(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5790940
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】端子ボックス
(51)【国際特許分類】
H02S 40/34 20140101AFI20150917BHJP
【FI】
H02S40/34
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-277337(P2011-277337)
(22)【出願日】2011年12月19日
(65)【公開番号】特開2013-128061(P2013-128061A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2014年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100174780
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 敦史
(72)【発明者】
【氏名】河西 孝英
【審査官】
井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/067466(WO,A1)
【文献】
独国実用新案第202009012176(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部が形成されたボックス本体と、
前記凹部に収容され、太陽電池パネルのタブと電力線とを導通させる端子板を備え、
前記端子板は、
前記ボックス本体から前記太陽電池パネル側に突出し、当該太陽電池パネルのタブと接触する接触部を有する突出部と、
前記突出部の突出方向と直交する方向に延設されたばね部と、を備え、
前記突出部は前記ばね部の一方の端部に支持され、
前記ばね部は、前記突出部の突出方向と当該ばね部の延設方向とに直交する法線を有する平面内で複数の折り返し部を有する蛇行構造により構成され、
前記複数の折り返し部は、前記ばね部の延設方向に沿って配置されている端子ボックス。
【請求項2】
前記突出部が突出方向に沿う方向に変位した状態を保持する変位保持部を備えている請求項1記載の端子ボックス。
【請求項3】
前記変位保持部は、前記突出部と前記ボックス本体との一方に形成された係合爪と、前記突出部と前記ボックス本体との他方に形成され、前記係合爪と複数の位置で係合可能な被係合部と、から構成されている請求項2記載の端子ボックス。
【請求項4】
前記ばね部の前記突出部が設けられている側とは反対側の端部に、前記ボックス本体に支持される被支持部を備えている請求項1から3のいずれか一項に記載の端子ボックス。
【請求項5】
一対の前記ばね部と、
前記一対のばね部の前記一方の端部にわたって架設された支持部と、を備え、
前記突出部は前記支持部の架設方向の略中央位置で支持されている請求項1から4のいずれか一項に記載の端子ボックス。
【請求項6】
前記端子板は4つの辺を有する略ロ字状に形成され、
前記ばね部は前記突出部が形成されている前記辺に隣接する2つの前記辺に形成され、
前記突出部が形成されている前記辺に対向する前記辺に前記電力線を接続する外部接続部が形成されている請求項5記載の端子ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルのタブと電力線とを接続する端子板を有する端子ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽電池モジュールは、複数の太陽電池パネルを備えており、各太陽電池パネルの裏面には端子ボックスが備えられている。この端子ボックスには、太陽電池パネルのタブと外部の電力線とを導通させる端子板が備えられている。そのため、端子板の一部は太陽電池パネルのタブと接触する必要がある。
【0003】
太陽電池パネルのタブの配置は様々なものがあるが、太陽電池パネルの裏面上に配置されたもの(以下、第1形態と称する)や、太陽電池パネルの裏面付近の内部に配置されたもの(以下、第2形態と称する)がある。このように配置されたタブと端子板とを接触させるためには、端子板を端子ボックスの本体から突出するように構成する必要がある。
【0004】
一方、端子板の突出量が不適切な場合には、様々な問題が生じる。例えば、突出量が小さ過ぎる場合には端子板がタブに接触せずに導通不良を生じるおそれがある。また、突出量が大きすぎる場合には端子ボックスが太陽電池パネルの裏面から浮き上がり、その隙間から雨水等が端子ボックスの内部に侵入するおそれがある。そのため、端子板の突出量は使用する太陽電池パネルの仕様に応じて適切に設定する必要がある。
【0005】
しかしながら、太陽電池パネルの仕様によって適切な端子板の突出量は異なっている。また、上述した態様の違いによっても適切な端子板の突出量は異なるおそれがある。そのため、使用する太陽電池パネルの仕様に応じて、端子板の突出量を調整することは煩雑であり設置のコストを増大させる。また、端子ボックス自体も端子板の突出量を調整可能にする必要があり、端子ボックスの製造コストの増大に繋がり好ましくない。また、様々な突出量に設定された端子板を有する端子ボックスを使用することも考えられるが、この場合も端子ボックスの製造コストの増大を招くため、好ましくない。
【0006】
このような課題を解決するために、例えば、特許文献1の端子ボックスでは、太陽電池パネルと略平行に設けられた端子板(端子板)の先端部がばね性を有するように構成されている。また、特許文献2の端子ボックスでは、端子板の中間部に弾力を有する部分を形成している。これらの構成では、端子板の先端部の突出量を大きめに設定しておけば、端子板のばね性により端子板とタブとの接続が確実に維持され。また、接触によって生じる押圧力が端子板の先端部のばね性により吸収されるため、端子ボックスが浮き上がることも防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開2010/067466号公報
【特許文献2】特表2011−503884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1,2の端子ボックスでは、端子板の先端部や中間部に弾性を有する部位を形成しているため、端子板の突出量の調整能力はあまり大きくない。また、特許文献2の端子ボックスでは、半田ゾーン(端子板のタブと半田付けする部分)の上方に弾性を有する部分が形成されているため、弾性を有する部分が半田付け作業を阻害するおそれもある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子板の突出量を容易に調整することができる端子ボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の端子ボックスは、凹部が形成されたボックス本体と、前記凹部に収容され、太陽電池パネルのタブと電力線とを導通させる端子板を備え、前記端子板は、前記ボックス本体から前記太陽電池パネル側に突出し、当該太陽電池パネルのタブと接触する接触部を有する突出部と、前記突出部の突出方向と直交する方向に延設されたばね部と、を備え、前記突出部は前記ばね部の一方の端部に支持され、前記ばね部は、前記突出部の突出方向と当該ばね部の延設方向と直交する法線を有する平面内で複数の折り返し部を有する蛇行構造により構成され
、前記複数の折り返し部は、前記ばね部の延設方向に沿って配置されている。
【0011】
この構成では、ボックス本体から太陽電池パネル側に突出した突出部に形成された接触部が太陽電池パネルのタブと接触する。そのため、接触部がタブと接触すると突出部に対して引退方向(太陽電池パネルと反対方向)への力が作用する。この突出部は、突出部の突出方向と直交する方向に設けられたばね部の一方の端部に支持されているため、突出部に作用した力はばね部に対して曲げ方向への力として伝達される。そのため、接触部とタブとの当接は、ばね部の曲げ弾性により適切に維持され、接触不良を防止することができる。また、突出部に対する力はばね部により吸収されるため、ボックス本体の浮き上がりを防止することができる。さらに、突出部の突出量が少ない場合でも、ばね部の曲げ弾性により突出量を大きく調整することもできる。
【0012】
また、この構成では、ばね部は、突出部の突出方向とばね部の延設方向とに直交する法線を有する平面内で複数の折り返し部を有する蛇行構造により構成されているため、突出部の突出方向から見た場合には、ばね部の厚み部分しか見えない。すなわち、ばね部は線状に見えるに過ぎない。そのため、ばね部によって接触部の視認性が低下することがなく、接触部とタブとの半田付けが容易となる。
【0013】
本発明の端子ボックスの好適な実施形態の一つでは、前記突出部が突出方向に沿う方向に変位した状態を保持する変位保持部を備えている。
【0014】
上述のように、突出部はばね部の端部に支持されており、突出部(接触部)がタブと接触した際にはばね部に対して曲げ方向の力が作用する。このとき、突出部の引退量が大きければ、ばね部は大きな弾性復帰力を生じる。この弾性復帰力は、端子ボックスを太陽電池パネルから剥がす方向(以下、剥がし方向と称する)に作用する。しかしながら、上述の構成では、変位保持部によって突出部の突出方向への変位状態が保持される。すなわち、ばね部の弾性復帰力が変位保持部によって支持される。これによって、ばね部に大きな弾性復帰力が生じても、端子ボックス作用する剥がし方向の力を低減することができる。このように、端子ボックスに作用する剥がし方向の力を低減することにより、端子ボックスと太陽電池パネルとを接着する接着剤が乾いて適切な接着力を生じるまで、端子ボックスを押さえておくような作業が不要となる。
【0015】
前記突出部と前記ボックス本体との一方に形成された係合爪と、前記突出部と前記ボックス本体との他方に形成され、前記係合爪と複数の位置で係合可能な被係合部と、から変位保持部を構成すれば、簡易な構成で変位保持部を実現することができる。
【0016】
本発明の端子ボックスの好適な実施形態の一つでは、前記ばね部の前記突出部が設けられている側とは反対側の端部に、前記ボックス本体に支持される被支持部を備えている。
【0017】
この構成では、被支持部が支点となって、突出部に作用する力を支持することができる。また、ばね部の一方側の端部に突出部が支持されており、他方側の端部に被支持部が設けられているため、支点と力点との距離を大きくとることができ、大きな力を支持することができる。
【0018】
本発明の端子ボックスの好適な実施形態の一つでは、一対の前記ばね部と、前記一対のばね部の前記一方の端部にわたって架設された支持部と、を備え、前記突出部は前記支持部の架設方向の略中央位置で支持されている。
【0019】
この構成では、一対のばね部の間に形成された空間から突出部、特に、接触部を臨むことができるため、接触部とタブとの半田付けが容易となる。また、突出部が支持部を介して一対のばね部によって支持されるため、安定して突出部を支持することができる。
【0020】
本発明の端子ボックスの好適な実施形態の一つでは、前記端子板は4つの辺を有する略ロ字状に形成され、前記ばね部は前記突出部が形成されている前記辺に隣接する前記辺に形成され、前記突出部が形成されている前記辺に対向する前記辺に前記電力線を接続する外部接続部が形成されている。
【0021】
この構成では、突出部と外部接続部とが対向する辺に形成されているため、突出部に作用する力が外部接続部に伝達されにくくなる。これにより、外部接続部と電力線との接続部分に力が作用することにより、これらの接続状態を悪化させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図6】本発明の端子ボックスの端子板の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を用いて本発明の端子ボックスの実施形態を説明する。
図1は本実施形態における端子ボックスの斜視図であり、
図1(a),(b)はそれぞれ上方側,下方側から見た図である。
図2,3はそれぞれ上方側,下方側から見た本実施形態における端子ボックスの分解斜視図である。これらの図に示すように、端子ボックスは本体上部1、本体下部2、ピン3、端子板4を主要な構成部品として構成されている。なお、これらの図では端子ボックスの構成部品のうち特に本発明に関連するもののみを表している。
【0024】
本体上部1は、上壁11と上壁11から立設された4つの側壁12a,12b,12c,12dを備えている。したがって、本体上部11は、下方が開口する略箱状に構成されている。側壁12a,12bおよび12dは略矩形形状であるが、側壁12cはアーチ状であり、孔13が形成されている。
【0025】
一方、本体下部2は、下壁21、下壁21から立設された4つの側壁22a,22b,22c,22dを備えている。また、側壁22b,22c,22dに内側には、それぞれに平行して立設された内壁28b、28c、28dが形成されている。側壁22a,内壁28b,28c,28dによって囲まれた空間によって、端子板4を収容する凹部24が形成されている。下壁21の凹部24の底面に当たる部分には孔21aが形成されている。また、側壁22cから所定の距離をおいて下壁21から縦壁23が立設され、側壁22cと縦壁23との間には略円筒形の連結部25が形成されている。
【0026】
このように構成された本体下部2に対して本体上部1を外嵌することにより本体下部2の凹部24を密閉することができる。すなわち、本体上部1の側壁12a,12b,12c,12dがそれぞれ本体下部2の側壁22a,22b,22c,22dに対して外側から当接する。このとき、本体上部1の側壁12cの外面と本体下部2の縦壁23の凹部24が形成されている側(以下、内側と称する)の面(以下、内面と称する)とが当接する。また、本体上部1の側壁12cの孔13に対して、本体下部2の連結部25が嵌り込むようになっている。このようにして、本体下部2の凹部24を密閉することができる。
【0027】
縦壁23の凹部24が形成されている側とは反対側(以下、外側と称する)の面(以下、外面と称する)には、筒状部26が形成されている。この筒状部26には電力線が挿通されたピン3が内挿される。また、縦壁23からは外側に向かって一対の係止爪27が立設されている。
【0028】
ピン3は導電性の部材により構成されており、略筒状に形成されている。このピン3には電力線に接続された導電性部材が挿通される。これにより、電力線とピン3とが導通状態となる。また、ピン3の一方側の端部には端子板4に接続する舌状部31が設けられている。したがって、ピン3は舌状部31が筒状部26および連結部25を介して凹部24に臨むように、ピン3が挿通される(
図4参照)。なお、ピン3に対して被覆を剥がして導線が露出した電力線を接続するように構成しても構わない。
【0029】
また、ピン3の舌状部31が設けられた側とは反対側の端部には、電力線に接続された導電性部材を保持する保持部32が形成されている。この保持部32は、軸芯方向の複数のスリットが形成されており、他の部分よりも内径が小さくなるように構成されている。
【0030】
端子板4は導電性材料により構成されており、下方に突出する突出部41、突出部41を一方側の端部で支持する一対のばね部42、本体下部2によって支持される一対の被支持部43、ピン3の舌状部31を載置する外部接続部44を備えている。
【0031】
図4は、内壁28b,28dに沿う方向(以下、前後方向と称する)の切断線による本実施形態の端子ボックスの断面図である。図に示すように、ばね部42の長手方向が端子ボックスの前後方向に沿うように本体下部2の凹部24に収容される。このとき、本体下部2の孔21aを介して突出部41が本体下部2の下壁21から突出するように、突出部41の長さが設定されている。端子板4が凹部24に収容され、後述するように突出部の接触部と太陽電池パネルのタブとが半田付けされた後には、凹部24には充填材が注入され、凹部24が封止される。
【0032】
突出部41の突出側の端部は内側に略直角に折り曲げられて、太陽電池パネルのタブと接触し、接続される接触部41aが形成されている。太陽電池パネルの裏面に端子ボックスを設置し、タブと接触部41aとが接触した状態でこれらは半田付けされる。これにより、太陽電池パネルと端子板4とが導通状態となる。
【0033】
上述したように、ばね部42はその長手方向が前後方向に沿うように凹部24に収容されている。そして、一対のばね部42の側壁22a側(以下、後側と称する)の端部の間にわたって、側壁22aに沿う方向(以下、左右方向と称する)に延びる支持部45が設けられている。突出部41は、この支持部45の左右方向略中央に支持されている。このような構成とすることにより、安定して突出部41を支持することができる。
【0034】
また、ばね部42の突出部41が設けられている側とは反対側(以下、前側と称する)の端部には一対の被支持部43が設けられている。この被支持部43には係合孔43aが形成されており、本体下部2の凹部24の内壁面に形成された係合突起(図示せず)と係合するように構成されている。この係合によって、端子板4は本体下部2に支持される。
【0035】
一対の被支持部43の間には略平坦な外部接続部44が形成されている。上述したように、この外部接続部44上にはピン3の舌状部31が載置され、外部接続部44と舌状部31とが半田付けされる。これによって、ピン3を介して、端子板4と電力線とが導通状態となり、太陽電池パネルと電力線とが導通状態となる。
【0036】
ばね部42は、本体下部2の側壁22bおよび22dの内面に沿う平面上で、複数の折り返し部を有する蛇行構造(九十九折状)に形成されている。そのため、突出部41の突出方向に沿う方向(以下、出退方向と称し、特に、突出部41の突出量が大きくなる方向を突出方向、小さくなる方向を引退方向と称する)に対して曲げ弾性を有している。この曲げ弾性によって、突出部41の突出量の調整が可能となる。
【0037】
また、端子ボックスを太陽電池パネルの裏面に設置した際には、太陽電池パネルからの反力が突出部41に作用するが、ばね部42の曲げ弾性によってこの反力を吸収することができる。したがって、突出部41に対して、大きな引退方向への反力が作用しても、その反力はばね部42の曲げ弾性により吸収されるため、その反力によって端子ボックスが浮き上がることを防止することができる。
【0038】
逆に、突出部41の突出量が不足している場合でも、ばね部42の曲げ弾性により突出部41の突出量を大きく調整できるため、接触部41aとタブとを的確に接触させることができ、接触不良を防止することができる。
【0039】
上述したように、端子板4は被支持部43により本体下部2に支持されており、突出部41と被支持部43とはばね部42の両端側に設けられている。このように構成することにより、端子板4に作用する太陽電池パネルからの反力の力点と支点との距離を大きくすることができ、ばね部42が支持できる反力を大きくすることができる。
【0040】
ばね部42は板状部材によって構成されており、その面が本体下部2の側壁22c,22dの内面に沿うように構成されている。そのため、端子板4を上方から見ると、
図5の下壁に平行な切断線による断面図に示すように、一対のばね部42の間に空間が形成され、その空間を介して接触部41aを臨むことができる。しかも、板状のばね部42が対向するように設けられているため、その空間を大きくすることができる。したがって、この一対のばね部42の間に形成された空間を介して接触部41aとタブとを半田付けすることができるため、半田付け作業が容易となる。
【0041】
上述したように、ばね部42の曲げ弾性により、突出部41が太陽電池パネルから受ける反力を支持することができる。しかしながら、ばね部42に対して大きな曲げ力が作用すると、ばね部42が弾性復帰する力が大きくなり、その力が端子ボックスに対して太陽電池パネルから剥がす方向への力として作用するため、端子ボックスの取り付けを阻害するおそれがある。
【0042】
これを防止するために、本発明の端子ボックスは突出部41の出退方向への変位状態を保持する変位保持部を備えている。本実施形態では、変位保持部は、突出部41に形成されたはしご状部41b(本発明の被係合部の例)と、本体下部2の孔21aの内壁面に形成された係合爪21bと、から構成されている。すなわち、はしご状部41bは、左右方向に伸びる複数の棒状部材を備え、各々の棒状部材に対して係合爪21bが係合可能になっている。
【0043】
図4(a)に示すように、突出部41が変位していない状態では、係合爪21bははしご状部41bの複数の棒状部材よりも上方に位置しており、棒状部材には係合していない。一方、
図4(b)に示すように、突出部41が引退方向に変位すると、係合爪21bはいずれかの棒状部材の下方に位置する。このとき、ばね部42の弾性復帰力が突出部41に作用するが、係合爪21bがはしご状部41bのいずれかの棒状部材と係合し、突出部41が突出方向に変位することを阻害する。
【0044】
このように、端子ボックスに突出部41の変位状態を保持する変位保持部を設けることによって、端子ボックスを太陽電池パネルの裏面に接着固定する際に、端子ボックスの浮き上がりを防止し、接着の確実性を高めることができる。
【0045】
図6は端子板4の展開図である。図から明らかなように、端子板4は1枚の平板状の導電性材料を打ち抜き、プレス加工することによって形成されている。このように、一対のばね部42の間に突出部41を形成しているため、端子板4に必要な材料を少なくすることができ、また、廃棄される材料を削減することができる。さらに、打ち抜きやプレス等に用いる金型を小さくすることもできる。これらはいずれも製造コストの削減に寄与するため、好ましい。
【0046】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、本体下部2に係合爪12b、端子板の突出部41にはしご状部41bを形成したが、本体下部2にはしご状部、端子板の突出部に係合爪を形成しても構わない。また、被係合部ははしご状だけでなく、他の形態であっても構わない。
【0047】
(2)上述の実施形態では、突出部41の突出方向への変位を阻害するように変位保持部を構成したが、突出部41の引退方向への変位を阻害するように変位保持部を構成しても構わない。変位保持部をこのように構成すると、突出部41の突出量が大きくなるように調整した際に、突出部41が不用意に引退することを防止することができ、接触部41aとタブとの接触不良を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、太陽電池パネル用の端子ボックスに用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1:本体上部(ボックス本体)
2:本体下部(ボックス本体)
21b:係合爪
24:凹部
4:端子板
41:突出部
41a:接触部
41b:はしご状部(被係合部)
42:ばね部
43:被支持部
44:外部接続部
45:支持部