する第1注湯動作を行った後、水位判定部100aが水位センサLSにより検出された浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であると判定し、かつ、循環ポンプ制御部100dによる風呂用循環ポンプP3の動作時に水流スイッチSW(水流センサ)が風呂循環回路内に水流があると水流判定部100bが判定するまで、予め設定された湯量Q
1を注湯する第1注湯動作を繰り返す。これにより、水流スイッチSWが風呂循環回路内に水流があると検知することで、浴槽3の接続アダプタ9よりも上側に湯面があると判別することが可能になり、浴槽3の接続アダプタ9よりも上側に湯面があることで浴槽3内の現在水位Sが基準水位S
0以上であることが確実に判別できる。
【0093】
上記実施の形態では、ヒートポンプ式の給湯装置について説明したが、熱源装置はヒートポンプに限らず、他のヒータやボイラなどの熱源装置を備えた給湯装置にこの発明を適用してもよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、水流センサとして水流スイッチSWを用いた給湯装置について説明したが、水流センサはこれに限らず、水量を検出するセンサでもよい。
【0095】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。