(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る携帯型太陽光発電装置1のシート支持手段を除いた太陽光発電ユニットUを示す斜視図であり、
図1〜9は本発明の第1実施形態、
図10〜12は第2実施形態、
図13は第3実施形態、
図14は第4実施形態を示し、図中符号2は太陽光発電シート、3はローラ、4は収納ケースをそれぞれ示している。
【0014】
本発明の携帯型太陽光発電装置1は、
図1〜4に示すように、可撓性を有する太陽光発電シート2と、該太陽光発電シート2を巻き取るローラ3を内蔵し、太陽光発電シート2をローラ3に巻き取って引き出し可能に収納する収納ケース4とよりなる太陽光発電ユニットUが構成され、更に、
図5に示すように、収納ケース4から引き出された太陽光発電シート2を支持して斜め上方に伸張した姿勢に保持するシート支持手段5を備えている。
【0015】
このような携帯型太陽光発電装置1は、工事現場や電源設備の無いキャンプ場などの野外での活動やトレーラーハウスへの電源供給などその他の電源として広く利用でき、簡単に組み立て/収納して持ち運ぶことができ、例えば工事等の場合には工事が終わり次の場所へ移動する際にも手軽に使用することができる。また、シート支持手段5を有するため引き出した太陽光発電シートを斜め上方に伸張した状態に保持でき、しかも季節(太陽の高さ)に応じてその保持する高さ、すなわち太陽光発電シートの伸張角度を容易に変更でき、太陽光が電池面にできるだけ垂直に照射するようにして設置できるものである。
【0016】
太陽光発電シート2は、フィルム型アモルファス太陽電池20が好適に使用でき、これを該太陽電池20よりも若干大きな寸法を有する合成樹脂又は合成ゴム製の基台シートの上面に貼り付けて構成してもよいし、直接用いてもよい。本例では、
図2に示すように、フッ素系樹脂からなる基材シートを用する太陽電池20をそのまま用いている。本例の太陽電池20は引き出し方向先端側と基端側にプラス/マイナスの出力電極を有する構造であるため、該太陽光発電シート2(太陽電池20)の側端部2cの太陽電池セルの存在しない部分に沿って配線が付設されている。
【0017】
この配線は、銅箔テープを貼る構造も可能である。しかしながら、太陽光発電シート2の巻き取り/引き出しの繰り返しで銅箔が断線する虞がある。そこで、本例ではシート先端側の出力電極とローラ内周面側のブラシを接続するリード線21を当該側端部2cに沿って付設している。このリード線21はテープで貼り付けて固定することも可能であるが、太陽電池20が本例のようにフッ素系樹脂など接着性の悪い素材には不適用である。本例では、側端部2cに沿ってリード線21よりやや大きい貫通穴20bを所定間隔おきに複数形成し、リード線21をこれに表裏交互に挿通して縫うように取り付けることで弛みの無い配線構造を実現している。
【0018】
太陽光発電シート2は、太陽電池20の全面に太陽光を受光しないと効率が大幅に落ちる。このため、少なくとも太陽電池20の部分については収納ケース4から十分に引き出す必要がある。そこで、本例ではフィルム型アモルファス太陽電池20の基端側に同じく可撓性を有して略同一幅の合成樹脂シート材22が連結され、これにより太陽電池20部分を十分に引き出し可能とし、引き出し後も該合成樹脂シート材22が収納ケース4内のローラ3に少なくとも一巻き以上の余巻きがなる状態とされ、伸張時のシート基端側の保持強度を維持している。
【0019】
合成樹脂シート材22は、太陽電池20のシートと同等以上の弾性応力がないと巻き取りがスムーズに出来ないので、同じくフッ素系樹脂シートを用いる。接着性の悪いフッ素系樹脂シート同士の接合は、アルミ箔を超音波で発熱するオールオーバー接着の技術を用いた。また、合成樹脂シート材22の適当な部位に、過剰な引き出しを防止するためのストップラベルが貼り付けられている。
【0020】
前記太陽光発電シート2の先端縁部には、係止部材6として中央に把持部61を有する係止棒60が該縁部に沿って固定されており、収納時には、該係止棒60の左右両端部60aが収納ケース4の引き出し口40外側の左右のケース前面41に係止することで収納ケース4内に入り込まないようにケース外側に保持され、引き出し時には前記把持部61を持って太陽光発電シート2を引き出すことができる構造とされている。
【0021】
収納ケース4は、前面側において太陽光発電シート2を水平方向に引き出す位置から所定角度斜め上方に引き出す位置までの所定角度範囲が開口した引き出し口40が設けられており、水平方向に引き出す位置にあたる上下所定幅の開口領域R1を除き、それより上側の開口領域R2を塞ぐ蓋体42がヒンジ43を介して上側に開閉自在に設けられている。これにより収納状態では蓋体42により開口部を閉じて埃や異物の侵入を防止して内部の太陽光発電シート2を保護できるとともに、使用の際には蓋体42を上に開けて太陽光発電シート2を引き出し、シート支持手段5により斜め上方に伸張した姿勢に保持することが可能となる。
【0022】
収納ケース4内部には、
図3に示すように、太陽光発電シート2を巻き取るローラ3が回転支持軸7(左右の回転支持軸71、72)により回転可能に支持されている。より具体的には、ケース底板の左右端部に略L字状の支持部材70が設けられ、該支持部材70により回転支持軸71、72が回転不能に支持され、ローラ3と回転支持軸7よりなるローラユニットAが固定されている。ローラ3と回転支持軸7との間には、ローラ3の回転によりケース外に引き出される太陽光発電シート2を弾性復元力でローラ3に巻き戻すためのコイルばね8が介装されている。
【0023】
ローラ3は、
図6(b)に示すように内側に係合用或いは螺子止め用の突起30a、30bが突出した断面構造を有するアルミ押出し材よりなる筒状材30と、該筒状材30の両端部を塞ぐように突起30a、30bの螺子孔両端部に取付ネジ31b,32bで固定され、回転支持軸7に対する軸受け部として機能するフランジ31a,32a付きの支持材31、32と、前記筒状材30の内側の途中位置に軸方向に移動可能に係合されて該筒状材30とともに回転し、コイルばね8の一端側が固定される端部ブラケット33とを備えている。
【0024】
回転支持軸72はローラ内側に延設されており、
図7に示すように、その外周面に筒状のスペーサ73を介してより大径の円筒状の軸体74が装着されるとともに、該軸体74の外周面上にコイルばね8及び端部ブラケット33が装着されている。コイルばね8は、一端側の鉤状端部81が前記端部ブラケット33に回転不能に係止され、該端部ブラケット33が前記軸体74の外周面上を回転及び軸方向へ移動可能とされている。この端部ブラケット33は、外周面上に溝部33aが形成されており、該溝部33aにローラ筒状材30内側の突起30aが係入された状態で該ローラ3に対して軸方向へ相対移動可能とされている。この端部ブラケット33は、中間位置において回転支持軸7に対しローラ3を回転可能に支持する軸受け部として機能している。
【0025】
コイルばね8の他端側は、その鉤状端部82が回転支持軸72及び軸体74の連通孔72a,74aに係止され、回転支持軸7に対して回転不能とされている。そして、巻き取り、引き出し時にコイルばね8がねじれても前記端部ブラケット33の軸方向への相対移動により回転支持軸7に対するローラ3の軸方向への力の作用が吸収され、ローラ3が軸方向へ移動して太陽光発電シート2に無理な横方向への力が作用することを未然に回避できる構造とされている。尚、ラチェット機構を設けて、ローラ3が勝手に巻き戻らないようにし、巻き戻すときはレバーでフリーにして巻き戻す構造とすることも好ましい。このようなラチェット機構はロールスクリーンなどで公知の構造を採用できる。
【0026】
太陽光発電シート2の発電電力は、
図8に示すように、シート基端側から延出されるリード線21、23がローラ筒状材30の通孔30cを通じてローラ3内に導かれ、該ローラ3の内周面側の軸方向の異なる位置に突設されたプラス側ブラシ90及びマイナス側ブラシ91にそれぞれ接続されている。各ブラシ90、91はローラ3と一緒に回転し、該ローラ3の内側に延設される回転支持軸71の外周面上に、各ブラシ90、91に摺接するプラス側電極筒92及びマイナス側電極筒93を互いに絶縁状態で設けて、これら電極筒92、93から回転支持軸71の内部配線94、95を通じてローラユニットAの外部に取り出される構造とされている。
【0027】
より詳しくは、中空の回転支持軸71のローラ内側に延設された外周面上に絶縁部材96を介してプラス側電極筒92及びマイナス側電極筒93を互いに軸方向に離間した位置に取り付け、該回転支持軸71上を回転するローラ支持材32から軸方向内側に向けて支持片97、98が突設され、各支持片97、98の前記プラス側電極筒92、マイナス側電極筒93に対応する位置に前記ブラシ90、91が中心側に付勢された状態に設けられ、対応する電極筒92、93にそれぞれ付勢された状態で摺動する。このようなブラシを用いた電極構造とすることで、リード線等の配線がよじれることなく発電電力を取り出すことができ、耐久性を高めることが可能であり、また、電極がローラ3に内蔵されるので電極部の防水加工が可能となる。電極の結線が複雑であるとローラユニットAの交換が容易でないが、本例では、ローラユニットAからの配線は図示しないコネクタに接続されており、収納ケース内のローラユニットAを容易に交換可である。
【0028】
シート支持手段5は、
図5に示すように先端側に太陽光発電シート2の先端部に係合する係合部50aを有する伸縮可能な支柱50と、該支柱50を立起状態に保持する保持部材51とより構成されており、該支柱50の伸縮により太陽光発電シート2の上下角度が調整される。すなわち本装置を使用する際は、太陽光発電シート2に太陽光を効率よく垂直に受光させるため、太陽光発電ユニットUの収納ケース4側の蓋体42を開け、太陽光発電シート2を斜めに引き出して先端部を支柱50の係合部50aに固定することで当該斜めに伸張された状態に保持される。
【0029】
本例のシート支持手段5は、映写スクリーンのスタンドなどを利用した例であり、更に冬の位置、春と秋の位置、夏の位置をそれぞれマーキングして季節ごとに支柱50の高さを変えて太陽光発電シート2の伸張角度を調整できるものとすることが好ましい。このようなシート支持手段5の場合、シートの巻き戻し力が強いと支柱50が倒れないように大きな脚部が必要となるので、太陽光発電シート2のローラ3にラチェット式のブレーキ機構を設けることが好ましい。
【0030】
太陽光発電ユニットUには、
図5に示すように、太陽光発電シート2による発電電力を蓄電するためのバッテリーを内蔵した蓄電装置Sが接続される。具体的には、太陽光発電ユニットUの収納ケース4に外部の蓄電装置Sと接続するための出力端子が設けられている。蓄電装置Sの内蔵バッテリーは、充放電カーブが他の2次電池に比べてリニアで充放電制御が行いやすく、安価で安全性も高い鉛バッテリーが好ましい。蓄電装置Sには、更に電流制限回路が設けられ、バッテリー充電電流を制限して過充電によるバッテリー劣化を防止している。また、AC100V,DC5V/12Vを供給可能な電源出力部が設けられる。更に外部バッテリーも接続可能とすれば夜間使用等の際にも便利である。
【0031】
太陽光発電ユニットUを複数並列に接続する連結用端子を収納ケース4に設けることも好ましい実施例である。このように接続可能に構成すれば、太陽光発電ユニットUを容易に増設でき、1台の蓄電装置Sへの発電電力量を容易に高めることができる。
【0032】
次に、
図10〜12に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。
【0033】
本実施形態では、太陽光発電シート2の姿勢を保持するシート支持手段5における支柱50の保持部材51が、支柱50の基端部に設けられる脚材52と、該支柱50の基端部から設置面に沿った水平方向に延びて太陽光発電ユニットUの収納ケース4に他端部53aが連結される棒状の連結杆53とより構成され、ローラ3の太陽光発電シート2を巻き戻す力が作用する状況において支柱50の倒れを防止し、該巻き戻す力によって太陽光発電シート2を自重で大きく撓むことなく伸びた状態に保持できる構造とされている。つまり本例によればローラ3にラチェット式のブレーキ機構を設けることが不要である。
【0034】
脚材52は、
図11にも示すように2枚の板状部材を左右に広げて支柱の横方向への倒れを防止する支持脚であり、使用後の収納時に連結杆53と重なる状態としてコンパクトに収納できるように何れも後述するヒンジ部54の下面に回転自在に枢支されている。連結杆53は、支柱50の基端部にヒンジ部54を介して折り畳み可能に連結されており、使用後の収納時には
図12に示すように支柱50、連結杆53、脚材52を一方向に重ねてコンパクトに収納可能に構成されている。ヒンジ部54は、90度に開くとボタンが飛び出して固定するロック機構が設けられ、該ボタンを押して折り畳むことができる。
【0035】
支柱50と連結杆53は、いずれも内パイプを引き出すとボタンが飛び出して固定する伸縮自在な棒体であり、季節(太陽の高さ)に応じて双方の長さを変更可能としている。具体的には、
図12に示すように3段階の位置に前記ボタンが飛び出る孔が設けられ、季節に合わせて高さ(支柱50の長さ)と収納ケース4までの距離(連結杆53の長さ)を変えることで太陽光発電シート2の伸張角度を季節に応じた角度に容易に設定できるように構成されている。
【0036】
次に、
図13に基づき、本発明の第3実施形態を説明する。
【0037】
本実施形態では、太陽光発電シート2の姿勢を保持するシート支持手段5における支柱50の保持部材51が、支柱50の先端部50cに一端側が連結され、他端側に前記太陽光発電シート2と反対側斜め下方の設置面に固定される固定部55aを有する線材55より構成されたものである。線材55はロープや紐、ワイヤ等が好適に利用でき、保持部材が安価に実現できる。支柱50の同じ先端部50cに対して2本以上の線材55を用いて横方向2箇所以上に固定して安定保持させることがより好ましい。本例では、線材の固定部55aはアンカー固定部である。
【0038】
次に、
図14に基づき、本発明の第4実施形態を説明する。
【0039】
本実施形態では、太陽光発電シート2の姿勢を保持するシート支持手段5が、アーチ状に湾曲変形可能な可撓性を有する支持杆56と、該支持杆56の端部間に掛け渡され、該支持杆56の湾曲変形状態を保持する保持部材57とより構成されている。支持杆56の湾曲した頂上部となる途中位置には、太陽光発電シート2の先端部に係合する係合部56aが設けられている。すなわち、使用の際に保持部材57により湾曲変形状態とした支持杆56の頂上部の係合部56aに、収納ケース4から引き出した太陽光発電シート2を保持することで斜め上方に伸張した状態を保持するものである。
【0040】
係合部56aの高さ位置は、前記保持部材57による支持杆56の保持位置を変更して支持杆56の湾曲形状を変えることにより変更でき、これにより太陽光発電シート2の上下角度を調整できる。本例では支持杆56を略Y字状に途中位置から分岐した構造とし、左右安定した支持機能を得ているが、その他の形状、例えばX字状に構成したものも可能である。保持部材57はロープ、紐、ワイヤ等の線材でよく、支持杆56の端部を保持する輪を複数個所設けて、季節により輪を選択して係合部56aの高さを変えることが好ましい。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。